JP2006103624A - 燃料タンク用蓋体ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】 電子回路を備える燃料タンク用蓋体ユニットにおいて、蓋部から滲出した燃料による不具合を抑制する。
【解決手段】 燃料タンク用蓋体ユニット1において、燃料タンク2の開口部を塞ぐように取り付けられる蓋部3と電子回路12を収容する電子回路収容部5との間に、蓋部3を貫通する導体としての端子13bと蓋部3との隙間から滲出した燃料を燃料タンク2外に蒸気として放出する蒸気通路として、底室16および通路18を形成した。
【選択図】 図3

Description

本発明は、燃料タンク用蓋体ユニットに関し、特に、燃料タンク内で用いられる電装部品用の電子回路を搭載する燃料タンク用蓋体ユニットに関する。
従来より種々の燃料タンク用蓋体ユニットが提案されている。特許文献1は、その一例を開示する。
上記公報の燃料タンク用蓋体ユニットでは、燃料タンクの開口部を塞ぐように取り付けられる蓋体の上面に凹部が形成されており、この凹部に、燃料タンク内に設置される燃料ポンプを制御する制御回路が収容されている。
特許第3371409号公報
上記燃料タンク用蓋体ユニットによれば、制御回路を蓋体によって保護することができる。
しかしながら、上記燃料タンク用蓋体ユニットでは、燃料タンクの内圧が上昇すると、蓋体を貫通するコネクタまたはハーネスと蓋体本体との隙間から燃料が滲出して凹部に浸入し、制御回路の不具合の要因となるおそれがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料タンク用蓋体ユニットにおいて、滲出した燃料による不具合を抑制することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、燃料タンク用蓋体ユニットにおいて、燃料タンクの開口部を塞ぐように取り付けられる蓋部と電子回路を収容する電子回路収容部との間に、蓋部を貫通する導体と蓋部との隙間から滲出した燃料を燃料タンク外に蒸気として放出する蒸気通路を形成したことを趣旨とする。
また、請求項2の発明は、上記請求項1の発明において、電子回路収容部を蓋部とは別体のボックス状に形成し、該ボックス状の電子回路収容部の底面および蓋部の上面のうち少なくともいずれか一方に凹部を形成して、蓋部上に電子回路収容部を取り付けた状態で、該凹部が前記蒸気通路となるようにした構成としている。
また、請求項3の発明は、上記請求項1または2の発明において、蒸気通路に、気体を通流し液体を通流しない気体透過部を設けた構成としている。
請求項1の発明によれば、蓋部と電子回路収容部との間に、上記隙間から滲出した燃料を燃料タンク外に蒸気として放出する蒸気通路を形成したので、滲出した燃料が電子回路収容部内に浸入するのを抑制し、当該燃料による電子回路の不具合を抑制することができる。
請求項2の発明によれば、電子回路収容部の底面および/または蓋部の上面に設けた凹部により、より容易に蒸気通路を形成することができる。
請求項3の発明によれば、気体透過部により、蒸気通路内に水が浸入するのを防止することができる。
以下、本発明を具現化した実施形態について図面を参照して説明する。ここでは、内燃機関を搭載した自動車の燃料タンクに装着される燃料タンク用蓋体ユニットを例示する。
(第1実施形態)図1〜図3は、本発明の第1実施形態を示しており、図1は、本実施形態にかかる燃料タンク用蓋体ユニットを装着した燃料タンクの側面図、図2は、燃料タンク用蓋体ユニットの斜視図、また、図3は、燃料タンク用蓋体ユニットの断面図(図2のA−A断面図)である。
燃料タンク用蓋体ユニット1は、燃料タンク2の上壁に設けられた開口部2aを塞ぐように取り付けられており、略円盤状の蓋部3と、その蓋部3の上面3aに取り付けられたボックス状の電子回路収容部5とを備えている。蓋部3には、燃料タンク2内に設けられる燃料ポンプ(図示せず)から吐出された燃料を内燃機関(図示せず)に向けて排出するためのフィードパイプ6なども設けられている。
電子回路収容部5は、底壁7および側壁8を備えた本体部9と、その上部開口を塞ぐ上蓋10とを備えており、底壁7、側壁8および上蓋10に囲まれる収容室11内に、電子回路12が収容されている。なお、この電子回路収容部5は、蓋部3とは別体として形成され、蓋部3の上面3a上にねじ等で結合される。
電子回路12は、導体としてのバスバー(図示せず)や端子13a,13b等を介して、燃料ポンプや液面センサ等の燃料タンク2内の電装部品に電気的に接続されており、これら電装部品の制御回路や検出回路等として機能するものである。本実施形態では、電子回路12は二つの電子回路基板14を備えており、それら電子回路基板14は、収容室11内に、部品実装面が相互に対向する姿勢で上下二段に配置されている。
底壁7は、側壁8の下面8a(電子回路収容部5の底面に相当)から上方に離間させて設けられて、所謂上げ底の形状を成している。すなわち、電子回路収容部5が蓋部3と当接する側の底面8aには、凹部15が形成されている。そして、電子回路収容部5を蓋部3に装着した状態で、凹部15が蓋部3の上面3aで覆われて底室16が形成される。
また、側壁8の下面8a全周に亘って環状の溝部8bが形成されており、この溝部8bに装着されたOリング21によって気密および液密が確保されている。
一方、電子回路収容部5には、上下方向に伸びる連通管17が設けられており、この連通管17の内側の通路18により、底室16が、収容室11とは隔絶された状態で燃料タンク2外と連通している。なお、連通管17の出口17aには、気体を通流し液体を通流しない気体透過部(例えばゴアテックス(登録商標)等の撥水性多孔質部材、気体透過膜など)19が装着(例えば接着)されている。
端子13aは、電子回路収容部5の底壁7にインサート成形されており、当該底壁7の表裏面を貫通している。すなわち、端子13aの下端は底壁7の下面上(底室16内)に露出する一方、上端は収容室11内に露出している。一方、端子13bは、蓋部3にインサート成形されており、当該蓋部3の表裏面を貫通している。すなわち、端子13bの下端は燃料タンク2内に露出する一方、上端は蓋部3の上面3a上(底室16内)に露出している。そして、電子回路収容部5を蓋部3上の規定位置に装着したときに、これら端子13a,13bが雌雄嵌合されて電気的に接続され、電子回路収容部5内に露出する端子13aと燃料タンク2内に露出する端子13bとを結ぶ導通路が形成される。
側壁8には、収容室11内外を連通する連通孔20が形成されており、収容室11内が燃料タンク2外とほぼ同じ圧力(すなわち大気圧)となるようにしてある。かかる構成により、電子回路12によって生じた熱を連通孔20から逃がし、収容室11内の温度上昇による不具合を抑制できるという利点もある。なお、この連通孔20にも、気体透過部19と同様の気体透過部22が装着されている。この気体透過部22により、外部から収容室11内に水等の液体が浸入するのが防止される。
さて、上記構成の燃料タンク用蓋体ユニット1では、燃料タンク2の内圧が上昇し、当該燃料タンク2内の燃料の液体または蒸気が蓋部3と端子13aとの隙間を通って滲出する場合がある。
しかし、本実施形態では、上述したように、端子13bを底室16内に露出させ、蓋部3と端子13bとの隙間が底室16と連通するようにしたため、滲出した燃料が収容室11内に浸入することがなくなる。さらに、底室16を連通管17の通路18を介してタンク外に連通させているため、燃料が仮に液体の状態で滲出したとしても、底室16内で気化し、通路18からタンク外に放出されることとなる。すなわち、本実施形態では、蓋部3と端子13bとの隙間を通って滲出した燃料を燃料タンク2外に蒸気として放出する蒸気通路として、上記底室16および連通管17(内の通路18)を形成したので、収容室11内に燃料が滲出するのを防止し、電子回路に不具合が生じるのを防止することができる。
また、本実施形態では、電子回路収容部5を蓋部3とは別体のボックス状に形成し、該電子回路収容部5の底面8aおよび蓋部3の上面3aのうち少なくともいずれか一方(本実施形態では、電子回路収容部5の底面のみ)に凹部15を形成して、蓋部3上に電子回路収容部5を取り付けた状態で底室16が形成されるようにし、該凹部15(底室16)を蒸気通路として用いることで、極めて容易に蒸気通路を形成することができる。
さらに、本実施形態では、蓋部3と電子回路収容部5との当接面では底室16の気密および液密を確保する一方、底室16から上方に伸びてタンク外と連通する通路18を設けたので、滲出した燃料を、液体の状態で漏出させることなく、より確実に気化してタンク外に放出することができる。また、底室16を、蓋部3の上面3aに隣接して設けたため、滲出した燃料が燃料タンク2からの受熱によって気化しやすくなるという利点もある。
その上、本実施形態では、通路18に、気体を通流し液体を通流しない気体透過部19を設けたので、タンク外から水等の液体が通路18や底室16に浸入することがなく、滲出した燃料の気化が当該液体によって阻害されるのを防止することができる。
(第2実施形態)図4および図5は、本発明の第2実施形態を示しており、図4は、本実施形態にかかる燃料タンク用蓋体ユニットの斜視図、また、図5は、燃料タンク用蓋体ユニットの断面図(図4のB−B断面図)である。なお、本実施形態にかかる燃料タンク用蓋体ユニット1Aは、上記第1実施形態にかかる燃料タンク用蓋体ユニット1と同様の構成要素を有している。以下では、それら構成要素については、同じ符号を付すとともに、その詳細な説明を省略する。
本実施形態にかかる燃料タンク用蓋体ユニット1Aでは、第1実施形態の連通管17に替えて収容室11の底壁7に連通孔23を設けており、底室16内に滲出した燃料が、連通孔23、収容室11、および連通孔20を経由してタンク外に排出されるようにしている。すなわち、この場合、蒸気通路は、底室16、連通孔23、収容室11、および連通孔20となる。なお、滲出した燃料は、底室16内で気化されるため、電子回路12に対する影響は無い。本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果が得られる上、連通管17を設けない分、より簡素な構成となり、コスト的に有利である。
(第3実施形態)図6〜図8は、本発明の第3実施形態を示しており、図6は、本実施形態にかかる燃料タンク用蓋体ユニットの斜視図、図7は、燃料タンク用蓋体ユニットの断面図(図6のC−C断面図)、また、図8は、図7の領域Dの拡大図である。なお、本実施形態にかかる燃料タンク用蓋体ユニット1Bも、上記第1実施形態にかかる燃料タンク用蓋体ユニット1と同様の構成要素を有している。以下では、それら構成要素については、同じ符号を付すとともに、その詳細な説明を省略する。
本実施形態にかかる燃料タンク用蓋体ユニット1Bは、底室16内に滲出した燃料の蒸気が、電子回路収容部5Cと蓋部3との境界部分に設けられた連通孔24を介して排出されるようにしたものである。すなわち、この場合、蒸気通路は、底室16および連通孔24となる。具体的に、連通孔24は、電子回路収容部5Bの側壁8の下面8aに設けた切り欠き8cと蓋部3の上面3aとで囲まれた部分として構成されている。また、本実施形態では、連通孔24は、相互に対向する位置に2箇所設けられている。
さらに、本実施形態では、この連通孔24に隣接した底室16内に、側壁8の内面と僅かな間隙をもって、蓋部3の上面3a上に遮蔽壁25を突設している。かかる構成では、蒸気は遮蔽壁25上を迂回して連通孔24から排出される一方、液体状の燃料は遮蔽壁25に堰き止められて外部に漏出することはできない。また、外部からの水も遮蔽壁25に堰き止められ、底室16内に浸入することができない。なお、この遮蔽壁25は、側壁8の内面全周に沿って環状に設けるのが好適である。こうすることで、当該全周に亘って液密を確保することができる。本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本発明は、次のような別の実施形態に具現化することができる。以下の別の実施形態でも上記実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
(1)上記各実施形態では、電子回路収容部の底面に凹部を設けたが、この凹部を蓋部の表面に設けてもよい。
(2)また、電子回路収容部の底面および蓋部の上面の双方に凹部を設けてもよい。
(3)また、電子回路収容部の底面と蓋部の上面との間に環状のスペーサを設置して電子回路収容部を蓋部の上面から離間させ、このスペーサの内壁面、電子回路収容部の底面、および蓋部の上面で囲まれる領域として底室を形成してもよい。
また、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項2または3に記載の燃料タンク用蓋体ユニットでは、蒸気通路として、前記凹部により電子回路収容部と蓋部との間に形成される底室と、該底室から上方に伸びてタンク外と連通し電子回路の収容室とは隔絶された通路とを設け、底室内に滲出した燃料の蒸気が、当該通路から排出されるようにするのが好適である。
こうすれば、滲出した燃料が液体であった場合にも、より確実に気化させた上でタンク外に排出することができ、燃料が電子回路の収容室内に浸入して電子回路に不具合が生じるのをより確実に防止することができる。
(ロ)請求項2、3および上記(イ)のうちいずれか一つに記載の燃料タンク用蓋体ユニットでは、電子回路収容部の底面と蓋部の上面との間をシールするシール部材を設けるのが好適である。
こうすれば、蒸気通路に滲出した燃料が電子回路収容部と蓋部との境界から漏出するのを防止することができる。
(ハ)請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の燃料タンク用蓋体ユニットでは、蒸気通路として、前記凹部により電子回路収容部と蓋部との間に形成される底室と、該底室と電子回路収容部の内部の収容室とを連通する連通孔と、収容室内と燃料タンク外とを連通する第2の連通孔と、を設けるのが好適である。
このように収容室自体を蒸気通路として利用することで、より簡素な構成で蒸気通路を確保することができる。
(ニ)請求項2または3に記載の燃料タンク用蓋体ユニットでは、蒸気通路として、前記凹部により電子回路収容部と蓋部との間に形成される底室と、前記底室の側壁に設けられ該底室と燃料タンク外とを連通する第3の連通孔とを設け、さらに、底室と燃料タンク外との間の液体の流通を阻止する遮蔽壁を設けるのが好適である。
こうすれば、蒸気通路を比較的容易に構成することができる上、遮蔽壁により、液体状の燃料の漏出を防止するとともに、外部から底室内への水の浸入も抑制することができる。
(ホ)請求項1〜3、および上記(イ)〜(ニ)のうちいずれか一つに記載の燃料タンク用蓋体ユニットでは、電子回路収容部内に、部品実装面が相互に対向する姿勢で複数の電子回路を収容するのが好適である。
こうすれば、比較的回路規模の大きい電子回路を、電子回路収容部に、よりコンパクトにかつより容易に収容することができる。
本発明の実施形態にかかる燃料タンク用蓋体ユニットを燃料タンクに装着した状態を示す側面図。 本発明の第1実施形態にかかる燃料タンク用蓋体ユニットの斜視図。 本発明の第1実施形態にかかる燃料タンク用蓋体ユニットの断面図(図2のA−A断面図)。 本発明の第2実施形態にかかる燃料タンク用蓋体ユニットの斜視図。 本発明の第2実施形態にかかる燃料タンク用蓋体ユニットの断面図(図4のB−B断面図)。 本発明の第3実施形態にかかる燃料タンク用蓋体ユニットの斜視図。 本発明の第3実施形態にかかる燃料タンク用蓋体ユニットの断面図(図6のC−C断面図)。 本発明の第3実施形態にかかる燃料タンク用蓋体ユニットの断面拡大図(図7の領域D)。
符号の説明
1,1A,1B 燃料タンク用蓋体ユニット
2 燃料タンク
2a 開口部
3 蓋部
3a (蓋部3の)上面
5,5C 電子回路収容部
8a (電子回路収容部5の)底面(下面)
13a,13b 端子(導体)
15 凹部
19 気体透過部

Claims (3)

  1. 燃料タンクの開口部を塞ぐように取り付けられる蓋部と、電子回路を収容する電子回路収容部と、を備え、前記電子回路と燃料タンク内の電装部品とを電気的に接続する導体が前記蓋部を貫通して設けられる燃料タンク用蓋体ユニットにおいて、
    前記蓋部と電子回路収容部との間に、前記蓋部と導体との隙間から滲出した燃料を燃料タンク外に蒸気として放出する蒸気通路を形成したことを特徴とする燃料タンク用蓋体ユニット。
  2. 前記電子回路収容部を蓋部とは別体のボックス状に形成し、該ボックス状の電子回路収容部の底面および蓋部の上面のうち少なくともいずれか一方に凹部を形成して、蓋部上に電子回路収容部を取り付けた状態で、該凹部が前記蒸気通路となるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の燃料タンク用蓋体ユニット。
  3. 前記蒸気通路に、気体を通流し液体を通流しない気体透過部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料タンク用蓋体ユニット。

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