JP2006096572A - 炭酸ガスの分離・回収方法 - Google Patents

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琢也 伊藤
Senji Niwa
宣治 丹羽
Atsuhiko Nakanishi
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Abstract

【課題】燃焼排ガス等の混合ガス中からそれに含まれる炭酸ガスを分離・回収する方法において、エネルギーの消費を少なくし、低コストで炭酸ガスを分離・回収する方法を提供すること。
【解決手段】炭酸ガスを含む混合ガスを、亜鉛イオンを含有する炭酸ガス吸収体に通し、次いで混合ガスを通した炭酸ガス吸収体をろ過し、得られる炭酸亜鉛を加熱して炭酸ガスを発生させ、発生した炭酸ガスを分離する工程を含むことを特徴とする混合ガスからの炭酸ガスの分離・回収方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃焼排ガス等の混合ガス中から該混合ガスに含まれる炭酸ガスを分離・回収する方法に関する。
1957年以降世界各地で炭酸ガス濃度の正確な測定が行われてきている。その結果によると、夏は植物が繁茂し大気中の炭酸ガスは固定されて大気中の炭酸ガス濃度が減少し、冬は枯葉の分解等により炭酸ガス濃度が大きくなる。しかし、通年としては最近では確実に毎年炭酸ガス濃度が上昇している。地球表層の熱収支に重要な影響を持つ大気中の炭酸ガスの温室効果により平均気温の上昇、それに伴う種々の問題の発生が危惧され、国際的に緊急の課題とされるようになった。炭酸ガス濃度増加の結果、例えば日本では21世紀末には、真夏日が現在の2倍以上の120日程度になると言われている。炭酸ガス濃度の増加原因は、化石燃料の消費と森林伐採にあるとされている。したがって、上記の如き現象に対する対策の一環として、炭酸ガスの分離・回収に関する研究が幅広く盛んに行われている。
燃焼排ガス等の混合ガス中から炭酸ガスの分離・回収方法の一手法として炭酸ガスを化学的手法により吸収させる方法がある。炭酸ガスを化学的手法により吸収させる方法として、例えばモノエタノールアミン等のアミン溶液を用いて下記の反応式;
R−NH+HO+CO→R−NHHCO
のように、炭酸ガスを化学的に吸収させる方法が知られている(特許文献1)。しかし、この方法では、アミン溶液に吸収された炭酸ガスを分離するのに、炭酸ガスを吸収したアミン溶液全体を多量の外部エネルギーを用いて加熱しなければならないので、コストが高くなる。また、外部エネルギーの消費はさらなる大気中炭酸ガスの増加要因ともなり、効率的な炭酸ガスの分離回収方法としては問題があった。
特開平11−137960号公報
本発明は、燃焼排ガス等の混合ガス中からそれに含まれる炭酸ガスを分離・回収する方法において、エネルギーの消費を少なくし、低コストで炭酸ガスを分離・回収する方法を提供することを目的とする。
燃焼排ガス等の混合ガス中から炭酸ガスの分離・回収技術の実用化のためには、炭酸ガスを吸収させた後の炭酸ガス吸収体の処理や廃棄をどうするか等の諸問題点を解決すると共に、分離・回収のために要するエネルギー消費の低減化による低コスト化が必須である。本発明者らは、上記課題に対して鋭意・検討を行った結果、炭酸ガスを含む混合ガスを、亜鉛イオンを含有する炭酸ガス吸収体に通すことにより、炭酸ガスを水に難溶性の炭酸亜鉛として固体化できることを見出した。また、炭酸ガスをアルカリ性溶液(アンモニア水)に通すことにより炭酸塩(炭酸アンモニウム)としたのち、亜鉛イオンと反応させることにより前記と同様、水に難溶性の炭酸亜鉛として固体化できることを見出した。さらに、該炭酸亜鉛からの炭酸ガスの回収は従来のアミン法に比べエネルギー消費が低いことを見出した。本発明者らは、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
(1)炭酸ガスを含む混合ガスを、亜鉛イオンを含有する炭酸ガス吸収体と反応させて炭酸亜鉛を生成させ、次いで生成した炭酸亜鉛を加熱して炭酸ガスを発生させ、発生した炭酸ガスを分離することを特徴とする混合ガスからの炭酸ガスの分離・回収方法、
(2)炭酸ガス吸収体が、さらにアルカリ性物質を含有することを特徴とする(1)に記載の炭酸ガスの分離・回収方法、
(3)炭酸ガスを含む混合ガスをアルカリ性物質と反応させて炭酸塩を生成させ、生成した炭酸塩を亜鉛イオンと反応させて炭酸亜鉛を生成させ、次いで生成した炭酸亜鉛を加熱して炭酸ガスを発生させ、発生した炭酸ガスを分離することを特徴とする混合ガスからの炭酸ガスの分離・回収方法、
(4)アルカリ性物質が水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよびアンモニア水から選択される少なくとも1の物質であることを特徴とする(2)又は(3)に記載の炭酸ガスの分離・回収方法、および
(5)炭酸亜鉛の加熱が、加熱水蒸気を炭酸亜鉛に接触させることにより行われることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の炭酸ガスの分離・回収方法、
に関する。
本発明の方法によれば、混合ガスから分離された炭酸ガスは、固体(炭酸亜鉛)の形状に凝縮され、固定化され得る。炭酸亜鉛は、低エネルギーで容易に炭酸ガスと酸化亜鉛に分解させることができるため、炭酸亜鉛からの吸収された炭酸ガスの分離は低コストで効率的になし得る。すなわち上記した従来のアミン法等のように、多量の外部エネルギーを用いて炭酸ガス吸収体から炭酸ガスを分離する必要がなくなるので、炭酸ガスを分離回収するためのエネルギー消費量が従来のアミン法に比べ、約50%以上削減される。
また、本発明の方法においては、炭酸亜鉛から炭酸ガスを分離・回収する際に生じる酸化亜鉛は炭酸ガス吸収体に用いる亜鉛イオン原料として効率的かつ経済的にリサイクルできる。
また、本発明の方法によれば、炭素系燃料を用いる発電所等の排ガスから炭酸ガスを除くことができるので、地球温暖化で問題となる炭酸ガスの大気中への排出を抑制し得る。
以下、本発明について説明する。
本発明が適用される「炭酸ガスを含む混合ガス」は、炭酸ガスが含まれていれば、特に限定されるべきものではなく、生物・動物・人等の呼吸をはじめ、燃焼廃棄物処理場、火力発電所、各種工場、製鉄プラント又はセメントプラント等のボイラー等の諸設備から発生する排ガス、あるいは炭酸ガスを含んで産出する天然ガス等が包含される。排ガス中の主成分含有量は、一概には言えないが、例えば石油を燃料とする火力発電設備からの排ガス(脱硫装置出口における排ガスで、排ガス温度:約60℃、排ガス圧力:大気圧)の場合、炭酸ガスが約12〜13容積%(ドライベース)、酸素が約2〜4容積%(ドライベース)、水が約9〜11容積%(ウェットベース)および残りが窒素である排ガスが一般的である。また、本発明が適用される炭酸ガスを含む混合ガスには、炭素を含む化学物質の酸化反応により排出されるガス、例えば炭酸ガス濃度が約数ppm〜99容積%程度の炭酸ガス含有ガス等であってもよい。
本発明で用いられる「亜鉛イオン」は、水溶液中で亜鉛イオン又は亜鉛イオンを含むイオン、例えば[Zn(NH2+、[Zn(OH)、[Zn(OH)2−、[Zn(OH)(OH、[Zn(OH)(OH2−、Zn(OH)等としてイオン化していればよく、水溶液中でイオン化する亜鉛化合物であればいずれも好ましく用いることができる。このような亜鉛化合物としては、例えば水素化物(例.ZnH)、酸化物およびその関連化合物[例.酸化亜鉛(ZnO)、水酸化亜鉛(Zn(OH))、亜鉛酸塩(例.亜鉛酸カリウム(ZnO・KO・HO)、亜鉛酸ナトリウム(NaO・ZnO・2HO,Na[Zn(OH)・2HO])、ハロゲン化化合物およびハロゲノ錯体[例.ZnF,ZnCl,ZnBr,M[ZnX],M[ZnX](Mは金属、Xはハロゲンを示す)]又はアンモニウム錯塩[例.[Zn(NH]X(nは4又は6、Xはハロゲンを示す。)]等が挙げられ、酸化物およびその関連化合物が好ましく、酸化亜鉛又は水酸化亜鉛が特に好ましい。
亜鉛イオンを含有する炭酸ガス吸収体には、前記亜鉛化合物を混合した水(例.精製水、水道水等)が用いられる。前記炭酸ガス吸収体には、さらにアルカリ性物質を含有させるのがよい。アルカリ性物質を存在させることにより、炭酸ガスと亜鉛イオンとの反応速度を速めることができる。前記アルカリ性物質としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又はアンモニア水等が挙げられる。
また、本発明の方法においては、炭酸ガスとアルカリ性物質を前もって反応させて炭酸塩を生成させ、生成した炭酸塩を亜鉛イオンと反応させて炭酸亜鉛を生成させてもよい。例えば、炭酸ガスを含む混合ガスは、まず水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又はアンモニア水等を含有する水(例.精製水、水道水等;以下、アルカリ溶液ともいう。)に通される。このとき、混合ガス中の炭酸ガスは前記水中のアルカリ金属イオン又はアンモニウムイオン等と反応して炭酸塩(例.炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等)が生成される。次いで、生成した炭酸塩を含む前記アルカリ溶液に亜鉛化合物を加え、アルカリ溶液中でイオン化された亜鉛イオンと炭酸塩を反応させて炭酸亜鉛を生成させてもよく、或いは生成した炭酸塩を分取し、分取した炭酸塩を上記炭酸ガス吸収体に加え、炭酸塩と亜鉛イオンを反応させて炭酸亜鉛を生成させてもよい。
なお、本明細書において、「炭酸ガス吸収」とは、炭酸ガスを固定することをいい、具体的には、炭酸ガス又は炭酸塩を亜鉛イオンと反応させ、固体の炭酸亜鉛に転化させることをいう。
本発明による炭酸ガスを分離・回収する処理方法のフローシートを図1に示す。本発明の方法においては、炭酸ガスを含む混合ガスは、ライン11を通って、反応容器1(図1中の符号1)に導入される。ここで炭酸ガスは亜鉛イオンと反応して、水難溶性の炭酸亜鉛となって炭酸ガス吸収体から析出する。炭酸亜鉛は、例えばろ過により吸収体から分離されたのち、反応容器2(図1中の符号2)内で加熱されて炭酸ガスと酸化亜鉛に分解する。炭酸ガスは分離回収される。酸化亜鉛はルート17を通って、亜鉛イオンの原料として再利用される。またこの時発生する炭酸ガスが水を含む場合には、炭酸ガスと水の分離装置(図1中の符号3)を経て乾燥した炭酸ガスを得ることができ、分離された水はライン15、加熱装置(図1中の符号4)によって加熱水蒸気とし、加熱水蒸気はライン16を通って炭酸亜鉛の分解に再利用される。
上記反応容器1に導入される混合ガスは、水で飽和された混合ガスが好ましい。このため、炭酸ガスを含む混合ガスは、亜鉛イオンとの反応に先立って、例えばバブリングによって水層に通されるか、水蒸気と混合されるのがよい。水で飽和された混合ガスを反応容器1中に導入することにより、炭酸ガスと亜鉛イオンとの反応操作を継続することによる炭酸ガス吸収体から水分が蒸発するのを防止することができる。水で飽和されていない混合ガスの場合、混合ガスの導入による反応容器1中の水の減少に応じて、水を補充してもよい。反応容器1における炭酸ガスを含まないガスは、排ガスとして、ガスの種類に応じ処理されることができる。例えば、炭酸ガスを含まない排ガスを大気中に放出してよい。
排ガスに炭酸ガスが混入する場合は、炭酸ガス吸収体に再循環されるのが好ましい。
上記反応容器1には、亜鉛イオンを含有する炭酸ガス吸収体が入っている。亜鉛イオンは、亜鉛化合物を水又はアルカリ性物質を含む水に加えることにより生成される。そのため炭酸ガス吸収体中には、亜鉛化合物の濃度が約0.001〜20質量%、好ましくは約0.5〜2質量%となるように亜鉛化合物を水と混合すればよい。炭酸ガス吸収体にアルカリ性物質を含有させる場合には、例えば25質量%アンモニア水を炭酸ガス吸収体(例えば、酸化亜鉛を含有する水)100mLあたり約1〜50mL、好ましく約2〜20mL添加するのがよい。反応容器1における炭酸ガスと亜鉛イオンの反応は、炭酸ガス吸収体を撹拌しながら行ってもよい。撹拌は、自体公知の撹拌手段を用いればよく、例えば撹拌子とマグネチックスターラーを用いる方法等が好ましく挙げられる。反応温度は約0〜100℃、好ましくは約0〜80℃、圧力は約1Torr〜10気圧、好ましくは約0.5〜5気圧である。この場合、反応容器1中では酸化亜鉛又は水酸化亜鉛の場合を例示すればそれぞれ次のような反応;
ZnO+CO→ZnCO・・・・(反応式1)
又は
Zn(OH)+CO→ZnCO+HO・・・・(反応式2)
が起こっていると考えられ、混合ガス中の炭酸ガスが固体(炭酸亜鉛)の沈殿物として分離される。
上記反応容器1にて生成した炭酸亜鉛を自体公知の方法、例えば自然ろ過又は吸引ろ過又は遠心分離等により分離することができる。分離された炭酸亜鉛は乾燥される。乾燥は、自然乾燥、風乾、加熱乾燥又は減圧乾燥等自体公知の方法を単独、又は適宜組み合わせて用いることができるが、約40〜150℃程度で加熱乾燥するのが好ましい。また、分離された炭酸亜鉛はアセトン等の有機溶媒で洗浄し、乾燥してもよい。
次いで、上記反応容器2において炭酸亜鉛を加熱して分解する。加熱温度は、通常約100〜400℃、好ましくは約150〜350℃、圧力は約1Torr〜10気圧、好ましくは約0.1〜5気圧程度である。加熱方法は特に限定されず、直接又は間接加熱等自体公知の方法を用いることができる。好ましい方法としては、例えば加熱した水蒸気を反応容器2内に吹き込み、加熱水蒸気又は加熱加圧蒸気を炭酸亜鉛に直接接触させる方法が挙げられる。
この場合、次のような反応;
ZnCO→ZnO+CO・・・・(反応式3)
が起こっていると考えられる。
炭酸亜鉛の分解により生成した炭酸ガスおよび水(水蒸気)の混合物は反応容器3(図1中の符号3)において、炭酸ガスと水に分離される。該分離方法としては、加圧(約5〜50気圧程度)又は冷却(約50〜250℃程度)あるいは、両者を組み合わせることにより容易に行うことができる。また、分離した水は、反応容器4(図1中の符号4)に送り込まれ、約150〜350℃以上に加熱されて、ルート16を通って反応容器2における炭酸亜鉛の分解に利用される加熱した水蒸気として再利用される。
炭酸亜鉛の分解により生じる酸化亜鉛は回収される。回収された酸化亜鉛は冷却された後、反応容器1で用いる炭酸ガス吸収体の亜鉛イオンの原料として再利用され得る。
本発明により分離・回収された炭酸ガスは純度が高く、無害で安定な物質で、種々の用途に利用される。例えば、炭酸ガスは炭酸飲料に使用されたり、卵の鮮度保持、魚介類、肉、鶏肉、焼き物、果物又は野菜等の急速冷却等に使用される。また、炭酸ガスは乳製品の保存期間を延ばすためにも使用される。その他の用途としては、金属溶接における溶接用シールドガス、アルカリ性廃水の中和等が挙げられる。さらに野菜等の促成栽培におけるグリーンハウス内で使用する雰囲気添加物等としても用いることができる。また、分離・回収された炭酸ガスは液化した後、耐久性容器に充填し、地中又は海中に埋設させることもできる。
以下に、本発明を実施例に基づいて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
酸化亜鉛による炭酸ガスの固定化
室温(25℃)下、110mL/分で炭酸ガス(純度99.995%以上、住友精化株式会社製)を、水飽和ガス生成装置(図2中の符号5)の水層をバブリングして通過させ、炭酸ガスを水で飽和した後、炭酸ガス吸収瓶(図2中の符号6)に導入した。炭酸ガス吸収瓶には4.0gの酸化亜鉛粉末(キシダ化学株式会社製、特級)と25質量%アンモニア水(和光純薬工業株式会社製;表1の容量)および水からなる炭酸ガス吸収体(表1の容量)を入れておいた。炭酸ガス吸収瓶の下部で攪拌子とマグネチックスターラーを用いてこの炭酸ガス吸収体を攪拌した。炭酸ガスは、60分間導入された。その後、炭酸ガス吸収体と炭酸ガスの反応混合物をろ過し、得た固形生成物をアセトンで洗浄した後、空気中、50℃で一晩乾燥した。なお、電子顕微鏡(リアルサーフェスビュー顕微鏡 KEYENCE)でこの固形生成物中には炭酸亜鉛特有の針状結晶が含まれていることを確認し、反応式(1)の反応により炭酸ガスが炭酸ガス吸収体に吸収されたことを確認した。なお、25質量%アンモニア水の添加量(mL)を種々変更して試験を実施した。
酸化亜鉛による混合ガス中の炭酸ガスの固定化
図2の装置を使用した。炭酸ガス(10%)とアルゴンガス(90%)の混合ガスを100mL/分で水飽和ガス生成装置(図2中の符号5)の水層中をバブリングして通過させ、前記混合ガスを水飽和した後、室温(25℃)で炭酸ガス吸収瓶(図2中の符号6)に導入した。炭酸ガス吸収瓶には2.0gの酸化亜鉛粉末(キシダ化学株式会社製、特級)と水からなる炭酸ガス吸収体(体積50mL;図2中の符号7)を入れておいた。吸収瓶の下部で攪拌子(図2中の符号8)とマグネチックスターラー(図2中の符号9)を用いてこの炭酸ガス吸収体を攪拌した。混合ガスの導入時間は182分であった。反応混合物をろ過し、得た固形生成物をアセトンで洗浄した後、空気中、50℃で16時間乾燥した。乾燥後の固形生成物の重量は2.68gであった。なお、この固形生成物中には炭酸亜鉛が含まれていることを電子顕微鏡(リアルサーフェスビュー顕微鏡 KEYENCE)で確認した。また、炭酸ガス吸収瓶からの排ガス中の炭酸ガス濃度をガスクロマトグラフ(株式会社大倉理研製、GC−103、カラム:2m Porapak−N、FID検出器、FID前にメタナイザー設置)を用いて測定した結果、排ガス中の炭酸ガス濃度は炭酸ガス吸収瓶入り口より約10〜40%低く、反応式(1)の反応により炭酸ガスが炭酸ガス吸収体に吸収されたことを確認した。
塩基性炭酸亜鉛による炭酸ガスの固定化
図2の装置を使用した。炭酸ガス又は炭酸ガスとアルゴンガスの混合ガスを実施例2と同様の方法で水飽和した。水飽和された炭酸ガス又は前記混合ガスを、室温(25℃)で炭酸ガス吸収瓶(図2中の符号6)に導入した。炭酸ガス吸収瓶には塩基性炭酸亜鉛(2ZnCO・3Zn(OH)・HO;関東化学株式会社製、鹿特級;表2の重量)、25質量%アンモニア水(表2の容量)および水からなる炭酸ガス吸収体(表2の容量)を入れておいた。吸収瓶の下部で攪拌子(図2中の符号8)とマグネチックスターラー(図2中の符号9)を用いてこの炭酸ガス吸収体を攪拌した。炭酸ガス又は混合ガスの導入時間は120分であった。反応混合物をろ過し、得た固形生成物をアセトンで洗浄した後、空気中、50℃で一晩乾燥した。なお、25質量%アンモニア水の添加量(mL)を種々変更して試験を実施した。
乾燥後の固形生成物重量(g)等の結果を表2に示した。
乾燥後の固形生成物の重量は加えた塩基性炭酸亜鉛より多いことから、反応式(2)の反応により塩基性炭酸亜鉛中の水酸化亜鉛(Zn(OH))が炭酸亜鉛(ZnCO)に変化したことが分った。
炭酸アンモニウムおよびアンモニア共存下における酸化亜鉛による混合ガス中の炭酸ガスの固定化
炭酸ガスとアンモニアが反応し、炭酸アンモニウムが先に生成される場合を想定し、以下の実験を行った。図2の装置を使用した。炭酸ガスを実施例2と同様の方法で水飽和した。水飽和された炭酸ガスを室温(25℃)で炭酸ガス吸収瓶(図2中の符号6)に導入した。炭酸ガス吸収瓶には6.5gの酸化亜鉛、14mLの25質量%アンモニア水、12gの炭酸アンモニウムおよび水からなる炭酸ガス吸収体(総体積100mL)を入れておいた。炭酸ガス吸収瓶の下部で攪拌子(図2中の符号8)とマグネチックスターラー(図2中の符号9)を用いてこの炭酸ガス吸収体を攪拌した。炭酸ガス導入時間は90分であった。炭酸ガス吸収体をろ過し、得た固形生成物をアセトンで洗浄した後、空気中、50℃で一晩乾燥した。乾燥後の固形生成物の重量は5.08gであった。
本実施例において、炭酸ガス吸収瓶では、以下の反応;
CO+NHOH→NHHCO+(NHCO・・・(反応式4)
ZnO+NHHCO→ZnCO(・NH)↓+HO・・・(反応式5)
ZnO+CO+(NHCO→ZnCO(・NH)↓+HO・・・(反応式6)
が行われたものと推定される。
なお、電子顕微鏡(リアルサーフェスビュー顕微鏡 KEYENCE)で観察した結果、この固形生成物が針状であることが確認されたので、この固形生成物が炭酸亜鉛であることが分った。
上記固形生成物0.010gを密閉容器(5mL容積)に入れ、そこに0.4mLの1N硝酸を加え、炭酸ガスまで分解させた(ZnCO+2HNO→Zn(NO+CO+HO)後、密閉容器中の上部ガス層から0.5mLのガスサンプルを取り、実施例2に示したガスクロマトグラフを用いてガスサンプル中の炭酸ガス濃度を測定した。炭酸ガス濃度から換算した結果、固形生成物中の炭酸亜鉛の含量は82質量%であり、効率よく炭酸ガスが炭酸亜鉛に変化していることが判明した。
炭酸アンモニウム共存下における酸化亜鉛による混合ガス中の炭酸ガスの固定化
炭酸ガスとアンモニアが反応し、炭酸アンモニウムが生成されたところに酸化亜鉛を混合した場合を想定し、以下の実験を行った。
図2の装置を使用した。炭酸ガスを110mL/分の流量で実施例2と同様の方法で水飽和した。水飽和された炭酸ガスを室温(25℃)で炭酸ガス吸収瓶(図2中の符号6)に導入した。炭酸ガス吸収瓶には4.5gの酸化亜鉛、4.7gの炭酸アンモニウム(アンモニウム含量>20%)および水からなる炭酸ガス吸収体(総体積75mL)が入れてあった。炭酸ガス吸収瓶の下部で攪拌子(図2中の符号8)とマグネチックスターラー(図2中の符号9)を用いてこの炭酸ガス吸収体を攪拌した。炭酸ガス導入時間は120分であった。炭酸ガス吸収体をろ過し、得た固形生成物をアセトンで洗浄した後、空気中、50℃で一晩乾燥した。乾燥後の固形生成物の重量は7.06gであった。炭酸ガス吸収体に炭酸ガスを導入しない場合、120分の反応で得られた乾燥後の沈殿物の重量は5.55gであった。
更に、炭酸ガス吸収瓶に9.4gの炭酸アンモニウム(アンモニウム含量>20%)を入れて、炭酸ガスを110mL/分の流量で導入し、120分の反応で得られた乾燥後の沈殿物の重量は7.26gであった。炭酸ガスを導入した場合に得られた沈殿物の重量に基づいて計算した結果、酸化亜鉛のZnCO(・NH)への転化率はほぼ100%であった。しかし、炭酸ガスを導入しない場合、その転化率は44%であった。この実施例の結果により、上記に示す反応(反応式4〜6)を効率よく行い得ることを実証することができた。
本発明の方法は、炭素系燃料を用いる発電所等の排ガスから炭酸ガスを分離・回収する方法として有用である。
本発明の炭酸ガスを分離・回収するプロセスの1態様を示す概念図である。 炭酸ガス吸収実験装置の概略図を示す。
符号の説明
1 反応容器1
2 反応容器2
3 炭酸ガスと水の分離装置3
4 加熱装置4
5 水飽和ガス生成装置
6 炭酸ガス吸収瓶
7 炭酸ガス吸収体
8 撹拌子
9 マグネチックスターラー

Claims (5)

  1. 炭酸ガスを含む混合ガスを、亜鉛イオンを含有する炭酸ガス吸収体と反応させて炭酸亜鉛を生成させ、次いで生成した炭酸亜鉛を加熱して炭酸ガスを発生させ、発生した炭酸ガスを分離することを特徴とする混合ガスからの炭酸ガスの分離・回収方法。
  2. 炭酸ガス吸収体が、さらにアルカリ性物質を含有することを特徴とする請求項1に記載の炭酸ガスの分離・回収方法。
  3. 炭酸ガスを含む混合ガスをアルカリ性物質と反応させて炭酸塩を生成させ、生成した炭酸塩を亜鉛イオンと反応させて炭酸亜鉛を生成させ、次いで生成した炭酸亜鉛を加熱して炭酸ガスを発生させ、発生した炭酸ガスを分離することを特徴とする混合ガスからの炭酸ガスの分離・回収方法。
  4. アルカリ性物質が水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよびアンモア水から選択される少なくとも1の物質であることを特徴とする請求項2又は3に記載の炭酸ガスの分離・回収方法。
  5. 炭酸亜鉛の加熱が、加熱水蒸気を炭酸亜鉛に接触させることにより行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の炭酸ガスの分離・回収方法。
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