JP2006089305A - 炭素質原料の改質方法及び改質装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】原料の選択性を高め、軽質炭化水素だけでなく、灯油、軽油等の高分子の液体化石燃料及び木質系のバイオマス原料を含む炭素質原料全般に渡り、広く適用可能となる改質方法及びその装置を提供することを目的とする。特に、設備の設置場所に関わらず、入手が容易な灯油を原料とし得る改質方法及びその装置を提供することである。
【解決手段】ガス化した炭素質原料と水蒸気からなる原料ガスを、常圧で加熱して改質ガスを生成させる改質装置2であって、この改質装置2は、耐火製の内壁22と、該内壁22の開口部に配設された回転式の蓄熱体26により主体が構成され、前記内壁22には、その内部を改質室24と燃焼室25に区画する隔壁23が配置されるとともに、該改質室24と燃焼室25に、内部圧力を計測するための圧力ノズル244、255が各々設けられたことを特徴とする炭素質原料の改質装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガス化した炭素質原料と水蒸気を反応させて、水素、一酸化炭素を含む改質ガスを生成する改質方法及び改質装置に関するものである。
水素及び一酸化炭素は、現在、化学品合成工業の主原料として重要な役割を担っている。また、水素は2次エネルギーの主役である電気エネルギーの欠点を補完するエネルギー源として、燃料電池、水素内燃機関の開発が急ピッチで進められており、今後更なる活用が見込まれている。
水素エネルギー利用技術の開発が進む一方で、水素を貯蔵・供給するインフラ整備が現状の課題とされており、大規模な水素製造プラントで製造した水素を容器に充填し、輸送・供給する従来型の手法だけでなく、水素の使用場所において必要量の水素を製造・供給できる小型で簡便なオンサイト型の水素製造装置の必要性が高まっている。
図6は、この目的で提供される特許文献1の「水素製造装置」で開発された従来技術のオンサイト型水素製造装置の構成を示す概略フローを示す図である。
図6において、SRは改質装置であり、互いに区画された図示しない加熱部及び、改質部が内部に設けられるとともに、改質部には原料改質用の触媒が担持されている。MCは原料炭化水素である。
AHは空気予熱器であって、前記加熱部を過熱する図示しないバーナに供給される、コンプレッサーACで昇圧された燃焼用空気AGと後述のオフガスOGを予熱・昇温している。
原料予熱器PHは、送入される原料炭化水素MCを予熱するとともに、この原料炭化水素MCが脱硫器DZで脱硫されてから、エゼクターEZでボイラPBより供給される水蒸気と混合されて原料ガスMGとされたのちに、再度加熱を行っている。なお、WAはボイラPBに供給される水である。
水素精製装置PAは、改質装置SRに送入された原料ガスMGが、水蒸気改質反応により改質された改質ガスRGを、一酸化炭素変成器CMでの転化工程と1次冷却器CFにおける冷却工程を経て、KOドラムKDで凝縮液を分離したのちに、圧縮機CPと2次冷却器CSにより調圧・調温して供給することにより、PSA(Pressure Swing Adsorption )法による高純度水素精製を行い、製品水素HGが回収されるよう構成されている。
次に、このように構成された従来技術のオンサイト型水素製造装置の改質装置SRにおける原料水素の改質方法について説明する。
原料予熱器PHで予熱されたのちに脱硫器DZにおいて高次脱硫された、例えば都市ガスやブタン等の原料炭化水素は、水蒸気と混合された原料ガスMGとして、原料予熱器PHで加熱されてから改質装置SR内の改質部に送入される。
また、別途供給される原料炭化水素MCを燃料に前記燃焼部のバーナを点火・燃焼させて燃焼ガスEGを発生させ、改質装置SR内の燃焼部を所定温度に加熱保持する。
燃焼部と区画された改質部では、前記燃焼ガスEGが保有する熱量の間接伝熱により内部の触媒層が加熱され、原料ガスMGの水蒸気改質反応に必要な温度(触媒層出口で600〜800℃)を保つことにより、原料ガスMGの改質を進行させて水素リッチな改質ガスRGが生成される。
改質装置SRの改質部で生成された改質ガスRGは、下流の一酸化炭素変成器CMに送入されて一酸化炭素転化により水素濃度が高められたのち、水素精製設備PAにおいて高純度の製品水素HGが精製される。
なお、水素精製装置PAで水素が分離された残余の可燃性ガスであるオフガスOGは、オフガスドラムODを経由して空気予熱器AHで昇温されたのち、前記バーナの燃料の一部として利用される。
特開平11−335101号公報
しかしながら、図6に示す従来の水素製造装置では、オンサイト型として各装置の小型化が図られてはいるものの、結局は、大規模な水素製造プラントで主流である、原料改質の反応助剤として触媒を使用する水蒸気改質法によるものである。
したがって、硫黄被毒による触媒活性の低下を防止するために原料の脱硫が必要なだけでなく、小型化により低下する改質効率を補うために、更に厳しい脱硫条件が課せられており、大規模プラントでの硫黄含有量0. 1ppm程度の脱硫条件に対して、1ppb以下の性能が要求されている。このため、脱硫器DZにおいて3種類の触媒が併用されるだけでなく、改質装置SRにおいても高活性の触媒が必要であって、運転経費が高騰する。
さらに、改質原料の分子量が大きくなると触媒の反応性が低くなるとともに、触媒層での炭素析出が顕著となって触媒活性を喪失し易いため、使用可能な改質原料は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、天然ガス、都市ガス等の分子量の小さい軽質炭化水素に限定される。
また、運転時においては、設備の立ち上げに数時間を必要とし、その間はストック水素での対応を強いられるために貯蔵装置が必要となるだけでなく、小規模施設で要求の多いバッチ運転には適さないという問題がある。
したがって、装置の運転において高度な原料管理が要求されるうえに、改質に使用できる原料には制約が多く、オンサイト型の水素製造装置として利用するためには、技術的、経済的に多くの問題点があった。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、原料の選択性を高め、軽質炭化水素だけでなく、灯油、軽油等の高分子の液体化石燃料及び木質系のバイオマス原料を含む炭素質原料全般に渡り、広く適用可能となる改質方法及びその装置を提供することを目的とする。特に、設備の設置場所に関わらず、入手が容易な灯油を原料とし得る改質方法及びその装置を提供することを目的とした。
上記の目的を達成するため、本発明は、炭素質原料を改質して改質ガスを生成する方法において、前記炭素質原料をガス化して水蒸気と混合した原料ガスを、燃焼ガスの顕熱を蓄熱した蓄熱体により加熱し、常圧で900〜1400℃の温度範囲に保つことにより、水素、一酸化炭素を含む改質ガスを生成することを特徴とする炭素質原料の改質方法とする。
そして、該炭素質原料の改質方法における炭素質原料には、灯油を用いることを特徴とする構成が含まれる。灯油は、現在、多くのガソリンスタンドで取り扱われ、しかもガソリンと比べて安全性が高く、原料費がより安価であることから、原料として最適だからである。
また、本発明には、上記炭素質原料の改質方法を行う装置として、ガス化した炭素質原料と水蒸気からなる原料ガスを、常圧で加熱して改質ガスを生成させる改質装置であって、前記改質装置は、耐火製の内壁と、該内壁の開口部に配設された回転式の蓄熱体により主体が構成され、前記内壁には、その内部を改質室と燃焼室に区画する隔壁が配置されるとともに、該改質室と燃焼室に、内部圧力を計測するための圧力ノズルが各々設けられたことを特徴とする炭素質原料の改質装置が含まれる。
以上述べたように、本発明に係る炭素質原料の改質方法及びその装置によれば、都市ガスやブタン等の気体燃料だけでなく、灯油、軽油等の液体化石燃料、或いは木質系を主体とするバイオマス原料をガス化して水蒸気と混合した原料ガスにより生成した熱分解ガス及びタールから、水素または合成ガスを生成・回収することができる。
また、本発明に係る炭素質原料の改質方法及びその装置では、上記したように、原料炭素質として灯油、軽油等の液体化石原料、或いは木質系を主体とするバイオマス原料をガス化して水蒸気と混合した原料ガスを使用することにより、改質に触媒を使用しないために原料を予め脱硫する必要がなく、高価な高次脱硫触媒や高活性の改質触媒が不要であり、設備及び維持費用が低減できるだけでなく、設備全体を簡素化できる。
さらに、本発明に係る炭素質原料の改質方法によれば、上記したように、その装置は熱効率が高いように単純に構成できることから、改質設備の立上げが短時間、例えば1時間程度で可能であるため、需要状況に即応したバッチ運転が容易であり、夜間連続操業の必要がなく、運転人員も最低限の人数で済むために運転費用が削減できるとともに、大容量の水素貯蔵設備を設ける必要もないために設備費が削減できるといった、オンサイト型の施設に好適な優れた特徴を有する。
以下、本発明の実施の形態について、図1を主体に、必要に応じて図2を参照して説明する。
図1は、本発明に係る炭素質原料の改質方法を用いた水素製造設備の全体構成の一例を示す概略フローを示す図であり、図2は、改質装置の構造の一例を示す縦断面図である。なお、図6で説明した物質や装置と同一のものには同一の符号を付し、詳細説明は省略する。
まず、改質装置を中心に水素製造設備の構成を説明する。
図1及び図2において、1は、原料供給装置であって、灯油、軽油等の液体化石燃料を貯留する原料タンク11と、原料ポンプ12と、原料を加熱・気化させる原料蒸発器13及び、飽和あるいは過熱水蒸気を供給するパッケージボイラ等の蒸気発生装置14から構成されている。
2は、改質装置であって、鋼製で直方体形状の第1ケーシング21に囲繞されるセラミックス等の耐火性材料で構築された内壁22と、該内壁22内部を改質室24と燃焼室25に区画する上部・側部が内壁22に固着された耐火性の隔壁23と、該改質室24と燃焼室25の底部に跨り、前記第1ケーシング21及び内壁22の一面に設けられた開口部に配設された蓄熱体26により主体が構成されている。
蓄熱体26は、耐熱性材料により略円筒形状に形成され、例えばセラミック製でハニカム型(ハニカム格子数:133cell/in2 、格子寸法:2. 2mm×2. 2mm、壁の厚み:0. 3mm、穴のみの大きさ:1. 9mm×1. 9mm、材質:SiO2 、Al2 3 、MgO)の導通部261と、該導通部261の外周を囲む環状の周囲部262と、導通部261を保持し隔壁23の中央下端に接する中心部263からなり、下述の回転台27上に載置されて回転台27とともに回転する。この場合の回転台27の回転速度は、特に限定されていないが、蓄熱体26における改質制御の効率を良好にするために、好ましくは3回転/分程度である。
回転台27は、例えば、蓄熱体26と略同一径の図示しない環状板と中心部の軸受と、軸受と環状板とをつなぐ、軸受から放射状に延びる複数の連結板とにより、蓄熱体26を支持するとともにガス流の通過を阻害しないよう構成されている。また回転台27の軸受には駆動軸271が連結されるとともに、駆動軸271を通じて回転台27を回転させる駆動手段272が設けられている。
28は、前記蓄熱体26と回転台27を収納する鋼製の第2ケーシングであり、図示しない支持手段により回転台27の荷重を支持するとともに、上端部が前記内壁22の開口部に嵌合されて、外周に張出した鍔部281により第1ケーシング21に定着されるよう構成されている。
また、回転台27の改質室24側の下部には原料ガス導入管241が、燃焼室25側には燃焼ガス排出管251が第2ケーシング28に固定されて配置される一方、改質室24の上部には改質ガス排出管242が、燃焼室25の上部にはバーナ装置252が夫々配置されている。そして、燃焼ガス排出管251の下流には、インバータ方式等の回転数制御可能な排気ファン29が設けられている。
さらに、改質室24の内部には、内部温度計測のための改質室温度計243と圧力計測用の改質室圧力ノズル244が設けられるとともに、原料ガス導入管241に入口圧力ノズル245が配置されており、燃焼室25の内部には、燃焼室温度計253と燃焼室圧力ノズル254が設けられている。
なお、回転台27、原料ガス導入管241及び、燃焼ガス排出管251等が一体に取付けられた第2ケーシング28は、回転台27上に載置された蓄熱体26ごと、第1ケーシング21から容易に取り外せるため、蓄熱体26の清掃や交換が短時間で可能となっている。
3は熱回収ユニットであり、改質ガス排出管242から排出された改質ガスRGの保有する顕熱を回収して、改質ガスRGを水素精製装置PAの作動温度まで冷却するとともに回収した熱を図示しない余熱利用設備に供給している。
4はオフガス利用設備であり、水素精製装置PAで分離された一酸化炭素を含む可燃性のオフガスOGを貯留するオフガスホルダ41と、オフガスOGをバーナ装置252に送入するオフガスブロワ42及び、オフガスOGの不足分を補う補助燃料SFをバーナ装置252に追加供給するとともに夫々の流量を調整する混合制御弁43から構成されている。
次に、このように構成された水素製造設備を用いた水素の製造方法について、改質装置2における改質状況を中心に、図1及び図2を参照して説明する。
まず、蓄熱体26の回転を開始するとともに、補助燃料SFと燃焼用空気AGをバーナ装置252に供給して燃焼させ、発生した燃焼ガスEGで燃焼室25内を予熱する。この燃焼ガスEGは、燃焼室25からハニカム型の導通部261を通過する際に蓄熱体26を加熱するとともに温度低下し、排気ファン29の吸引により燃焼ガス排出管251から排出されて、図示しない下流のフレアスタックにより完全燃焼されてから、大気中に放出される。
次に、蒸気発生装置14から水蒸気STを単独で原料ガス導入管241に向けて送入し、蓄熱体26の導通部261を経由して改質室24に流入・通過させることにより、改質室24内のガスパージを行なわせるとともに、上記加熱により蓄熱された蓄熱体26から熱供給してこの水蒸気を加熱し、改質室24内を昇温させる。
改質室温度計243で計測される改質室24内の温度が所定温度を越えたのち、原料タンク11に貯留された灯油、軽油等の液体化石燃料を、原料ポンプ12により原料蒸発器13に送入し、後述の改質ガスRGとの熱交換により加熱・気化してから、上述の水蒸気STと混合した原料ガスMGとして、加圧を行わないで常圧のまま原料ガス導入管241から改質室24に送入する。
この原料ガスMGは、改質室24への上昇時に、高温化された蓄熱体26のハニカム型の導通部261を極短時間(例えば0. 01〜0. 02秒程度)で通過して所定の改質温度まで一気に昇温されるとともに、含有する水蒸気STと炭化水素の改質反応により、水素や一酸化炭素を含む可燃性の合成ガス(改質ガス)RGに改質される。
このように蓄熱体26を回転させて、燃焼室25で発生する燃焼ガスEGが保有する顕熱を蓄熱しながら、原料ガスMGへの給熱を続けることにより、吸熱反応である水蒸気改質に必要な熱量を継続的に供給している。
この改質反応により生成した改質ガスRGは、改質装置2の改質ガス出口管242から排出されて、原料蒸発器13における熱交換により降温されたのち、熱回収ユニット3においてさらに熱回収及び冷却が行われ、圧縮器CSで昇圧されてから、水素精製装置PAに送入されて製品水素HGが精製される。
また、水素精製装置PAで水素分離がなされた残余のオフガスOGは、オフガスホルダ41に貯留されて、オフガスブロワ42により前記バーナ装置252の燃料として供給される。
次に、改質装置2の制御に関して説明する。
通常運転において、改質室24と燃焼室25の内部温度は、夫々設けられた改質室温度計243及び燃焼室温度計253により計測されており、改質室24の内部温度を設定値に保持するように、改質室温度計243の測定値との間で比較演算する図示しない制御装置の指令により、バーナ装置252への燃料(オフガスOG及び補助燃料SF単独、またはこれらの混合流体)の供給量を調節する混合制御弁43、燃焼用空気AGの流量を調節する図示しない燃焼用空気制御弁、或いは改質装置2への原料供給量を調節する原料ポンプ12を制御して、温度制御を行っている。
なお、改質室24の内部温度の設定値は、改質効率が温度に依存するため900℃以上とする必要がある一方、運転及び保守費用等の経済的見地から1400℃程度を上限とし、好ましくは1150〜1250℃である。
また、改質室24と燃焼室25の差圧を、改質室圧力ノズル244と燃焼室圧力ノズル254から得られた圧力値の比較演算により算出して、この差圧が零になるように排気ファン29の回転数を制御して吸引能力を可変することにより、蓄熱体26と接する隔壁23下端からの改質室24と燃焼室25相互間のガスリークを抑止している。
さらに、原料ガスMGと改質ガスRGの差圧を、改質室24の入口側に設けられた入口圧力ノズル245と改質室圧力ノズル244からの圧力値により算出して、規定値と比較することにより、蓄熱体26の導通部261に、タール等による閉塞の発生がないか監視している。
なお、本実施の形態では、改質装置2において蓄熱体26が改質室24と燃焼室25の下方に配置される構造として説明したが、改質装置2は、図2の如く縦置きだけでなく、その他の配置(例えば、横向き)でも差し支えなく、また、第1ケーシング21の形状は、直方体形状に限らず、円筒形や多面体等の形状も適宜選択可能である。
また、蓄熱体26の厚さ及び挿入位置は、図2の如く内壁22と一致させずに段差が生じるよう配置して、あるいは図3及び図4のように内壁22に対して斜め位置に配しても良く、導通部261の閉塞監視のために、改質室24内の改質室圧力ノズル244を共用しないで、別途、圧力ノズルを改質ガス出口管242以降の流路に設けても良い。
さらに、オフガスOGの収率が減少するために補助燃料SFの使用量は増加するが、製品水素の回収量を向上させるために、水素精製装置PAの上流に一酸化炭素変成器CM及び付属機器を配置しても良く、水素精製装置PAを設置せずに、水素や一酸化炭素を含む可燃性の改質ガスRGを、そのまま発電装置等に送入して利用しても良い。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1は、図2で示した改質装置2を用い、無触媒方式により灯油を水蒸気改質して水素ガスを含む合成ガスを取り出した実験に関するものである。
外部ヒータ加熱により250〜300℃に温度維持された円筒形の原料蒸発用加熱管に、白灯油(JIS1号)と過熱水蒸気を送入して原料ガスMGとなし、この原料ガスMGを改質装置2の原料ガス導入管241から改質室24に連続送入するとともに、改質室24の温度が1100〜1300℃となるように、燃焼室25に配置されたバーナ装置252に供給する燃焼用空気と燃料(実験ではLPGを使用)の流量を調整した。
生成した改質ガスRGの組成は、改質ガス排出管242下流の煙道上に分岐して設けられた採取口からサンプルガスを導入し、内部に水を満たした複数の捕集瓶でガス洗浄したのち、フィルタを介して真空ポンプで吸引してガスクロメータで測定して算出した。
原料の灯油流量を12kg/h、過熱水蒸気の流量を60〜38kg/h(S/C=4. 0〜2. 5)として上記温度範囲で改質を行った結果、改質温度1150〜1250℃、S/C=3. 0程度の条件下において、表1の組成の改質ガスが得られ、このガスの低位発熱量は平均2400kcal/Nm3 であった。
Figure 2006089305
(実施例2)
木質系のバイオマス原料をガス化して熱分解ガスを発生させたのち、熱分解ガスと該ガス中に含まれるタール分を、改質装置2を用いて高カロリーガスに改質した実験に関するものである。この実験では、木質系のバイオマス原料として、長さ数cmの針葉樹チップを使用した。
図5は、実施例2に係る実験装置全体の概略フローを示す図であり、先に説明した物質や装置と同一のものには同一の符号を付し、詳細説明は省略する。
原料ホッパ、スクリューコンベア、二重ダンパ等により構成される原料定量供給装置51から、原料チップが固定床式のガス化炉52に定量供給されるとともに、該ガス化炉52の下部からは、この原料チップを酸素不足状態で燃焼させるために空気比を調整されたガス化剤(酸素富化空気)GMと、飽和または過熱水蒸気が送入されている。
原料チップは、ガス化炉52内で熱分解燃焼されるとともに、タール分を含む熱分解ガスTGと固体残渣が発生し、燃焼終了後の固体残渣は適宜ガス化炉52から排出されたのち、残渣処理装置53において灰処理がなされる。
熱分解により発生したタール分を含む熱分解ガスTGは、ガス化炉52の上部より排出されたのち、飽和または過熱水蒸気を添加された原料ガスMG’として改質装置2に送入され、改質装置2において上述の水蒸気改質反応により、可燃性ガス濃度が高められた改質ガスRG’が生成される。
生成された改質ガスRG’は、誘引通風機56で吸引されるとともに、下流の排ガス冷却設備54で200℃程度以下に降温されて、バグフィルタ等の排ガス処理設備55で煤塵や酸性有害物質等が除去されたのち、湿式洗浄塔57を介して発電装置58に供給されるよう構成されている。
なお、本実施例の構成では、熱分解ガスTG中に未反応の残留酸素が10%程度存在するため、改質装置2では水蒸気改質反応に加え、部分酸化による改質反応が同時進行しており、部分酸化反応による発熱は、水蒸気改質反応による吸熱の一部を補っている。
本実施例によれば、原料チップ及びガス化剤(酸素富化70%空気)のガス化炉52への供給量を夫々70〜85kg/h及び3. 5〜5. 0Nm3 /h、水蒸気の供給量を全体で45kg/hとしてガス化、及び改質を行った結果、改質温度1150〜1250℃において、表2の組成の熱分解ガスから同表の組成の改質ガスが得られ、このガスの低位発熱量は平均2600kcal/Nm3 であった。
Figure 2006089305
本発明の水素原料の改質方法を用いた水素製造設備の全体構成を示す概略フローを示す図である。 本発明に係る改質装置の構造を示す縦断面図である。 本発明に係る改質装置の他の構成例を示す縦断面図である。 本発明に係る改質装置の他の構成例を示す横断面図である。 本発明の実施例2に係る実験装置全体の概略フローを示す図である。 従来のオンサイト型水素製造装置の概略フローを示す図である。
符号の説明
1 原料供給装置
11 原料タンク
12 原料ポンプ
13 原料蒸発器
14 蒸気発生装置
2 改質装置
21 第1ケーシング
22 内壁
23 隔壁
24 改質室
241 原料ガス導入管
242 改質ガス排出管
243 改質室温度計
244 改質室圧力ノズル
245 入口圧力ノズル
25 燃焼室
251 燃焼ガス排出管
252 バーナ装置
253 燃焼室温度計
254 燃焼室圧力ノズル
26 蓄熱体
261 導入部
27 回転台
271 駆動軸
272 駆動手段
28 第2ケーシング
281 鍔部
29 排気ファン
3 熱回収ユニット
4 オフガス利用設備
41 オフガスホルダ
42 オフガスブロア
43 混合制御弁
51 原料定量供給装置
52 ガス化炉
53 残渣処理装置
54 排ガス冷却設備
55 排ガス処理設備
56 誘引通風機
57 湿式洗浄塔
58 発電装置
PA 水素精製装置
MG 原料ガス
EG 燃焼ガス
CS 圧縮機
SF 補助燃料
AG 燃料用空気
OG オフガス
RG 改質ガス
RG’ 改質ガス
GM ガス化剤
HG 製品水素

Claims (4)

  1. 炭素質原料を改質して改質ガスを生成する方法において、
    前記炭素質原料をガス化して水蒸気と混合した原料ガスを、燃焼ガスの顕熱を蓄熱した蓄熱体により加熱し、常圧で900〜1400℃の温度範囲に保つことにより、水素、一酸化炭素を含む改質ガスを生成することを特徴とする炭素質原料の改質方法。
  2. 炭素質原料には灯油を用いる請求項1に記載された炭素質原料の改質方法。
  3. ガス化した炭素質原料と水蒸気からなる原料ガスを、常圧で加熱して改質ガスを生成させる改質装置であって、
    前記改質装置は、耐火製の内壁と、該内壁の開口部に配設された回転式の蓄熱体により主体が構成され、
    前記内壁には、その内部を改質室と燃焼室に区画する隔壁が配置されるとともに、該改質室と燃焼室に、内部圧力を計測するための圧力ノズルが各々設けられたことを特徴とする炭素質原料の改質装置。
  4. 前記蓄熱体は、略同一径の回転台に装着され、
    該回転台を回転可能に支持する第2ケーシング内に収納されるとともに、前記内壁を囲繞する第1ケーシングに定着される第2ケーシングごと着脱可能となされた請求項3に記載された炭素質原料の改質装置。
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