JP2006300612A - 探針及び探針走査型テラヘルツ電磁波イメージング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 請求項1に記載の探針1から放射されたテラヘルツ電磁波を被測定物5に透過させ、被測定物5を透過したテラヘルツ電磁波を請求項2に記載の探針9に入射させ、探針9から放射されたテラヘルツ電磁波を検出手段4によって検出し、被測定物5を移動手段6によって2次元方向に移動させ、演算処理・表示手段7,8によって検出手段4からのデータと移動手段6からの位置データとに基づいて演算処理し、被測定物5の構造をイメージ化する探針走査型テラヘルツ電磁波イメージング装置である。
【選択図】 図6
Description
本発明の目的は、上記の問題点に鑑み、光学系を用いることなく、アライメントを簡便に行うことのできる探針走査型テラヘルツ電磁波イメージング装置を提供することにある。
又、本発明の他の目的は、固体表面より放射されるテラヘルツ電磁波を検出することにより固体の調査を行う探針走査型テラヘルツ電磁波イメージング装置を提供することにある。
又、本発明の他の目的は、探針走査型テラヘルツ電磁波イメージング装置に使用される探針を提供することにある。
第1の手段は、テラヘルツ電磁波を透過する物質で構成され、テラヘルツ電磁波を放射する部分が針状体で構成されていることを特徴とする探針である。
請求項4に記載の発明によれば、0.05THzから15THzという周波数領域の電磁波は電波と光の間の領域であり、0.05THz以下でのアンテナなどの電波としての取り扱い方から、15THz以上でのレンズやミラーなどの光学的な取り扱い方へ転換領域であり、この領域を探針という新たな取り扱い方によりカバーすることができ、かつ簡便に取り扱うことができる。また、原理的には0.05THz以下の周波数領域でもこの探針の効果は得られるが、波長が大きくなるとともに探針も大きくなり取り扱いが不便となる。また、原理的には15THz以上の周波数領域においても探針の効果は得られるが、探針の加工精度が大きく影響するため簡便な取り扱いが難しくなる。よって、この探針はこの領域においてもっとも効果を発揮することができる。
請求項5乃至請求項8に記載の発明によれば、テラヘルツ電磁波発生手段と探針とを接続する際に、探針の接続部分を錐状体に加工してホーンアンテナに差し込むだけでよく、構成の簡単なテラヘルツ電磁波イメージング装置を実現することができる。又、テラヘルツ電磁波発生手段と探針をレンズやミラー等の光学系で接続する場合でも、位置情報は探針の先端の位置に依存するので、光学系による接続部の精度は光学系のみの場合程要求されず、アライメントが容易になる。
請求項5及び請求項8に記載の発明によれば、従来の光学系を用いたテラヘルツ電磁波イメージング装置においては、光軸を一致させなければならないため、テラヘルツ電磁波の放射側のレンズ又はミラー等と検出側のレンズ又はミラー等とを独立して走査することができなかったのに対して、検出側の探針を放射側の探針と独立して走査することができる。
請求項7に記載の発明によれば、局所的なテラヘルツ電磁波の検出が可能であるため、テラヘルツ電磁波の3次元の空間分布を容易に測定することができる。
請求項9に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の効果により、この探針走査型テラヘルツ電磁波イメージング装置はこの領域においてもっとも効果を発揮することができる。
図1は、本実施形態の発明に係る探針走査型テラヘルツ電磁波イメージング装置に使用する探針の構成を示す図である。
同図において、1は探針であり、テラヘルツ帯の周波数において高い透過性を有する、例えば、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、石英等の物質から構成され、全体として円錐等の錐状体から構成される。探針1の錐状体の端面からテラヘルツ電磁波が入射されると探針1内で反射を繰り返しながら錐状体の頂点付近(針状部)に集光され、頂点付近(針状部)から放射される。なお、この探針1の錐状体の外表面を金属でコーティングし、頂点付近(針状部)だけ金属コーティングを除去することにより、頂点付近(針状部)以外から漏洩するテラヘルツ電磁波を遮蔽することができる。また、錐状体の頂点付近(針状部)をさらに細く伸ばしてより尖状化するようにしてもよい。
図6において、探針1の頂点付近(針状部)の直径は1mm以下であり、テラヘルツ電磁波発信源3はガン・オシレータからなるミリ波オシレータであり、使用した電磁波の周波数は93.5GHzである。
同図に示すように、探針1の先端からテラヘルツ電磁波が空間に広がっていく様子が分かる。
同図に示すように、この装置は、テラヘルツ電磁波発信源3から93.5GHzのテラヘルツ電磁波を探針1の端面から入射し、探針1に様々な直径の穴が開いた銅板2を差し込むことにより、穴以外から漏洩されるテラヘルツ電磁波を遮断し、頂点付近(針状部)から放射されるテラヘルツ電磁波のみを検出器4で検出するものである。
同図において、横軸は銅板2の穴の面積、縦軸は検出したテラヘルツ電磁波の強度を示す。
同図に示すように、探針1を用いて銅板2の穴の面積を種々変えた場合、波長程度までは開口面積に比例してテラヘルツ電磁波の強度が増加しているが、波長以上に銅板2の穴の面積を変えた場合は、テラヘルツ電磁波の強度の増加割合が緩やかになっている。このことから探針1から放射されるテラヘルツ電磁波の強度は、波長程度の開口穴の範囲内に集中していることが分かる。
図6は、本実施形態の発明に係る探針走査型テラヘルツ電磁波イメージング装置の構成を示す図である。
同図において、3は、ガン・ダイオード発振器、BWO発振器、光パラメトリック発振器、差周波発振器、フェムト秒レーザーパルスを用いた光伝導アンテナ素子、又は超伝導フラックスフロー発振器等から構成されるテラヘルツ電磁波発信源、4はショットキーダイオードやジョセフソン検出器やInSbボロメーター、ゴーレーセル等から構成される検出器、5は被測定物、6は2軸移動ステージ等から構成され、被対象物5と探針2との相対位置を変化させて走査する移動機構、7はコンピュータ等からなる制御・演算処理部、8は表示部、9は、テラヘルツ帯の周波数において高い透過性を有する探針1と同様の物質から構成され、錐状体の頂点付近(針状部)に入射したテラヘルツ電磁波を錐状体の端面から放射する探針である。なお、探針9と検出器4を接続する方法は、ホーンアンテナ、光学レンズ、軸はずし放物面ミラー、フォトニッククリスタルファイバー、誘電体導波路、又は探針1を用いることができる。又移動機構6は被測定物5に接続したが、被測定物5に代えて探針9に接続するようにしてもよい。
テラヘルツ電磁波発信源3から発信されたテラヘルツ電磁波は、探針1の端面に入射され、探針1の頂点付近(針状部)から放射され、被測定物5に照射される。被測定物5を透過したテラヘルツ電磁波は探針9によって局所的にピックアップされ、検出器4で検出される。そして移動機構6により被測定物5と探針9との相対位置を変化させて走査する。なお、移動機構6は被測定物5の移動に代えて探針9を移動させるようにしてもよい。検出器4で得られたデータと移動機構6からの座標データを制御・演算処理部7によりイメージ化処理を行い、表示部8に結果を表示する。
図7は、本実施形態の発明に係る探針走査型テラヘルツ電磁波イメージング装置の構成を示す図である。
同図において、10は反射波を分波するサーキュレータ、11は、錐状体の端面から入射したテラヘルツ電磁波を錐状体の頂点付近(針状部)に集光し、頂点付近(針状部)からテラヘルツ電磁波を放射するとともに、錐状体の頂点付近(針状部)に入射したテラヘルツ電磁波を錐状体の端面から放射する探針である。なお、その他の構成は図6に示した同符号の構成に対応するので説明を省略する。
テラヘルツ電磁波発信源3から発信されたテラヘルツ電磁波は、サーキュレータ10を通って探針11の端面に入射され、集光されて探針11の頂点付近(針状部)から放射され、被測定物5に照射される。被測定物5から反射されたテラヘルツ電磁波は探針11の頂点付近(針状部)において局所的にピックアップされ、サーキュレータ10により分波されて検出器4で検出される。そして移動機構6により被測定物5と探針11との相対位置を変化させて走査する。検出器4で得られたデータと移動機構6からの座標データを制御・演算処理部7によりイメージ化処理を行い、表示部8に結果を表示する。
図8は、本実施形態の発明に係る探針走査型テラヘルツ電磁波イメージング装置の構成を示す図である。
同図において、12は被測定物5に対して探針9を3次元的(xyz方向)に走査する移動機構である。なお、なお、ここで、x方向とは紙面に垂直な方向、y方向とは紙面の右向き方向、z方向とは紙面の上向き方向である。又その他の構成は図6に示した同符号の構成に対応するので説明を省略する。
テラヘルツ電磁波発信源3から発信されたテラヘルツ電磁波は、探針1の端面に入射され、探針1の頂点付近(針状部)から放射され、被測定物5に照射される。被測定物5を透過したテラヘルツ電磁波は探針9の頂点付近(針状体)において局所的にピックアップされ、検出器4で検出される。そして移動機構12により被測定物5と探針9との相対位置を3次元的に走査する。検出器4で得られたデータと移動機構12からの3次元座標データを制御・演算処理部7によりイメージ化処理を行い、表示部8に結果を表示する。
図9は、本実施形態の発明に係る探針走査型テラヘルツ電磁波イメージング装置の構成を示す図である。
同図において、13は、例えば、強磁場中に置かれた酸化物超伝導素子に電流をバイアスすることによって、局所的にテラヘルツ電磁波を放射する被測定物である。なお、その他の構成は図6に示した同符号の構成に対応するので説明を省略する。
被測定物13から放射されたテラヘルツ電磁波を探針9の頂点付近(針状部)において局所的にピックアップし、検出器4で検出する。移動機構6により被測定物13と探針9との相対位置を変化させて走査する。なお、移動機構6は被測定物13の移動に代えて探針9を移動させるようにしてもよい。検出器4で得られたデータと移動機構6からの座標データを制御・演算処理部7によりイメージ化処理を行い、表示部8に結果を表示する。
2 銅板
3 テラヘルツ電磁波発信源
4 検出器
5,13 被測定物
6 移動機構
7 制御・演算処理部
8 表示部
10 サーキュレータ
12 移動機構
14 ホーンアンテナ
Claims (9)
- テラヘルツ電磁波を透過する物質で構成され、テラヘルツ電磁波を放射する部分が針状体で構成されていることを特徴とする探針。
- テラヘルツ電磁波を透過する物質で構成され、テラヘルツ電磁波を入射する部分が針状体で構成されていることを特徴とする探針。
- テラヘルツ電磁波を透過する物質で構成され、テラヘルツ電磁波を放射及び入射する部分が針状体で構成されていることを特徴とする探針。
- 前記テラヘルツ電磁波の周波数が0.05THz乃至15THzの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つの請求項に記載の探針。
- テラヘルツ電磁波発信手段と、該テラヘルツ電磁波発信手段からテラヘルツ電磁波を入射してテラヘルツ電磁波を放射する請求項1に記載の探針と、該探針から放射されたテラヘルツ電磁波を透過する被測定物と、該被測定物を透過したテラヘルツ電磁波を入射してテラヘルツ電磁波を放射する請求項2に記載の探針と、該探針から放射されたテラヘルツ電磁波を検出する検出手段と、前記被測定物をテラヘルツ電磁波の進行方向と直角な方向に移動させる移動手段と、前記検出手段からのデータと前記移動手段からの位置データとに基づいて演算処理し、前記被測定物の構造をイメージ化する演算処理・表示手段とからなることを特徴とする探針走査型テラヘルツ電磁波イメージング装置。
- テラヘルツ電磁波発信手段と、該テラヘルツ電磁波発信手段からテラヘルツ電磁波を入射してテラヘルツ電磁波を放射する請求項3に記載の探針と、該探針から放射されたテラヘルツ電磁波を反射する被測定物と、該被測定物を反射したテラヘルツ電磁波を入射してテラヘルツ電磁波を放射する請求項3に記載の探針と、該探針から放射されたテラヘルツ電磁波を検出する検出手段と、前記被測定物をテラヘルツ電磁波の進行方向と直角な方向に移動させる移動手段と、前記検出手段からのデータと前記移動手段からの位置データとに基づいて演算処理し、前記被測定物の構造をイメージ化する演算処理・表示手段とからなることを特徴とする探針走査型テラヘルツ電磁波イメージング装置。
- テラヘルツ電磁波発信手段と、該テラヘルツ電磁波発信手段からテラヘルツ電磁波を入射してテラヘルツ電磁波を放射する請求項1に記載の探針と、該探針から放射されたテラヘルツ電磁波を透過する被測定物と、該被測定物を透過したテラヘルツ電磁波を入射してテラヘルツ電磁波を放射する請求項2に記載の探針と、該探針から放射されたテラヘルツ電磁波を検出する検出手段と、前記請求項2に記載の探針を3次元的に移動させる移動手段と、前記検出手段からのデータと前記移動手段からの位置データとに基づいて演算処理し、前記被測定物の構造をイメージ化する演算処理・表示手段とからなることを特徴とする探針走査型テラヘルツ電磁波イメージング装置。
- テラヘルツ電磁波を放射する被測定物と、該被測定物から放射されたテラヘルツ電磁波を入射してテラヘルツ電磁波を放射する請求項2に記載の探針と、該探針から放射されたテラヘルツ電磁波を検出する検出手段と、前記被測定物をテラヘルツ電磁波の進行方向と直角な方向に移動させる移動手段と、前記検出手段からのデータと前記移動手段からの位置データとに基づいて演算処理し、前記被測定物の構造をイメージ化する演算処理・表示手段とからなることを特徴とする探針走査型テラヘルツ電磁波イメージング装置。
- 前記テラヘルツ電磁波の周波数が0.05THz乃至15THzの範囲にあることを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれか1つの請求項に記載の探針走査型テラヘルツ電磁波イメージング装置。
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