JP2006076060A - 移動体用アンダーカバーおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
低密度な繊維強化樹脂層と表皮層で構成されてなる、軽量性と力学特性だけでなく、吸音性にも優れた移動体用アンダーカバーと、その製造方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも繊維強化樹脂層と表皮層で構成されてなるアンダーカバーであって、該繊維強化樹脂層が強化繊維の交叉位置に熱可塑性樹脂が配置された格子構造を有し、該繊維強化樹脂層の密度dが0.05〜1.0g/cm3の範囲内であり、前記の強化繊維の交点が熱可塑性樹脂で融着されてなる移動体用アンダーカバーで、この移動体用アンダーカバーは、繊維強化樹脂層と表皮層を含む成形用基材を、予め加熱して繊維強化樹脂層を厚み方向に膨張させた後、賦形することで製造することができる。
【選択図】 図1
低密度な繊維強化樹脂層と表皮層で構成されてなる、軽量性と力学特性だけでなく、吸音性にも優れた移動体用アンダーカバーと、その製造方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも繊維強化樹脂層と表皮層で構成されてなるアンダーカバーであって、該繊維強化樹脂層が強化繊維の交叉位置に熱可塑性樹脂が配置された格子構造を有し、該繊維強化樹脂層の密度dが0.05〜1.0g/cm3の範囲内であり、前記の強化繊維の交点が熱可塑性樹脂で融着されてなる移動体用アンダーカバーで、この移動体用アンダーカバーは、繊維強化樹脂層と表皮層を含む成形用基材を、予め加熱して繊維強化樹脂層を厚み方向に膨張させた後、賦形することで製造することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、低密度な繊維強化樹脂層と表皮層で構成されてなる、軽量性と力学特性だけでなく、吸音性にも優れた移動体用アンダーカバーとその製造方法に関するものである。
近年、自動車、鉄道、航空機および船舶等の移動体が一般的な交通手段として浸透し、移動体の燃料消費や二酸化炭素排出が増えた結果、化石燃料枯渇や地球温暖化が大きな環境問題となってきている。さらに、これらの移動体が利便性と快適性を追求した結果、吸音材や断熱材等の多くの機能材料を付与したため、移動体重量は重くなり、環境問題をますます悪化させるばかりである。そのため、移動体軽量化などの燃費向上対策が現在強く求められている。
移動体部品の一つである、移動体底面に配置されるアンダーカバーにおいても、燃費向上対策として軽量化が検討されている。移動体部品としての剛性付与を目的とし、アルミニウムやシートモールディングコンパウンドやスタンパブルなどの繊維強化樹脂などの鉄対比比重の小さい材料でアンダーカバー基材を製造することが提案されている。しかしながら、この提案では、エンジン音やチッピング音等の騒音吸収を目的とし、アンダーカバー基材に吸音材が付与されており、十分な軽量化が達成されていない。
また、アンダーカバーが配置される移動体底面には多くの部品が密集しており、その設置スペースが非常に限定されている。そのため、アンダーカバーの厚みをさらに厚くすることができず、アンダーカバー基材と吸音材の厚みの取り合いとなり、剛性と吸音性を両立することができない。
これらを勘案して、従来のアンダーカバー基材の両側に、吸音材としてガラスウールが配置されているエンジンアンダーカバーが開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、アンダーカバーの剛性を得るためにはアンダーカバー基材が必要であり、吸音材の厚みを厚くすることができず、十分な吸音性を得ることができない。さらに金属などからなるアンダーカバー基材を使用しているため、十分な重量軽減が達成できないという問題がある。
また別に、貫通穴の開口部を有する板材をアンダーカバー基材に、吸音材としてガラスウールを配置したエンジンルーム内の吸音構造が開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、アンダーカバー基材は比重の大きいパンチングメタルから構成されているため、十分な軽量化を達成することができない。
特開2004−175200号公報
特開平11−161283号公報
そこで本発明の目的は、かかる従来技術に鑑み、移動体用アンダーカバーを低密度な繊維強化樹脂層と表皮層で構成することにより、その軽量性を確保し、かつ繊維強化樹脂層の強化繊維の交点に熱可塑性樹脂が配置された格子構造を有することで、力学特性だけでなく、吸音性にも優れた移動体用アンダーカバーを提供することにある。
また本発明の他の目的は、繊維強化樹脂層と表皮層を含む成形用基材を、予め加熱し、繊維強化樹脂層を厚み方向に膨張させた後、賦形することで、厚み方向のスペース有効活用が可能な移動体用アンダーカバーの製造方法を提供することにある。
また本発明の他の目的は、繊維強化樹脂層と表皮層を含む成形用基材を、予め加熱し、繊維強化樹脂層を厚み方向に膨張させた後、賦形することで、厚み方向のスペース有効活用が可能な移動体用アンダーカバーの製造方法を提供することにある。
本発明の移動体用アンダーカバーは、上記課題を解決するためのものであり、少なくとも繊維強化樹脂層と表皮層で構成されてなるアンダーカバーであって、該繊維強化樹脂層が強化繊維の交叉位置に熱可塑性樹脂が配置された格子構造を有し、該繊維強化樹脂層の密度dが0.05〜1.0g/cm3の範囲内であることを特徴とする移動体用アンダーカバーである。
また、本発明の移動体用アンダーカバーの製造方法は、予め繊維強化樹脂層と表皮層とが積層されてなる成形用基材を、熱可塑性樹脂の融点以上の温度、具体的には、熱可塑性樹脂の融点t1(℃)以上、(t1+30)℃以下の温度で加熱し、繊維強化樹脂層を膨張させた後、賦形する方法である。
本発明によれば、低密度な繊維強化樹脂層と表皮層から構成されることにより、軽量性を確保し、かつ繊維強化樹脂層の強化繊維の交叉位置に熱可塑性樹脂が配置された格子構造を有することで、力学特性だけでなく、吸音性にも優れた移動体用アンダーカバーを得ることができる。
また、本発明の移動体用アンダーカバーの製造方法によれば、繊維強化樹脂層と表皮層を含む成形用基材を、予め加熱し、繊維強化樹脂層を厚み方向に膨張させた後、賦形することで、厚み方向のスペース有効活用が可能となる。
以下に、本発明の移動体用アンダーカバーおよびその製造方法について、望ましい実施と形態とともに詳細に説明する。
図面に基づいて、本発明の移動体用アンダーカバーを説明する。図1は、本発明の移動体用アンダーカバーの構造を例示説明するための断面図である。本発明に係る移動体用アンダーカバーは、図1に示すように、少なくとも繊維強化樹脂層1と表皮層2から構成されている。
繊維強化樹脂層1は、強化繊維の交叉位置(交点)に熱可塑性樹脂が配置された格子構造からなる。図2は、本発明の繊維強化樹脂層の強化繊維により組まれた格子構造例示説明するための概念斜視図である。格子構造の格子とは、図2に示すように、熱可塑性樹脂4により固定された強化繊維3の交叉位置5を格子点として組まれた枠のことである。繊維強化樹脂層1は、該格子の集合体とすることで、少ない繊維量および熱可塑性樹脂量にて高い強度や弾性率を発現することができ、さらに該格子集合体の隙間部分に多くの空隙が形成されるため、高い吸音性を発現することができる。該繊維強化樹脂層1を移動体用アンダーカバーの構成要素とすることで、補強層を使わずとも十分な剛性を得ることができ、さらに補強層の厚み減少分を繊維強化樹脂層1の厚み増加分に置き換えることができ、吸音性をさらに向上することができる。
また、繊維強化樹脂層1において、強化繊維3の交叉位置5に配置された熱可塑性樹脂4が融着されていることで、交叉位置5の接着性を向上することができ、繊維強化樹脂層1の力学特性、とりわけ曲げ弾性率を高める上で好ましい。
さらに、移動体用アンダーカバーの軽量性と剛性を両立させる観点から、繊維強化樹脂層1において、交叉位置の配置点の割合が1%以上であると好ましく、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは10%以上であり、さらに好ましくは20%以上である。交叉位置の配置点の割合の上限は特に限定はないが、90%以下で本発明の目的を達成することができる。ここで、交叉位置の配置点の割合とは、次のように測定される割合のことである。繊維強化樹脂層を含む成形体の繊維強化樹脂層部分を、かみそり刃で厚みに垂直な面で切り落とし、長さ3mm、幅3mmの範囲を断面観察し、続いて得られた断面写真を画像処理により、2値化し、強化繊維部分6を白に、それ以外の部分を黒とする。画像処理で得られる強化繊維の交叉位置の個数Xを測定する。続いて断面写真より強化繊維の交叉位置に熱可塑性樹脂が配置されている交叉位置の個数Yを測定する。これらの値を使い、交叉位置の配置点の割合は、以下の式で定義される。
交叉位置の配置点の割合(%)=Y/X×100
交叉位置の配置点の割合は、長さ3mm、幅3mmの範囲を10カ所以上測定し、測定値の和を測定カ所数で除した値のことである。
交叉位置の配置点の割合(%)=Y/X×100
交叉位置の配置点の割合は、長さ3mm、幅3mmの範囲を10カ所以上測定し、測定値の和を測定カ所数で除した値のことである。
図3は、本発明の繊維強化樹脂層1において、強化繊維で囲まれた平均投影面積部分を説明するための概念図であり、2値化後の強化繊維部分6と2値化後の強化繊維で囲まれた黒い部分7が示されている。
繊維強化樹脂層1における強化繊維部分6で囲まれた部分7の平均投影面積は、1×10−11〜1×10−8m2の範囲内であると好ましく、より好ましくは2×10−11〜5×10−9m2の範囲内であり、さらに好ましくは5×10−11〜1×10−9m2の範囲内である。
ここで平均投影面積は、次のように測定される値のことである。繊維強化樹脂層を含む成形体の繊維強化樹脂層部分を、かみそり刃で厚みに垂直な面で切り落とし断面観察し、続いて得られた断面写真を画像処理により、2値化し、強化繊維部分6を白に、それ以外の部分を黒とする。画像処理により得られる、強化繊維で囲まれた黒い部分7の面積を投影面積と定義した。さらに、平均投影面積とは、この投影面積7を100個以上測定し、測定値の和を測定個数で除した値のことである。本発明では、平均投影面積を上記範囲内とすることで、繊維強化樹脂層1内の強化繊維3の表面積が増え、本発明の目的の一つである吸音性が高くなり好ましい態様である。
繊維強化樹脂層の密度dは、0.05〜1.0g/cm3の範囲内である。密度が1.0g/cm3を超えると移動体用アンダーカバーを軽量化することができず、また密度が0.05g/cm3未満になると繊維強化樹脂層1の弾性率が小さく、移動体用アンダーカバーとしての十分な剛性を得ることが出来難い。移動体用アンダーカバーの剛性と吸音特性のバランスの観点から、繊維強化樹脂層の密度は好ましくは0.08〜0.8g/cm3の範囲内であり、より好ましくは0.1〜0.6g/cm3での範囲内である。
なお、繊維強化樹脂層の密度測定は、後述する方法で測定することができる。
なお、繊維強化樹脂層の密度測定は、後述する方法で測定することができる。
本発明の移動体用アンダーカバーは、吸音性を高める上で、空隙を内包していることが好ましい。ここで繊維強化樹脂層の空隙率とは、繊維強化樹脂層の体積に対する、強化繊維および熱可塑性樹脂の体積を排除した空間体積の割合として、以下の式で定義される。
空隙率(%)=100×{V−(Wf/ρf+Wr/ρr)}/V
ここで、航空機用内装材の体積をV(cm3)、強化繊維の重量をWf(g)、強化繊維の比重をρf(g/cm3)、熱可塑性樹脂の重量をWr(g)、熱可塑性樹脂の比重をρr(g/cm3)とする。
空隙率(%)=100×{V−(Wf/ρf+Wr/ρr)}/V
ここで、航空機用内装材の体積をV(cm3)、強化繊維の重量をWf(g)、強化繊維の比重をρf(g/cm3)、熱可塑性樹脂の重量をWr(g)、熱可塑性樹脂の比重をρr(g/cm3)とする。
好ましい空隙率としては20〜90%の範囲内であり、より好ましくは25〜85%の範囲内であり、さらに好ましくは30〜80%である。
移動体用アンダーカバーの軽量性と剛性を両立させる観点から、繊維強化樹脂層1の比弾性率指標Aは5以上であることが好ましく、より好ましくは10以上であり、さらに好ましくは15以上であり、さらに好ましくは20以上である。繊維強化樹脂層1の比弾性率指標Aを上記範囲内とすることで、移動時のアンダーカバーの変形による、空気抵抗の増加が少なく、燃費を向上させることができる。繊維強化樹脂層1の比弾性率指標Aの上限に関しては特に限定はないが、100以下で本発明の目的を達成できる。
繊維強化樹脂層1の比弾性率指標Aは、繊維強化樹脂層の曲げ弾性率Eと繊維強化樹脂の密度dから、下記の式1で定義される。
A=E1/3/d・・・式1
繊維強化樹脂層1の強化繊維3と熱可塑性樹脂4の成分割合は、上述した移動体用アンダーカバーの比弾性率指標の観点から、強化繊維が10〜60重量%の範囲内であり、熱可塑性樹脂が40〜90重量%の範囲内であることが好ましい。強化繊維が15〜50重量%の範囲内であり、熱可塑性樹脂が50〜85重量%の範囲内であるとより好ましい。強化繊維が20〜45重量%の範囲内であり、熱可塑性樹脂が55〜80重量%の範囲内であるとさらに好ましい。
A=E1/3/d・・・式1
繊維強化樹脂層1の強化繊維3と熱可塑性樹脂4の成分割合は、上述した移動体用アンダーカバーの比弾性率指標の観点から、強化繊維が10〜60重量%の範囲内であり、熱可塑性樹脂が40〜90重量%の範囲内であることが好ましい。強化繊維が15〜50重量%の範囲内であり、熱可塑性樹脂が50〜85重量%の範囲内であるとより好ましい。強化繊維が20〜45重量%の範囲内であり、熱可塑性樹脂が55〜80重量%の範囲内であるとさらに好ましい。
繊維強化樹脂層1の強化繊維の引張弾性率は50〜700GPaの範囲内が好ましく、より好ましくは150〜700GPaの範囲内であり、さらに好ましくは200〜700GPaの範囲内である。引張弾性率を上記範囲内とすることにより、繊維強化樹脂層1の引張弾性率を高くすることができ、移動体用アンダーカバーの剛性を高める上で有効である。
繊維強化樹脂層1を構成する強化繊維としては、例えば、アルミニウム、鉄、マグネシウム、チタンおよびこれらとの合金などの金属繊維や、SiCを主成分とする繊維、ガラス繊維、ホウ素繊維、アルミナ繊維、石英繊維、ポリアクリロニトリル系や、ピッチ系の炭素繊維や活性炭素繊維などの無機繊維や、アラミド繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、高分子量ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維などの有機繊維、およびニッケルや銅をガラス繊維や炭素繊維などの表面にコーティングした金属被覆繊維が挙げられる。これらは、単独または2種以上併用して用いても良い。強化繊維には、繊維の比重が小さく、高強度、高弾性率である炭素繊維が特に好ましく用いられる。中でも繊維の強度と弾性率のバランスの観点から、ポリアクリロニトリル系の炭素繊維がさらに好ましく用いられる。
繊維強化樹脂層1に用いられる強化繊維は、繊維表面に表面処理が施されているものであってもよい。表面処理としては、気層あるいは液層酸化による処理、カップリング剤による処理、サイジング剤による処理、および添加剤の付着処理などが挙げられる。
繊維強化樹脂層1の強化繊維の形態は、連続繊維を所定長さにカットしたチョップド繊維が好ましく用いられる。強化繊維の繊維長は、移動体用アンダーカバーの軽量性と剛性の観点から、2〜50mmの範囲内であると良く、より好ましくは3〜30mmの範囲内であり、さらに好ましくは3〜25mmの範囲内である。なお繊維長は、繊維強化樹脂層1から400本以上の繊維を取り出し、それぞれ繊維長を測定し、測定した繊維長の和を測定本数で除した平均値とした。
繊維強化樹脂層1を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステル等のポリエステルや、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン等のポリオレフィンや、スチレン系樹脂の他や、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性PPE、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、変性PSU、ポリエーテルスルホン、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルニトリル(PEN)、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、更にポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系、フッ素系、およびアクリロニトリル系等の熱可塑エラストマー等や、これらの共重合体、変性体、および2種類以上ブレンドした樹脂などを用いることができる。好ましくは、機械的特性に優れたポリエステルや、PA、耐熱性に優れたPPSや、PEI、透明性に優れたPC、成形性に優れたPP、および耐熱水性に優れたPPEが好適である。
また、繊維強化樹脂層1に用いられる熱可塑性樹脂の重量平均分子量としては、繊維強化樹脂層1の弾性率の観点から、2,000〜200,000が好ましく、より好ましくは5,000〜150,000であり、更に好ましくは10,000〜100,000である。重量平均分子量を上記範囲内とすることにより、分子間力や分子鎖の絡み合いが多くなり、熱可塑性樹脂自体の弾性率が高くすることができる。
熱可塑性樹脂には、吸音性向上のために、エラストマーもしくはゴム成分が添加されていてもよいし、機能性を高める観点から、充填材や添加剤が添加されていてもよ良い。例えば、難燃剤、導電性付与剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、制振剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色防 止剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、染料、発泡剤、制泡剤およびカップリング剤である。とりわけ、無機物を添加する場合には、その分散サイズが小さい方が、強化繊維への接着性の観点からより好ましい。特にナノオーダーの分散サイズを有するものは、少量添加で機能向上効果を発現できる点からさらに好ましい態様である。
本発明の繊維強化樹脂層1には、本発明の効果を妨げない範囲で、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂およびフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や、アルミニウム、鉄、ステンレス、マグネシウム、チタンおよびこれらとの合金等、またこれらの金属材料に接着性の表面処理を施した金属材料等の他の成分を配合することができる。
本発明の繊維強化樹脂層1の厚みは、移動体底面のスペースの観点から、好ましくは0.1〜40mmの範囲内であり、より好ましくは0.2〜20mmの範囲内であり、更に好ましくは0.3〜10mmの範囲内であり、さらに好ましくは0.5〜5mmの範囲内である。
本発明の移動体アンダーカバーは、組立作業時に触れるため、表皮層2がないと繊維強化樹脂層1から強化繊維や熱可塑性樹脂の脱落が生じ、作業性を著しく低下させることがあるため表皮層2が配置されていることが必要である。ここで表皮層2とは図1に示すように、繊維強化樹脂層1の外側に配置されている層のことであり、移動体用アンダーカバーの実質的表面を構成する層となる。
表皮層2の配置構成は、繊維強化樹脂層1の片側には配置されていても、両側に配置されていても構わない。強化繊維や熱可塑性樹脂の脱落防止の観点から、繊維強化樹脂層1の両側に配置されていることがより好ましい。
表皮層2の形態には特に限定はなく、例えば、フィルム状、板状、不織布、織布、メッシュ等や、これら2層以上積層した形態を好ましく用いることができる。
移動体用アンダーカバーの吸音性の観点から、表皮層2の厚みは、表皮層2の厚みを移動体用アンダーカバーの厚みで除した厚み比が0.3以下であることが好ましく、厚みはより好ましくは0.2以下であり、さらに好ましくは0.1以下である。表皮層2の厚みを薄くすることで、繊維強化樹脂層1の厚みを厚くすることができ吸音材の厚み効果を利用することができる。表皮層2が繊維強化樹脂層1の両側にある場合の厚み比は、両側にある表皮層2の厚みの和を移動体用アンダーカバーの厚みで除したものとした。また、移動体用アンダーカバーの厚み比は、断面観察により20点測定し、その最大値とした。
移動体用アンダーカバーの吸音性の観点から、表皮層2の厚みは、表皮層2の厚みを移動体用アンダーカバーの厚みで除した厚み比が0.3以下であることが好ましく、厚みはより好ましくは0.2以下であり、さらに好ましくは0.1以下である。表皮層2の厚みを薄くすることで、繊維強化樹脂層1の厚みを厚くすることができ吸音材の厚み効果を利用することができる。表皮層2が繊維強化樹脂層1の両側にある場合の厚み比は、両側にある表皮層2の厚みの和を移動体用アンダーカバーの厚みで除したものとした。また、移動体用アンダーカバーの厚み比は、断面観察により20点測定し、その最大値とした。
表皮層2の素材としては、移動体用アンダーカバーの使用環境に合わせて選択すれば良く、特に制限はない。表皮層2の素材としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、金属、布帛、紙、およびセラミック等が挙げられる。
表皮層2は、移動体用アンダーカバーの成形性の観点から、熱可塑性樹脂で構成されていることが好ましい。表皮層2に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステル等のポリエステルや、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン等のポリオレフィンや、スチレン系樹脂の他や、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性PPE、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、変性PSU、ポリエーテルスルホン、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルニトリル(PEN)、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、更にポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系、フッ素系、およびアクリロニトリル系等の熱可塑エラストマー等や、これらの共重合体、変性体、および2種類以上ブレンドした樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂には、吸音性向上のために、エラストマーもしくはゴム成分が添加されていてもよいし、機能性を高める観点から、充填材や添加剤が添加されていてもよ良い。添加される成分としては、例えば、難燃剤、導電性付与剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、制振剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色防 止剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、染料、発泡剤、制泡剤およびカップリング剤である。とりわけ、無機物を添加する場合には、その分散サイズが小さい方が、強化繊維への塗れ性の観点からより好ましい。特にナノオーダーの分散サイズを有するものは、少量添加で効果を発現できる点からさらに好ましい。
表皮層2が金属から構成されている場合は、軽量性は損なわれるものの剛性を高められる観点から好ましい態様である。表皮層2として、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス、マグネシウム、チタンおよびこれらとの合金等、またこれらの金属材料に接着性の表面処理を施した金属材料等を用いることができる。
表皮層2が布帛や紙から構成されている場合は、意匠性を高められる観点から好ましい態様である。表皮層2として、例えば、綿、麻、絹、木材パルプおよび合成パルプ等を用いることができる。
表皮層2の厚みは、移動体底面のスペースおよび軽量性の観点から、15mm以下が好ましく、より好ましくは10mm以下であり、更に好ましくは5mm以下であり、さらに好ましくは1.5mm以下である。表皮層2の厚みの下限は、表皮層2があれば良く特に限定はないが、0.001mm以上で本発明の目的を達成することができる。
本発明の移動体用アンダーカバーは、繊維強化樹脂層1および表皮層2以外に、さらに補強層が形成されていても良い。補強層とは、移動体用アンダーカバーの強度や剛性を補強するための層であり、繊維強化樹脂層1の外側、あるいは繊維強化樹脂層1および表皮層2の間に配置される。補強層の素材は、移動体用アンダーカバーの剛性補強の観点から、引張弾性率の高い繊維強化熱硬化性樹脂、繊維強化熱可塑性樹脂、金属材料から構成されていることが好ましい。また、アンダーカバーの軽量性の観点から、補強層の厚みは薄い方が好ましい。
補強層が繊維強化熱硬化性樹脂あるいは繊維強化熱可塑性樹脂の場合、強化繊維としては繊維弾性率の高い繊維が好ましく、例えば、アルミニウム、鉄、マグネシウム、チタンおよびこれらとの合金などの金属繊維や、SiCを主成分とする繊維、ガラス繊維、ホウ素繊維、アルミナ繊維、石英繊維、ポリアクリロニトリル系や、ピッチ系の炭素繊維や活性炭素繊維などの無機繊維や、アラミド繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、高分子量ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維などの有機繊維、およびニッケルや銅をガラス繊維や炭素繊維などの表面にコーティングした金属被覆繊維が用いられる。
補強層が繊維強化熱硬化性樹脂の場合、熱硬化樹脂としては特に限定はないが、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂およびフェノール樹脂等が用いられる。
補強層が繊維強化熱可塑性樹脂の場合、熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステル等のポリエステルや、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン等のポリオレフィンや、スチレン系樹脂の他や、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性PPE、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、変性PSU、ポリエーテルスルホン、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルニトリル(PEN)、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、更にポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系、フッ素系、アクリロニトリル系等の熱可塑エラストマー等や、これらの共重合体、変性体、および2種類以上ブレンドした樹脂を用いることができる。
補強層が繊維強化熱可塑性樹脂の場合、熱可塑性樹脂には、吸音性向上のために、エラストマーもしくはゴム成分が添加されていてもよいし、機能性を高める観点から、充填材や添加剤が添加されていてもよ良い。添加される成分としては、例えば、難燃剤、導電性付与剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、制振剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色防 止剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、染料、発泡剤、制泡剤およびカップリング剤である。とりわけ、無機物を添加する場合には、その分散サイズが小さい方が、強化繊維への塗れ性の観点からより好ましい。特にナノオーダーの分散サイズを有するものは、少量添加で効果を発現できる点からさらに好ましい。
補強層が金属材料の場合、金属材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス、マグネシウム、チタンおよびこれらとの合金等、またこれらの金属材料に接着性の表面処理を施した金属材料等を用いることができる。
本発明の補強層の厚みは、移動体用アンダーカバーの軽量性の観点から、15mm以下が好ましく、より好ましくは10mm以下であり、更に好ましくは5mm以下である、さらに好ましくは2mm以下である。
本発明の補強層の厚みは、移動体用アンダーカバーの軽量性の観点から、15mm以下が好ましく、より好ましくは10mm以下であり、更に好ましくは5mm以下である、さらに好ましくは2mm以下である。
本発明の移動体用アンダーカバーの厚みは、移動体底面のスペースの観点から、50mm以下が好ましく、より好ましくは30mm以下であり、更に好ましくは15mm以下である、さらに好ましくは10mm以下である。移動体用アンダーカバーの厚みの下限は特に限定はないが、0.5mm以上で本発明の目的を達成することができる。
なお、本発明の移動体用アンダーカバーの平均投影面積、曲げ弾性率、空隙率、組成分割合、力学特性など諸特性は、表皮層および補強層を除外した繊維強化樹脂層で測定を行った。
なお、本発明の移動体用アンダーカバーの平均投影面積、曲げ弾性率、空隙率、組成分割合、力学特性など諸特性は、表皮層および補強層を除外した繊維強化樹脂層で測定を行った。
本発明の移動体用アンダーカバーの製造方法は、繊維強化樹脂層と表皮層を含む成形用基材を、予め加熱し、繊維強化樹脂層を厚み方向に膨張させた後、所定厚みの厚みに賦形する工程からなる。ここで繊維強化樹脂層と表皮層を含む成形用基材とは、繊維強化樹脂層と表皮層が一体化された基材であっても、繊維強化樹脂層と表皮層が分離している基材であっても構わない。繊維強化樹脂層と表皮層を含む成形用基材を予め加熱することで、強化繊維の交点部分に配置されている熱可塑性樹脂が軟化、溶融し、成形用基材の繊維強化樹脂層が厚み方向に膨張する。このような厚み方向に膨張する成形用基材を使用することで、大きな厚み変化のある成形体が成形できるようになり、部品の密集している移動体底面の空きスペースを有効的に利用することができる。続いて膨張した成形用基材を金型内に配置して、加圧および冷却することで賦形し、必要に応じ所定形状に加工あるいは後処理し、移動体用アンダーカバー成形体を得ることができる。
成形用基材の加熱温度としては、繊維強化樹脂層を構成する熱可塑性樹脂の融点をt1(℃)とすると、移動体用アンダーカバーの成形性および剛性の観点から、少なくともt1(℃)以上、(t1+30)℃以下の温度とすることが好ましい。加熱温度が高すぎると熱可塑性樹脂の熱分解が進み、繊維強化樹脂層の弾性率が低下する場合がある。
また、移動体用アンダーカバーへの補強層の好ましい一体化方法としては、例えば、予め金型内に補強層をインサートし、続いて膨張した成形用基材を金型内に配置して、賦形することで、補強層と成形用基材とを一体化する方法、予め所定の形状に賦形した補強層および成形用基材を接着剤にて一体化する方法、および予め所定の形状に賦形した補強層および成形用基材をボルト、ポップナット、リベットなどの機械接合で一体化する方法などが挙げられる。移動体用アンダーカバーの成形性の観点から、予め金型内に補強層をインサートし、続いて膨張した成形用基材を金型内に配置して、賦形することで、補強層と成形用基材とを一体化する成形方法が特に好ましい。また、補強層に予め表皮層を一体化しておくことで、補強層を繊維強化樹脂層と表皮層の間に配置しても構わない。
また、移動体用アンダーカバーへの補強層の好ましい一体化方法としては、例えば、予め金型内に補強層をインサートし、続いて膨張した成形用基材を金型内に配置して、賦形することで、補強層と成形用基材とを一体化する方法、予め所定の形状に賦形した補強層および成形用基材を接着剤にて一体化する方法、および予め所定の形状に賦形した補強層および成形用基材をボルト、ポップナット、リベットなどの機械接合で一体化する方法などが挙げられる。移動体用アンダーカバーの成形性の観点から、予め金型内に補強層をインサートし、続いて膨張した成形用基材を金型内に配置して、賦形することで、補強層と成形用基材とを一体化する成形方法が特に好ましい。また、補強層に予め表皮層を一体化しておくことで、補強層を繊維強化樹脂層と表皮層の間に配置しても構わない。
さらに、得られた移動体用アンダーカバーの表面には、メッキ、塗装、蒸着、インサート、スタンピング、レーザー照射などによる表面加飾の処理が施されていてもよい。
移動体用アンダーカバーの成形品には、移動体用アンダーカバーの剛性の観点から、成形品に凸凹形状が形成されていても良い。また、成形品に凹凸形状を形成することで、エンジン音等の一旦車外に放出された音を乱反射させることができ、騒音を低減させる相乗効果を得ることもできる。凹凸形状としては、例えば、山型、丸型、波型、角型、W型、M型および台形型などが挙げられる。凹凸の高さは、移動体底面のスペースの観点から、30mm以下が好ましく、より好ましくは20mm以下であり、さらに好ましくは10mm以下である。 移動体用アンダーカバーの成形品には、移動体用アンダーカバーの軽量化の観点から、成形品に複数個の断続した貫通穴が形成されていても良い。ここで貫通穴とは、繊維強化樹脂層、表皮層、補強層から構成される移動体用アンダーカバーの厚み方向に貫通した穴のことである。
移動体用アンダーカバーの成形品には、移動体用アンダーカバーの剛性の観点から、成形品に凸凹形状が形成されていても良い。また、成形品に凹凸形状を形成することで、エンジン音等の一旦車外に放出された音を乱反射させることができ、騒音を低減させる相乗効果を得ることもできる。凹凸形状としては、例えば、山型、丸型、波型、角型、W型、M型および台形型などが挙げられる。凹凸の高さは、移動体底面のスペースの観点から、30mm以下が好ましく、より好ましくは20mm以下であり、さらに好ましくは10mm以下である。 移動体用アンダーカバーの成形品には、移動体用アンダーカバーの軽量化の観点から、成形品に複数個の断続した貫通穴が形成されていても良い。ここで貫通穴とは、繊維強化樹脂層、表皮層、補強層から構成される移動体用アンダーカバーの厚み方向に貫通した穴のことである。
移動体用アンダーカバーに形成する貫通穴の大きさは、移動体用アンダーカバーの軽量性の観点から、1000mm2以下が好ましく、より好ましくは500mm2以下であり、更に好ましくは200mm2以下である。
移動体用アンダーカバーに形成する貫通穴の形状は、例えば、円形、楕円形、多角形、角Rのある多角形であっても、2種類以上の形状が併用されていても良い。
さらに、貫通穴を形成することで、貫通穴内での音の共鳴により吸音性も向上する。また、この貫通穴を熱の放出穴や、移動体との接合用穴として使用してもよい。
本発明の移動体としては、例えば、自動車、船舶、航空機、鉄道車両、および自転車等があり、これらに適用可能である。自動車としては、セダン、リムジン、クーペ、ワゴン等の乗用車、ツーリング、レーシング、フォーミュラ等のスポーツ車、トラック、パネルバン、トレーラ等の貨物車、ライトバン、ピックアップ等の貨客兼用車、路線用、観光用、ライトバン、マイクロバス等の乗合用車、郵便用、宣伝用、救急用、医療用等の特殊用途用車、タンクローリー、ダンプ、ミキサ等の特殊装備車、トラクタ、ロードローラ、スクレーパ、フォークリフト、クレーン車等の特殊作業車、水陸両用、湿地帯用、野外用等の路外用車、砲車、戦車、けん引車、兵員輸送車等の軍用車、オートバイ、スクータ、原動機付き自転車等の2輪車、オートバイ、スクータ、および原動機付き自転車等の3輪車などが挙げられる。船舶としては、旅客船、貨物船、フェリー、鉄道車両渡船、貨客船、救助作業船、工作船、水先案内船等の商船、漁船、快遊船等の非商船、および艦船などが挙げられる。航空機としては、固定翼機、飛行機、グライダー、回転翼機、ヘリコプター、オートジャイロ等の重航空機、飛行船、および気球等の軽航空機などが挙げられる。鉄道車両としては、電車、客車等の旅客車、電気機関車、ディーゼル機関車等の機関車、有蓋車、無蓋車、コンテナ車、タンク車等の貨物車、試験車、除雪車、およびけん引車等の事業用車などが挙げられる。自転車としては、2輪車や3輪車などが挙げられる。
図4は、本発明の一実施態様に係る移動体用アンダーカバーの取りつけ位置を示した移動体の底面図である。図4において、本発明の移動体用アンダーカバーは、例えば、エンジンカバー8、整流カバー9、水よけカバー10や、泥よけカバー(以下、図示せず)、石よけカバー、飛来物よけカバー、吸音カバー、耐熱カバー、遮熱カバーなどに適用可能である。
以下、実施例により本発明の移動体用アンダーカバーについてさらに詳細に説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではない。
本発明の説明で用いられた移動体用アンダーカバーの諸特性の測定手法は、以下のとおりである。
(1)平均投影面積評価
成形体の繊維強化樹脂層部分を、かみそり刃で厚みに垂直な面で切り落とし断面観察する。続いて得られた断面写真を画像処理により、2値化し、強化繊維部分6を白に、それ以外の部分を黒とする。強化繊維で囲まれ独立した黒い部分の面積を一つの投影面積7とした。投影面積7は100個以上測定し、測定値の和を測定個数で除した値を平均投影面積(m2)とした。
(2)繊維強化樹脂の密度評価
成形体から繊維強化樹脂層以外の部分を除去し、直方体の試験片Aを切り出し、長さL0(cm)と幅B0(cm)と厚みT0(cm)と重量W0(g)を測定し、密度(g/cm3)を次式により求める。厚みは同一の試験片内で5点測定し、その平均値とする。密度は、測定回数5回の平均値とする。
密度=W0/(L0×B0×T0)
(3)繊維強化樹脂の空隙率評価
成形体から繊維強化樹脂層以外の部分を除去し、直方体の試験片Bを切り出し、長さL1(cm)、幅B1(cm)、厚みT1(cm)、および重量W1(g)を測定する。次に試験片Bを粉砕片の最大長さが50μm以下となるように凍結粉砕し、粉砕片を収集する。この粉砕片を50℃の温度の空気中で、24時間乾燥させ、JIS R 1620のピクノメーター法に従い粉砕片の密度ρ粉砕を測定した。これらの測定値を使い、繊維強化樹脂の空隙率(%)を次式により算出する。空隙率は5回以上測定し、測定値の和を測定回数で除した平均値とする。
空隙率=(ρ粉砕×L1×B1×T1−W1)/(L1×B1×T1×ρ粉砕)×100
(4)繊維強化樹脂層の曲げ弾性率評価
成形体の平坦な部分を選び、試験片の長さ100mm、幅10mmの板状物を切り出し、続いて繊維強化樹脂層にダメージを与えないように繊維強化樹脂層以外の部分を除去し試験片Cとする。曲げ試験はASTM D790に従い試験を行い、曲げ弾性率(MPa)を測定した。曲げ試験の支点間距離L2は繊維強化樹脂層の厚みT2の16倍とした。なお評価にはINSTRON5565を用いた。
(5)繊維強化樹脂の成分割合評価
成形体から繊維強化樹脂層以外の部分を除去し、直方体の試験片Dを切り出し、重量W2(g)を測定する。続いて、強化繊維を溶解せず、熱可塑性樹脂を膨潤あるいは溶解可能な有機溶媒を選定し、試験片Dを選定した有機溶媒中に6時間浸積して、強化繊維のみを取り出す。取り出した強化繊維を50℃の温度の空気中で、24時間乾燥させ、重量W3(g)を測定し、繊維および熱可塑性樹脂の重量分率(重量%)を次式により求める。
繊維の重量分率 =W3/W2×100
熱可塑性樹脂の重量分=(1−W3/W2)×100
(6)繊維長評価
成形体から長さ10cmと幅10cmの直方体を切り出し、続いて積層されている繊維強化樹脂部分以外を除去し試験片Eを得る。強化繊維を溶解せず、熱可塑性樹脂を膨潤あるいは溶解可能な有機溶媒を選定し、試験片Eを選定した有機溶媒中に6時間浸積して、強化繊維のみを取り出す。取り出した強化繊維を顕微鏡観察し繊維長(mm)を測定する。繊維長は400本以上測定し、測定値の和を測定本数で除した平均値とする。
(7)交叉位置の配置点の割合評価
成形体の繊維強化樹脂層部分を、かみそり刃で厚みに垂直な面で切り落とし、長さ3mm、幅3mmの範囲を断面観察し、続いて得られた断面写真を画像処理により、2値化し、強化繊維部分6を白に、それ以外の部分を黒とする。画像処理で得られる強化繊維の交叉位置の個数Xを測定する。続いて、断面写真より強化繊維の交叉位置に熱可塑性樹脂が配置されている交叉位置の個数Yを測定する。これらの値を使い、交叉位置の配置点の割合を次式により求める。
交叉位置の配置点の割合(%)=Y/X×100
交叉位置の配置点の割合は、長さ3mm、幅3mmの範囲を10カ所以上測定し、測定値の和を測定カ所数で除した平均値とする。
(参考例1)
ポリアクリロニトリルを主成分とする共重合体を紡糸し焼成処理を行い、総フィラメント数24000本の炭素繊維連続束Aを得た。この炭素繊維連続束Aの特性は次のとおりであった。
単位長さ当たりの質量 1.7g/m
比重 1.8g/cm3
引張強度 5GPa
引張弾性率 235GPa
炭素繊維表面の表面比炭素濃度O/C 0.1
サイジング付着量 1.5wt%。
(参考例2)
MFRが100のポリプロピレンを凍結粉砕し、平均粒子径300μmのポリプロピレン樹脂粒子Aを得た。
(実施例1)
参考例1で得られた炭素繊維連続束Aを、カートリッジカッターでカットし、繊維長6.4mmのチョップド糸を得た。得られたチョップド糸390gと参考例2で得られたポリプロピレン樹脂粒子910gを抄紙法により炭素繊維を絡ませウェブとし、続いて表皮層として厚み0.3mmのポリプロピレンフィルム(東レ(株)製、「トレファン」(登録商標))を前記ウェブの上下に配置し、200℃の温度の熱風乾燥機中で8分間加熱した後、室温プレスで加圧・冷却し、長さ1000mm、幅1000mm、厚み3mmの成形用基材を得た。
本発明の説明で用いられた移動体用アンダーカバーの諸特性の測定手法は、以下のとおりである。
(1)平均投影面積評価
成形体の繊維強化樹脂層部分を、かみそり刃で厚みに垂直な面で切り落とし断面観察する。続いて得られた断面写真を画像処理により、2値化し、強化繊維部分6を白に、それ以外の部分を黒とする。強化繊維で囲まれ独立した黒い部分の面積を一つの投影面積7とした。投影面積7は100個以上測定し、測定値の和を測定個数で除した値を平均投影面積(m2)とした。
(2)繊維強化樹脂の密度評価
成形体から繊維強化樹脂層以外の部分を除去し、直方体の試験片Aを切り出し、長さL0(cm)と幅B0(cm)と厚みT0(cm)と重量W0(g)を測定し、密度(g/cm3)を次式により求める。厚みは同一の試験片内で5点測定し、その平均値とする。密度は、測定回数5回の平均値とする。
密度=W0/(L0×B0×T0)
(3)繊維強化樹脂の空隙率評価
成形体から繊維強化樹脂層以外の部分を除去し、直方体の試験片Bを切り出し、長さL1(cm)、幅B1(cm)、厚みT1(cm)、および重量W1(g)を測定する。次に試験片Bを粉砕片の最大長さが50μm以下となるように凍結粉砕し、粉砕片を収集する。この粉砕片を50℃の温度の空気中で、24時間乾燥させ、JIS R 1620のピクノメーター法に従い粉砕片の密度ρ粉砕を測定した。これらの測定値を使い、繊維強化樹脂の空隙率(%)を次式により算出する。空隙率は5回以上測定し、測定値の和を測定回数で除した平均値とする。
空隙率=(ρ粉砕×L1×B1×T1−W1)/(L1×B1×T1×ρ粉砕)×100
(4)繊維強化樹脂層の曲げ弾性率評価
成形体の平坦な部分を選び、試験片の長さ100mm、幅10mmの板状物を切り出し、続いて繊維強化樹脂層にダメージを与えないように繊維強化樹脂層以外の部分を除去し試験片Cとする。曲げ試験はASTM D790に従い試験を行い、曲げ弾性率(MPa)を測定した。曲げ試験の支点間距離L2は繊維強化樹脂層の厚みT2の16倍とした。なお評価にはINSTRON5565を用いた。
(5)繊維強化樹脂の成分割合評価
成形体から繊維強化樹脂層以外の部分を除去し、直方体の試験片Dを切り出し、重量W2(g)を測定する。続いて、強化繊維を溶解せず、熱可塑性樹脂を膨潤あるいは溶解可能な有機溶媒を選定し、試験片Dを選定した有機溶媒中に6時間浸積して、強化繊維のみを取り出す。取り出した強化繊維を50℃の温度の空気中で、24時間乾燥させ、重量W3(g)を測定し、繊維および熱可塑性樹脂の重量分率(重量%)を次式により求める。
繊維の重量分率 =W3/W2×100
熱可塑性樹脂の重量分=(1−W3/W2)×100
(6)繊維長評価
成形体から長さ10cmと幅10cmの直方体を切り出し、続いて積層されている繊維強化樹脂部分以外を除去し試験片Eを得る。強化繊維を溶解せず、熱可塑性樹脂を膨潤あるいは溶解可能な有機溶媒を選定し、試験片Eを選定した有機溶媒中に6時間浸積して、強化繊維のみを取り出す。取り出した強化繊維を顕微鏡観察し繊維長(mm)を測定する。繊維長は400本以上測定し、測定値の和を測定本数で除した平均値とする。
(7)交叉位置の配置点の割合評価
成形体の繊維強化樹脂層部分を、かみそり刃で厚みに垂直な面で切り落とし、長さ3mm、幅3mmの範囲を断面観察し、続いて得られた断面写真を画像処理により、2値化し、強化繊維部分6を白に、それ以外の部分を黒とする。画像処理で得られる強化繊維の交叉位置の個数Xを測定する。続いて、断面写真より強化繊維の交叉位置に熱可塑性樹脂が配置されている交叉位置の個数Yを測定する。これらの値を使い、交叉位置の配置点の割合を次式により求める。
交叉位置の配置点の割合(%)=Y/X×100
交叉位置の配置点の割合は、長さ3mm、幅3mmの範囲を10カ所以上測定し、測定値の和を測定カ所数で除した平均値とする。
(参考例1)
ポリアクリロニトリルを主成分とする共重合体を紡糸し焼成処理を行い、総フィラメント数24000本の炭素繊維連続束Aを得た。この炭素繊維連続束Aの特性は次のとおりであった。
単位長さ当たりの質量 1.7g/m
比重 1.8g/cm3
引張強度 5GPa
引張弾性率 235GPa
炭素繊維表面の表面比炭素濃度O/C 0.1
サイジング付着量 1.5wt%。
(参考例2)
MFRが100のポリプロピレンを凍結粉砕し、平均粒子径300μmのポリプロピレン樹脂粒子Aを得た。
(実施例1)
参考例1で得られた炭素繊維連続束Aを、カートリッジカッターでカットし、繊維長6.4mmのチョップド糸を得た。得られたチョップド糸390gと参考例2で得られたポリプロピレン樹脂粒子910gを抄紙法により炭素繊維を絡ませウェブとし、続いて表皮層として厚み0.3mmのポリプロピレンフィルム(東レ(株)製、「トレファン」(登録商標))を前記ウェブの上下に配置し、200℃の温度の熱風乾燥機中で8分間加熱した後、室温プレスで加圧・冷却し、長さ1000mm、幅1000mm、厚み3mmの成形用基材を得た。
得られた成形用基材を200℃の温度の熱風乾燥機中で8分間加熱し熱可塑性樹脂層を膨張させた後、移動体アンダーカバー成形用金型内に配置後、室温で冷却プレスした。プレス内で樹脂が十分固化した後に脱型し成形体を得た。さらに成形体をパンチング加工にて所定形状に加工し、図5に示す移動体用アンダーカバーを得た。 得られた移動体用アンダーカバーは、重量800g、長さ500mm、幅1000mm、厚み4.0mmであり、複数のリブ11および貫通穴12が設けられていた。移動体用アンダーカバーの繊維強化樹脂層部分を、かみそり刃で厚みに垂直な面で切り落とし断面観察したところ、強化繊維の交叉位置(交点)に熱可塑性樹脂が配置された格子構造を有しており、交叉位置の配置点の割合は10%であった。また、上述した測定手法にて、移動体用アンダーカバーの諸特性を測定したところ、繊維強化樹脂層の密度は0.3g/cm3、空隙率は65%、平均投影面積は4×10−9m2、比弾性率指標Aは20、炭素繊維の重量分率が30重量%であった。
得られたアンダーカバーを移動体に取り付ける時、強化繊維や熱可塑性樹脂の脱落はなく、作業性は極めて良好であった。
さらにこの移動体用アンダーカバーは、移動中大きな形状変形は見られず十分な剛性を有しており、ISO 10534−1に従い、厚み4mm、2000Hzにおける吸音率を測定した結果0.5であった。
さらにこの移動体用アンダーカバーは、移動中大きな形状変形は見られず十分な剛性を有しており、ISO 10534−1に従い、厚み4mm、2000Hzにおける吸音率を測定した結果0.5であった。
(実施例2)
ウェブの加熱温度および、成形用基材の加熱温度が220℃であること以外は、実施例1と同様の方法で移動体用アンダーカバーを得た。得られた移動体用アンダーカバーは、重量800g、長さ500mm、幅1000mm、厚み4.0mmであり、複数のリブ11および貫通穴12が設けられていた。移動体用アンダーカバーの繊維強化樹脂層部分を、かみそり刃で厚みに垂直な面で切り落とし断面観察したところ、強化繊維の交叉位置(交点)に熱可塑性樹脂が融着された格子構造となっており、おり、交叉位置の配置点の割合は10%であった。また、上述した測定手法にて、移動体用アンダーカバーの諸特性を測定したところ、繊維強化樹脂層の密度は0.3g/cm3、空隙率は65%、平均投影面積は4×10−9m2、比弾性率指標Aは23であった。
得られたアンダーカバーを移動体に取り付ける時、強化繊維や熱可塑性樹脂の脱落はなく、作業性は極めて良好であった。
さらにこの移動体用アンダーカバーは、移動中大きな形状変形は見られず十分な剛性を有しており、ISO 10534−1に従い、厚み4mm、2000Hzにおける吸音率を測定した結果0.5であった。
ウェブの加熱温度および、成形用基材の加熱温度が220℃であること以外は、実施例1と同様の方法で移動体用アンダーカバーを得た。得られた移動体用アンダーカバーは、重量800g、長さ500mm、幅1000mm、厚み4.0mmであり、複数のリブ11および貫通穴12が設けられていた。移動体用アンダーカバーの繊維強化樹脂層部分を、かみそり刃で厚みに垂直な面で切り落とし断面観察したところ、強化繊維の交叉位置(交点)に熱可塑性樹脂が融着された格子構造となっており、おり、交叉位置の配置点の割合は10%であった。また、上述した測定手法にて、移動体用アンダーカバーの諸特性を測定したところ、繊維強化樹脂層の密度は0.3g/cm3、空隙率は65%、平均投影面積は4×10−9m2、比弾性率指標Aは23であった。
得られたアンダーカバーを移動体に取り付ける時、強化繊維や熱可塑性樹脂の脱落はなく、作業性は極めて良好であった。
さらにこの移動体用アンダーカバーは、移動中大きな形状変形は見られず十分な剛性を有しており、ISO 10534−1に従い、厚み4mm、2000Hzにおける吸音率を測定した結果0.5であった。
本発明の移動体用アンダーカバーは、軽量性と力学特性だけでなく吸音性にも優れており、自動車、船舶、航空機、鉄道車両および自転車等のアンダーカバーに好適であり、有用である。
1.繊維強化樹脂層
2.表皮層
3.強化繊維
4.熱可塑性樹脂
5.交叉位置
6.2値化後の強化繊維部分
7.2値化後の強化繊維で囲まれた黒い部分
8.エンジンカバー
9.整流カバー
10.水よけカバー
11.リブ
12.貫通穴
2.表皮層
3.強化繊維
4.熱可塑性樹脂
5.交叉位置
6.2値化後の強化繊維部分
7.2値化後の強化繊維で囲まれた黒い部分
8.エンジンカバー
9.整流カバー
10.水よけカバー
11.リブ
12.貫通穴
Claims (16)
- 少なくとも繊維強化樹脂層と表皮層で構成されてなるアンダーカバーであって、該繊維強化樹脂層が強化繊維の交叉位置に熱可塑性樹脂が配置された格子構造を有し、該繊維強化樹脂層の密度dが0.05〜1.0g/cm3の範囲内である移動体用アンダーカバー。
- 強化繊維の交叉位置に配置された熱可塑性樹脂が融着されてなる請求項1に記載の移動体用アンダーカバー。
- 強化繊維で囲まれる平均投影面積が、1×10−11〜1×10−8m2の範囲内である請求項1または2のいずれかに記載の移動体用アンダーカバー。
- 繊維強化樹脂層の曲げ弾性率をE(MPa)とし密度をdとしたとき、下記式1で表される比弾性率指標Aが5以上である請求項1〜3のいずれかに記載の移動体用アンダーカバー。
A=E1/3/d・・・式1 - 繊維強化樹脂層の空隙率が20〜90体積%の範囲内である請求項1〜4のいずれかに記載の移動体用アンダーカバー。
- 繊維強化樹脂層の成分割合が、強化繊維が10〜60重量%の範囲内であり、熱可塑性樹脂が40〜90重量%の範囲内である請求項1〜5のいずれかに記載の移動体用アンダーカバー。
- 強化繊維の繊維長が2〜50mmの範囲内である請求項1〜6のいずれかに記載の移動体用アンダーカバー。
- 強化繊維が炭素繊維である請求項1〜7のいずれかに記載の移動体用アンダーカバー。
- 熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネートおよびスチレン系樹脂から選択された少なくとも1種である請求項1〜8のいずれかに記載の移動体用アンダーカバー。
- 表皮層が、熱可塑性樹脂、金属、布帛および紙から選択された少なくとも1種である請求項1〜9のいずれかに記載の移動体用アンダーカバー。
- さらに、繊維強化熱可塑性樹脂、繊維強化熱硬化性樹脂および金属から選択された少なくとも1種の補強層が形成されてなる請求項1〜10のいずれかに記載の移動体用アンダーカバー
- 表面に凸凹形状が形成されてなる請求項1〜11のいずれかに記載の移動体用アンダーカバー。
- 複数個の貫通穴が形成されてなる請求項1〜12のいずれかに記載の移動体用アンダーカバー。
- 繊維強化樹脂層と表皮層を含む成形用基材を、予め加熱して繊維強化樹脂層を厚み方向に膨張させた後、賦形する請求項1〜13のいずれかに記載の移動体用アンダーカバーの製造方法。
- 熱可塑性樹脂の融点t1(℃)以上、(t1+30)℃以下の温度で予め加熱する請求項14に記載の移動体用アンダーカバーの製造方法。
- 繊維強化樹脂層を厚み方向に膨張させた後、さらに補強層が挿入されている金型で賦形する請求項14または15のいずれかに記載の移動体用アンダーカバーの製造方法。
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