JP2006080736A - 動きベクトル探索制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】MPEG等のリアルタイム動画像符号化における動きベクトル探索制御装置に関し、演算の最適化を図り、動画像の符号化品質の特性向上を図る。
【解決手段】動きベクトル探索処理の進捗状況を把握するために、各フレームの垂直同期信号(Vsync)でリセットされるタイマ1−1を設け、タイマ1−1の値をCPU8−5により読み込み、そのタイマの値と現在動きベクトル探索部#1,#2で処理しているマクロブロックの番号とから、想定した進行状況より探索処理が進んでいるか遅れているかを把握し、それに応じて動きベクトル探索範囲を適応的に制御する。動きベクトル探索処理を、画面の中央部から端部に向かって進行するように処理し、探索範囲として「広」、「中」及び「狭」の3段階の範囲の何れの段階に設定するかを、画面上の適当な位置に配置したジャッジポイントにおける進捗状況に基づいて設定する。
【選択図】 図1
【解決手段】動きベクトル探索処理の進捗状況を把握するために、各フレームの垂直同期信号(Vsync)でリセットされるタイマ1−1を設け、タイマ1−1の値をCPU8−5により読み込み、そのタイマの値と現在動きベクトル探索部#1,#2で処理しているマクロブロックの番号とから、想定した進行状況より探索処理が進んでいるか遅れているかを把握し、それに応じて動きベクトル探索範囲を適応的に制御する。動きベクトル探索処理を、画面の中央部から端部に向かって進行するように処理し、探索範囲として「広」、「中」及び「狭」の3段階の範囲の何れの段階に設定するかを、画面上の適当な位置に配置したジャッジポイントにおける進捗状況に基づいて設定する。
【選択図】 図1
Description
本発明は動きベクトル探索制御装置に関し、特に、MPEG等のリアルタイム動画像符号化における動きベクトル探索機能の制御に係るものである。DVDレコーダやMPEGカメラ等のMPEG画像符号化規格を応用したディジタル家電製品の市場は拡大を続け、市場が要求する使い勝手がよくかつ低コストの製品の実現が要望されている。本発明は、それらの製品に好適に適用される動きベクトル探索制御装置に関する。
MPEG画像符号化規格を応用したディジタル装置の実現にはMPEG符号化処理部のLSI化が必須であるが、動画像の符号化には膨大な量の演算処理を必要とする一方、LSI化時には、消費電力を削減するためできるだけ低いクロック速度で動作させる必要がある。MPEG等の動画像符号化処理において、最も多量の演算を必要とするのは、動きベクトル探索処理である。
動きベクトルとは、動画像を構成するピクチャ(フレーム)間で、16×16画素の矩形領域(マクロブロック)毎に絵柄の動きを表したベクトルである。図5に動きベクトルの概念を示す。同図では、30分の1秒毎にピクチャ(フレーム)#1,#2,#3,#4,#5・・・が構成され、ピクチャ(フレーム)毎に「☆」の絵柄が少しずつ移動している様子を示している。
図5において、各フレームのうち一例としてフレーム#3を原画とし、フレーム#2を参照画とした場合の動きベクトルについて説明すると、該フレーム#3の原画の16×16のマクロブロック内の「☆」の絵柄に相当するフレーム#2の参照画の「☆」の絵柄が位置する座標から、フレーム#3の当該マクロブロックの座標位置への矢印を指し示しているが、この矢印が該マクロブロックの動きベクトルとなる。符号化処理時は、各フレームの全マクロブロックについて、それぞれ動きベクトルを判定する。これらの動画像符号化の基本技術(マクロブロック及び動きベクトル等)については、下記の非特許文献1に詳述されている。
フレーム間の動きベクトルの判定は、マクロブロック毎にパターンマッチングにより最も近似したパターンの座標位置を特定することにより行う。原画からの1マクロブロックのデータと、参照画における原画と同じ位置のマクロブロックを中心とした探索範囲分のデータとを読み込み、参照画のデータを1画素ずつずらしながら原画のマクロブロックとの差分の絶対値和を積算し、その差分絶対値和が最も小さくなる座標を判定することにより動きベクトルの算出を行う。
図6に動きベクトル探索範囲を示している。この探索範囲は広ければ広いほど、それだけ早い画像の動きに対応することができ、動画像符号化における画質の向上を図ることができるが、その反面、探索範囲が広いほど演算量及びメモリアクセス量が増加し、LSIの消費電力及びコストの増大の要因となる。
動きベクトル探索処理を行うモジュールのハードウェア構成を図7に示す。同図において、7−1はフレームデータを保持するためのメモリであり、DRAMなどの大容量メモリが一般的に使用される。7−2は参照画の探索範囲分のデータを記憶するためのキャッシュメモリである。7−3は原画のマクロブロックのデータを保持するためのキャッシュメモリである。これらは演算器7−4から頻繁にアクセスされるため、高速なSRAMで構成される。
7−4は原画と参照画の画素毎の差分絶対値和を算出するための演算器であり、参照画のパターンマッチング領域を1画素ずつずらしながら差分絶対値和の計算を行い、ベクトル値を算出する。7−5は上位のCPUと通信を行い、メモリアクセスや演算器7−4を制御するための制御部である。7−2〜7−5により動きベクトル探索モジュールを構成する。
動きベクトル探索モジュールを備えた従来の動画像符号化装置の構成を図8に示す。同図において、8−1は入力したフレーム等の画像データを保持する大容量メモリである。8−2は入力ピクチャに対して映像のフィルタ処理などを行うビデオ入力部である。8−3は大容量メモリ8−1からマクロブロック毎に原画及び参照画の探索範囲分のデータを読み込んで動きベクトルを算出する動きベクトル探索部である。この動きベクトル探索部8−3は、図7の7−2〜7−5により構成される動きベクトル探索モジュールに相当する。
8−4は動きベクトル算出結果を読み込み、対応する参照画及び原画のデータを読み込んで符号化処理(DCTや可変長符号化処理等)を行い、MPEGビットストリームを生成して出力するとともに、その復号画を大容量メモリ8−1に書き戻す符号化処理部である。8−5はこれらの各機能部を制御するためのCPUである。
図9に従来の符号化処理のシーケンスを示す。同図において、(a)は垂直同期信号(Vsync)、(b)はビデオ入力、(c)は動きベクトル探索、(d)は符号化処理を示している。同図に示すように、1フレーム分の動きベクトル探索と符号化処理は、1フレームの時間(1/30秒)内に1フレーム分の処理を完了する必要がある。ここで、動きベクトル探索処理のシーケンスを詳細に検討する。
図10に1フレーム内のマクロブロックを示す。同図に示すように1フレーム内の各マクロブロックに番号を付与する。一般的な画面サイズ(720×480画素)の場合、1フレーム内にマクロブロックは総数1350個存在するので、各マクロブロックにMB#1〜MB#1350の番号を付与する。
図11に動きベクトル探索の詳細シーケンスを示す。CPUはマクロブロック毎に動きベクトル探索部に対して演算処理の設定と起動(set)とを行い、動きベクトル探索部からの演算処理完了の割り込み(int)を受け付けると、次のマクロブロックの演算処理の設定と起動(set)とを行い、1フレームの時間(1/30秒)内に、1350個のマクロブロックに対する動きベクトル探索の処理が完了するように制御する。
CPUが動きベクトル探索部に対して行う設定は、各マクロブロックの探索場所及び範囲についての設定である。動きベクトル探索部は、CPUから指示された探索場所のマクロブロック及び探索範囲について動きベクトル探索を行う。図12にCPUの制御フローを示す。
図12に示すように、CPUは垂直同期信号(Vsync)の入力による割り込みを待ち受け(ステップ12−1)、垂直同期信号(Vsync)の割り込みを受け付けると、第1のマクロブロックMB#1の動きベクトル探索の設定及び起動を、動きベクトル探索部に対して行い(ステップ12−2)、動きベクトル探索部からのマクロブロック処理完了を待ち受ける(ステップ12−3)。
CPUはマクロブロック処理完了による割り込みを受け付けると、次のマクロブロックの動きベクトル探索の設定及び起動を、動きベクトル探索部に対して行い(ステップ12−4)、動きベクトル探索部から該処理完了による割り込みを受け付けると、該処理が最終のマクロブロックに対する処理かどうかを判定し(ステップ12−5)、最終のマクロブロックに対する処理でない場合は、ステップ12−4に戻って同様の処理を繰り返し、最終のマクロブロックに対する処理である場合は、1フレーム分の処理が完了したこととなり、ステップ12−1に戻って次のフレームに対して同様の処理を繰り返す。
CPUが設定する探索範囲は、動きベクトル探索の処理量に直接影響するため、予め1350個のマクロブロックが規定時間(1/30秒)内に動きベクトル探索処理を完了することができる範囲サイズを見積もっておき、この範囲サイズの値を各マクロブロック対して等しく設定する。
ところで、画質の向上のためには動きベクトルの探索範囲をできるだけ広くするのが好ましいが、あまり広くすると共有の大容量メモリから取り込むデータ量が増加するためメモリアクセスレイテンシが増大し、また、より多くの時間(クロック数)が動きベクトル探索時のパターンマッチング処理に必要となるため、規定時間(1フレームの1/30秒)内に1フレーム分の全マクロブロックについて処理を完了することができなくなる場合が発生する。
このような場合が発生しないようにするために、動きベクトル探索部の動作クロック速度を上げ、処理を高速化する必要があるが、使用する半導体素子の性能によっては動作クロック速度が限界に達し、それ以上動作クロック速度を上げられない場合がある。
このような状況の場合に対処するために、動きベクトル探索モジュールを複数個(例えば2つ)設け、画面を分割して各分割画面に対し、それぞれの動きベクトル探索モジュールにより、動きベクトル探索処理を並行して行うことにより、動作クロック速度を上げずに、全体としての処理量を増大させる手法がある。図13に、動きベクトル探索モジュールを2つ設けた動画像符号化装置の構成を、図14にその場合の画面分割及び動きベクトル探索処理の順序を、図15に該画面分割による動きベクトル探索処理のシーケンスを示す。
図13に示す動画像符号化装置の構成は、図8に示す構成に、動きベクトル探索部13−1を追加したものである。この動画像符号化装置による動きベクトル探索処理の順序は、例えば図14に示すように、画面を上下に2分割し、第1の動きベクトル探索部8−3で上半分画面のマクロブロック番号MB#1〜MB#675のマクロブロックの動きベクトル探索処理を行い、第2の動きベクトル探索部13−1で下半分画面のマクロブロック番号MB#676〜MB#1350のマクロブロックの動きベクトル探索処理を行う。
このような構成による動きベクトル探索処理のシーケンスを図15に示す。同図に示すように、フレーム#1のビデオデータが入力されると、次のフレーム#2の期間に、第1及び第2の動きベクトル探索部により、フレーム#1の動きベクトル探索処理を並行して行い、次のフレーム#3の期間に該動きベクトルを用いてフレーム#1の符号化処理を行う。フレーム#2以降のビデオデータ入力に対しても同様に、1フレーム期間を単位として、次フレームで動きベクトル探索の並行処理、その次のフレームで符号化処理を順次行う。
本発明に関連する先行技術文献として、画像動ベクトルの探索回数、即ち、検出時間を短縮する画像動ベクトルの検出方法について下記の特許文献1に、また、カメラの移動量に応じて動きベクトルの探索範囲を変えるビデオ符号化装置について下記の特許文献2に記載されている。
特開平06−319135号公報
特開平06−38195号公報
藤原洋監修 「ポイント図解式 最新MPEG教科書」 株式会社アスキー(1994年8月1日発行)P16,P71,P76
動きベクトル探索範囲のサイズによって、取り込む参照画のデータ量及び演算量は変化し、また、データを取り込む大容量メモリは、図8又は図13に示すように、他の機能部と共有しているため、各マクロブロックの動きベクトル探索処理に際して、大容量メモリのアクセスレイテンシは一定ではなく、動作状況によって変化する。
つまり、図8において、符号化部8−4の共有大容量メモリ8−1へのメモリアクセス量は諸条件によって変化するため、動きベクトル探索部8−3のメモリアクセスレイテンシも一定ではなく、その都度状況によって変化する。従って、動きベクトル探索部8−3における1マクロブロック処理に必要なクロック数は状況によって変化し、1350個のマクロブロックを処理するのに必要な動作クロック数も毎回異なる。
図16の(a)に、1マクロブロックの動きベクトル探索処理の内訳を示す。1マクロブロックの動きベクトル探索処理時間は、メモリアクセスレイテンシとパターンマッチング演算時間とから成り、メモリアクセスレイテンシは前述のように状況によって変化する。このような状況下において、1フレーム(1/30秒)の垂直同期期間(Vsync)内に1350個のマクロブロックの動きベクトル探索処理を確実に完了させる必要があるため、従来は、最悪値、即ち、メモリアクセスレイテンスが最大となる場合が連続して発生することを想定してメモリアクセスレイテンシを見積もり、その見積もりを基に探索範囲を決定していた。
このように決定した探索範囲であれば、最悪な状況が発生した場合であっても、動きベクトル探索処理は確実に規定時間内に終了することとなるが、実際の場合、必ずしも最悪な状況が連続して発生することはなく、多くの場合、各マクロブロックの動きベクトル探索は、予定した時間より早めに処理を完了し、その場合、次の処理開始までの間に空き時間が発生するため、効率の悪い処理を行っていることになる。その様子を図16の(b)に示している。
本発明は、マクロブロック毎の動きベクトル探索処理において無駄な空き時間を生ずることなく、演算の最適化を図り、動画像の符号化品質の特性向上を図ることを目的とする。また、画面全体に対する処理量を増大することなく、画面の見かけ上の画質を向上させることを目的とする。
本発明の動きベクトル探索制御装置は、(1)動画像の符号化処理における各マクロブロックの動きベクトル探索処理を制御する動きベクトル探索制御装置において、各マクロブロックの動きベクトルの探索範囲を、画面の中央部のマクロブロックに対しては相対的に広く設定し、画面の端部のマクロブロックに対しては相対的に狭く設定して各マクロブロックの動きベクトル探索処理を制御することを特徴とする。
また、(2)動画像の符号化処理における各マクロブロックの動きベクトル探索処理を制御する動きベクトル探索制御装置において、各マクロブロックの動きベクトル探索処理の進捗状況を監視する進捗状況監視手段と、前記進捗状況監視手段により、動きベクトル探索処理が予定よりも進んでいると判断された場合は動きベクトル探索範囲を相対的に広く設定し、動きベクトル探索処理が予定よりも遅延していると判断された場合は動きベクトル探索範囲を相対的に狭く設定する探索範囲設定手段と備えたものである。
また、(3)動画像の符号化処理における各マクロブロックの動きベクトル探索処理を制御する動きベクトル探索制御装置において、各マクロブロックの動きベクトル探索処理の進捗状況を監視する進捗状況監視手段と、前記進捗状況監視手段により、動きベクトル探索処理が予定よりも進んでいると判断された場合は動きベクトル探索範囲を相対的に広く設定し、動きベクトル探索処理が予定よりも遅延していると判断された場合は動きベクトル探索範囲を相対的に狭く設定する探索範囲設定手段と、前記探索範囲設定手段により、各マクロブロックの動きベクトルの探索範囲を進捗状況に合わせて、画面の中央部のマクロブロックに対しては相対的に広く設定し、画面の端部のマクロブロックに対しては相対的に狭く設定して各マクロブロックの動きベクトル探索処理を制御する探索処理制御手段と備えたものである。
また、(4)前記探索処理制御手段は、画面の中央部のマクロブロックから動きベクトル探索処理を開始し、画面の端部のマクロブロックに向かって各マクロブロックの動きベクトル探索処理を進行させることを特徴とする。
本発明による動きベクトル探索制御装置は、動きベクトル探索処理の進行状況を監視し、その状況に応じて探索範囲、それに伴うメモリアクセス量及びパターンマッチング処理量を適応的に変化させることにより、ムダな空き時間を生ずることなく、演算の最適化を図ることができ、画像の符号化品質の特性向上を図ることができる。
また、画面上で注目度が高い中央部の画面の動きベクトル探索範囲を広めにし、あまり注意が届かない端部の画面の動きベクトル探索範囲を狭めるよう、動きベクトル探索範囲に重み付けを行うことにより、画面全体の処理量を増大することなく画面の見かけ上の画質を向上させることができる。
更に、画面の中央部から端部に向かって、動きベクトル探索の処理を進行させ、中央部の画面の動きベクトル探索範囲を広く、端部の画面の動きベクトル探索範囲を狭く、動きベクトル探索処理の進行状況に応じて探索範囲を適応的に変化させる動きベクトル探索制御を行うことにより、演算の最適化を図り、画像の符号化品質の特性向上を図ると共に、画面全体の処理量を増大することなく画面の見かけ上の画質を向上させることができる。
図1は本発明による動きベクトル探索制御装置の構成を示す。本発明による動きベクトル探索制御装置は、動きベクトル探索処理の進捗状況を把握するために、各フレームの垂直同期信号(Vsync)でリセットされるタイマ1−1を設け、該タイマ1−1の値をCPU8−5により読み込み、CPU8−5は該タイマ1−1の値と現在処理しているマクロブロックの番号とから、動きベクトル探索処理が想定した進行状況より進んでいるのか遅れているのかを把握し、それに応じて、動きベクトル探索範囲を適応的に制御する。
なお、上記のタイマ1−1を設ける構成に代えて、一般的なCPUに内蔵されているアプリケーションタイマを利用してフレームの垂直同期(Vsync)の割り込み処理によりCPU自身でタイマ値をリセット制御する構成とすることもできる。その他の構成は、図8又は図13に示した構成と同様であるので同一の構成要素に同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
また、本発明は図2に示すように、動きベクトル探索処理を、画面の中央部から端部に向かって進行するように制御する。なお、図2において、各マクロブロックには処理順の番号となるように中央部側が若番となるように番号を付している。そして、動きベクトル探索範囲の設定として「広」、「中」及び「狭」の3段階の設定を可能とするように構成する。また、動きベクトル探索範囲を、「広」、「中」又は「狭」の何れに設定するかを判定するジャッジポイントを複数箇所設定する。
例えば、画面に1350個のマクロブロックが存在し、2つの動きベクトル探索モジュールを用いて動きベクトルを探索する場合、それぞれの動きベクトル探索モジュールで675個のマクロブロックを処理することになるので、このうち、一例として338番目、506番目及び590番目の3箇所のマクロブロックに動きベクトル探索範囲設定見直しのジャッジポイントを設定する。
上記のジャッジポイントの設定例を図3に示している。同図の「★」の印で示した箇所がジャッジポイントである。動きベクトル探索処理の進捗状況は、1/30秒間の垂直同期信号(Vsync)間を、それぞれの動きベクトル探索モジュールで675個のマクロブロックを処理する場合、タイマカウント値を675等分した値で判断する。
例えば、垂直同期信号(Vsync)間に、675をカウントアップするタイマとした場合、500番目のマクロブロック処理時にタイマ値が500前後であれば、ほぼ予定どおりの進捗状況であると判断する。ここで、タイマ値が400などのように500より相当小さい値であれば、前倒しで処理が進んでいると判断し、600などのように500より相当大きい値であれば、処理が遅延していると判断する。
一例として、338番目、506番目及び590番目のマクロブロックをジャッジポイントとして設定した場合の、CPUによる動きベクトル探索範囲の設定を、次のように判断して制御する。なお、この実施例のフローチャートを図4に示している。
(1)最初のマクロブロックの動きベクトル探索範囲を「広」と設定してベクトル探索処理開始する(ステップ4−1)。
(2)338番目のマクロブロック処理時に、タイマ値から進捗状況を確認する(ステップ4−5,4−6,4−7)。
・進捗状況が予定どおりであれば、探索範囲「広」設定のまま処理を継続する(ステップ4−6,4−4)。
・進捗状況が予定よりも遅延していれば、探索範囲を「中」に設定して処理を継続する(ステップ4−7,4−8)。
(3)506番目のマクロブロック処理時に、タイマ値から進捗状況を確認する(ステップ4−9,4−10,4−11,4−12)。
・進捗状況がほぼ予定どおりであれば、探索範囲設定を継続したまま処理を継続する(ステップ4−10,4−4)。
・進捗状況が十分前倒しで進んでいれば、探索範囲設定を一段階広く設定して処理を継続する(ステップ4−11,4−13)。
・進捗状況が予定より遅延していれば、探索範囲を一段階狭く設定して処理を継続する(ステップ4−12,4−14)。
(4)590番目のマクロブロック処理時に、タイマ値から進捗状況を確認する(ステップ4−16,4−17,4−18,4−19)。
・進捗状況がほぼ予定どおりであれば、探索範囲設定を継続したまま処理を継続する(ステップ4−17,4−4)。
・進捗状況が十分前倒しで進んでいれば、探索範囲設定を一段階広く設定して処理を継続する(ステップ4−18,4−20)。
・進捗状況が予定より遅延していれば、探索範囲を一段階狭く設定して処理を継続する(ステップ4−19,4−21)。
(1)最初のマクロブロックの動きベクトル探索範囲を「広」と設定してベクトル探索処理開始する(ステップ4−1)。
(2)338番目のマクロブロック処理時に、タイマ値から進捗状況を確認する(ステップ4−5,4−6,4−7)。
・進捗状況が予定どおりであれば、探索範囲「広」設定のまま処理を継続する(ステップ4−6,4−4)。
・進捗状況が予定よりも遅延していれば、探索範囲を「中」に設定して処理を継続する(ステップ4−7,4−8)。
(3)506番目のマクロブロック処理時に、タイマ値から進捗状況を確認する(ステップ4−9,4−10,4−11,4−12)。
・進捗状況がほぼ予定どおりであれば、探索範囲設定を継続したまま処理を継続する(ステップ4−10,4−4)。
・進捗状況が十分前倒しで進んでいれば、探索範囲設定を一段階広く設定して処理を継続する(ステップ4−11,4−13)。
・進捗状況が予定より遅延していれば、探索範囲を一段階狭く設定して処理を継続する(ステップ4−12,4−14)。
(4)590番目のマクロブロック処理時に、タイマ値から進捗状況を確認する(ステップ4−16,4−17,4−18,4−19)。
・進捗状況がほぼ予定どおりであれば、探索範囲設定を継続したまま処理を継続する(ステップ4−17,4−4)。
・進捗状況が十分前倒しで進んでいれば、探索範囲設定を一段階広く設定して処理を継続する(ステップ4−18,4−20)。
・進捗状況が予定より遅延していれば、探索範囲を一段階狭く設定して処理を継続する(ステップ4−19,4−21)。
このように、注目度の高い画面中央部から動きベクトル探索処理を開始して、該処理の進捗状況に応じて適応的に探索範囲を設定するように制御することにより、共有大容量メモリバスのバンド幅の使用状況や人間の視覚特性に合わせた最適な動きベクトル探索範囲の制御を実現することができ、動画像の符号化品質の向上を図ることができる。
1−1 タイマ
8−1 大容量メモリ
8−2 ビデオ入力部
8−3 動きベクトル探索部
8−4 符号化部
8−5 CPU
8−1 大容量メモリ
8−2 ビデオ入力部
8−3 動きベクトル探索部
8−4 符号化部
8−5 CPU
Claims (4)
- 動画像の符号化処理における各マクロブロックの動きベクトル探索処理を制御する動きベクトル探索制御装置において、
各マクロブロックの動きベクトルの探索範囲を、画面の中央部のマクロブロックに対しては相対的に広く設定し、画面の端部のマクロブロックに対しては相対的に狭く設定して各マクロブロックの動きベクトル探索処理を制御することを特徴とする動きベクトル探索制御装置。 - 動画像の符号化処理における各マクロブロックの動きベクトル探索処理を制御する動きベクトル探索制御装置において、
各マクロブロックの動きベクトル探索処理の進捗状況を監視する進捗状況監視手段と、
前記進捗状況監視手段により、動きベクトル探索処理が予定よりも進んでいると判断された場合は動きベクトル探索範囲を相対的に広く設定し、動きベクトル探索処理が予定よりも遅延していると判断された場合は動きベクトル探索範囲を相対的に狭く設定する探索範囲設定手段と、
備えたことを特徴とする動きベクトル探索制御装置。 - 動画像の符号化処理における各マクロブロックの動きベクトル探索処理を制御する動きベクトル探索制御装置において、
各マクロブロックの動きベクトル探索処理の進捗状況を監視する進捗状況監視手段と、前記進捗状況監視手段により、動きベクトル探索処理が予定よりも進んでいると判断された場合は動きベクトル探索範囲を相対的に広く設定し、動きベクトル探索処理が予定よりも遅延していると判断された場合は動きベクトル探索範囲を相対的に狭く設定する探索範囲設定手段と、
前記探索範囲設定手段により、各マクロブロックの動きベクトルの探索範囲を進捗状況に合わせて、画面の中央部のマクロブロックに対しては相対的に広く設定し、画面の端部のマクロブロックに対しては相対的に狭く設定して各マクロブロックの動きベクトル探索処理を制御する探索処理制御手段と、
備えたことを特徴とする動きベクトル探索制御装置。 - 前記探索処理制御手段は、画面の中央部のマクロブロックから動きベクトル探索処理を開始し、画面の端部のマクロブロックに向かって各マクロブロックの動きベクトル探索処理を進行させることを特徴とする請求項3に記載の動きベクトル探索制御装置。
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20071204 |