JP2006083352A - 抗酸化剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
従来の茶葉からの抗酸化物質の抽出は抽出効率が十分でなく、また茶カテキンの抗酸化活性を十分活かし切れているとはいえない。
【解決手段】
茶抽出物においてカテキン類(カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートの8種類の総称)および没食子酸の組成をカテキン類と没食子酸をあわせた量に対するエピガロカテキンと没食子酸をあわせた量の比を0.6〜0.9としたときに、従来の茶抽出物をはるかに上回る抗酸化力を有する抗酸化剤が得られる。
【選択図】 なし

Description

本発明は抗酸化力の高められた茶抽出物からなる抗酸化剤組成物に関する。更に詳しくは、茶葉の抽出に際して、カテキン類の抽出効率を高め、かつ、その組成物の抗酸化活性を従来より高めた茶抽出物からなる抗酸化剤組成物に関する。
従来より、茶抽出物は、食品の品質保持に優れた効果がある事が知られており、その効果が茶抽出物に含まれるカテキン類の抗酸化作用によることが明らかとなっている(非特許文献1)。この効果を利用した技術として、親油性乳化剤を用いたW/O型の抗酸化剤としての利用技術(特許文献1)や、他の植物成分との併用による技術(特許文献2)、サイクロデキストリンと包接させる技術(特許文献3)、茶抽出物にミネラルおよび界面活性剤を併用することで抗酸化力を高める方法(特許文献4)などが知られている。
日本食品工業学会誌、第10巻、1号、1−5頁、1963年 特開平3−49315 特開平2−92258 特開平4−255792 特開2000−219880
しかしながら、これらの方法は、いずれも茶葉からの抗酸化物質の抽出効率が十分でなく、また茶カテキンの抗酸化活性を十分活かし切れているとはいえず、更に抗酸化力を高める方法が望まれていた。
従って本発明の目的は、抗酸化力を高めた茶抽出物からなる抗酸化剤組成物を提供することである。
本発明者らは、上記現状を鑑み鋭意研究を行った結果、茶葉を抽出する際、および/または抽出後にタンナーゼを作用させることにより、抽出物のカテキン類(カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートの8種類の総称)および没食子酸の組成を一定範囲内、すなわち茶抽出物中のカテキン類および没食子酸の組成をカテキン類と没食子酸をあわせた量に対するエピガロカテキンと没食子酸をあわせた量の比が0.6〜0.9としたときに、従来の茶抽出物をはるかに上回る抗酸化力が得られることを見いだした。またタンナーゼ処理する際、さらにプロテアーゼと細胞壁分解酵素(セルラーゼ、ヘミセルラーゼまたはペクチナーゼから選ばれる少なくとも1種の酵素)を作用させることにより、茶葉からのカテキン類の抽出効率が上がり、さらに高い抗酸化力を有する組成物が得られることを見いだし本発明の完成に至った。
かくして本発明は、カテキン類(カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートの8種類の総称)および没食子酸を含有し、カテキン類と没食子酸をあわせた量に対するエピガロカテキンと没食子酸をあわせた量の比が0.6〜0.9である茶抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗酸化剤組成物を提供するものである。
また、本発明は前記茶抽出物が、茶葉を抽出する際および/または抽出後にタンナーゼ処理した茶抽出物である抗酸化剤組成物である。
また、本発明は前記茶抽出物が、茶葉を抽出する際および/または抽出後にタンナーゼ、プロテアーゼおよび細胞壁分解酵素で処理した茶抽出物である抗酸化剤組成物である。
また、本発明は前記細胞壁分解酵素がセルラーゼ、ヘミセルラーゼまたはペクチナーゼから選ばれる少なくとも1種の酵素である抗酸化剤組成物である。
本発明により、従来の茶抽出物と比べカテキン類の抽出効率を高め、かつ高い抗酸化力を持つ茶抽出物からなる抗酸化剤組成物を提供することが出来る。
本発明で用いる茶抽出物の原料は、特に限定されるものではなく、植物学的にはツバキ科の植物であるCamellia sinensisの葉より製造される茶葉であれば、いずれでも使用できる。具体的には、煎茶、焙じ茶、玉露、かぶせ茶、てん茶等(蒸し製茶と総称する緑茶類)の不発酵茶;嬉野茶、青柳茶、各種中国茶等(釜炒り茶と総称する緑茶類)の不発酵茶;包種茶、鉄観音茶、ウーロン茶等の半発酵茶;発酵茶である紅茶が挙げられる。これらの茶葉は、市販のものをそのまま使用してもよいが、粉砕、磨砕等の処理を施すことにより、一層茶葉カテキン類の抽出が促進され効果的である。
上記茶類の抽出液は、通常使用される方法、例えば、抽出カラムに充填した原料茶類に水を一定流量で送水し、所定量の抽出液を得る方法や、抽出釜に茶葉を仕込み、所定量の水で一定時間浸漬した後、茶葉と分離して抽出液を得る方法の中から適宜選択して調製すればよい。
本発明ではこれらの茶葉の抽出時および/または抽出後にタンニン分解酵素タンナーゼを作用させ、ガレート型カテキン類の没食子酸エステルを切断し、非ガレート型カテキン類と没食子酸に分解する。
ここでいうカテキン類とはカテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートの8種類の総称であり通常、摘みたての茶葉の乾燥重量あたり10〜25%含まれる。カテキン類の含有量は一般に中国種では10〜20%、アッサム種では15〜25%程度であり、アッサム種と中国種の中間型の種ではその間に位置する。また品種によりそれぞれのカテキン量もやや異なり、中国種ではエピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピカテキンの4種類が大部分を占めているが、アッサム種ではガロカテキンガレート、カテキンガレート、ガロカテキンも比較的多く含まれている。カテキン類はいずれも強い抗酸化力を持っているが、単独での抗酸化力はエピガロカテキンガレートが最も強く、エピガロカテキンも比較的抗酸化力の強い部類に属し、その抗酸化力の差はそれほど大きくない(日本農芸化学会誌、59(2)、129−134、(1985);日本食品化学工学会誌、47(2)、120−129、(2000);食品の抗酸化機能とバイオマーカー、42−46,(2002))。
一方、ガレート型カテキン類のタンナーゼによる加水分解では非ガレート型カテキンの生成と同時に没食子酸も生成する。没食子酸も強い抗酸化力を持っていることが知られており、食品添加物抗酸化剤としても指定されている。したがってエピガロカテキンガレートにタンナーゼを作用させ生じるエピガロカテキンと没食子酸はいずれも強い抗酸化力を持っている。従来、カテキン類単独の抗酸化力をそれぞれ比較した実験は行われているが(前記文献参照)、カテキン類にタンナーゼを作用さた際生じる没食子酸を含めた系での抗酸化力に関する先行技術は見あたらない。抗酸化剤は併用させることにより相乗効果が起こる場合があることが知られており、本発明の強い抗酸化力の詳細な機構は明らかではないが、エピガロカテキンと没食子酸との相乗効果によると推定される。
本発明における茶葉を抽出する際および/または抽出後にタンナーゼを作用させ、カテキン類および没食子酸の組成をカテキン類と没食子酸をあわせた量に対するエピガロカテキンと没食子酸をあわせた量の比は、0.6〜0.9であるが、好ましくは0.65〜0.88、さらに好ましくは0.7〜0.85とすることにより、強い抗酸化力を発揮することができる。この比が0.6〜0.9の範囲をはずれた場合抗酸化力は劣る。この比が0.6未満ではタンナーゼによるガレート型カテキンの分解が不十分でエピガロカテキンと没食子酸の相乗効果が十分発揮されないと考えられる。またこの比が0.9を超える場合も抗酸化力が十分発揮されないが、これはエピガロカテキン以外の非ガレート型カテキン、すなわちカテキン、エピカテキン、ガロカテキンにもエピガロカテキンとの相乗効果があり、これらの成分が少ない場合、抗酸化効果が弱まるためと推定される。
また、タンナーゼを作用させる際、プロテーゼを同時に作用させることにより、カテキン類の抽出効率が上がり、より効果的に抗酸化力が増強される。これは、茶葉中のタンパク質がカテキンと結合しており、カテキンの一部が抽出されにくい状態となっているが、プロテアーゼによりタンパク質が分解されることにより、カテキン類との結合が切れ、容易に抽出されるためと考えられる。
また、タンナーゼを作用させる際、プロテーゼおよび細胞壁分解酵素(セルラーゼ、ヘミセルラーゼまたはペクチナーゼから選ばれる少なくとも1種の酵素)を同時に作用させることにより、更にカテキン類の抽出効率が上がり、より効果的に抗酸化力が増強される。
かかる酵素処理に使用するタンナーゼとしては、タンニンを分解する活性を有するものであれば任意のものを使用することができる。具体的には、アスペルギルス属、ペニシリウム属、リゾプス属、ムコール属などに属するタンナーゼ生産菌をこれら糸状菌の培養に用いられる培地を用い、常法に従って固体培養または液体培養し、得られた培養物またはその処理物を常法により精製処理したものを挙げることができる。なお、市販されているタンナーゼ、例えば、タンナーゼキッコーマン(500U/g)、タンナーゼキッコーマン(5000U/g)、タンナーゼ三共(500U/g)などを用いても良い。タンナーゼの使用量および反応条件に関しては、力価等により一概には言えないが、カテキン類および没食子酸を測定したときに、カテキン類と没食子酸をあわせた量に対するエピガロカテキンと没食子酸をあわせた量の比が0.6〜0.9の範囲内とすることにより、抗酸化力を高めることができる。具体的な使用量としては、例えば、茶類原料の重量を基準として約0.1〜約50U/gの範囲を例示することができる。また、反応温度としては約20〜約60℃、反応時間としては、約30分〜約24時間を例示することができる。
またプロテアーゼとしては、特に制限されず動植物由来、微生物由来のプロテアーゼを少なくとも1種類以上使用することができ、例えば、プロテアーゼA、プロテアーゼM、プロテアーゼP、ウマミザイム、ペプチダーゼR、ニューラーゼA、ニューラーゼF(以上、アマノエンザイム社製の麹菌由来プロテアーゼ);スミチームAP、スミチームLP、スミチームMP、スミチームFP、スミチームLPL(以上、新日本化学工業社製の麹菌由来プロテアーゼ);プロチンFN(大和化成社製の麹菌由来プロテアーゼ);デナプシン2P、デナチームAP、XP−415(以上、ナガセケムテックス社製の麹菌由来プロテアーゼ);オリエンターゼ20A、オリエンターゼONS、テトラーゼS(以上、阪急バイオインダストリー社製の麹菌由来プロテアーゼ);モルシンF、PD酵素、IP酵素、AO−プロテアーゼ(以上、キッコーマン社製の麹菌由来プロテアーゼ);サカナーゼ(科研製薬社製の麹菌由来プロテアーゼ);パンチダーゼYP−SS、パンチダーゼNP−2、パンチダーゼP(以上、ヤクルト本社製の麹菌由来プロテアーゼ);フレーバザイム(ノボノルディスクバイオインダストリー社製の麹菌由来プロテアーゼ);コクラーゼSS、コクラーゼP(以上、三共社製の麹菌由来プロテアーゼ);VERON PS、COROLASE PN−L(以上、レーム・エンザイム社製の麹菌由来プロテアーゼ);プロテアーゼN、プロテアーゼNL、プロテアーゼS、プロレザーFG−F(以上、アマノエンザイム社製の細菌由来プロテアーゼ);プロチンP、デスキン、デピレイス、プロチンA、サモアーゼ(以上、大和化成社製の細菌由来プロテアーゼ);ビオプラーゼXL−416F、ビオプラーゼSP−4FG、ビオプラーゼSP−15FG(以上、ナガセケムテックス社製の細菌由来プロテアーゼ);オリエンターゼ90N、ヌクレイシン、オリエンターゼ10NL、オリエンターゼ22BF(以上、阪急バイオインダストリー社製の細菌由来プロテアーゼ);アロアーゼ AP−10(ヤクルト本社製の細菌由来プロテアーゼ);プロタメックス、ニュートラーゼ、アルカラーゼ(以上、ノボノルディスクバイオインダストリー社製の細菌由来プロテアーゼ);COROLASE N、COROLASE 7089、VERON W、VERON P(以上、レーム・エンザイム社製の細菌由来プロテアーゼ);エンチロンNBS(洛東化成工業社製の細菌由来プロテアーゼ);アルカリプロテアーゼGL440、ピュラフェクト4000L、プロテアーゼ899、プロテックス6L(以上、協和エンザイム社製の細菌由来プロテアーゼ);アクチナーゼAS、アクチナーゼAF(以上、科研製薬社製の放線菌由来プロテアーゼ);タシナーゼ(協和エンザイム社製の放線菌由来プロテアーゼ);パパイン W−40(アマノエンザイム社製の植物由来プロテアーゼ);食品用精製パパイン(ナガセケムテックス社製の植物由来プロテアーゼ);その他動物由来のペプシン、トリプシンなどを挙げることができる。プロテアーゼの使用量は、力価などにより一概には言えないが、例えば、茶類原料の重量を基準として約0.01〜約100U/gの範囲を例示することができる。
また細胞壁分解酵素としてはセルラーゼ、ヘミセルラーゼまたはペクチナーゼが挙げられ、セルラーゼとしては、例えば、セルラーゼT「アマノ」(天野製薬社製の糸状菌由来セルラーゼ)などを例示することができ、ヘミセルラーゼとしては、例えば、ヘミセルラーゼ「アマノ」(天野製薬社製の麹菌由来のヘミセルラーゼ)などが挙げられ、ペクチナーゼとしては、例えば、スクラーゼN(三共社製のペクチナーゼ)などが挙げられる。これらの酵素は単独でも2種以上併用して使用することもできる。かかる酵素の使用量は、茶葉の種類、酵素の力価によっても異なるが、例えば、茶葉の重量を基準として約0.01〜約1.0重量%の範囲内とすることができる。
本発明の一実施態様を例示すれば、茶類原料1重量部に水約8〜約50重量部を添加して、約60〜約121℃で約2秒〜約20分間殺菌した後冷却し、上述のタンナーゼ、プロテアーゼおよび細胞壁分解酵素を添加して、約20〜約60℃で約30分〜約24時間酵素処理を行う。酵素処理後、約60〜約121℃で約2秒〜約20分間酵素失活した後冷却し、遠心分離、濾紙濾過等の適宜な分離手段を採用して分離することにより茶類抽出物を得ることができる。得られた茶類抽出物は所望により、カテキン類および没食子酸を精製することもでき、また適宜な濃縮手段を採用して濃縮物の形態とし、前記したカテキン類と没食子酸をあわせた量に対するエピガロカテキンと没食子酸をあわせた量の比が0.6〜0.9の範囲内となる茶抽出物からなる抗酸化剤組成物とすることができる。さらに、この抽出物はその後、所望により、デキストリン、加工澱粉、サイクロデキストリン、アラビアガム等の賦形剤を添加してペースト状、粉末状とすることもできる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
静岡県産緑茶葉100gに、水(60℃)1250gおよびアスコルビン酸ナトリウム0.3gを添加し、80℃達温殺菌、40℃まで冷却した。これに、タンナーゼ(キッコーマン社製)0.05gを加えて40℃、4時間静置反応させ、90℃で10分間加熱して酵素失活した後、吸引濾過により茶葉とエキスを分離し、緑茶エキス1130gを得た。この抽出液をロータリーエバポレーターにて10倍まで減圧濃縮し、緑茶抽出物(発明品1)113gを得た。
実施例2
実施例1の酵素処理において、タンナーゼ(キッコーマン社製)0.05gの他に、プロテアーゼA(アマノエンザイム社製)0.3gおよびセルラーゼT(アマノエンザイム社製)0.1gを添加し、それ以外は、実施例1と全く同様に処理して、緑茶抽出物(発明品2)115gを得た。
比較例1
実施例1において、酵素を全く使用しない以外は、実施例1と全く同様に処理して、緑茶抽出物110g(参考品1)を得た。
比較例2
実施例1において、タンナーゼ使用量を0.005gとする以外は実施例1と全く同様に処理して、緑茶抽出物111g(参考品2)を得た。それぞれの緑茶抽出物の分析値を表1に示す。
Figure 2006083352
(抗酸化能の測定)
1.ヒポキサンチン−キサンチンオキシダーゼ系抗酸化能
(1)試薬
(a)基質(ポンプ注入用)
ヒポキサンチン24.5mgを、100mMのリン酸2水素カリウム緩衝液(EDTA 0.05mM、pH7.5:以下、単に緩衝液と略称する)250mLに溶解したものを用いた。
(b)酵素液
キサンチンオキシダーゼ(シグマアルドリッチ社製X−4500;25U)6μLに緩衝液994μLを添加し、0.1U/mlに調整した。
(c)発色試薬
AB−2950MPEC(2−メチル−p−メトキシフェニルイミダゾピラジノン)をイオン交換水で10倍に希釈して用いた。
(2)サンプル液
(d)ポジティブブランク
緩衝液180μL、酵素液60μLおよび発光試薬10μLを混合した。
(e)試料測定用液
緩衝液170μL、酵素液60μL、発光試薬10μLおよび試料溶液10μL(10倍希釈または300倍希釈)を混合した。
(f)ネガティブブランク
緩衝液230μL、発光試薬10μLおよび試料溶液10μL(10倍希釈または300倍希釈)を混合した。
(g)SOD溶液
スーパーオキサイドジスムターゼ(シグマアルドリッチ社製S−2515;3000U)1.0gを純水に溶解し3mlとし、1,000U/mlの溶液を調整した。この溶液を純水にて希釈し0.1U/mL、1U/ml、10U/ml、100U/mlとした。
(3)測定
ルミネッセンサーJNR2(アトー株式会社製)を使用し、以下の条件でd、e、f、gの測定を行った。
測定条件
基質分注量:50μL
測定モード:瞬間発光
測定時間 :20秒間の積算発光量
測定温度 :20℃
なお、ネガテイブブランクは各試料自体が発光しないことを確認した。
(4)計算
発光阻害率(%)=〔1−(e)/(d)〕×100
(d)ポジティブブランクの発光積算値
(e)試料測定用液の発光積算値
SOD希釈液の発光阻害率は検量線とし、各サンプルのSOD相当量を算出した。また発明品はタンニン量が増加しているため、SOD相当量/タンニン量を算出した。
Figure 2006083352
表2に示すとおり発明品1,2は参考品1、2と比べ高いSOD様活性を持っていた。また、SOD相当量/タンニン量についても発明品の方が高い値を示していた。
2.DPPHラジカル消去能
スパーオキシドアニオンラジカル消去活性を1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)消去法にてにて測定した。
発明品及び比較品を320mg/リットル、240mg/リットル、160mg/リットル、80mg/リットル、0mg/リットルになるように80%エタノール水溶液に溶解したものを検液とした。この検液1.5mlに100μM DPPH(50mM MESバッファー(pH6.0)溶液)4.5mlを添加し、よく撹拌した。20分間暗所に放置し、波長517nmの吸光度を測定した。また試料の代わりにトロロックス(6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボキシリックアシド)0.04mM、0.08mM、0.12mM、0.16mM(それぞれ80%エタノール水溶液)を用い検量線を作成し、20μgのトロロックスに相当する試料の量を算出した。
Figure 2006083352
ラジカル消去能は20μgトロロックス相当量が小さな値ほど高いと言える。発明品1で参考品1の約2倍、発明品2では参考品1の約3倍のラジカル消去能を有していた。また、参考品2は参考品1とほぼ同程度のラジカル消去能であった。
実施例3
中国福建省産ウーロン茶水仙種2等級 100gをミキサーにて粉砕し、水(90℃)1500gおよびアスコルビン酸ナトリウム0.3gを添加し、40℃まで冷却した。これに、タンナーゼ(キッコーマン社製)0.1gを加えて40℃、8時間静置反応させ、90℃で10分間加熱して酵素失活した後、吸引濾過により茶葉とエキスを分離し、ウーロン茶エキス1320gを得た。この抽出液をロータリーエバポレーターにて20倍まで減圧濃縮し、ウーロン茶抽出物(発明品3)66gを得た。
実施例4
実施例3の酵素処理において、タンナーゼ(キッコーマン)0.1gの他に、プロテアーゼA(アマノエンザイム社製)0.3gおよびセルラーゼT(アマノエンザイム社製)0.1gを添加し、それ以外は、実施例3と全く同様に処理して、ウーロン茶抽出物(発明品4)68gを得た。
比較例3
実施例3において、酵素を全く使用しない以外は、実施例3と全く同様に処理して、ウーロン茶抽出物64g(参考品3)を得たそれぞれのウーロン茶抽出物の分析値を表4に示す。
Figure 2006083352
(抗酸化能の測定)
1.ヒポキサンチン−キサンチンオキシダーゼ系抗酸化能
実施品1、2および参考品1、2と同一の方法にて発明品3、4および参考品3のヒポキサンチン−キサンチンオキシダーゼ系抗酸化能を測定した。
Figure 2006083352
表5に示すとおり発明品3、4は参考品3と比べ高いSOD様活性を持っていた。また、SOD相当量/タンニン量についても発明品3、4の方が高い値を示していた。
2.DPPHラジカル消去能
実施品1、2および参考品1、2と同一の方法にて参考品3および発明品3、4のDPPHラジカル消去能を測定した。
Figure 2006083352
本発明品3は参考品3の約1.6倍、発明品4では参考品3の約2倍のラジカル消去能を有していた。
実施例5
ダージリン紅茶100gをミキサーにて粉砕し、水(90℃)1500gおよびアスコルビン酸ナトリウム0.15gを添加し、40℃まで冷却した。これに、タンナーゼ(キッコーマン社製)0.15gを加えて40℃、8時間静置反応させ、90℃で10分間加熱して酵素失活した後、吸引濾過により茶葉とエキスを分離し、紅茶エキス1245gを得た。この抽出液をロータリーエバポレーターにて20倍まで減圧濃縮し、紅茶抽出物(発明品5)62gを得た。
実施例6
実施例3の酵素処理において、タンナーゼ(キッコーマン社製)0.15gの他に、プロテアーゼA(アマノエンザイム社製)0.3gおよびセルラーゼT(アマノエンザイム社製)0.1gを添加し、それ以外は、実施例3と全く同様に処理して、紅茶抽出物(発明品6)62gを得た。
比較例4
実施例5において、酵素を全く使用しない以外は、実施例5と全く同様に処理して、紅茶抽出物58g(参考品4)を得た。それぞれの紅茶抽出物の分析値を表7に示す。
Figure 2006083352
(抗酸化能の測定)
1.ヒポキサンチン−キサンチンオキシダーゼ系抗酸化能
実施品1、2および参考品1、2と同一の方法にて発明品5、6および参考品4のヒポキサンチン−キサンチンオキシダーゼ系抗酸化能を測定した。
Figure 2006083352
表8に示すとおり発明品5、6は参考品4と比べ高いSOD様活性を持っていた。また、SOD相当量/タンニン量についても発明品5、6の方が高い値を示していた。
2.DPPHラジカル消去能
実施品1、2および参考品1、2と同一の方法にて参考品4および発明品5、6のDPPHラジカル消去能を測定した。
Figure 2006083352
発明品5は参考品4の約2.3倍、発明品6では参考品4の約2.5倍のラジカル消去能を有していた。

Claims (5)

  1. カテキン類(カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートの8種類の総称)および没食子酸を含有し、カテキン類と没食子酸をあわせた量に対するエピガロカテキンと没食子酸をあわせた量の比が0.6〜0.9である茶抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗酸化剤組成物。
  2. 茶抽出物が緑茶抽出物、紅茶抽出物または烏龍茶抽出物である請求項1に記載の抗酸化剤組成物。
  3. 茶葉を抽出する際および/または抽出後にタンナーゼ処理した茶抽出物である請求項1または2に記載の抗酸化剤組成物。
  4. 茶葉を抽出する際および/または抽出後にタンナーゼ、プロテアーゼおよび細胞壁分解酵素で処理した茶抽出物である請求項1または2に記載の抗酸化剤組成物。
  5. 細胞壁分解酵素がセルラーゼ、ヘミセルラーゼおよびペクチナーゼから選ばれる少なくとも1種の酵素である請求項4に記載の抗酸化剤組成物。

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