JP2006090432A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】 風力発電装置の様に、運転と停止とが不規則に繰り返され、しかも長期間に亙りメンテナンス作業を不要にする必要がある回転機械の回転支持部に組み込む玉軸受1の耐久性を、コスト上昇を抑えつつ、向上させられる構造を実現する。
【解決手段】 玉軸受1の内部に存在する環状空間10の両端開口部を塞ぐ1対のシールド板9、9の上部に、給油ノズル14から噴出する潤滑油15を取り入れる為の給油通路13を設ける。この給油ノズル14からの潤滑油の噴出停止時にも、上記環状空間10の下部に潤滑油15を貯溜する。長時間停止後再起動する際、上記給油ノズル14から潤滑油が噴出される以前にも、上記下部に存在する潤滑油15が上記玉軸受1の転がり接触部を潤滑し、ドライスタートによる、上記玉軸受1の耐久性低下を防止する。
【選択図】 図1

Description

この発明に係る転がり軸受は、例えば風力発電装置の様に、運転と停止とが不規則に繰り返され、しかも長期間に亙りメンテナンス作業を不要にする必要がある回転機械の回転支持部を構成する為に利用する。
近年、二酸化炭素の削減等により地球環境を改善する事を目的として、自然エネルギを利用する発電方法である風力発電が注目される様になっている。風力発電装置は、風の運動エネルギを利用してロータを回転させ、このロータの中心を結合した回転軸により、発電機を回転駆動するものである。この様な風力発電装置として従来から、特許文献1〜3に記載されたものが知られている。何れの風力発電装置の場合も、発電効率を確保する為に、ロータと発電機との間に変速機を設け、このロータの回転速度を増速した状態でこの発電機を回転駆動する様に構成している。又、風力発電装置は、鉄塔の上等の高所に設けられる為、回転支持部を潤滑する為の潤滑油を地上から供給する事は難しい。この為、特許文献2に記載されている様に、上記ロータの回転に伴う回転駆動力の一部を利用して給油ポンプを運転し、この給油ポンプから吐出された潤滑油を、上記回転支持部を構成する転がり軸受内に送り込む様にしている。
上述の様にして風力発電装置の回転支持部を構成する転がり軸受に潤滑油を送り込む場合、この風力発電装置が継続して運転されている限り、特に問題を生じる事はない。但し、風力発電装置のロータは、無風状態では回転せず、それに伴って上記給油ポンプも停止して、上記転がり軸受への給油も停止する。この状態が或る程度の時間継続した後、再び風が出て上記ロータが回転し始めた場合、起動直後は上記転がり軸受が無潤滑若しくはそれに近い状態で運転される事になる。この結果、上記転がり軸受の転がり疲れ寿命を初めとする耐久性の確保が難しくなる。上記風力発電装置は、上述の様に高所に設けられており、上記転がり軸受の交換等のメンテナンス作業を行ないにくい為、上述の様な原因でこの転がり軸受の耐久性が低下する事は好ましくない。
この様な事情に鑑みて、上記特許文献2には、ハウジングの一部で転がり軸受の外輪を内嵌固定した部分に堰を設け、給油ポンプからこの転がり軸受に供給された潤滑油をこの堰の内側に貯溜する構造が記載されている。この様な構造によれば、無風時に上記給油ポンプが停止した状態であっても、上記転がり軸受の下部は潤滑油に浸漬されたままとなる為、上記ロータが回転し始めた直後から、この転がり軸受が潤滑される。この結果、この転がり軸受の耐久性が確保される。但し、上述の様にハウジングの側に堰を設ける構造の場合には、このハウジングの側の構造を変更しなければならず、このハウジングの製造コストが嵩む事が避けられない。特に、風力発電装置のハウジングは、大型の鋳造品とする場合が多く、形状も複雑である。そして、既存の構造に更に上記堰を設ける事は、コストが嵩む金型の変更が必要になる為、好ましくない。しかも、この堰を設ける事により、上記ハウジングのうちで上記転がり軸受の外輪を内嵌固定する部分の内径寸法を仕上げる作業や、更にはこの部分にこの外輪を内嵌する作業も面倒になる。
又、本発明に関連する技術を記載した刊行物として、特許文献4、5がある。これら特許文献4、5には、転がり軸受ユニットに組み込んで転動体を設置した環状空間の軸方向両端開口部を塞ぐ接触式のシールリングの一部にフィルタを設け、このフィルタを通じて上記環状空間内に潤滑油を送り込む構造が記載されている。この様な特許文献4、5に記載された構造の場合、フィルタがシールリングの外径寄り部分に設けられている等、このフィルタを通じて上記環状空間内に入り込んだ潤滑油をこの環状空間の下部に貯溜しておく事に就いては考慮していない。従って、上記特許文献4、5に記載された転がり軸受を風力発電装置の回転支持部に組み込んでも、この転がり軸受の耐久性を十分に確保する事は難しい。
特開平2−157483号公報 特開平10−96463号公報 特開2002−221263号公報 特開平6−323335号公報 特開2002−250354号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、風力発電装置の様に、運転と停止とが不規則に繰り返され、しかも長期間に亙りメンテナンス作業を不要にする必要がある回転機械の回転支持部に組み込む転がり軸受の耐久性を、コスト上昇を抑えつつ、向上させられる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の転がり軸受は、従来から一般的に知られている転がり軸受と同様に、内輪と、外輪と、複数個の転動体と、1対のシール部材とを備える。
このうちの内輪は、外周面に内輪軌道を有する。
又、上記外輪は、内周面に外輪軌道を有する。
又、上記各転動体は、上記内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられている。
又、上記両シール部材は、上記内輪の外周面と上記外輪の内周面との間でこれら各転動体を設置した環状空間の軸方向両端開口部を塞ぐ。
特に、本発明の転がり軸受に於いては、これら両シール部材のうちの少なくとも下部は上記外輪に対し、これら両シール部材とこの外輪との当接部の油密を保持した状態で支持されている。
そして、これら両シール部材のうちの少なくとも一方のシール部材の一部で当該シール部材の下部以外の部分に、外部から上記環状空間内への潤滑油の送り込みを可能とする給油通路を設けている。
上述の様に構成する本発明の場合、外輪の内周面と1対のシール部材の内側面との間に存在する環状空間の下部に、常に潤滑油が溜まった状態となる。そして、転がり軸受を組み込んだ回転機械が起動すると、起動直後からこの潤滑油が、各転動体の転動面と内輪軌道及び外輪軌道との転がり接触部を潤滑する。この為、上記転がり軸受の耐久性が確保される。又、本発明の転がり軸受を組み付ける為のハウジングや軸等の形状及び寸法は、通常の転がり軸受を組み付ける為のハウジングや軸の形状及び寸法と同じで良い。従って、これらハウジングや軸の加工が面倒になる事はなく、上記転がり軸受の耐久性を向上させる事に伴うコスト上昇を抑えられる。
本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様に、給油通路を、シール部材の上部で、このシール部材に対向した状態で設けられる給油ノズルから噴出される潤滑油が通過する位置に設ける。
この様に構成すれば、転がり軸受ユニットを構成する内輪の外周面と外輪の内周面との間で各転動体を設置した環状空間内に潤滑油を、効率良く送り込める。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した様に、給油通路を設けたシール部材を、外周縁部を外輪の軸方向端部内周面に形成された係止溝に係止させると共に、内周縁部を内輪の軸方向両端部外周面に近接対向させるシールドリングとする。
或は、請求項4に記載した様に、内輪の軸方向寸法を外輪の軸方向寸法よりも大きくし、円環状のシール部材を、この外輪の軸方向端面に重ね合わせる。このシール部材の外周縁は単一円弧状で、その直径は上記外輪の内径よりも大きくし、同じく内周縁は非単一円弧状で、径方向に関する外周縁から内周縁迄の距離が、少なくとも上部で小さく、少なくとも下半部で大きくする。そして、上記シール部材の内周縁部の少なくとも下半部と上記内輪の軸方向端部外周面とを近接対向させると共に、この内周縁部の少なくとも上部とこの内輪の軸方向端部外周面との間に給油通路となる隙間を形成する。
この様な請求項4に記載した発明に関するより具体的な構造としては、例えば、上記シール部材の内周縁を段付円弧状とし、下半部と上半部とが上記外周縁と同心で曲率半径を互いに異ならせる。このうちの下半部の曲率半径は、上記内輪の外周面の曲率半径よりも大きく上記外輪の内周面の曲率半径よりも小さくし、上半部の曲率半径は上記下半部の曲率半径よりも大きくする。そして、上記シール部材の内周縁部の下半部と上記内輪の軸方向端部外周面とを近接対向させると共に、この内周縁部の上半部とこの内輪の軸方向端部外周面との間に給油通路となる隙間を形成する。
或は、上記シール部材の内周縁を、上部の部分円弧部の両端と下部の部分円弧部の両端とを、互いに平行な1対の直線部により連続させた小判形とすると共に、この小判形の中心を、上記シール部材の外周縁の中心よりも上方に位置させる。具体的には、上記下部の部分円弧部の中心を外周縁の中心と一致させ、上記上部の部分円弧部の中心をこの外周縁の中心よりも上方に位置させる。そして、上記下部の部分円弧部と上記内輪の軸方向端部外周面とを近接対向させると共に、上記上部の部分円弧部とこの内輪の軸方向端部外周面との間に給油通路となる隙間を形成する。
或は、上記シール部材の内周縁を、上部に存在する曲率半径が小さい小部分円弧部の両端と、下部に存在する曲率半径が大きい大部分円弧部の両端とを、互いに非平行な1対の連続部により連続させた達磨形とすると共に、この達磨形の中心を、上記シール部材の外周縁の中心よりも上方に位置させる。具体的には、上記大部分円弧部の中心を外周縁の中心と一致させ、上記小部分円弧部の中心をこの外周縁の中心よりも上方に位置させる。そして、上記大部分円弧部と上記内輪の軸方向端部外周面とを近接対向させると共に、上記小部分円弧部とこの内輪の軸方向端部外周面との間に給油通路となる隙間を形成する。
この様な構成を採用すれば、転がり軸受の回転抵抗が小さく、しかも、上記環状空間の下部に適正量の潤滑油を貯溜できる構造を容易に構成できる。
更に、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した様に、給油通路に、この給油通路を通過する潤滑油中に混入した異物を捕集する為のフィルタを張設する。
この様に構成すれば、上記環状空間の下部に、異物が混入した潤滑油が貯溜される事を防止して、転がり軸受の耐久性確保の面から有利である。
特に、上記環状空間の下部に貯溜された潤滑油中に比重の大きな異物が入り込むと、そのままこの下部に止まり、各転動体の転動面と内輪軌道及び外輪軌道との転がり接触部に圧痕等の損傷を生じ易くなる。これに対し、上記フィルタを設けて上記環状空間の下部に貯溜された潤滑油中に異物が入り込まない様にすれば、上記損傷の発生を防止する面から有利である。
図1〜2は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施例1を示している。本実施例は、深溝型の単列玉軸受に本発明を適用した場合に就いて示している。転がり軸受である玉軸受1は、互いに同心に配置された内輪2と外輪3とを有する。そして、これら内輪2の外周面と外輪3の内周面とに、それぞれ全周に亙って設けられた深溝型の内輪軌道4と外輪軌道5との間に、それぞれが転動体である複数個の玉6、6を、保持器7により保持した状態で転動自在に設けている。更に、上記外輪3の両端部内周面に形成した係止溝8、8に、それぞれがシール部材であるシールド板9、9の外周縁部を係止している。そして、これら両シールド板9、9により、上記内輪2の外周面と上記外輪3の内周面との間で上記各玉6、6を設置した環状空間10の軸方向両端開口部を塞いでいる。
本実施例の場合に上記両シールド板9、9は、金属板を曲げ形成する事により、欠円環状(C字形)に形成している。これら両シールド板9、9は、それぞれの外周縁部に形成した折り返し部11、11を上記両係止溝8、8にかしめ付ける事により、上記外輪3の軸方向両端部内周面に、これら両係止溝8、8に対するかしめ付け部の油密を保持した状態で(これら両係止溝8、8の内面と上記両折り返し部11、11の外面との当接部に、これら両面同士が隙間なく当接するシール線を周方向に連続して存在させた状態で)係止している。この状態で、上記両シールド板9、9の内周縁は、上記内輪2の軸方向両端部外周面に近接対向している。又、上記外輪3の周方向に関する、上記両シールド板9、9の不連続部12の位相を互いに一致させている。これら両シールド板9、9の不連続部12は、上記玉軸受1を風力発電装置の回転軸をほぼ水平に支持する回転支持部に組み込んだ状態で、外部から上記環状空間10内への潤滑油の送り込みを可能とする給油通路13となる。
上述の様な玉軸受1は、上記両シールド板9、9の不連続部12(給油通路13)を上部に位置させた状態で、上記風力発電装置の回転支持部に組み込む。即ち、上記外輪3を図示しないハウジングに内嵌固定すると共に、上記内輪2をやはり図示しない回転軸に外嵌固定する。このハウジングと上記外輪3との間には、締め代を介在させる等により、この外輪3がこのハウジングに対し回転しない様にする。又、このハウジング内で上記玉軸受1に隣接する部分に、給油ノズル14を設ける。この給油ノズル14には、風力発電装置を構成するロータの回転に伴って駆動される給油ポンプから潤滑油が送り込まれる。そして上記給油ノズル14は、この潤滑油を、図1の矢印α方向に噴出し、上記給油通路13を通じて上記環状空間10内に送り込む。
上記給油ノズル14から噴出して上記環状空間10内に送り込まれた潤滑油15は、この環状空間10の下部に溜まった状態となる。そして、この下部に溜った潤滑油15は、風が止んで上記ロータが停止し、上記給油ノズル14からの潤滑油の噴出が行なわれなくなった後も、そのままの位置に留る。この状態では、上記玉軸受1の内輪2も停止するが、この玉軸受1を構成する前記各玉6、6のうちで下部に位置する玉6の上下方向中間部乃至下半部は、上記潤滑油15中に漬かったままとなる。そして、再び風が吹いて上記ロータが動き出し、上記内輪2が回転し始めると、回転開始直後から上記潤滑油15が、上記各玉6、6の転動面と前記内輪軌道4及び外輪軌道5との転がり接触部を潤滑する。この為、上記玉軸受1の耐久性が確保される。
即ち、上記ロータが回転し始めてから、上記給油ポンプから吐出された潤滑油の油圧が上昇し、上記給油ノズル14から潤滑油が噴出するまでには、多少の時間を要する。従って、この給油ノズル14から噴出される潤滑油のみで上記玉軸受1の潤滑を行なうと、上記ロータが長時間停止した後に回転を開始した直後は、この玉軸受1が無潤滑のまま起動する、所謂ドライスタートの状態となる。この様なドライスタートが繰り返し行なわれると、上記玉軸受1を構成する上記各玉6、6の転動面、内輪軌道4、外輪軌道5の転がり疲れ寿命が低下する。これに対して本実施例の場合には、上記環状空間10の下部に溜った潤滑油15が、上記玉軸受1の起動再開直後から上記各玉6、6の転動面に付着してこの玉軸受1の全体に送られ、上記転がり接触部を潤滑する。この結果、上記ドライスタートの状態をほぼなくして、上記転がり疲れ寿命の低下を防止できる。又、低風速時に、上記給油ノズル14からの潤滑油噴出が行なわれずに上記玉軸受1(の内輪2)が低速で回転する様な場合にも、上記転がり接触部に必要とする潤滑油を送り込んで、上記転がり疲れ寿命の低下を防止する。
尚、前記両シールド板9、9の内周縁と前記内輪2の両端部外周面との間には隙間が存在する為、上記給油ノズル14から上記環状空間10内に送り込まれた潤滑油15のうちの過剰分は、上記隙間から外部に流失する。従って、上記給油ノズル14からの潤滑油の噴出を停止した状態で上記環状空間10内には、図1〜2に示した以上の潤滑油15が滞留する事はない。この為、この環状空間10内に過剰の潤滑油15が滞留して上記玉軸受1の回転抵抗が過大になる事はない。又、この環状空間10の下部に存在する潤滑油15は、上記ロータの回転時に、上記各玉6、6の公転運動に伴って攪拌され、上記給油ノズル14から供給される分と入れ換わる。従って、上記環状空間10の下部に存在する潤滑油15が長期間入れ換わらずに早期に劣化する事はない。尚、上記ロータの停止時に上記環状空間10の下部に溜ったままとなる潤滑油15の量を調整する為に、何れかのシールド板9の下部寄り部分に小孔(ピンホール)或はスリットを形成する事もできる。
又、上記玉軸受1を組み付ける為のハウジングや軸等の形状及び寸法は、通常の玉軸受を組み付ける為のハウジングや軸の形状及び寸法と同じで良い。従って、これらハウジングや軸の加工が面倒になる事はなく、上記玉軸受1の耐久性を向上させる事に伴うコスト上昇を抑えられる。
図3は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施例2を示している。本実施例の場合には、シールド板9aの上部に通孔16を形成し、この通孔16を、玉軸受1の内部に潤滑油15を取り込む為の給油通路13aとしている。給油通路13aを設ける為に、上記シールド板9aに、不連続部12(図1〜2参照)に代えて通孔16を形成した点以外の構成及び作用は、上述した実施例1の場合と同様である。尚、この通孔16の形状は、図示の様な楕円形に限らず、給油ノズル14(図1参照)から噴出される潤滑油を取り込める形状であれば、任意の形状を選択できる。
図4〜5は、請求項1、2、4に対応する、本発明の実施例3を示している。本実施例の場合には、内輪2の軸方向寸法L2 を外輪3aの軸方向寸法L3aよりも大きく(L2 >L3a)している。そして、1対のシール部材17、17を、この外輪3aの軸方向両端面に重ね合わせている。これら両シール部材17、17は、図5の(A)に示す様な円環状で、単一円弧状の外周縁と、段付円弧状の内周縁とを有する。このうちの外周縁の直径は、上記外輪3aの内径よりも大きく(好ましくはこの外輪3aの外径と同じかこの外径よりも僅かに小さく)、全周に亙り均一である。又、上記内周縁の下半部18と上半部19とは、上記外周縁と同心で曲率半径R18、R19が互いに異なる。このうちの下半部18の曲率半径R18は、上記内輪2の外周面の曲率半径R2 よりも僅かに大きく、上記外輪3aの内周面の曲率半径R3aよりも十分に小さく(R2 <R18≪R3a)している。これに対して、上記上半部19の曲率半径R19は、上記下半部18の曲率半径R18よりも十分に大きく(R19≫R18)している。
上述の様な1対のシール部材17、17は、図4に示す様に、上記外輪3aを軸方向両側から挟持する状態でこの外輪3aと重ね合わせ、図示しないハウジングに組み付ける。又、上記内輪2を、図示しない回転軸に外嵌固定する。尚、上記両シール部材17、17と上記外輪3aとの重ね合わせ部にはOリング20、20を装着して、この重ね合わせ面から潤滑油15が漏れ出す事を防止する。本実施例の玉軸受1aを上述の様にハウジングと回転軸との間に組み付けた状態で、上記両シール部材17、17の内周縁の下半部18、18と上記内輪2の軸方向端部外周面とが近接対向した状態となる。同時に、上記内周縁の上半部19、19と上記内輪2の軸方向端部外周面との間に、給油通路13bとなる隙間が形成される。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施例1と同様であるから、重複する説明は省略する。
尚、請求項1、2、4に対応する構造を実現する為のシール部材の形状としては、上述した図5の(A)に示したものの他、図5の(B)(C)に示す様な形状も採用できる。このうちの(B)に示した形状は、シール部材17aの内周縁を、上部の部分円弧部22aの両端と下部の部分円弧部22bの両端とを、互いに平行な1対の直線部23、23により連続させた小判形とすると共に、この小判形の中心を、上記シール部材17aの外周縁の中心よりも上方に位置させる。具体的には、上記下部の部分円弧部22bの中心を外周縁の中心と一致させ、上記上部の部分円弧部22aの中心をこの外周縁の中心よりも上方に位置させる。そして、上記下部の部分円弧部22bと内輪2(図4参照)の軸方向端部外周面とを近接対向させると共に、上記上部の部分円弧部22aと上記内輪2の軸方向端部外周面との間に給油通路となる隙間を形成する。尚、上記直線部23、23に代えて、径方向外側に向けて凸となった、上記両部分円弧部22a、22bよりも曲率半径が大きな曲線部を形成する事もできる。
又、図5の(C)に示した形状は、シール部材17bの内周縁を、上部に存在する曲率半径が小さい小部分円弧部24の両端と、下部に存在する曲率半径が大きい大部分円弧部25の両端とを、互いに非平行な1対の連続部26、26により連続させた達磨形としたものである。この達磨形の中心は、上記シール部材17bの外周縁の中心よりも上方に位置させる。具体的には、上記大部分円弧部25の中心を外周縁の中心と一致させ、上記小部分円弧部24の中心をこの外周縁の中心よりも上方に位置させる。そして、上記大部分円弧部25と内輪2(図4参照)の軸方向端部外周面とを近接対向させると共に、上記小部分円弧部24とこの内輪2の軸方向端部外周面との間に給油通路となる隙間を形成する。
図6は、請求項1、2、5に対応する、本発明の実施例4を示している。本実施例の場合には、給油通路13cにフィルタ21を張設して、この給油通路13cを通過する潤滑油中に混入した異物を捕集する様にしている。
本実施例の場合には、上記フィルタ21を設ける事により、玉軸受1(1a)内の環状空間10(図1、4参照)の下部に、異物が混入した潤滑油が貯溜される事を防止して、この玉軸受1(1a)の耐久性確保の向上を図っている。
尚、フィルタを設ける事で耐久性向上を図る構造は、先の述べた実施例1〜3の構造と組み合わせて実施する事もできる。
本発明の実施例1を示す、図2のA−A断面図。 図1の側方から見た図。 本発明の実施例2を示す、図2と同様の図。 同実施例3を示す断面図。 実施例3に組み込む3例のシール部材を取り出して図4の側方から見た図。 本発明の実施例4を示す、図2と同様の図。
符号の説明
1、1a 玉軸受
2 内輪
3、3a 外輪
4 内輪軌道
5 外輪軌道
6 玉
7 保持器
8 係止溝
9、9a シールド板
10 環状空間
11 折り返し部
12 不連続部
13、13a、13b、13c 給油通路
14 給油ノズル
15 潤滑油
16 通孔
17、17a、17b シール部材
18 下半部
19 上半部
20 Oリング
21 フィルタ
22a、22b 部分円弧部
23 直線部
24 小部分円弧部
25 大部分円弧部
26 連続部

Claims (5)

  1. 外周面に内輪軌道を有する内輪と、内周面に外輪軌道を有する外輪と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、上記内輪の外周面と上記外輪の内周面との間でこれら各転動体を設置した環状空間の軸方向両端開口部を塞ぐ1対のシール部材とを備えた転がり軸受に於いて、これら両シール部材のうちの少なくとも下部は上記外輪に対し、これら両シール部材とこの外輪との間の油密を保持した状態で支持されており、これら両シール部材のうちの少なくとも一方のシール部材の一部で当該シール部材の下部以外の部分に、外部から上記環状空間内への潤滑油の送り込みを可能とする給油通路を設けている事を特徴とする転がり軸受。
  2. 給油通路が、シール部材の上部で、このシール部材に対向した状態で設けられる給油ノズルから噴出される潤滑油が通過する位置に設けられている、請求項1に記載した転がり軸受。
  3. 給油通路を設けたシール部材が、外周縁部を外輪の軸方向端部内周面に形成された係止溝に係止されると共に、内周縁部を内輪の軸方向両端部外周面に近接対向させるシールドリングである、請求項1〜2の何れかに記載した転がり軸受。
  4. 内輪の軸方向寸法が外輪の軸方向寸法よりも大きく、円環状のシール部材がこの外輪の軸方向端面に重ね合わされており、このシール部材の外周縁は単一円弧状で、その直径は上記外輪の内径よりも大きく、同じく内周縁は非単一円弧状で、径方向に関する外周縁から内周縁迄の距離が、少なくとも上部で小さく、少なくとも下半部で大きく、上記シール部材の内周縁部の少なくとも下半部と上記内輪の軸方向端部外周面とが近接対向すると共に、この内周縁部の少なくとも上部とこの内輪の軸方向端部外周面との間に給油通路となる隙間が形成されている、請求項1〜2の何れかに記載した転がり軸受。
  5. 給油通路に、この給油通路を通過する潤滑油中に混入した異物を捕集する為のフィルタを張設した、請求項1〜4の何れかに記載した転がり軸受。
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