JP2006092819A - フラットケーブルおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】導体間隔を狭めることができ、接続端末部の導体からのウィスカの発生が無く、接続の信頼性を確保するとともに容易な製造方法で製造することが出来、コストパフォーマンスを実現させたフラットケーブルおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】2枚の絶縁テープ(3、3)間に複数本の平角導体(素線)(2)を、一定間隔をもって並列配置し、両端部の導体を一定長さに渡って露出させ接続端末部(導体露出部)(t、t)を設け、該接続端末部の片面側に絶縁テープ(3)にかけて補強用フィルム(4)を貼り付けた構造のフラットケーブルに於いて、前記平角導体(素線)(2)が銅或いは銅合金からなり、また導体露出部(t、t)の導体は、平角導体(素線)(2)の表面にニッケルまたはニッケル合金がめっきされて成る。
【選択図】図1
【解決手段】2枚の絶縁テープ(3、3)間に複数本の平角導体(素線)(2)を、一定間隔をもって並列配置し、両端部の導体を一定長さに渡って露出させ接続端末部(導体露出部)(t、t)を設け、該接続端末部の片面側に絶縁テープ(3)にかけて補強用フィルム(4)を貼り付けた構造のフラットケーブルに於いて、前記平角導体(素線)(2)が銅或いは銅合金からなり、また導体露出部(t、t)の導体は、平角導体(素線)(2)の表面にニッケルまたはニッケル合金がめっきされて成る。
【選択図】図1
Description
本発明はフラットケーブルおよびその製造方法に関し、更に詳しくは2枚の絶縁テープ間に複数本の平角導体を、一定間隔をもって並列配置し、両端部の導体を一定長さに渡って露出させ接続端末部(導体露出部)を設けた構造のフラットケーブルおよびその製造方法に関するものである。
フラットケーブルとしては、2枚の絶縁テープ間に複数本の平角導体を、一定間隔をもって並列配置し、両端部の導体を一定長さに渡って露出して接続端末部(導体露出部)を設けた構造のフラットケーブルがある。このフラットケーブルは、コンピューター機器など、各種電子機器内のプリント基板間の接続に使用される。このフラットケーブルとプリント基板との接続方式には、フラットケーブルの接続端末部の各導体とプリント基板の各接続端子部とを直接はんだ付けによって接続するはんだ付け接続方式と、フラットケーブルの接続端末部をプリント基板の接続コネクタに一括挿入して接続するコネクタ接続方式がある。いずれの接続方式の場合であっても、接続品質を安定させるため、フラットケーブルの導体には銅平角導体の外周に錫或いは錫―鉛合金(以下、錫合金と略記する)をめっきした錫合金めっき平角導体が使用される。前記錫合金めっき平角導体を用いたフラットケーブルは、例えば下記特許文献1に記載されている。また前記錫合金めっき平角導体の製造方法としては、丸銅導体の外周に電気めっき或いは溶融めっき法によって均一に錫合金をコーティングし、更に圧延方法によって冷間塑性加工を施し、錫合金めっき平角導体としている。また、前記錫合金めっき平角導体は、最外層が錫系皮膜であるため直接はんだ付けが可能であることの他に、腐食・酸化の面でも安定しているため、接触抵抗が安定し接続の信頼性が確保されている。即ち、接続端末部の導体露出部に求められる性能は、はんだ付けが可能であり、コネクタ等との勘合面での接触の信頼性が確保されていることにある。また、2枚の絶縁テープによって挟まれている平角導体としては、特にプリンタ印字部と基板との信号ケーブルとして使用されるため耐屈曲性、良導電性に優れる銅或いは銅合金導体が好適とされている。
特開平10−269856
近時、コンピューターをはじめ各種電子機器の小型高性能化が進む中で、プリント基板は小型・高密度化が進み、プリント基板の接続端子間ピッチはそれに付随し益々狭小化されてきている。このため、これらプリント基板間を接続するフラットケーブルについても、プリント基板の端子間ピッチに適合させるべく導体間隔を狭めた高密度フラットケーブルが求められている。例えば、従来導体間隔が1mmであったものが、例えば0.3mmといった高密度フラットケーブルの要求もなされてきている。また、電子機器の小型高密度化に伴い、機器内が高温環境になることが多くなっている。錫或いは錫合金めっき平角導体には、めっき層から錫の髭状単結晶、いわゆるウィスカが発生するという性質があり、しかもこのウィスカは、高温雰囲気に置かれるほど長く多く成長する傾向が伺える。更に詳しく説明すると、前記ウィスカは、めっき層中の錫と平角導体の銅の錫-銅間に生成される化合物層(Cu6Sn5)の成長過程で、不均一な歪(高温雰囲気等)によって錫が表面に突き上げられて発生する。また、めっき層中の鉛は、錫-銅間の化合物層の生成をいわゆるバリアとして抑制する性質があったが、鉛を含有しない錫或いは錫-鉛合金めっき層にはそれが乏しく、特に近時の無鉛化と高密度化によって、フラットケーブルに於いては益々ウィスカの発生が原因で短絡事故を引き起こす可能性が極めて高く、信頼性の観点からウィスカが発生しない平角導体を使用したフラットケーブルの要求がされている。
また特に、環境上の問題として錫-鉛合金めっき平角導体は、産業廃棄物処分される際に、鉛が酸性雨等によって地下水に溶出して環境汚染、人体への摂取に繋がることから、鉛を含まない、いわゆる無鉛化の錫合金めっき平角導体を使ったフラットケーブルが現在は求められている。
また、錫めっき平角導体を使用してフラットケーブルを製造する際、金属の中でも極めて軟らかい性質を持つ錫は、その製造工程中で擦られたりした場合、カスの発生に繋がりそれが原因で前記同様に短絡事故を引き起こし易いため、歩留まりを圧迫したり、また製品検査時には個々の導体を導通検査する必要があり、製造コスト押し上げる要因にもなっていた。一方、錫めっきを行わず、銅あるいは銅合金平角導体にした場合は、接続端末部(導体露出部)の酸化等によってはんだ接続が出来なかったり、コネクタとの接触不具合を引き起こしたりするという問題点があった。更には、接続端末部の相手側(例えばコネクタ)との接続信頼性を確保する目的のみによって、銅導体の全長・全周にわたって錫めっきを施すことは、2枚の絶縁テープによって張り合わされたような密閉された個所には全くそれを必要とせず、ここでもコストを押し上げる要因になるという問題点があった。
本発明は、上記各種問題点を解決するために本発明者が鋭意研究し成されたものであって、導体間隔を狭めることができ、接続端末部の導体からのウィスカの発生が無く、接続の信頼性を確保するとともに容易な製造方法で製造することが出来、コストパフォーマンスを実現させたフラットケーブルおよびその製造方法を提供することを目的とする。
また特に、環境上の問題として錫-鉛合金めっき平角導体は、産業廃棄物処分される際に、鉛が酸性雨等によって地下水に溶出して環境汚染、人体への摂取に繋がることから、鉛を含まない、いわゆる無鉛化の錫合金めっき平角導体を使ったフラットケーブルが現在は求められている。
また、錫めっき平角導体を使用してフラットケーブルを製造する際、金属の中でも極めて軟らかい性質を持つ錫は、その製造工程中で擦られたりした場合、カスの発生に繋がりそれが原因で前記同様に短絡事故を引き起こし易いため、歩留まりを圧迫したり、また製品検査時には個々の導体を導通検査する必要があり、製造コスト押し上げる要因にもなっていた。一方、錫めっきを行わず、銅あるいは銅合金平角導体にした場合は、接続端末部(導体露出部)の酸化等によってはんだ接続が出来なかったり、コネクタとの接触不具合を引き起こしたりするという問題点があった。更には、接続端末部の相手側(例えばコネクタ)との接続信頼性を確保する目的のみによって、銅導体の全長・全周にわたって錫めっきを施すことは、2枚の絶縁テープによって張り合わされたような密閉された個所には全くそれを必要とせず、ここでもコストを押し上げる要因になるという問題点があった。
本発明は、上記各種問題点を解決するために本発明者が鋭意研究し成されたものであって、導体間隔を狭めることができ、接続端末部の導体からのウィスカの発生が無く、接続の信頼性を確保するとともに容易な製造方法で製造することが出来、コストパフォーマンスを実現させたフラットケーブルおよびその製造方法を提供することを目的とする。
第1の観点として本発明は、2枚の絶縁テープ間に複数本の平角導体(素線)を、一定間隔をもって並列配置し、両端部の導体を一定長さに渡って露出させ接続端末部(導体露出部)を設け、該接続端末部の片面側に前記絶縁テープにかけて補強用フィルムを貼り付けた構造のフラットケーブルに於いて、前記平角導体(素線)が銅或いは銅合金からなり、また導体露出部の導体表面に、ニッケルまたはニッケル合金がめっきされて成ることを特徴とするフラットケーブルにある。
上述のニッケル(Ni)合金としては、導電性の改善にNi-P(リン),Ni-B(硼素)、耐摩耗性の改善にNi-P-W(タングステン)、また潤滑性の改善にNi-P-PTFE(四フッ化エチレン樹脂)など、ニッケルを主体とした合金が適宜好適に使える。
上記第1観点のフラットケーブルの導体露出部は、最表面がニッケルまたはニッケル合金(以下、単にニッケルともいう)で構成されているため、はんだ接合が可能であり且つ、ニッケルは耐食性に優れるため酸化の心配がなく、接続の信頼性を確保できる。またフラットケーブルとしては、導体露出部以外の平角導体は銅或いは銅合金のままで良いため、全長に渡ってめっき処理を行う必要が無くコストダウンに繋がる。更に、銅或いは銅合金平角導体(素線)は従来のように製造工程中の錫カス発生の心配が無く、導通検査等の品質検査工程が省略できコストダウンが可能となる。
上述のニッケル(Ni)合金としては、導電性の改善にNi-P(リン),Ni-B(硼素)、耐摩耗性の改善にNi-P-W(タングステン)、また潤滑性の改善にNi-P-PTFE(四フッ化エチレン樹脂)など、ニッケルを主体とした合金が適宜好適に使える。
上記第1観点のフラットケーブルの導体露出部は、最表面がニッケルまたはニッケル合金(以下、単にニッケルともいう)で構成されているため、はんだ接合が可能であり且つ、ニッケルは耐食性に優れるため酸化の心配がなく、接続の信頼性を確保できる。またフラットケーブルとしては、導体露出部以外の平角導体は銅或いは銅合金のままで良いため、全長に渡ってめっき処理を行う必要が無くコストダウンに繋がる。更に、銅或いは銅合金平角導体(素線)は従来のように製造工程中の錫カス発生の心配が無く、導通検査等の品質検査工程が省略できコストダウンが可能となる。
第2の観点として本発明は、前記ニッケルまたはニッケル合金がめっきされた導体露出部の導体表面に、更に金がめっきされて成ることを特徴とするフラットケーブルにある。
上記第2観点のフラットケーブルの導体露出部は金めっきからなり、金は耐食性およびはんだ付け性を兼ね備えた性質を有するため、上記第1観点の導体露出部と同様、接続の信頼性を確保できる。またフラットケーブル自体の作用効果としては、上記第1観点のフラットケーブルと同様である。
上記第2観点のフラットケーブルの導体露出部は金めっきからなり、金は耐食性およびはんだ付け性を兼ね備えた性質を有するため、上記第1観点の導体露出部と同様、接続の信頼性を確保できる。またフラットケーブル自体の作用効果としては、上記第1観点のフラットケーブルと同様である。
第3の観点として本発明は、前記ニッケルまたはニッケル合金がめっきされた導体露出部の導体表面に、更に酸化防止保護剤が塗布されて成ることを特徴とするフラットケーブルにある。
上記第3観点のフラットケーブルの導体露出部は、上記第1または第2観点の導体露出部と同様の作用効果に加え、酸化防止保護剤を塗布することにより導体露出部の酸化がほぼ完全に防止されるので好ましい。なお酸化防止保護剤としては、有機系の酸化防止保護剤、例えば水溶性防錆剤(商品名:エバフィンG-800,荏原ユージライト社製)が挙げられる。またフラットケーブル自体の作用効果としては、上記第1または第2観点のフラットケーブルと同様である。
上記第3観点のフラットケーブルの導体露出部は、上記第1または第2観点の導体露出部と同様の作用効果に加え、酸化防止保護剤を塗布することにより導体露出部の酸化がほぼ完全に防止されるので好ましい。なお酸化防止保護剤としては、有機系の酸化防止保護剤、例えば水溶性防錆剤(商品名:エバフィンG-800,荏原ユージライト社製)が挙げられる。またフラットケーブル自体の作用効果としては、上記第1または第2観点のフラットケーブルと同様である。
第4の観点として本発明は、2枚の絶縁テープ間に銅或いは銅合金からなる複数本の平角導体(素線)を、一定間隔をもって並列配置して加熱融着し、両端部の導体を一定長さに渡って露出させ接続端末部(導体露出部)を設ける加熱融着工程と、前記接続端末部の片面側に、前記絶縁テープにかけて補強用フィルムを貼り付けてフラットケーブル体とする補強用フィルム貼付工程と、前記導体露出部の各導体を、脱脂工程、酸活性化工程、触媒付与工程、および無電解ニッケルめっき工程によりニッケルめっきすることを特徴とするフラットケーブルの製造方法にある。
上記第4観点のフラットケーブルの製造方法では、特に導体露出部をニッケルめっきする際、導体露出部の銅表面を脱脂,酸活性化した後、触媒として例えば塩化パラジウム水溶液中にディップし、電位差によって銅表面にパラジウムが置換析出され、次工程の無電解ニッケルめっき液中にディップすることにより還元剤が酸化され、そのエネルギーによってニッケルが析出され、上記第1観点の導体露出部が形成される。即ち銅表面にのみ選択的にニッケルが形成されるため、狭ピッチであっても導体間での短絡は容易に回避できる。
上記第4観点のフラットケーブルの製造方法では、特に導体露出部をニッケルめっきする際、導体露出部の銅表面を脱脂,酸活性化した後、触媒として例えば塩化パラジウム水溶液中にディップし、電位差によって銅表面にパラジウムが置換析出され、次工程の無電解ニッケルめっき液中にディップすることにより還元剤が酸化され、そのエネルギーによってニッケルが析出され、上記第1観点の導体露出部が形成される。即ち銅表面にのみ選択的にニッケルが形成されるため、狭ピッチであっても導体間での短絡は容易に回避できる。
第5の観点として本発明は、上記第4観点の無電解ニッケルめっき工程に続いて、置換金めっき工程を設けたことを特徴とするフラットケーブルの製造方法にある。
上記第5観点の製造方法では、無電解ニッケルめっき工程までは、上記第4観点の製造方法と同様であるが、ニッケルめっき後、シアン化金カリウム系水溶液にディップすることにより、ニッケルがイオン化し、金に置換することができ、上記第2観点のフラットケーブルが効率良く製造される。
上記第5観点の製造方法では、無電解ニッケルめっき工程までは、上記第4観点の製造方法と同様であるが、ニッケルめっき後、シアン化金カリウム系水溶液にディップすることにより、ニッケルがイオン化し、金に置換することができ、上記第2観点のフラットケーブルが効率良く製造される。
第6の観点として本発明は、上記第4観点の無電解ニッケルめっき工程に続いて、酸化防止保護剤塗布工程を設けたことを特徴とするフラットケーブルの製造方法にある。
上記第6観点の製造方法では、無電解ニッケルめっき工程までは、上記第4観点の製造方法と同様であるが、ニッケルめっき後、酸化防止保護剤を塗布することにより上記第3観点のフラットケーブルが効率良く製造される。
上記第6観点の製造方法では、無電解ニッケルめっき工程までは、上記第4観点の製造方法と同様であるが、ニッケルめっき後、酸化防止保護剤を塗布することにより上記第3観点のフラットケーブルが効率良く製造される。
本発明のフラットケーブルおよびその製造方法によれば、銅或いは銅合金平角導体によってフラットケーブル体とし、接続端末部の必要個所のみにめっき加工を施すため、安価な製造が可能となる。また、銅表面にのみ選択的にめっき形成が可能であるため、狭ピッチであっても導体間での短絡は容易に回避できる。更に、耐食性に優れるニッケルや金によって接続端末部の最外層が形成されているため接合の信頼性は確保できる。そのことによって、電子機器部品等の内部配線材として使用されるフラットケーブルは、高品質、耐環境性、且つコストパフォーマンスを兼ね備えることが出来る。従って、本発明は産業上に寄与する効果が極めて大である。
以下、本発明の内容を、図に示す実施の形態により更に詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明のフラットケーブルの実施形態を説明するための斜視図である。図2は、本発明のフラットケーブルの製造方法の第1、第3実施形態を示すチャートである。また図3は、本発明のフラットケーブルの製造方法の第2実施形態を示すチャートである。
これらの図において、1はフラットケーブル、2は平角導体(素線)(銅平角導体)、2kは金めっき平角導体露出部、2nはニッケルめっき平角導体露出部、2sは防錆ニッケルめっき平角導体露出部、3は絶縁テープ、4は補強用フィルム、kは金めっき皮膜、nはニッケルめっき皮膜、pは導体間隔ピッチ、tは接続端末部(導体露出部)である。
図1は、本発明のフラットケーブルの実施形態を説明するための斜視図である。図2は、本発明のフラットケーブルの製造方法の第1、第3実施形態を示すチャートである。また図3は、本発明のフラットケーブルの製造方法の第2実施形態を示すチャートである。
これらの図において、1はフラットケーブル、2は平角導体(素線)(銅平角導体)、2kは金めっき平角導体露出部、2nはニッケルめっき平角導体露出部、2sは防錆ニッケルめっき平角導体露出部、3は絶縁テープ、4は補強用フィルム、kは金めっき皮膜、nはニッケルめっき皮膜、pは導体間隔ピッチ、tは接続端末部(導体露出部)である。
本発明のフラットケーブルおよびその製造方法の第1実施例について図1、2を用いて説明する。
先ず、平角導体(素線)(2)として、平角銅線を圧延して製造した厚さ0.05mm×幅0.8mmの銅平角導体を用いた。また、本発明に用いる2枚の絶縁テープ(3、3)としては、各テープの片面に熱融着性接着層(図示せず)を設けた厚さ0.08mm、幅25mmのポリエステルラミネートフィルムを用いた。次に、前記2枚の絶縁テープ(3、3)を長さ300mmに切断し、接着層面を互いに内側にして、この間に前記銅平角導体(2)の20本(図1では4本のみ示す)を絶縁テープ(3、3)の両端部から6mm露出させて接続端末部(導体露出部)(t、t)を設けた状態で、銅平角導体(2)を導体間隔(導体エッジと導体エッジの間隔)ピッチp=0.3mmの定間隔で並列配置した後、前記絶縁テープ(3、3)を加熱融着して一体化させた(加熱融着工程 f1)。次に前記接続端末部(t、t)の片面側で絶縁テープ(3)にかけて、比較的剛直性を有するポリエステル樹脂製の補強用フィルム(4、4)を、各フィルムの片面に塗布されている熱融着性接着剤(図示せず)を介して加熱融着させて、銅平角導体によるフラットケーブル体(1)を製造した(補強用フィルム貼付工程 f2)。
続いて前記導体露出部の各導体のニッケルめっき方法として、前記フラットケーブル体(1)を酸洗い槽にディップして脱脂(脱脂工程 f3)するとともに、接続端末部の銅導体(2a)を活性化させた(酸活性化工程 f4)後、塩化パラジウムと塩酸による水溶液中に25℃、5分間ディップさせ銅表面にパラジウムを析出させた(触媒付与工程 f5)。続いて、主成分が硫酸ニッケルと還元剤が次亜リン酸ナトリウムによる水溶液中に90℃、10分間ディップし2.0μm厚さのニッケルめっき皮膜(n)を、露出銅導体の表面上にのみ選択的に析出させ(無電解ニッケルめっき工程 f6)、ニッケルめっき平角導体露出部(2n)を形成し、本発明のフラットケーブル(1)を製造した。
先ず、平角導体(素線)(2)として、平角銅線を圧延して製造した厚さ0.05mm×幅0.8mmの銅平角導体を用いた。また、本発明に用いる2枚の絶縁テープ(3、3)としては、各テープの片面に熱融着性接着層(図示せず)を設けた厚さ0.08mm、幅25mmのポリエステルラミネートフィルムを用いた。次に、前記2枚の絶縁テープ(3、3)を長さ300mmに切断し、接着層面を互いに内側にして、この間に前記銅平角導体(2)の20本(図1では4本のみ示す)を絶縁テープ(3、3)の両端部から6mm露出させて接続端末部(導体露出部)(t、t)を設けた状態で、銅平角導体(2)を導体間隔(導体エッジと導体エッジの間隔)ピッチp=0.3mmの定間隔で並列配置した後、前記絶縁テープ(3、3)を加熱融着して一体化させた(加熱融着工程 f1)。次に前記接続端末部(t、t)の片面側で絶縁テープ(3)にかけて、比較的剛直性を有するポリエステル樹脂製の補強用フィルム(4、4)を、各フィルムの片面に塗布されている熱融着性接着剤(図示せず)を介して加熱融着させて、銅平角導体によるフラットケーブル体(1)を製造した(補強用フィルム貼付工程 f2)。
続いて前記導体露出部の各導体のニッケルめっき方法として、前記フラットケーブル体(1)を酸洗い槽にディップして脱脂(脱脂工程 f3)するとともに、接続端末部の銅導体(2a)を活性化させた(酸活性化工程 f4)後、塩化パラジウムと塩酸による水溶液中に25℃、5分間ディップさせ銅表面にパラジウムを析出させた(触媒付与工程 f5)。続いて、主成分が硫酸ニッケルと還元剤が次亜リン酸ナトリウムによる水溶液中に90℃、10分間ディップし2.0μm厚さのニッケルめっき皮膜(n)を、露出銅導体の表面上にのみ選択的に析出させ(無電解ニッケルめっき工程 f6)、ニッケルめっき平角導体露出部(2n)を形成し、本発明のフラットケーブル(1)を製造した。
本発明のフラットケーブルおよびその製造方法の第2実施例について図1、3を用いて説明する。
上記実施例1の無電解ニッケルめっき工程に続いて、前記ニッケルめっき平角導体露出部(2n)を形成したフラットケーブル(1)をシアン化金カリウムとシアン化カリウムからなる水溶液中に90℃、10分間ディップし0.1μm厚さの金めっき皮膜(k)を置換析出させ(置換金めっき工程 f7)、金めっき平角導体露出部(2k)を形成し、本発明のフラットケーブル(1)を製造した。
上記実施例1の無電解ニッケルめっき工程に続いて、前記ニッケルめっき平角導体露出部(2n)を形成したフラットケーブル(1)をシアン化金カリウムとシアン化カリウムからなる水溶液中に90℃、10分間ディップし0.1μm厚さの金めっき皮膜(k)を置換析出させ(置換金めっき工程 f7)、金めっき平角導体露出部(2k)を形成し、本発明のフラットケーブル(1)を製造した。
本発明のフラットケーブルおよびその製造方法の第3実施例について図1、2を用いて説明する。
上記実施例1の無電解ニッケルめっき工程に続いて、前記ニッケルめっき平角導体露出部(2n)に酸化防止保護剤として水溶性防錆剤(商品名:エバフィンG-800,荏原ユージライト社製)を塗布(図示せず)して防錆ニッケルめっき平角導体露出部(2s)を形成し、(酸化防止保護剤塗布工程 f8)本発明のフラットケーブル(1)を製造した。
上記実施例1の無電解ニッケルめっき工程に続いて、前記ニッケルめっき平角導体露出部(2n)に酸化防止保護剤として水溶性防錆剤(商品名:エバフィンG-800,荏原ユージライト社製)を塗布(図示せず)して防錆ニッケルめっき平角導体露出部(2s)を形成し、(酸化防止保護剤塗布工程 f8)本発明のフラットケーブル(1)を製造した。
―耐食性試験(湿潤試験)―
上記実施例1〜3により得られたフラットケーブルと、比較試料1として錫合金(Sn-Cu系)平角導体を用いて製造したフラットケーブル、比較試料2とし、銅平角導体を用いて製造したフラットケーブルを、JIS
K2246(さび止め油)の湿潤試験方法により300時間観察し、錆び発生までの時間をチェックした結果を下記表1に示す。
上記実施例1〜3により得られたフラットケーブルと、比較試料1として錫合金(Sn-Cu系)平角導体を用いて製造したフラットケーブル、比較試料2とし、銅平角導体を用いて製造したフラットケーブルを、JIS
K2246(さび止め油)の湿潤試験方法により300時間観察し、錆び発生までの時間をチェックした結果を下記表1に示す。
―耐ウィスカ性試験(ウィスカ発生試験)―
前記実施例1〜3および比較試料1、2のフラットケーブルの各5本を試料として用いウィスカ発生試験を行った。ウィスカ発生試験の方法は、特に図示はしないが、各試料を50℃の恒温槽に入れ、恒温槽に入れてから2000時間後に取り出して冷却後、各試料の導体露出部のめっき平角導体の表面を走査型電子顕微鏡を用い、倍率1000倍にて観察し、めっき表面のウィスカの有無を試験した。その試験結果を下記表2に示す。
前記実施例1〜3および比較試料1、2のフラットケーブルの各5本を試料として用いウィスカ発生試験を行った。ウィスカ発生試験の方法は、特に図示はしないが、各試料を50℃の恒温槽に入れ、恒温槽に入れてから2000時間後に取り出して冷却後、各試料の導体露出部のめっき平角導体の表面を走査型電子顕微鏡を用い、倍率1000倍にて観察し、めっき表面のウィスカの有無を試験した。その試験結果を下記表2に示す。
上記表1、表2の試験結果より明らかなように、本発明のフラットケーブルは、錫合金平角導体を用いたフラットケーブル同様に耐食性が良好であることが確認された。また、耐ウィスカ性については錫を一切使用していないことと、銅の表面にニッケルをめっきしているので、当該ニッケルが銅との拡散を防止するためウィスカ発生は勿論起こり得無いことが確認された。
本発明のフラットケーブルは、電子機器部品等の内部配線材として使用されるフラットケーブルとして、高品質、耐環境性、且つコストパフォーマンスを兼ね備えることが出来る。
1 フラットケーブル
2 平角導体(素線)(銅平角導体)
2k 金めっき平角導体露出部
2n ニッケルめっき平角導体露出部
2s 防錆ニッケルめっき平角導体露出部
3 絶縁テープ
4 補強用フィルム
k 金めっき皮膜
n ニッケルめっき皮膜
p 導体間隔ピッチ
t 接続端末部(導体露出部)
2 平角導体(素線)(銅平角導体)
2k 金めっき平角導体露出部
2n ニッケルめっき平角導体露出部
2s 防錆ニッケルめっき平角導体露出部
3 絶縁テープ
4 補強用フィルム
k 金めっき皮膜
n ニッケルめっき皮膜
p 導体間隔ピッチ
t 接続端末部(導体露出部)
Claims (6)
- 2枚の絶縁テープ間に複数本の平角導体(素線)を、一定間隔をもって並列配置し、両端部の導体を一定長さに渡って露出させ接続端末部(導体露出部)を設け、該接続端末部の片面側に前記絶縁テープにかけて補強用フィルムを貼り付けた構造のフラットケーブルに於いて、
前記平角導体(素線)が銅或いは銅合金からなり、また導体露出部の導体表面に、ニッケルまたはニッケル合金がめっきされて成ることを特徴とするフラットケーブル。 - 前記ニッケルまたはニッケル合金がめっきされた導体露出部の導体表面に、更に金がめっきされて成ることを特徴とするフラットケーブル。
- 前記ニッケルまたはニッケル合金がめっきされた導体露出部の導体表面に、更に酸化防止保護剤が塗布されて成ることを特徴とするフラットケーブル。
- 2枚の絶縁テープ間に銅或いは銅合金からなる複数本の平角導体(素線)を、一定間隔をもって並列配置して加熱融着し、両端部の導体を一定長さに渡って露出させ接続端末部(導体露出部)を設ける加熱融着工程と、前記接続端末部の片面側に、前記絶縁テープにかけて補強用フィルムを貼り付けてフラットケーブル体とする補強用フィルム貼付工程と、前記導体露出部の各導体を、脱脂工程、酸活性化工程、触媒付与工程、および無電解ニッケルめっき工程によりニッケルめっきすることを特徴とするフラットケーブルの製造方法。
- 請求項4記載の無電解ニッケルめっき工程に続いて、置換金めっき工程を設けたことを特徴とするフラットケーブルの製造方法。
- 請求項4記載の無電解ニッケルめっき工程に続いて、酸化防止保護剤塗布工程を設けたことを特徴とするフラットケーブルの製造方法。
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---|---|---|---|---|
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JP2014010898A (ja) * | 2012-06-27 | 2014-01-20 | Japan Aviation Electronics Industry Ltd | 接続部材 |
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2004
- 2004-09-22 JP JP2004274383A patent/JP2006092819A/ja active Pending
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