JP2006101437A - 多チャネル反響消去方法、その装置、そのプログラムおよびその記録媒体 - Google Patents

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暁 江村
Suehiro Shimauchi
末廣 島内
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Abstract

【課題】残響時間が長い通信会議室における疑似エコー経路の収束を速くする。
【解決手段】チャネル間相関変動を与える付加信号g(u(k))を受話信号u(k)より多く含む修正用基本ベクトルZ(k)を生成し(131)、1,r,…,rL−1(0<r<1,L:疑似エコーのタップ数)を対角要素とする対角行列AにZ(k)を乗算して、Z(k)の各要素を、インパルス応答の変動が小さい終りの方と対応するもの程大きく減衰させ(134)、この補正AZ(k)=ZA(k)と、再生ベクトルX(k)と、収音信号から疑似エコーy^(k)を消去した誤差ベクトルE(k)とにより修正係数C(k)を計算し(147)、C(k)で各ZA(k)を重み付け加算して修正ベクトルZA(k)E(k)を求め(143a)、このZA(k)E(k)で疑似エコー信号生成部71内の適応フィルタ係数を更新する。
【選択図】図8

Description

この発明は、例えば多チャネル音響再生系を有する通信会議システムにおいて、ハウリングの原因及び聴覚上の障害となる反響信号(音響エコー)を消去する多チャネル反響消去方法、その装置、そのプログラム及びその記録媒体に関するものである。
近年のデジタルネットワークの大容量化により、複数の人が容易に参加でき、より自然な通話環境を提供できる多チャネルの拡声通話の実現に向け、複数のスピーカからマイクロホンへの音響的回り込み(音響エコー)を消去する多チャネル反響消去技術が検討されている。
N(≧2)チャネルの再生系とM(≧1)チャネルの収音系とで構成される通信会議システムにおいて、従来では図1に示すような構成により反響(以下では主として音響エコーと記載する)の消去を行う。各受話端子1〜1からの受話信号は、相関変動処理部6〜6において付加信号生成部6aからの付加信号が加算部6bで付加され、チャネル間の相関が常に変動するように、相関変動処理され、これら処理された受話信号が通信会議室8内の各スピーカ2〜2で音響信号として再生される。各スピーカ2〜2よりの再生音響信号は音響エコー経路9〜9を経てマイクロホン3に回り込み、同様に他の音響エコー経路を経て他のマイクロホンにもそれぞれ回り込む。受話側全Nチャネルの受話端子1〜1とMチャネル送話の送話端子5〜5それぞれとの間にNチャネルエコーキャンセル部4〜4を接続し、音響エコーを消去する。
上記Nチャネルエコーキャンセル部4〜4は、それぞれ各収音チャネル毎に再生側Nチャネル信号と収音側1チャネル信号とが入力され、N入力1出力時系列信号を処理する構成をとる。このNチャネルエコーキャンセル部4の構成を図2に示す。相関変動処理後の再生信号x(k),…,x(k)(kは離散的時刻)は疑似エコー信号生成部41に入力されて疑似エコー信号が生成され、減算器42により疑似エコー信号とマイクロホン3からの収音信号y(k)との差である残留信号がとられる。この残留信号がエコー経路推定部43に帰還され、推定エコー経路のフィルタ係数が逐次修正されて、これが疑似エコー信号生成部41に転送されてフィルタ係数が更新される。エコー経路推定部43のフィルタ係数ベクトルの修正ベクトルは、再生信号のベクトルと残留誤差から算出される。これら疑似エコー信号生成部41、およびエコー経路推定部43は適応フィルタを構成しており、以後、これら全体を適応フィルタと記すこともある。
多チャネル音響エコーキャンセル部4のエコー経路の推定誤差をより速く小さくすることができ、エコー消去性能を向上させた音響エコー消去方法として、特許文献1が提案されている。この従来技術では、再生信号ベクトルの代わりに、付加信号成分が受話信号成分よりも強調された信号のベクトルから適応フィルタの修正ベクトルを求めて、適応フィルタを更新する。
以下ではチャネル数がNの場合に、図3に示すように1つのマイクロホン3に注目して、この従来方法を説明する。Nチャネル受話信号u(k),…,u(k)は、相関変動処理部6〜6により処理され、付加信号生成部6aからの付加信号g(u(k)),…,g(u(k))は次式のようにされる。
(k)=u(k)+g(u(k))

(k)=u(k)+g(u(k))
このように原信号に付加信号が加算されてスピーカ2,…,2により再生され、その再生音響信号がマイクロホン3に収音されて音響エコー信号y(k)になる。これ以降、この再生信号を次のように表わす。
(k)=[x(k),…,x(k−L+1)]
: (1)
(k)=[x(k),…,x(k−L+1)]
Figure 2006101437
「A」はベクトル又は行列の転置を表わし、Lは適応フィルタのタップ数である。Nチャネルエコーキャンセル部7に入力された再生信号を(NL)×1のベクトルX(k)(再生信号ベクトル)として取り扱う。この時疑似エコー信号y^(k)は、次式(3)により生成される。
y^(k)=W(k)(k) (3)
この場合受話信号と付加信号は、図4に示すように各乗算部73aで各受話信号u(k),…,u(k)にaが乗算され、次式(4)に示すように付加信号成分の強調された信号に、Nチャネルエコーキャンセル部7のエコー経路推定部内の信号変換部73bで変換される。
(k)=au(k)+g(u(k))
: (4)
(k)=au(k)+g(u(k))
この例では0<a<1とし、受話信号成分が減衰させられて付加信号成分が強調されている。受話信号成分を減衰させることなく付加信号成分に利得を付与して強調してもよい。
これ以降、この信号を次式で表記する。
(k)=[z(k),…,z(k−L+1)]
: (5)
(k)=[z(k),…,z(k−L+1)]
Figure 2006101437
これらベクトルを修正用基本ベクトルと云う。
つまりエコー経路推定部73では図5に示すようにX(k)生成部732で式(2)の再生信号ベクトルX(k)が生成され、Z(k)生成部731で修正用基本ベクトルZ(k)が生成される。
エコー経路推定部73では、修正ベクトルdW(k)を求め、ステップサイズμ(0<μ<1)を用いて疑似エコー信号生成部71内の適応フィルタをフィルタ係数更新部734で次式により更新する。
W(k+1)=W(k)+μdW(k) (7)
修正ベクトルdW(k)を、過去p個(p≧1)の入力信号、つまり再生信号ベクトルX(k)と収音信号y(k)が次式を満たすように修正係数ベクトルC(k)を求める。
y(k)=(W(k)+dW(k))(k)
: (8)
y(k−p+1)=(W(k)+dW(k))(k−p+1)
つまり式(8)から修正ベクトルdW(k)は修正用基本ベクトルZ(k),…,Z(k−p+1)の線形和で表されるとして、修正信号行列Z′(k)と修正係数ベクトルC(k)を用いて以下の式で求める。
dW(k)=Z′(k)C(k) (9)
式(9)は行列演算であるから、各修正用基本ベクトルに修正係数を乗算した線形和となる。
ここで、再生信号行列X′(k)は、各1つの再生信号ベクトルが式(2)で表わされ、それが式(8)より過去p個分であるからp本の再生信号ベクトルからなり、修正信号行列Z′(k)も同様にp本の修正用基本ベクトルからなる。
X′(k)=[X(k),…,X(k−p+1)] (10)
Z′(k)=[Z(k),…,Z(k−p+1)] (11)
また誤差信号ベクトルE(k)が誤差ベクトル生成部735でまた、修正係数ベクトルC(k)が修正係数算出部733でそれぞれ次式により算出される。
E(k)=[y(k),…,y(k−p+1)]−W(k)X(k) (12)
C(k)=(X′(k)Z′(k))-1E(k) (13)
特開2002−223182号公報
適応フィルタにより音響エコーを十分に消去するには、そのフィルタ長がエコー経路のインパルス応答長と同等である必要がある。残響時間の長い部屋で多チャネル型の拡声通話システムの動作を確実にするには、適応フィルタ長を長くとる必要がある。フィルタ長が長いほど適応フィルタの収束速度は遅くなるために、付加信号成分の強調された修正ベクトルで適応フィルタを更新する従来の多チャネルエコー消去方法に対して、一層の収束速度向上が求められている。
この発明によればインパルス応答の最初の位置と対応するフィルタ係数を大きく更新し、インパルス応答の終りの方の位置と対応するフィルタ係数を小さく更新する。
一般に、室内インパルス応答すなわちエコー経路のインパルス応答の包絡は例えば図6に示すように時間とともにほぼ一定の傾向で減衰し、インパルス応答の変化量も同様の性質を持つ。この発明ではインパルス応答の変化が大きいフィルタ係数が大きく更新され、インパルス応答の変化が小さいフィルタ係数は小さく更新されるため、推定途中でのフィルタ係数のばらつきを抑え込んで適応フィルタの収束速度が向上する。
[実施形態1]
この発明の実施形態1を図7に全体の装置構成例、図7中のNチャネルエコーキャンセラ100の機能構成を、図8にNチャネルエコーキャンセラ内での処理手順の例を図9にそれぞれ示し説明する。これら図中対応する部分には同一参照番号を付けてある。
ステップ1
チャネル受話信号u(k),…,u(k)が入力されると(S11)、図3に示したと同様に相関変動処理部6により処理され、再生信号が生成される(S12)。
(k)=u(k)+g(u(k))

(k)=u(k)+g(u(k))
かつ再生用ベクトル生成部132で「背景技術」の項で述べたように以下に示す再生用ベクトルが生成される(S12)。
(k)=[x(k),…,x(k−L+1)]
: (1)
(k)=[x(k),…,x(k−L+1)]
Figure 2006101437
この再生信号は、音響エコー経路9,…,9を経てマイクロホン3に収音され、音響エコー信号y(k)になる(S13)。
ステップ2
図4に示したと同様に、再生用ベクトルX(k)が疑似エコー信号生成部71に入力され、疑似エコー信号y^(k)を生成する(S21)。具体的には、推定したエコー経路9〜9のインパルス応答で決まる。適応フィルタの係数を
(k)=[w1,1(k),…,w1,L(k)]

(k)=[wN,1(k),…,xN,L(k)]
Figure 2006101437
として疑似エコー信号生成部71で次式が計算される。
y^(k)=W(k)(k) (3)
ステップ3
エコーキャンセル部100の信号変換部73aにおいて、図4中で説明したと同様に受話付加信号成分が強調された受話信号を図4と同様に式(4)の計算により求める。
(k)=au(k)+g(u(k))
: (4)
(k)=au(k)+g(u(k))
0<a<1、aは例えば0.1〜0.2程度とされる。
これ以降、この信号を「背景技術」で述べたと同様に修正用基本ベクトル生成部131で式(5)のようにベクトル化する。
(k)=[z(k),…,z(k−L+1)]
: (5)
(k)=[z(k),…,z(k−L+1)]
ステップ4
補正行列生成部133で、推定エコー経路のインパルス応答の終りの方の修正用基本ベクトルを減衰させるための補正行列A(式(21))を生成する(S41)。
Figure 2006101437
0<r<1であり、Lはインパルス応答の係数の数、つまり推定エコー経路の適用フィルタのタップ数である。この対角行列の補正行列A又はその対角成分のみを記憶部に予め記憶しておいてもよい。
この補正行列Aに各チャネルの修正用基本ベクトルZ (k),…,Z (k)を修正用基本ベクトル補正部134で乗算して次式のように補正する(S42)。
1 A(k)=AZ(k),…,ZN A(k)=AZN(k) (22)
このようにしてインパルス応答の初めの方に位置して変化の大きいフィルタ係数は大きく更新され、インパルス応答の終りの方に位置して変化の小さいフィルタ係数は小さく更新される。補正された修正用基本ベクトルZ1 A(k),…,ZN A(k)のインパルス応答の終りの方に対応する要素は、元の修正用基本ベクトルZ(k),…,Z(k)よりも小さくなる。
縦並べ替部135で補正修正用基本ベクトルが式(23)のように並べかえられる(S43)。
Figure 2006101437
(NL)×1のベクトルZ〜A(k)を、さらに横にp本並べて式(24)の修正信号行列Z′(k)を修正信号行列生成部136で生成する(S44)。
Z′(k)=[Z〜A(k),…,Z〜A(k−p+1)] (24)
同様にして再生用ベクトルX(k),…,X(k)を縦並べ替部141で縦ベクトルとし(S45)、更に再生信号行列生成部142においても、同様に式(25)の再生信号行列X′(k)を生成する(S46)。
X′(k)=[X(k),…,X(k−p+1)] (25)
ステップ5
フィルタ係数更新部143において、修正ベクトルdW(k)を求め、ステップサイズμ(0<μ<1)を用いて疑似エコー信号生成部71の適応フィルタを式(7)で更新する。
W(k+1)=W(k)+μdW(k) (7)
修正ベクトルdW(k)は、過去p個(p≧1)の再生信号と収音信号との関係が次式を満たすようにする。
y(k)=(W(k)+dW(k))(k)
: (8)
y(k−p+1)=(W(k)+dW(k))(k−p+1)
前述したと同様に補正修正基本ベクトルZ〜A(k),…,Z〜A(k−p+1)の線形和で修正ベクトルdW(k)が表わされる。
誤差ベクトル算出部145において、収音ベクトル生成部146から疑似エコー信号W(k)X′(k)を次式のように差し引き誤差信号ベクトルE(k)を求める(S52)。
E(k)=[y(k),…,y(k−p+1)]−W(k)X′(k) (27)
修正係数ベクトル算出部147では、この誤差信号ベクトルE(k)、再生信号行列X′(k)、補正修正信号行列Z′(k)から式(28)を演算して修正係数ベクトルC(k)を求める(S53)。
C(k)=(X′(k)Z′(k))-1E(k) (28)
フィルタ係数更新部143では、重み付き修正信号行列Z′(k)、再生信号行列X′(k)と誤差信号ベクトルE(k)と修正係数ベクトルを求める。
E(k)=[y(k),…,y(k−p+1)]−W(k)X′(k) (27)
(k)=[Z(k),…,Z(k−p+1)
C(k)=(X′(k)Z′(k))-1E(k) (29)
更に修正ベクトルdW(k)を式(30)から求める。
dW(k)=Z′(k)C(k) (30)
補正行列A(式(21))における1,r,…,rL-1 は修正用基本ベクトルZ(k)を指数関数的に減衰させるものであり、その包絡は室内残響特性と対応し、例えば図6中の破線に示すように残響音が小さくなるに従って減衰させられる。この多チャネル反響消去装置が使用される通信会議室8内の残響特性を予め測定して、これと整合するようにrを決定すればよい。残響時間が0.1秒あるいは0.3秒などとわかれば、これらに合うように設定部149でその残響時間を設定入力すれば、対応した補正行列Aが得られるようにすることもできる。
以上のようにこの実施形態によれば室内残響時間が長い場合でも、そのインパルス応答に応じて変動の小さい終りの方の部分程、疑似エコー信号生成部71に設定するフィルタ係数が小さくされているため、疑似エコー経路の推定途中でのフィルタ係数ばらつきが抑えられ、その適用フィルタの収束速度が向上する。
[実施形態2]
前述の実施形態1のステップ4では、付加信号成分の強調された信号ベクトル、つまり修正用基本ベクトルZ(k),…,Z(k)を、インパルス応答の終りに近づく程、残響音の減衰に応じるように対応する要素の大きさが小さくなるようなベクトルZ1 A(k),…,ZN A(k)に、つまり式(21)及び式(22)を用いて変換した。
行列Aの対角成分は、連続的に小さくなっている。従って変換後の補正修正用基本ベクトルを時刻k−1とkで比較すると、両方のベクトル内には同じ値を持つ要素は存在しなく、時刻kごとに、補正修正用基本ベクトルの全要素について再計算する必要がある。例えば時刻k−1とkについてみると次式となる。
1 A(k−1)=[z1(k-1) r1z1(k-2) r2z1(k-3),…,rL-1z1(k-L)]
1 A(k)=[z1(k) r1z1(k-1) r2z1(k-2),…,rL-1z1(k-L+1)]
これら両ベクトルの各要素は全て異なる値となっている。
この実施形態2ではインパルス応答の近い係数はその変動が比較的似ていることを利用してインパルス応答係数列を複数に分割し、その各分割区間ごとでは対応する補正行列の要素を同一値とする。
例えば補正行列Aの代わりに次式の補正行列Bを用いる。
Figure 2006101437
ただしIはD×Dの単位行列であり、LはDで割り切れるとする。またr′は0<r′<1の値であり、例えばr′≒rとされる。
この実施形態2の実施形態1と異なる主要部分を図10に示す。D設定部152に、インパルス応答(適応フィルタのタップ)分割区間の長さに応じた区間長Dが設定され、この分割区間長Dが補正行列生成部151に設定入力される。補正行列生成部151では式(31)に示した補正行列Bを生成し、この補正行列Bで修正用基本ベクトル生成部131からの修正用基本ベクトルZ(k),…,Z(k)を修正用基本ベクトル補正部134で補正する。この補正されたベクトルを縦ベクトルに並べ換えた後修正行列生成部136へ実施形態1と同様に供給される。その他は実施形態1と同様である。
この構成において例えば補正された修正用基本ベクトルZ(k),…,Z(k)は、次式に示すようにD個の要素ごとに階段状に小さくなるように変換される。
1 B(k-1)=[z1(k-1),…,z1(k-D+1),z1(k-D),r’z1(k-D-1),…,r’z1(k-2D+1),r’z1(k-2D),…,r’L/D-11(k-L+D-1),…,r’L/D-11(k-L+1),r’L/D-11(k-L)]
1 B(k-1)=[z1(k),z(k-1),…,z1(k-D+1),r’z1(k-D),r’z1(k-D-1),…,r’z1(k-2D+1),…,r’L/D-11(k-L+D),r’L/D-11(k-L+D-1),…,r’L/D-11(k-L+1)]
これらベクトルZ1 B(k−1)とベクトルZ1 B(k)は、L−L/D個の共通の要素を持ち、残りのL/D個の要素だけを再計算すれば、Z1 B(k−1)からZ1 B(k)を求めることができる。従って修正用基本ベクトル補正部134内に記憶部134aを設け共通に利用できる要素は記憶しておき、共通に利用できないものだけを計算し、また各時刻ごとに、共通に利用できるものを各Z1 B(k),Z1 B(k−1),…,Z1 B(k−p+1),…,ZN B(k),ZN B(k−1),…,ZN B(k−p+1)について更新すればよい。なおL/D、つまり分割区間数は例えば10〜20程度とされる。
このように、対角成分が階段状に減衰する補正行列Bを用いてインパルス応答の終りに近い要素の大きさが小さくなるベクトルを求め、しかも演算量を大幅に削減することができる。この場合、例えばL/D=2とすればインパルス応答の前半と後半とに分割される。補正行列生成部152には予め行列B又はこれと対応する対角成分のみを格納しておいてもよい。更に適用フィルタのタップ数(インパルス応答の係数の数)を等分割することなく、変化の大きい前半部分は比較的小さくしかも分割区間が長くなるようにし、後半部分は分割数を前半よりも例えば半分以下に少なくしてもよい。
[実施形態3]サブバンド構成
図11にこの発明をサブバンド方式に適用した実施形態を示す。受話信号u(k),…,u(k)は相関変動処理部6〜6により処理され、再生信号x(k),…,x(k)とされ、再生器2〜2により音響信号に再生される。各受話信号u(k),…,u(k)は受話信号帯域分割部7〜7に、付加信号g(u(k)),…,g(u(k))は、付加信号帯域分割部8〜8に入力されて、それぞれJ個のサブバンド信号に分割される。
収音器3からの収音信号は、受話信号帯域分割部7〜7と同様の構成をもつ収音信号周波数帯域分割部9に入力されてJ個のサブバンド収音信号となる。J個の周波数帯域毎に、サブバンド受話信号とサブバンド付加信号とサブバンド収音信号がサブバンドエコー消去部7〜7に入力され、帯域毎にJ個のエコーの消去されたサブバンド送信信号が得られる。送信信号帯域合成部10では、J個のサブバンド送信信号から、送信信号を合成する。各サブバンドエコー消去部7〜7は図8に示した構成、又は、その一部を図10に示したように変形したものが用いられる。
一般に受話信号の周波数特性に偏りがあると、適応フィルタによる推定処理に時間がかかることが知られている。このような場合でもこの実施形態3のようにサブバンド毎に信号処理を行うことで、サブバンド内での信号の周波数特性の偏りがほとんどなくなり、適応フィルタによる推定処理が高速になる。そのため、より高速にエコー経路を推定し、より高速にエコー消去を行うことが可能となる。
この発明では、以上述べたように再生信号ベクトル代わりに付加信号成分を強調したベクトルにより適応フィルタを更新する方法において、付加信号成分を強調したベクトルに室内インパルス応答の特性を反映させて、インパルス応答の初めの変化の大きいフィルタ係数は大きく更新し、終りの方の変化の小さいフィルタ係数を小さく更新しているため、適応フィルタの収束速度が向上する。
前述した実施形態1〜3で説明した装置としてコンピュータに機能させてもよい。この場合は、コンピュータにCD−ROM、磁気ディスク、半導体記憶装置などの記録媒体から、前記多チャネル反響消去装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、あるいは前記多チャネル反響消去方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムをインストールし、あるいは通信回線をダウンロードして、そのプログラムを実行させればよい。
実施形態2において、修正用基本ベクトルの要素を、指数関数的に折線近似で減衰させているといえる。好ましくは推定した又は予め実測したエコー経路のインパルス応答の係数の減衰包絡を折線近似すると、より好ましい。
従来の多チャネル反響消去装置の機能構成例を示すブロック。 図1中のNチャネルエコーキャンセル部4の具体的機能構成を示すブロック図。 従来のチャネル間に相関変動処理を施した多チャネル反響消去装置の機能構成を示すブロック図。 図3中のNチャネルエコーキャンセル部7の具体的機能構成を示すブロック図。 図4中のエコー経路推定部73の具体的機能構成を示すブロック図。 室内インパルス応答の例を示すグラフ。 この発明による多チャネル反響消去装置の機能構成例を示すブロック図。 図7中のNチャネルエコーキャンセル部100の具体的機能構成例を示すブロック図。 この発明による多チャネル反響消去方法の処理手順の例を示す流れ図。 この発明の実施形態2の要部の機能構成例を示すブロック図。 この発明をサブバンド方式に適用した多チャネル反響消去装置を簡略に示す機能構成例のブロック図。

Claims (10)

  1. Nチャネル(Nは2以上の整数)の受話信号に対して、それぞれ付加信号を生成し、
    Nチャネルの付加信号をそれぞれ受話信号に加算して得られる再生信号を生成し、
    再生信号をM×N個(Mは1以上の整数)のエコー経路を模擬した疑似エコー経路に印加してM個の疑似エコーを生成し、
    M×N個のエコー経路から得られたMチャネルの音響エコーから疑似エコーを差し引き誤差ベクトルを求め、
    再生信号よりも付加信号情報をより多く含む修正用基本ベクトルを生成し、
    修正用基本ベクトルの各要素について、疑似エコー経路のインパルス応答の終り側程大きく減衰させる補正を行って補正修正用基本ベクトルを生成し、
    誤差ベクトル、Nチャネル再生信号および補正修正用基本ベクトルから各補正修正用基本ベクトルの係数を決定し、
    その決定した係数を対応する補正修正用基本ベクトルに与えて線形和を求めて修正ベクトルとし、
    その修正ベクトルを用いて疑似エコー経路のインパルス応答を逐次修正する
    ことを特徴とする多チャネル反響消去方法。
  2. 請求項1記載の方法において、
    上記修正用基本ベクトルに対する補正は、複数要素ごとに減衰量を変更することを特徴とする多チャネル反響消去方法。
  3. 請求項2記載の方法において、
    上記複数要素は、一定の要素数であることを特徴とする多チャネル反響消去方法。
  4. 請求項2記載の方法において、
    上記複数要素は、インパルス応答の終り側程、要素数が大とされていることを特徴とする多チャネル反響消去方法。
  5. 請求項1記載の方法において、
    上記修正用基本ベクトルに対する補正は、各要素ごとに異なり、その各減衰量は、上記インパルス応答の初めから終りへの各係数の減衰と対応していることを特徴とする多チャネル反響消去方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法において、
    上記修正用基本ベクトルに対する補正は、指数関数的減衰であることを特徴とする多チャネル反響消去方法。
  7. 各受話信号を複数の周波数帯域のサブバンド受話信号に分割し、
    音響エコーを複数の周波数帯域のサブバンド音響エコーに分割し、
    各周波数帯域ごとにサブバンド受話信号からサブバンド音響エコーを消去してサブバンド送信信号を求め、
    上記サブバンド送信信号を合成して送信信号とする多チャネル反響消去方法において、
    上記サブバンドごとの音響エコーの消去を、請求項1〜6中に記載した多チャネル反響消去方法を適用することを特徴とする多チャネル反響消去方法。
  8. Nチャネル(Nは2以上の整数)の受話信号を入力し、それぞれ付加信号を生成する付加信号生成部と、
    Nチャネルの付加信号をそれぞれ受話信号に加算して得られる再生信号を生成する加算部と、
    N個の再生信号が入力され、M個の疑似エコーを生成出力し、M×N個(Mは1以上の整数)のエコー経路を模擬した模擬エコー信号生成部と、
    M×N個のエコー経路から得られた音響エコーと上記疑似エコーが入力され、音響エコーから疑似エコーを差し引き誤差ベクトルを出力する誤差ベクトル生成部と、
    N個の再生信号とN個の付加信号が入力され、再生信号よりも付加信号をより多く含む修正用基本ベクトルを生成する修正用基本ベクトル生成部と、
    修正用基本ベクトルが入力され、その各要素に対し、疑似エコー経路のインパルス応答の終り側程大きく減衰させる補正を行って補正修正用基本ベクトルを生成する修正用基本ベクトル補正部と、
    誤差ベクトル、Nチャネル再生信号および補正修正用基本ベクトルが入力され、これらから各補正修正用基本ベクトルの係数を決定する修正係数算出部と、
    上記の決定された係数と補正修正用基本ベクトルが入力され、これら補正修正用基本ベクトルが、対応する係数との線形和を計算して修正ベクトルとして出力する修正ベクトル生成部と、
    上記修正ベクトルが入力され、上記疑似エコー経路のインパルス応答を逐次修正するフィルタ係数更新部と、
    を具備することを特徴とする多チャネル反響消去装置。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の多チャネル反響消去方法の各ステップをコンピュータに実行させるための多チャネル反響消去プログラム。
  10. 請求項9記載の多チャネル反響消去プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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