JP2006096716A - 使用感改善剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】植物細胞由来の高分子量ペクチンを化粧料に含有することによって、滑り感、感触、ベタツキを改善し、取り扱いやすさを向上させることである。
【解決手段】植物細胞培養により従来のペクチンよりも高分子量のペクチンを得て、該ペクチンを化粧料などに添加することによって、滑り感、感触、ベタツキ等の使用感を改善できることを見出した。
【選択図】なし
【解決手段】植物細胞培養により従来のペクチンよりも高分子量のペクチンを得て、該ペクチンを化粧料などに添加することによって、滑り感、感触、ベタツキ等の使用感を改善できることを見出した。
【選択図】なし
Description
本発明は、植物細胞由来の高分子量ペクチンを含有することによって、滑らかさが増し、且つサラサラとした感覚を与える使用感を改善する剤に関するものである。
化粧料の原料はベースを構成する基材原料、生理活性や効果、機能を訴求するための薬剤原料、製品の品質を保つための品質保持原料、色や香り、感触に関連する官能的特徴付与原料に分けられる。これらの内、感触に関連する官能的特徴付与原料は化粧料の使用時の伸びやすさ、滑らかさという重要な製品特性を与える原料であり、使用感改善剤といわれる。従来は使用感を改善するためにタンパク質、合成高分子化合物、天然高分子化合物を添加する方法が採用されているが、添加量の増加によって伸びやすさ、滑らかさを増すことはできるが、逆にベタツキ感の増加や糸曳き現象が生じ、満足の行く性能が得られることは少なかった。
発明が解決しようとする課題は植物細胞由来の高分子量ペクチンを含有することによって、化粧料に滑り感とともにサラサラ感を与えることにある。
従来のペクチンに対して更に分子量の高いペクチンを植物細胞の培養によって得た。得られた高分子量ペクチンを化粧品に添加することによって、滑り感を与えるのみではなく、サラサラ感が向上する等の使用感を改善できることを見い出した。これら知見に基づき本発明を完成した。即ち、本発明は以下のとおりである。
[1] 植物細胞由来の高分子量ペクチンを含有することを特徴とする使用感改善剤。
[2] 高分子量ペクチンがニゲラ属植物の細胞を培養することによって得られる培養物又は培養液から分離、回収されるペクチンであって、ゲル濾過クロマトグラフィーにより測定した分子量の範囲が1×104〜5×107であり、且つピークを示す分子量が2×105〜1×107の範囲であるペクチンであることを特徴とする[1]記載の使用感改善剤。
[3] ニゲラ属植物がクロタネソウ(Nigella damascena)又はニゲラ・サティバ(Nigella sativa)であることを特徴とする[2]記載の使用感改善剤。
[4] [1]〜[3] の何れか一項に記載の使用感改善剤と乳化成分、安定化成分、防腐・殺菌成分、保湿成分、エモリエント成分、収斂成分、角質柔軟成分、美白成分、消炎成分、紫外線防止成分、着色成分、生理活性成分の内、少なくとも1種以上の薬剤原料を含む化粧料。
[1] 植物細胞由来の高分子量ペクチンを含有することを特徴とする使用感改善剤。
[2] 高分子量ペクチンがニゲラ属植物の細胞を培養することによって得られる培養物又は培養液から分離、回収されるペクチンであって、ゲル濾過クロマトグラフィーにより測定した分子量の範囲が1×104〜5×107であり、且つピークを示す分子量が2×105〜1×107の範囲であるペクチンであることを特徴とする[1]記載の使用感改善剤。
[3] ニゲラ属植物がクロタネソウ(Nigella damascena)又はニゲラ・サティバ(Nigella sativa)であることを特徴とする[2]記載の使用感改善剤。
[4] [1]〜[3] の何れか一項に記載の使用感改善剤と乳化成分、安定化成分、防腐・殺菌成分、保湿成分、エモリエント成分、収斂成分、角質柔軟成分、美白成分、消炎成分、紫外線防止成分、着色成分、生理活性成分の内、少なくとも1種以上の薬剤原料を含む化粧料。
本発明の方法によって植物細胞由来の高分子量ペクチンを化粧料などに添加することで、滑らかさが向上し、ベタツキが少なく、独特なサラサラ感が得られ、使用感が改善される。
本発明に用いる高分子量のペクチンは植物細胞を培養することによって得られる培養物又は培養液から分離、回収して得られるペクチンである。植物細胞は細胞壁成分にペクチンを含み、培養することが可能な種であれば特に限定はないが、例えばニゲラ属植物のクロタネソウ(Nigella damascena)を用いた次のような方法で高分子量のペクチンを得ることができる。
本発明に用いる高分子量のペクチンの製造方法はカルス(脱分化細胞)誘導の工程と得られたカルスを用いて植物細胞を大量に増殖する工程及び培養物や培養液からペクチンを回収する工程の3段階からなる。
先ず、カルスを誘導する培養では、クロタネソウの種子、葉、茎、根等の組織を常法に従い30〜95%エタノール、0.01〜0.1%塩化ベンザルコニウム、0.1〜5%次亜塩素酸ナトリウムなどによって表面殺菌して、カルスを誘導する。カルスを誘導する培地はムラシゲ・スクーグ、リンスマイヤー・スクーグ、ホワイト、ニッチ、ガンボーグ、WPM(Woody Plant Medium)等の、植物組織培養に一般的に用いられる培地成分に炭素源及び植物ホルモンを添加して使用する。炭素源は糖類であれば特に限定はないがグルコース、フルクトース、ショ糖を0.1〜10%の範囲で添加して使用するのが好適であり、中でもショ糖を0.5〜5%の範囲で用いることが好ましい。植物ホルモンはオーキシン類とサイトカイニン類を組み合わせて使用する。
カルス誘導は固体培地でも、液体培地でも可能であるが、0.4〜2%寒天や0.1〜0.5%ゲルライトなどによって固化した固体培地上で誘導することが好ましい。
誘導されたカルスを用いて大量に細胞培養を行う際は固体培養、液体培養のどちらでも良いが、経済性、大量生産性を考えて液体培養で行うのが好ましい。培養は15〜30℃、好ましくは23〜27℃の温度で実施し、その際、明所、暗所どちらの条件下でもよい。5〜30日間培養することによってペクチンを培養物又は培養液中にコロイド状態又は可溶化した状態で生産させることができる。
培養物又は培養液中からペクチンを回収するには、コロイド状態又は可溶化した状態のペクチンを先ず可溶化させる。可溶化にあたって、ペクチン濃度が3g/l以下となるように該培養物及び培養液に水、キレート剤、酸性緩衝剤、炭酸塩のような希薄アルカリ溶液を加えて、0〜40℃、好ましくは15〜35℃の温和な温度条件でペクチンを可溶化する。キレート剤としてはシュウ酸、シュウ酸アンモニウム、重合リン酸塩(ヘキサメタリン酸ナトリウム又は食品添加物のカルゴン)、エチレンジアミン四酢酸またはその塩類などが挙げられる。酸性緩衝剤としてはリン酸、クエン酸などを用いることができ、炭酸塩としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。
ペクチンを可溶化した後、ペクチンを含む溶液から細胞などの固形物を濾過や遠心分離により除去する。その後、0.5〜5倍容量、好ましくは1〜3倍容量のエタノール、アセトンなどの有機溶媒を加えてペクチンを沈殿させて回収する。回収した沈殿物は再び水に溶解することによってペクチンを任意の濃度に調製することができる。更に分子量分画が可能な透析膜及び限外濾過膜を用いて低分子成分を除くことによって、任意の分子量範囲を有するペクチンを精製することができる。精製されたペクチンは凍結乾燥によって白色又は微黄色粉末として得ることができる。
かくして得られたペクチンは分子量の範囲が1×104〜5×107にあり、且つ、ピークを示す分子量が2×105〜1×107のペクチンである。柑橘類の果皮などから抽出される市販ペクチンのピークを示す分子量は5×104〜2×105であることから、本発明のペクチンは高分子量であるといえる。
本発明で言うペクチンの分子量とはゲル濾過クロマトグラフィーにより測定した分子量を意味する。分子量の範囲とは、ゲル濾過クロマトグラフィーにより測定したペクチンの分子量分布の下限値と上限値を意味する。また、ピークを示す分子量とは、ゲル濾過クロマトグラフィーにより測定したペクチンの分子量分布において、最も頻度が高い点の分子量を意味する。
タンパク質、合成高分子化合物、天然高分子化合物を主体とした一般的な使用感改善剤は滑らかさやしっとり感を与えることができるが、本発明に用いる高分子量のペクチンは滑らかさ、しっとり感のみではなく、ベタツキが少なくサラサラした独特な使用感を製品に付与することができる。摩擦感テスター(カトーテック製)を用いた滑り感テストによって、本発明のペクチンは化粧料に滑らかさを与える目的で多用されるヒアルロン酸ナトリウムと比べて摩擦係数が小さく、滑らかであることが示された。また、一方で、感触をあらわす変動値はより大きく、さっぱりした感覚を与えられることも示された。市販のペクチンに対して同様の滑り感テストを行うと、本発明ペクチンやヒアルロン酸ナトリウムに比べて摩擦係数が大きく、使用感改善剤としての性能は劣ることが明らかとなった。
本発明に用いる高分子量のペクチンは化粧料に添加する場合、各剤に対して0.01〜10重量%、特に0.02〜1.0重量%を含有させることによってヒアルロン酸ナトリウムを添加した一般的な保湿ローションと比べて、滑らかさが増し、特有のサラサラ感が得られる。このような使用感の改善は市販のペクチンでは得ることはできない。
また、本発明の高分子量ペクチンは化粧料成分の内、薬剤原料である乳化成分、安定化成分、防腐・殺菌成分、保湿成分、エモリエント成分、収斂成分、角質柔軟成分、美白成分、消炎成分、紫外線防止成分、着色成分、生理活性成分と組み合わせて用いることが有効である。薬剤原料の例としては乳化成分としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ジメチコン、水酸化ナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸カリウム、モノステアリン酸グリセリン、N−アシルアミノ酸塩、セスキオレイン酸ソルビタン、塩化ベンザルコニウム、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)、ヤシ油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、レシチン、卵黄レシチン、安定化成分としてブチルヒドロキシアニソール、エデト酸、カラヤガム、カルナバロウ、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、グアーガム、グルコノラクトン、コレステロール、β−シクロデキストリン、ダイズステロール、ポリビニルアルコール、防腐・殺菌成分としてショウブ根エキス、ティーツリー油、ニンニクエキス、パラオキシ安息香酸エステル(パラベン類)、ユーカリエキス、レゾルシン、ローズマリーエキス、保湿成分として1,3−ブチレングリコール、デオキシリボ核酸ナトリウム、アミノ酸、プロピレングリコール、植物抽出エキス、アルギン酸ナトリウム、タンパク質加水分解物、キシリトール、グリセリン、グルコース、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ジグリセリン、ソルビトール、大豆タンパク質、トレハロース、乳酸ナトリウム、尿素、ハチミツ、ヒアルロン酸ナトリウム、マルチトール、マルトース、マンニトール、ローヤルゼリー、エモリエント成分としてアーモンド油、アボカド油、オリーブ油、オレイン酸、ゴマ油、ジヒドロキシコレステロール、スクワラン、N−ステアロイルフィトスフィンゴシン、月見草油、ヒマシ油、フィトスフィンゴシン、ブドウ種子油、ホホバ油、流動パラフィン、ラノリン、リノール酸、ワセリン、収斂成分としてイラクサ葉エキス、エゾウコギエキス、オウバクエキス、コーヒーエキス、シラカバエキス、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、メリッサエキスなどの植物抽出エキス、クエン酸、コハク酸、酒石酸、角質柔軟成分としてグリコール酸、サリチル酸、パパイン、硫酸ナトリウム、美白成分としてビタミンC及びビタミンC誘導体、アセロラエキス、アルブチン、エイジツエキス、キウイエキス、グルタチオン、消炎成分としてオウゴンエキス、ガマ穂エキス、カミツレエキス、甘草エキス、クチナシエキス、クマザサエキス、シコンエキス、セージエキス、センブリエキス、ビワ葉エキス、ヨモギエキス、ワレモコウエキスなどの植物抽出エキス、アラントイン、酢酸d−α−トコフェロール、サルチル酸メチル、塩酸ピリドキシン、紫外線防御成分として4−tert−ブチル−メトキシジベンゾイルメタン、ジヒドロキシベンゾフェノン、着色成分としてカーボンブラック、カオリン、カラメル、カルミン、金箔、酸化チタン、ベンガラ、タルク、ヘンナ、マイカ、生理活性成分としてアデノシン三リン酸二ナトリウム、γ−アミノ酪酸、イチョウエキス、イノシット、ウコンエキス、ウワウルシエキス、γ−オリザノール、β−カロチン、クロレラエキス、サボンソウエキス、ドクダミエキス、dl−α−トコフェロール、ナイアシンアミド、D−パントテニルアルコール、ビオチン、ヒノキチオール、ムクロジエキス、葉酸、リボフラビン、L−ロイシンを挙げることができる。
更に、本発明の高分子量ペクチンは水溶性であるため溶解時になんら分散剤などの特殊な溶剤を必要としないため、広い製品への応用が可能である。
以下、本発明について実施例などを用いて更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより制限を受けるものではない。
クロタネソウ(Nigella damascena)の幼苗を70%エタノールにより表面を殺菌し、続いて次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度1%)で15分間処理した後、滅菌水により3回洗浄した。滅菌水は121℃、15分の蒸気加圧滅菌により作成した。3%ショ糖と植物ホルモンとして10−5Mα−ナフチル酢酸を含有するWPM培地(0.1M水酸化ナトリウムによりpH5.7に調整)を0.8%寒天によって固化した固体培地上に表面殺菌したクロタネソウ幼苗を無菌的に置床した。25℃、暗所にて1週間培養後、不定形の脱分化細胞(カルス)が誘導された。得られたカルスの一部を分離し、カルス誘導に用いた培地と同じ組成の固体培地上に置床して増殖させた。この工程を3回繰り返すことによって、安定して増殖する細胞株が得られた。
実施例1により誘導された細胞を表1の組成の液体培地に懸濁して培養した。培養条件は3l容量のフラスコに培地量500mlを加えて、25℃、暗所、細胞密度9.6g/l、100回転/分の回転振とう培養を行い、培養期間は3週間とした。培養液にCyDTA(トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N‘,N’−テトラ酢酸一水和物)を25mMとなるように加えて、高速液体クロマトグラフィー(使用カラム 東ソーTSKgelG5000PWXL)により分析した。培養液中のペクチン濃度は1.58g/lであった。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)の幼苗を実施例1と同様の方法でカルスを誘導し、繰り返して3回培養することによって、安定増殖する細胞株を得た。得られた細胞を表1の組成の液体培地に懸濁して、実施例2と同様の条件で培養した。培養液中にペクチン濃度1.60g/lが得られた。
実施例2で得られた培養液から細胞等の固形物を濾過によって除いた液2.5l(フラスコ6本)に40mlの0.5Mエチレンジアミン四酢酸(pH8)を添加し、溶液中のペクチンを可溶化した後、更に微細な固形物を濾過分離した。濾過液にエタノール7.5lを加えて、緩やかに攪拌することによってペクチンを沈殿物として得た。沈殿物を濾過分離し、水1lに再溶解して更に限外濾過膜(ミリポア製BIOMX100)を用いて低分子成分を除いた。精製されたペクチン溶液を凍結乾燥することによって、白色粉末としてペクチン3.0gが得られた。
実施例4において得られたペクチンを1g/l濃度となるように水に溶解し、以下の条件でゲル濾過クロマトグラフィーを用いて分子量を測定した。
カラム :東ソー製TSKgelG5000PWXL
移動相 :0.1M硝酸ナトリウム水溶液
流速 :0.5ml/分
温度 :40℃
試料濃度 :1g/l濃度の水溶液
試料注入量:10μl
検出器 :示差屈折計(島津製作所製RID−10A)
カラム :東ソー製TSKgelG5000PWXL
移動相 :0.1M硝酸ナトリウム水溶液
流速 :0.5ml/分
温度 :40℃
試料濃度 :1g/l濃度の水溶液
試料注入量:10μl
検出器 :示差屈折計(島津製作所製RID−10A)
得られた分布曲線は保持時間が9.1分〜13.2分の範囲にあり、且つ、ピークを示す保持時間が10.8分であった。検量線から、実施例4において得られたペクチンは分子量の範囲が2×105〜1×107であり、ピークを示す分子量が2.0×106であった。検量線用の標準物質としてポリエチレングリコール(分子量1×106、和光純薬)、ポリエチレンオキシド(分子量1×106、5×105、2×105、ジーエルサイエンス試薬)を用いた。
実施例4により得られた高分子量ペクチンを精製水に0.2重量%溶解して、摩擦感テスター(カトーテック製)を用いて溶液状態での分析を行った。人工皮革に溶液サンプルを0.1ml滴下し、摩擦子をセットし可動台上で5回往復塗布した後、荷重25gにおける平均摩擦係数(MIU)及び変動値(MMD)の測定を行った。MIUは滑りやすさを表し、数値が低いほど滑らかであることを示す。MMDは感触を表し、数値が高いほどさっぱり感が強く、低いほどしっとり感が強いことを示す。対照としてヒアルロン酸ナトリウム(キューピー製)、市販ペクチンはGENU PECTIN LM−104AS−FS−J(CP Kelco製)を用いた。結果を表1に示した。
実施例4により得られた本発明ペクチンを含有する表2に示すサンプルA組成の化粧品用保湿ローション製剤を製造した。表2中の数値は重量%を示した。評価は専門パネラー11名によって皮膚に塗布した瞬間(使用時)とローションを塗り終えた時(使用直後)及び使用1〜2時間後のそれぞれについて肌へのなじみ、ベトツキ感、サラサラ感、保湿感、肌の柔軟性、匂い、刺激の7項目の官能評価を行った。肌へのなじみは使用時のみの評価を行った。評価基準は非常に良い、良い、普通、悪い、非常に悪いの5段階とした。刺激についてのみ、あり、なしの評価とした。総合判定はパネラーの数が最も多い所について、評価が非常に良いの場合は二重丸、良い場合は○、普通の場合は△、悪い又は非常に悪い場合は×とした。同数の時は併記した。各項目の評価結果を表3〜5に示した。表3〜5中の数値はパネラーの人数である。総合評価は表6に示した。
[比較例1]
ヒアルロン酸ナトリウム(紀文フードケミファ製)を用いた表2のサンプルB組成のローション製剤を製造した。実施例7と同様に評価を行い、結果を表7〜10に示した。
ヒアルロン酸ナトリウム(紀文フードケミファ製)を用いた表2のサンプルB組成のローション製剤を製造した。実施例7と同様に評価を行い、結果を表7〜10に示した。
[比較例2]
市販ペクチン(東京化成製)を用いた表2のサンプルC組成のローション製剤を製造した。実施例7と同様に評価を行い、結果を表11〜14に示した。
市販ペクチン(東京化成製)を用いた表2のサンプルC組成のローション製剤を製造した。実施例7と同様に評価を行い、結果を表11〜14に示した。
[製造例1]
実施例4で得られたペクチン0.1重量%、トレハロース0.1重量%、1,3−ブチレングリコール2.5重量%、グリセロール(86%)0.5重量%、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油0.5重量%、乳酸0.05重量%、乳酸ナトリウム0.7重量%、エタノール5.0重量%、パラオキシ安息香酸メチル0.1重量%、香料0.05重量%、精製水90.4重量%の処方により化粧水を調製した。
実施例4で得られたペクチン0.1重量%、トレハロース0.1重量%、1,3−ブチレングリコール2.5重量%、グリセロール(86%)0.5重量%、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油0.5重量%、乳酸0.05重量%、乳酸ナトリウム0.7重量%、エタノール5.0重量%、パラオキシ安息香酸メチル0.1重量%、香料0.05重量%、精製水90.4重量%の処方により化粧水を調製した。
[製造例2]
実施例4で得られたペクチン0.2重量%、キサンタンガム0.1重量%、流動パラフィン4.0重量%、スクワラン4.0重量%、セタノール0.5重量%、ステアリン酸1.5重量%、モノオレイン酸ソルビタン1.0重量%、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン1.0重量%、モノステアリン酸グリセロール0.5重量%、パラオキシ安息香酸エチル0.2重量%、グリセロール(86%)3.0重量%、1,3−ブチレングリコール5.0重量%、香料0.05重量%、精製水78.95重量%の処方により乳液を調製した。
実施例4で得られたペクチン0.2重量%、キサンタンガム0.1重量%、流動パラフィン4.0重量%、スクワラン4.0重量%、セタノール0.5重量%、ステアリン酸1.5重量%、モノオレイン酸ソルビタン1.0重量%、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン1.0重量%、モノステアリン酸グリセロール0.5重量%、パラオキシ安息香酸エチル0.2重量%、グリセロール(86%)3.0重量%、1,3−ブチレングリコール5.0重量%、香料0.05重量%、精製水78.95重量%の処方により乳液を調製した。
[製造例3]
実施例4で得られたペクチン0.5重量%、ワセリン8.0重量%、ラノリン2.0重量%、スクワラン20.0重量%、セタノール5.0重量%、モノステアリン酸グリセロール2.0重量%、ポリオキシエチレンモノラウリン酸ソルビタン2.0重量%、パラオキシ安息香酸エチル0.2重量%、グリセロール(86%)5.0重量%、1,3−ブチレングリコール5.0重量%、香料0.1重量%、精製水50.2重量%の処方によりクリームを調製した。
実施例4で得られたペクチン0.5重量%、ワセリン8.0重量%、ラノリン2.0重量%、スクワラン20.0重量%、セタノール5.0重量%、モノステアリン酸グリセロール2.0重量%、ポリオキシエチレンモノラウリン酸ソルビタン2.0重量%、パラオキシ安息香酸エチル0.2重量%、グリセロール(86%)5.0重量%、1,3−ブチレングリコール5.0重量%、香料0.1重量%、精製水50.2重量%の処方によりクリームを調製した。
[製造例4]
実施例3で得られた培養液から実施例4と同様の方法によって精製して得られたペクチン0.3重量%、ハマメリスエキス0.2重量%、ポリビニルアルコール18.0重量%、ポリエチレングリコール2.0重量%、1,3−ブチレングリコール5.0重量%、エタノール8.0重量%、パラオキシ安息香酸メチル0.1重量%、香料0.05重量%、精製水66.35重量%の処方によりパックを調製した。
実施例3で得られた培養液から実施例4と同様の方法によって精製して得られたペクチン0.3重量%、ハマメリスエキス0.2重量%、ポリビニルアルコール18.0重量%、ポリエチレングリコール2.0重量%、1,3−ブチレングリコール5.0重量%、エタノール8.0重量%、パラオキシ安息香酸メチル0.1重量%、香料0.05重量%、精製水66.35重量%の処方によりパックを調製した。
[製造例5]
実施例3で得られた培養液から実施例4と同様の方法によって精製して得られたペクチン1.0重量%、ビタミンC0.4重量%、1,3−ブチレングリコール20.0重量%、グリセロール(86%)15.0重量%、ポリエチレングリコール5.0重量%、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル0.1重量%、クエン酸0.05重量%、クエン酸ナトリウム0.5重量%、パラオキシ安息香酸メチル0.2重量%、香料0.1重量%、精製水57.65重量%の処方によりエッセンスを調製した。
実施例3で得られた培養液から実施例4と同様の方法によって精製して得られたペクチン1.0重量%、ビタミンC0.4重量%、1,3−ブチレングリコール20.0重量%、グリセロール(86%)15.0重量%、ポリエチレングリコール5.0重量%、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル0.1重量%、クエン酸0.05重量%、クエン酸ナトリウム0.5重量%、パラオキシ安息香酸メチル0.2重量%、香料0.1重量%、精製水57.65重量%の処方によりエッセンスを調製した。
実施例に詳述した様に、本発明の方法によると植物細胞由来の高分子量ペクチンを添加することによって、滑らかさが与えられ、且つベタツキが少なく独特なサラサラ感を付与することが可能である。従って、高分子量ペクチンを化粧料に添加することによって、使用感が改善され高付加価値な製品を提供することができる。
Claims (4)
- 植物細胞由来の高分子量ペクチンを含有することを特徴とする使用感改善剤。
- 高分子量ペクチンがニゲラ属植物の細胞を培養することによって得られる培養物又は培養液から分離、回収されるペクチンであって、ゲル濾過クロマトグラフィーにより測定した分子量の範囲が1×104〜5×107であり、且つピークを示す分子量が2×105〜1×107の範囲であるペクチンであることを特徴とする請求項1記載の使用感改善剤。
- ニゲラ属植物がクロタネソウ(Nigella damascena)又はニゲラ・サティバ(Nigella sativa)であることを特徴とする請求項2記載の使用感改善剤。
- 請求項1〜3の何れか一項に記載の使用感改善剤と乳化成分、安定化成分、防腐・殺菌成分、保湿成分、エモリエント成分、収斂成分、角質柔軟成分、美白成分、消炎成分、紫外線防止成分、着色成分、生理活性成分の内、少なくとも1種以上の薬剤原料を含む化粧料。
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JP (1) | JP2006096716A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011129428A1 (ja) * | 2010-04-15 | 2011-10-20 | ワミレスコスメティックス株式会社 | ウメ抽出物を含む、化粧用組成物 |
JP2014156406A (ja) * | 2013-02-14 | 2014-08-28 | Nippon Menaade Keshohin Kk | メラノサイト分化誘導抑制剤及びその使用方法 |
JP2018080139A (ja) * | 2016-11-18 | 2018-05-24 | 株式会社マンダム | 化粧料 |
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2004
- 2004-09-30 JP JP2004286763A patent/JP2006096716A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011129428A1 (ja) * | 2010-04-15 | 2011-10-20 | ワミレスコスメティックス株式会社 | ウメ抽出物を含む、化粧用組成物 |
JP2014156406A (ja) * | 2013-02-14 | 2014-08-28 | Nippon Menaade Keshohin Kk | メラノサイト分化誘導抑制剤及びその使用方法 |
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