JP2006093961A - スピーカ用振動板およびスピーカ - Google Patents

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Abstract

【課題】 アルミニウム板を素材とし、優れた特性を有するスピーカ用振動板と該振動板を用いたスピーカを提供する。
【解決手段】 アルミニウム又はその合金の薄板を陽極とし、アクリル系化合物を含む酸性の電解液を用いて通電することにより、アルミニウム又はその合金の薄板の表面もしくは両面に陽極酸化被膜を形成し、該陽極酸化皮膜を有するアルミニウム又はその合金の薄板をスピーカ用振動板の素材とし、この振動板を用いてスピーカを調製する。
【選択図】 なし

Description

この発明は、各種の音響機器に使用されるスピーカ用振動板と、この振動板を用いたスピーカに関するもので、音響技術に属するものである。
振動板は、アンプから送られてくる音声電流に従って振動し、その振動を空気に伝える役目をするもので、音声電流に従って正しく振動することが求められるが、コーン形状であって、中心部にボイスコイルを取り付けた多くの振動板は、全体が均一に振動しない、振動板の振動が互いに干渉する、などによって、ある特定の音だけが強調され(ピークを生じる)、あるいは弱められ(ディップ)たりして、振動を正しく伝えているとは云い難いものであった。
そのため、剛性が大きく、全体が均一に振動すること、振動板自体の中を振動が伝わり難い、すなわち、内部損失が大きいこと、そして、できるだけ軽いことなどの好ましい振動板素材の一つとして、アルミニウム素材がある。
例えば、特開平11−266493号公報(特許文献1)では、ポリエチレンナフタレート樹脂フィルムの基材上に、アルミニウム等の金属層を積層して、内部損失が大きくかつ音速の大きいものを実現し、これによりピークディップの少ない周波数音圧特性が滑らかで低ひずみ、且つ高域の伸びたクリアな音が再生できると共に、音圧性能にも優れたスピーカの提供を可能としたスピーカ用振動板が提案されている。
また、特開2001−148895号公報(特許文献2)では、共振のピークディップが制動された高音質のスピーカを実現し、また、重量面においても軽量で音圧が高く、製造工程が簡単で、バラツキの少ない品質の良好なスピーカを提供するため、軽量で高剛性のある金属箔、例えば、アルミニウム箔と伸び率が高く内部損失の大きいポリウレタン系樹脂フィルム、ポリアミド系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ポリイミド系樹脂フィルムなどの樹脂フィルムを積層したものを加熱、加圧成形して得る振動板が開示されている。
さらに、特開2003−230191号公報(特許文献3)では、振動板の共振点における高共振のピークを抑制することが可能で、安定で良好な特性を有し、高い強度を有するとともに、共振点の高共振のピークを抑制した好ましい特性のスピーカを提供するために、コーン部をアルミニウムなどの金属板によって構成し、このコーン部の表面または裏面の少なくとも一方の面に、ブチルゴム、エマルジョン系ゴム、またはエラストマなどの柔軟剤を被着したスピーカ用振動板が提案されている。
特開平11−266493号公報 (特許請求の範囲、発明の効果) 特開2001−148895号公報(特許請求の範囲、発明の効果) 特開2003−230191号公報(特許請求の範囲、発明の効果)
従来のアルミニウム製振動板は、表面にアルマイト加工が施されてはいるものの、単一構造のものが多く、内部損失に乏しいこともあって、特定の周波数において鋭い共振や高調歪みが発生する。特に、共振は、音響周波数特性にピークやディップをもたらし、本来の入力信号にない特殊な音色を再生し、残響音があるような感じをもたらし、歪みは、音の濁りや透明感の欠如を感じさせる。
これら課題を改善するため、アルマイト処理被膜を、厚くすることによって剛性を高めて共振を抑えることが考えられるが、アルマイト処理被膜の厚みには限界があり、著しい改善が望めず、アルミニウムの表面に、上記したように、発泡ゴムや樹脂フィルムなどを付着させ、同様の改善を試みるも、十分な防振を得るには重量増加が著しくなり、紙などに比較し、本来アルミニウム素材が有する欠点をさらに増幅し、致命的に音圧を損なうおそれがある。
この発明はかかる現状に鑑み、振動板としてのアルミニウムの価値を損じることなく、特定周波数での共振や高調波歪みの発生を防止することのできるスピーカ用振動板と、このスピーカ用振動板を使用した音響性能の優れたスピーカを提供せんとするものである。
前記目的を達成するため、この発明の請求項1に記載の発明は、
アルミニウム又はその合金の薄板の表面に、アクリル系樹脂を含有する酸化被膜が形成されたこと
を特徴とするスピーカ用振動板である。
また、この発明の請求項2に記載の発明は、
アルミニウム又はその合金の薄板の表面に、電解処理によってアクリル系樹脂を含有する酸化被膜が一体的に形成されていること
を特徴とするスピーカ用振動板である。
また、この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載のスピーカ用振動板において、
前記酸化被膜は、
アルミニウム又はその合金の薄板の両面に形成されていること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項1〜3のいずれかに記載のスピーカ用振動板において、
前記酸化被膜は、
膜厚が50μ以上であること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項1〜請求項4のいずれかに記載のスピーカ用振動板において、
前記酸化被膜は、
アルミニウム又はその合金の薄板を陽極とし、アクリル系化合物を含む酸性の電解液を用いて通電して、アルミニウム又はその合金の薄板表面に形成させた陽極酸化被膜であること
を特徴とするものである。
さらに、この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項1〜請求項5のいずれかに記載のスピーカ用振動板において、
前記酸化被膜は、
銀イオンを含有すること
を特徴とするものである。
さらにまた、この発明の請求項7に記載の発明は、
請求項1〜請求項5のいずれかに記載のスピーカ用振動板が用いられていること
を特徴とするスピーカである。
この発明のスピーカ用振動板は、アルミニウムを主材としているため、アルミニウムの有する高い剛性と早い音速を有し、高い剛性によりピストンモーション帯域の拡大と、高域周波数の拡大が図れ、早い音速により広い周波数帯域で位相の均一性が図れることで、原音の忠実な再生を行える。
特に、この発明のスピーカ用振動板は、その表面に、特定の陽極酸化被膜を有することによって、従来のアルミニウム振動板が有していた問題点、すなわち、特定周波数での共振、高調波歪の発生という問題点を、アルミニウム振動板の有する上記特性を損なうことなく解消するものである。
この発明のスピーカ用振動板は、アルミニウム又はその合金の薄板からなるもので、その表面に特定の酸化被膜が形成されているもので、アルミニウム又はその合金とは、アルミニウム又はアルミニウムに少量の銅やマグネシウムを加えてなる合金で、厚さが20μ〜200μ程度の箔やシートと称されるものが好ましく適用されるが、数百μの板状のものにも適用可能である。
アルミニウム又はその合金の薄板の表面に施される酸化被膜としては、具体的には、アルマイト処理方法で形成される酸化被膜である。
すなわち、この発明の酸化被膜は、通常のアルマイト処理における、硝酸、硫酸、クロム酸水溶液系等の電解液中に、メタアクリル酸、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレートのようなアクリル系化合物、ネオペンチルグリコールジメタクリレートや1、6ヘキサンジオールジグリシジルエーテルなどの架橋剤、ブチルパーオキシオクトエイトなどの重合開始剤を添加し、通電による陽極酸化被膜を形成させるとともに、アクリル系化合物を重合させ、この被膜内にアクリル系重合体を取り入れることによって複合酸化被膜としたものである。
この酸化被膜は、通常、アルミニウム又はその合金の耐磨耗性、耐蝕性の向上や、ダイヤ研削、フレックスホーン、ホーニング、精密加工仕上げなどの機械加工性を付与するために行われるものである。
この発明においては、この酸化被膜を、アルミニウム振動板の欠点を解消するために用いるので、アルミニウム又はその合金の薄板の表面に50μ以上、表裏両面に施し合せて100μ以上施すのが、求める効果を十分に発揮させるために好ましい。
また、この酸化被膜に銀をさらに含有させると、銀イオンが深く進入して、酸化アルミニウムと複合し、強固かつ緻密な複合被膜を形成するため、被膜の硬度を上げることができると共に、耐蝕性や抗菌性が改善されるので、使用される場所による制限を小さくすることが可能となる。
アルミニウム薄板の両面に、例えば、特許第1532837号で示される公知のアルマイト処理を施し、アクリル系樹脂組成物を含む複合酸化被膜を形成させ、図1の顕微鏡写真に示される、三層構造のアルミニウム薄板を得た。
このような両面に50μmの被膜を形成した三層構造のアルミニウム薄板を振動板として用い、直径13cmスピーカを調製し、その音響特性を図2、図3に示す。
また、同様にして、両面に20μmの被膜を形成した三層構造のアルミニウム薄板を用いた場合の音響特性を図4、図5に示す。
比較のために、従来のアルミニウム薄板(5μ程度のアルマイト処理が施されている)を振動板として、同様の試験を行った結果を図6、図7に示す。
図から明らかなように、通常のアルミニウム薄板によるものは、音響特性において7.5kHz付近に大きなピークと、10kHz付近にディップが現れ、歪み特性では2kHzから5kHzに2%近くの歪みが現れている。
これに対して、この発明による特定の酸化被膜を有するアルミニウム薄板によるものでは、音響特性において、7.5kHz付近のピークは全体的になだらかになり、特に10kHz付近のディップは完全に無くなっている。これは前述のように、3層構造としたことによるもので、各層の剛性の違いにより単一の周波数での共振が起きにくくなり、これにより平坦な周波数特性を実現している。また、歪み特性においては、2kHzから5kHzがおおよそ1%に収まっている。
以上のように、この発明のスピーカ用振動板およびスピーカは、音響特性に優れるものであるから、音響製品に利用される可能性は非常に大きなものである。
この発明にかかるスピーカ用振動板の断面の顕微鏡写真である。 図1の振動板を用いたスピーカの音響特性(周波数特性)を示す図である。 図1の振動板を用いたスピーカの音響特性(高調波歪)を示す図である。 この発明にかかる他のスピーカの音響特性(周波数特性)を示す図である。 この発明にかかる例のスピーカの音響特性(高調波歪)を示す図である。 従来のアルミニウム薄板によるスピーカの音響特性(周波数特性)を示す図である。 従来のアルミニウム薄板によるスピーカの音響特性(高調波歪)を示す図である。
符号の説明
なし

Claims (7)

  1. アルミニウム又はその合金の薄板の表面に、アクリル系樹脂を含有する酸化被膜が形成されたこと
    を特徴とするスピーカ用振動板。
  2. アルミニウム又はその合金の薄板の表面に、電解処理によってアクリル系樹脂を含有する酸化被膜が一体的に形成されていること
    を特徴とするスピーカ用振動板。
  3. 前記酸化被膜は、
    アルミニウム又はその合金の薄板の両面に形成されていること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のスピーカ用振動板。
  4. 前記酸化被膜は、
    膜厚が50μ以上であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスピーカ用振動板。
  5. 前記酸化被膜は、
    アルミニウム又はその合金の薄板を陽極とし、アクリル系化合物を含む酸性の電解液を用いて通電して、アルミニウム又はその合金の薄板表面に形成させた陽極酸化被膜であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスピーカ用振動板。
  6. 前記酸化被膜は、
    銀イオンを含有すること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスピーカ用振動板。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載のスピーカ用振動板が用いられていること
    を特徴とするスピーカ。
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