JP2006077225A - 石油の分離方法と分離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】石油を少ないエネルギー消費で効率よく含有成分が異なる炭化水素混合物に分離する。
【解決手段】石油を超音波振動させて搬送気体中に浮遊する霧状微粒子の状態で放出されて霧化して、霧化された霧状微粒子と搬送気体との混合流体と、霧化されない残存石油とに分離する霧化工程と、この霧化工程で得られる混合流体から炭化水素混合物を分離して回収する回収工程とからなり、霧化工程で石油を残存石油と混合流体とに分離し、回収工程で混合流体を回収して、石油を含有成分が異なる炭化水素混合物に分離する。
【選択図】図1

Description

本発明は、原油の分離やガソリン等の精製を効率よく行なう石油の分離方法と分離装置に関する。
原油を蒸留して精製させる方法は開発されている(特許文献1参照)。この公報に記載される原油の分離方法は、原油を常圧蒸留して、残油、軽油、灯油、ナフサ、LPガスおよび軽質ガス等の含有成分が異なる炭化水素混合物に分離する。この方法は、原油を加熱して蒸気とし、蒸気を液化させて含有成分が異なる炭化水素混合物に分離して精製する。
特開平11−80754号公報
原油を蒸留して分離する方法は、原油を気化させるために多量の熱エネルギーを必要とする。原油の気化熱が極めて大きいからである。また、石油を分留または精留して特定の炭化水素混合物を分離する方法も採用されるが、この方法も石油を蒸気に気化するために大きな熱エネルギーを必要とする。
従来技術である、前記の公報にも記載される蒸留プロセスは、熱力学的な蒸気圧の違いを利用して、ある圧力および温度下での気相中への蒸発速度の違いを利用している。この技術は基本的に多成分間の気液平衡関係を利用している。すなわち、気相側の蒸気飽和下での物質の移動速度の違いを利用して分離の推進力とするものであった。しかし、容易に想像できるように、物質移動速度は気液間の濃度差が大きければ大きいほど速くなる。ところが、気液平衡の考え方は気相側に対象物質の蒸気が満たされているために、本来真に目的物質が液相から気相に移行できる速度が抑制されている。
このように、従来の蒸留プロセスは、本来の自然現象が取りうる物質移動速度を限定しているため、装置全体の消費エネルギーが必要以上に大きくなっているのである。加えて蒸留プロセスは、熱源としてボイラーを使用するため、巨大な蒸留塔全体が暖まるまでに非常に長時間を必要としていた。このため、経済性を追求するためには、このスタートアップ時間の占める割合を小さくするために長時間の運転を余儀なくされていた。
また、ボイラーを熱源とするので、供給物である重油中の窒素化合物、硫黄化合物、浮遊性粒状物質の母物質などが、酸化後、大気中に多量に放出されると共に、温暖化物質である二酸化炭素の放出は社会問題となっている。このように現代社会を支える蒸留技術は、多くの問題を抱えているのである。
また、溶液を微粒化するためには、スプレーノズルや遠心力を利用した方法などが用いられることもある。しかしながら、次のような点で分離プロセスとしては向かない。
(1) 粒径が大きい
(2) 小さな粒径の霧状微粒子を得ようとすると超音波霧化法よりも大きなエネルギーを必要とする
(3) 圧縮空気を液体に衝突させて微粒化する方法では、コンプレッサーなどを使用して圧縮空気を大気圧下に開放すると断熱膨張の際に温度低下を招く。このため、霧化部分での大気熱利用による分離現象が期待できない。
本発明は、従来の方法が有する欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、石油を少ないエネルギー消費で効率よく含有成分が異なる炭化水素混合物に分離できる石油の分離方法と分離装置を提供することにある。
本発明の石油の分離方法は、石油を含有成分が異なる炭化水素混合物に分離する。石油の分離方法は、石油を超音波振動させて搬送気体中に浮遊する霧状微粒子の状態で放出されて霧化して、霧化された霧状微粒子と搬送気体との混合流体と、霧化されない残存石油とに分離する霧化工程と、この霧化工程で得られる混合流体から炭化水素混合物を分離して回収する回収工程とからなる。この分離方法は、霧化工程で石油を残存石油と混合流体とに分離し、回収工程で混合流体を回収して、石油を含有成分が異なる炭化水素混合物に分離する。
本発明の石油の分離方法は、分離する石油に原油を使用して、原油からガソリンと軽油と灯油を分離することができる。さらに、本発明の石油の分離方法は、分離する石油にガソリンを使用してガソリンを精製することができる。さらに、この分離方法は、霧化工程において、ガソリンを残存石油と混合流体とに分離し、残存石油となるガソリンのリード蒸気圧を低減することができる。さらに、本発明の石油の分離方法は、石油を加温して霧化工程で霧化することができる。さらにまた、本発明の石油の分離方法は、搬送気体を空気とすることができる。
本発明の石油の分離装置は、石油を含有成分が異なる炭化水素混合物に分離する。石油の分離装置は、石油を超音波振動させて搬送気体中に浮遊する霧状微粒子の状態で放出させて霧化して、霧化された霧状微粒子と搬送気体との混合流体と、霧化されない残存石油とに分離する霧化装置100と、この霧化装置100で得られる混合流体から炭化水素混合物を分離して回収する回収装置200とを備える。この分離装置は、霧化装置100で石油を残存石油と混合流体とに分離し、回収装置200で混合流体を回収して、石油を含有成分が異なる炭化水素混合物に分離する。
本発明の石油の分離装置は、霧化装置100が、石油を供給する霧化室4と、この霧化室4の石油を超音波振動で霧状微粒子に霧化する霧化機1とを備えることができる。本発明の石油の分離装置は、霧化装置100が超音波振動子2を備えて、超音波振動子2で石油を超音波振動させて霧状微粒子に霧化することができる。さらに、本発明の石油の分離装置は、回収装置200が、霧状微粒子と搬送気体の混合流体を冷却して炭化水素混合物を回収することができる。
本発明は、石油を超音波振動させ、超音波の振動エネルギーで微粒化して搬送気体中に浮遊する霧状微粒子として放出し、霧状微粒子と空気の混合流体と、霧化されない残存石油とに分離する。混合流体から炭化水素混合物を、搬送気体から分離して回収する。すなわち、本発明は、処理されない未処理石油を、搬送気体中に浮遊する霧状微粒子として混合流体とし、この混合流体から分離された分離石油と、霧状微粒子にならないで残存する残存石油とに分離する。分離石油と残存石油を比較すると、含有成分が異なる炭化水素混合物となる。石油は、Cの一般式で示される複数の炭化水素を含有する炭化水素混合物である。いいかえると、カーボン数(n)が異なる複数の炭化水素を含有する炭化水素混合物である。分離石油と残存石油とを比較すると、含有される炭化水素が異なり、分離石油はカーボン数(n)の少ない炭化水素の含有量が多く、残存石油はカーボン数(n)の多い炭化水素の含有量が多くなる。カーボン数(n)の少ない炭化水素は、カーボン数(n)の多い炭化水素に比べて霧状微粒子に霧化されやすいので、分離石油はカーボン数(n)の少ない炭化水素の含有量が多くなる。反対に、カーボン数(n)の多い炭化水素は、カーボン数(n)の小さい炭化水素に比べて霧状微粒子に霧化され難いので、残存石油はカーボン数(n)の多い炭化水素の含有量が多くなる。
また、本発明は、混合流体から炭化水素混合物を回収する工程で、含有成分が異なる炭化水素混合物に分離することもできる。混合流体を次第に低い温度に冷却して、炭化水素混合物を分離する方法や装置は、カーボン数(n)の大きい炭化水素混合物が先に回収され、カーボン数(n)の小さい炭化水素混合物は後で回収される。カーボン数(n)の大きい炭化水素混合物が、カーボン数(n)の小さい炭化水素混合物よりも液化されやすいからである。したがって、混合流体から炭化水素混合物を分離する工程で、カーボン数(n)の異なる炭化水素混合物に分離することもできる。
本発明は、以上のように、石油を超音波振動で搬送気体中に霧状微粒子として霧化し、これを回収して含有成分が異なる炭化水素混合物に分離する。このため、従来の蒸留で石油を炭化水素混合物に分離するように、石油を気化させるために大きな気化熱を与える必要がない。このため、本発明は、石油を少ないエネルギー消費で効率よく含有成分が異なる炭化水素混合物に分離できる。超音波振動が石油を効率よく霧状微粒子に霧化するのは、超音波振動が気液間の対象物質の非平衡度を大きく取って、物質移動速度を大きく維持するからである。さらに、複雑な物質の混合系である石油などの場合、物質ごとの分子間相互作用にも着目する必要がある。蒸留においては、石油全体を加熱している。熱エネルギーは分子間相互作用を断ち切りながら、かつ分子に運動エネルギーを与えていく。このとき分子種別ごとの差別性が無く、分子へエネルギーを与えようとする力は等価である。このような状況下では、蒸気圧の高い物質も低い物質も同様にエネルギー準位が高められる。したがって、物質の移動速度はいずれの分子種においても高くなった状態での分離が進行する。
一方、本発明の超音波振動による霧化は、エネルギー準位が低いままでの物質の移動速度の違いを利用する。物質の気化エネルギーから分子の熱運動エネルギーを差し引いた分子の結合エネルギー(分子間力溶解性パラメーター:SPの二乗)の違いを利用する。すなわち、超音波振動の作用で沸点以下の低温度で微粒化した溶液は、分子レベルでの分子の局所化が生じている。上記SPの大きな物質は残存石油側に残りやすく、SPの小さな物質は霧状微粒子になりやすい。この分子間の結合エネルギーの違いを利用して、沸点以下の温度で分離現象を引き起こしている。さらには、分子レベルで同一分子同士の結合を断ち切る必要はない。分子Aと分子Bをふるい分ける際に、分子Aの集団と分子Bの集団を集団のまま選りわけることができれば分離のためのエネルギーが小さくて済む。蒸留においては、このようには行かない。全ての分子間力を熱エネルギーによって一旦切断する。蒸留においては冷却することによって、この切断された分子Aどうしの結合、分子Bどうしの結合は再構成される。この点が蒸留プロセスの最大の無駄になっている。
さらに、本発明の請求項4の石油の分離方法は、霧化工程において、ガソリンを残存石油と混合流体とに分離し、残存石油となるガソリンのリード蒸気圧を低減するので、ガソリンの蒸発性を抑えて、燃料蒸発ガスの発生を抑制できる特長がある。一般に、ガソリンは蒸発性が高く、また、ガソリン自動車では気温やエンジン温度等の上昇に伴い、ガソリンの蒸発量が増加する。蒸発したガソリンの一部は、燃料蒸発ガスとして自動車や給油所から大気へ排出されている。この燃料蒸発ガスは、浮遊粒子状物質(SPM)や光化学オキシダント(OX)等の前駆物質であり、この燃料蒸発ガスの発生を低減することは環境上、極めて重要である。ガソリンの蒸発性の指標としては、リード蒸気圧(Reid Vapor Pressure:RVP)があるが、このRVPが高いほどガソリンが蒸発しやすい。本発明の請求項4の分離方法では、霧化工程において、ガソリンを残存石油と混合流体とに分離することによって、蒸発性の高い炭化水素混合物を分離して、残存石油の蒸発性を低くできる。すなわち、残存石油として分離されるガソリンのリード蒸気圧を低減できる。このように、リード蒸気圧の低減されたガソリンは、燃料蒸発ガスの発生を低減できるので、大気中に放出される燃料蒸発ガスを低減し、これに起因する光化学オキシダント等の大気汚染の抑制に効果がある。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための石油の分離方法と分離装置を例示するものであって、本発明は分離方法と分離装置を以下に特定しない。
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
本発明の分離方法は、原油やガソリン等の石油を、霧状微粒子に霧化した後、霧状微粒子を回収して含有成分が異なる炭化水素混合物に分離する。本発明の方法や装置で原油を分離して、残油、軽油、灯油、ナフサ、LPガスおよび軽質ガス等の含有成分が異なる炭化水素混合物に分離できる。また、ナフサを精製してガソリンを分離できる。また、ガソリン、軽油、重油等を精製して、含有成分が異なる炭化水素混合物を分離して改質できる。
石油を霧化して霧状微粒子にすると、霧状微粒子と残存石油とで含まれる炭化水素混合物の混合量が異なる。カーボン数(n)の小さい炭化水素混合物は霧状微粒子になりやすく、カーボン数(n)の大きい炭化水素混合物は霧状微粒子になり難く残存石油として残りやすいからである。したがって、霧化された霧状微粒子を混合流体から回収して、含有成分が異なる炭化水素混合物を分離できる。混合流体から分離される炭化水素混合物は、カーボン数(n)の小さい炭化水素混合物が多く、残存石油の炭化水素混合物は、カーボン数(n)の大きい炭化水素混合物が多くなる。
また、霧化された霧状微粒子を凝集して回収する工程においても、含有成分が異なる炭化水素混合物を分離できる。炭化水素混合物のカーボン数(n)によって、凝集、液化される程度が異なるからである。カーボン数(n)の大きい炭化水素混合物は液化されやすいので先に回収され、カーボン数(n)の小さい炭化水素混合物は液化され難いので後で回収される。ガソリン、軽油、重油等を改質する場合は、石油を残存石油と霧状微粒子とに分離して、含有成分が異なる炭化水素混合物に分離する。また、原油を分離して残油、軽油、灯油、ナフサ、LPガスおよび軽質ガス等に分離する場合は、回収する工程で、あるいは霧状微粒子に霧化する工程で、カーボン数(n)が異なる炭化水素混合物に分離する。
本発明は、石油を超音波振動させて霧化させる。図1ないし図4に示す分離装置は、霧化装置100と回収装置200を備える。霧化装置100は、石油を供給される閉鎖構造の霧化室4と、この霧化室4の石油を霧状微粒子に霧化する霧化機1とを備える。回収装置200は、霧化室1で霧化された霧状微粒子と空気との混合流体から空気を分離する空気分離機50と、この空気分離機50で一部の空気を分離した混合流体から炭化水素混合物を分離して回収する回収室5と、混合流体を移送する強制搬送機35とを備える。
石油はポンプ10で霧化室4に供給される。霧化室4は、供給される全ての石油を霧状微粒子として霧化させない。全ての石油を霧化して回収室5で回収すると、霧化室4に供給する石油と、回収室5で回収される石油に含まれる炭化水素混合物が同じになるからである。ただ、石油を霧化させて混合流体とし、この混合流体から炭化水素混合物を分離する工程で、含有成分が異なる炭化水素混合物を含む石油に分離する方法や装置は、全ての石油を霧状微粒子に霧化して含有成分が異なる炭化水素混合物に分離する。
霧化室4に供給された石油は、一部を霧状微粒子に霧化させる。したがって、その量が減少する。少なくなった石油は、霧化しやすい炭化水素混合物の含有量が低下する。このため、霧化室4に石油を供給しないで、続けて石油を霧状微粒子に霧化させると、霧状微粒子には、霧化しやすい炭化水素混合物の濃度が低下する。霧化されやすい炭化水素混合物が先に霧状微粒子になって除去されるので、残存石油には、霧化されやすい炭化水素混合物の濃度が低下するからである。霧化室4の石油を新しいものに入れ換えて、残存石油に含有される霧化されやすい炭化水素混合物の濃度が低下するのを防止できる。
霧化室4は、一定の時間経過すると石油を新しいものに入れ換える方法、すなわちバッチ式に石油を交換する。ただ、霧化室4に、ポンプ10を介して石油を蓄えている原液槽11を連結し、原液槽11から連続的に石油を供給することもできる。この装置は、霧化室4の残存石油を排出しながら、原液槽11から石油を供給して、霧化室4の石油に含まれる霧化されやすい炭化水素混合物の濃度が低下するのを防止できる。また、図4の矢印Bで示すように、霧化室4の残存石油を原液槽11に循環することなく外部に排出して、原液槽11に含まれる霧化されやすい炭化水素混合物の濃度が低下するのを防止することもできる。
霧化室4の石油は、霧化機1で霧状微粒子に霧化される。霧化された霧状微粒子は、残存石油よりも霧化されやすい炭化水素混合物の濃度が高い。したがって、霧化機1で石油を霧状微粒子に霧化し、霧状微粒子を回収することで、霧化されやすい炭化水素混合物、すなわちカーボン数(n)の小さい炭化水素混合物の含有量が多い石油を効率よく分離できる。
霧化機1は、複数の超音波振動子2と、この超音波振動子2に高周波電力を供給する超音波電源3とを備える。霧化機1は、好ましくは1MHz以上の周波数で超音波振動されて、石油を霧化する。この霧化機1を使用すると、石油を極めて微細な霧状微粒子に霧化できる。本発明は、超音波振動の振動周波数を特定するものでなく、振動周波数を1MHzよりも低くすることが可能である。
石油を超音波振動させる霧化機1は、石油を、霧化室4に残存する残存石油よりも霧化しやすい石油、すなわちカーボン数(n)の小さい炭化水素混合物を多量に含有する石油の霧状微粒子として石油面Wから飛散させる。石油が超音波振動されると、石油面Wに液柱Pができ、この液柱Pの表面から霧状微粒子が発生する。図5に示す霧化機1は、石油を充填している霧化室4の底に、霧化機1の超音波振動子2を上向きに配設している。超音波振動子2は、底から石油面Wに向かって上向きに超音波を放射して、石油面Wを超音波振動させて、液柱Pを発生させる。超音波振動子2は、垂直方向に超音波を放射する。
図の霧化機1は、複数の超音波振動子2と、これ等の超音波振動子2を超音波振動させる超音波電源3とを備える。超音波振動子2は、霧化室4の底に水密構造に固定される。複数の超音波振動子2が石油を超音波振動させる装置は、より効率よく石油を霧状微粒子に霧化する。
複数の超音波振動子2は、図6と図7に示すように、防水構造で脱着プレート12に固定される。複数の超音波振動子2を固定している脱着プレート12は、図8と図9に示すように、防水構造で脱着できるように霧化室4のケーシング13に装着される。この脱着プレート12が霧化室4のケーシング13に装着されて、各々の超音波振動子2は霧化室4の石油を超音波振動する。
図6と図7に示す脱着プレート12は、表面プレート12Aと裏面プレート12Bを備えており、表面プレート12Aと裏面プレート12Bを積層して、表面プレート12Aと裏面プレート12Bの間に超音波振動子2を防水構造で挟着している。表面プレート12Aは貫通孔12aを開口しており、この貫通孔12aに振動面2Aを位置させて超音波振動子2を表面プレート12Aと裏面プレート12Bに挟着して固定している。裏面プレート12Bは、超音波振動子2を嵌入する凹部12bを設けて、この凹部12bに超音波振動子2を嵌入している。図6の脱着プレート12は、裏面プレート12Bに凹部12bを設けているが、表面プレートに凹部を設けて、この凹部に超音波振動子を嵌入することもできる。
超音波振動子2と表面プレート12Aとの間を防水構造とするために、表面プレート12Aと超音波振動子2との間にパッキン16を挟着している。図6に示す霧化機1は、超音波振動子2と裏面プレート12Bとの間にもパッキン16を挟着して防水構造としている。ただし、霧化機は、必ずしも超音波振動子と裏面プレートとの間を防水構造とする必要はない。それは、超音波振動子と表面プレートとの間を防水構造とする脱着プレートを霧化室のケーシングの下面に固定して、霧化室の石油が漏れるのを阻止できるからである。パッキン16は、ゴム状弾性体のOリングである。Oリングのパッキン16は、超音波振動子2の振動面2Aの外周縁と表面プレート12Aとの対向面に配設されて、超音波振動子2の振動面2Aと表面プレート12Aとの間を防水構造として、この間から水が漏れるの阻止する。さらに、超音波振動子2の外周と裏面プレート12Bとの間を防水構造で連結する。
パッキン16は、テフロン(登録商標)、シリコン、天然または合成ゴム等のゴム状弾性体である。このパッキン16は、超音波振動子2と表面プレート12Aとの間、超音波振動子2と裏面プレート12Bとの間に、弾性変形して押しつぶされる状態で挟着されて、超音波振動子2と表面プレート12A及び裏面プレート12Bの表面に隙間なく密着して連結部分を防水構造とする。ただし、パッキン16には、銅、シンチュウ、アルミニウム、ステンレス等の金属をリング状に加工した金属パッキンも使用できる。
図6と図7に示す脱着プレート12は、表面プレート12Aと裏面プレート12Bの片側縁を蝶番17で連結している。この脱着プレート12は、裏面プレート12Bと表面プレート12Aとを開いて、超音波振動子2を簡単に脱着できる。超音波振動子2を交換するとき、裏面プレート12Bと表面プレート12Aが開かれる。この状態で、古い超音波振動子を取り出して新しい超音波振動子2とパッキン16を所定の位置に入れる。その後、裏面プレート12Bと表面プレート12Aを閉じて、超音波振動子2が交換される。閉じられた裏面プレート12Bと表面プレート12Aは、蝶番17の反対側を止ネジ(図示せず)で連結し、あるいは霧化室4のケーシング13に固定して連結される。
以上の霧化機1は、パッキン16を使用して防水構造としているが、パッキンの位置にコーキング材を充填して防水構造とすることもできる。さらに、図6に示す霧化機1は、脱着プレート12を表面プレート12Aと裏面プレート12Bからなる2枚の金属プレート、あるいは非金属の硬質プレートで構成しているが、脱着プレート12は図10ないし図12に示すように1枚のプレートとすることもできる。この脱着プレート12は、金属プレートあるいは非金属硬質プレートで、超音波振動子2を配設する凹部12bを上方に、あるいは貫通孔12aを開口して設けている。
図10の霧化機1は、脱着プレート12の凹部12bに超音波振動子2を入れて、超音波振動子2の外周部分の上下にパッキン16を配置している。さらに、脱着プレート12の開口部にリングプレート18を固定している。リングプレート18は、超音波振動子2の上面に配置しているパッキン16を押圧して、超音波振動子2を凹部12bに防水構造で固定する。凹部12bは底に貫通孔12cを設けて、リード線19を外部に引き出している。
図11の霧化機1は、パッキンとリングプレートを使用することなく、脱着プレート12の凹部12bに入れた超音波振動子2をコーキング材20で接着して防水構造で固定している。この超音波振動子2もリード線19を凹部12bの底部に開口している貫通孔12cから外部に引き出している。貫通孔12cとリード線19との間にもコーキング材20を充填して、水漏れしない防水構造としている。
図12の霧化機1は、脱着プレート12に貫通孔12aを開口しており、この貫通孔12aに振動面2Aを位置させて、超音波振動子2を脱着プレート12の下面に固定している。超音波振動子2を脱着プレート12に固定するために、脱着プレート12の底面には固定具21を固定している。超音波振動子2は、外周部分の上下に配置したパッキン16を介して防水構造で脱着プレート12に固定している。固定具21は段差凹部を有するリング状で、外周縁部を貫通する固定ネジ22が脱着プレート12にねじ込まれて脱着プレート12に固定されている。固定具21は、段差凹部の底面で超音波振動子2の下面に配置しているパッキン16を押圧して、超音波振動子2を脱着プレート12に防水構造で固定する。固定具21は、段差凹部の底面に貫通孔21Aを設けており、ここからリード線19を外部に引き出している。
図8と図9は、霧化機1を固定する霧化室4を示す。これ等の図に示す霧化室4は、ケーシング13の底面に開口部13Aを設けて、この開口部13Aを防水構造で閉塞するように脱着プレート12を固定している。脱着プレート12は、パッキン23を介して防水構造でケーシング13に固定される。脱着プレート12を固定するために、ケーシング13の底面には固定金具24を固定している。固定金具24はL字状で、これを貫通する止ネジ25で脱着プレート12を押圧して霧化室4のケーシング13に固定する。この構造で霧化室4に固定される複数の超音波振動子2は、ケーシング13の底面から上面に向かって石油を超音波振動させる。この脱着プレート12は、霧化室4のケーシング13の底面に、開口部13Aを閉塞するように、しかも脱着できるように装着される。
脱着プレート12は、図13に示すように、霧化室4の石油中に浸漬して、石油を超音波振動させることもできる。この構造は、簡単に脱着プレート12を霧化室4に脱着できるように配置できる。石油中に浸漬される霧化機1は、たとえば図11に示す構造として、超音波振動子2の振動面2Aを除く部分を防水構造として脱着プレート12に固定している。
霧化室4の石油が超音波振動子2や超音波電源3で高温に過熱されると、品質が低下することがある。この弊害は、超音波振動子2を強制的に冷却して解消できる。さらに、好ましくは超音波電源3も冷却する。超音波電源3は直接には石油を加熱することはないが、周囲を加熱して間接的に石油を加熱する。超音波振動子2や超音波電源3は、これ等に冷却パイプを熱結合する状態で配設、すなわち、冷却パイプを接触させる状態で配設して冷却できる。冷却パイプは、冷却機で冷却した液体や冷媒、あるいは地下水や水道水等の冷却水を流して超音波振動子と超音波電源を冷却する。
さらに、図4に示す分離装置は、霧化室4の石油温度を制御する温度制御機構75を備える。温度制御機構75は、石油の温度が所定の温度となるように加温する。この温度制御機構75は、霧化室4に貯溜された石油の温度を温度センサー77で検出すると共に、加温器76を制御して石油の温度を設定温度の40℃に保持する。このように、温度制御機構75で石油の温度を制御する分離装置は、石油を効率よく霧状微粒子に霧化できる。
石油の温度は、超音波振動で石油を霧状微粒子に霧化する効率に影響を与える。石油の温度が低くなると、霧状微粒子に霧化する効率が低下する。石油温度が低いと霧状微粒子に霧化する効率が低下するので、石油の温度は、分離効率を考慮しながら、効率よく霧状微粒子に霧化できる温度に設定される。原油等の高粘度の石油は、温度を高くして粘度を低くして、効率よく霧状微粒子に霧化できる。
さらに、図4に示す分離装置は、霧化室4において、超音波振動されて石油面Wにできる液柱Pに送風機構27から風を吹き付けている。図の送風機構27は、液柱Pに風を吹き付けるファン29を備えている。このように、送風機構27で液柱Pに風を吹き付ける分離装置は、液柱Pの表面から効率よく霧状微粒子に霧化できる特長がある。ただ、本発明の分離装置は、図1ないし図3に示すように、必ずしも送風機構を設けて液柱に風を吹き付ける必要はない。
空気分離機50は、霧化室4から供給された混合流体から空気を分離する。この空気分離機50は、空気透過膜51で内部を一次側通路52と二次側排気路53とに区画している。一次側通路52は、霧化機1に連結されて混合流体を通過させる。二次側排気路53は、空気透過膜51に透過させて混合流体から分離した空気を排気する。
空気透過膜51は、空気のみを通過させて、霧化された石油を通過させない。したがって、この空気透過膜51は、石油を通過させないが空気を通過させるポアサイズの膜であるモリキュラーシーブを使用する。空気は、約80%の窒素と20%の酸素からなる。したがって、空気透過膜51は、窒素と酸素を通過させるポアサイズの膜である。この空気透過膜51のポアサイズは、好ましくは0.4nm〜0.5nmである。この空気透過膜51は、ポアサイズよりも大きい炭化水素混合物を通過させないが、ポアサイズよりも小さい窒素と酸素からなる空気を通過させる。以上のポアサイズの空気透過膜51は、たとえば、セラミックの表面にゼオライトをコーティングして製作される。
空気分離機50は、一次側通路52を霧化室4に連結して、空気透過膜51の一次側表面に混合流体を接触させる。さらに、図1、図3、図4の装置は、二次側排気路53を強制排気機54に連結し、図2の装置は、一次側通路52に圧縮機55を連結して、一次側表面の圧力を反対側の二次側表面よりも高くして、混合流体の空気を空気透過膜51に透過させて、混合流体の空気の一部あるいは全部を分離している。
強制排気機54は、空気を強制的に吸引して排出する真空ポンプ等の吸引ポンプである。強制排気機54は、吸入側を二次側排気路53に連結して、二次側排気路53の空気を強制的に排気する。空気が排気される二次側排気路53は、圧力が大気圧よりも低くなって、一次側通路52よりも低くなる。すなわち、一次側通路52の圧力が二次側排気路53よりも相対的に高くなる。この状態になると、混合流体に含まれる空気は、空気透過膜51を透過して、一次側通路52から二次側排気路53に通過して、混合流体から分離される。
図2の装置は、圧縮機55で混合流体を一次側通路52に圧入する。圧縮機55は、吸入側を霧化室4に連結している。二次側排気路53は、大気に開放している。ただし、二次側排気路に強制排気機を連結して、二次側排気路の圧力を大気圧以下に減圧することもできる。圧縮機55は、混合流体を大気圧以上に加圧して一次側通路52に圧入して、一次側通路52の圧力を二次側排気路53よりも高くする。この状態で、混合流体に含まれる空気は、一次側表面と二次側表面の圧力差で空気透過膜51を透過する。空気透過膜51を透過する空気は、一次側通路52から二次側排気路53に移送されて、混合流体から分離される。この構造は、空気透過膜51の一次側表面と二次側表面の圧力差を大きくできる。このため、混合流体の空気を速やかに分離できる。圧縮機55が、高い圧力で混合流体を一次側通路52に圧入できるからである。
さらに、図2の装置は、前段回収室60を介して圧縮機55の吸入側を霧化室4に連結している。分離装置は、前段回収室60として、サイクロン、パンチング板、デミスター、シェブロン、スクラバー、スプレー塔、静電回収機のいずれかを連結して霧状微粒子を回収することができる。図2の分離装置は、これらの機構を、空気分離機50と霧化室4との間に配置して前段回収室60としている。この装置は、前段回収室60で一部の霧状微粒子を回収した混合流体を空気分離機50に供給する。ただ、分離装置は、図示しないが、空気分離機と回収室との間に、サイクロン、パンチング板、デミスター、シェブロン、スクラバー、スプレー塔、静電回収機のいずれを連結して霧状微粒子を回収することもできる。
空気分離機50で分離された空気は、石油を含まない空気である。図1の装置は、空気分離機50で分離した空気を霧化室4に供給している。空気分離機50で分離した空気を霧化室4に供給する装置は、霧化室4で効率よく霧状微粒子を霧化できる。それは、空気分離機50で混合流体から分離された空気が石油を含まないからである。また、空気分離機50で分離された空気は、霧化室4で霧状微粒子発生に最適な温度にコントロールされた空気であるから、これを霧化室4に供給して、霧状微粒子を効率よく発生できる。
空気分離機50で空気の分離された混合流体は、空気の含有量が少なく、いいかえると、空気に対する霧状微粒子量が多くなって、霧状微粒子の炭化水素混合物が過飽和な状態となるので、回収室5において効率よく霧状微粒子を回収できる。回収室5に供給される混合流体は、空気分離機50で空気を分離しているので、霧化室4から排出される混合流体に比較して空気量が少なくなっている。
空気分離機50で一部の空気が分離された混合流体は回収室5に移送される。混合流体は、送風機又は圧縮機からなる強制搬送機35で回収室5に供給される。強制搬送機35は、空気分離機50から回収室5に混合流体を供給するために、空気分離機50と回収室5との間に連結される。強制搬送機35は、空気分離機50で空気の一部を分離した混合流体を吸収して回収室5に供給する。
図3と図4に示す装置は、強制搬送機35に圧縮機35Aを使用している。強制搬送機35に圧縮機35Aを使用すると、混合流体を大気圧以上に加圧して回収室5に供給できる。この分離装置は、回収室5において、気相中の石油の飽和蒸気分圧を大気圧下における飽和蒸気分圧よりも低下させて、霧状微粒子をより効果的に凝集させて回収できる。
圧縮機35Aには、ピストン式の圧縮機、ロータリー式の圧縮機、ダイヤフラム式の圧縮機は、リショルム式の圧縮機等を使用できる。圧縮機35Aには、好ましくは混合流体を0.2〜1MPaの圧力に圧送できるタイプのものを使用する。
強制搬送機35に圧縮機35Aを使用して、回収室5の圧力を高くする装置は、回収室5の排出側に絞り弁36を連結する。ただし、圧縮機が回収室に供給する混合流体の流量が多い場合、必ずしも回収室の排出側に絞り弁を設ける必要はない。回収室の排出側の通過抵抗が大きい場合、圧縮機が多量の混合流体を回収室に供給して、回収室の圧力を大気圧以上にできるからである。ただ、回収室の排出側に絞り弁を連結して、効率よく回収室を大気圧以上に加圧できる。絞り弁36は、回収室35Aから排出される混合流体の通過抵抗を大きくして、回収室5の圧力を高くする。絞り弁36には、開度を調整して混合流体の通過抵抗を調整できる弁、あるいはキャピラリチューブ等の細管でもって混合流体の通過抵抗を大きくしてなる配管、あるいはまた配管内に混合流体の通過抵抗を大きくする抵抗材を充填しているもの等を使用できる。絞り弁36が通過抵抗を大きくするほど、回収室5の圧力は高くなる。
図14は、回収室5が大気圧以上に加圧されるにしたがって、混合流体である空気に含まれる炭化水素混合物量が減少する状態を示している。このグラフからわかるように、混合流体の空気は、温度が高くなるにしたがって、気体の状態で含有できる炭化水素混合物量が増加する。しかしながら、圧力が高くなると気体の状態で含有できる炭化水素混合物量は急激に減少する。たとえば、炭化水素混合物をエタノールとする場合、30℃において、乾燥空気に含有できるエタノール量は、圧力を大気圧の0.1MPaから0.5MPaと高くすると、含有できるエタノール量は約1/5と著しく少なくなる。気体の状態で含有できる最大エタノール量が少なくなると、最大エタノール量よりも多量のエタノールは、全て過飽和な霧状微粒子の状態となって、効率よく回収できる。気体の状態で含有されるエタノールは、これを霧状微粒子にしないかぎり凝集して回収できない。また、超音波振動が石油を霧状微粒子の状態に霧化しても、これが気体の状態に気化してしまうと、凝集して回収できなくなる。また、霧状微粒子が気化しても、過飽和な状態として再び液化させて回収できる。霧状微粒子を含む混合流体を大気圧以上に加圧して、石油の飽和蒸気分圧を低くし、これによって混合流体に含まれる石油を気体の状態でなくて霧状微粒子の状態として効率よく回収できる。混合流体を冷却することで飽和蒸気分圧を低くすることもできるが、加圧する方法は、圧縮機でもって極めて簡単に、しかも少ないエネルギーで効率よく飽和蒸気分圧を低くできる特徴がある。さらに、冷却しながら加圧することで、石油の飽和蒸気分圧をさらに低くして、石油をさらに効率よく回収するとも可能となる。
圧縮機35Aが混合流体を圧縮すると、混合流体は断熱圧縮されて発熱する。また、混合流体が絞り弁36を通過すると、断熱膨張して冷却される。圧縮機35Aから回収室5に供給される混合流体は、霧状微粒子を効率よく回収するために冷却するのがよく、発熱すると回収効率が悪くなる。この弊害を少なくするために、図3の装置は、絞り弁36の排出側と、圧縮機35Aの排出側であって回収室5の流入側とを熱交換する排熱用熱交換器37を設けている。この排熱用熱交換器37は、絞り弁36の排出側で断熱膨張して冷却される混合流体でもって、圧縮機35Aで断熱圧縮して加熱された混合流体を冷却する。
排熱用熱交換器37は、循環パイプ38の内部に冷媒を循環させている。循環パイプ38は、一方を絞り弁36の排出側に熱結合して、他方を圧縮機35Aの排出側に熱結合している。循環パイプ38を循環する冷媒は、絞り弁36の排出側で冷却される。ここで冷却された冷媒が圧縮機35Aの排出側を冷却する。循環パイプ38は、図示しないが、熱結合させる部分を二重管構造として、混合流体と冷媒とを熱結合している。
さらに、図3に示す装置は、絞り弁36の排出側を、冷却用熱交換器33を冷却する凝縮器40に連結する第2排熱用熱交換器39を備える。この第2排熱用熱交換器39は、前述の排熱用熱交換器37と同じ構造で、絞り弁36の排出側で冷媒を冷却し、この冷却された冷媒で凝縮器40を冷却して、凝縮器40の内部を循環する冷媒を液化させる。
図2ないし図4の装置は、霧化室4と空気分離機50と回収室5とを循環ダクト30で連結して、混合流体を霧化室4と回収室5とに循環させる。さらに、外気を吸入ファン78で吸入して霧化室4に供給している。吸入ファン78が外気を霧化室4に供給する装置は、外気の熱エネルギーを利用して、霧化室4の石油を効率よく霧化できる。吸入ファン78で吸入された外気が有する熱エネルギーは、霧化室4の石油を効率よく霧状微粒子に霧化し、さらに霧化された霧状微粒子を効率よく気化させる。霧化室4の石油は、供給される空気温度を高くして霧化効率を向上できるからである。吸入ファン78が吸入する外気は、それ自体が熱エネルギーを有する。外気に含まれる熱エネルギーを有効に利用して霧状微粒子を気化させる装置は、外気の熱エネルギーを有効に利用して効率よく石油を霧状微粒子に霧化し、また霧状微粒子を効率よく気化する。したがって、この装置は、霧化室4に供給する空気をヒーターやバーナー等で加熱することなく、霧化室4の石油を効率よく霧状微粒子に霧化し、また霧状微粒子を効率よく気化できる。吸入ファン78は、空気分離機50で排気される空気量に相当する空気を霧化室4に供給する。いいかえると、吸入ファン78から霧化室4に吸入される空気量が、空気分離機50で混合流体から分離して外部に排気される。
図15に示す装置は、空気分離機を設けることなく、混合流体に含まれる炭化水素混合物の分離された空気を霧化室4に循環させる。霧化室4に循環される空気は、外気熱交換器79で加温される。外気熱交換器79は、外気の熱エネルギーで霧化室4に循環される循環空気を加温する。外気熱交換器79は、循環空気を通過させる配管に多数の放熱フィン(図示せず)を固定しており、この放熱フィンに強制送風ファン80で外気を送風して、外気で循環空気を加温する。
図1の装置は、霧化室4の排出側と空気分離機50と回収室5の供給側とを循環ダクト30で連結して、回収室5の排出側と霧化室4の供給側とを循環ダクトで連結しない。この装置は、空気分離機50で分離した空気を霧化室4に循環させて、霧化室4で効率よく石油を霧状微粒子に霧化できる。石油を含まない空気を霧化室4に供給するからである。さらに、この装置は、循環空気を外気熱交換器79で加温してさらに石油の霧化を効率よくできる。また、この装置は、図の鎖線で示すように、空気分離機50で炭化水素混合物を分離した空気と、回収装置200で炭化水素混合物を分離した両方の空気を霧化室4に循環させることもできる。
図1ないし図4に示す回収室5は、霧状微粒子を冷却して凝集させる冷却用熱交換器33を内蔵している。冷却用熱交換器33は、熱交換パイプ34にフィン(図示せず)を固定している。熱交換パイプ34に冷却用の冷媒や冷却水を循環させて、冷却用熱交換器33を冷却する。霧化室4で霧化された霧状微粒子は、一部が気化して気体となるが、気体は回収室5の冷却用熱交換器33で冷却され、結露して凝集されて回収される。回収室5に流入される霧状微粒子は、冷却用熱交換器33に衝突し、あるいは互いに衝突して大きく凝集し、または冷却用熱交換器33のフィン等に衝突して大きく凝集して回収される。霧状微粒子と気体を冷却用熱交換器33で凝集して回収した空気は、循環ダクト30を介して再び霧化室4に循環される。
回収室5において、霧状微粒子をより速やかに回収するために、図16の回収室5は、石油を噴射するノズル6を備える。ノズル6は、循環ポンプ15を介して回収室5の底部に連結される。循環ポンプ15は、回収室5に回収された石油を吸入して、ノズル6から噴霧させる。
図の分離装置は、回収室5の上部にノズル6を配設している。上部のノズル6は、下向きに石油を噴霧する。ノズル6から噴霧される石油は、霧化機1で霧化された霧状微粒子に比較して充分に大きな水滴であって、回収室5の内部を速やかに落下し、落下するときに、回収室5の内部に浮遊している霧状微粒子に衝突して、霧状微粒子を回収しながら落下する。したがって、回収室5に浮遊する霧状微粒子を効率よく速やかに回収できる。
図の分離装置は、ノズル6を上部に配設しているが、回収室5の下部にノズルを配設することもできる。下部のノズルは、上向きに石油を噴霧する。このノズルは、回収室5の天井に石油を衝突させる速度で、あるいは、天井の近傍まで上昇する速度で石油を噴霧する。天井の近傍まで上昇するように噴霧される石油は、天井の近傍で下向きに方向を変えて落下するので、上昇するときと降下するときに霧状微粒子に接触して、霧状微粒子を効率よく回収する。
図17の回収室5は、内部に複数枚の邪魔板7を配設している。邪魔板7は、隣接するものとの間に霧状微粒子を通過できる隙間を設けて、垂直の姿勢で配設している。垂直の邪魔板7は、霧状微粒子を表面に衝突させて付着する石油を自然に流下させて回収できる。図の邪魔板7は、表面を凹凸面として、霧状微粒子をより効率よく接触させて回収できるようにしている。
さらに、図17の回収室5は、霧状微粒子を強制送風して撹拌するファン9を設けている。ファン9は、回収室5の霧状微粒子を撹拌する。撹拌される霧状微粒子は、互いに衝突して凝集し、あるいは、邪魔板7の表面に衝突して凝集する。凝集する霧状微粒子は、速やかに落下して回収される。図のファン9は、回収室5の霧状微粒子を下向きに送風して循環させる。
図18の回収室5は、霧状微粒子を振動して互いに衝突する確率を高くする霧状微粒子振動器8を設けている。霧状微粒子振動器8は、回収室5の気体を振動させる電気振動−機械振動変換器と、この電気振動−機械振動変換器を駆動する振動電源とを備える。電気振動−機械振動変換器は、可聴周波数の音を放射するスピーカーや、可聴周波数よりも高い超音波を放射する超音波振動子等である。電気振動−機械振動変換器が、霧状微粒子を効率よく振動させるために、電気振動−機械振動変換器から放射される振動を回収室5で共振させる。このことを実現するために、電気振動−機械振動変換器は、回収室5で共振する周波数で振動させる。いいかえると、回収室5を電気振動−機械振動変換器から放射される振動に共振する形状に設計する。
超音波は人間の可聴周波数を越える高い周波数であるので、耳には聞こえない。このため、超音波を放射する霧状微粒子振動器8は、回収室5の気体を激しく振動させて、いいかえると、電気振動−機械振動変換器の出力を極めて大きくして、人間に音の害を与えることがない。このため、超音波は霧状微粒子を激しく振動して、効率よく衝突させて、速やかに回収できる特長がある。
以上の分離装置は、回収室5に、霧状微粒子を効率よく凝集させる装置を配設するので、霧状微粒子をより速やかに凝集させることができる。さらに、図示しないが、本発明の分離装置は、回収室に、石油を噴霧するノズルと、霧状微粒子を撹拌するファンと、霧状微粒子を振動させる振動器の全てを内蔵させて、最も効率よく霧状微粒子を凝集できる。また、霧状微粒子を凝集させるふたつの装置を内蔵して、霧状微粒子を効率よく凝集させることもできる。
石油は、超音波振動で霧状微粒子に霧化させて、含有成分が異なる炭化水素混合物に分離できる。それは、カーボン数(n)の少ない炭化水素の含有量が多い石油は超音波振動でより効果的に霧状微粒子に霧化され、カーボン数(n)の多い石油は超音波振動で霧化される量が少ないからである。
図19は、霧状微粒子に霧化した混合流体を多段に回収する装置を示す。この装置は、石油を40℃に加温する状態で、超音波振動で霧状微粒子に霧化する。霧化室4に供給される空気は、外気熱交換器79で加温される。外気熱交換器79は、外気に含まれる熱エネルギーで空気を加温して霧化室4に供給する。霧化された霧状微粒子は、搬送気体で空気に混合されて混合流体となる。混合流体に含まれる炭化水素混合物は、気化されないで残った粒径の大きなものを第1の回収装置200Aであるデミスター81にて回収する。第1の回収装置200Aのデミスター81は、シェブロン、パンチング板、メッシュ、デミスター、サイクロン、静電場回収装置、フィルター、スクラバー、超音波振動による霧状微粒子回収装置、キャピラリーの束、ハニカムのうち一つもしくは複数の組合せでもよい。
第1の回収装置200Aのデミスター81で炭化水素混合物の一部を分離した搬送気体である空気は、ブロアー82で次の工程である第2の回収装置200Bに供給される。ブロアー82は、サクション側を霧化室4に連結し、排出側を次段の第2の回収装置200Bに連結している。この装置は、ブロアー82で霧化室4を大気圧より減圧し、第2の回収装置200Bを大気圧より加圧する。減圧された霧化室4は、石油の気化および霧化を促進する。加圧された第2の回収装置200Bは、石油の相対的蒸気圧を減らして凝縮を促進する。回収装置200は、霧化された気化ないしエーロゾル化した気相を冷却して炭化水素混合物を空気から分離して回収する。この図の回収装置200は、主冷却機83の流入側と排出側に回収用熱交換機84を多段に連結している。主冷却機83から近い順に冷媒を循環させることによって、進入する混合流体の熱を主冷却機83の出口気相に移動させると共に、主冷却機83の出口の冷熱を霧化部出口であって回収部入口の気相に移動させることができる。このようにワンパス方式で、石油の分離プロセスを構成することができる。この構成にすることによって、装置外部の空気が持つ熱を有効利用することができる。なお、回収装置200は、霧化室4から主冷却機83にかけて、カーボン数(n)の大きい炭化水素混合物の含有量が多い石油から順に回収可能である。
さらに、図20は、霧化室4を減圧し、回収装置200を加圧してなる石油の分離装置を示す。この装置は、図19に示す装置と同じように、霧化室4を減圧することによって石油の霧化を促進して、回収装置200では効率よく凝縮させて回収を促進させる。回収装置200に供給される混合流体は、断熱圧縮されて発熱する。発熱を熱交換機で回収して、霧化室4に供給される搬送気体の空気に供給して温度を上昇させる。霧化室4に供給される搬送気体の空気は、温度を高くして石油の霧化効率を高くできる。なぜなら、超音波振動による霧化においては、搬送気体の温度を高くして霧化そのものを促進できるからである。減圧された霧化室4に供給される搬送気体の空気は、断熱膨張して温度が低下するから、この空気の温度を上昇させる熱源として、回収装置200の断熱圧縮熱を移動させることが望ましい。
霧化された石油の霧状微粒子を含む混合流体は、第1の回収装置であるデミスター81に通過させる。デミスター81は、気化やエーロゾル化していない比較的大きな粒径の霧状微粒子を、機械的に接触させて凝集して回収する装置である。この図の装置は、図19の装置と同じように、主冷却機83の流入側と排出側に主冷却機83を挟むようにして、多段の熱交換機84からなる回収装置200を連結している。多段の熱交換器84は、熱移動させることによって、装置を運転するエネルギーを節約することができる。すなわち、主冷却機83の出口の気相が持つ冷熱を加圧回収部分入口に与えてやる。回収装置200の出力側は、調整弁85を介して霧化室4に連結している。調整弁85、85は、スプリング式のものを使用することができるが、それに限るものではない。スプリング式の調整弁は、圧力が上昇して設定した圧力に達すると開弁する。搬送気体を移送するポンプは、ダイアフラム式、あるいはピストン式のものが望ましいがそれに限定するものではない。
最終的に回収装置から出て行く搬送気体に含まれる炭化水素混合物は、吸着装置(図示せず)にて回収することもできる。吸着装置は、活性炭、ゼオライト、シリカ、セラミックス多孔体などを充填した吸着塔を備える。吸着装置は、搬送気体に含まれる希薄な炭化水素混合物を吸着して回収する。吸着装置は、吸着した炭化水素混合物を加熱して脱着するが、この装置はスイングタイプのものが望ましい。スイングタイプの吸着装置は二塔方式として、一方の吸着塔で吸着させている間に、もう一方の吸着塔で脱着回収する。吸着装置は、吸着塔がローター式のものでも良く、ハニカムに活性炭、ゼオライト、シリカ、セラミックス多孔体を担持させ、ローターの回転中心の片側で吸着回収してもう一方で加熱脱着回収させる。
図21は、ゼオライト膜の空気分離膜を利用した分子ふるい膜を併用したタイプの石油の分離装置を示す。この装置は、混合流体から炭化水素混合物を分離する空気分離機50を備える。空気分離機50は、空気透過膜51としてゼオライト膜を備える。空気透過膜51のゼオライト膜は、石油を構成する炭化水素混合物の分子径よりも小さく、霧化部分に導入する搬送気体である空気を構成する窒素や酸素の分子径よりも大きな細孔を有する。すなわち、搬送気体を透過させて炭化水素混合物を透過させない空気透過膜である。空気透過膜は、ゼオライト膜に代わって、シリカ、セラミックス多孔体なども使用できる。
この装置は、霧化室4の流入側に外気熱交換器79を連結している。外気熱交換器79は、外部の余剰熱を有効利用して霧化室4に供給する搬送気体の空気を加温する。さらに、図の装置は、外気熱交換器79に余剰熱交換器86を連結している。余剰熱交換器86は、他の装置から発生する余剰熱を有効利用して外気を加温する。余剰熱交換器86で加温された外気は、外気熱交換器79で霧化室4に供給される搬送気体の空気を加温する。外気熱交換器79で加温された搬送気体の空気が霧化室4に供給されて、霧化室4が石油を霧状微粒子に霧化する。霧化された霧状微粒子は、搬送気体に拡散されて混合流体となる。この状態で、霧状微粒子は一部が気化され、またはエーロゾル化されて回収装置200に向かって移送される。混合流体に含まれる霧状微粒子であって、比較的大きな粒径のものは第1の回収装置200Aであるデミスター81で機械的に接触回収される。図の装置は、第1の回収装置200Aであるデミスター81を2段に連結している。1段目のデミスター81Aは、2段目のデミスター81Bに比較して、カーボン数(n)の大きい炭化水素混合物の含有量が多い石油が回収される。デミスター81を透過した混合流体は、第2の回収装置200Bである分子ふるい効果を有する空気分離機50に供給される。空気分離機50は、空気透過膜51のゼオライト膜で混合流体から空気のみを分離して外部に排気する。空気透過膜51のゼオライト膜を透過しない炭化水素混合物は、空気分離機50で空気から分離して回収される。空気分離機50は、一次通路側を加圧しても良く、また冷却しても良い。
さらに、図の分離装置は、太陽電池87や、燃料電池、もしくは風力発電で発電される電力を電源として使用している。この装置は、従来の蒸留装置のように、駆動するためにボイラーを使用しないので、窒素酸化物、硫黄酸化物、浮遊性粒状物質また温暖化ガスの排出をなくすることができる。また、この装置によると、各精油所ごとに、これら有害物質の対策設備を必要としないので、我が国のトータルで見た場合のコスト削減にも効果がある。火力発電所、原子力発電所など大規模な温暖化物質あるいは有害物質の対策を講じれば良く、環境対策のためのスケールメリットが生じる。また、超音波発振回路では、数10%の割合で熱が生じる。この熱は回収して霧化室4に供給する搬送気体を加温し、あるいは霧化室4の石油を加温することで有効利用することが可能になる。
図22の石油の分離装置は、複数の霧化室4を直列に連結している。この図の装置は、霧化室4と回収装置200を直列に4段に連結している。石油は、第1、第2、第3、第4の霧化室4に順番に移送される。移送されるにしたがって、順番にカーボン数(n)の小さい炭化水素混合物が霧状微粒子として霧化室4の石油から分離される。したがって、前段の霧化室4の石油は、後段の霧化室4の石油に比較してカーボン数(n)の小さい炭化水素混合物の含有量が多い石油となる。霧化室4の石油温度は、前段を後段より低くしている。後段の霧化室4の石油は、前段の霧化室4の石油に比較して、カーボン数(n)の大きい炭化水素混合物の含有量が多い石油となるので、次第に石油の温度を高くして霧状微粒子に霧化する効率を高くする。また、前段の霧化室4の石油の温度を低くして、前段の霧化室4と回収装置200では、カーボン数(n)の小さい炭化水素混合物の含有量の多い石油を分離することができる。回収装置200は、混合流体を冷却して混合流体に含まれる炭化水素混合物を空気から分離する。
この図の分離装置は、常温の石油原料を第1の霧化室4Aに供給する。第1の霧化室4Aは、石油温度を他の霧化室4の石油温度に比較して最も低い温度として、超音波振動で霧状微粒子に霧化する。霧化された霧状微粒子を含む混合流体は、カーボン数(n)の小さい炭化水素混合物の含有量が多い。このカーボン数(n)の小さい炭化水素混合物の含有量が多い石油は、第1の回収装置200Aで空気から分離して回収される。第1の霧化室4Aでカーボン数(n)の小さい炭化水素混合物の含有量の多い石油が分離された残存石油は、第2の霧化室4Bに供給される。第2の霧化室4Bの石油は、第1の霧化室4Aの石油よりもカーボン数(n)の多い炭化水素混合物の含有量が多くなるので、第2の霧化室4Bの石油は、第1の霧化室4Aの石油よりも石油温度が高くなるように加温される。第2の霧化室4Bは、石油温度を高くして、超音波振動で霧状微粒子を発生させる。第2の霧化室4Bで発生する霧状微粒子は、第1の霧化室4Aで発生する霧状微粒子に比較して、カーボン数(n)の大きい炭化水素混合物の含有率が多くなる。第2の霧化室4Bには、第1の回収装置200Aを通過した混合流体が供給される。第2の霧化室4Bで発生する混合流体は、第2の回収装置200Bに供給される。第2の回収装置200Bは、第2の霧化室4Bで発生する霧状微粒子を回収する。ただ、第1の霧化室4Aで発生する霧状微粒子の一部は、第1の回収装置200Aを通過して第2の回収装置200Bで回収される。第2の回収装置200Bで回収される炭化水素混合物は、第1の回収装置200Aで回収される炭化水素混合物に比較してカーボン数(n)の大きい炭化水素混合物の含有量が多い石油となる。第2の霧化室4Bで炭化水素混合物が分離された残存石油は、第3の霧化室4Cに供給される。同じようにして、第3の霧化室4Cで炭化水素混合物が分離された残存石油が第4の霧化室4Dに供給される。混合流体は、第1の回収装置200A、第2の回収装置200B、第3の回収装置200C、第4の回収装置200Dを通過して、第1〜第4の回収装置200で次第にカーボン数(n)の大きい炭化水素混合物の含有量が多い石油が分離して回収される。以上のように、順に次第に石油温度を高くして、次第にカーボン数(n)の大きい炭化水素混合物の含有量の多い石油を分離できる。
図の装置は、最後に残った残油の持つ熱を残油熱交換器88で回収される。以上の実施例は、第1の霧化室4Aの石油を加熱しないが、この石油を加熱することもできる。また、霧化室4の外側を断熱して、装置全体でのエネルギー使用を極力小さくすることができる。以上の装置は、石油をカーボン数(n)が異なる炭化水素混合物の含有量で分離するので、原油から軽油、灯油、ナフサ等に分離するのに適している。
表1ないし表3は、本発明の分離方法で分離されたガソリンの、分離前と分離後の成分を示している。ただし、この試験は、市販ガソリンを容器に入れ、液面下から2.4MHz、16Wの超音波を照射して、石油温度を28℃から開始して霧状微粒子に霧化させて超音波霧化前後の石油成分を測定したものである。
分離方法において、霧化室4の霧化面に搬送気体として空気を20リットル/分にて導入し、導入空気の温度を23℃とする。霧化時間は15分。硫黄分はJIS K 2541−2に規定する微量電流滴定式酸化法を使用する。ガソリン中のPONA、炭化水素成分はJIS K 2536−2に規定するガスクロマトグラフィー法にて全成分試験を行い、炭素鎖長ごと種別ごとに積算し示す。
Figure 2006077225
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「霧化処理前のデーター」、「霧化処理後のデーター」は、超音波霧化処理前後のガソリンの測定結果を示している。「霧化部気相中濃度のデーター」は、超音波霧化前後のガソリン重量およびその組成から物質収支に基づいて計算したものである。このとき、超音波の生成条件から見てキャビテーションによるクラッキングはほとんど生じていないと思われるので、石油成分の低分子化は起こっていない。
図23は、「霧化処理前」の各炭素鎖長の各成分濃度に対する「霧化部気相中濃度」の各炭素鎖長の各成分濃度の変化比率、すなわち分離比率を見たものである。分離度1は元の石油成分が溶液中に残留する比率と気相中に分配する比率が等しく、分離度が1を越えると成分が霧状微粒子として混合流体に移行しやすく、1以下であると残存石油側に留まりやすいことを示している。この図から明らかなように、カーボン数(n)の少ない短い炭素鎖長のものほど、霧状微粒子として混合流体に移行しやすい。
また、「霧化部気相中濃度」と「霧化処理前」の成分組成を比較すると、気相中パラフィン類およびオレフィン類の割合が増加しており、残油中のナフテン類およびアロマ類の濃度が増加している。本発明の分離方法は、以上のように石油組成を大きく変化させることが可能である。また消費エネルギーを測定したところ、ガソリンの分離試験の場合も、超音波の振動エネルギー(16J/s)と気相エンタルピー減少(3.4J/s)の合計値がガソリンの気化エネルギー(52J/s)を下回り、省エネルギーによってガソリンの超音波霧化分離が可能である。
同時に「霧化処理前」と「霧化気相中濃度」の硫黄濃度を比較すると、1/3程度に低減されていることがわかる。このことは、2段の霧化処理によって、ガソリン中の硫黄濃度を10ppm以下に低減できることを示している。
本発明の一実施例にかかる石油の分離装置を示す概略構成図である。 本発明の他の実施例にかかる石油の分離装置を示す概略構成図である。 本発明の他の実施例にかかる石油の分離装置を示す概略構成図である。 本発明の他の実施例にかかる石油の分離装置を示す概略構成図である。 霧化室と霧化機の一例を示す概略断面図である。 超音波振動子と脱着プレートの連結構造の一例を示す拡大断面図である。 図6に示す脱着プレートの平面図である。 脱着プレートを霧化室に装着した状態を示す断面図である。 図8に示す脱着プレートと霧化室の連結構造を示す拡大断面図である。 超音波振動子と脱着プレートの連結構造の他の一例を示す拡大断面斜視図である。 超音波振動子と脱着プレートの連結構造の他の一例を示す拡大断面図である。 超音波振動子と脱着プレートの連結構造の他の一例を示す拡大断面図である。 脱着プレートを霧化室に配置する他の一例を示す断面図である。 加圧下における空気中の絶対エタノール量を示すグラフである。 本発明の他の実施例にかかる石油の分離装置を示す概略構成図である。 回収室の一例を示す概略断面図である。 回収室の他の一例を示す概略断面図である。 回収室の他の一例を示す概略断面図である。 本発明の他の実施例にかかる石油の分離装置を示す概略構成図である。 本発明の他の実施例にかかる石油の分離装置を示す概略構成図である。 本発明の他の実施例にかかる石油の分離装置を示す概略構成図である。 本発明の他の実施例にかかる石油の分離装置を示す概略構成図である。 霧化処理前に対する霧化部気相中の各炭素鎖長の各成分濃度の分離比率を示す図である。
符号の説明
1…霧化機
2…超音波振動子 2A…振動面
3…超音波電源
4…霧化室 4A…第1の霧化室
4B…第2の霧化室
4C…第3の霧化室
4D…第4の霧化室
5…回収室
6…ノズル
7…邪魔板
8…ミスト振動器
9…ファン
10…ポンプ
11…原液槽
12…脱着プレート 12A…表面プレート 12B…裏面プレート
12a…貫通孔 12b…凹部
12c…貫通孔
13…ケーシング 13A…開口部
15…循環ポンプ
16…パッキン
17…蝶番
18…リングプレート
19…リード線
20…コーキング材
21…固定具 21A…貫通孔
22…固定ネジ
23…パッキン
24…固定金具
25…止ネジ
27…送風機構
29…ファン
30…循環ダクト
33…冷却用熱交換器
34…熱交換パイプ
35…強制搬送機 35A…圧縮機
36…絞り弁
37…排熱用熱交換器
38…循環パイプ
39…第2排熱用熱交換器
40…凝縮器
50…空気分離機
51…空気透過膜
52…一次側通路
53…二次側排気路
54…強制排気機
55…圧縮機
60…前段回収室
75…温度制御機構
76…加温器
77…温度センサー
78…吸入ファン
79…外気熱交換器
80…強制送風ファン
81…デミスター 81A…1段目のデミスター
81B…2段目のデミスター
82…ブロアー
83…主冷却機
84…熱交換機
85…調整弁
86…余剰熱交換器
87…太陽電池
88…残油熱交換器
100…霧化装置
200…回収装置 200A…第1の回収装置
200B…第2の回収装置
200C…第3の回収装置
200D…第4の回収装置
W…石油面
P…液柱

Claims (10)

  1. 石油を含有成分が異なる炭化水素混合物に分離する分離方法であって、
    石油を超音波振動させて搬送気体中に浮遊する霧状微粒子の状態で放出されて霧化して、霧化された霧状微粒子と搬送気体との混合流体と、霧化されない残存石油とに分離する霧化工程と、この霧化工程で得られる混合流体から炭化水素混合物を分離して回収する回収工程とからなり、
    霧化工程で石油を残存石油と混合流体とに分離し、回収工程で混合流体を回収して、石油を含有成分が異なる炭化水素混合物に分離する石油の分離方法。
  2. 分離する石油に原油を使用して、原油からガソリンと軽油と灯油を分離する請求項1に記載される石油の分離方法。
  3. 分離する石油にガソリンを使用してガソリンを精製する請求項1に記載される石油の分離方法。
  4. 霧化工程において、ガソリンを残存石油と混合流体とに分離し、残存石油となるガソリンのリード蒸気圧を低減する請求項3に記載される石油の分離方法。
  5. 石油を加温して霧化工程で霧化する請求項1に記載される石油の分離方法。
  6. 搬送気体が空気である請求項1に記載される石油の分離方法。
  7. 石油を含有成分が異なる炭化水素混合物に分離する分離装置であって、
    石油を超音波振動させて搬送気体中に浮遊する霧状微粒子の状態で放出させて霧化して、霧化された霧状微粒子と搬送気体との混合流体と、霧化されない残存石油とに分離する霧化装置(100)と、この霧化装置(100)で得られる混合流体から炭化水素混合物を分離して回収する回収装置(200)とを備え、
    霧化装置(100)で石油を残存石油と混合流体とに分離し、回収装置(200)で混合流体を回収して、石油を含有成分が異なる炭化水素混合物に分離する石油の分離装置。
  8. 霧化装置(100)が、石油を供給する霧化室(4)と、この霧化室(4)の石油を超音波振動で霧状微粒子に霧化する霧化機(1)とを備える請求項6に記載される石油の分離装置。
  9. 霧化装置(100)が超音波振動子(2)を備え、超音波振動子(2)が石油を超音波振動させて霧状微粒子に霧化する請求項6に記載される石油の分離装置。
  10. 回収装置(200)が、霧状微粒子と搬送気体の混合流体を冷却して炭化水素混合物を回収する請求項6に記載される石油の分離装置。
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