JP2006102680A - 洗浄方法及びその洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗浄物を洗浄する装置を比較的小型化する。
【解決手段】洗浄媒体を貯留する耐圧容器11と、耐圧容器の内部に鉛直方向に設けられた筒体17と、洗浄媒体に対流を生じさせる対流発生手段32,33と、不純物を含む被洗浄物18を収容して筒体の内側又は外側に設けられ対流により上昇する洗浄媒体を透過して被洗浄物に接触させるバスケット19と、洗浄媒体から不純物を分離する不純物捕捉材36とを備える。洗浄方法は、筒体の内側又は外側に不純物を含む被洗浄物を装填する被洗浄物装填工程と、耐圧容器の内部を洗浄媒体で満たす洗浄媒体充填工程と、洗浄媒体に対流を生じさせる洗浄媒体対流工程と、不純物を洗浄媒体に溶解させて被洗浄物から不純物を除去する洗浄工程と、その不純物を捕捉する不純物捕捉工程と、洗浄媒体を排出する洗浄媒体排出工程と、被洗浄物を耐圧容器から取出す被洗浄物取出工程とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウェーハ、LSI基板、液晶、有機EL(organic electroluminescence)ディスプレイ等の精密加工部品及びこれらの加工工程に用いられるフィルタ等の装置を超臨界又は亜臨界流体により洗浄する方法及びその洗浄装置に関するものである。
近年、半導体ウェーハ、LSI基板、液晶、有機ELディスプレイ等の精密加工部品及びこれらの加工工程に用いられるフィルタ等の装置を洗浄する手段として、超臨界流体を利用した洗浄方法と洗浄装置が注目されている。
この種の超臨界流体を用いた洗浄方法及び洗浄装置の一般的な例としては、CO2等の洗浄媒体を高圧の超臨界状態に維持して超臨界流体とし、この超臨界流体を被洗浄物が収容された洗浄槽に導入して、洗浄槽内で超臨界流体を被洗浄物に接触させることにより、被洗浄物に含まれる有機化合物などの不純物を溶解除去するものである(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1では、洗浄槽から排出した超臨界状態の洗浄媒体を減圧することで超臨界状態から気体状態に態変化させて、溶解度を低下させることにより洗浄媒体から溶解性不純物質を分離除去している。溶解性不純物質を除去した清浄な気体状態の洗浄媒体は液化された後、洗浄槽に超臨界流体を供給するラインに戻され、高圧ポンプと加熱器を介して再び超臨界状態にして洗浄に再利用される。
ところで、このような洗浄装置では、一回の洗浄ごとに洗浄媒体に含まれる不純物を除去するために、洗浄媒体の加圧減圧や加熱冷却操作を行う必要がある。従って、循環洗浄のように複数回にわたって洗浄を行う場合には、頻繁に加圧減圧と加熱冷却を行う必要があるため、加圧減圧と加熱冷却負担の大きいものであった。この結果、設備コストと運転コストが高く、しかも、加圧減圧と加熱冷却による圧力と温度の変動が大きいために、洗浄装置の耐久年数が短くなるという問題があった。また、洗浄媒体を加圧減圧するのに時間がかかるため、洗浄時間が長くなるという問題も生じていた。
そこで、本出願人は、上記事情を考慮し、加圧減圧や加熱冷却等の負担を軽減できるとともに、洗浄時間の短縮が図れる超臨界又は亜臨界流体による洗浄装置を提案した(例えば、特許文献2参照。)。この特許文献2に示される洗浄装置では、超臨界又は亜臨界流体で被洗浄物を洗浄する洗浄槽と、洗浄槽から導出した超臨界又は亜臨界流体を再び洗浄槽に導入する循環経路と、循環経路の途中に設けられ超臨界又は亜臨界流体中の不純物質を分離除去する分離手段とを備えている。この洗浄装置では、超臨界又は亜臨界流体中の不純物質の分離除去が洗浄槽と同圧条件で行われるので、頻繁に加圧減圧を施す必要がなく、設備コストと運転コストの低下が図られる。
特開平7−284739号公報(特許請求の範囲、図1〜図3) 特開2003−117508号公報(特許請求の範囲、段落[0010]、[0025])
しかし、上記特許文献2に示される洗浄装置は、超臨界又は亜臨界流体で被洗浄物を洗浄する洗浄槽と超臨界又は亜臨界流体中の不純物質を分離除去する分離手段とを別に備え、その洗浄槽と分離手段とを循環経路により接続するという構造を有している。この洗浄装置では、洗浄媒体中に含まれる不純物の濃度が高い場合にそれらの不純物を除去することができるけれども、洗浄媒体中に含まれる不純物の濃度が非常に低い、例えば精密加工部品のような洗浄には、よりコストの低いコンパクトな洗浄装置が望ましい。
本発明の目的は、被洗浄物を洗浄する装置を比較的小型化し得る洗浄方法及び比較的小型の洗浄装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、図1に示すように、耐圧容器11の内部であって耐圧容器11の内壁から離間して鉛直方向に設けられた筒体17の内側又は外側に不純物を含む被洗浄物18を装填する被洗浄物装填工程と、耐圧容器11の内部を洗浄媒体で満たす洗浄媒体充填工程と、筒体17の内側又は外側の洗浄媒体が上昇して筒体17の上端縁を越えて筒体17の外側又は内側を下降し更に筒体17の下端縁を越えて筒体17の内側又は外側に戻るように洗浄媒体に対流を生じさせる洗浄媒体対流工程と、対流により筒体17の内側又は外側を上昇する洗浄媒体に被洗浄物18を接触させて被洗浄物18に含まれる不純物を洗浄媒体に溶解させて被洗浄物18から不純物を除去する洗浄工程と、対流により筒体17の外側又は内側を下降する洗浄媒体からその洗浄媒体に溶解した不純物を捕捉する不純物捕捉工程と、耐圧容器11の内部の洗浄媒体を耐圧容器11の外部に排出する洗浄媒体排出工程と、耐圧容器11の内部に装填されて不純物が除去された被洗浄物18を耐圧容器11から取出す被洗浄物取出工程とを含む洗浄方法である。
請求項1に係る発明では、単一の耐圧容器11の内部で、被洗浄物の洗浄とその洗浄媒体からの不純物の分離を行うため、全体として装置を比較的小型のものにすることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、洗浄媒体が、液体状態又は超臨界若しくは亜臨界状態の二酸化炭素、エタン、プロパン又はフロンガスである洗浄方法である。
請求項2に係る発明では、被洗浄物18に含まれる不純物を洗浄媒体に効果的に溶解させて被洗浄物18から不純物を有効に除去することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、被洗浄物18が筒体17の内側に装填され、筒体17の内側に対応する耐圧容器11の下部における洗浄媒体を加熱し、筒体17の外側の洗浄媒体を冷却して洗浄媒体に対流を生じさせる洗浄方法である。
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、図4に示すように、被洗浄物18が筒体17の外側に装填され、筒体17の内側の洗浄媒体又はその内側に対応する耐圧容器の上部における洗浄媒体を冷却し、筒体17の外側の洗浄媒体を加熱して洗浄媒体に対流を生じさせる洗浄方法である。
請求項3及び請求項4に係る発明では、洗浄媒体を効果的に対流させて被洗浄物18から不純物を有効に除去することができる。
請求項5に係る発明は、図1に示すように、洗浄媒体を貯留する耐圧容器11と、耐圧容器11の内壁から離間して耐圧容器11の内部に鉛直方向に設けられた筒体17と、筒体17の内側又は外側の洗浄媒体が上昇して筒体17の上端縁を越えて筒体17の外側又は内側を下降し更に筒体17の下端縁を越えて筒体17の内側又は外側に戻るように洗浄媒体に対流を生じさせる対流発生手段32,33と、不純物を含む被洗浄物18を収容して筒体17の内側又は外側に設けられ対流により筒体17の内側又は外側を上昇する洗浄媒体を透過して被洗浄物18に接触させ被洗浄物18に含まれる不純物を洗浄媒体に溶解させて被洗浄物18から不純物を除去させるバスケット19と、筒体17の外側又は内側に設けられ筒体17の上端縁を越えて筒体17の外側又は内側を下降する洗浄媒体からその洗浄媒体に溶解した不純物を分離する不純物捕捉材36とを備えた洗浄装置である。
請求項5に係る発明では、耐圧容器11の内部の洗浄媒体に対流を起こさせることにより、筒体17の内側又は外側を上昇する洗浄媒体により被洗浄物18から不純物を除去してその被洗浄物18を洗浄することができ、筒体17の外側又は内側を下降する洗浄媒体からその洗浄媒体に溶解した不純物を不純物捕捉材36が捕捉する。このため、被洗浄物の洗浄とその洗浄に用いた洗浄媒体からの不純物の捕捉を単一の耐圧容器11の内部で行わせることができ、洗浄槽と不純物質を分離除去する分離手段とを別に備える必要のあった従来の洗浄装置に比較して、比較的小型の洗浄装置を得ることができる。
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明であって、洗浄媒体が、液体状態又は超臨界若しくは亜臨界状態の二酸化炭素、エタン、プロパン又はフロンガスである洗浄装置である。
請求項6に係る発明では、被洗浄物18に含まれる不純物を洗浄媒体に効果的に溶解させて被洗浄物18から不純物を有効に除去することができる。
請求項7に係る発明は、請求項5又は6に係る発明であって、対流発生手段が筒体17のバスケット19が設けられた内側又は外側に対応する耐圧容器11の下部に設けられた洗浄媒体の加熱器32を備える洗浄装置である。
請求項8に係る発明は、請求項7に係る発明であって、バスケット19が筒体17の内側であって筒体17の外側に不純物捕捉材36が設けられ、対流発生手段が筒体17の外周と耐圧容器11の内壁との間の洗浄媒体を冷却可能な冷却装置33を更に備える洗浄装置である。
請求項9に係る発明は、請求項5又は6に係る発明であって、対流発生手段が筒体17の不純物捕捉材36が設けられた外側若しくは内側の洗浄媒体又は不純物捕捉材36が設けられた外側若しくは内側の上部の洗浄媒体を冷却可能に構成された冷却装置33を備える洗浄装置である。
請求項10に係る発明は、請求項9に係る発明であって、バスケット19が筒体17の外側であって筒体17の内側に不純物捕捉材36が設けられ、対流発生手段が耐圧容器11の周囲に設けられ筒体17の外周と耐圧容器11の内壁との間の洗浄媒体を加熱可能な加熱器32を更に備える洗浄装置である。
請求項7ないし請求項10に係る発明では、洗浄媒体を効果的に対流させて被洗浄物18から不純物を有効に除去することができる。
本発明の洗浄方法では、耐圧容器の内部であって耐圧容器の内壁から離間して鉛直方向に設けられた筒体の内側又は外側に不純物を含む被洗浄物を装填する被洗浄物装填工程と、耐圧容器の内部を洗浄媒体で満たす洗浄媒体充填工程と、筒体の内側又は外側の洗浄媒体が上昇して筒体の上端縁を越えて筒体の外側又は内側を下降し更に筒体の下端縁を越えて筒体の内側又は外側に戻るように洗浄媒体に対流を生じさせる洗浄媒体対流工程と、対流により筒体の内側又は外側を上昇する洗浄媒体に被洗浄物を接触させて被洗浄物に含まれる不純物を洗浄媒体に溶解させて被洗浄物から不純物を除去する洗浄工程と、対流により筒体の外側又は内側を下降する洗浄媒体からその洗浄媒体に溶解した不純物を捕捉する不純物捕捉工程と、耐圧容器の内部の洗浄媒体を耐圧容器の外部に排出する洗浄媒体排出工程と、耐圧容器の内部に装填されて不純物が除去された被洗浄物を耐圧容器から取出す被洗浄物取出工程とを含むので、単一の耐圧容器の内部で、被洗浄物の洗浄とその洗浄媒体からの不純物の分離を行うため、全体として装置を比較的小型のものにすることができる。
また、本発明の洗浄装置では、洗浄媒体を貯留する耐圧容器と、耐圧容器の内壁から離間して耐圧容器の内部に鉛直方向に設けられた筒体と、筒体の内側又は外側の洗浄媒体が上昇して筒体の上端縁を越えて筒体の外側又は内側を下降し更に筒体の下端縁を越えて筒体の内側又は外側に戻るように洗浄媒体に対流を生じさせる対流発生手段と、不純物を含む被洗浄物を収容して筒体の内側又は外側に設けられ対流により筒体の内側又は外側を上昇する洗浄媒体を透過して被洗浄物に接触させ被洗浄物に含まれる不純物を洗浄媒体に溶解させて被洗浄物から不純物を除去させるバスケットと、筒体の外側又は内側に設けられ筒体の上端縁を越えて筒体の外側又は内側を下降する洗浄媒体からその洗浄媒体に溶解した不純物を分離する不純物捕捉材とを備えたので、被洗浄物の洗浄とその洗浄に用いた洗浄媒体からの不純物の捕捉を単一の耐圧容器の内部で行わせることができ、洗浄槽と不純物質を分離除去する分離手段とを別に備える必要のあった従来の洗浄装置に比較して、比較的小型の洗浄装置を得ることができる。
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1に本発明の洗浄装置10を示す。この洗浄装置10は、洗浄媒体を貯留する耐圧容器11を備える。耐圧容器11は容器本体12と蓋体13とからなり、容器本体12は有底円筒形状に構成され、上端には円形の開口部12aが形成される。この開口部12aの外周部には、図2に示すように、周方向に沿って交互に並ぶ複数のつめ部12bと切り欠き部12cとが等間隔に形成される。また、開口部12aの内周面には、図3に示すような断面形状の環状溝12dが形成されており、その内部には環状のシール部材14が嵌め付けられている。このシール部材14は、断面略U字状の弾性部材14aと断面円形の鋼線14bとの組み合わせ構造となっている。
他方、蓋体13は開口部12aを開閉可能な平面略円形に形成され、その蓋体13の中央部には貫通孔13aが形成される(図1)。また蓋体13の外周部には下方に延在する円筒部13bが形成される。その円筒部13bの内周部には、図2に示すように、周方向に沿って交互に並ぶ複数のつめ部13cと切り欠き部13dとが等間隔に形成される。また、図1及び図3に示すように蓋体13の内側には、内側蓋体16が備えられる。この内側蓋体16は、容器本体12の開口部12aの内側にはまり合う平面円形に形成されており、その中央部には支軸16aが設けられる。この支軸16aは、貫通孔13aに挿入され上部に大径部16bが形成されることにより蓋体13の貫通孔13aに軸支されて、その貫通孔13aを中心として回動可能に構成される。
そして、この耐圧容器11では、容器本体12側の切り欠き部12cに蓋体13側の爪部13cを嵌め合わせ、かつ容器本体12側の爪部31を蓋体13側の切り欠き部12bに嵌め合わせるようにして、容器本体12の開口部12aに蓋体13を合致させる。この際、内側蓋体16は、容器本体12の内側に僅かに嵌り込む。その状態で蓋体13押し下げ、内側蓋体16の外周面がシール部材14に到達するまで所定量送り込む。次いで、蓋体13を軸線回りに所定の角度だけ回動させることにより、蓋体13側の爪部13cを容器本体12側の爪部12bに係合させる。これにより蓋体13は、容器本体12の開口部12aを閉じた状態にロックされる。この際に、内側蓋体16は回動せずに、シール部材14の摩耗を防止するために、その外周面とシール部材14との間にずれを生じることがないように構成される。
図1に戻って、このような容器本体12と蓋体13とからなる耐圧容器11は、液体状態又は超臨界若しくは亜臨界状態の洗浄媒体を貯留可能に構成され、この耐圧容器11の内壁から離間して耐圧容器11の内部に鉛直方向に筒体17が設けられる。この筒体17はスペーサ17aを介して耐圧容器11の内部にその耐圧容器11の内壁から離間して設けられ、この筒体17の内側には不純物を含む被洗浄物18を収容可能なバスケット19が更に設けられる。このバスケット19は蓋体13が取外された容器本体12の開口部12aを介して筒体17の内側から耐圧容器11の外部に取出し可能に構成される。
一方、耐圧容器11には、超臨界状態の洗浄媒体を供給する供給口21aと超臨界状態の洗浄媒体を排出する排出口21bとがそれぞれ設けられる。供給口21aには供給管路24を介して洗浄媒体貯留タンク25に接続される。この供給管路24には耐圧容器11の内部に供給した洗浄媒体の圧力及び温度条件を超臨界又は亜臨界状態に維持するための加圧ポンプ26及び加熱器27が設けられる。また、排出口21bは排出管路28を介して洗浄媒体貯留タンク25に接続される。この排出管路28には耐圧容器11の内部の洗浄媒体を減圧降温して洗浄媒体タンクに戻すための減圧ポンプ29及び冷却器31が設けられる。この洗浄装置10に使用される洗浄媒体としては、二酸化炭素、エタン、プロパン、フロンガス等が挙げられる。特に望ましい洗浄媒体は、温度31.06℃、圧力74.8atm(約7.58MPa)以上の条件で超臨界状態になる二酸化炭素である。
また、この耐圧容器11には、筒体17の内側の洗浄媒体が上昇して被洗浄物18に接触するように洗浄媒体に対流を生じさせる対流発生手段が設けられる。この実施の形態における対流発生手段は、筒体17のバスケット19が設けられた内側に対応する耐圧容器11の下部に設けられ洗浄媒体を加熱する加熱器であるヒータ32と、耐圧容器11の周囲に設けられ筒体17の外周と耐圧容器11の内壁との間の洗浄媒体を冷却可能な冷却装置33とを備える。この冷却装置33は、冷却媒体を貯留する冷却媒体タンク33aと、容器本体12の外周面に形成された冷却媒体流路33bと、その流路33bに冷却媒体を流通させるポンプ33cと、その流路33bに供給される冷却媒体を冷却する冷却器33dとを備える。この対流発生手段におけるヒータ32は、筒体17のバスケット19が設けられた内側に対応する耐圧容器11の下部における洗浄媒体を加熱することによりその比重を軽減させ、又は洗浄媒体を一部気化させて気泡を発生させ、筒体17の内側の洗浄媒体を上昇させる。一方、対流発生手段における冷却装置33は筒体17の外周面と容器本体12の内壁との間の洗浄媒体を冷却してその比重を増加させ、又は気化した洗浄媒体を液化させて筒体17の外部の洗浄媒体を下降させるように構成される。
一方、対流発生手段により対流する洗浄媒体は被洗浄物18に含まれる不純物を溶解させてその被洗浄物18から不純物を除去し、筒体17の外側には筒体17の上端縁を越えて筒体17の外側を下降する洗浄媒体からその洗浄媒体に溶解した不純物を分離する不純物捕捉材36が設けられる。不純物捕捉材36としては、活性炭、合成吸着剤、ゼオライト、メソポーラスシリカ等が挙げられ、この実施の形態では筒体17の外側を下降する洗浄媒体から不純物を吸着するため、不純物捕捉材36は筒体17の外側と容器本体12の内壁の間の隙間を塞ぐようにその隙間に充填される。
このように構成された洗浄装置では、耐圧容器11の内部の洗浄媒体に対流を起こさせることにより、筒体17の内側を上昇する洗浄媒体により被洗浄物18から不純物を除去してその被洗浄物18を洗浄することができる。そして、内側を上昇して筒体17の上端から外側に流れ込み、筒体17の外側と容器本体12の内壁の間を下降する洗浄媒体からその洗浄媒体に溶解した不純物を不純物捕捉材36が捕捉する。従って被洗浄物の洗浄とその洗浄に用いた洗浄媒体からの不純物の捕捉を単一の耐圧容器11の内部で行わせることができる。この結果、洗浄槽と不純物質を分離除去する分離手段とを別に備える必要のあった従来の洗浄装置に比較して、比較的小型の洗浄装置を得ることができる。
図4に本発明の別の実施の形態における洗浄装置を示す。図面中上述した実施の形態と同一の符号は同一部品を示し繰り返しての説明を省略する。
この実施の形態では、バスケット19が筒体17の外側に設けられ、筒体17の内側に不純物捕捉材36が設けられる。バスケット19は、耐圧容器11の内壁から離間してその耐圧容器11の内部に筒体17を鉛直方向に支持するように筒体17の下部外周と耐圧容器11の内壁との間に設けられ、筒体17の外周と耐圧容器11の内壁との間の隙間に被洗浄物18を収容可能に設けられる。また、活性炭、合成吸着剤、ゼオライト、メソポーラスシリカ等からなる不純物捕捉材36は、筒体17の内側を下降する洗浄媒体から不純物を吸着するため、その筒体17の内側を塞ぐように充填される。そしてこの実施の形態における対流発生手段は、筒体17の不純物捕捉材36が設けられた内側に対応する耐圧容器11の上部に洗浄媒体を冷却可能に構成された冷却装置33が設けられ、筒体17の外周と耐圧容器11の内壁との間の洗浄媒体を加熱するヒータ32が耐圧容器11の周囲に設けられる。この冷却装置33は、筒体17の不純物捕捉材36が設けられた内側の上部の洗浄媒体を冷却可能に構成されたものであって、冷却媒体を貯留する冷却媒体タンク33aと、筒体17の内側の不純物捕捉材36の上部に螺旋状に配設された冷却媒体流路33bと、その流路33bに冷却媒体を流通させるポンプ33cと、その流路33bに供給される冷却媒体を冷却する冷却器33dとを備える。この冷却装置33は、ポンプ33cを駆動することにより冷却媒体流路33bに冷却媒体が流通して、筒体17の内側の不純物捕捉材36の上部の洗浄媒体を冷却するものである。
このように構成された洗浄装置10では、冷却装置33及び加熱器であるヒータ32により耐圧容器11の内部の洗浄媒体に対流を起こさせることにより、筒体17の外側を上昇する洗浄媒体により被洗浄物18から不純物を除去してその被洗浄物18を洗浄することができる。そして、外側を上昇して筒体17の上端から内側に流れ込み、筒体17の内側を下降する洗浄媒体からその洗浄媒体に溶解した不純物を不純物捕捉材36が捕捉する。従って、この実施の形態における洗浄装置10であっても、被洗浄物18の洗浄とその洗浄に用いた洗浄媒体からの不純物の捕捉を単一の耐圧容器11の内部で行わせることができ、洗浄槽と不純物質を分離除去する分離手段とを別に備える必要のあった従来の洗浄装置に比較して、比較的小型の洗浄装置10を得ることができる。
次に、図1に示す洗浄装置を用いた本発明の洗浄方法を説明する。
(a) 被洗浄物装填工程
先ず耐圧容器11の内部であって耐圧容器11の内壁から離間して鉛直方向に設けられた筒体17の内側又は外側に被洗浄物18を装填する。上述した装置のようにバスケット19が筒体17の内側に設けられる場合にはその内側のバスケット19に被洗浄物18を装填する。この装填は、蓋体13を容器本体12から取外して開放された開口部12aを介して行われ、蓋体13を回転させて容器本体12側の切り欠き部12cに蓋体13側の爪部13cを嵌め合わせるようにして蓋体13を上昇させ、容器本体12から蓋体13を取外す。その後筒体17の内側に設けられたバスケット19に被洗浄物18を装填するか、或いは予め被洗浄物18が装填されたバスケット19を筒体17の内部に装填する。そして、再び蓋体13により容器本体の開口部を閉止する。具体的にこの閉止は、容器本体12側の切り欠き部12cに蓋体13側の爪部13cを嵌め合わせるようにして、容器本体12の開口部12aに蓋体13を合致させ、その状態で蓋体13押し下げる。次いで、蓋体13を軸線回りに所定の角度だけ回動させることにより、蓋体13側の爪部13cを容器本体12側の爪部31に係合させる。これにより蓋体13は、容器本体12の開口部12aを閉じた状態にロックされる。
(b) 洗浄媒体充填工程
次に、耐圧容器11の内部を洗浄媒体で満たす。即ち、洗浄媒体貯留タンク25に貯留された洗浄媒体を加圧ポンプ26で所定の圧力にまで加圧し、加圧した洗浄媒体を加熱器27で加熱して超臨界又は亜臨界状態にし、供給口21aから耐圧容器11内に導入する。耐圧容器11内に導入する洗浄媒体の圧力及び温度条件は温度が12℃〜100℃、圧力が5〜35MPaの範囲内が好ましい。
(c) 洗浄媒体対流工程
次に洗浄媒体に対流を起こさせる。この対流は対流発生手段により行われ、対流発生手段であるヒータ32は、筒体17のバスケット19が設けられた内側に対応する耐圧容器11の下部の洗浄媒体を加熱することによりその比重を軽減させ、又は洗浄媒体を一部を気化させて気泡を発生させ、筒体17の内側の洗浄媒体を上昇させる。筒体17の内側を上昇した洗浄媒体は筒体17の上端縁を越えて外側に回り込み、対流発生手段における冷却装置33は筒体17の外周面と容器本体12の内壁との間の洗浄媒体を冷却してその比重を増加させ、又は気化した洗浄媒体を液化させて筒体17の外部の洗浄媒体を下降させる。そして筒体17の外側を下降した洗浄媒体は更に筒体17の下端縁を越えてその筒体17の内側に戻る。
(d) 洗浄工程
洗浄媒体に対流が起こると、耐圧容器11内において超臨界又は亜臨界状態に維持した洗浄媒体であって筒体17の内側を上昇する洗浄媒体はバスケット18を透過して不純物を含む被洗浄物18に接触し、被洗浄物18に付着している不純物を溶解させる。このようにして被洗浄物18から不純物を抽出除去してその被洗浄物を洗浄する。
(e) 不純物捕捉工程
筒体17の内側において被洗浄物18から不純物を抽出除去した洗浄媒体はその後筒体17の上端縁を越えて外側に回り込み、不純物を含んだ状態でその筒体17の外部を下降する。そして、筒体17の外側に設けられた活性炭、合成吸着剤、ゼオライト、メソポーラスシリカ等からなる不純物捕捉材36は、筒体17の上端縁を越えてその筒体17の外側を下降する洗浄媒体からその洗浄媒体に溶解した不純物を捕捉する。この不純物捕捉材36により不純物が除去された洗浄媒体はその後筒体17の下端縁を越えて筒体17の内側に案内され、対流発生手段であるヒータ32により再び加熱されて筒体17の内側を上昇し、不純物を含む被洗浄物18に再び接触してその被洗浄物18に付着している不純物を溶解させる。
(f) 洗浄媒体排出工程
不純物を被洗浄物18から溶解除去した後、耐圧容器11の内部の洗浄媒体をその耐圧容器11の外部に排出する。洗浄媒体の排出は、排出ポンプ29を駆動して排出口21bから耐圧容器11内部の洗浄媒体を媒体タンク25に戻すことにより行われる。
(g) 被洗浄物取出工程
不純物が除去された被洗浄物18は最終的に耐圧容器11から取出されるけれども、この取出しは、蓋体13を容器本体12から取外して開放された開口部12aを介して行われる。具体的には、蓋体13を回転させて容器本体12側の切り欠き部12cに蓋体13側の爪部13cを嵌め合わせるようにして蓋体13を上昇させ、容器本体12から蓋体13を取外し、その後筒体17の内側に設けられたバスケット19から洗浄された被洗浄物18を取出すか、或いはその被洗浄物18をバスケット19とともに取出す。
このような洗浄方法によれば、単一の耐圧容器11の内部で、被洗浄物の洗浄とその洗浄媒体からの不純物の分離を行うため、全体として装置を比較的小型のものにすることができる。
なお、上述した洗浄方法は図1に示す装置10を用いて説明したが、図4に示す装置10を用いる場合であっても良い。図4に示す装置10を用いた場合における洗浄方法は、筒体17の外側に被洗浄物18を装填し、筒体17の外側の洗浄媒体が上昇して被洗浄物に接触するように洗浄媒体に対流を生じさせ、筒体17の上端縁を越えて筒体17の内側を下降する洗浄媒体からその洗浄媒体に溶解した不純物を捕捉して不純物が除去された洗浄媒体を筒体17の下端縁を越えて筒体17の内側又は外側に案内する。このような洗浄方法であっても、単一の耐圧容器11の内部で、被洗浄物の洗浄とその洗浄媒体からの不純物の分離を行うため、全体として装置を比較的小型のものにすることができる。
また、上述した実施の形態における図1に示す装置10では、冷却装置33が耐圧容器11の周囲に設けられる例を示したが、図5に示すように、冷却装置33は筒体17の外周と耐圧容器11の内壁との間の洗浄媒体を直接的に冷却するものであっても良い。この図5に示す冷却装置33は、冷却媒体を貯留する冷却媒体タンク33aと、筒体17の外周と耐圧容器11の内壁との間に螺旋状に配設された冷却媒体流路33bと、その流路33bに冷却媒体を流通させるポンプ33cと、その流路33bに供給される冷却媒体を冷却する冷却器33dとを備える。この冷却装置33は、ポンプ33cを駆動することにより冷却媒体流路33bに冷却媒体が流通して、筒体17の外周と耐圧容器11の内壁との間の洗浄媒体を直接的に冷却するものである。
更に、上述した実施の形態における図4に示す装置10では、冷却装置33が筒体17の不純物捕捉材36が設けられた内側の上部の洗浄媒体を冷却する例を示したが、図6に示すように、冷却装置33は筒体17の不純物捕捉材36が設けられた内側の洗浄媒体を直接的に冷却するものであっても良い。この図6に示す冷却装置33では、冷却媒体が流通する冷却媒体流路33bを筒体17の内側の不純物捕捉材36の中に螺旋状に配設し、ポンプ33cを駆動することにより筒体17の内側の不純物捕捉材36における洗浄媒体を直接的に冷却するものである。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず、被洗浄物18として有機蒸着に使用されるステンレス製マスクを用意した。また、洗浄媒体として二酸化炭素を使用した。次に、図1に示す洗浄装置10によりこのステンレス製マスク18の洗浄を行った。具体的には、耐圧容器11の筒体17の内側に設けられたバスケット19にステンレス製マスク18を収容し、温度を40℃、圧力を20MPaに維持した超臨界二酸化炭素を耐圧容器11に導入した。そして対流発生手段である冷却装置33により筒体17の外周面と容器本体の内壁との間の洗浄媒体を冷却して圧力を20MPaに維持した状態でその温度を20℃に低下させて筒体17の外部の洗浄媒体を下降させ、筒体17の下縁から内側に回り込んだ洗浄媒体を対流発生手段であるヒータ32により加熱して圧力を20MPaに維持した状態でその温度を再び40℃に上昇させて筒体17の内側の洗浄媒体を上昇させた。このように対流発生手段により洗浄媒体に対流を起こさせ、筒体17の内側を上昇する超臨界二酸化炭素である洗浄媒体によりステンレス製マスク18の洗浄及び筒体17の外側を下降する液体二酸化炭素である洗浄媒体からの不純物の捕捉を1時間連続して行った。その後、二酸化炭素を耐圧容器11から排出して洗浄された被洗浄物18を耐圧容器11から取出した。
<実施例2>
筒体17の下縁から内側に回り込んだ洗浄媒体を対流発生手段であるヒータ32により加熱して圧力を20MPaに維持した状態でその温度を60℃に上昇させて筒体17の内側の洗浄媒体を上昇させた。これ以外は実施例1と同様にして被洗浄物18であるステンレス製マスク18を洗浄した。
<実施例3>
筒体17の下縁から内側に回り込んだ洗浄媒体を対流発生手段であるヒータ32により加熱して圧力を20MPaに維持した状態でその温度を80℃に上昇させて筒体17の内側の洗浄媒体を上昇させた。これ以外は実施例1と同様にして被洗浄物18であるステンレス製マスク18を洗浄した。
<実施例4>
実施例1と同一のステンレス製マスクを用意した。また、洗浄媒体として二酸化炭素を使用した。次に、実施例1と同様に耐圧容器11の筒体17の内側に設けられたバスケット19にステンレス製マスク18を収容し、温度を25℃、圧力を6.5MPaに維持した液体二酸化炭素を耐圧容器11に導入した。そして筒体17の内側の下部に設けられた対流発生手段であるヒータ32によりその洗浄媒体を加熱して圧力を6.5MPaに維持した状態でその温度を30℃に上昇させ、洗浄媒体を一部を気化させて気泡を発生させ、上昇する気泡とともに筒体17の内側の洗浄媒体を上昇させた。このように対流発生手段により洗浄媒体に対流を起こさせ、筒体17の内側を上昇する洗浄媒体によりステンレス製マスク18の洗浄を行った。そして筒体17の内側を上昇して筒体17の上端縁から外側に回り込んだ洗浄媒体を対流発生手段である冷却装置33により冷却して圧力を6.5MPaに維持した状態でその温度を25℃に低下させて筒体17の外部の洗浄媒体を下降させ、その下降する洗浄媒体から不純物を不純物捕捉材36により捕捉した。このような洗浄及び捕捉を1時間連続して行った。その後、二酸化炭素を耐圧容器11から排出して洗浄された被洗浄物18を耐圧容器11から取出した。
<実施例5>
温度を12℃、圧力を5MPaに維持した液体二酸化炭素を耐圧容器11に導入し、ヒータ32によりその洗浄媒体を加熱して圧力を5MPaに維持した状態でその温度を17℃に上昇させて洗浄媒体を一部を気化させて気泡を発生させ、筒体17の内側を上昇して筒体17の上端縁から外側に回り込んだ洗浄媒体を対流発生手段である冷却装置33により冷却して圧力を5MPaに維持した状態でその温度を12℃に低下させて筒体17の外部の洗浄媒体を下降させ、その下降する洗浄媒体から不純物を不純物捕捉材36により捕捉した。これ以外は実施例5と同様にして被洗浄物18であるステンレス製マスク18を洗浄した。
<比較例1>
先ず、被洗浄物として実施例1と同一のステンレス製マスクを用意した。また、洗浄媒体として二酸化炭素を使用した。次に、図7に示す方法によりこのステンレス製マスクの洗浄を行った。具体的には、耐圧容器にステンレス製マスクを収容し、温度を40℃、圧力を20MPaに維持した二酸化炭素を耐圧容器に導入した。耐圧容器でステンレス製マスクを1時間洗浄した後、二酸化炭素を耐圧容器から排出して不純物捕捉塔に供給した。不純物捕捉塔では、洗浄媒体の温度を20℃、その圧力を20MPaにして、洗浄媒体である二酸化炭素に活性炭層を通過させることにより、二酸化炭素から不純物を分離した。その後二酸化炭素を不純物捕捉塔から排出して洗浄された被洗浄物を耐圧容器から取出した。
<比較例2>
先ず、被洗浄物として実施例1と同一のステンレス製マスクを用意した。また、洗浄媒体として二酸化炭素を使用した。次に、図7に示す方法によりこのステンレス製マスクの洗浄を行った。具体的には、耐圧容器にステンレス製マスクを収容し、温度を40℃、圧力を20MPaに維持した二酸化炭素を耐圧容器に導入した。次に図示しない循環ポンプを駆動して耐圧容器から洗浄媒体である二酸化炭素を不純物捕捉塔に供給し、不純物捕捉塔でその洗浄媒体の温度を20℃、その圧力を20MPaにして、その二酸化炭素に活性炭層を通過させて不純物を分離した後再び耐圧容器に戻しその温度を40℃に戻すようにした。このように、耐圧容器でステンレス製マスクを洗浄するとともに不純物捕捉塔で不純物を分離させることを1時間行った。その後、二酸化炭素を耐圧容器と不純物捕捉塔から排出して洗浄された被洗浄物を耐圧容器から取出した。
<比較試験1>
実施例1〜5並びに比較例1及び2で行った洗浄について、不純物除去割合、運用コストについてそれぞれ調べた。表1にその結果をそれぞれ示す。
Figure 2006102680
表1より明らかなように、比較例1では洗浄媒体を循環させずに不純物を除去したことから、被洗浄物からの不純物除去率は低く、少量の不純物が被洗浄物に残留していた。また、この比較例1では、洗浄媒体を循環させないので、循環させるためのポンプを不要にすることができるけれども、洗浄のための耐圧容器と不純物を除去するための不純物捕捉塔を必要とし、不純物捕捉塔を不要とする実施例1〜5に比較して運用コストが高くなることが判る。また、比較例2では、洗浄媒体を循環させるために被洗浄物からの不純物の除去率は高くほぼ100%にわたって除去できている。しかし、この比較例2では、洗浄のための耐圧容器と不純物を除去するための不純物捕捉塔を必要とし、洗浄媒体を循環させるためのポンプを更に必要とする。このことから不純物捕捉塔塔を不要とする実施例1〜5に比較して運用コストがかなり高くなることが判る。
これに対して実施例1〜5では、洗浄媒体を循環させるので、被洗浄物18からの不純物の除去率は高くほぼ100%にわたって除去できている。また、洗浄媒体の循環は耐圧容器11の内部で行っているために、比較例1及び2が必要とした不純物捕捉塔が不要となり、比較例1及び2に比較して運用コストが低下することが判る。
本発明の洗浄装置を示す概念図。 図1のA−A線断面図。 図1のB部拡大断面図。 本発明の別の洗浄装置を示す概念図。 冷却装置が不純物捕捉材における洗浄媒体を冷却する図1に対応する拡大断面図。 冷却装置が不純物捕捉材における洗浄媒体を冷却する図4に対応する拡大断面図。 従来の洗浄方法を示す工程図。
符号の説明
11 耐圧容器
17 筒体
18 被洗浄物
19 バスケット
32 ヒータ(対流発生手段)
33 冷却装置(対流発生手段)
36 不純物捕捉材

Claims (10)

  1. 耐圧容器(11)の内部であって前記耐圧容器(11)の内壁から離間して鉛直方向に設けられた筒体(17)の内側又は外側に不純物を含む被洗浄物(18)を装填する被洗浄物装填工程と、
    前記耐圧容器(11)の内部を洗浄媒体で満たす洗浄媒体充填工程と、
    前記筒体(17)の内側又は外側の洗浄媒体が上昇して前記筒体(17)の上端縁を越えて前記筒体(17)の外側又は内側を下降し更に前記筒体(17)の下端縁を越えて前記筒体(17)の内側又は外側に戻るように前記洗浄媒体に対流を生じさせる洗浄媒体対流工程と、
    前記対流により前記筒体(17)の内側又は外側を上昇する洗浄媒体に前記被洗浄物(18)を接触させて前記被洗浄物(18)に含まれる不純物を前記洗浄媒体に溶解させて前記被洗浄物(18)から前記不純物を除去する洗浄工程と、
    前記対流により前記筒体(17)の外側又は内側を下降する洗浄媒体からその洗浄媒体に溶解した不純物を捕捉する不純物捕捉工程と、
    前記耐圧容器(11)の内部の洗浄媒体を前記耐圧容器(11)の外部に排出する洗浄媒体排出工程と、
    前記耐圧容器(11)の内部に装填されて不純物が除去された被洗浄物(18)を前記耐圧容器(11)から取出す被洗浄物取出工程と
    を含む洗浄方法。
  2. 洗浄媒体が、液体状態又は超臨界若しくは亜臨界状態の二酸化炭素、エタン、プロパン又はフロンガスである請求項1記載の洗浄方法。
  3. 被洗浄物(18)が筒体(17)の内側に装填され、前記筒体(17)の内側に対応する耐圧容器(11)の下部における洗浄媒体を加熱し、前記筒体(17)の外側の洗浄媒体を冷却して洗浄媒体に対流を生じさせる請求項1又は2記載の洗浄方法。
  4. 被洗浄物(18)が筒体(17)の外側に装填され、前記筒体(17)の内側の洗浄媒体又はその内側に対応する耐圧容器の上部における洗浄媒体を冷却し、前記筒体(17)の外側の洗浄媒体を加熱して洗浄媒体に対流を生じさせる請求項1又は2記載の洗浄方法。
  5. 洗浄媒体を貯留する耐圧容器(11)と、
    前記耐圧容器(11)の内壁から離間して前記耐圧容器(11)の内部に鉛直方向に設けられた筒体(17)と、
    前記筒体(17)の内側又は外側の洗浄媒体が上昇して前記筒体(17)の上端縁を越えて前記筒体(17)の外側又は内側を下降し更に前記筒体(17)の下端縁を越えて前記筒体(17)の内側又は外側に戻るように前記洗浄媒体に対流を生じさせる対流発生手段(32,33)と、
    不純物を含む被洗浄物(18)を収容して前記筒体(17)の内側又は外側に設けられ前記対流により前記筒体(17)の内側又は外側を上昇する洗浄媒体を透過して前記被洗浄物(18)に接触させ前記被洗浄物(18)に含まれる不純物を前記洗浄媒体に溶解させて前記被洗浄物(18)から前記不純物を除去させるバスケット(19)と、
    前記筒体(17)の外側又は内側に設けられ前記筒体(17)の上端縁を越えて前記筒体(17)の外側又は内側を下降する洗浄媒体からその洗浄媒体に溶解した不純物を分離する不純物捕捉材(36)と
    を備えた洗浄装置。
  6. 洗浄媒体が、液体状態又は超臨界若しくは亜臨界状態の二酸化炭素、エタン、プロパン又はフロンガスである請求項5記載の洗浄装置。
  7. 対流発生手段が筒体(17)のバスケット(19)が設けられた内側又は外側に対応する耐圧容器(11)の下部に設けられた洗浄媒体の加熱器(32)を備える請求項5又は6記載の洗浄装置。
  8. バスケット(19)が筒体(17)の内側であって前記筒体(17)の外側に不純物捕捉材(36)が設けられ、対流発生手段が前記筒体(17)の外周と前記耐圧容器(11)の内壁との間の洗浄媒体を冷却可能な冷却装置(33)を更に備える請求項7記載の洗浄装置。
  9. 対流発生手段が筒体(17)の不純物捕捉材(36)が設けられた外側若しくは内側の洗浄媒体又は前記不純物捕捉材(36)が設けられた外側若しくは内側の上部の洗浄媒体を冷却可能に構成された冷却装置(33)を備える請求項5又は6記載の洗浄装置。
  10. バスケット(19)が筒体(17)の外側であって前記筒体(17)の内側に不純物捕捉材(36)が設けられ、対流発生手段が耐圧容器(11)の周囲に設けられ前記筒体(17)の外周と前記耐圧容器(11)の内壁との間の洗浄媒体を加熱可能な加熱器(32)を更に備える請求項9記載の洗浄装置。
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JP2016503338A (ja) * 2012-11-01 2016-02-04 スペクトラ システムズ コーポレーション 紙幣およびセキュリティ保護された文書の超臨界流体洗浄

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