JP2006089827A - 有機金属原料供給方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 払い出される有機金属の量を安定させる有機金属原料供給方法及びその装置を提供する。
【解決手段】 冷媒4を満たした恒温槽5内に浸漬した容器1中に液体または固体の有機金属3を収納し、前記容器1内にガスを導入することでそのガスと共に前記有機金属3を蒸気として前記容器1から払い出す有機金属供給方法において、前記容器1に振動を与えて前記有機金属の析出を防止することで、払い出される有機金属の量を安定させる。
【選択図】 図1
【解決手段】 冷媒4を満たした恒温槽5内に浸漬した容器1中に液体または固体の有機金属3を収納し、前記容器1内にガスを導入することでそのガスと共に前記有機金属3を蒸気として前記容器1から払い出す有機金属供給方法において、前記容器1に振動を与えて前記有機金属の析出を防止することで、払い出される有機金属の量を安定させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、バブリングにより有機金属を蒸気として払い出す有機金属原料供給方法及びその装置に係り、払い出される有機金属の量を安定させる有機金属原料供給方法及びその装置に関する。
一般にAlGaInPなどの化合物半導体の薄膜結晶を有機金属気相成長法(MOCVD法)で結晶基板上にエピタキシャル成長させるには、反応炉内で加熱状態にある結晶基板にトリメチルガリウム(TMG)やトリメチルインジウム(TMI)などの有機金属の蒸気とホスフィンなどのガスを含んだキャリアガスを送り込み、これらの原料ガスを結晶基板上で熱分解させることによって行われる。
有機金属は室温で液体または固体であり、空気と反応して発火する性質を有する。このため、有機金属は専用の容器に収納し、その容器から蒸気を取り出して利用している。
図3に、従来の有機金属原料供給装置を示す。有機金属の収納容器1はステンレス製で、それぞれにストップバルブ2を有する入口側と出口側の2本のガス配管11,12が接続されている。入口側の配管11は容器1内の有機金属3中にまで伸びており、この配管11に水素ガスや窒素ガスなどを通じると、ガスは有機金属3中で気泡を生じ、有機金属3の蒸発を助ける。このような手法をバブリングという。蒸気となった有機金属は、容器1内に導入されたガスとともに出口側の配管12を通じて容器1外に導かれ、図示しない反応炉内へと供給される。
MOCVD法でIII−V族化合物半導体の薄膜結晶を成長させる場合、薄膜の成長速度は、V族原料よりもIII族原料である有機金属の供給量で律速(依存して速度が決まること)される。このため、結晶性のよい薄膜を均一な厚さや組成に成長させるには、原料である有機金属が反応炉内へ安定して供給されること、すなわち有機金属の蒸気圧が安定していることが重要である。そこで、有機金属3を収納した容器1は冷媒4を満たした恒温槽5中に設置され、有機金属3の温度が常に一定になるように管理されている。恒温槽5の温度は冷媒4中に設置した熱電対6により測定され、温度制御装置7を通じて恒温槽5へフィ−ドバックされる。有機金属3の温度は、冷媒4の温度と同じとみなされ、その蒸気圧も冷媒4の温度をもとに計算されるのが普通である。
有機金属原料であるトリメチルインジウム(TMI)は、蒸気圧が低いために大量の蒸気を取り出す際は、容器1を浸漬している恒温槽5の冷媒温度を高くしたり、バブリング量(ガスの導入量)を増やすなどの手段をとっている。しかしTMI蒸気は再結晶化し易い性質を持ち、バブリングを繰り返すと容器1の内壁に徐々にTMIの結晶が析出していく。図3には、容器1の内壁に付着した結晶10が示されている。このようにTMIの析出が進行すると、バブリングを行っても安定に蒸気を取り出せず、供給量が不安定となってしまう。このように原料供給が不安定となると薄膜結晶を作製する際に均一な結晶を成長するのが非常に困難となる。
このように、従来技術においては、TMIが再結晶化し容器の内壁へ析出してしまうため安定した原料を供給するのが困難である。安定に原料が供給できないということは、エピタキシャル層の膜厚や組成がばらつくなどの悪影響を及ぼす。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、払い出される有機金属の量を安定させる有機金属原料供給方法及びその装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の方法は、冷媒を満たした恒温槽内に浸漬した容器中に液体または固体の有機金属を収納し、前記容器内にガスを導入することでそのガスと共に前記有機金属を蒸気として前記容器から払い出す有機金属供給方法において、前記容器に振動を与えて前記有機金属の析出を防止するものである。
前記容器に超音波を照射することで前記容器に振動を与えてもよい。
また、本発明の装置は、冷媒を満たした恒温槽と、その恒温槽内に浸漬され液体または固体の有機金属を収納した容器と、その容器内にガスを導入する導入配管と、そのガスと共に前記有機金属を蒸気として前記容器から払い出す払い出し配管とを備えた有機金属原料供給装置において、前記容器に振動を与えて前記有機金属の析出を防止する振動付与手段を設けたものである。
前記振動付与手段は、前記容器に超音波を照射することで前記容器に振動を与える超音波発生器であってもよい。
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
(1)容器に振動を与えて有機金属の析出を防止するので、払い出される有機金属の量を安定させることができる。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1に示されるように、本発明に係る有機金属原料供給装置は、冷媒4を満たした恒温槽5と、その恒温槽5内の冷媒4に浸漬され液体または固体の有機金属3を収納した容器1と、その容器1内にガスを導入する導入配管11と、そのガスと共に前記有機金属を蒸気として前記容器1から払い出す払い出し配管12とを備えた有機金属原料供給装置において、前記容器1に振動を与えて前記有機金属の析出を防止する振動付与手段8を設けたものである。
振動付与手段8は、例えば、超音波発生器であり、容器1に向けて超音波を照射することで前記容器1に振動を与えるようになっている。
振動付与手段8は、恒温槽5の内部あるいは外部に設けられ、常に容器1に振動を与えるようになっている。
図1の有機金属原料供給装置は、振動付与手段8以外の構成は図3に示した従来技術と同じであり、冷媒4の温度を検出する熱電対6、この検出温度を恒温槽5にフィードバックする温度制御装置7も従来同様に設けられている。
図1の有機金属原料供給装置の動作を説明する。
バブリングの動作については従来技術と同様である。このバブリングの実施中に、振動付与手段(ここでは超音波発生器とする)8が容器1に向けて超音波を照射すると、この超音波は冷媒4中を伝搬して容器1に当たる。容器1は超音波によって振動する。本出願人は、実験を行った結果、この振動により有機金属の析出が防止されることを発見した。
このように、本発明の要点は、再結晶化した有機金属3が容器1の内壁へ付着するのを未然に防ぐために、容器1に軽い振動を常に与えておくことにある。この振動によって有機金属の析出が防止されるので、有機金属原料の蒸気圧を常に一定に保つことができ、反応炉内に供給される原料供給を安定させることができる。
図3に示した従来技術の有機金属原料供給装置と図1に示した本発明の有機金属原料供給装置とを用いて、長期的な原料の供給安定性を調査した。使用した有機金属はTMIである。
恒温槽5の温度を40℃に保ち、水素を毎分1000cm3で容器1に送り込みバブリングを行った。払い出し配管12に濃度計(図示せず)を設置し、払い出し配管12に出てきたガスのTMI濃度を濃度計にて測定した。その結果を図2に示す。
図2に示されるように、従来技術の有機金属原料供給装置ではTMIの初期の充填量350gにおけるTMI濃度に対し、TMIの残量が150gになるまでは本発明と同様にTMI濃度を維持しているが、TMIの残量が150gとなったところからTMI濃度が落ち始めてくる。これに対し本発明の有機金属原料供給装置では、TMIの残量が50gとなってもTMI濃度が初期の充填量350gにおけるTMI濃度と変わらず、非常に安定してTMIを供給可能であることがわかった。
図3に示した従来技術の有機金属原料供給装置と図1に示した本発明の有機金属原料供給装置とを用いて、MOCVD法でGaInP薄膜結晶をエピタキシャル成長させた場合に、成長速度(膜厚÷成長時間)の再現性を調査した。従来技術ではTMIの残量が少なくなってくるにつれ徐々に成長速度が落ちてくるが、本発明を用いた場合はTMIの残量が少なくなっても非常に成長速度は安定していた。
本発明では恒温槽5に振動付与手段8を設けたが、容器1に振動付与手段8を設けても同様の効果が得られる。また、振動付与手段8として超音波発生器を用い、超音波によって振動を付与したが、超音波以外の振動を付与してもよく、有機金属の析出を防止することができれば、振動の種類(周波数や振幅)は問わない。
以上説明したように、本発明を用いることにより再結晶化しやすいTMI原料を常に安定して供給することが可能となる。従って、本発明を用いてMOCVD法により半導体薄膜結晶を作製した場合、半導体結晶の特性(膜厚や組成等)が長期的に安定となる。
また、本発明を用いることにより、容器1内の有機金属3が初期の充填量からかなり減ってきても、払い出される有機金属の量が変動しないので、有機金属3を効率よく使用可能となる。
本発明は有機金属を用いたMOCVD法やMBE法などの半導体薄膜結晶成長法に用いられる。
1 容器
2 ストップバルブ
3 有機金属
4 冷媒
5 恒温槽
6 熱電対
7 温度制御装置
8 振動付与手段(超音波発生器)
2 ストップバルブ
3 有機金属
4 冷媒
5 恒温槽
6 熱電対
7 温度制御装置
8 振動付与手段(超音波発生器)
Claims (4)
- 冷媒を満たした恒温槽内に浸漬した容器中に液体または固体の有機金属を収納し、前記容器内にガスを導入することでそのガスと共に前記有機金属を蒸気として前記容器から払い出す有機金属供給方法において、前記容器に振動を与えて前記有機金属の析出を防止することを特徴とする有機金属原料供給方法。
- 前記容器に超音波を照射することで前記容器に振動を与えることを特徴とする請求項1記載の有機金属原料供給方法。
- 冷媒を満たした恒温槽と、その恒温槽内に浸漬され液体または固体の有機金属を収納した容器と、その容器内にガスを導入する導入配管と、そのガスと共に前記有機金属を蒸気として前記容器から払い出す払い出し配管とを備えた有機金属原料供給装置において、前記容器に振動を与えて前記有機金属の析出を防止する振動付与手段を設けたことを特徴とする有機金属原料供給装置。
- 前記振動付与手段は、前記容器に超音波を照射することで前記容器に振動を与える超音波発生器であることを特徴とする請求項3記載の有機金属原料供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004279136A JP2006089827A (ja) | 2004-09-27 | 2004-09-27 | 有機金属原料供給方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004279136A JP2006089827A (ja) | 2004-09-27 | 2004-09-27 | 有機金属原料供給方法及びその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006089827A true JP2006089827A (ja) | 2006-04-06 |
Family
ID=36231080
Family Applications (1)
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JP2004279136A Pending JP2006089827A (ja) | 2004-09-27 | 2004-09-27 | 有機金属原料供給方法及びその装置 |
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JP (1) | JP2006089827A (ja) |
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2004
- 2004-09-27 JP JP2004279136A patent/JP2006089827A/ja active Pending
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