JP2006106470A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 帯電動作に伴って発生する生成物による異常画像が生じるのを防止して良好な印字処理を行うことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 帯電部材22および現像ローラ33がそれぞれ潜像担持体20の周速V20と異なる周速V22、V33で回転しながら摺接している。そのため、これらの2つの摺接位置のうち潜像担持体20の回転方向D20における上流側の摺接位置(上流側摺接位置)、つまり現像位置Pdvで発生する摩擦力によって、潜像担持体20の表面に付着している生成物DPが削られてチップ状となり、該チップ状生成物DPCが該表面から浮いた状態となる。また、上流側摺接位置から搬送されてきたチップ状生成物DPCが下流側摺接位置で帯電部材22に回収される(回収工程)。このように2段階工程によって潜像担持体20から生成物DPを効果的に除去することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】 帯電部材22および現像ローラ33がそれぞれ潜像担持体20の周速V20と異なる周速V22、V33で回転しながら摺接している。そのため、これらの2つの摺接位置のうち潜像担持体20の回転方向D20における上流側の摺接位置(上流側摺接位置)、つまり現像位置Pdvで発生する摩擦力によって、潜像担持体20の表面に付着している生成物DPが削られてチップ状となり、該チップ状生成物DPCが該表面から浮いた状態となる。また、上流側摺接位置から搬送されてきたチップ状生成物DPCが下流側摺接位置で帯電部材22に回収される(回収工程)。このように2段階工程によって潜像担持体20から生成物DPを効果的に除去することができる。
【選択図】 図3
Description
この発明は、潜像担持体の帯電、潜像担持体への潜像の形成、該潜像のトナー現像、および該トナー現像により形成されるトナー像の中間転写媒体への転写を行って印字処理を実行する画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真法等により画像形成を行う画像形成装置では、感光体などの潜像担持体の表面が帯電部材によって一様帯電された後、この潜像担持体の表面に光ビームを照射することで静電潜像が形成される。そして、この潜像担持体上の静電潜像は現像ユニットの現像ローラに担持されたトナーにより現像され、トナー像が形成される。また、このトナー像は中間転写ベルトや中間転写ドラムなどの中間転写媒体に1次転写された後、該1次転写トナー像が複写紙、転写紙などのシート状の記録材に2次転写される。さらに、記録材に転写されたトナー像は定着ユニットにより定着されて、この記録材に画像が形成される。
また、近年、潜像担持体から中間転写媒体への転写効率を高めることで、1次転写後に潜像担持体に残留するトナーを低減させ、これによって転写後の残留トナーをクリーニング除去するクリーナを省略する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
ところで、画像形成装置では印字処理を行うために潜像担持体の表面を帯電させる必要があるが、その帯電動作を行った際に、多量のオゾンが発生するとともに窒素酸化物などの放電生成物が生成されることがある。このように帯電動作に伴って生成される放電生成物が潜像担持体の表面に付着すると、これが画像形成に悪影響を与えてしまうことがあった。より具体的には、帯電動作により放電が発生し、それにより例えば窒素酸化物が形成されると、その窒素酸化物が空気中の水分と反応して硝酸が生成されるとともに、金属と反応して金属硝酸塩が生成される。そして、その硝酸または硝酸塩が薄い膜になって潜像担持体の表面に形成されると、潜像担持体表面の静電潜像が壊れてしまうことがある。その結果、画像が流れたような異常画像になり、良好な印字処理を行うことができないことがあった。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、帯電動作に伴って発生する生成物による異常画像が生じるのを防止して良好な印字処理を行うことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
この発明は、所定の周速で回転する潜像担持体と、潜像担持体の周囲に配置された複数の機能部材と、回転しながら潜像担持体と当接するように設けられた中間転写媒体とを備え、潜像担持体の帯電動作、潜像担持体への潜像の形成動作、該潜像のトナー現像動作、および該トナー現像により形成されるトナー像の中間転写媒体への転写動作を行って印字処理を実行するとともに、潜像担持体の回転方向において帯電動作を行う位置から転写動作を行う位置までの範囲内で、転写後に潜像担持体に残留するトナーを回収するクリーナレスシステムを用いた画像形成装置であって、上記目的を達成するため、複数の機能部材のうち少なくとも1つ以上が印字処理中に潜像担持体と当接しながら回転する当接回転部材で構成され、しかも、該当接回転部材および中間転写媒体のうちの少なくとも2つ以上がそれぞれ潜像担持体の周速と異なる周速で回転することを特徴としている。
このように構成された発明では、当接回転部材および中間転写媒体のうちの少なくとも2つ以上がそれぞれ潜像担持体の周速と異なる周速で回転しながら潜像担持体の表面に摺接している。そして、これらの摺接位置のうち潜像担持体の回転方向における上流側の摺接位置(上流側摺接位置)では、潜像担持体との間で発生する摩擦力によって、潜像担持体の表面に付着している生成物が削られてチップ状となり、該チップ状生成物が該表面から浮いた状態となる。こうして形成されたチップ状生成物の一部は上流側摺接位置で潜像担持体と摺接する当接回転部材または中間転写媒体に回収されるかも知れないが、上流側摺接位置で全てのチップ状生成物を回収することは困難である。しかしながら、この発明では、下流側にも摺接位置が設けられており、該下流側摺接位置で潜像担持体に対して当接回転部材または中間転写媒体が潜像担持体の周速と異なる周速で回転しながら摺接している。そのため、上流側摺接位置から搬送されてきたチップ状生成物が下流側摺接位置で潜像担持体から回収される。このように、本発明では、印字処理を実行しつつ、潜像担持体の表面に付着した生成物を上流側摺接位置でチップ状にして該表面から浮かす「削り工程」と、該チップ状生成物を下流側摺接位置で回収する「回収工程」とを実行しているので、潜像担持体から生成物を効果的に除去することができる。その結果、生成物による異常画像が生じるのを防止して良好な印字処理を行うことが可能となる。
ここで、この種の画像形成装置では、機能部材として、帯電動作を実行する帯電部材やトナー現像を実行する現像部材などが設けられており、当接回転部材としては接触式帯電部材や接触現像部材などを用いることがある。したがって、当接回転部材および中間転写媒体の周速を以下のように設定して上流側および下流側摺接位置を設けてもよい。
(1)当接回転部材として、帯電動作を実行する接触式帯電部材と、トナー現像を実行する接触現像部材をそれぞれ設けるとともに、接触式帯電部材および接触現像部材はそれぞれ潜像担持体の周速よりも速い周速で回転するように構成してもよい。この場合、潜像担持体と接触現像部材とが摺接する位置が上流側摺接位置となる一方、潜像担持体と接触式帯電部材とが摺接する位置が下流側摺接位置となる。
(2)当接回転部材として帯電動作を実行する接触式帯電部材を設けるとともに、接触式帯電部材および中間転写媒体はそれぞれ潜像担持体の周速よりも速い周速で回転するように構成してもよい。この場合、潜像担持体と中間転写媒体とが摺接する位置が上流側摺接位置となる一方、潜像担持体と接触式帯電部材とが摺接する位置が上流側摺接位置となる。
なお、(1)および(2)における帯電動作として、転写動作を受けた潜像担持体の表面にちらし部材を当接させた後で該表面を帯電させるちらし帯電動作を実行する場合には、ちらし部材を当接回転部材として設け、該ちらし部材を潜像担持体の周速よりも速い周速で回転するように構成してもよい。ここでは、ちらし部材が接触式帯電部材として潜像担持体と摺接して該摺接位置が下流側摺接位置となる。
(3)当接回転部材としてトナー現像を実行する接触現像部材を設けるとともに、接触現像部材および中間転写媒体はそれぞれ潜像担持体の周速よりも速い周速で回転するように構成してもよい。この場合、潜像担持体と接触現像部材とが摺接する位置が上流側摺接位置となる一方、潜像担持体と中間転写媒体とが摺接する位置が下流側摺接位置となる。
図1は本発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。さらに、図3は、各画像形成ステーションの概略構成を示す模式図である。この装置1は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のトナー(現像剤)を重ね合わせてフルカラー画像を形成するカラー印字処理、およびブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する単色印字処理を選択的に実行する画像形成装置である。この画像形成装置1では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像形成指令(印字指令)がメインコントローラ51に与えられると、このメインコントローラ51からの指令に応じてエンジンコントローラ52がエンジン部EG各部を制御して所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシート(記録材)Sに画像形成指令に対応する画像を形成する。
図1において、本実施形態の画像形成装置1は、ハウジング本体2と、ハウジング本体2の前面(同図の右手側面)に開閉自在に装着された第1の開閉部材3と、ハウジング本体2の上面に開閉自在に装着された第2の開閉部材(排紙トレイを兼用している)4とを有している。また、第1の開閉部材3には、開閉蓋3aがハウジング本体2の前面に開閉自在に装着されている。なお、この開閉蓋3aは第1の開閉部材3と連動して、または独立して開閉可能となっている。
ハウジング本体2内には、電源回路基板、メインコントローラ51およびエンジンコントローラ52を内蔵する電装品ボックス5が設けられている。また、画像形成ユニット6、送風ファン7、転写ベルトユニット9および給紙ユニット10もハウジング本体2内に配設されている。一方、第1の開閉部材3側には、2次転写ユニット11、定着ユニット12およびシート搬送機構13が配設されている。なお、この実施形態では、画像形成ユニット6および給紙ユニット10内の消耗品は、装置本体に対して着脱自在に構成されている。そして、これらの消耗品および転写ベルトユニット9については、それぞれ取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
転写ベルトユニット9は、ハウジング本体2の下方に配設され図示しない駆動モータにより回転駆動される駆動ローラ14と、駆動ローラ14の斜め上方に配設される従動ローラ15と、この2本のローラ14、15間に張架されて図示矢印方向D16へ循環駆動される中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16の表面に当接されるクリーニング部17とを備えている。この従動ローラ15は駆動ローラ14に対して斜め上方(図1中の左手上方)に配置されている。このため、中間転写ベルト16は傾斜状態のまま方向D16に回転移動する。また、中間転写ベルト16を駆動した際のベルト搬送方向D16が下向き(図1の右下向き)になるベルト面16aは下方に位置している。本実施形態においては、ベルト面16aがベルト駆動時のベルト張り面(駆動ローラ14により引っ張られる面)となっており、後述する各色の潜像担持体の周速V20と略同一の周速V16(=V20)を有している。
上記駆動ローラ14および従動ローラ15は支持フレーム9aに回転自在に支持されている。この支持フレーム9aの下端には、回動部9bが形成されるとともに、ハウジング本体2に設けられた回動軸(回動支点)2bに嵌合されている。これにより、支持フレーム9aはハウジング本体2に対して回動自在となっている。一方、支持フレーム9aの上端には、ロックレバー9cが回動自在に設けられるとともに、ハウジング本体2に設けられた係止軸2cに係止可能にされている。
駆動ローラ14は、2次転写ユニット11を構成する2次転写ローラ19のバックアップローラを兼ねている。駆動ローラ14の周面には、図1に示すように、厚さ3mm程度、体積抵抗率が105Ω・cm以下のゴム層14aが形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、図示を省略する2次転写バイアス発生部から2次転写ローラ19を介して供給される2次転写バイアスの導電経路としている。このように駆動ローラ14に高摩擦かつ衝撃吸収性を有するゴム層14aを設けることにより、2次転写部へシートSが進入する際の衝撃が中間転写ベルト16に伝達しにくく、画質の劣化を防止することができる。
また、本実施形態においては、駆動ローラ14の径を従動ローラ15の径より小さくしている。これにより、2次転写後のシートSがシートS自身の弾性力で剥離し易くすることができる。また、従動ローラ15をクリーニング部17のバックアップローラとして兼用させている。このクリーニング部17は、搬送方向下向きのベルト面16a側に設けられており、図1に示すように、残留トナーを除去するクリーニングブレード17aと、除去したトナーを搬送するトナー搬送部材とを備えている。そして、クリーニングブレード17aは従動ローラ15への中間転写ベルト16の巻きかけ部において中間転写ベルト16に当接して2次転写後に中間転写ベルト16の表面に残留しているトナーをクリーニング除去する。
また、中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16a裏面には、後述する各画像形成ステーションY,M,C,Kの潜像担持体20に対向して1次転写ローラ21aを配置してなる1次転写ユニット21が設けられている。この1次転写ユニット21では、4つの1次転写ローラ21aがリンクバー21bに対して回転自在に軸支されている。これらの1次転写ローラ21aは図示を省略する1次転写バイアス発生部と電気的に接続されており、適当なタイミングで1次転写バイアス発生部から1次転写バイアスが印加される。
このリンクバー21bは、ブラック(K)の画像形成ステーションKの潜像担持体20に対向して配置された1次転写ローラ21aを回動中心として、矢印方向D21に回動自在に設けられている。そして、図示を省略するアクチュエータを作動させることでリンクバー21bが回動してイエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)の画像形成ステーションY,M,Cの潜像担持体20に対向して配置された1次転写ローラ21aが潜像担持体20に向かって近接し、また潜像担持体20から離間移動する。このため、各1次転写ローラ21aが潜像担持体20に向かって近接移動すると、中間転写ベルト16を挟んで該潜像担持体20に当接する(図1中の実線)。そして、この当接位置が1次転写位置(図3の符号TR1)となっており、後述するように該1次転写位置でトナー像が中間転写ベルト16に転写される。このように1次転写位置TR1が本発明の「転写位置」に相当している。逆に、各1次転写ローラ21aが潜像担持体20から離間移動すると、画像形成ステーションY,M,Cの潜像担持体20と中間転写ベルト16とは互いに離間する(図1中の破線)。一方、ブラック(K)の画像形成ステーションKの潜像担持体20に対向して配置された1次転写ローラ21aについては、中間転写ベルト16を挟んで該潜像担持体20に当接されたままと回転するように構成されている。したがって、図1の実線で示すように、全1次転写ローラ21aを潜像担持体20側に位置させることでカラー印字処理が実行可能となる。一方、同図の破線で示すように、ブラック用の1次転写ローラ21aを残して他の1次転写ローラ21aを潜像担持体20から離間させることでモノクロ印字処理のみを実行しつつ画像形成ステーションY,M,Cを非印字状態とすることができる。
また、転写ベルトユニット9の支持フレーム9aには、駆動ローラ14に近接してテストパターンセンサ18が設置されている。このテストパターンセンサ18は、中間転写ベルト16上の各色トナー像の位置決めを行うとともに、各色トナー像の濃度を検出し、各色画像の色ずれや画像濃度を補正するためのセンサである。また、この実施形態では、上記センサ18に加えて、中間転写ベルト16の特徴部位(例えば幅方向に突設された突起部)を検出する垂直同期センサ60(図2)が支持フレーム9aに取り付けられている。このため、中間転写ベルト16の特徴部位がセンサ60を通過するたびに垂直同期信号(基準信号)が出力される。
画像形成ユニット6は、複数(本実施形態では4つ)の異なる色の画像を形成する画像形成ステーションY(イエロー用),M(マゼンタ用),C(シアン用),K(ブラック用)を備えている。各画像形成ステーションY,M,C,Kにはそれぞれ、感光体ドラムからなる潜像担持体20が設けられている。この潜像担持体20は、図3(b)および同図(c)に示すように、基材20aの上に必要に応じて下引き層20bが形成されるとともに、その上に電荷発生層20cおよび電荷輸送層20dがこの順序で積層されている。なお、潜像担持体20の構成自体は従来より周知であるため、ここでは構成説明を省略する。
また、各潜像担持体20の周囲には、帯電部材22、像書込部材23および現像部24が配設されている。この実施形態では、帯電部材22、像書込部材23および現像部24の現像ローラ33が本発明の「機能部材」に相当しており、これらによって帯電動作、潜像形成動作およびトナー現像動作が実行される。なお、現像部24は、画像形成ステーションKのみに符号を付けて他の画像形成ステーションについては構成が同一のため符号を省略する。また、各画像形成ステーションY,M,C,Kの配置順序は任意である。
そして、各画像形成ステーションY,M,C,Kの潜像担持体20が1次転写位置TR1(図3)で中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16aに当接されるようにされ、その結果、各画像形成ステーションY,M,C,Kも駆動ローラ14に対して図で左側に傾斜する方向に配設されることになる。また、各潜像担持体20は、図示矢印D20に示すように、中間転写ベルト16の搬送方向に所定周速V20で回転駆動される。なお、この実施形態では、潜像担持体20の回転方向D20において、潜像担持体20の周長は最小サイズのシート長、例えば葉書サイズよりも短くなっている。
帯電部材22は、帯電バイアス発生部(図示省略)に接続された導電性ブラシローラで構成され、帯電位置Pcgで潜像担持体20の表面と当接しながら方向D22に潜像担持体20よりも速い周速V22(例えば、2・V20)で回転して潜像担持体20の表面を一様に帯電させる。導電性ブラシローラは、直径5〜8mmの良導電性軸部材(例えば金属軸)の表面へ太さが2〜6デニールで原糸抵抗が107〜109Ωの半導電性繊維を平方インチあたり15万〜43万本パイル織り植毛した生地をスパイラル状に巻き付けて構成され、潜像担持体20に対する接触深さが0.3〜0.5mmとなるように回転可能に保持している。このように、この実施形態では、帯電部材22が本発明の「当接回転部材」に相当している。
像書込部材23は、発光ダイオードやバックライトを備えた液晶シャッタ等の素子を潜像担持体20の軸方向に列状に配列したアレイ状書込ヘッドを用いており、潜像担持体20から離間配置されている。また、アレイ状書込ヘッドは、レーザー走査光学系よりも光路長が短くてコンパクトであり、潜像担持体20に対して近接配置が可能であり、装置全体を小型化できるという利点を有する。本実施形態においては、各画像形成ステーションY,M,C,Kの潜像担持体20、帯電部材22および像書込部材23を交換カートリッジ6Y,6M,6C,6K(図2)としてユニット化することにより、アレイ状書込ヘッドの位置決めを保持する構成とし、交換カートリッジの交換時にはアレイ状書込ヘッドを含めて交換し、新たな交換カートリッジに対して光量調整や位置決めを行って再使用を行う構成としている。また、各交換カートリッジ6Y,6M,6C,6Kには、該交換カートリッジに関する情報を記憶するための不揮発性メモリ91〜94がそれぞれ設けられている。そして、各交換カートリッジに設けられた送受信部53Y,53M,53C,54Kと、本体側に設けられた送受信部522Y,522M,522C,522Kとがそれぞれ互いに近接配置され、エンジンコントローラ52のCPU521とメモリ91〜94との間で無線通信が行われる。こうすることで、各交換カートリッジに関する情報がCPU521に伝達されるとともに、各メモリ91〜94内の情報が更新記憶される。
次に、現像部24の詳細について、画像形成ステーションKを代表して説明する。本実施形態においては、各画像形成ステーションY,M,C,Kが斜め方向に配設され、かつ潜像担持体20が中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16aに当接される関係上、トナー貯留容器26を斜め下方に傾斜して配置している。そのため、現像部24として特別の構成を採用している。すなわち、現像部24は、トナー(図1のハッチング部)を貯留するトナー貯留容器26と、このトナー貯留容器26内に形成されたトナー貯留部27と、トナー貯留部27内に配設されたトナー撹拌部材29と、トナー貯留部27の上部に区画形成された仕切部材30と、仕切部材30の上方に配設されたトナー供給ローラ31と、仕切部材30に設けられトナー供給ローラ31に当接されるブレード32と、トナー供給ローラ31および潜像担持体20に当接して潜像担持体20よりも速い周速V33(例えば、1.6・V20)で回転する現像ローラ33と、現像ローラ33に当接される規制ブレード34とから構成されている。
潜像担持体20は中間転写ベルト16の搬送方向D16に回転される。また、現像ローラ33および供給ローラ31は、図示矢印D33に示すように、潜像担持体20の回転方向D20とは逆方向に回転駆動される。一方、撹拌部材29は供給ローラ31の回転方向とは逆方向に回転駆動される。このため、トナー貯留部27において撹拌部材29により撹拌、運び上げられたトナーは、仕切部材30の上面に沿ってトナー供給ローラ31に供給される。また、こうして供給されたトナーはブレード32と摺擦して供給ローラ31の表面凹凸部への機械的付着力と摩擦帯電力による付着力によって、現像ローラ33の表面に供給される。そして、現像ローラ33に供給されたトナーは規制ブレード34により所定厚さの層厚に規制される。さらに、こうして薄層化されたトナー層は、潜像担持体20へと搬送される。そして、現像ローラ33と電気的に接続された現像バイアス発生部525から現像ローラ33に印加される現像バイアスによって、現像ローラ33と潜像担持体20とが当接する現像位置Pdv(図3(a))において、正規帯電トナーが現像ローラ33から潜像担持体20に移動して、像書込部23により形成された静電潜像が顕像化される。この実施形態では、現像ローラ33が本発明の「当接回転部材」に相当している。
また、この実施形態では、上記のようにしてトナー現像を実行するとともに、現像ローラ33によって潜像担持体20上の残留トナーを回収する、いわゆる現像同時クリーニングを行っている。このように現像位置Pdvにおいて、1次転写後に潜像担持体20の表面に残存するトナーを回収するクリーナレスシステムが構成されている。
なお、本実施形態のようにクリーナレス構成の画像形成方法を用いる場合には、転写効率を高める観点から、球形トナーの使用が多くなってきており、クリーナレス構成の画像形成技術を実用レベルまで引き上げるためには球形度が0.96以上のトナーを使用するのが望ましい。ここで、トナーの平均球形度は、例えばフロー式粒子像分析装置FPIA−2100(シスメックス株式会社製)を用いて測定することができる。この装置にはフラットシースフローセルと、このセルを挟んで対向する位置にCCDカメラとストロとが配置されている。そして、水などに分散させたトナー粒子を吸引してフラットシースフローセルを通過させ、通過する粒子を、ストロボをフラッシュさせた状態で撮影する。得られた画像をコンピューター処理し、個々の粒子の面積(粒子投影面積)および粒子投影像の周囲長を計測し、またコンピューターにより粒子の円相当径を計算することにより個々の粒子の球形度を求めることができる。
給紙ユニット10は、シートSが積層保持されている給紙カセット35と、給紙カセット35からシートSを一枚ずつ給送するピックアップローラ36とからなる給紙部を備えている。第1の開閉部材3内には、2次転写部へのシートSの給紙タイミングを規定するレジストローラ対37と、駆動ローラ14および中間転写ベルト16に圧接される2次転写手段としての2次転写ユニット11と、定着ユニット12と、シート搬送機構13と、排紙ローラ対39と、両面プリント用搬送路40を備えている。
2次転写ユニット11では、2次転写ローラ19が中間転写ベルト16に対して離当接自在に設けられるとともに、2次転写ローラ19を離当接駆動する2次転写ローラ駆動機構111が設けられている。なお、2次転写ローラ駆動機構111では、その一端に2次転写ローラ19が回転自在に取り付けられた回動レバー42が固定軸41に回動自在に枢支されている。また、その回動レバー42の他端と第1の開閉部材3との間にスプリング43が配設されており、その付勢力によって2次転写ローラ19は図示矢印方向に移動し、中間転写ベルト16および駆動ローラ14に押圧されている。また、2次転写ローラ駆動機構111は偏心カム44を有しており、この偏心カム44は回動レバー42のスプリング43側に設けられている。そして、図示を省略するクラッチを介して駆動モータの駆動力によって偏心カムが回転すると、回動レバー42がスプリング43に抗して回動し、2次転写ローラ19を中間転写ベルト16から離間させる。
定着ユニット12は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ45と、この加熱ローラ45を押圧付勢する加圧ローラ46と、加圧ローラ46に揺動可能に配設されたベルト張架部材47と、加圧ローラ46とベルト張架部材47間に張架された耐熱ベルト49を有している。そして、シートSに2次転写された画像は、加熱ローラ45と耐熱ベルト49で形成するニップ部で所定の温度でシートSに定着される。本実施形態においては、中間転写ベルト16の斜め上方に形成される空間、換言すれば、中間転写ベルト16に対して画像形成ユニット6と反対側の空間に定着ユニット12を配設することが可能になり、電装品ボックス5、画像形成ユニット6および中間転写ベルト16への熱伝達を低減することができ、各色の色ずれ補正動作を行う頻度を少なくすることができる。
また、こうして定着処理を受けたシートSは排紙ローラ対39を経由して装置本体の上面部に設けられた第2の開閉部材(排紙トレイ)4に搬送される。また、シートSの両面に画像を形成する場合には、上記のようにして片面に画像を形成されたシートSの後端部が排紙ローラ対39後方の反転位置まで搬送されてきた時点で排紙ローラ対39の回転方向を反転し、これによりシートSは両面プリント用搬送路40に沿って搬送される。そして、レジストローラ対37の手前で再び搬送経路に乗せられるが、このとき、2次転写領域において中間転写ベルト16と当接して画像を転写されるシートSの面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、シートSの両面に画像を形成することができる。
また、この装置1では、図2に示すように、メインコントローラ51のCPU511により制御される表示部54を備えている。この表示部54は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、CPU511からの制御指令に応じて、ユーザへの操作案内や画像形成動作の進行状況、さらに装置の異常発生やいずれかのユニットの交換時期などを知らせるための所定のメッセージを表示する。
なお、図2において、符号513はホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース512を介して与えられた画像を記憶するためにメインコントローラ51に設けられた画像メモリである。また、符号523はCPU521が実行する演算プログラムやエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのROM、また符号524はCPU521における演算結果やその他のデータを一時的に記憶するRAMである。
上記のように構成された画像形成装置では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像形成指令(印字指令)がメインコントローラ51に与えられると、CPU511はエンジン部EGの動作指示に適した形式のジョブデータに変換し、エンジンコントローラ52に送出する。これを受けたエンジンコントローラ52はエンジン部EG各部を制御し、各画像形成ステーションY,M,C,Kにおいて、帯電部材22による帯電動作、像書込部材23による潜像形成動作、および現像部24によるトナー現像動作が実行されて潜像担持体20の表面にトナー像が形成される。また、各色のトナー像は1次転写位置TR1で中間転写ベルト16に転写されてカラー画像が形成される(印字動作)。このカラー画像は2次転写位置でシートSに転写されるとともに、該シートSに対して定着ユニット12による定着処理が施された後、排紙トレイに搬送される。
また、帯電動作に伴って硝酸または硝酸塩などの薄膜が潜像担持体20の表面に生成物として形成されることがあるが、上記のように構成された実施形態では印字動作中に潜像担持体20から効果的に除去される。すなわち、この実施形態では、帯電部材22および現像ローラ33がそれぞれ潜像担持体20の周速V20と異なる周速V22、V33で回転しながら潜像担持体20の表面に摺接している。そのため、これらの2つの摺接位置のうち潜像担持体20の回転方向D20における上流側の摺接位置(上流側摺接位置)、つまり現像位置Pdvで発生する摩擦力によって、潜像担持体20の表面に付着している生成物DPが削られてチップ状となり、該チップ状生成物DPCが該表面から浮いた状態となる(図3(b))。このように帯電動作に伴って発生する生成物DPを上流側摺接位置でチップ状にして該表面から浮かす「削り工程」を実行している。また、こうして形成されたチップ状生成物DPCの一部は上流側摺接位置で現像ローラ33により除去回収される可能性があるが、残りのチップ状生成物DPCは潜像担持体20に残存しまま1次転写位置TR1を介して下流側摺接位置(帯電位置Pcg)に搬送される。この下流側摺接位置では、同図(a)および(c)に示すように、帯電部材22が潜像担持体20と異なる周速V22で回転しながら潜像担持体20の表面に摺接している。このため、上流側摺接位置から搬送されてきたチップ状生成物DPCが下流側摺接位置で帯電部材22に回収される(回収工程)。このように2段階工程によって潜像担持体20から生成物DPを効果的に除去することができる。その結果、生成物DPによる異常画像が生じるのを防止して良好な印字処理を行うことが可能となる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、現像位置Pdvと帯電位置Pcgをそれぞれ上流側摺接位置および下流側摺接位置として設けているが、上流側摺接位置および下流側摺接位置の設定位置はこれに限定されるものではない。例えば図4に示すように、1次転写位置TR1を下流側摺接位置に設定するようにしてもよい。すなわち、中間転写ベルト16の周速を潜像担持体20の周速V20と異なる値、例えば103%に設定してもよい。この場合、上流側摺接位置(現像位置Pdv)から搬送されてきたチップ状生成物DPCが下流側摺接位置(1次転写位置TR1)で中間転写ベルト16に回収される。その結果、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。この場合、帯電部材22の帯電方式は任意であり、第1実施形態と同様に接触方式を採用してもよいし、また例えばスコロトロン帯電などの非接触帯電方式を採用してもよい。
また、図5に示すように、1次転写位置TR1を上流側摺接位置に設定するようにしてもよい。すなわち、現像部24での現像方式として非接触方式を採用するとともに、中間転写ベルト16の周速を潜像担持体20の周速V20と異なる値、例えば103%に設定してもよい。この場合、1次転写位置(上流側摺接位置)TR1で発生する摩擦力によって、潜像担持体20の表面に付着している生成物DPが削られてチップ状となり、該チップ状生成物DPCが該表面から浮いた状態となる。そして、該チップ状生成物DPCが下流側摺接位置で帯電部材22に回収される(回収工程)。その結果、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、図6に示すように、帯電部材22をちらし部材22Aと帯電ローラ22Bとで構成し、いわゆるちらし帯電動作を行う装置においても、次のように構成することで上記実施形態と同様の作用効果が得られる。この場合、同図に示すように、ちらし部材22Aは潜像担持体20の周速V20と異なる周速V22a、例えば2・V20で回転しながら潜像担持体20の表面に摺接している。このため、1次転写位置(上流側摺接位置)TR1で形成されたチップ状生成物DPCが、ちらし部材22Aが潜像担持体20の表面に摺接するちらし位置Pscに搬送されてちらし部材22Aにより回収される(回収工程)。その結果、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、ここでは、1次転写位置TR1を上流側摺接位置としているが、現像位置Pdvを上流側摺接位置とした場合も同様である。
また、上記実施形態では、摺接位置を2箇所に設けているが、摺接位置の個数は上記実施形態に限定されるものではなく、3箇所以上設けてもよい。また、配設位置についても任意である。また、各摺接位置での潜像担持体20に対する当接回転部材や中間転写ベルト16の周速は上記実施形態における値に限定されるものではなく、潜像担持体20の周速V20と異なる周速に設定することで同様の作用効果を得ることができる。
また、中間転写媒体として中間転写ベルト16を用いた画像形成装置に対して本発明を適用したが、中間転写ドラムなどの中間転写媒体を用いた画像形成装置や潜像担持体20上のトナー像をシートSに直接転写する画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
また、上記各実施形態は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色のトナーを用いて画像を形成する装置に本発明を適用したものであるが、トナー色の種類および数については上記に限定されるものでなく任意である。さらに、タンデム方式の画像形成装置のみでなく、いわゆるロータリー現像方式の装置に対しても本発明を適用可能である。
1…画像形成装置、 16…中間転写ベルト(中間転写媒体)、 20…潜像担持体、 22…帯電部材(機能部材、当接回転部材)、 22A…ちらし部材(機能部材、当接回転部材)、 23…像書込部材(機能部材)、 24…現像ローラ(機能部材、当接回転部材)、 52…エンジンコントローラ(制御手段)、 521…CPU(制御手段)、 DP…生成物、 Pcg…帯電位置(摺接位置)、 Pdv…現像位置(摺接位置)、 Psc…ちらし位置(摺接位置)、 TR1…1次転写位置(摺接位置)
Claims (6)
- 所定の周速で回転する潜像担持体と、前記潜像担持体の周囲に配置された複数の機能部材と、回転しながら前記潜像担持体と当接するように設けられた中間転写媒体とを備え、前記潜像担持体の帯電動作、前記潜像担持体への潜像の形成動作、該潜像のトナー現像動作、および該トナー現像により形成されるトナー像の前記中間転写媒体への転写動作を行って印字処理を実行するとともに、前記潜像担持体の回転方向において帯電動作を行う位置から前記転写動作を行う位置までの範囲内で、転写後に前記潜像担持体に残留するトナーを回収するクリーナレスシステムを用いた画像形成装置において、
前記複数の機能部材のうち少なくとも1つ以上が前記印字処理中に前記潜像担持体と当接しながら回転する当接回転部材で構成され、しかも、
該当接回転部材および前記中間転写媒体のうちの少なくとも2つ以上がそれぞれ前記潜像担持体の周速と異なる周速で回転することを特徴とする画像形成装置。 - 前記当接回転部材として、前記帯電動作を実行する接触式帯電部材と、前記トナー現像を実行する接触現像部材がそれぞれ設けられるとともに、前記接触式帯電部材および前記接触現像部材はそれぞれ前記潜像担持体の周速よりも速い周速で回転する請求項1記載の画像形成装置。
- 前記当接回転部材として前記帯電動作を実行する接触式帯電部材が設けられるとともに、前記接触式帯電部材および前記中間転写媒体はそれぞれ前記潜像担持体の周速よりも速い周速で回転する請求項1記載の画像形成装置。
- 前記転写動作を受けた前記潜像担持体の表面にちらし部材を当接させた後で該表面を帯電させるちらし帯電動作を前記帯電動作として実行する請求項2または3記載の画像形成装置であって、
前記ちらし部材が前記当接回転部材として設けられるとともに、前記潜像担持体の周速よりも速い周速で回転する画像形成装置。 - 前記当接回転部材として前記トナー現像を実行する接触現像部材が設けられるとともに、前記接触現像部材および前記中間転写媒体はそれぞれ前記潜像担持体の周速よりも速い周速で回転する請求項1記載の画像形成装置。
- 球形度が0.96以上のトナー粒子を用いてトナー像を形成する請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
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