JP2006075739A - 負電荷酸素原子による殺菌・洗浄または浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、強力な殺菌力・洗浄力を有し、なおかつ水中で容易に安全なOに戻る負電荷酸素原子(O- )の性質を用い、液体自体もしくは該液体中に置かれた対象物を殺菌・洗浄または浄化することを目的とする。
【解決手段】 本発明の負電荷酸素原子による殺菌・洗浄または浄化装置は、カルシウムアルミネート複合酸化物または少なくともセリウムを含む複合酸化物からなる部材を加熱し負電荷酸素原子を取り出すと共に、該負電荷酸素原子発生部から負電荷酸素原子をして希ガス流または乾燥空気流で搬送して液体中に放出し、該液体自体の殺菌・浄化もしくは該液体中に置かれた対象物(例えば、半導体ウエハー)の洗浄を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、負電荷酸素原子による殺菌・洗浄または浄化装置に関するものであり、特に大気圧下において負電荷酸素原子を安定して製造し、これをキャリアガスを用いて液体中に放出し、該液体の殺菌・浄化または液体中の対象物の洗浄を行う装置に関する。
負電荷酸素原子はO- で表され、負電荷酸素原子が有する強力な酸化力を利用して酸化反応や様々な物質の酸化処理、食品の防かび処理、殺菌等への利用が期待されている。
負電荷酸素原子の製造方法としては、放電などによって発生した酸素原子に低エネルギー電子を付着させることにより、負電荷酸素原子を製造する方法が知られている。しかしながら、放電を生じさせるために高真空を必要とするとともに、エネルギー面で間題点があった。
本出願人は、高真空や放電エネルギーを必要とせずに、効率的に負電荷酸素原子を製造する製造方法および製造装置として、酸素イオン導電性を有する固体電解質を用いた負電荷酸素原子製造方法および製造装置を提案している(特許文献1)。
ところが、酸素イオン導電性を有する固体電解質を用いた装置では、負電荷酸素原子の発生効率が低いものであった。また、負電荷酸素原子を利用する場合には、いわゆる真空雰囲気を用いる方法では、利用対象が制限されていた。
一方、キャリアガスを流し、それに同伴される負電荷酸素原子によって気相中で殺菌等を行う方法があるが、キャリアガスのみの方法では一部の有害な繁殖性の微生物等を殺菌ことは可能であるものの、芽胞のように耐久性の物質で覆われた菌類(例えば、バチルス菌)の場合には十分な効果を得ることができなかった。
同じ出願人は、上記事情に鑑み「負電荷酸素原子の製造装置において、酸化カルシウム:酸化アルミニウムのモル比が12:7であるカルシウムアルミニウム複合酸化物で形成された負電荷酸素原子発生部材によって酸素室と、常圧の生成室とを区画し、負電荷酸素原子発生部材の加熱手段、負電荷酸素原子発生部材の酸素室側面に陰極を配置し、生成室側面には負電荷酸素原子発生部材から間隔を設けて陽極を配置し、陽極と陰極に直流電源を接続するとともに、負電荷酸素原子発生部から生成室の負電荷酸素原子の照射方向に対して希ガス流を形成し、負電荷酸素原子の照射方向に陽極との間で電圧を印加する加速電極を配置して加速電圧を印加したことを特徴とする負電荷酸素原子の製造装置または方法」を提案している(特願2003−164719号)。
上記提案された負電荷酸素原子の製造装置または方法の概要は、以下の通りである。
図4は、上記別途提案された負電荷酸素原子の製造装置の一実施例を説明する図である。負電荷酸素原子の製造装置は、カルシウムアルミニウム複合酸化物からなる焼成体からなる負電荷酸素原子発生部材22を有し、円筒状体の負電荷酸素原子発生部材22の内部の底面に陰極23が配置されるとともに、焼成体の加熱用の電気ヒーター、ハロゲンランプ等の加熱手段24が設けられており、隔壁25によって酸素26と負電荷酸素原子の生成室27とに分離されており、酸素室26には、酸素供給口28を通じて常圧の酸素が供給される。
一方、負電荷酸素原子の生成室27には、負電荷酸素原子発生部材22の負電荷酸素原子の発生部29の近傍には引出電極として作用する陽極10が設けられており、生成電圧E1が印加されている。また、負電荷酸素原子を照射する照射部11には、発生した負電荷酸素原子を加速する加速電極12が設けられ、加速電源E2から加速電圧が加えられる。また、加速電極の前面に試料13が載置される。
また、生成室27には、希ガス流入口14、および希ガス排出口15が設けられ、生成室27内に負電荷酸素原子発生部29から負電荷酸素原子の照射部11に向けて希ガス流16が形成される。
また、生成室27の壁面には、冷却手段17が設けられ冷媒18を循環して、生成室27の温度上昇を防止している。これによって、加熱手段24によって加えられた輻射熱、および希ガス流によって負電荷酸素原子の生成部から伝達される熱が照射部に伝えられることを防止することができる。
また、本発明の負電荷酸素原子発生部材は、カルシウムアルミニウム複合酸化物を円筒状体の焼成体とした自己支持可能な形状の部材であることを説明したが、多孔性を有する耐熱性の基体上にカルシウムアルミニウム複合酸化物の塗布層を形成したり、プラズマ溶射、スパッタリング等の原材料の酸化物の組成を変質しない成膜法によって支持体上に形成してものであっても良い。
陰極は酸素室に配置されているので、酸素雰囲気において加熱した場合に、変質を起こさない金属、導電性酸化物等の導電性物質を用いることが好ましく、白金、金等の貴金属、ニッケル、ステンレス等の材料が好ましく、とくに白金、金が好ましい。陰極の形成は、塗布する方法、真空成膜法によって形成する方法等によって行うことができる。
また、焼成体の加熱は、ヒーター等の加熱手段を焼成体に接して設けたり、ハロゲンランプを配置することによって行うことができる。 また、引出電極として作用する陽極には、酸素に対して安定な金、白金等の貴金属、ニッケル等の金属、ステンレス鋼(SUS304、SUS430等)等の合金が挙げられる。なかでも、白金が好ましく、棒状体、線状体、網状体、あるいは基体上に被覆したものを用いることができる。焼成体の発生部と陽極との電極間距離は、低電圧での負電荷酸素原子を発生させるために、10mm以下とすることが好ましい。絶縁性部材によってμmオーダーの間隔を形成し、陽極を水平に保持することが可能であれば、この間隔が小さい方が陽極と陰極との間に形成される電界強度が大きくなるので、小さな印加電圧での動作が可能となる。
また、陰極と陽極との電位差は、1〜2000V/cm、好ましくは10〜1000V/cm、より好ましくは50〜500V/cmであることが望ましい。1V/cmよりも低い場合には、生成効率が低く、2000V/cmよりも高い場合には、焼成体あるいは電極への損傷を生じる場合がある。
また、焼成体は、200〜1000℃に加熱することが好ましく、より好ましくは500〜800℃であり、200℃よりも低い場合には発生効率が不充分であり、1000℃よりも高い場合には、周囲への熱の影響が大きくなり、その対策が必要となるので好ましくない。
また、上記負電荷酸素原子の製造装置においては、希ガス流を生成室内に形成して生成した負電荷酸素原子を照射部11へ効率的に照射することを可能としたものである。
生成室内での希ガス流は、加熱された負電荷酸素原子の発生部から熱を伝達する作用を有している。したがって、照射部11に対しては、負電荷酸素原子のみではなく、希ガス流によって熱が伝達するので希ガス流の流速は、照射部の温度上昇を考慮して行う必要があり、加熱によって変質するものについては希ガス流の流速を大きくしない方が好ましい。
また、希ガス流としては、分子量が小さいものの方が負電荷酸素原子の消失する量を少なくすることができるので好ましく、ヘリウム、キセノン等を用いることができる。特にヘリウムはキセノンに比べて入手が容易であると共に負電荷酸素原子の平均自由工程が大きく、負電荷酸素原子の消失する量を少なくすることができる。
また、希ガス流が負電荷酸素原子の発生部から照射部に対して安定して形成されるように生成室内への希ガス流の流入口の配置等を考慮することが好ましい。また、引出電極として作用する陽極と照射部に配置する加速電極との間に印加する電圧を調整することによって照射部に載置した試料に対して照射される負電荷酸素原子の速度を調整することを可能としたものである。
このように、上記負電荷酸素原子の製造装置においては、陽極に印加する電圧のみではなく、生成室内に希ガス流を形成し、更には陽極と照射部との間に加速電圧を印加し、しかもそれらを調整可能としたので、照射部の試料に対しては目的に応じたエネルギーレベルの負電荷酸素原子を与えることができる。
例えば、減圧下では変質するような物質の常圧下における殺菌を可能とし、しかも殺菌すべき菌の種類に応じて、照射する負電荷酸素原子を調整が可能となるので、芽胞を形成して耐久性が大きな菌体の場合であっても加速電圧を大きくして作用の大きな負電荷酸素原子の照射することによって殺菌が可能となる。
上記提案のものは負電荷酸素原子による気相中での殺菌・洗浄等であるが、例えば、半導体ウエハーの洗浄のように産業利用上液相中での負電荷酸素原子による殺菌・洗浄等のニーズがある。すなわち、従来半導体ウエハーの洗浄は、現在のところ洗浄用の化学物質やオゾンを水中に溶解させ、該水中に半導体ウエハーを入れることによって半導体表面を洗浄することにより該ウエハー表面の有機物や金属等の不純物を除去し、親水性表面にしている。
しかし、この方法では、洗浄用の化学物質やオゾンは水中に残存し、排水処理や労働環境面で問題があった。負荷酸素原子(以下、O- という。)は最終的に無害なOになるので、O- を用いて殺菌・洗浄を行えば上記排水処理や労働環境面で問題は生じない。また、同様にO- による液相中での殺菌・洗浄または浄化は、工業排水処理や上下水処理、ビル内貯留飲料水の殺菌、純水生成の前処理、プールや循環浴槽の殺菌、医療機器や人工透析膜、食器の殺菌等、その用途は数限りなく考えられる。
国際公開第96/178034号パンフレット
本発明は、強力な殺菌力・洗浄力を有し、なおかつ水中で容易に安全なOに戻る負電荷酸素原子(O- )の性質を用い、該負電荷酸素原子(O- )により液体自体もしくは該液体中に置かれた対象物を殺菌・洗浄または浄化することを目的とする。
本発明の殺菌・洗浄または浄化装置は、カルシウムアルミネート複合酸化物または少なくともセリウムを含む複合酸化物からなる部材を加熱して負電荷酸素原子を取り出すと共に、該負電荷酸素原子を希ガス流または乾燥空気流で搬送して液体中に放出し、該液体もしくは該液体中に置かれた対象物を殺菌・洗浄または浄化することを特徴とする。また、前記液体が水であり、前記洗浄対象物が半導体ウエハーであることを特徴とする。
さらに、前記液体中への放出により生じる気泡および溶存負電荷酸素原子が、前記被洗浄物にぶつかるように前記洗浄対象物を配置することを特徴とする。
さらに、前記液体中もしくはガス搬送チューブ内に陽極を配置して、前記負電荷酸素原子の流入を促進することを特徴とする。
またさらに、前記複合酸化物は、酸素イオン伝導体からなる基板上に薄膜形成されており、前記複合酸化物の加熱用ヒーターが上記複合酸化物からなる薄膜に近接して、または該薄膜に接して該薄膜と一体形成されることを特徴とする。
あるいは、前記複合酸化物は、ステアタイト製のセラミック・ヒーター基板上に薄膜形成されていることを特徴とする。
さらに詳細には、前記複合酸化物を薄膜形成した基体の裏面側に陰極を配置し、陰極を配置した面とは反対側には陽極を配置し、陰極側には酸素を供給し陰極と陽極との間に電圧を印加して陽極を配置した側から負電荷酸素原子を取り出すことを特徴とする。
また、前記負電荷酸素原子発生部材の設けられた酸素室と、常圧の生成室とを区画し、負電荷酸素原子発生部材の酸素室側面に陰極を配置し、生成室側面には負電荷酸素原子発生部材から間隔を設けて陽極を配置し、該陽極と陰極に直流電源を接続するとともに、上記負電荷酸素原子発生部から生成室の負電荷酸素原子の搬送方向に対して希ガス流または乾燥空気流を形成したことを特徴とする。
本発明の負電荷酸素原子による殺菌・洗浄または浄化装置は、強力な殺菌力・洗浄力を有し、なおかつ水中で容易に安全なOに戻る負電荷酸素原子(O- )の性質を用い、負電荷酸素原子(O- )を用いて液体自体もしくは該液体中に置かれた対象物を殺菌・洗浄または浄化することにより、従来の殺菌や洗浄用の化学物質やオゾンと異なり、水中に残存する有害物質がないので、排水処理や労働環境面での問題が生じない。
しかも、負電荷酸素原子(O- )は、強力な殺菌力・洗浄力を有しているので、その殺菌力や洗浄力(有害物質の分解力)は、従来の殺菌剤や洗浄剤と同等か、むしろそれ以上の効果を奏する。
本発明の負電荷酸素原子(O- )発生装置は、本出願人の提案した「活性酸素種を包接する12CaO・7Al2 3 (以下、カルシウムアルミネート複合酸化物またはC12A7という。)、あるいは少なくともセリウムを含む複合酸化物からなる部材(CeO2 単体、あるいはCeO2 とCaO、CeO2 とCaO、Al2 3 を混合して焼成してなる合成物。以下、セリウム複合酸化物という。)を加熱することにより、また好適には該複合酸化物(焼結体)の両面に電極を配置して加熱した状態で電圧を印加し、一方の面から酸素を取り込み他方から負電荷酸素原子を生成させるとともに、負電荷酸素原子の発生部を常圧として、発生部から負電荷酸素原子が搬送される方向へ希ガス流または乾燥空気流を形成するもの」を用いる。なお、上記負電荷酸素原子(O- )発生装置は、従来提案の図4と同様の構成のものを用いる。
図5は、同じ出願人の提案した自己加熱型(ヒーター一体型)負電荷酸素発生装置の基本構造を示す。本発明においては、図4の負電荷酸素発生部材22としてこの自己加熱型(ヒーター一体型)負電荷酸素発生装置を用いる方が好ましい。図5において、32,34はジルコニア又はイットリア安定ジルコニア等の丈夫な固体電解質(以下、YSZという。)の基体であって、31は該基体上に形成された薄膜の「C12A7」または「酸素ラジカルを含有する、少なくともセリウムを含む複合酸化物焼成体(セリウム複合酸化物)」である。35はポーラス電極であり、図4における陰極23に相当する。33はヒーターである。
図5に示される如く、上記C12A7またはセリウム複合酸化物は薄膜であってその厚みは5〜1000μmであり、その裏面と表面間の温度差は殆ど生じない。従って、上記複合酸化物内での温度勾配が生じないので、裏面から加熱されても表面からのO- への放出の効率に支障を与えることはない。
また、基体の裏面側から加熱する従来の構造に比べ、ヒーター33がYSZ32,34内に内蔵されているので、C12A7またはセリウム複合酸化物への加熱効率がよく、電力使用量も小さく済み、また外部ヒーターも不要であって、装置の小型化が図れる。
また、裏面側(35側)の温度はヒーター33との間にYSZ34が介在するので、その表面温度が低くなり、裏面側にヒーターを設けた従来のものに比較し、裏面側での酸素の吸入が十分に行われる。図6は、この発明のヒーター一体型負電荷酸素発生装置の他の基本構造を示し、図6と図5の違いはヒーター41が薄膜形成されたC12A7またはセリウム複合酸化物42の外側に形成されている点である。なお、この場合、負電荷酸素(O- )の放出を妨げないようヒーター41は網目構造のものが用いられる。
図6において42は基体上に形成された薄膜のC12A7またはセリウム複合酸化物であり、43はYSZの基体であり、44はポーラス電極である。図5の場合と同様に、裏面側(44側)の温度はヒーター41との間にYSZ43が介在するので、その表面温度が低くなり、裏面側にヒーターを設けた従来のものに比較し、裏面側での酸素の吸入が十分に行われる。
図7は、本発明のヒーター一体型負電荷酸素発生装置の他の基本構造を示し、基本構造は図5と同じであり、図5,図6の外部電界無しに用いられる場合を示している。
図5と図7の違いは、図5が電界で強制的にO- を引き出しているのに対して、図7のものは複合酸化物の表面から熱脱離によってO- を生成している点である。前者は、前記半導体製造装置等の用途に用いられ、後者は殺菌、脱臭等の目的の用途に適した構造である。図7のものを液中に設置することでO-が液中に残存し、液の殺菌・浄化が行われる。この実施例は、電界を掛けられない場所に用いる場合に適する。なお、上記加熱を容易にするため、液循環型にする方がよい。
図7の場合は、複合酸化物の表面上のO- を利用していることになる。また、上記図5,図7の構成でハニカム構造を用いて行うことが好適である。なお、図6の構造も同様に電界無しで用いることができる。
また、上記実施例においては、O- 発生器はC12A7のものに限らず、同じ出願人が別途提案している「少なくともセリウムを含む複合酸化物」を用いたものでもよい(特願2004−160374号)。
上記「少なくともセリウムを含む複合酸化物」を用いた酸素ラジカル発生装置は、酸素ラジカルを含有する、少なくともセリウムを含む複合酸化物焼成体を加熱し、酸素ラジカルを取り出すものである。さらに、前記複合酸化物焼成体が、セリウム単体からなること、また前記複合酸化物焼成体のペレットが、CeO2 を1200〜1500℃、常圧He中に酸素2〜5%混入ガスフロー下で5〜7時間焼成して製造されることを特徴とする。
あるいは、前記複合酸化物焼成体が、セリウム、アルミニウムからなること、また前記複合酸化物焼成体のペレットが、CeO2 :AL2 3 =1:5(モル比)の組成で1200〜1500℃、常圧He中に酸素2〜5%混入ガスフロー下で5〜7時間焼成して製造されることを特徴とする。
あるいは、前記複合酸化物焼成体が、セリウム、カルシウム、アルミニウムからなること、また前記複合酸化物焼成体のペレットが、CeO2 :AL2 3 :CaO=2.1:4.9:12(モル比)の混合組成で、1200〜1500℃、常圧He中に酸素2〜5%混入ガスフロー下で5〜7時間焼成して製造されることを特徴とする。
さらにまた、前記複合酸化物焼成体は、酸素イオン伝導体基板上に薄膜形成されていること、また前記酸素イオン伝導体が、ジルコニア板又はイットリア安定化ジルコニアであることを特徴とする。
この少なくともセリウムを含む複合酸化物を用いたものは、従来のC12A7からなる材料がO- (負電荷酸素原子)を発生させるために700℃以上の高温を必要としたのに対して、400〜600℃という低い温度でO- (負電荷酸素原子)を発生させることを可能にした点が最大の効果である。
なお、上記実施例における自己加熱型器とは、同じ出願人が別途提案している以下の如きものである(特願2003−412661号、特願2004−160374号参照)。ただし、上記本発明の実施例は、自己加熱型の負電荷酸素原子発生装置によるO- 発生装置を推奨しているが、別途提案されているタンマン管型等の他のO-発生装置でもよい。
上記出願人の提案のいずれかの負電荷酸素原子(O- )発生装置によって発生されたO- は、以下に図面を参照して説明するようにして液相中に用いられる。
図1は、本発明の液相中で用いる負電荷酸素原子(O- )の殺菌・洗浄または浄化装置の実施例を示す。
図において、1はO- 発生部であり、該O- 発生部で発生されたO- は搬送チューブ3を介して水槽2に送られる。水槽2内で放出されたO- はバブリングにより無数の泡となって液中に溶け込んでいく。O- は短時間に水等と反応し、Oの還元される。しかし、極わずかではあるが水中にもO- は残存し、該水中のO- 、また上記気泡内のO- と接する液面においてO- と接することにより水中の雑菌や有害物質が殺菌もしくは無害物質化される。
(実施例1)
- 発生器として、自己加熱型C12A7(50mm*100mm)2枚を用意し、対向するように発生器内に設定し、加熱器表面温度が650℃になるようスライダックで電圧を調整する。さらに溶液系殺菌用に設定した装置(図1の2)2L水槽に調整液(蒸留水溶液中に大腸菌を10個/L)を添加しO- 反応場とする。O- 発生器1から反応場への搬送は、ステンレス製フレキシブルtube(60Φ、800mmL)およびtube内に設定に設定された電極(図1の4)を用いることで搬送が可能となる。なお、該電極はO- 発生器1からO- を吸引する目的で上記チューブの出口付近に設けられる。該電極は上記チューブとは電気的に絶縁された円筒状メッシュである。
Heガスを流量調整器で2L/min(Arでも可)になるよう制御し、tube内電極に+2000Vを印加し、電流計にて100μA流れることを確認する。水槽下部に設けられたスパージャーからガスに同伴されたO- を水中に1時間吹き込み、反応後の大腸菌数を計測した。結果を表1に示す。表1に示すように、大腸菌は殆ど死滅した。なお、実験終了後の液温度は開始前と変化はなかった。
(表1)
菌数 殺菌率
反応前 10
反応後 10個以下 99.999%
(実施例2)
- 発生器として、自己加熱型C12A7(50mm*100mm)2枚を用意し、対向するように発生器内に設定し、加熱器表面温度が650℃になるようスライダックで電圧を調整する。さらに溶液系有機物除去用に設定した装置(図1の2)の2L水槽に調整液(蒸留水1L中にホルマリンを3mg混入)を添加しO- 反応場とする。O- 発生器から反応場への搬送は、ステンレス製フレキシブルtube(60Φ、800mmL)およびtube内に設定に設定された電極(図1の4)を用いることで搬送が可能となる。
Heガスを流量調整器で2L/min(Arでも可)になるよう制御し、tube内電極に+2000Vを印加し、電流計にて100μA流れることを確認する。水槽下部に設けられたスパージャーからガスに同伴されたO- を水中に2時間吹き込み、反応後のホルマリン濃度を計測した。結果を表2に示す。表2に示すように、液中のホルマリンは殆ど分解された。なお、実験終了後の液温度は開始前と変化はなかった。
(表2)
濃度ppm
反応前 0.1
反応後 測定濃度以下(1ppb以下)
図2,図3は、本発明の負電荷酸素原子による殺菌・洗浄または浄化装置を半導体ウエハーの洗浄に用いる場合の例を示す。
図2において、O- 発生部1で発生されたO- は搬送チューブ3を介して水槽2に送られる。水槽2内で放出されたO- はバブリングにより無数の泡となって液中に溶け込んでいく。O- を含む水がチューブ7を介して洗浄層5に送られる。洗浄層5内には半導体ウエハーが置かれていて、該ウエハーの表面が上記水に含まれるO- により洗浄される。洗浄層に発生したOは回収槽6において回収され、リサイクルされる。
図3は、さらに図2の他の実施例を示す。図3においては、O- 発生部1で発生されたO- は搬送チューブ3を介して洗浄槽9に直接送られる。洗浄層の中には半導体ウエハー8が設置されており、該半導体ウエハー8の下方から前記O-を含む気泡がバブリングにより無数の泡となって該半導体ウエハーに接触しながら上昇する。この場合、ウエハーの表面が上記水に含まれるO-により洗浄されると共に、上記気泡内に存在するO-が直接ウエハーに接触することによりウエハー表面の洗浄が促進される。O- は水中では容易にOに還元されてしまうので気泡中の方がO- が多く存在し、上記構成はウエハー洗浄効果が図2のものより大きい。
このように、本発明の液相中の負電荷酸素原子による殺菌・洗浄または浄化装置は、負荷酸素原子(O- )は最終的に無害なOになるので、O- を用いて殺菌・洗浄を行えば排水処理や労働環境面で問題は生じない。
また、同様にO- による液相中での殺菌・洗浄または浄化は、工業排水処理や上下水処理、ビル内貯留飲料水の殺菌、純水生成の前処理、プールや循環浴槽の殺菌、医療機器や人工透析膜、食器の殺菌等、その用途は数限りなく考えられる。
本発明の液相中の負電荷酸素原子による殺菌・洗浄または浄化装置を説明する図である。 本発明の液相中の負電荷酸素原子による殺菌・洗浄または浄化装置を半導体ウエハーの洗浄に用いる場合の説明図である。 本発明の液相中の負電荷酸素原子による殺菌・洗浄または浄化装置を半導体ウエハーの洗浄に用いる場合の他の実施例の説明図である。 従来提案の気相中での殺菌・洗浄装置の例を示す図である。 従来提案の自己加熱型負電荷酸素発生装置の構造を示す図である。 従来の他の自己加熱型負電荷酸素発生装置の構造を示す図である。 従来のさらに他の自己加熱型負電荷酸素発生装置の構造を示す図である。
符号の説明
1 O- 発生部
2 水槽
3 O- 搬送チューブ
4 電極
5 洗浄槽
6 回収槽
7 チューブ
8 半導体ウエハー
9 洗浄槽
11 照射部
12 加速電極
13 試料
14 希ガス流入口
15 希ガス排出口
16 希ガス流
17 冷却手段
18 冷媒
22 負電荷酸素原子発生部材
23 陰極
24 加熱手段
25 隔壁
26 酸素室
27 生成室
28 酸素供給口
29 発生部

Claims (8)

  1. カルシウムアルミネート複合酸化物または少なくともセリウムを含む複合酸化物からなる部材を加熱して負電荷酸素原子を取り出すと共に、該負電荷酸素原子を希ガス流または乾燥空気流で搬送して液体中に放出し、該液体もしくは該液体中に置かれた対象物を殺菌・洗浄または浄化することを特徴とする殺菌・洗浄または浄化装置。
  2. 前記液体が水であり、前記洗浄対象物が半導体ウエハーであることを特徴とする前記請求項1記載の洗浄装置。
  3. 前記液体中への放出により生じる気泡および溶存負電荷酸素原子が、前記被洗浄物にぶつかるように前記洗浄対象物を配置することを特徴とする前記請求項1または2記載の洗浄装置。
  4. 前記液体中もしくはガス搬送チューブ内に陽極を配置して、前記負電荷酸素原子の流入を促進することを特徴とする前記請求項1記載の殺菌・洗浄または浄化装置。
  5. 前記複合酸化物は、酸素イオン伝導体からなる基板上に薄膜形成されており、前記複合酸化物の加熱用ヒータが上記複合酸化物からなる薄膜に近接して、または該薄膜に接して該薄膜と一体形成されることを特徴とする前記請求項1記載の殺菌・洗浄または浄化装置。
  6. 前記複合酸化物は、ステアタイト製のセラミック・ヒーター基板上に薄膜形成されていることを特徴とする前記請求項1記載の殺菌・洗浄または浄化装置。
  7. 前記複合酸化物を薄膜形成した基体の裏面側に陰極を配置し、陰極を配置した面とは反対側には陽極を配置し、陰極側には酸素を供給し陰極と陽極との間に電圧を印加して陽極を配置した側から負電荷酸素原子を取り出すことを特徴とする前記請求項1記載の殺菌・洗浄または浄化装置。
  8. 前記負電荷酸素原子発生部材の設けられた酸素室と、常圧の生成室とを区画し、負電荷酸素原子発生部材の酸素室側面に陰極を配置し、生成室側面には負電荷酸素原子発生部材から間隔を設けて陽極を配置し、該陽極と陰極に直流電源を接続するとともに、上記負電荷酸素原子発生部から生成室の負電荷酸素原子の搬送方向に対して希ガス流または乾燥空気流を形成したことを特徴とする前記前記請求項1記載の殺菌・洗浄または浄化装置。
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