JP2006079709A - 記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】オリジナル記録媒体から不正コピーされたデータの使用を確実に防止する。
【解決手段】第1セッションCにオリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムがプリピットの形で記録され、その外側に記録不可能なオリジナル判定用の特定領域Dが配置される。特定領域Dの外側に当該記録媒体1の本来の再生用データが、第2以降のセッションE、Fとしてプリピットの形で記録されるか、又は記録可能な構造を持つ追記可能領域Gに記録されるか、又は未記録の追記可能領域Gが有る。特定領域Dのみマルチセッションの定義外として配置され、殆どウォブリングのないプリグルーブがマスタリングにより形成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、光ディスク等の不正コピー品の不正使用を防止可能とした記媒録体、記録再生方法及び記録再生システムに関する。
情報を記録する記録媒体として、CD−ROM,DVD−ROM等の光ディスクが広く普及している。これらの光ディスクは、再生専用光ディスクであり、工場で多量に生産され、オリジナル記録媒体としてユーザに提供される。このような再生専用光ディスクは、原盤露光装置で原盤上に形成されたピット列をスタンパに転写(「マスタリング」と呼ばれる)し、そのスタンパを型として成形基板に転写し、その成形基板に反射膜、保護膜等を付与することにより、ピットとして時間情報(ヘッダアドレス:物理アドレス)と共にデジタルデータを記録したデータ構造を備えており、そのピットに記録された時間情報に基づいてデータを再生している。
一方、近年では、記録可能な光ディスクとして、CD−R,CD−RW,DVD+R,DVD+RWディスク等が広く普及している。これらの記録可能な光ディスクでは、全面にグルーブをウォブルさせることにより時間情報が記録されたグルーブが形成されており、そのグルーブが形成された成形基板の上に記録膜(CD−R,DVD+Rでは色素等、CD−RW,DVD+RWでは相変化膜)、反射膜、保護膜等が形成されており、記録された時間情報に一致するようにCD−R/RW、DVD+R/RWライタでマークを書込むことにより、ヘッダアドレス(時間情報)とデータとを記録するような構造になっている。
このような媒体の普及に伴い、記録可能なCD−R/RWライタ或いはCD−R/RW,DVD±R/RWライタは再生専用のCD−ROMプレーヤにとって代わり、PC(ホスト機)に標準搭載されるようになり、広く普及している。
ここに、上述したような再生専用光ディスク=オリジナルディスクに記録されている情報はデジタル情報であり、コピーしても劣化しないことと、記録可能なCD−R/RWライタ或いはCD−R/RW、DVD±R/RWライタの普及に伴い、再生専用光ディスク等のオリジナル記録媒体に記録されたデータやアプリケーションプログラム等の情報が不正にコピーして使用されるという問題が生じている。
このような不正コピーの防止に関しては、例えば、特許文献1に開示された発明によれば、ドライブにマウントされた媒体が再生専用か、書換え可能かを判別し、再生専用媒体(オリジナル)と判別された場合はデータの再生を可とし、書換え可能媒体と判断された場合は再生を不可としており、媒体の識別方法として媒体に使われるカートリッジ形状の違い、或いは媒体からの反射率の違いを用いている。
また、特許文献2に開示された発明では、IDファイルの書換えができるか否かでオリジナルかコピー(書き換え可能媒体)かを判定するようにしている。
特開平06−302092号公報 特開平09−274774号公報
しかしながら、特許文献1の発明は、カートリッジを用いない媒体に関しては適用できず、また、媒体からの反射率の違いに関しては、オリジナルCDとコピーCD−RWとに着目しているが、オリジナルCDとコピーCD−Rの媒体間では反射率は略同じであり、コピーCD−Rの場合には適用できず、不正コピーに対する対応策として不十分である。
また、特許文献2の発明は、コピーされた記録可能媒体(CD−R等の1回のみ記録可能な媒体)に適用した場合には、IDが既に記録(コピー)されているので、書換え動作が正常終了せず、オリジナルと判定されてしまう可能性があり、不正コピーに対する対応策として不十分である。
本発明は、このような光ディスク等の記録媒体の不正コピーに関する問題点に対処してなされたもので、オリジナルから不正コピーされたデータの使用を確実に防止して不正コピーに対して適正な対応を採ることができる記録媒体、記録再生方法及び記録再生システムを提供することを目的とする。
すなわち、請求項1の発明の記録媒体は、グルーブのウォブル信号の再生が不可の特定領域を備え、この特定領域へのアクセス動作による異常を検知したときのみオリジナル媒体と判定して当該媒体に対するデータ再生又はデータ書き込みの実行を許可し、異常検知のないときはコピー媒体と判定して前記実行を禁止するオリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムが読み取り可能に記録されていることを特徴とする。
請求項1の発明においては、グルーブのウォブル信号の再生が不可の特定領域へのアクセス動作はウォブル同期信号が得られないため異常となり、この特定領域があらかじめ形成された記録媒体はアクセス動作の異常検知によりオリジナルと判定される。一方、コピー媒体は、ウォブル信号の再生が不可のグルーブを持つ特定領域はないので、アクセス動作の異常は検知されずコピーと判定される。これにより、オリジナルかコピーかの判別が容易となり、コピー媒体の不正使用を防ぐことが可能となる。
請求項2の発明は、請求項1の記録媒体において、リードインエリアとリードアウトエリアとに挟まれたプログラムエリアからなるセッションを複数有し、前記オリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムが最も内側の第1セッションに記録され、この第1セッションの外側に隣接して前記特定領域が配置されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2の記録媒体において、透明樹脂基板に変調されたウォブリングを有するプリピットがマスタリングによって形成されてなり、前記オリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムを記録したデータ領域、及びこのデータ領域の外側に設けられ前記オリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムの判定結果によって再生可能となる再生専用データを記録したデータ領域からなる再生専用データ領域と、前記再生専用データ領域の外側に、変調されたウォブリングを有するプリグルーブがマスタリングによって形成されてなり、前記オリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムの判定結果によって書き込み可能となる追記可能領域とを備え、前記特定領域は、前記オリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムを記録したデータ領域の外側に隣接して、ほとんどウォブリングのないプリグルーブがマスタリングによって形成されてなることを特徴とする。
請求項4の発明の記録再生方法は、記録媒体が記録再生装置にマウントされたとき、この記録媒体に記録されているオリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムを読み取る工程と、読み取ったオリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムにしたがって当該記録媒体に形成されているグルーブのウォブル信号の再生が不可の特定領域へのアクセスを行う工程と、このアクセス動作によって異常を検知したとき、当該記録媒体をオリジナルと判定して当該記録媒体に対するデータ再生又はデータ書き込みの実行を許可し、異常の検知のないときは当該記録媒体をコピーと判定して前記実行を禁止する工程とを有することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4の記録再生方法において、前記特定領域へのアクセスを行う工程が、前記オリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムを記録したデータ領域のリードアウトにアクセスした後、トラッキング状態を維持したままこのリードアウトに隣接する前記特定領域にアクセスする工程を含むことを特徴とする。
請求項6の発明は、記録再生装置とホスト機が接続された記録再生システムにおいて、請求項1ないし3のいずれかに記載の記録媒体又はそのコピー媒体が前記記録再生装置にマウントされたとき、前記ホスト機が当該媒体に記録されている前記オリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムを実行することを特徴とする。
本発明によれば、コピー媒体は全体がアクセス可能な構造を有することから、オリジナルの記憶媒体にアクセス不可能なディスク構造の特定領域を設け、この特定領域へのアクセス動作による異常の有無からオリジナルかコピーかの判別を行い、コピー媒体と判定した場合には再生及び書き込みの実行を禁止するアプリケーションプログラムを記録させておくことにより、オリジナルの記憶媒体からコピーしたデータの不正使用を確実に防止することができ、容易に不正コピーに対して適切な対応をとることができる。
以下、図面に基づいて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
まず、本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置の構成例を図1に示す。本実施の形態は、記録媒体1として、CD−ROM等の再生専用光ディスクの他に、一度だけ書込み可能でCDフォーマットに準拠した記録可能なCD−R(CD−Recordable)なる追記型の光ディスクやCDフォーマットに準拠した記録可能なCD−RW(CD−Rewritable)なる書換え型の光ディスクを対象とする光ディスク装置(ドライブ)への適用例を示す。
図1に示す光ディスク装置の概略構成及び動作について説明する。
CD系ディスクでは、ディスク基板上の色素材料或いは相変化材料にデータで変調されたレーザー光を照射して、ピットあるいはマークを形成し、これらにレーザ光を当てて、その反射光の変化でデータを読み取る。このデータ列はレコードのようにディスク基板上に螺旋状に並べられている。この螺旋状に配された線をトラックと呼んでおり、隣り合うトラック間の距離は1.6μmである。
このような記録媒体(光ディスク)1は駆動手段としてのスピンドルモータ2によって回転駆動される。スピンドルモータ2はモータドライバ3とサーボ手段4とによって線速度一定(CLV)又は回転数一定(CAV)となるように制御される。その線速度は段階的に変更が可能である。
光ピックアップ5は半導体レーザ、光学系、フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ、受光器、ポジションセンサ等を内蔵しており、レーザ光を記録媒体(光ディスク)1の記録面に照射する。この光ピックアップ5は、図示しないシークモータによりスレッジ方向(ディスク半径方向)に移動可能とされている。これらのフォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ、シークモータは、受光器やポジションセンサから得られる信号に基づきモータドライバ3とサーボ手段4とによってレーザスポットを記録媒体(光ディスク)1上の目的の場所に位置させるように制御する。
データ再生時には、光ピックアップ5で得られた再生信号をリードアンプ6で増幅してイコライザ処理や2値化(デジタル化)処理した後、CDデコーダ7に入力してEFM復調する。即ち、EFM信号は、光学的に再生又は記録しやすいように8ビットデータを14ビットデータに変調したデータであり、EFM復調されたデータはデインターリーブ(並べ替え直し処理)とエラー訂正の処理を行う。さらに、そのデインターリーブとエラー訂正の処理後のデータをCD−ROMデコーダ8に入力してデータの信頼性を高めるためのエラー訂正処理を行う。
その後、CD−ROMデコーダ8で処理したデータをバッファマネージャ9によって一旦バッファRAM10に蓄積し、セクタデータとして揃ったときにATAPIやSCSIといったインタフェース11によってホスト側へ一気に転送する。また、音楽データの場合、CDデコーダ7から出力されるデータをD/Aコンバータ12に入力してアナログのオーディオ信号を取り出す。
一方、データ記録時には、ATAPIやSCSIといったインタフェース11によってホストから転送されたデータを受信すると、そのデータをバッファマネージャ9によって一旦バッファRAM10に蓄積する。バッファRAM10に或る程度のデータが溜まったときに記録を開始するが、その前にレーザスポットを書き込み開始地点に位置させる。その書き込み開始地点は、トラック(プリグルーブ)の蛇行によって予め光ディスク1に刻まれているウォブル信号であるATIP(Absolute Time In Pre-groove)信号によって求められる。ATIP信号は光ディスク上の絶対番地を示す時間情報であり、ATIPデコーダ13によってATIP信号の情報を取り出すとともに、ATIPエラーを検出してATIP信号の検出エラー率を計測する。
また、ATIPデコーダ13が生成する同期信号は、CDエンコーダ14に入力されて正確な位置でのデータの書き出しを可能にしている。バッファRAM10のデータは、CD−ROMエンコーダ15やCDエンコーダ14でエラー訂正コードの付加やインターリーブ(並べ替え)を行った後、EFM変調され、レーザコントロール回路16、光ピックアップ5を介して記録媒体(光ディスク)1に記録される。
このような光ディスク装置は、上述の各部の動作を制御するためのCPU17、ROM18及びRAM19からなるマイクロコンピュータを備えている。
このような構成の光ディスク装置21は、例えば、図2に示すように、PC等のホスト機22に接続されて、記録再生システムを構成し、当該記録再生システムにおいてホスト機22による制御の下に活用される。当該記録再生システムにおけるホスト機22は、主制御装置24、インタフェース25、記録装置(ハードディスクドライブHDD)26、入力装置27及び表示装置28などを備えている。主制御装置24は、マイクロコンピュータ、メインメモリ(何れも不図示)などを含んで構成され、ホスト全体を制御する。インタフェース25は、光ディスク装置21との双方向の通信インタフェースであり、ATAPI及びSCSI等の標準インタフェースに準拠している。インターフェース25は光ディスク装置21のインタフェース11と接続されている。なお、各インターフェース11,25間の接続形態は、通信ケーブル(例えばSCSIケーブル)などの通信線を用いたケーブル接続だけでなく、赤外線などを利用したワイヤレス接続であっても良い。
記録装置(HDD)26には、主制御装置24のマイクロコンピュータで解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。なお、当該情報処理装置の駆動電源がオン状態になると、上記プログラムは主制御装置24のメインメモリにロードされる。表示装置28は、例えばCRT、液晶ディスプレイ(LCD)及びプラズマディスプレイパネル(PDP)などの表示部(図示省略)を備え、主制御装置24からの各種情報を表示する。入力装置27は、例えばキーボード、マウス及びポインティングデバイスなどのうち少なくとも1つの入力媒体(図示省略)を備え、ユーザから入力された各種情報を主制御装置24に通知する。なお、入力媒体からの情報はワイヤレス方式で入力されても良い。また、表示装置28と入力装置27とが一体化したものとして、例えばタッチパネル付きCRTなどがある。
また、ホスト機22はオペレーティングシステム(以下「OS」という)を搭載している。そして、ホスト機22を構成する全てのデバイスはOSによって管理されているものとする。
次に、このような記録再生システムで使用される記録媒体1について説明する。本実施の形態の記録媒体1においては、例えばオレンジブック規格で規定されるCD−R/RWのマルチセッション方式で必要なデータが記録されている。即ち、マルチセッション方式は、リードインエリアとリードアウトエリアとに挟まれたプログラムエリアからなる単位を1セッションとし、このようなセッションをディスク半径方向に複数有する方式である。
本実施の形態では、マスタリングの段階で、図3に示すように、第1セッションCにオリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムが記録され、その外側にオリジナル判定のための特定領域Dが記録不可能なディスク構造を持って配置される。該特定領域Dの外側に第2セッション以降E、Fとして、当該記録媒体1の目的とする本来の再生用データがマスタリングされた形で記録されているか、または、記録可能であるディスク構造を持つ追記可能領域Gに記録されているか、または追記可能な未記録領域が有る。前記特定領域Dのみマルチセッションの定義外として配置される。図3において、Aはセンターホール、Bはクランプ領域である。なお、第1セッションの第1トラックに前記アプリケーションプログラム、第2トラックに再生用データが記録されていても良い。
該記録媒体1のマスタリング後の状態はディスクがクローズしていないデータ構造となっている。具体的には、各セッションのリードインエリアのサブコードQフレームはマルチセッションを示す POINT=B0として記録されている。また、最終セッションのリードインエリアに記録される「次にデータ記録可能な開始時間(Start time of next possible program in the Recordable Area)」に、追記可能領域の追記セッションのプログラムエリアの開始時間(Start time)が記録され、この値は「最も外側にリードアウト(Lead Out)を記録する場合の記録開始時間(Maximum start time of outer most Lead-out Area)」より小さい値に設定されている。
なお、アプリケーションプログラムが記録される第1セッションのリードインエリアに記録される「次にデータ記録可能な開始時間」に関しては、第2セッションのプログラムエリアの開始時間をアプリケーションプログラムで予め認識しているため、記録しておかなくても良い。また、オリジナル判定のための特定領域のセッションは未記録状態、即ちプリピットではなく、グルーブの状態になっており、該ウォブルの振幅はウォブル同期信号を再生不可とする程度の振幅、例えば規格においてWobble CNでCD−R/RW、DVD+R/RWで45dB以上を大きく下回るような振幅、極端には振幅なし、即ちウォブルなしでも良い。
このようなデータ構造の記録媒体1の物理的構造例について図3を参照して説明する。本実施の形態の記録媒体1は、アプリケーションプログラム、再生用データが記録されている再生専用としてのROM領域構造と追記が可能な記録可能領域構造、及びオリジナル判定のための特定領域である記録が不可能な構造とから構成されている。まず、オリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラム、再生用データが各々第1セッションC、第2セッション以降E、Fとして各々マスタリングによるプリピットの形で基板に形成されている。また、プリピットがマスタリングされたセッションFの外側は追記可能領域Gであり、マスタリングによるプリグルーブが形成されている。オリジナル判定のための特定領域Dは、オリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムが記録された第1セッションCの外側に隣接して、かつ第2セッションEの内側に、追記可能領域Gと同様に基板上にプリグルーブが形成されて配置される。これらの全てのプリピット及びプリグルーブは、ATIP情報を含ませるために通常変調されたウォブリングを持っているが、当該特定領域Dは、追記可能領域Gのグルーブのウォブル幅と異なりウォブル信号データが再生できない程度、極端には振幅なし設定される。
これらのプリピット及びプリグルーブが形成された透明樹脂基板上にはCD−Rの場合はシアニン系、フタロシアニン系、アゾ系等の有機色素をスピナー塗布で設け、その上に金、銀等の反射層がスパッタリングで設けられる。CD−RWの場合は基板上に無機酸化物からなる下部誘電体層、記録層としての相変化材料、無機酸化物からなる上部誘電体層、アルミニウム、銀等からなる反射層が順次スパッタリングにより設けられる。さらに反射層の上には保護膜が設けられている。
このような記録媒体1がCD−RやCD−RWを利用して不正にコピーされた場合、そのコピー媒体1cにおいて、オリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラム、マスタリングされた再生用データ、追記された再生用データがコピーされることとなる。
このような構成において、オリジナルの記録媒体1又はコピー媒体1cが光ディスク装置21にマウントされると、図4に示すように、その第1セッションに記録されているオリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムが起動し(ステップS−1)、ホスト機22の主制御装置24にてオリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムによる光ディスクの真贋判定処理(オリジナルかコピーかの判定処理)を開始する。
まず、オリジナル判定のための特定領域にアクセスする。この時のアクセスのプロセスは、前記特定領域の内側に隣接する、ATIP情報によりウォブルしたプレピットの領域である第1セションのリードアウトに先ずアクセスし(ステップS−2)、この後、トラッキングした状態で前記特定領域にアクセスする(ステップS−3)。この理由は、オリジナル媒体の特定領域のグルーブはウォブリングしていないので、回転サーボが不能となり、スピンドル回転が暴走する可能性を少なくするためである。
媒体がオリジナルの場合は、前記したように特定領域のグルーブのウォブルは無いか、または極端にウォブル振幅が小さいので、特定領域にアクセスした段階でドライブはウォブル信号を再生できないため、ウォブル同期信号が得られず、スピンドルの回転制御が不能となることで、ドライブのファームウエアーはエラーをステータスに立てる。エラーとなった段階で、ドライブは前記特定領域外の、グルーブがウォブリングしている領域にアクセスするのが望ましい。媒体がコピーの場合は、全面がウォブルされたグルーブを持つので、特定領域のアクセスした段階で前記したようなエラーは発生しない。
したがって、ステップS−4において、エラー発生の有無を検証し、エラー発生しない場合はコピー媒体と認識し、記録・再生不可のメッセージを出し(ステップS−5)、確認ボタンで操作終了となる(ステップS−6、S−8)。ステップS−4でエラー発生の場合は、オリジナル媒体と認識され、以後の記録再生処理が実行される(ステップS−7)。この時の第2セッションのアクセスは予めアプリケーションソフトで設定されたアドレスへアクセスする。
以上の説明からも明らかなように、本実施の形態においては、追記可能なオリジナル記録媒体の特定領域をアクセス不可能なディスク構造とし、一方不正なコピー媒体はアクセス可能であることが必要な点に着目し、当該媒体が記録再生装置にマウントされた場合にはホスト機に当該媒体中のオリジナル判定のための前記特定領域に対してアクセス動作を実行させ、このアクセス動作の実行に伴いアクセス不可の状態を検知した場合には当該媒体をオリジナル記録媒体と判定してその追記可能領域への書き込み及び再生用データ領域の再生を可能とする一方、アクセス可能であった場合には当該媒体をコピー媒体と判定してその追記可能領域への書き込み及び再生用データ領域の再生を不可とする処理を実行させるオリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムを再生用データとともに記録させておき、ドライブへのマウント後に該アプリケーションプログラムが実行されることにより、不正なコピー媒体を実質的に使用できず価値のないものとすることができる。
また、オリジナル記憶媒体のデータ構造を、マルチセッション方式で、当該媒体がクローズされていない追記可能な状態とし、追記可能領域は物理的に記録可能なディスク構造としているので、新たな必要データを新セッションとして記録媒体に追加することが可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明する。
基板の表面上に、オリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムを記録するプログラムエリアとする第1セッションとして、TOC及びリードアウトまで(半径約26mmまで)深さ3030A、巾0.6μm、トラックピッチ1.6μmのピット、及び該ピットを繋ぐ深さ1700A、巾0.4μmのピット間グルーブを設けた。ピット及びピット間グルーブのウォブル振幅は40nmである。その外側にオリジナル判定のための特定領域として、深さ1700A、巾0.7μm、トラックピッチ1.6μmの案内溝を有する領域を設け、ウォブル振幅は0nmとした。その外側に追記用及び再生用エリアとする第2セッション以降のエリアとして深さ1700A、巾0.7μm、ウォブル振幅20nmのグルーブを設けた直径120mmの基板を用意した。前記特定領域を除いて、各ピット、ピット間グルーブ、グルーブはATIP情報を有するウォブリング構造持っている。
この基板上に、フタロシアニン色素を主体とする光吸収層をエチルシクロヘキサンからなる混合溶媒を塗布液としてスピンコートすることにより設けた。光吸収層塗布後、100℃、30分で熱処理後、スパッタ法によりAgを約1400Aの厚さに設け反射層とした。その上に紫外線硬化樹脂をスピナーにより塗布し、紫外線で硬化させ約5μmの保護層を設けて、CD−R光記録媒体を得た。
次に前記オリジナル判定のための特定領域を再生したところ、ウォブル信号再生エラーが発生し、正常再生ができなかった。
この記録媒体を光ディスク装置にマウントし、一連の真贋判定処理および記録再生を行なったところ、図4のフローに従った結果が得られた。
本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態にかかる記録再生システムの構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態にかかる記録媒体の半径方向の構成例を示す概略図である。 本発明の一実施の形態にかかる記録再生システムの真贋判定処理動作を示すフロー図である
符号の説明
1‥‥記録媒体
21‥‥光ディスク装置
22‥‥ホスト機

Claims (6)

  1. グルーブのウォブル信号の再生が不可の特定領域を備え、この特定領域へのアクセス動作による異常を検知したときのみオリジナル媒体と判定して当該媒体に対するデータ再生又はデータ書き込みの実行を許可し、異常検知のないときはコピー媒体と判定して前記実行を禁止するオリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムが読み取り可能に記録されていることを特徴とする記録媒体。
  2. リードインエリアとリードアウトエリアとに挟まれたプログラムエリアからなるセッションを複数有し、前記オリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムが最も内側の第1セッションに記録され、この第1セッションの外側に隣接して前記特定領域が配置されていることを特徴とする請求項1記載の記録媒体。
  3. 透明樹脂基板に変調されたウォブリングを有するプリピットがマスタリングによって形成されてなり、前記オリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムを記録したデータ領域、及びこのデータ領域の外側に設けられ前記オリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムの判定結果によって再生可能となる再生専用データを記録したデータ領域からなる再生専用データ領域と、
    前記再生専用データ領域の外側に、変調されたウォブリングを有するプリグルーブがマスタリングによって形成されてなり、前記オリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムの判定結果によって書き込み可能となる追記可能領域とを備え、前記特定領域は、
    前記オリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムを記録したデータ領域の外側に隣接して、ほとんどウォブリングのないプリグルーブがマスタリングによって形成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の記録媒体。
  4. 記録媒体が記録再生装置にマウントされたとき、この記録媒体に記録されているオリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムを読み取る工程と、
    読み取ったオリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムにしたがって当該記録媒体に形成されているグルーブのウォブル信号の再生が不可の特定領域へのアクセスを行う工程と、
    このアクセス動作によって異常を検知したとき、当該記録媒体をオリジナルと判定して当該記録媒体に対するデータ再生又はデータ書き込みの実行を許可し、異常の検知のないときは当該記録媒体をコピーと判定して前記実行を禁止する工程とを有することを特徴とする記録再生方法。
  5. 前記特定領域へのアクセスを行う工程が、前記オリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムを記録したデータ領域のリードアウトにアクセスした後、トラッキング状態を維持したままこのリードアウトに隣接する前記特定領域にアクセスする工程を含むことを特徴とする請求項4記載の記録再生方法。
  6. 記録再生装置とホスト機が接続された記録再生システムにおいて、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の記録媒体又はそのコピー媒体が前記記録再生装置にマウントされたとき、前記ホスト機が当該媒体に記録されている前記オリジナル/コピー判定用アプリケーションプログラムを実行することを特徴とする記録再生システム。

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI494980B (zh) * 2010-12-01 2015-08-01 Toshiba Kk Semiconductor device manufacturing method

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