JP2006098347A - 非破壊検査装置の検査方法及び非破壊検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 被検査体の検査のためのセッティングが容易でしかも精度よく検出することができる非破壊検査装置の検査方法及び非破壊検査装置を提供する。
【解決手段】
ミリ波送信部4のホーン34に対してそのミリ波の出射方向(X軸線方向)に対する被検査載置部3の被検査体Sとミリ波受信部5の受信アンテナ61との位置を位置決めする。ホーン34から出射されるミリ波をシリンドリカルレンズ41にてその出射方向と直交するZ軸線方向にのびるライン状のミリ波にして被検査体Sに入射させる。そして、ミリ波送信部4を静止させた状態で、ミリ波受信部5の受信アンテナ61を、被検査体Sに入射させたライン状のミリ波ののびるZ軸線方向に移動させて、被検査体Sを透過したミリ波をミリ波受信部5の受信アンテナ61にて受信する。
【選択図】 図1
【解決手段】
ミリ波送信部4のホーン34に対してそのミリ波の出射方向(X軸線方向)に対する被検査載置部3の被検査体Sとミリ波受信部5の受信アンテナ61との位置を位置決めする。ホーン34から出射されるミリ波をシリンドリカルレンズ41にてその出射方向と直交するZ軸線方向にのびるライン状のミリ波にして被検査体Sに入射させる。そして、ミリ波送信部4を静止させた状態で、ミリ波受信部5の受信アンテナ61を、被検査体Sに入射させたライン状のミリ波ののびるZ軸線方向に移動させて、被検査体Sを透過したミリ波をミリ波受信部5の受信アンテナ61にて受信する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、検査媒体としてミリ波を用いる非破壊検査装置の検査方法及び非破壊検査装置に関するものである。
被検査体を非破壊で検査する装置としては、可視光線、X線を検査媒体として被検査体に照射し、被検査体からの反射波、散乱波、又は透過波を解析することで評価する非破壊検査装置が知られている。
ところで、検査媒体として被検査体に照射される可視光線は、物体に対する透過性が弱いため、被検査体の内部を正確に評価する場合には適さない。一方、X線は、物体の透過性を有しているが、被爆の危険性を伴っている。
そこで、可視光線とX線の利点を併せ持つミリ波が検査媒体として注目されている。ミリ波は30GHzから300GHzまでの周波数域の電磁波であり、物体に対する透過性があり、被爆の恐れが無いことから、ミリ波を使った非破壊検査装置が種々提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
特開平7−260944号公報
特開平11−83996号公報
ところで、検査媒体が可視光線やX線のように、波長がナノメートル単位以下であれば、検査に使用する検査媒体の周波数に応じて波長が変化したとしても、その変化はナノメートル単位以下であるため装置のサイズを調節することなく検査が可能である。ところが、ミリ波の場合は、周波数に応じてミリメートル単位で波長が変化するため、その変化を無視することはできず、波長に合わせて構成部材を最適なサイズに調整する必要がある。
従って、上記の非破壊検査装置では、被検査体に対するミリ波送信手段の位置調整及び被検査体に対するミリ波受信手段の位置合わせは、非常に難しく容易に行えなかった。また、上記の非破壊検査装置では、検査中の位置合わせに限界があり精度の高い検査は行えなかった。
また、例えば検査の前段階において被検査体の特性に適した周波数を調べる場合、ミリ波の周波数を切り換える際には、ミリ波が波長によって広がり角度が異なるため、効率的にミリ波を送信するために、ミリ波送信手段を最適なサイズに交換する必要がある。さらに、導波管はミリ波の位相ずれを防ぐために、波長の整数倍の長さにする必要があり、さらに、導波管は直線状の伝搬通路を有する金属製部材であるため、ミリ波送信手段の光軸位置に応じて発振器への取付位置を変動させる必要が生じる。
以上のように、非破壊検査装置においてミリ波を利用することで、様々な利点が得られるものの、周波数に応じて装置構成部材を交換する必要がある。事実、被検査体の誘電体特性はミリ波周波数によって大きく異なるため、正確な検査を実施する目的で、被検査体の特性に応じた最適なミリ波周波数を評価する場合にはそのセッティングに多大な手間がかかっていた。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は被検査体の検査のための
セッティングが容易でしかも精度よく検出することができる非破壊検査装置の検査方法及び非破壊検査装置を提供することにある。
セッティングが容易でしかも精度よく検出することができる非破壊検査装置の検査方法及び非破壊検査装置を提供することにある。
請求項1の発明は、被検査体を載置する被検査載置部と、ミリ波発振器、導波管及びホーンを備え、前記被検査体にミリ波を出射するためのミリ波送信部と、受信アンテナ及びミリ波受信器を備え、前記被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を受信するためのミリ波受信部と、前記ミリ波受信部が受信したミリ波に基づく検出信号を入力し、その検出信号に基づいて前記被検査体を解析する解析手段とを備えた非破壊検査装置の検査方法において、前記ミリ波送信部に対してそのミリ波の出射方向に対する前記被検査載置部と前記ミリ波受信部との位置を位置決めした後、前記ミリ波送信部を静止させた状態で、前記被検査載置部又は前記ミリ波受信部のいずれか一方を、前記ミリ波の出射方向と直交する方向に移動させて、前記被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を前記ミリ波受信部にて受信するようにした。
請求項2の発明は、被検査体を載置する被検査載置部と、ミリ波発振器、導波管及びホーンを備え、前記被検査体にミリ波を出射するためのミリ波送信部と、受信アンテナ及びミリ波受信器を備え、前記被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を受信するためのミリ波受信部と、前記ミリ波受信部が受信したミリ波に基づく検出信号を入力し、その検出信号に基づいて前記被検査体を解析する解析手段とを備えた非破壊検査装置の検査方法において、前記ミリ波送信部に対してそのミリ波の出射方向に対する前記被検査載置部と前記ミリ波受信部との位置を位置決めした後、前記ホーンから出射されるミリ波をその出射方向と直交する方向にのびるライン状のミリ波にして前記被検査体に入射させるとともに、前記ミリ波送信部を静止させた状態で、前記ミリ波受信部を、前記被検査体に入射させたライン状のミリ波がのびる方向に移動させて、前記被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を前記ミリ波受信部にて受信するようにした。
請求項3の発明は、請求項2に記載の非破壊検査装置の検査方法において、前記ミリ波受信部を、前記被検査体に入射させたライン状のミリ波がのびる方向に移動させて、前記被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を受信した後、前記被検査体を、前記ミリ波受信部の移動方向及び前記ミリ波の出射方向と直交する方向に移動させて前記被検査体の新たな部分にライン状のミリ波を入射させ、再び前記ミリ波受信部を、前記被検査体に入射させたライン状のミリ波がのびる方向に移動させて、前記被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を受信するようにした。
請求項4の発明は、被検査体を載置し、その被検査体をY軸線方向及びZ軸線方向に移動する第1の移動手段を備えた被検査載置部と、ミリ波発振器、導波管及びホーンを備えるとともに、そのミリ波発振器、導波管及びホーンをX軸線方向、Y軸線方向及びZ軸線方向に移動する第2の移動手段を備え、前記ホーンに対して前記X軸線方向に配置された前記被検査体にミリ波を出射するためのミリ波送信部と、受信アンテナ及びミリ波受信器を備えるとともに、その受信アンテナ及びミリ波受信器をX軸線方向、Y軸線方向及びZ軸線方向に移動する第3の移動手段を備え、前記被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を受信するためのミリ波受信部と、前記ミリ波受信部が受信したミリ波に基づく検出信号を入力し、その検出信号に基づいて前記被検査体を解析する解析手段とを備えた非破壊検査装置において、前記ミリ波送信部を静止させた状態で前記ホーンから前記被検査体にミリ波を入射してその被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を前記ミリ波受信部の受信アンテナにて受信させるために前記被検査体又は前記受信アンテナのいずれか一方を、前記Y軸線又はZ軸線方向に移動させるための制御手段を設けた。
請求項5の発明は、被検査体を載置し、その被検査体をY軸線方向及びZ軸線方向に移
動する第1の移動手段を備えた被検査載置部と、ミリ波発振器、導波管及びホーンを備えるとともに、そのミリ波発振器、導波管及びホーンをX軸線方向、Y軸線方向及びZ軸線方向に移動する第2の移動手段を備え、前記ホーンに対して前記X軸線方向に配置された前記被検査体にミリ波を出射するためのミリ波送信部と、受信アンテナ及びミリ波受信器を備えるとともに、その受信アンテナ及びミリ波受信器をX軸線方向、Y軸線方向及びZ軸線方向に移動する第3の移動手段を備え、前記被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を受信するためのミリ波受信部と、前記ミリ波受信部が受信したミリ波に基づく検出信号を入力し、その検出信号に基づいて前記被検査体を解析する解析手段とを備えた非破壊検査装置において、前記ホーンから出射されるミリ波をその出射方向と直交するY軸線方向又はZ軸線方向にのびるライン状のミリ波にして前記被検査体に入射させるミリ波整形手段と、前記ミリ波送信部を静止させた状態で前記ホーンから前記被検査体にミリ波を入射してその被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を前記ミリ波受信部の受信アンテナにて受信させるために前記受信アンテナを、前記被検査体に入射されたライン状にのびるミリ波のそののびるY軸線方向又はZ軸線方向に移動させるための制御手段を設けた。
動する第1の移動手段を備えた被検査載置部と、ミリ波発振器、導波管及びホーンを備えるとともに、そのミリ波発振器、導波管及びホーンをX軸線方向、Y軸線方向及びZ軸線方向に移動する第2の移動手段を備え、前記ホーンに対して前記X軸線方向に配置された前記被検査体にミリ波を出射するためのミリ波送信部と、受信アンテナ及びミリ波受信器を備えるとともに、その受信アンテナ及びミリ波受信器をX軸線方向、Y軸線方向及びZ軸線方向に移動する第3の移動手段を備え、前記被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を受信するためのミリ波受信部と、前記ミリ波受信部が受信したミリ波に基づく検出信号を入力し、その検出信号に基づいて前記被検査体を解析する解析手段とを備えた非破壊検査装置において、前記ホーンから出射されるミリ波をその出射方向と直交するY軸線方向又はZ軸線方向にのびるライン状のミリ波にして前記被検査体に入射させるミリ波整形手段と、前記ミリ波送信部を静止させた状態で前記ホーンから前記被検査体にミリ波を入射してその被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を前記ミリ波受信部の受信アンテナにて受信させるために前記受信アンテナを、前記被検査体に入射されたライン状にのびるミリ波のそののびるY軸線方向又はZ軸線方向に移動させるための制御手段を設けた。
請求項6の発明は、請求項5に記載の非破壊検査装置において、前記制御手段は、前記受信アンテナを、前記被検査体に入射させたライン状にのびるミリ波ののびるY軸線方向又はZ軸線方向に移動させて、前記被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を受信した後、前記被検査体を、Y軸線方向又はZ軸線方向に移動させ、再び受信アンテナを、前記被検査体に新たに入射させたライン状のミリ波ののびるY軸線方向又はZ軸線方向に移動させるようにした。
請求項7の発明は、請求項5又は請求項6に記載の非破壊検査装置において、前記ミリ波整形手段を、シリンドリカルレンズとした。
請求項1の発明によれば、予め、ミリ波送信部に対する被検査載置部とミリ波受信部との位置決めをしておき、ミリ波送信部を静止させた状態のまま、被検査載置部又はミリ波受信手段のいずれか一方のみを動かすだけで非破壊検査を行えるため、被検査体の検査のためのセッティングが容易となり、さらに、被検査載置部又はミリ波受信手段のいずれか一方は、ミリ波の出射方向に直行する方向に移動させるため、位相等のずれが無く、精度の高い検査を行うことができる。
請求項2の発明によれば、予め、ミリ波送信部に対する被検査載置部とミリ波受信部との位置決めをしておき、ミリ波送信部を静止させた状態のまま、ミリ波の出射方向に直行する方向にのびるライン状のミリ波にしてから、被検査体に出射するようにしたので、被検査体を移動させずに、ライン状にのびたミリ波が透過される範囲内で受信アンテナのみを移動させるだけで、被検査体のミリ波が入射された範囲を連続して検査できるため、被検査体の検査のためのセッティングが容易となり、かつ検査スピードを速くすることができる。また、静止されたミリ波送信部と被検査体に対して、受信アンテナは、ミリ波の出射方向に直行する方向に移動させるため、位相等のずれが無く、精度の高い検査を行うことができる。さらに、ミリ波の出射方向に直行する方向にのびるライン状にミリ波を収束させることで、ミリ波受信部では高値で安定した検出信号を得ることが可能となる。
請求項3の発明によれば、予め、ミリ波送信部に対する被検査載置部とミリ波受信部との位置決めをしておき、ミリ波送信部を静止させた状態のまま、ミリ波の出射方向に直行する方向にのびるライン状のミリ波にしてから、被検査体に出射するようにしたので、被検査体を移動させずに、ライン状にのびたミリ波が透過される範囲内でミリ波受信部のみを移動させるだけで、被検査体のミリ波が入射された範囲を連続して検査できる。この範
囲での検査が終了した時点で、被検査体を、ミリ波が出射される方向と直行する方向に移動させることで、被検査体における新たな範囲を検査することができる。被検査体は、ミリ波が出射される方向と垂直な方向に移動するので、ミリ波送信部からミリ波が出射される方向で、ミリ波がライン状に収束される位置を保持したまま検査することができる。また、静止されたミリ波送信部と被検査体に対して、ミリ波受信部は、ミリ波の出射方向に直行する方向に移動させるため、位相等のずれが無く、精度の高い検査を行うことができる。さらに、ミリ波の出射方向に直行する方向にのびるライン状にミリ波を収束させることで、ミリ波受信部では高値で安定した検出信号を得ることが可能となる。
囲での検査が終了した時点で、被検査体を、ミリ波が出射される方向と直行する方向に移動させることで、被検査体における新たな範囲を検査することができる。被検査体は、ミリ波が出射される方向と垂直な方向に移動するので、ミリ波送信部からミリ波が出射される方向で、ミリ波がライン状に収束される位置を保持したまま検査することができる。また、静止されたミリ波送信部と被検査体に対して、ミリ波受信部は、ミリ波の出射方向に直行する方向に移動させるため、位相等のずれが無く、精度の高い検査を行うことができる。さらに、ミリ波の出射方向に直行する方向にのびるライン状にミリ波を収束させることで、ミリ波受信部では高値で安定した検出信号を得ることが可能となる。
請求項4の発明によれば、ホーンを静止した状態のままで非破壊検査を行う装置であるため、被検査体又は受信アンテナのいずれか一方をY軸線方向又はZ軸線方向へ移動させるだけで被検査体の検査を行うことができ、制御を容易とすることができる。また、被検査体及び受信アンテナはX軸線方向へ移動されないため、位相等がずれることはなく、精度の高い検査が行われる。
請求項5の発明によれば、ホーンを静止させた状態のまま、Y軸線方向又はZ軸線方向にのびるライン状のミリ波にしてから、被検査体に入射するようにしたので、被検査体を移動させずに、ライン状にのびたミリ波が透過される範囲内で受信アンテナのみを移動させるだけで、被検査体のミリ波が入射された範囲を連続して検査できるため、被検査体の検査のためのセッティングが容易となり、かつ検査スピードを速くすることができる。また、静止されたホーンと被検査体に対して、受信アンテナは、Y軸線方向又はZ軸線方向に移動させるため、位相等のずれが無く、精度の高い検査を行うことができる。さらに、ミリ波をライン状に収束させることで、解析手段には、高値で安定した検出信号を入力することが可能となる。
請求項6の発明によれば、ホーンを静止させた状態のまま、Y軸線方向又はZ軸線方向にのびるライン状のミリ波にしてから、被検査体に入射するようにしたので、被検査体を移動させずに、ライン状にのびたミリ波が透過される範囲内で受信アンテナのみを移動させるだけで、被検査体のミリ波が出射された範囲を連続して検査できる。この範囲での検査が終了した時点で、被検査体を、Y軸線方向又はZ軸線方向に移動させることで、被検査体における新たな範囲を検査することができる。被検査体は、Y軸線方向又はZ軸線方向に移動するので、X軸線方向で、ミリ波がライン状に収束される位置を保持したまま検査することができる。また、静止されたホーンと被検査体に対して、受信アンテナは、Y軸線方向又はZ軸線方向に移動させるため、位相等のずれが無く、精度の高い検査を行うことができる。さらに、Y軸線方向又はZ軸線方向にのびるライン状にミリ波を収束させることで、解析手段には、高値で安定した検出信号を入力することが可能となる。
請求項7の発明によれば、ミリ波整形手段をシリンドリカルレンズにしたことによって、簡単な構成によって、ミリ波の出射方向と直交するY軸線方向又はZ軸線方向にのびるライン状にミリ波を整形することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態に係る非破壊検査装置について、図面に従って説明する。
図1は、非破壊検査装置の構成を説明するための要部全体斜視図を示す。図1において、非破壊検査装置(以下、単に検査装置という)1は、そのテーブル2上に、大きく分けて、被検査体Sを載置する被検査載置部3、被検査体Sにミリ波を照射するミリ波送信部4と及び被検査体Sによって反射された反射波や、散乱された散乱波、又は透過した透過波を受信するミリ波受信部5がX軸線方向に併設されている。
図1は、非破壊検査装置の構成を説明するための要部全体斜視図を示す。図1において、非破壊検査装置(以下、単に検査装置という)1は、そのテーブル2上に、大きく分けて、被検査体Sを載置する被検査載置部3、被検査体Sにミリ波を照射するミリ波送信部4と及び被検査体Sによって反射された反射波や、散乱された散乱波、又は透過した透過波を受信するミリ波受信部5がX軸線方向に併設されている。
(被検査載置部3)
被検査載置部3は、その基台11がテーブル2に固定されている。基台11は、枠体であって、その枠内であってX軸線方向と直交するY軸線方向に第1のスクリュウネジ12を回転可能に支持している。第1のスクリュウネジ12は、基台11の外側に取着した第1のモータM1によって正逆回転する。前記基台11には、第1の支持台13がY軸線方向にのみ移動可能に載置されている。第1の支持台13の基端部は、基台11の枠内に嵌合するとともに、前記第1のスクリュウネジ12に螺合している。従って、第1のスクリュウネジ12が第1のモータM1によって正逆回転すると、第1の支持台13は、基台11に対してY軸線方向に往復移動する。
被検査載置部3は、その基台11がテーブル2に固定されている。基台11は、枠体であって、その枠内であってX軸線方向と直交するY軸線方向に第1のスクリュウネジ12を回転可能に支持している。第1のスクリュウネジ12は、基台11の外側に取着した第1のモータM1によって正逆回転する。前記基台11には、第1の支持台13がY軸線方向にのみ移動可能に載置されている。第1の支持台13の基端部は、基台11の枠内に嵌合するとともに、前記第1のスクリュウネジ12に螺合している。従って、第1のスクリュウネジ12が第1のモータM1によって正逆回転すると、第1の支持台13は、基台11に対してY軸線方向に往復移動する。
第1の支持台13は、Z軸線方向(X軸線とY軸線とで形成される面に対して垂直な軸線)に延びた枠体であって、その枠内であってZ軸線方向に第2のスクリュウネジ14を回転可能に支持している。第2のスクリュウネジ14は、第1の支持台13の上面に取着した第2のモータM2によって正逆回転する。第1の支持台13には、第1の昇降ブロック15がZ軸線方向にのみ移動可能に取着されている。第1の昇降ブロック15の基端部は、第1の支持台13の枠内に嵌合するとともに、前記第2のスクリュウネジ14に螺合している。従って、第2のスクリュウネジ14が第2のモータM2によって正逆回転すると、第1の昇降ブロック15は、第1の支持台13に対してZ軸線方向に往復移動する。
第1の昇降ブロック15には、載置台16が固着されている。載置台16は、L字状に折り曲げた板よりなり、X軸線とY軸線とで形成される面と平行な部分を載置部16aとしその載置部16aに被検査体Sが載置される。従って、載置部16aに載置された被検査体Sは予め定めた範囲内で、Y,Z軸線方向に位置調整されることになる。即ち、基台11、第1及び第2のスクリュウネジ12,14、第1の支持台13、第1の昇降ブロック15、第1及び第2のモータM1,M2は、第1の移動手段を構成するようになっている。
(ミリ波送信部4)
被検査載置部3の一側にはミリ波送信部4が設けられている。ミリ波送信部4は、前記テーブル2に固定されたレール21を備えている。レール21は、X軸線方向に延び、そのレール21上に第1のレールキャリア22が同レール21に沿って(X軸線方向に)往復移動可能に載置されている。第1のレールキャリア22上には基台23が固着されている。
被検査載置部3の一側にはミリ波送信部4が設けられている。ミリ波送信部4は、前記テーブル2に固定されたレール21を備えている。レール21は、X軸線方向に延び、そのレール21上に第1のレールキャリア22が同レール21に沿って(X軸線方向に)往復移動可能に載置されている。第1のレールキャリア22上には基台23が固着されている。
基台23には、その上面中央からZ軸線方向に突出した第3のスクリュウネジ24が回転可能に支持されている。第3のスクリュウネジ24は、基台23の側面に設けた調整つまみ25によって正逆回転する。また、基台23には、その上面一側に第3のスクリュウネジ24と平行にガイドバー26が突出形成されている。
前記ガイドバー26は、Z軸方向移動台27を貫通支持している。Z軸方向移動台27は、ガイドバー26に沿って上下方向(Z軸線方向)に往復移動可能に支持されている。また、Z軸方向移動台27は、第3のスクリュウネジ24が螺合されている。従って、第3のスクリュウネジ24が調整つまみ25によって正逆回転すると、Z軸方向移動台27は、第3のスクリュウネジ24に連れ回りされることなくガイドバー26に沿って上下方向(Z軸線方向)に往復移動する。
Z軸方向移動台27の上面には、Y軸線方向に溝が形成されており、Z軸方向移動台27の側面には、調整つまみ28が設けられている。Z軸方向移動台27の上面には、その溝に沿ってY軸方向移動台29がY軸線方向に往復移動可能に載置されている。Y軸方向移動台29は、その下面にはY軸方向にのびた凸部がZ軸方向移動台27に形成した溝に嵌合している。そして、Y軸方向移動台29は、Z軸方向移動台27の側面に設けた調整
つまみ28によって、Z軸方向移動台27とY軸方向移動台29との間に設けた図示しない駆動機構を介してY軸線方向に往復移動する。Y軸方向移動台29の上面には、第2の支持台30が固定されて、その第2の支持台30の上側にはミリ波送信部ステージ31が支持固定されている。従って、ミリ波送信部ステージ31は、予め定めた範囲内で、X,Y,Z軸線方向に位置調整されることになる。
つまみ28によって、Z軸方向移動台27とY軸方向移動台29との間に設けた図示しない駆動機構を介してY軸線方向に往復移動する。Y軸方向移動台29の上面には、第2の支持台30が固定されて、その第2の支持台30の上側にはミリ波送信部ステージ31が支持固定されている。従って、ミリ波送信部ステージ31は、予め定めた範囲内で、X,Y,Z軸線方向に位置調整されることになる。
ミリ波送信部ステージ31には、ミリ波発振器32が載置されている。ミリ波発振器32は、ミリ波送信部ステージ31に立設した8個の固定部材35に取着したミリ波発振器用固定冶具36によってミリ波送信部ステージ31に対して位置決め固定されている。固定部材35は、ミリ波発振器用固定冶具36をミリ波送信部ステージ31に対して平行に固定するために、2個一組としてミリ波送信部ステージ31にそれぞれ立設されている。
また、ミリ波送信部ステージ31であって前記被検査載置部3側には、ホーン34が被検査載置部3の被検査体Sと対峙するように載置されている。ホーン34は、ミリ波送信部ステージ31に立設した2個の固定部材35に取着したホーン用固定冶具37によってミリ波送信部ステージ31に対して位置決め固定されている。ホーン34は、導波管33を介してミリ波発振器32と連結されている。従って、ミリ波送信部ステージ31に対して位置決め固定されたミリ波発振器32、導波管33及びホーン34は、予め定めた範囲内で、X、Y,Z軸線方向に位置調整されることになる。即ち、レール21、第1のレールキャリア22、基台23、第3のスクリュウネジ24、調整つまみ25,28、ガイドバー26、Z軸方向移動台27、Y軸方向移動台29は、第2の移動手段を構成するようになっている。
そして、ミリ波発振器32が出力するミリ波は、導波管33を介してホーン34に送信され、ホーン34から被検査体Sに向かって出射する。ミリ波は、X軸線に対して特定の広がり角度をもって発散されて伝播するが、ホーン34によって出射することで、X軸線とほぼ平行な形状を維持したまま指向性良く伝播させることが可能となる。ホーン34によってX軸線とほぼ平行で指向性を持った状態で出射されたミリ波を、ガウシアンビームと呼ぶ。
前記レール21であって前記第1のレールキャリア22の被検査載置部3側には、第2のレールキャリア38が、同レール21に沿って(X軸線方向に)往復移動可能に載置されている。第2のレールキャリア38上には、Z軸線方向にのびたスタンド39が固定されている。スタンド39の上部には、リング(円環状の支持枠)40がZ軸線方向に往復移動可能に取着されている。リング(円環状の支持枠)40は、スタンド39に設けた図示しない調整つまみによってZ軸線方向に移動調整可能になっている。リング(円環状の支持枠)40には、その枠内にミリ波整形手段としてのシリンドリカルレンズ41が支持固定されている。
シリンドリカルレンズ41は、ホーン34と前記被検査載置部3の被検査体Sとの間に配置されるようになっている。シリンドリカルレンズ41は、ホーン34から出射されたミリ波をZ軸線方向にのびたライン状に収束整形する。
詳述すると、シリンドリカルレンズ41は、ホーン34から出射されたミリ波をZ軸線方向にのびた線上に収束されたミリ波を被検査体Sに出射する。従って、シリンドリカルレンズ41と対峙した被検査体Sの面(照射面)には、Z軸線方向にのびた線上に収束されたミリ波が、シリンドリカルレンズ41から照射される。ミリ波は、シリンドリカルレンズ41の形状や、又は、X軸線方向でのホーン34とシリンドリカルレンズ41との距離を調整することによって、X軸線方向で任意の距離だけ収束部が維持されるよう整形することが可能である。従って、ミリ波が、Z軸線方向にのびたライン状の形状を維持した
まま被検査体Sの内部を透過するよう収束整形することができる。なお、Z軸線方向にのびた線上に収束されたミリ波の、Z軸線方向での長さは、シリンドリカルレンズ41の形状又はホーン34とシリンドリカルレンズ41のX軸線方向での距離によって調節可能となっている。
まま被検査体Sの内部を透過するよう収束整形することができる。なお、Z軸線方向にのびた線上に収束されたミリ波の、Z軸線方向での長さは、シリンドリカルレンズ41の形状又はホーン34とシリンドリカルレンズ41のX軸線方向での距離によって調節可能となっている。
(ミリ波受信部5)
被検査載置部3の他側にはミリ波受信部5が設けられている。ミリ波受信部5は、その基台51がテーブル2に固定されている。基台51は、枠体であって、その枠内であってX軸線方向と直交するY軸線方向に第4のスクリュウネジ52を回転可能に支持している。第4のスクリュウネジ52は、基台51の外側に取着した第3のモータM3によって正逆回転する。前記基台51には、第3の支持台54がY軸線方向にのみ移動可能に載置されている。第3の支持台54の基端部53は、基台51の枠内に嵌合するとともに、前記第4のスクリュウネジ52に螺合している。従って、第4のスクリュウネジ52が第3のモータM3によって正逆回転すると、第3の支持台54は、基台51に対してY軸線方向に往復移動する。
被検査載置部3の他側にはミリ波受信部5が設けられている。ミリ波受信部5は、その基台51がテーブル2に固定されている。基台51は、枠体であって、その枠内であってX軸線方向と直交するY軸線方向に第4のスクリュウネジ52を回転可能に支持している。第4のスクリュウネジ52は、基台51の外側に取着した第3のモータM3によって正逆回転する。前記基台51には、第3の支持台54がY軸線方向にのみ移動可能に載置されている。第3の支持台54の基端部53は、基台51の枠内に嵌合するとともに、前記第4のスクリュウネジ52に螺合している。従って、第4のスクリュウネジ52が第3のモータM3によって正逆回転すると、第3の支持台54は、基台51に対してY軸線方向に往復移動する。
第3の支持台54は、枠体であって、その枠内であってX軸線方向に第5のスクリュウネジ55を回転可能に支持している。第5のスクリュウネジ55は、第3の支持台54の外側に取着した第4のモータM4によって正逆回転する。第3の支持台54には、第4の支持台56がX軸線方向にのみ移動可能に載置されている。第4の支持台56の基端部は、第3の支持台54の枠内に嵌合するとともに、前記第5のスクリュウネジ55に螺合している。従って、第5のスクリュウネジ55が第4のモータM4によって正逆回転すると、第4の支持台56は、第3の支持台54に対してX軸線方向に往復移動する。
第4の支持台56は、Z軸線方向にのびた枠体であって、その枠内であってZ軸線方向に第6のスクリュウネジ57を回転可能に支持している。第6のスクリュウネジ57は、第4の支持台56の外側に取着した第5のモータM5によって正逆回転する。第4の支持台56には、第2の昇降ブロック58がZ軸線方向にのみ移動可能に取着されている。第2の昇降ブロック58の基端部は、第4の支持台56の枠内に嵌合するとともに、第6のスクリュウネジ57に螺合している。従って、第6のスクリュウネジ57が第5のモータM5によって正逆回転すると、第2の昇降ブロック58は、第4の支持台56に対してZ軸線方向に往復移動する。
第2の昇降ブロック58には、X軸線とY軸線とで形成される面と平行なミリ波受信部ステージ59が固着されている。従って、ミリ波受信部ステージ59は、予め定めた範囲内で、X、Y,Z軸線方向に位置調整されることになる。即ち、基台51,第4のスクリュウネジ52,第3の支持台54、第5のスクリュウネジ55、第4の支持台56、第6のスクリュウネジ57、第2の昇降ブロック58、第3〜第5のモータM3〜M5は、第3の移動手段を構成するようになっている。
ミリ波受信部ステージ59には、ミリ波受信器60が固定されている。ミリ波受信器60の被検査載置部3側の側面には、ミリ波を受信する受信アンテナ61がX軸線方向に延出形成されている。
次に、上記のように構成した非破壊検査装置1の電気的構成を図2に従って説明する。
図2において、非破壊検査装置1は、制御手段及び解析手段としてのコンピュータ70を備え、コンピュータ70は、ミリ波発振器32及びミリ波受信器60と電気的に接続している。コンピュータ70は、ミリ波発振器32を予め定めたプログラムに基づいて駆動制御する。コンピュータ70は、受信アンテナ61を介してミリ波受信器60が受信した情報を入力する。詳述すると、ミリ波受信器60は、検波器とAD変換器を備え、検波器
にて受信アンテナ61を介して受信したミリ波を検波し、検波して抽出したミリ波の電力値をAD変換器にてデジタル値に変換する。ミリ波受信器60は、そのデジタル値をコンピュータ70に出力する。コンピュータ70は、このミリ波受信器60(AD変換器)からのデジタル値に基づいて被検査体Sの解析評価を行う。
図2において、非破壊検査装置1は、制御手段及び解析手段としてのコンピュータ70を備え、コンピュータ70は、ミリ波発振器32及びミリ波受信器60と電気的に接続している。コンピュータ70は、ミリ波発振器32を予め定めたプログラムに基づいて駆動制御する。コンピュータ70は、受信アンテナ61を介してミリ波受信器60が受信した情報を入力する。詳述すると、ミリ波受信器60は、検波器とAD変換器を備え、検波器
にて受信アンテナ61を介して受信したミリ波を検波し、検波して抽出したミリ波の電力値をAD変換器にてデジタル値に変換する。ミリ波受信器60は、そのデジタル値をコンピュータ70に出力する。コンピュータ70は、このミリ波受信器60(AD変換器)からのデジタル値に基づいて被検査体Sの解析評価を行う。
また、コンピュータ70は、制御手段を構成する第1〜第5モータ駆動回路71〜75と電気的に接続されている。コンピュータ70は、第1〜第5モータ駆動回路71〜75を介してそれぞれ対応する第1〜第5のモータM1〜M5を回転制御する。コンピュータ70は、位置調整のためのプログラムに従って第1〜第5のモータM1〜M5を適宜回転制御するとともに、検査のためのプログラムに従って第1〜第5のモータM1〜M5を適宜回転制御するようになっている。
次に上記のように構成した被検査載置部3、ミリ波送信部4及びミリ波受信部5の位置調整について説明する。
(ミリ波送信部4)
ミリ波送信部4から出射されたミリ波が、X軸線上の被検査体Sの位置で収束整形されるよう、ホーン34及びシリンドリカルレンズ41の位置調整をする。まず、シリンドリカルレンズ41のZ軸線方向の位置を任意に決定する。シリンドリカルレンズ41はY軸線方向では移動不可能であるため、この時点でシリンドリカルレンズ41のY軸線方向とZ軸線方向の位置が確定する。
ミリ波送信部4から出射されたミリ波が、X軸線上の被検査体Sの位置で収束整形されるよう、ホーン34及びシリンドリカルレンズ41の位置調整をする。まず、シリンドリカルレンズ41のZ軸線方向の位置を任意に決定する。シリンドリカルレンズ41はY軸線方向では移動不可能であるため、この時点でシリンドリカルレンズ41のY軸線方向とZ軸線方向の位置が確定する。
次に、確定したシリンドリカルレンズ41の位置に対するホーン34の位置合わせを行う。基台23の調節つまみ25とY軸方向移動台の調節つまみ28を回転操作することによって、ミリ波送信部ステージ31をY軸線方向及びZ軸線方向に移動調節し、ホーン34のY軸線方向とZ軸線方向の位置を確定する。Y軸線方向とZ軸線方向の位置が確定することで、ホーン34から出射されるミリ波は、X軸線にほぼ平行なガウシアンビームとして、シリンドリカルレンズ41に入射される。
最後に、シリンドリカルレンズ41をX軸線方向に対して位置調整する。つまり、第2のレールキャリア38をレール21上でX軸線方向に摺動操作することによって、シリンドリカルレンズ41と被検査体Sとの距離を調節して、被検査体Sの入射面においてZ軸線方向にのびたライン状のミリ波が入射されるように収束整形されるように設定する。
なお、ミリ波は空気による影響を受けて減衰しやすいため、伝播経路は短い方が好ましい。従って、ホーン34とシリンドリカルレンズ41の距離が近づくよう、レール21上の第1のレールキャリア22をX軸線方向で移動する。ただし、ホーン34とシリンドリカルレンズ41の距離に応じて、ミリ波の収束部が維持されるX軸線方向における距離が変化するため、ミリ波の収束整形の状態を考慮して移動させる必要がある。以上の操作によって、ミリ波送信部4の位置調整が終了する。また、ミリ波送信部4においては、被検査載置部3の載置部16aに載置された被検査体Sに対してその入射面においてZ軸線方向にのびたライン状のミリ波となるように収束整形されるように調整できればよいのであって、各々の位置調整は、なんら上記の手順に限定されるものではない。
(被検査載置部3)
被検査載置部3では、被検査体Sの初期位置を定める。まず、被検査体SのY軸線方向の端部に、Z軸線方向にのびたライン状のミリ波が照射されるように、基台11に設けた第1のモータM1を回転させ、第1の支持台13をY軸線方向に移動させる。次に、被検査体Sの上端部とZ軸線方向にのびたライン状のミリ波の上端部とが一致するか、又は、被検査体Sの下端部とライン状のミリ波の下端部とが一致するように、第1の支持台13
に設けた第2のモータM2を回転させて、第1の昇降ブロック15を移動させる。以上の操作で被検査体Sの初期位置合わせが終了する。なお、被検査体Sの初期位置の位置合わせ操作は、Y,Z軸線方向で被検査体Sを意図する位置に位置合わせできればよく、操作する順序は上記に限定されるものではない。
被検査載置部3では、被検査体Sの初期位置を定める。まず、被検査体SのY軸線方向の端部に、Z軸線方向にのびたライン状のミリ波が照射されるように、基台11に設けた第1のモータM1を回転させ、第1の支持台13をY軸線方向に移動させる。次に、被検査体Sの上端部とZ軸線方向にのびたライン状のミリ波の上端部とが一致するか、又は、被検査体Sの下端部とライン状のミリ波の下端部とが一致するように、第1の支持台13
に設けた第2のモータM2を回転させて、第1の昇降ブロック15を移動させる。以上の操作で被検査体Sの初期位置合わせが終了する。なお、被検査体Sの初期位置の位置合わせ操作は、Y,Z軸線方向で被検査体Sを意図する位置に位置合わせできればよく、操作する順序は上記に限定されるものではない。
(ミリ波受信部5)
次に、ミリ波受信部5の位置調整を行う。ミリ波受信部5では、受信アンテナ61の初期位置を定める。受信アンテナ61のY軸線方向の位置が、ホーン34から出射されるミリ波のY軸線方向で中央、つまり、シリンドリカルレンズ41によってZ軸線上に収束整形されるライン状のミリ波と対峙するY軸線上に来るよう、基台51に設けた第3のモータM3を回転させる。さらに、受信アンテナ61のZ軸線方向の位置が、Z軸線上に収束整形されたライン状のミリ波の上端部又は下端部と一致するよう、第4の支持台56に設けた第5のモータM5を回転させ、第2の昇降ブロック58をZ軸線方向に移動させる。
次に、ミリ波受信部5の位置調整を行う。ミリ波受信部5では、受信アンテナ61の初期位置を定める。受信アンテナ61のY軸線方向の位置が、ホーン34から出射されるミリ波のY軸線方向で中央、つまり、シリンドリカルレンズ41によってZ軸線上に収束整形されるライン状のミリ波と対峙するY軸線上に来るよう、基台51に設けた第3のモータM3を回転させる。さらに、受信アンテナ61のZ軸線方向の位置が、Z軸線上に収束整形されたライン状のミリ波の上端部又は下端部と一致するよう、第4の支持台56に設けた第5のモータM5を回転させ、第2の昇降ブロック58をZ軸線方向に移動させる。
次いで、受信アンテナ61で受信する際に、位相ずれが生じないように、使用するミリ波の周波数に応じて、第3の支持台54に設けた第4のモータM4を回転し、第4の支持台56をX軸線方向に移動させる。以上の操作で受信アンテナ61の位置合わせが終了する。なお、受信アンテナ61の初期位置の位置合わせ操作は、X,Y,Z軸線上で受信アンテナ61を意図する位置に位置合わせできればよく、操作する順序は上記に限定されるものではない。
次に、非破壊検査の動作について説明する。
上記に示した位置調整が終了すると、コンピュータ70は、非破壊検査のプログラムに基づいて被破壊検査処理動作を実行する。
上記に示した位置調整が終了すると、コンピュータ70は、非破壊検査のプログラムに基づいて被破壊検査処理動作を実行する。
まず、コンピュータ70は、ミリ波発振器32を駆動しホーン34からミリ波を出射させる。ホーン34から出射されたミリ波は、シリンドリカルレンズ41でZ軸線上に収束整形されて被検査体Sに入射され、被検査体S中を透過していく。被検査体Sを透過したミリ波は、透過波として対峙している受信アンテナ61を介してミリ波受信器60で受信され非破壊検査を開始する。
非破壊検査は、図3(b)に示すように、受信アンテナ61は、透過してくるZ軸線方向にのびるライン状のミリ波のうちの所定の範囲(スポット)しか受信できないことから、本実施形態では、受信アンテナ61(ミリ波受信器60)をZ軸線方向に移動させる。そして、被検査体Sに出射されて、被検査体SからX軸線方向に透過するZ軸線方向にのびるライン状のミリ波を受信アンテナ61にて受信させる。これによって、被検査体Sは、Z軸線方向にのびるライン状のミリ波が入射した部分が非破壊検査される。
また、非破壊検査は、図3(c)に示すように、受信アンテナ61は所定の範囲(スポット)から透過してくるミリ波しか受信できないことから、被検査体SをY軸線方向に移動させる。そして、Z軸線方向にのびるライン状のミリ波を被検査体Sの新たな部分に入射させる。この状態から、前記と同様に、受信アンテナ61(ミリ波受信器60)をZ軸線方向に移動させて、Z軸線上に収束されたミリ波が、新たに入射された部分の非破壊検査を行う。
この動作を繰返すことによって、被検査体Sの全ての部分について非破壊検査が行われる。図3(a)は、非破壊検査を説明するための模式図である。図3(a)において、まず、被検査体Sの最も手前のZ軸線方向にのびる部分(第1領域D1)から透過するライン状のミリ波を、受信アンテナ61(ミリ波受信器60)をZ軸線方向に移動させて受信アンテナ61にて受信させる。次に、被検査体Sを手前に移動させて、第1領域D1の隣
のZ軸線方向にのびる部分(第2領域D2)から透過するライン状のミリ波を受信アンテナ61(ミリ波受信器60)をZ軸線方向に移動させて受信アンテナ61にて受信させる。
のZ軸線方向にのびる部分(第2領域D2)から透過するライン状のミリ波を受信アンテナ61(ミリ波受信器60)をZ軸線方向に移動させて受信アンテナ61にて受信させる。
続いて、被検査体Sを手前に移動させて、第2領域D2の隣のZ軸線方向にのびる部分(第3領域D3)から透過するライン状のミリ波を受信アンテナ61(ミリ波受信器60)をZ軸線方向に移動させて受信アンテナ61にて受信させる。そして、最後に、被検査体Sを手前に移動させて、第3領域D3の隣のZ軸線方向にのびる部分(第4領域D4)から透過するライン状のミリ波を受信アンテナ61(ミリ波受信器60)をZ軸線方向に移動させて受信アンテナ61にて受信させる。
そして、本実施形態は、図3(a)において、第1領域D1を第5のモータM5を制御して、受信アンテナ61(ミリ波受信器60)を下から上に移動して非破壊検査を行なった後、第1のモータM1を制御して被検査体Sを手前に移動させる。続いて、第2領域D2を第5のモータM5を制御して、受信アンテナ61(ミリ波受信器60)を上から下に移動して非破壊検査を行なった後、第1のモータM1を制御して被検査体Sを手前に移動させる。以後同様な動作を行って第3及び第4領域D3,D4ついても第5及び第1のモータM5,M1を回転制御することによって、被検査体Sの全ての部分について非破壊検査が行われる。
従って、被検査載置部3(被検査体S)、ミリ波送信部4及びミリ波受信部5の位置調整(セッティング)を一度した後は、被検査載置部3をY軸線方向及びミリ波受信部5をZ軸線方向にのみ移動制御するだけで、非破壊検査が行われる。つまり、ミリ波送信部4は、非破壊検査中は、静止した状態のままでセッティングを変更する必要がない。詳述すると、ミリ波送信部4とミリ波受信部5を互いに同期をとって移動制御させるのにくらべ、制御は被検査載置部3又はミリ波受信部5のみなので、簡単かつ高精度に非破壊検査を行うことができる。しかも、被検査載置部3、ミリ波送信部4及びミリ波受信部5は、検査中は、X軸線方向の移動は行わないので、位相等がずれることはなく、精度の高い検査が行える。
ミリ波受信器60は、被検査体Sを透過してきたミリ波を受信すると、その受信したミリ波の電力値のデータ(デジタル値)をコンピュータ70に出力する。
図4(a)は、ミリ波受信器60が受信したある領域(例えば、第3領域D3)の電力値を示す。コンピュータ70は、ミリ波受信器60から出力される電力値のデータ(デジタル値)に基づいて各領域D1〜D4毎に、図4(a)に示すような電力値の分布を作成する。そして、その各領域D1〜D4線上の偏差を求め、被検査体Sの内部の状態を評価する。
図4(a)は、ミリ波受信器60が受信したある領域(例えば、第3領域D3)の電力値を示す。コンピュータ70は、ミリ波受信器60から出力される電力値のデータ(デジタル値)に基づいて各領域D1〜D4毎に、図4(a)に示すような電力値の分布を作成する。そして、その各領域D1〜D4線上の偏差を求め、被検査体Sの内部の状態を評価する。
詳述すると、図4(a)に示すような電力値の分布では、領域線上の電力値は一様で、領域線上の電力値間の偏差は小さい。従って、コンピュータ70は、被検査体Sにおいてこの領域部分の内部は、一様になっていると判断する。反対に、図4(b)に示すような電力値の分布では、領域線上の途中で電力値が著しく小さくなり、領域線上の電力値間の偏差が大きい。従って、コンピュータ70は、被検査体Sにおいてこの電力値が著しく小さくなる領域部分の内部は、他の領域と異なる状態になっていると判断する。被検査体Sの内部状態によっては、他の領域と異なる状態になっている部分で、電力値が著しく大きくなる場合もある。ようするに、コンピュータ70は、領域線上において、電力値間の偏差が大きい部位を、被検査体Sにおいて他の領域と異なる状態になっていると判断する。
次に、上記のように構成した非破壊検査装置の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態では、被検査載置部3(被検査体S)、ミリ波送信部4及びミリ波受
信部5の位置調整(セッティング)を一度した後は、被検査載置部3をY軸線方向及びミリ波受信部5をZ軸線方向にのみ移動制御するだけで、被検査体Sの全ての部分について非破壊検査を行うようにした。従って、ミリ波送信部4は、非破壊検査中は、静止した状態のままでセッティングを変更する必要がなく制御が容易となる。
しかも、被検査載置部3、ミリ波送信部4及びミリ波受信部5は、検査中は、X軸線方向の移動は行わないので、位相等がずれることはなく、精度の高い検査が行える。
さらに、被検査載置部3(被検査体S)を静止させて被検査体Sの各部分について非破壊検査をする際は、ミリ波送信部4及びミリ波受信部5を互いに同期をとって移動制御させるために高度でかつ高精度の制御を要求されていた。しかしながら、本実施形態では、ミリ波受信部5を移動させるだけなので、高度でかつ高精度の制御を必要としないで簡単かつ高精度に非破壊検査を行うことができる。
(1)上記実施形態では、被検査載置部3(被検査体S)、ミリ波送信部4及びミリ波受
信部5の位置調整(セッティング)を一度した後は、被検査載置部3をY軸線方向及びミリ波受信部5をZ軸線方向にのみ移動制御するだけで、被検査体Sの全ての部分について非破壊検査を行うようにした。従って、ミリ波送信部4は、非破壊検査中は、静止した状態のままでセッティングを変更する必要がなく制御が容易となる。
しかも、被検査載置部3、ミリ波送信部4及びミリ波受信部5は、検査中は、X軸線方向の移動は行わないので、位相等がずれることはなく、精度の高い検査が行える。
さらに、被検査載置部3(被検査体S)を静止させて被検査体Sの各部分について非破壊検査をする際は、ミリ波送信部4及びミリ波受信部5を互いに同期をとって移動制御させるために高度でかつ高精度の制御を要求されていた。しかしながら、本実施形態では、ミリ波受信部5を移動させるだけなので、高度でかつ高精度の制御を必要としないで簡単かつ高精度に非破壊検査を行うことができる。
(2)上記実施形態では、シリンドリカルレンズ41で被検査体Sの入射面に対してZ軸線方向にのびたライン状のミリ波を入射させ、その被検査体Sを透過するミリ波をライン状のミリ波にした。そして、ミリ波受信部5をZ軸線方向のみ移動させて、ライン状のミリ波が入射されている被検査体Sの部分を連続して非破壊検査をするようにした。従って、被検査体Sの一定の範囲(ライン状のミリ波が入射されている部分)を連続して検査できるため、検査スピードが速くしかも位置の変動も無いため精度の高い検査が行える。
しかも、被検査体Sの入射されるミリ波は、シリンドリカルレンズ41にてZ軸線方向にのびたライン状に収束されたミリ波なので、ミリ波受信器60では、高レベル(高値)で安定した検出信号を得ることができる。
しかも、被検査体Sの入射されるミリ波は、シリンドリカルレンズ41にてZ軸線方向にのびたライン状に収束されたミリ波なので、ミリ波受信器60では、高レベル(高値)で安定した検出信号を得ることができる。
(3)上記実施形態では、ミリ波送信部4において、ホーン34とシリンドリカルレンズ41は、それぞれ独立にX軸線方向に対して移動可能にした。従って、ホーン34とともにシリンドリカルレンズ41をミリ波送信部ステージ31にセッティングする場合に、ホーン34に対するシリンドリカルレンズ41の位置決めをミリ波送信部ステージ31上で行うのにくらべ、位置調整が非常に容易となる。特に、ミリ波は、周波数によって伝播する際の広がり角度が異なるため、任意の周波数のミリ波をガウシアンビームとして効率的に送信するためにミリ波の周波数に応じてホーン34の形状を変更する際に、そのホーン34に対するシリンドリカルレンズ41の位置調整が必要となる。また、導波管33は使用するミリ波の波長の整数倍の長さに変更する必要があるが、ホーン34はまず導波管33に対して位置調整した後に、シリンドリカルレンズ41との位置調整をすればよいので位置調整が非常に容易となる。
発明の実施形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように実施してもよい。
○前記実施形態では、検査中にミリ波受信部5をZ軸線方向に移動させたが、ミリ波送信部4及びミリ波受信部5を静止状態にし、被検査載置部3(被検査体S)のみをZ軸線及びY軸線方向に移動させ、検査を行うようにしてもよい。この場合、前記と同様な効果を奏するとともに、被検査体Sに入射するミリ波は、ライン状でなくてもスポット状でもよい。
○前記実施形態では、パラメータとしてミリ波の電力値のデータ(デジタル値)を検出して非破壊検査を行ったが、透過したミリ波の位相情報をパラメータとして非破壊検査を行う検査装置に応用してもよい。
○前記実施形態では、初期位置を定める場合の手順として、ミリ波送信部4を基準にして被検査載置部3(被検査体S)及びミリ波受信部5(受信アンテナ61)の初期位置を順次決定するようにした。しかし、ミリ波送信部4を固定したまま、同じ材質,形状の被検査体Sを連続して検査する場合は、次のように初期位置を決定することもできる。すなわち、最初にセッティングした初期位置に関する情報を、初期位置情報としてコンピュータ70に記憶させておき、被検査体Sを交換して新たな検査を始める際には、記憶された初
期位置情報に基いて第1〜3のモータM1〜M3、及び、第5のモータM5を同時に駆動制御する。この駆動制御により、被検査体Sと受信アンテナ61を、ミリ波の出射方向と直交する方向に同時に移動させて初期位置を合わせることができる。この場合は、同じ被検査体Sを立て続けに検査する場合に、初期位置合わせを簡単かつ高速に行うことができる。さらに、第4のモータM4を駆動させないので、位相等がずれることはなく、継続して高精度の検査を行うことができる。
○被検査体Sの各部位に対してライン状のミリ波が入射される順序は、上記に限定されるものでなく、最終的に被検査体Sの全面を検波できれば良い。
○ライン状のミリ波のZ軸線方向での長さと同じ長さとなるように、受信アンテナ61をZ軸線方向に複数連設し、各受信アンテナ61ごとにミリ波受信器60を対応させて設置して実施してもよい。この場合、被検査載置部3(被検査体S)だけをY軸線方向にのみ移動させるだけで被検査体Sの全ての領域において電力値データを得る事ができる。さらに、ミリ波が透過される各領域の電力値データは、連接した受信アンテナ61及びミリ波受信器60の個数分だけ分割して得られるため、検査速度を速くすることができ、かつ詳細な検査結果を得ることができる。
○ライン状のミリ波のZ軸線方向での長さと同じ長さとなるように、受信アンテナ61の
開口面をZ軸線方向に長く伸ばした形状にして実施してもよい。詳述すると、被検査体S
における、Z軸線方向にのびた線上に収束されたミリ波が透過される領域から得られる電力値データを1つのデータとして受信し、次いで、被検査体SをY軸線方向で移動し、Z軸線方向にのびた線上に収束されたミリ波が新たに透過される領域について、再び電力値データを1つのデータとして受信する。この手順を繰り返し、ミリ波の電力値データを、ミリ波が透過した領域ごとに受信する。受信された電力値データは、上記の実施例と同様に評価される。この場合、被検査載置部3(被検査体S)だけをY軸方向にのみ移動させ
るだけで、被検査体Sの全ての領域において電力値データを得る事ができる。さらに、ミリ波が透過される各領域の電力値データを1つのデータとみなして評価するため、部材数を増やすことなく、検査速度を極めて速くすることができる。
○Z軸線方向にのびるライン状のミリ波に替えて、Y軸線方向にのびるライン状のミリ波を被検査体Sに入射させて実施してもよい。要は、Y軸線とZ軸線で形成される面に対してライン状のミリ波が入射されればよい。
○ホーン34から出射されたミリ波を収束整形するミリ波整形手段において、複数のレンズによって、ミリ波がZ軸線方向にのびる線上に収束されるX軸線方向での位置を調整することで、ミリ波送信部4と被検査載置部3(被検査体S)との距離を短縮するように実施してもよい。この場合、ミリ波送信部4と被検査載置部3(被検査体S)との距離を短縮できるため、ミリ波の減衰を防ぐと共に装置を小型化させることが可能となる。この応用例では、予めミリ波の発散角度を拡大した後に収束整形することによって、ミリ波の焦点距離が短くなるというガウシアンビームの特性を利用したものである。従って、ここでいう複数のレンズとしては、凹レンズ、凸レンズ、シリンドリカル凹レンズ、シリンドリカル凸レンズなどのレンズが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、ミリ波送信部4と被検査載置部3(被検査体S)との距離を短縮できるよう、ミリ波がZ軸線方向にのびた線上に収束するX軸線方向での位置を調整できればよい。
○ホーン34から出射されたミリ波を収束整形するミリ波整形手段において、複数のレンズによって、被検査体Sでのミリ波の入射面でZ軸線方向にのびた線上に収束されたミリ波のZ軸線方向での長さを調整できるようにして実施してもよい。この場合、Z軸線方向に
のびる線上に収束されたミリ波が、被検査体SのZ軸線方向の長さに対して、Z軸線方向で長すぎることにより、被検査体Sに入射されることなく伝播される領域が生じることを防ぐことが可能となる。また、Z軸線方向にのびる線上に収束されたミリ波が、被検査体SのZ軸線方向の長さに対して、Z軸線方向で短すぎることにより、検査工程が増えることを防止することが可能となる。ここでいう複数のレンズとしては、凹レンズ、凸レンズ、シリンドリカル凹レンズ、シリンドリカル凸レンズなどのレンズが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、被検査体SのZ軸線方向での距離に応じて、Z軸線方向に
のびた線上に収束されたミリ波のZ軸線方向での距離を調節できればよい。
○ホーン34から出射されたミリ波を収束整形するミリ波整形手段において、複数のレンズによって、被検査体SのX軸線方向での距離に合わせて、ミリ波の収束部をX軸線方向
で任意の距離だけ維持調整するように実施してもよい。この場合、ミリ波は、収束部を維持した状態で被検査体Sを透過させることができるため、精度の高い検査を実行することができる。この応用例では、複数のレンズによってミリ波の焦点距離を変化させた場合に、ミリ波の収束部が維持されるX軸線方向での距離も変化するというガウシアンビームの特性を利用したものである。従って、ここでいう複数のレンズとしては、凹レンズ、凸レンズ、シリンドリカル凹レンズ、シリンドリカル凸レンズなどのレンズが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、ミリ波の収束部を任意の距離だけ維持調整できればよい。
○前記実施形態では、被検査体Sを透過するミリ波を受信するようにしたが、被検査体Sに対して反射するミリ波、又は、被検査体Sに対して散乱するミリ波を受信して非破壊検査する場合にも応用してもよい。
○前記実施形態では、検査中にミリ波受信部5をZ軸線方向に移動させたが、ミリ波送信部4及びミリ波受信部5を静止状態にし、被検査載置部3(被検査体S)のみをZ軸線及びY軸線方向に移動させ、検査を行うようにしてもよい。この場合、前記と同様な効果を奏するとともに、被検査体Sに入射するミリ波は、ライン状でなくてもスポット状でもよい。
○前記実施形態では、パラメータとしてミリ波の電力値のデータ(デジタル値)を検出して非破壊検査を行ったが、透過したミリ波の位相情報をパラメータとして非破壊検査を行う検査装置に応用してもよい。
○前記実施形態では、初期位置を定める場合の手順として、ミリ波送信部4を基準にして被検査載置部3(被検査体S)及びミリ波受信部5(受信アンテナ61)の初期位置を順次決定するようにした。しかし、ミリ波送信部4を固定したまま、同じ材質,形状の被検査体Sを連続して検査する場合は、次のように初期位置を決定することもできる。すなわち、最初にセッティングした初期位置に関する情報を、初期位置情報としてコンピュータ70に記憶させておき、被検査体Sを交換して新たな検査を始める際には、記憶された初
期位置情報に基いて第1〜3のモータM1〜M3、及び、第5のモータM5を同時に駆動制御する。この駆動制御により、被検査体Sと受信アンテナ61を、ミリ波の出射方向と直交する方向に同時に移動させて初期位置を合わせることができる。この場合は、同じ被検査体Sを立て続けに検査する場合に、初期位置合わせを簡単かつ高速に行うことができる。さらに、第4のモータM4を駆動させないので、位相等がずれることはなく、継続して高精度の検査を行うことができる。
○被検査体Sの各部位に対してライン状のミリ波が入射される順序は、上記に限定されるものでなく、最終的に被検査体Sの全面を検波できれば良い。
○ライン状のミリ波のZ軸線方向での長さと同じ長さとなるように、受信アンテナ61をZ軸線方向に複数連設し、各受信アンテナ61ごとにミリ波受信器60を対応させて設置して実施してもよい。この場合、被検査載置部3(被検査体S)だけをY軸線方向にのみ移動させるだけで被検査体Sの全ての領域において電力値データを得る事ができる。さらに、ミリ波が透過される各領域の電力値データは、連接した受信アンテナ61及びミリ波受信器60の個数分だけ分割して得られるため、検査速度を速くすることができ、かつ詳細な検査結果を得ることができる。
○ライン状のミリ波のZ軸線方向での長さと同じ長さとなるように、受信アンテナ61の
開口面をZ軸線方向に長く伸ばした形状にして実施してもよい。詳述すると、被検査体S
における、Z軸線方向にのびた線上に収束されたミリ波が透過される領域から得られる電力値データを1つのデータとして受信し、次いで、被検査体SをY軸線方向で移動し、Z軸線方向にのびた線上に収束されたミリ波が新たに透過される領域について、再び電力値データを1つのデータとして受信する。この手順を繰り返し、ミリ波の電力値データを、ミリ波が透過した領域ごとに受信する。受信された電力値データは、上記の実施例と同様に評価される。この場合、被検査載置部3(被検査体S)だけをY軸方向にのみ移動させ
るだけで、被検査体Sの全ての領域において電力値データを得る事ができる。さらに、ミリ波が透過される各領域の電力値データを1つのデータとみなして評価するため、部材数を増やすことなく、検査速度を極めて速くすることができる。
○Z軸線方向にのびるライン状のミリ波に替えて、Y軸線方向にのびるライン状のミリ波を被検査体Sに入射させて実施してもよい。要は、Y軸線とZ軸線で形成される面に対してライン状のミリ波が入射されればよい。
○ホーン34から出射されたミリ波を収束整形するミリ波整形手段において、複数のレンズによって、ミリ波がZ軸線方向にのびる線上に収束されるX軸線方向での位置を調整することで、ミリ波送信部4と被検査載置部3(被検査体S)との距離を短縮するように実施してもよい。この場合、ミリ波送信部4と被検査載置部3(被検査体S)との距離を短縮できるため、ミリ波の減衰を防ぐと共に装置を小型化させることが可能となる。この応用例では、予めミリ波の発散角度を拡大した後に収束整形することによって、ミリ波の焦点距離が短くなるというガウシアンビームの特性を利用したものである。従って、ここでいう複数のレンズとしては、凹レンズ、凸レンズ、シリンドリカル凹レンズ、シリンドリカル凸レンズなどのレンズが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、ミリ波送信部4と被検査載置部3(被検査体S)との距離を短縮できるよう、ミリ波がZ軸線方向にのびた線上に収束するX軸線方向での位置を調整できればよい。
○ホーン34から出射されたミリ波を収束整形するミリ波整形手段において、複数のレンズによって、被検査体Sでのミリ波の入射面でZ軸線方向にのびた線上に収束されたミリ波のZ軸線方向での長さを調整できるようにして実施してもよい。この場合、Z軸線方向に
のびる線上に収束されたミリ波が、被検査体SのZ軸線方向の長さに対して、Z軸線方向で長すぎることにより、被検査体Sに入射されることなく伝播される領域が生じることを防ぐことが可能となる。また、Z軸線方向にのびる線上に収束されたミリ波が、被検査体SのZ軸線方向の長さに対して、Z軸線方向で短すぎることにより、検査工程が増えることを防止することが可能となる。ここでいう複数のレンズとしては、凹レンズ、凸レンズ、シリンドリカル凹レンズ、シリンドリカル凸レンズなどのレンズが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、被検査体SのZ軸線方向での距離に応じて、Z軸線方向に
のびた線上に収束されたミリ波のZ軸線方向での距離を調節できればよい。
○ホーン34から出射されたミリ波を収束整形するミリ波整形手段において、複数のレンズによって、被検査体SのX軸線方向での距離に合わせて、ミリ波の収束部をX軸線方向
で任意の距離だけ維持調整するように実施してもよい。この場合、ミリ波は、収束部を維持した状態で被検査体Sを透過させることができるため、精度の高い検査を実行することができる。この応用例では、複数のレンズによってミリ波の焦点距離を変化させた場合に、ミリ波の収束部が維持されるX軸線方向での距離も変化するというガウシアンビームの特性を利用したものである。従って、ここでいう複数のレンズとしては、凹レンズ、凸レンズ、シリンドリカル凹レンズ、シリンドリカル凸レンズなどのレンズが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、ミリ波の収束部を任意の距離だけ維持調整できればよい。
○前記実施形態では、被検査体Sを透過するミリ波を受信するようにしたが、被検査体Sに対して反射するミリ波、又は、被検査体Sに対して散乱するミリ波を受信して非破壊検査する場合にも応用してもよい。
1…非破壊検査装置、3…被検査載置部、4…ミリ波送信部、5…ミリ波受信部、11…第1の移動手段を構成する基台、12…第1の移動手段を構成する第1のスクリュウネジ、13…第1の移動手段を構成する第1の支持台、14…第1の移動手段を構成する第2のスクリュウネジ、15…第1の移動手段を構成する第1の昇降ブロック、16…第1の移動手段を構成する載置台、22…第2の移動手段を構成する第1のレールキャリア、24…第2の移動手段を構成する第3のスクリュウネジ、25…第2の移動手段を構成する調整つまみ、26…第2の移動手段を構成するガイドバー、27…第2の移動手段を構成するZ軸方向移動台、28…第2の移動手段を構成する調整つまみ、29…第2の移動手段を構成するY軸方向移動台、32…ミリ波発振器、33…導波管、34…ホーン、41…ミリ波整形手段としてのシリンドリカルレンズ、51…第3の移動手段を構成する基台、52…第3の移動手段を構成する第4のスクリュウネジ、54…第3の移動手段を構成する第3の支持台、55…第3の移動手段を構成する第5のスクリュウネジ、56…第3の移動手段を構成する第4の支持台、57…第3の移動手段を構成する第6のスクリュウネジ、58…第3の移動手段を構成する第2の昇降ブロック、59…第3の移動手段を構成するミリ波受信部ステージ、60…ミリ波受信器、61…受信アンテナ、70…解析手段及び制御手段としてのコンピュータ、71…制御手段を構成する第1モータ駆動回路、72…制御移動手段を構成する第2モータ駆動回路、73…制御手段を構成する第3モータ駆動回路、74…制御手段を構成する第4モータ駆動回路、75…制御手段を構成する第5モータ駆動回路、M1…第1の移動手段を構成する第1のモータ、M2…第1の移動手段を構成する第2のモータ、M3…第3の移動手段を構成する第3のモータ、M4…第3の移動手段を構成する第4のモータ、M5…第3の移動手段を構成する第5のモータ、S…被検査体。
Claims (7)
- 被検査体を載置する被検査載置部と、
ミリ波発振器、導波管及びホーンを備え、前記被検査体にミリ波を出射するためのミリ波送信部と、
受信アンテナ及びミリ波受信器を備え、前記被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を受信するためのミリ波受信部と、
前記ミリ波受信部が受信したミリ波に基づく検出信号を入力し、その検出信号に基づいて前記被検査体を解析する解析手段と、
を備えた非破壊検査装置の検査方法において、
前記ミリ波送信部に対してそのミリ波の出射方向に対する前記被検査載置部と前記ミリ波受信部との位置を位置決めした後、
前記ミリ波送信部を静止させた状態で、前記被検査載置部又は前記ミリ波受信部のいずれか一方を、前記ミリ波の出射方向と直交する方向に移動させて、前記被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を前記ミリ波受信部にて受信するようにしたことを特徴とする非破壊検査装置の検査方法。 - 被検査体を載置する被検査載置部と、
ミリ波発振器、導波管及びホーンを備え、前記被検査体にミリ波を出射するためのミリ波送信部と、
受信アンテナ及びミリ波受信器を備え、前記被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を受信するためのミリ波受信部と、
前記ミリ波受信部が受信したミリ波に基づく検出信号を入力し、その検出信号に基づいて前記被検査体を解析する解析手段と、
を備えた非破壊検査装置の検査方法において、
前記ミリ波送信部に対してそのミリ波の出射方向に対する前記被検査載置部と前記ミリ波受信部との位置を位置決めした後、
前記ホーンから出射されるミリ波をその出射方向と直交する方向にのびるライン状のミリ波にして前記被検査体に入射させるとともに、前記ミリ波送信部を静止させた状態で、前記ミリ波受信部を、前記被検査体に入射させたライン状のミリ波ののびる方向に移動させて、前記被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を前記ミリ波受信部にて受信するようにしたことを特徴とする非破壊検査装置の検査方法。 - 請求項2に記載の非破壊検査装置の検査方法において、
前記ミリ波受信部を、前記被検査体に入射させたライン状のミリ波ののびる方向に移動させて、前記被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を受信した後、
前記被検査体を、前記ミリ波受信部の移動方向及び前記ミリ波の出射方向と直交する方向に移動させて前記被検査体の新たな部分にライン状のミリ波を入射させ、再び前記ミリ波受信部を、前記被検査体に入射させたライン状のミリ波ののびる方向に移動させて、前記被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を受信するようにしたことを特徴とする非破壊検査装置の検査方法。 - 被検査体を載置し、その被検査体をY軸線方向及びZ軸線方向に移動する第1の移動手段を備えた被検査載置部と、
ミリ波発振器、導波管及びホーンを備えるとともに、そのミリ波発振器、導波管及びホーンをX軸線方向、Y軸線方向及びZ軸線方向に移動する第2の移動手段を備え、前記ホーンに対して前記X軸線方向に配置された前記被検査体にミリ波を出射するためのミリ波送信部と、
受信アンテナ及びミリ波受信器を備えるとともに、その受信アンテナ及びミリ波受信器をX軸線方向、Y軸線方向及びZ軸線方向に移動する第3の移動手段を備え、前記被検査
体を透過、反射、又は散乱したミリ波を受信するためのミリ波受信部と、
前記ミリ波受信部が受信したミリ波に基づく検出信号を入力し、その検出信号に基づいて前記被検査体を解析する解析手段と、
を備えた非破壊検査装置において、
前記ミリ波送信部を静止させた状態で前記ホーンから前記被検査体にミリ波を入射してその被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を前記ミリ波受信部の受信アンテナにて受信させるために前記被検査体又は前記受信アンテナのいずれか一方を、前記Y軸線又はZ軸線方向に移動させるための制御手段を設けたことを特徴とする非破壊検査装置。 - 被検査体を載置し、その被検査体をY軸線方向及びZ軸線方向に移動する第1の移動手段を備えた被検査載置部と、
ミリ波発振器、導波管及びホーンを備えるとともに、そのミリ波発振器、導波管及びホーンをX軸線方向、Y軸線方向及びZ軸線方向に移動する第2の移動手段を備え、前記ホーンに対して前記X軸線方向に配置された前記被検査体にミリ波を出射するためのミリ波送信部と、
受信アンテナ及びミリ波受信器を備えるとともに、その受信アンテナ及びミリ波受信器をX軸線方向、Y軸線方向及びZ軸線方向に移動する第3の移動手段を備え、前記被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を受信するためのミリ波受信部と、
前記ミリ波受信部が受信したミリ波に基づく検出信号を入力し、その検出信号に基づいて前記被検査体を解析する解析手段と、
を備えた非破壊検査装置において、
前記ホーンから出射されるミリ波をその出射方向と直交するY軸線方向又はZ軸線方向にのびるライン状のミリ波にして前記被検査体に入射させるミリ波整形手段と、
前記ミリ波送信部を静止させた状態で前記ホーンから前記被検査体にミリ波を入射してその被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を前記ミリ波受信部の受信アンテナにて受信させるために前記受信アンテナを、前記被検査体に入射されたライン状にのびるミリ波のそののびるY軸線方向又はZ軸線方向に移動させるための制御手段を設けたことを特徴とする非破壊検査装置。 - 請求項5に記載の非破壊検査装置において、
前記制御手段は、前記受信アンテナを、前記被検査体に入射させたライン状にのびるミリ波ののびるY軸線方向又はZ軸線方向に移動させて、前記被検査体を透過、反射、又は散乱したミリ波を受信した後、前記被検査体を、Y軸線方向又はZ軸線方向に移動させ、再び受信アンテナを、前記被検査体に新たに入射させたライン状のミリ波ののびるY軸線方向又はZ軸線方向に移動させることを特徴とする非破壊検査装置。 - 請求項5又は請求項6に記載の非破壊検査装置において、
前記ミリ波整形手段は、シリンドリカルレンズであることを特徴とする非破壊検査装置。
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JP2004287621A JP2006098347A (ja) | 2004-09-30 | 2004-09-30 | 非破壊検査装置の検査方法及び非破壊検査装置 |
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JP2004287621A JP2006098347A (ja) | 2004-09-30 | 2004-09-30 | 非破壊検査装置の検査方法及び非破壊検査装置 |
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
KR101252796B1 (ko) * | 2012-12-07 | 2013-04-09 | 주식회사 이이더불유코리아 | 파이프 용접라인의 x선 비파괴 검사 장치 |
KR101263751B1 (ko) | 2012-12-07 | 2013-05-13 | 주식회사 이이더불유코리아 | X선 비파괴 검사용 필름지지장치 |
JP2015087378A (ja) * | 2013-09-25 | 2015-05-07 | 株式会社東芝 | 検査装置及び検査システム |
-
2004
- 2004-09-30 JP JP2004287621A patent/JP2006098347A/ja active Pending
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