JP2006101209A - 電力増幅装置、通信装置及び電力増幅方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 非線形歪みを低減するためのフィードフォワード方式を応用することにより、回路規模を大きくすることなくマルチバンド信号の電力増幅を行うこと。
【解決手段】 分配器102は、周波数帯fB1、fB2の信号を各々分岐する。フィルタ103は、周波数帯fB2の信号のみを通過させる。主増幅部105は、周波数帯fB2の信号を増幅する。分配/合成器107は、周波数帯fB2の歪み成分を生成する。広帯域増幅部110は、周波数帯fB2の信号の歪み成分と周波数帯fB1を増幅する。分波器111は、周波数帯fB1と周波数帯fB2の歪み成分とを分岐する。合成器113は、遅延部108から入力した歪み成分を含む周波数帯fB2と、周波数帯fB2の歪み成分と同一振幅でかつ逆位相の分波器111から入力した歪み成分とを合成して、周波数帯fB2から歪み成分を除去する。
【選択図】 図1
【解決手段】 分配器102は、周波数帯fB1、fB2の信号を各々分岐する。フィルタ103は、周波数帯fB2の信号のみを通過させる。主増幅部105は、周波数帯fB2の信号を増幅する。分配/合成器107は、周波数帯fB2の歪み成分を生成する。広帯域増幅部110は、周波数帯fB2の信号の歪み成分と周波数帯fB1を増幅する。分波器111は、周波数帯fB1と周波数帯fB2の歪み成分とを分岐する。合成器113は、遅延部108から入力した歪み成分を含む周波数帯fB2と、周波数帯fB2の歪み成分と同一振幅でかつ逆位相の分波器111から入力した歪み成分とを合成して、周波数帯fB2から歪み成分を除去する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電力増幅装置、通信装置及び電力増幅方法に関し、特にマルチバンド信号の電力を増幅する電力増幅装置、通信装置及び電力増幅方法に関する。
従来、複数の周波数帯のいわゆるマルチバンド信号の電力増幅の方法としては、周波数帯毎の増幅部を設けて、周波数帯毎に増幅するものが知られている。また、一つの高周波電力増幅器によって広帯域の高周波信号を増幅する場合において、高周波パワー増幅器の非線形性に起因する非直線歪を低減する方式としてフィードフォワード方式が知られている。そのフィードフォワード方式の応用として、誤差増幅部に相当する部分に予め歪を与えたキャリアを入力する方式が知られている。(例えば、特許文献1)
特表2002−530915号公報
しかしながら、従来の装置においては、マルチバンド信号の電力増幅は、周波数帯毎に増幅する方式であるので、周波数帯毎に電力増幅部が必要であり、回路規模が大きくなるという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、非線形歪みを低減するためのフィードフォワード方式を応用することにより、回路規模を大きくすることなくマルチバンド信号の電力増幅を行うことができる電力増幅装置、通信装置及び電力増幅方法を提供することを目的とする。
本発明の電力増幅装置は、第一信号成分の電力を増幅する第一増幅手段と、前記第一増幅手段にて増幅された前記第一信号成分から前記第一信号成分を除去して前記第一信号成分の歪み成分である第一歪み成分を生成する第一歪み成分生成手段と、前記第一信号成分とは異なる周波数の第二信号成分及び前記第一歪み成分生成手段にて生成された前記第一歪み成分の電力を増幅する第二増幅手段と、前記第二増幅手段にて増幅された前記第一歪み成分と前記第二信号成分とを分岐して前記第二信号成分を出力する第一分岐手段と、前記第一増幅手段にて増幅された前記第一信号成分の前記第一歪み成分と前記第一分岐手段にて分岐された前記第一歪み成分とを互いに同一振幅でかつ逆位相にて合成することにより前記第一信号成分から前記第一歪み成分を除去して前記第一信号成分を出力する第一歪み成分除去手段と、を具備する構成を採る。
この構成によれば、第一信号成分を第一増幅手段にて増幅するとともに第二増幅手段にて第一歪み成分と一緒に第二信号成分を増幅することにより、非線形歪みを低減するためのフィードフォワード方式にてマルチバンド信号の各周波数帯の信号を増幅することができるので、回路規模を大きくすることなくマルチバンド信号の電力増幅を行うことができる。
本発明の電力増幅方法は、第一信号成分の電力を増幅するステップと、増幅された前記第一信号成分から前記第一信号成分を除去して前記第一信号成分の歪み成分である第一歪み成分を生成するステップと、前記第一信号成分とは異なる周波数の第二信号成分及び生成された前記第一歪み成分の電力を増幅するステップと、増幅された前記第一歪み成分と前記第二信号成分とを分岐して前記第二信号成分を出力するステップと、増幅された前記第一信号成分の前記第一歪み成分と分岐された前記第一歪み成分とを互いに同一振幅でかつ逆位相にて合成することにより前記第一信号成分から前記第一歪み成分を除去して前記第一信号成分を出力するステップと、を具備するようにした。
この方法によれば、第一信号成分を第一増幅手段にて増幅するとともに第二増幅手段にて第一歪み成分と一緒に第二信号成分を増幅することにより、非線形歪みを低減するためのフィードフォワード方式にてマルチバンド信号の各周波数帯の信号を増幅することができるので、回路規模を大きくすることなくマルチバンド信号の電力増幅を行うことができる。
本発明によれば、非線形歪みを低減するためのフィードフォワード方式を応用することにより、回路規模を大きくすることなくマルチバンド信号の電力増幅を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電力増幅装置100の構成を示すブロック図である。
図1は、本発明の実施の形態1に係る電力増幅装置100の構成を示すブロック図である。
入力端子101は、入力した信号を分配器102へ送る。入力端子101に入力する信号は、周波数帯fB1の信号(第二信号成分)と周波数帯fB1の信号よりも高い周波数の周波数帯fB2の信号(第一信号成分)の2つの周波数帯の信号である。
分配器102は、入力端子101から入力した周波数帯fB1の信号及び周波数帯fB2の信号を各々分岐してフィルタ103と遅延部106へ出力する。
選択手段であるフィルタ103は、分配器102から入力した周波数帯fB1の信号及び周波数帯fB2の信号の内、周波数帯fB1の信号の通過を阻止するとともに周波数帯fB2の信号を通過させ、周波数帯fB2の信号をベクトル調整器104へ出力する。
ベクトル調整器104は、フィルタ103から入力した周波数帯fB2の信号に対して、振幅及び位相を調整して主増幅部105へ出力する。ベクトル調整器104は、主増幅部105から出力される信号と後述する遅延部106から出力される信号の位相差が180度になるように調整を行なう。
第一増幅手段である主増幅部105は、非線形特性を有し、ベクトル調整器104から入力した信号を増幅して増幅信号を生成して分配/合成器107へ出力する。主増幅部105から出力された増幅信号は、キャリア成分(信号成分)と増幅に起因して生じた歪み成分を含む。
遅延部106は、分配器102から入力した周波数帯fB1の信号及び周波数帯fB2の信号を遅延させて分配/合成器107へ出力する。
第一歪み成分生成手段である分配/合成器107は、主増幅部105から入力した周波数帯fB2の信号と、主増幅部105から入力した周波数帯fB2の信号に対して同一振幅でかつ位相差が180度である逆位相の遅延部106から入力した周波数帯fB2の信号とを合成して、周波数帯fB2の信号の歪み成分を検出し、検出した歪み成分をベクトル調整器109へ出力する。また、分配/合成器107は、主増幅部105から入力した周波数帯fB2の信号をそのまま遅延部108に出力するとともに、遅延部106から入力した周波数帯fB1の信号をそのままベクトル調整器109へ出力する。
遅延部108は、分配/合成器107から入力した周波数帯fB2の信号の位相が、合成器113において、分波器111から合成器113に入力する周波数帯fB2の信号の歪み成分に対して180度の位相差が生じるように遅延させることにより位相を調整して合成器113へ出力する。
ベクトル調整器109は、分配/合成器107から入力した周波数帯fB2の信号の歪み成分に対して、振幅及び位相を調整して広帯域増幅部110へ出力する。ベクトル調整器109は、遅延部108から合成器113に入力する周波数帯fB2の信号に対して180度の位相差が生じるように調整を行なう。
第二増幅手段である広帯域増幅部110は、線形特性を有するかまたは非線形特性を有するものであっても僅かな非線形特性を有するものであり、周波数帯fB2に対しては誤差増幅部として機能するとともに周波数帯fB1に対しては主増幅部として機能する。即ち、広帯域増幅部110は、ベクトル調整器109から入力した周波数帯fB1の信号及び周波数帯fB2の信号の歪み成分を増幅して分波器111へ出力する。
分岐手段である分波器111は、広帯域増幅部110から入力した周波数帯fB1の信号と周波数帯fB2の信号の歪み成分とを分岐して、周波数帯fB1の信号を出力端子112から出力するとともに周波数帯fB2の信号の歪み成分を合成器113へ出力する。出力端子112から出力された周波数帯fB1の信号は、広帯域増幅部110にて電力増幅された信号である。
第一歪み成分除去手段である合成器113は、遅延部108から入力した周波数帯fB2の信号と分波器111から入力した周波数帯fB2の信号の歪み成分とを互いに同一振幅でかつ逆位相にて合成して、遅延部108から入力した周波数帯fB2の信号から周波数帯fB2の信号の歪み成分を除去して周波数帯fB2の信号のキャリア成分を抽出し、抽出したキャリア成分を出力端子114から出力する。出力端子114から出力された周波数帯fB2の信号は、主増幅部105にて電力増幅された信号である。
次に、マルチバンド信号の電力増幅方法について、図1を用いて説明する。入力端子101より2つの周波数帯fB1及び周波数帯fB2の信号が入力し、入力端子101に入力した信号は状態#150にて分配器102に入力し、分配器102にて分岐される。そして、分岐された一方の信号において、例えば高い周波数帯fB2の信号がフィルタ103を通過し、低い周波数帯fB1の信号がフィルタ103にて除去されて状態#151にてベクトル調整器104に入力する。状態#151の信号は、ベクトル調整器104にて振幅及び位相が調整されて状態#152にてベクトル調整器104から出力されて主増幅部105に入力し、主増幅部105にて増幅されて状態#153にて主増幅器105から出力されて分配/合成器107に入力する。その際、主増幅部105の非線形特性により周波数帯fB2の信号には歪み成分S1が発生する。そして、主増幅部105にて増幅された周波数帯fB2の信号は分配/合成器107にて分岐される。
一方、分配器102にて分岐された他方の信号は、フィルタ103、ベクトル調整器104、主増幅部105及び分配/結合器107の経路による高い周波数帯fB2の信号の遅延分だけ遅延部106にて遅延させられて状態#154にて分配/合成器107に入力する。そして、状態#153の周波数帯fB2の信号と、状態#153の周波数帯fB2の信号とは同一振幅でかつ逆位相の状態#154の周波数帯fB2の信号とを分配/合成器107にて合成することにより、周波数帯fB2の信号を除去して周波数帯fB2の信号の歪み成分S1を検出し、状態#155にて分配/合成器107から出力されてベクトル調整器109に入力する。状態#155の歪み成分S1は、ベクトル調整器109にて状態#159の歪み成分S1に対して同一振幅でかつ逆位相になるように位相及び振幅が調整され、広帯域増幅部110にて増幅されて状態#156にて分波器111に入力する。この時、広帯域増幅部110は、歪み成分S1に対してはフィードフォワード増幅器の誤差増幅器として機能し、周波数帯fB1の信号に対しては線形増幅器として機能する。状態#156の信号は、分波器111にて周波数帯fB1の信号と歪み成分S1の2波に分けられて、周波数帯fB1の信号は状態#157にて分波器111から出力されて出力端子112より出力され、歪み成分S1は状態#158にて分波器111から出力されて合成器113に入力する。
一方、分配/合成器107に入力した状態#153の信号は、分配/合成器107にて分岐されて、ベクトル調整器109、広帯域増幅部110及び分波器111の経路による状態#158の歪み成分S1の遅延分だけ遅延部108にて遅延されて状態#159にて遅延部108から出力されて合成器113に入力する。そして、状態#158の歪み成分S1と、状態#158の歪み成分S1とは同一振幅でかつ逆位相の歪み成分S1を含む周波数帯fB2の信号が合成器113にて合成されることにより、周波数帯fB2の信号に含まれる歪み成分S1が除去されて状態#160にて合成器113から出力されて出力端子114から出力される。そして、出力端子112から出力された周波数帯fB1の信号は図示しないアンテナより送信されるとともに、出力端子114から出力された周波数帯fB2の信号は、周波数帯fB1の信号を送信するアンテナとは異なる図示しないアンテナより送信される。
このように、本実施の形態1によれば、周波数帯fB2の信号に対してフィードフォワード方式の増幅装置として機能するとともに、周波数帯fB1の信号に対しても増幅装置として機能することにより、周波数帯fB1の信号及び周波数帯fB2の信号からなるマルチバンド信号の全ての周波数帯の信号を1つの増幅装置にて増幅することができるので、回路規模を大きくすることなくマルチバンド信号の電力増幅を行うことができる。また、本実施の形態1によれば、増幅部の非線形特性により周波数帯fB2の信号に生じた歪み成分をフィードフォワード方式により除去することができるので、増幅部にて生じる歪み成分を抑圧することができる。また、本実施の形態1によれば、周波数帯fB2の信号の誤差増幅部として機能する増幅部を周波数帯fB1の信号の線形増幅部として兼用することができるので、低コストにすることができるとともに電力増幅装置全体を小型化にすることができる。また、本実施の形態1によれば、線形増幅部である周波数帯fB2の信号の歪み成分の誤差増幅部にて、周波数の低い周波数帯fB1の信号を増幅するので、周波数帯fB1の信号を増幅することにより周波数帯fB1に生じる歪み成分を最小限にすることができる。また、本実施の形態1によれば、低い周波数帯fB1の信号を分波器にて分岐して出力するので、歪み成分抑圧用の合成器113における損失を減らすことができる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2に係る電力増幅装置200の構成を示すブロック図である。
図2は、本発明の実施の形態2に係る電力増幅装置200の構成を示すブロック図である。
本実施の形態2に係る電力増幅装置200は、図1に示す実施の形態1に係る電力増幅装置100において、図2に示すように、分波器111を除き、フィルタ201及びフィルタ202を追加する。なお、図2においては、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
広帯域増幅部110は、線形特性を有するかまたは非線形特性を有するものであっても僅かな非線形特性を有するものであり、周波数帯fB2に対しては誤差増幅部として機能するとともに周波数帯fB1に対しては主増幅部として機能する。即ち、広帯域増幅部110は、ベクトル調整器109から入力した周波数帯fB1の信号及び周波数帯fB2の信号の歪み成分を増幅してフィルタ201及びフィルタ202へ出力する。
フィルタ201は、広帯域増幅部110から入力した周波数帯fB1の信号及び周波数帯fB2の信号の歪み成分の内、周波数帯fB1の信号の通過を阻止するとともに周波数帯fB2の信号の歪み成分を通過させ、周波数帯fB2の信号の歪み成分を合成器113へ出力する。
フィルタ202は、広帯域増幅部110から入力した周波数帯fB1の信号及び周波数帯fB2の信号の歪み成分の内、周波数帯fB2の信号の歪み成分の通過を阻止するとともに周波数帯fB1の信号を通過させ、周波数帯fB1の信号を出力端子112から出力する。
合成器113は、遅延部108から入力した周波数帯fB2の信号とフィルタ201から入力した周波数帯fB2の信号の歪み成分とを合成して、遅延部108から入力した周波数帯fB2の信号から周波数帯fB2の信号の歪み成分を除去してキャリア成分を抽出し、抽出したキャリア成分を出力端子114から出力する。出力端子114から出力された周波数帯fB2の信号は、主増幅部105にて電力増幅された信号である。なお、電力増幅方法については、上記実施の形態1と同一であるのでその説明は省略する。
このように、本実施の形態2によれば、周波数帯fB2の信号に対してフィードフォワード方式の増幅装置として機能するとともに、周波数帯fB1の信号に対しても増幅装置として機能することにより、周波数帯fB1の信号及び周波数帯fB2の信号からなるマルチバンド信号の全ての周波数帯の信号を1つの増幅装置にて増幅することができるので、回路規模を大きくすることなくマルチバンド信号の電力増幅を行うことができる。また、本実施の形態1によれば、増幅部の非線形特性により周波数帯fB2の信号に生じた歪み成分をフィードフォワード方式により除去することができるので、増幅部にて生じる歪み成分を抑圧することができる。また、本実施の形態2によれば、周波数帯fB2の信号の誤差増幅部として機能する増幅部を周波数帯fB1の信号の線形増幅部として兼用することができるので、低コストにすることができるとともに電力増幅装置全体を小型化にすることができる。また、本実施の形態2によれば、線形増幅部である周波数帯fB2の信号の歪み成分の誤差増幅部にて、周波数の低い周波数帯fB1の信号を増幅するので、周波数帯fB1の信号を増幅することにより周波数帯fB1に生じる歪み成分を最小限にすることができる。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3に係る電力増幅装置300の構成を示すブロック図である。
図3は、本発明の実施の形態3に係る電力増幅装置300の構成を示すブロック図である。
本実施の形態3に係る電力増幅装置300は、図1に示す実施の形態1に係る電力増幅装置100において、図3に示すように、遅延部108を除き、フィルタ301を追加する。なお、図3においては、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
分配/合成器107は、主増幅部105から入力した周波数帯fB2の信号と、主増幅部105から入力した周波数帯fB2の信号に対して同一振幅でかつ位相差が180度である逆位相の遅延部106から入力した周波数帯fB2の信号とを合成して、周波数帯fB2の信号の歪み成分を検出し、検出した歪み成分をベクトル調整器109へ出力する。また、分配/合成器107は、主増幅部105から入力した周波数帯fB2の信号をそのままフィルタ301へ出力するとともに、遅延部106から入力した周波数帯fB1の信号をそのままベクトル調整器109へ出力する。この時、フィルタ103にて周波数fB1の信号を完全に除去することができずに周波数帯fB1の信号が残留している場合、または分配/合成器107にてアイソレーションが取れない場合には、分配/合成器107は、周波数帯fB1の信号が残留した状態で、主増幅部105から入力した周波数帯fB2の信号をフィルタ301に出力する。
遅延手段であるフィルタ301は、フィルタ301に入力した信号を遅延させて出力するものであり、分配/合成器107から入力した周波数帯fB2の信号の位相が、合成器113において、分波器111から合成器113に入力する周波数帯fB2の信号の歪み成分に対して180度の位相差が生じるように遅延させることにより位相を調整して合成器113へ出力する。また、フィルタ301に入力した周波数帯fB2の信号に周波数帯fB1の信号が残留している場合には、フィルタ301は、分配/合成器107から入力した周波数帯fB1の信号及び周波数帯fB2の信号の内、周波数帯fB1の信号の通過を阻止するとともに周波数帯fB2の信号を通過させ、周波数帯fB2の信号を合成器113へ出力する。
合成器113は、フィルタ301から入力した周波数帯fB2の信号と分波器111から入力した周波数帯fB2の信号の歪み成分とを互いに同一振幅でかつ逆位相にて合成して、フィルタ301から入力した周波数帯fB2の信号から周波数帯fB2の信号の歪み成分を除去して周波数帯fB2の信号のキャリア成分を抽出し、抽出したキャリア成分を出力端子114から出力する。出力端子114から出力された周波数帯fB2の信号は、主増幅部105にて電力増幅された信号である。
次に、電力増幅方法について、図3を用いて説明する。入力端子101より2つの周波数帯fB1及び周波数帯fB2の信号が入力し、入力端子101に入力した信号は状態#310にて分配器102に入力し、分配器102にて分岐される。そして、分岐された一方の信号において、例えば高い周波数帯fB2の信号がフィルタ103を通過し、低い周波数帯fB1の信号がフィルタ103にて除去されて状態#311にてベクトル調整器104に入力する。状態#311の信号は、ベクトル調整器104にて振幅及び位相が調整されて状態#312にてベクトル調整器104から出力されて主増幅部105に入力し、主増幅部105にて増幅されて状態#313にて主増幅器105から出力されて分配/合成器107に入力する。その際、主増幅部105の非線形特性により周波数帯fB2の信号には歪み成分S1が発生する。また、フィルタ103にて周波数帯fB1が完全に除去できなかった場合には、周波数帯fB2の信号に周波数帯fB1が残った状態#311にてフィルタ103から出力されてベクトル調整器104に入力する。そして、主増幅部105にて増幅された周波数帯fB2の信号は分配/合成器107にて分岐される。
一方、分配器102にて分岐された他方の信号は、フィルタ103、ベクトル調整器104及び主増幅部105の経路による高い周波数帯fB2の信号の遅延分だけ遅延部106にて遅延させられて状態#314にて分配/合成器107に入力する。そして、状態#313の周波数帯fB2の信号と、状態#313の周波数帯fB2の信号とは同一振幅でかつ逆位相の状態#314の周波数帯fB2の信号とを分配/合成器107にて合成することにより、周波数帯fB2の信号を除去して周波数帯fB2の信号の歪み成分S1を検出し、状態#315にて分配/合成器107から出力されてベクトル調整器109に入力する。状態#315の歪み成分S1は、状態#318の歪み成分S1に対して同一振幅でかつ逆位相になるようにベクトル調整器109にて位相及び振幅が調整され、広帯域増幅部110にて増幅されて状態#316にて分波器111に入力する。この時、広帯域増幅部110は、周波数帯fB2の信号に対してはフィードフォワード増幅器の誤差増幅器として機能し、周波数帯fB1の信号に対しては線形増幅器として機能する。状態#316の信号は、分波器111にて周波数帯fB1の信号と歪み成分S1の2波に分岐されて、周波数帯fB1の信号は状態#317にて分波器111から出力されて出力端子112より出力され、歪み成分S1は状態#318にて分波器111から出力されて合成器113に入力する。
一方、分配/合成器107に入力した状態#313の信号は、分配/合成器107にて分岐される。この時、フィルタ103にて周波数帯fB1が完全に除去できなかった場合、または分配/合成器107にてアイソレーションが取れない場合には、周波数帯fB2の信号に周波数帯fB1が残った状態#319にて分配/合成器107から出力されてフィルタ301に入力する。状態#319の信号は、フィルタ301にて、ベクトル調整器109、広帯域増幅部110及び分波器111の経路による状態#318の歪み成分S1の遅延分だけ遅延させられるとともに、周波数帯fB1の信号が除去されてフィルタ301から状態#320にて出力されて合成器113に入力する。そして、状態#318の歪み成分S1と、状態#318の歪み成分S1とは同一振幅でかつ逆位相の歪み成分S1を含む状態#320の周波数帯fB2とが合成器113にて合成されることにより、周波数帯fB2の信号の歪み成分S1が除去されて状態#321にて合成器113から出力されて出力端子114から出力される。そして、出力端子112から出力された周波数帯fB1の信号は図示しないアンテナより送信されるとともに、出力端子114から出力された周波数帯fB2の信号は、周波数帯fB1の信号を送信するアンテナとは異なる図示しないアンテナより送信される。
このように、本実施の形態3によれば、上記実施の形態1の効果に加えて、残留した周波数帯fB1の信号を除去する処理と、周波数帯fB2の信号を遅延させる処理とをフィルタにて兼用することができるので、回路規模を大きくすることなく不要輻射特性を良好にすることができる。
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4に係る電力増幅装置400の構成を示すブロック図である。
図4は、本発明の実施の形態4に係る電力増幅装置400の構成を示すブロック図である。
本実施の形態4に係る電力増幅装置400は、図1に示す実施の形態1に係る電力増幅装置100において、図4に示すように、フィルタ103を除き、入力端子401及び方向性結合器402を追加する。なお、図4においては、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
入力端子101は、入力した信号を分配器102へ送る。入力端子101に入力する信号は、周波数帯fB1の信号よりも高い周波数の周波数帯fB2の信号である。
分配器102は、入力端子101から入力した周波数帯fB2の信号を分岐してベクトル調整器104と遅延部106へ出力する。
ベクトル調整器104は、分配器102から入力した周波数帯fB2の信号に対して、振幅及び位相を調整して主増幅部105へ出力する。ベクトル調整器104は、主増幅部105から出力される信号と後述する遅延部106から出力される信号の位相差が180度になるように調整を行なう。
遅延部106は、分配器102から入力した周波数帯fB2の信号を遅延させて分配/合成器107へ出力する。
分配/合成器107は、主増幅部105から入力した周波数帯fB2の信号と、主増幅部105から入力した周波数帯fB2の信号に対して同一振幅でかつ位相差が180度である逆位相の遅延部106から入力した周波数帯fB2の信号とを合成して、周波数帯fB2の信号の歪み成分を検出し、検出した歪み成分を方向性結合器402へ出力する。また、分配/合成器107は、主増幅部105から入力した周波数帯fB2の信号をそのまま遅延部108に出力する。
入力端子401は、入力した信号を方向性結合器402へ送る。入力端子401に入力する信号は、周波数帯fB1の信号である。
結合手段である方向性結合器402は、分配/合成器107から入力した周波数帯fB2の信号の歪み成分と入力端子401から入力した周波数帯fB2の信号とを結合してベクトル調整器109へ出力する。
ベクトル調整器109は、方向性結合器402から入力した周波数帯fB2の信号の歪み成分に対して、振幅及び位相を調整して広帯域増幅部110へ出力する。ベクトル調整器109は、遅延部108から出力される周波数帯fB2の信号と後述する分波器111から出力される周波数帯fB2の信号の歪み成分の位相差が180度になるように調整を行なう。
次に、電力増幅方法について、図4を用いて説明する。入力端子101より1つの周波数帯fB2の信号が入力し、入力端子101に入力した信号は状態#410にて分配器102に入力し、分配器102にて分岐されて状態#411にてベクトル調整器104に入力する。状態#411の信号は、ベクトル調整器104にて振幅及び位相が調整されて状態#412にてベクトル調整器104から出力されて主増幅部105に入力し、主増幅部105にて増幅されて状態#413にて主増幅器105から出力されて分配/合成器107に入力する。その際、主増幅部105の非線形特性により周波数帯fB2の信号には歪み成分S1が発生する。そして、主増幅部105にて増幅された周波数帯fB2の信号は分配/合成器107にて分岐される。
一方、分配器102にて分岐された他方の信号は、ベクトル調整器104及び主増幅部105の経路による周波数帯fB2の信号の遅延分だけ遅延部106にて遅延させられて状態#414にて分配/合成器107に入力する。そして、ベクトル調整器104にて状態#414の高周波帯fB2の信号に対して同一振幅でかつ逆位相にされた状態#413の周波数帯fB2の信号と、状態#414の周波数帯fB2の信号とを分配/合成器107にて合成することにより、周波数帯fB2の信号を除去して歪み成分S1を検出し、状態#415にて分配/合成器107から出力されて方向性結合器402に入力する。状態#415の歪み成分S1と入力端子401から入力した状態#416の周波数帯fB1の信号とは、方向性結合器402にて結合されて状態#417にて方向性結合器402から出力されてベクトル調整器109に入力する。状態#417の歪み成分S1は、状態#421の歪み成分S1に対して同一振幅でかつ逆位相になるようにベクトル調整器109にて位相及び振幅が調整され、広帯域増幅部110にて増幅されて状態#418にて分波器111に入力する。この時、広帯域増幅部110は、歪み成分S1に対してはフィードフォワード増幅器の誤差増幅器として機能し、周波数帯fB1の信号に対しては線形増幅器として機能する。状態#418の信号は、分波器111にて周波数帯fB1の信号と歪み成分S1の2波に分岐されて、周波数帯fB1の信号は状態#419にて分波器111から出力されて出力端子112より出力され、歪み成分S1は状態#420にて分波器111から出力されて合成器113に入力する。
一方、分配/合成器107に入力した状態#413の信号は、分配/合成器107にて分岐されて、方向性結合器402、ベクトル調整器109、広帯域増幅部110及び分波器111の経路による状態420の歪み成分S1の遅延分だけ遅延部108にて遅延されて状態#421にて遅延部108から出力されて合成器113に入力する。そして、状態#420の歪み成分S1と、状態#420の歪み成分S1とは同一振幅でかつ逆位相の歪み成分S1を含む状態#421の周波数帯fB2の信号とが合成器113にて合成されることにより、周波数帯fB2の信号の歪み成分S1が除去されて状態#422にて合成器113から出力されて出力端子114から出力される。そして、出力端子112から出力された周波数帯fB1の信号は図示しないアンテナより送信されるとともに、出力端子114から出力された周波数帯fB2の信号は、周波数帯fB1の信号を送信するアンテナとは異なる図示しないアンテナより送信される。
このように、本実施の形態4によれば、上記実施の形態1の効果に加えて、周波数帯fB2の信号の歪み成分を生成した後に、周波数帯fB2の信号の歪み成分と周波数帯fB1の信号を結合するので、周波数帯fB2の歪み成分を生成する処理による周波数帯fB1の電力損失を防ぐことができ、周波数帯fB1の電力損失を低減することができる。
(実施の形態5)
図5は、本発明の実施の形態5に係る電力増幅装置500の構成を示すブロック図である。
図5は、本発明の実施の形態5に係る電力増幅装置500の構成を示すブロック図である。
本実施の形態5に係る電力増幅装置500は、図1に示す実施の形態1に係る電力増幅装置100において、図5に示すように、局部発振器501、方向性結合器502、方向性結合器504、フィルタ505、歪み検出ループ制御部506、方向性結合器507、フィルタ508、直交検波部509及び歪み除去ループ制御部510を追加する。なお、図5においては、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
分配器102、フィルタ103、ベクトル調整器104、主増幅部105、遅延部106、分配/合成器107、方向性結合器502、方向性結合器503、方向性結合器504、フィルタ505及び歪み検出ループ制御部506は、歪み検出ループ回路を構成している。また、分配/合成器107、遅延部108、ベクトル調整器109、広帯域増幅部110、分波器111、合成器113、方向性結合器507、フィルタ508及び歪み除去ループ制御部510は、歪み除去ループ回路を構成している。
局部発振器501は、生成したパイロット信号を方向性結合器502及び直交検波部509へ出力する。
フィルタ103は、分配器102から入力した周波数帯fB1の信号及び周波数帯fB2の信号の内、周波数帯fB1の信号の通過を阻止するとともに周波数帯fB2の信号を通過させ、周波数帯fB2の信号を方向性結合器502へ出力する。
方向性結合器502は、フィルタ103から入力した周波数帯fB2の信号と局部発振器501から入力したパイロット信号を結合してベクトル調整器104へ出力する。
ベクトル調整器104は、歪み検出ループ制御部506からフィードバックされた振幅誤差と位相誤差に基づいて、歪み検出ループ回路の周波数帯fB2の信号のキャリア抑圧特性を維持するように方向性結合器502から入力した信号を制御して、主増幅部105へ出力する。
主増幅部105は、非線形特性を有し、ベクトル調整器104から入力した信号を増幅して増幅信号を生成して方向性結合器503へ出力する。主増幅部105から出力された増幅信号は、キャリア成分(信号成分)と増幅に起因して生じた歪み成分を含む。
方向性結合器503は、主増幅部105から入力した周波数帯fB2の信号を歪み検出ループ制御部506と分配/合成器107へ出力する。
分配/合成器107は、方向性結合器503から入力した周波数帯fB2の信号と、方向性結合器503から入力した周波数帯fB2の信号に対して同一振幅でかつ位相差が180度である逆位相の遅延部106から入力した周波数帯fB2の信号とを合成して、周波数帯fB2の信号の歪み成分を検出し、検出した歪み成分を方向性結合器504へ出力する。また、分配/合成器107は、方向性結合器503から入力した周波数帯fB2の信号をそのまま遅延部108に出力するとともに、遅延部106から入力した周波数帯fB1の信号をそのまま方向性結合器504へ出力する。
方向性結合器504は、分配/合成器107から入力した周波数帯fB1の信号及び周波数帯fB2の信号の歪み成分をベクトル調整器109とフィルタ505へ出力する。
フィルタ505は、方向性結合器504から入力した周波数帯fB1の信号及び周波数帯fB2の信号の歪み成分の内、周波数帯fB1の信号の通過を阻止するとともに周波数帯fB2の信号の歪み成分を通過させ、周波数帯fB2の信号の歪み成分を歪み検出ループ制御部506へ出力する。
歪み検出ループ制御部506は、方向性結合器503から入力した周波数帯fB2の信号のキャリア成分と、フィルタ505から入力した歪み検出ループ回路にて抑圧された周波数帯fB2の信号のキャリア成分の特性差から、主増幅部105と遅延部106との振幅誤差と位相誤差を検出し、検出した振幅誤差と位相誤差をベクトル調整器104へ出力する。
ベクトル調整器109は、方向性結合器504から入力した周波数帯fB2の信号の歪み成分に対して、歪み除去ループ制御部510からフィードバックされる振幅誤差と位相誤差に基づいて振幅制御と位相制御を行なう。位相制御の際に方向性結合器504から入力した周波数帯fB2の信号の歪み成分及びパイロット信号の位相が、遅延部108から合成器113に入力される周波数帯fB2の信号及びパイロット信号の位相に比べて180度ずれるように位相を調整する。そして、ベクトル調整器109は、振幅制御と位相制御とを行なった周波数帯fB2の信号の歪み成分、パイロット信号及び周波数帯fB1の信号を広帯域増幅部110へ出力する。
広帯域増幅部110は、線形特性を有するかまたは非線形特性を有するものであっても僅かな非線形特性を有するものであり、周波数帯fB2に対しては誤差増幅部として機能するとともに周波数帯fB1に対しては主増幅部として機能する。即ち、広帯域増幅部110は、ベクトル調整器109から入力した周波数帯fB1の信号、パイロット信号及び周波数帯fB2の信号の歪み成分を増幅して分波器111へ出力する。
分波器111は、広帯域増幅部110から入力した周波数帯fB1の信号と周波数帯fB2の信号の歪み成分及びパイロット信号とを分岐して、周波数帯fB1の信号を出力端子112から出力するとともに、周波数帯fB2の信号の歪み成分及びパイロット信号を合成器113へ出力する。出力端子112から出力された周波数帯fB1の信号は、広帯域増幅部110にて電力増幅された信号である。
合成器113は、遅延部108から入力した歪み成分を含む周波数帯fB2の信号と、分波器111から入力した周波数帯fB2の信号の歪み成分とを互いに同一振幅でかつ逆位相にて合成して、遅延部108から入力した周波数帯fB2の信号から周波数帯fB2の信号の歪み成分を除去して周波数帯fB2の信号のキャリア成分を抽出し、抽出したキャリア成分を方向性結合器507へ出力する。また、合成器113は、遅延部108から入力したパイロット信号と、分波器111から入力したパイロット信号とを互いに同一振幅でかつ逆位相にて合成して、パイロット信号を除去する。
方向性結合器507は、合成器113から入力した周波数帯fB2の信号を出力端子114から出力するとともに、パイロット信号を取り出してフィルタ508へ出力する。ここで、方向性結合器507にて取り出された参照出力信号であるパイロット信号は、遅延部108から出力された信号と分波器111から出力された信号との振幅誤差または位相誤差により、周波数帯fB2の信号に除去されずに残留したパイロット信号である。
フィルタ508は、方向性結合器507から入力した残留したパイロット信号を含む周波数帯fB2の信号から、周波数帯fB2の信号の通過を阻止するとともに残留したパイロット信号を通過させ、残留したパイロット信号を直交検波部509へ出力する。
直交検波部509は、局部発振器501から入力したパイロット信号とフィルタ508から入力した歪んだパイロット信号とを直交検波して互いに直交関係を有するI成分の電圧値とQ成分の電圧値とを検出する。そして、直交検波部509は、検出したI成分の電圧値とQ成分の電圧値を歪み除去ループ制御部510へ出力する。
歪み除去ループ制御部510は、歪み除去モードにおいて、直交検波部509から入力したI成分の電圧値とQ成分の電圧値に基づいて、フィルタ508から出力される歪んだパイロット信号がなくなるように、ベクトル調整器109の振幅制御電圧と位相制御電圧を調整する。そして、歪み除去ループ制御部510は、調整の結果、残留したパイロット信号がなくなるように、ベクトル調整器109に対する振幅制御電圧と位相制御電圧を制御する。
ベクトル調整器109は、方向性結合器504から入力した周波数帯fB2の信号の歪み成分に対して、歪み除去ループ制御部510からフィードバックされる振幅誤差と位相誤差に基づいて振幅及び位相を調整して広帯域増幅部110へ出力する。ベクトル調整器109は、遅延部108から出力される周波数帯fB2の信号と後述する分波器111から出力される周波数帯fB2の信号の歪み成分の位相差が180度になるように調整を行なう。
次に、電力増幅方法について、図5を用いて説明する。入力端子101より2つの周波数帯fB1及び周波数帯fB2の信号が入力し、入力端子101に入力した信号は状態#520にて分配器102に入力し、分配器102にて分岐される。そして、分岐された一方の信号において、例えば高い周波数帯fB2の信号がフィルタ103を通過し、低い周波数帯fB1の信号がフィルタ103にて除去されて状態#521にて方向性結合器502に入力する。また、局部発振器501にて生成されたパイロット信号P1は、状態#522にて方向性結合器502に入力する。そして、状態#521の周波数fB2の信号と状態#522のパイロット信号P1は、方向性結合器502にて結合されて状態#523にて方向性結合器502から出力されてベクトル調整器104に入力する。状態#523の信号は、ベクトル調整器104にて振幅及び位相が調整され、主増幅部105にて増幅されて状態#524にて主増幅器105から出力されて方向性結合器503に入力する。その際、主増幅部105の非線形特性により周波数帯fB2の信号には歪み成分S1が発生する。そして、主増幅部105にて増幅された周波数帯fB2の信号は、方向性結合器503及び分配/合成器107にて分岐される。
一方、分配器102にて分岐された他方の信号は、フィルタ103、方向性結合器502、ベクトル調整器104、主増幅部105及び方向性結合器503の経路による高い周波数帯fB2の信号の遅延分だけ遅延部106にて遅延させられて状態#525にて分配/合成器107に入力する。そして、状態#524の周波数帯fB2の信号と、状態#524の周波数帯fB2の信号とは同一振幅でかつ逆位相の状態#525の周波数帯fB2の信号とを分配/合成器107にて合成することにより、周波数帯fB2の信号を除去して周波数帯fB2の信号の歪み成分S1を検出し、状態#526にて分配/合成器107から出力されて方向性結合器504に入力する。
ここで、温度変動及び経年変動等により主増幅部105の振幅及び位相が変化する。これにより、歪み検出ループ回路の最適調整値に誤差が生じ、分配/合成器107から出力される周波数帯fB2の信号の抑圧量が少なくなり、周波数帯fB2の信号レベルが大きくなる。したがって、このような場合には歪み検出ループ回路による自動調整により、方向性結合器507より周波数帯fB1の信号及び周波数帯fB2の信号を分岐し、フィルタ505にて周波数帯fB1の信号を除去して周波数帯fB2の信号を通過させ、フィルタ505から出力された周波数帯fB2の信号と、方向性結合器503から出力された周波数帯fB2の信号を用いて、歪み検出ループ制御部506にて周波数帯fB2の信号レベルが最小になるように位相及び振幅を制御する。
また、状態#526の歪み成分S1及びパイロット信号P1は、ベクトル調整器109にて状態#530の歪み成分S1及びパイロット信号P1に対して同一振幅でかつ逆位相になるように位相及び振幅が調整され、広帯域増幅部110にて増幅されて状態#527にて分波器111に入力する。この時、広帯域増幅部110は、周波数帯fB2の信号に対してはフィードフォワード増幅器の誤差増幅器として機能し、周波数帯fB1の信号に対しては線形増幅器として機能する。状態#527の信号は、分波器111にて周波数帯fB1の信号と、歪み成分S1及びパイロット信号P1との2波に分岐されて、周波数帯fB1の信号は状態#528にて分波器111から出力されて出力端子112より出力され、歪み成分S1及びパイロット信号P1は状態#529にて分波器111から出力されて合成器113に入力する。
一方、分配/合成器107に入力した状態#524の信号は、分配/合成器107にて分岐されて、方向性結合器504、ベクトル調整器109、広帯域増幅部110及び分波器111の経路による状態#529の歪み成分S1の遅延分だけ遅延部108にて遅延されて状態#530にて遅延部108から出力されて合成器113に入力する。そして、状態#529の歪み成分S1及びパイロット信号P1と、状態#529の歪み成分S1及びパイロット信号P1とは同一振幅でかつ逆位相である歪み成分S1を含む状態#530の周波数帯fB2の信号及びパイロット信号P1とが合成器113にて合成されることにより、周波数帯fB2の歪み成分S1及びパイロット信号P1が除去されて状態#531にて合成器113から出力されて出力端子114から出力される。そして、出力端子112から出力された周波数帯fB1の信号は図示しないアンテナより送信されるとともに、出力端子114から出力された周波数帯fB2の信号は、周波数帯fB1の信号を送信するアンテナとは異なる図示しないアンテナより送信される。
ここで、温度変動及び経年変動等により広帯域増幅部110の振幅及び位相が変化する。これにより、歪み除去ループ回路の最適調整値に誤差が生じる。したがって、このような場合には歪み除去ループ回路による自動調整により、局部発振器501より周波数帯fB2の信号の近傍周波数に出力したパイロット信号P1と周波数帯fB2の信号を方向性結合器502にて結合し、パイロット信号P1を主増幅部105にて増幅し、歪み除去ループ回路にて除去しきれなかったパイロット信号P1を方向性結合器507にて分岐し、フィルタ508にてパイロット信号P1のみを通過させて、状態#532にてフィルタ508から出力されて歪み除去ループ制御部510に入力する。そして、局部発振器501から出力された状態#533のパイロット信号P1と状態#532のパイロット信号P1とを歪み除去ループ制御部510にて比較して、誤差が最小になるようにベクトル調整器109にて位相及び振幅を制御する。
このように、本実施の形態5によれば、上記実施の形態1の効果に加えて、歪み検出ループ回路及び歪み除去ループ回路を用いて自己調整型のフィードフォワード形式にすることにより、温度変化及び経年変化等に起因する位相変化及び振幅変化による歪み成分の検出精度の劣化及び歪み成分の除去精度の劣化を防ぐことができるので、精度良くマルチバンド信号を増幅することができる。
(実施の形態6)
図6は、本発明の実施の形態6に係る電力増幅装置600の構成を示すブロック図である。
図6は、本発明の実施の形態6に係る電力増幅装置600の構成を示すブロック図である。
本実施の形態6に係る電力増幅装置600は、図1に示す実施の形態1に係る電力増幅装置100において、図6に示すように、分波器111を除き、分配器601、フィルタ602、ベクトル調整器603、分配/合成器604、フィルタ605、フィルタ606、ベクトル調整器607、誤差増幅部608、合成器609及びフィルタ610を追加する。なお、図6においては、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
分配/合成器107は、主増幅部105から入力した周波数帯fB2の信号と、主増幅部105から入力した周波数帯fB2の信号に対して同一振幅でかつ位相差が180度である逆位相の遅延部106から入力した周波数帯fB2の信号とを合成して、周波数帯fB2の信号の歪み成分を検出し、検出した歪み成分を分配器601へ出力する。また、分配/合成器107は、主増幅部105から入力した周波数帯fB2の信号をそのまま遅延部108に出力するとともに、遅延部106から入力した周波数帯fB1の信号をそのまま分配器601へ出力する。
分配器601は、分配/合成器107から入力した周波数帯fB2の信号の歪み成分と周波数帯fB1の信号を各々分岐してベクトル調整器109及びフィルタ602へ出力する。
ベクトル調整器109は、分配器601から入力した周波数帯fB2の信号の歪み成分に対して、振幅及び位相を調整して広帯域増幅部110へ出力する。ベクトル調整器109は、遅延部108から出力される周波数帯fB2の信号と後述するフィルタ605から出力される周波数帯fB2の信号の歪み成分の位相差が180度になるように調整を行なう。
フィルタ602は、分配器601から入力した周波数帯fB2の信号の歪み成分と周波数帯fB1の信号の内、周波数帯fB2の信号の歪み成分の通過を阻止するとともに周波数帯fB1の信号を通過させ、周波数帯fB1の信号をベクトル調整器603へ出力する。
ベクトル調整器603は、フィルタ602から入力した周波数帯fB1の信号に対して、振幅及び位相を調整して分配/合成器604へ出力する。ベクトル調整器603は、広帯域増幅部110から出力される周波数帯fB1の信号との位相差が180度になるように調整を行なう。
第二歪み成分生成手段である分配/合成器604は、広帯域増幅部110から入力した周波数帯fB1の信号と、広帯域増幅部110から入力した周波数帯fB1の信号に対して同一振幅でかつ位相差が180度である逆位相のベクトル調整器603から入力した周波数帯fB1の信号とを合成して、周波数帯fB1の信号の歪み成分を検出し、検出した歪み成分をベクトル調整器607へ出力する。また、分配/合成器604は、広帯域増幅部110から入力した周波数帯fB1の信号をそのままフィルタ605及びフィルタ606へ出力する。
フィルタ605は、分配/合成器604から入力した周波数帯fB1の信号及び周波数帯fB2の信号の歪み成分の内、周波数帯fB1の信号の通過を阻止するとともに周波数帯fB2の信号の歪み成分を通過させ、周波数帯fB2の信号の歪み成分を合成器113へ出力する。
フィルタ606は、広帯域増幅部110から入力した周波数帯fB1の信号及び周波数帯fB2の信号の歪み成分の内、周波数帯fB2の信号の歪み成分の通過を阻止するとともに周波数帯fB1の信号を通過させ、周波数帯fB1の信号を合成器609へ出力する。
ベクトル調整器607は、分配/合成器604から入力した周波数帯fB1の信号の歪み成分に対して、振幅及び位相を調整して誤差増幅部608へ出力する。ベクトル調整器607は、フィルタ606から出力される周波数帯fB1の信号と誤差増幅部608から出力される周波数帯fB1の信号の歪み成分の位相差が180度になるように調整を行なう。
第三増幅手段である誤差増幅部608は、ベクトル調整器607から入力した周波数帯fB1の信号の歪み成分及び周波数帯fB2の信号の歪み成分を増幅して合成器609へ出力する。
第二歪み成分除去手段である合成器609は、フィルタ606から入力した歪み成分を含む周波数帯fB1の信号と、誤差増幅部608から入力したフィルタ606から入力した周波数帯fB1の信号の歪み成分と同一振幅でかつ逆位相である周波数帯fB1の信号の歪み成分とを合成して、フィルタ606から入力した周波数帯fB1の信号から歪み成分を除去して周波数帯fB1の信号のキャリア成分を抽出し、抽出したキャリア成分をフィルタ610へ出力する。また、合成器609は、誤差増幅器608から入力した周波数帯fB2の信号の歪み成分をそのままフィルタ610へ出力する。
フィルタ610は、合成器609から入力した周波数帯fB1の信号及び周波数帯fB2の信号の歪み成分の内、周波数帯fB2の信号の歪み成分の通過を阻止するとともに周波数帯fB1の信号を通過させ、周波数帯fB1の信号を出力端子112より出力する。出力端子114から出力された周波数帯fB1の信号は、広帯域増幅部110にて電力増幅された信号である。
次に、電力増幅方法について、図6を用いて説明する。入力端子101より2つの周波数帯fB1及び周波数帯fB2の信号が入力し、入力端子101に入力した信号は状態#620にて分配器102に入力し、分配器102にて分岐される。そして、分岐された一方の信号において、例えば高い周波数帯fB2の信号がフィルタ103を通過し、低い周波数帯fB1の信号がフィルタ103にて除去されて状態#621にてベクトル調整器104に入力する。状態#621の信号は、ベクトル調整器104にて振幅及び位相が調整されて状態#622にてベクトル調整器104から出力されて主増幅部105に入力し、主増幅部105にて増幅されて状態#623にて主増幅器105から出力されて分配/合成器107に入力する。その際、主増幅部105の非線形特性により周波数帯fB2の信号には歪み成分S1が発生する。そして、主増幅部105にて増幅された周波数帯fB2の信号は分配/合成器107にて分岐される。
一方、分配器102にて分岐された他方の信号は、フィルタ103、ベクトル調整器104及び主増幅部105の経路による高い周波数帯fB2の信号の遅延分だけ遅延部106にて遅延させられて状態#624にて分配/合成器107に入力する。そして、状態#623の周波数帯fB2の信号と、状態#623の周波数帯fB2の信号と同一振幅でかつ逆位相の状態#624の周波数帯fB2の信号とを分配/合成器107にて合成することにより、周波数帯fB2の信号を除去して周波数帯fB2の信号の歪み成分S1を検出し、状態#625にて分配/合成器107から出力されて分配器601に入力する。状態#625の信号は、分配器601にて分岐されて、分岐された一方の信号の内の周波数帯fB1の信号がベクトル調整器109にてベクトル調整器603から出力される周波数帯fB1の信号に対して同一振幅でかつ逆位相になるように調整され、広帯域増幅部110にて増幅されて状態#626にて分配/合成器604に入力する。この時、広帯域増幅部110は、周波数帯fB2の信号に対してはフィードフォワード増幅器の誤差増幅器として機能し、周波数帯fB1の信号に対しては線形増幅器として機能する。また、広帯域増幅部110により周波数帯fB1の信号には歪み成分S2が発生する。そして、状態#626の信号は、分配/合成器604にて分岐されて、分岐された一方の信号がフィルタ605及びフィルタ606に入力する。分配/合成器604にて分岐された一方の信号において、歪み成分S1がフィルタ605を通過するとともに周波数帯fB1の信号がフィルタ605にて除去されて状態#627にて合成器113に入力する。
また、分配/合成器107に入力した状態#623の信号は、分配/合成器107にて分岐されて、ベクトル調整器109、広帯域増幅部110及びフィルタ605の経路による状態627の歪み成分S1の遅延分だけ遅延部108にて遅延されて状態#628にて遅延部108から出力されて合成器113に入力する。そして、状態#627の歪み成分S1と、状態#627の歪み成分S1とは同一振幅でかつ逆位相の歪み成分を含む状態#628の周波数帯fB2の信号が合成器113にて合成されることにより、周波数帯fB2の信号の歪み成分S1が除去されて状態#629にて合成器113から出力されて出力端子114から出力される。
一方、分配器601にて分岐された他方の信号において、周波数帯fB1の信号がフィルタ602を通過し、周波数帯fB2の信号の歪み成分がフィルタ602にて除去されて状態630にてベクトル調整器603に入力する。状態#630の信号の周波数帯fB1の信号は、ベクトル調整器603にて状態#626の周波数帯fB1の信号の歪み成分に対して同振幅及び逆位相になるように位相及び振幅が調整され、分配/合成器604に入力する。そして、状態#626の周波数帯fB1の信号と、状態#626の周波数帯fB1の信号と同一振幅でかつ逆位相のベクトル調整器603から出力された周波数帯fB1の信号とを分配/合成器604にて合成することにより、周波数帯fB1の信号を除去して周波数帯fB1の信号の歪み成分S2を検出し、状態#631にて分配/合成器604から出力されてベクトル調整器607に入力する。また、分配/合成器604にて分岐された一方の信号において、周波数帯fB1の信号がフィルタ606を通過するとともに歪み成分S1がフィルタ606にて除去されて状態#633にて合成器609に入力する。
状態#631の歪み成分S2は、ベクトル調整器607にて状態#633の歪み成分S2に対して同一振幅でかつ逆位相になるように位相及び振幅が調整され、誤差増幅部608にて増幅されて状態#632にて合成器609に入力する。この時、誤差増幅部608は、歪み成分S2に対してはフィードフォワード増幅器の誤差増幅器として機能する。状態#632の歪み成分S2と、状態#632の歪み成分S2に対して同一振幅でかつ逆位相の歪み成分S2を含む状態#633の周波数帯fB1の信号とが合成器609にて合成されて、周波数帯fB1の信号から歪み成分S2が除去されて状態#634にて合成器609から出力されてフィルタ610に入力する。そして、状態#634の周波数帯fB1の信号はフィルタ610を通過するとともに状態#634の歪み成分S1はフィルタ610にて除去されて状態#635にて出力端子112より出力される。そして、出力端子112から出力された周波数帯fB1の信号は図示しないアンテナより送信されるとともに、出力端子114から出力された周波数帯fB2の信号は、周波数帯fB1の信号を送信するアンテナとは異なる図示しないアンテナより送信される。
このように、本実施の形態6によれば、上記実施の形態1の効果に加えて、広帯域増幅部にて増幅された周波数帯fB1の信号に生じる歪み成分を除去することにより、マルチバンド信号における各周波数帯の信号の歪み成分を除去することができるので、マルチバンド信号の各周波数帯の信号を低歪みにて増幅することができる。
なお、上記実施の形態1〜実施の形態6において、周波数帯fB1の信号を広帯域増幅部110にて増幅するとともに、周波数帯fB1よりも高周波数である周波数帯fB2の信号を主増幅部105にて増幅したが、これに限らず、周波数帯fB1よりも高周波数である周波数帯fB2の信号を広帯域増幅部110にて増幅するとともに、周波数帯fB1の信号を主増幅部105にて増幅しても良い。また、上記実施の形態1〜実施の形態6において、2つの周波数帯のマルチバンド信号を増幅したが、これに限らず、合成器、分配器及び増幅部を増やすことにより、3つ以上の任意の数の周波数帯のマルチバンド信号を増幅することができる。また、上記実施の形態1〜実施の形態6の電力増幅装置は、通信装置に適用することが可能である。
本発明にかかる電力増幅装置、通信装置及び電力増幅方法は、非線形歪みを低減するためのフィードフォワード方式を応用することにより、回路規模を大きくすることなくマルチバンド信号の電力増幅を行う効果を有し、マルチバンド信号の電力を増幅するのに有用である。
100 電力増幅装置
102 分配器
103 フィルタ
104、109 ベクトル調整器
105 主増幅部
106、108 遅延部
107 分配/合成器
110 広帯域増幅部
111 分波部
113 合成器
102 分配器
103 フィルタ
104、109 ベクトル調整器
105 主増幅部
106、108 遅延部
107 分配/合成器
110 広帯域増幅部
111 分波部
113 合成器
Claims (13)
- 第一信号成分の電力を増幅する第一増幅手段と、
前記第一増幅手段にて増幅された前記第一信号成分から前記第一信号成分を除去して前記第一信号成分の歪み成分である第一歪み成分を生成する第一歪み成分生成手段と、
前記第一信号成分とは異なる周波数の第二信号成分及び前記第一歪み成分生成手段にて生成された前記第一歪み成分の電力を増幅する第二増幅手段と、
前記第二増幅手段にて増幅された前記第一歪み成分と前記第二信号成分とを分岐して前記第二信号成分を出力する分岐手段と、
前記第一増幅手段にて増幅された前記第一信号成分の前記第一歪み成分と前記分岐手段にて分岐された前記第一歪み成分とを互いに同一振幅でかつ逆位相にて合成することにより前記第一信号成分から前記第一歪み成分を除去して前記第一信号成分を出力する第一歪み成分除去手段と、
を具備することを特徴とする電力増幅装置。 - 前記分岐手段は、前記第一歪み成分の通過を阻止する第一フィルタ及び前記第二信号成分の通過を阻止する第二フィルタにて前記第二増幅手段にて増幅された前記第一歪み成分と前記第二信号成分とを分岐することを特徴とする請求項1記載の電力増幅装置。
- 前記第一歪み成分生成手段にて前記第一歪み成分を生成した後で前記第一歪み成分除去手段にて前記第一歪み成分を除去する前の増幅された前記第一信号成分に含まれる前記第二信号成分を除去するとともに、前記第二増幅手段にて増幅される前記第一歪み成分の位相と逆位相になるように前記第一増幅手段にて増幅された前記第一信号成分を遅延させる遅延手段を具備し、
前記第一歪み成分除去手段は、前記遅延手段にて遅延された前記第一信号成分と前記第二増幅手段にて増幅された前記第一歪み成分とを合成することにより前記第一歪み成分を除去することを特徴とする請求項1または請求項2記載の電力増幅装置。 - 前記第一歪み成分生成手段にて生成された前記第一歪み成分と外部から入力する前記第二信号成分とを結合する結合手段を具備し、
前記第二増幅手段は、前記結合手段にて結合された前記第一歪み成分と前記第二信号成分とを増幅することを特徴とする請求項1記載の電力増幅装置。 - 参照信号と前記第一歪み成分除去手段からの出力信号に含まれる参照出力信号とを直交検波して互いに直交関係を有するI成分の電圧値とQ成分の電圧値とを検出する直交検波手段と、
前記直交検波手段にて検出されたI成分の電圧値とQ成分の電圧値とに基づいて前記第一歪み成分生成手段にて生成された前記第一歪み成分の位相及び振幅を調整するベクトル調整手段とを具備し、
前記第二増幅手段は、前記ベクトル調整手段にて位相及び振幅を調整された前記第一歪み成分を増幅することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電力増幅装置。 - 前記第二増幅手段にて増幅された前記第二信号成分から前記第二信号成分を除去して前記第二信号成分の歪み成分である第二歪み成分を生成する第二歪み成分生成手段と、
前記第二歪み成分生成手段にて生成された前記第二歪み成分の電力を増幅する第三増幅手段と、
前記第三増幅手段にて増幅された前記第二歪み成分と前記第二増幅手段にて増幅された前記第二信号成分の前記第二歪み成分とを同一振幅でかつ逆位相にて合成することにより前記第二信号成分から前記第二歪み成分を除去して前記第二信号成分を出力する第二歪み成分除去手段と、
を具備することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の電力増幅装置。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の電力増幅装置を具備することを特徴とする通信装置。
- 第一信号成分の電力を増幅するステップと、
増幅された前記第一信号成分から前記第一信号成分を除去して前記第一信号成分の歪み成分である第一歪み成分を生成するステップと、
前記第一信号成分とは異なる周波数の第二信号成分及び生成された前記第一歪み成分の電力を増幅するステップと、
増幅された前記第一歪み成分と前記第二信号成分とを分岐して前記第二信号成分を出力するステップと、
増幅された前記第一信号成分の前記第一歪み成分と分岐された前記第一歪み成分とを互いに同一振幅でかつ逆位相にて合成することにより前記第一信号成分から前記第一歪み成分を除去して前記第一信号成分を出力するステップと、
を具備することを特徴とする電力増幅方法。 - 前記第一歪み成分の通過を阻止する第一フィルタ及び前記第二信号成分の通過を阻止する第二フィルタにて増幅された前記第一歪み成分と前記第二信号成分とを分岐することを特徴とする請求項8記載の電力増幅方法。
- 前記第一歪み成分を生成した後で前記第一信号成分から前記第一歪み成分を除去する前の増幅された前記第一信号成分に含まれる前記第二信号成分を除去するとともに、増幅される前記第一歪み成分の位相と逆位相になるように増幅された前記第一信号成分を遅延させるステップを具備し、
遅延された前記第一信号成分と増幅された前記第一歪み成分とを合成することにより前記第一歪み成分を除去することを特徴とする請求項8または請求項9記載の電力増幅方法。 - 生成された前記第一歪み成分と外部から入力する前記第二信号成分とを結合するステップを具備し、
結合された前記第一歪み成分と前記第二信号成分とを増幅することを特徴とする請求項8記載の電力増幅方法。 - 参照信号と前記第一歪み成分を除去した後の前記第一信号成分に含まれる参照出力信号とを直交検波して互いに直交関係を有するI成分の電圧値とQ成分の電圧値とを検出するステップと、
検出されたI成分の電圧値とQ成分の電圧値とに基づいて生成された前記第一歪み成分の位相及び振幅を調整するステップとを具備し、
位相及び振幅を調整された前記第一歪み成分を増幅することを特徴とする請求項8から請求項11のいずれかに記載の電力増幅方法。 - 増幅された前記第二信号成分から前記第二信号成分を除去して前記第二信号成分の歪み成分である第二歪み成分を生成するステップと、
生成された前記第二歪み成分の電力を増幅するステップと、
増幅された前記第二歪み成分と増幅された前記第二信号成分の前記第二歪み成分とを同一振幅でかつ逆位相にて合成することにより前記第二信号成分から前記第二歪み成分を除去して前記第二信号成分を出力するステップと、
を具備することを特徴とする請求項8から請求項12のいずれかに記載の電力増幅方法。
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JP2004285045A JP2006101209A (ja) | 2004-09-29 | 2004-09-29 | 電力増幅装置、通信装置及び電力増幅方法 |
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CN107852140A (zh) * | 2015-06-05 | 2018-03-27 | Mks仪器公司 | 固态微波发生器和功率放大器 |
-
2004
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