JP2006077523A - 鋼床版の補強工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鋼板製のデッキプレート1下面に複数のUリブ2を平行に設けた鋼床版において、Uリブ2間にUリブ2と平行になるように補強リブ3をデッキプレート1に接合配設すると共に、補強リブ3が面外方向に変位するのを防ぐため、Uリブと補強リブのそれぞれに接合された固定板4を設けるか、補強リブの長手方向端部をUリブと交差する横リブに接合する。
【選択図】 図3
Description
RC床版は、現場で型枠内に鉄筋を組んでコンクリートを打設するものであるために作業に手間がかかり、工期が長くなる。
これに対して、鋼床版は、RC床版に比較して軽量に構成でき、また、施工現場での工数が少なく工期も短かくできるという利点がある。
鋼床版は図16の斜視図に示すように、デッキプレート1の下面に縦方向に連続する閉断面のUリブ(縦リブ)2が横方向に所定間隔で並設されると共にこれと直交する方向に横リブ7と該横リブ7より背の高い横桁9が所定間隔で配設され、その下面に更に横リブ7及び横桁9を貫いて縦方向の主桁10が溶接によって一体に固定されて構成されている。鋼床版は、図16に示す状態まで製造工場にて組み上げた後、施工現場に搬送して橋脚上に据え付けるいわゆるプレハブ工法による施工に用いられる。
例えば、「鋼床版における新しい疲労損傷」(第5回太平洋地域鋼構造会議(1998、October13−16、ソウル)の発表においては、道路橋の鋼床版において図1(a)、(b)に示したような、Uリブ付け根からデッキプレートを貫通して亀裂が生じる例が報告されている。
1)Uリブ付け根の溶接形状(Uリブ内面)を原因とする応力集中(図1(a)参照)
2)車の大型化などによる活荷重の増大→Uリブ間の変形による疲労亀裂
そこで、このような疲労亀裂を未然に防止するために鋼床版の補強方法が提案されている。
(2)前記補強リブが面外方向に変位するのを防ぐための拘束手段を該補強リブに設けることを特徴とする上記(1)に記載の鋼床版の補強工法。
(3)前記拘束手段がUリブ下面と補強リブ下面のそれぞれに接合された固定板であることを特徴とする上記(2)に記載の鋼床版の補強工法。
(4)前記拘束手段がUリブ側面と補強リブ側面のそれぞれに接合された固定板であることを特徴とする上記(2)に記載の鋼床版の補強工法。
(5)前記補強リブが面外方向に変位するのを防ぐために該補強リブの長手方向端部をUリブと交差する横リブに接合することを特徴とする上記(1)〜(4)記載の鋼床版の補強工法。
(7)前記補強リブに、該補強リブが面外方向に変位するのを防ぐための拘束手段を設けたことを特徴とする上記(6)に記載の鋼床版。
(8)前記拘束手段がUリブ下面と補強リブ下面のそれぞれに接合された固定板であることを特徴とする上記(7)に記載の鋼床版。
(9)前記拘束手段がUリブ側面と補強リブ側面のそれぞれに接合された固定板であることを特徴とする上記(7)に記載の鋼床版。
(10)前記補強リブが面外方向に変位するのを防ぐために該補強リブの長手方向端部をUリブと交差する横リブに接合したことを特徴とする上記(7)〜(9)の鋼床版。
図2は本発明の鋼床版の構造を示す斜視図であり、図3は本発明の鋼床版の断面図である。図2、図3で示すように、本発明の鋼床版は、Uリブ2間にUリブ2と平行に補強リブ3が配設されており、また、この補強リブ3の下面とUリブ2の下面とが固定板4によって接合されている。
図6(a)は、補強リブ3の直上が車輪5の走行位置となった場合を示す。この時、デッキプレート1が車輪5から受ける荷重は、補強リブ3で圧縮応力となり、固定板4からUリブ2を通じて引張力として作用する。このため、デッキプレート1の引張膜応力および変形は抑制され未溶着部からのき裂の発生・進展が起こり難くなる。また、図6(b)は車輪5走行位置が補強リブ3から偏心した場合を示すが、この場合でも固定板4が補強リブ3の面外変形を抑えるため補強リブ3の反力作用が阻害されることは無い。
さらに、図2に示すように固定板4の間隔が一定量空いたものとすることにより、補強部材の設置後においても亀裂の観察および補修が可能となる。
図7〜14に本発明の鋼床版の応用例を示す。
図7〜12には、補強リブ3と固定板4とを組み合わせた構造のものを示し、図13及び図14には、固定板4を用いることなく、補強リブ3をUリブ2と交差する横リブ7まで伸ばして補強リブ3の長さ方向の端部と横リブ7とを接合した構造を示す。
図7に補強手段として補強リブ3を用いる場合の基本構造を示す。補強リブはデッキプレート1にペネトレ溶接6で接合されている。この補強リブ3は板の加工が少ないという長所はあるが、補強リブ3と補強リブ3の付け根の部分に応力集中の可能性があるという短所がある。
図8に補強手段として補強リブ3と固定板4とを用いた基本構造を示す。この構造は板の加工が少ないという長所はあるが、補強リブ3と補強リブ3の付け根の部分に応力集中の可能性があるという短所がある。。
図9に補強リブ3の応用構造を示す。この構造は、デッキプレート1と補強リブ端の疲労強度が高いという長所はあるが、加工が複雑であるという短所がある。
図10に補強リブ3と固定板4とを用いた応用構造を示す。この構造は補強リブ3と固定板4の疲労強度が高いという長所はあるが、加工が複雑であるという短所がある。
図11に補強リブ3の応用構造を示す。この構造はデッキプレート1と補強リブ3端の疲労強度が高いという長所があるが、加工が複雑であるという短所がある。
図12に補強リブ3と固定板4とを用いた応用構造を示す。この構造は補強リブ3と固定板4の疲労強度が高いという長所があるが、加工が複雑であるという短所がある。
図13に、補強リブ3が横リブ7によって支持される場合の基本構造を示す。図13に示すように、補強リブ3を横桁リブまで伸ばして横リブ7と補強リブ3とを接合している。これにより鉛直の反力を横リブ7に流すことになり、固定板4を用いる必要がなくなる。
この構造は、固定板を必要とせず施工が単純であるという長所があるが、補強リブ3が長くなり、また、横リブ7と補強リブ3の接合部、特に溶接構造の場合、回し溶接において疲労強度が低くなる可能性があるという短所がある。
図14は、図13の応用例であり、横リブ7と補強リブ3との接合部周辺にフィレットを設けて、横リブと補強リブ3との疲労強度を高めたものである。この構造は疲労強度が高いという長所はあるが加工が面倒であるという短所がある。
図15は、固定版4の端部を補強リブ3の側面とUリブ2の側面に接合することにより、補強リブ3をUリブ2によって支持するようにしたものである。図16(a)は図15に示されたもののA−A断面図であり、図16(b)は図15に示されたものの底面図である。
2 Uリブ
3 補強リブ
4 固定板
5 車輪
6 フルペネ溶接
7 横リブ
8 横リブフランジ
9 横桁
10 主桁
Claims (10)
- 鋼板製のデッキプレート下面にUリブを備えた鋼床版の補強工法であって、デッキプレートの局部変形を防止するために、デッキプレート下面の隣接するUリブ間に該Uリブと平行に補強リブを配設することを特徴とする鋼床版の補強工法。
- 前記補強リブが面外方向に変位するのを防ぐための拘束手段を該補強リブに設けることを特徴とする請求項1に記載の鋼床版の補強工法。
- 前記拘束手段がUリブ下面と補強リブ下面のそれぞれに接合された固定板であることを特徴とする請求項2に記載の鋼床版の補強工法。
- 前記拘束手段がUリブ側面と補強リブ側面のそれぞれに接合された固定板であることを特徴とする請求項2に記載の鋼床版の補強工法。
- 前記補強リブが面外方向に変位するのを防ぐために該補強リブの長手方向端部をUリブと交差する横リブに接合することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鋼床版の補強工法。
- 鋼板製のデッキプレート下面にUリブを備えた鋼床版であって、デッキプレートの局部変形を防止するために、デッキプレート下面の隣接するUリブ間に該Uリブと平行に補強リブを配設したことを特徴とする鋼床版。
- 前記補強リブに、該補強リブが面外方向に変位するのを防ぐための拘束手段を設けたことを特徴とする請求項6に記載の鋼床版。
- 前記拘束手段がUリブ下面と補強リブ下面のそれぞれに接合された固定板であることを特徴とする請求項7に記載の鋼床版。
- 前記拘束手段がUリブ側面と補強リブ側面のそれぞれに接合された固定板であることを特徴とする請求項7に記載の鋼床版。
- 前記補強リブが面外方向に変位するのを防ぐために該補強リブの長手方向端部をUリブと交差する横リブに接合したことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の鋼床版。
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