JP2006074021A - 電磁波発生装置、及びその製造方法 - Google Patents

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信一 瀧川
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Abstract

【課題】 規模が小さく、かつ、高出力のテラヘルツ波を発生する電磁波発生装置を提供する。
【解決手段】 高抵抗シリコン基板1と、高抵抗シリコン基板1の一方の面の上に設けられた、光電面4を有する負電極3と、高抵抗シリコン基板1の上記一方の面の上に設けられた正電極2と、正電極2の電位が負電極3の電位より高くなるように、負電極3と正電極2との間に電圧を印加する電源5と、時間変調させた光を照射する光照射部とを備え、光電面4は、光が照射された場合に電子を放出し、かつ、光照射部からの光が照射されるとともに、放出する電子が正電極2に到達する位置に設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、テラヘルツ(THz)波の発生に係る技術に関する。
周波数がテラヘルツ領域(一般に0.1THz〜10THz)である電磁波は、光と電波の境界領域に属し、電波のもつ透過性と光のもつ直進性とを有する。また、この領域の電磁波(以下、「テラヘルツ波」という。)は、物質に固有の吸収スペクトルを多数有する。それゆえ、テラヘルツ波は、例えば、封筒中の郵便物検査、食品検査、所持物検査、薬物分析、皮膚がん検査、半導体不純物量検査、複素誘電率評価などの医学応用、環境計測、工学応用など多数の産業分野での使用が期待されており、近年、その研究開発が活発に行われている。
テラヘルツ波の発生方法として、広く用いられている方法は、光伝導素子を用いる方法である。その従来例を図18(非特許文献1参照)を用いて説明する。半絶縁性GaAs基板91上に分子線エピタキシャル成長法を用いて、低温成長GaAs層92が形成されている。GaAs層92は、低温で形成されると、移動度が比較的大きいまま、ピコ秒(10-12sec)以下のキャリア寿命を持つことが知られており、THz用高速光導電膜として有用である。GaAs層92の表面には、正電極2と負電極3とが形成されている。正電極2及び負電極3は、テラヘルツ波が放射しやすいダイポールアンテナを形成している。正電極2及び負電極3は「T」字型の形状をしており、電極間の最狭部(ギャップ)の間隔は5μmである。正電極2と負電極3との間には約30Vの電圧が電源5により印加されている。このギャップのGaAs層92に、レーザ出射口7から間隔がフェムト秒で短いパルス光8(約80fsec,波長約780nm,Arレーザ励起モードロックTi:サファイアレーザ使用)を照射すると、光導電膜(低温成長GaAs層92)で発生した電子は、ピコ秒オーダの単パルス電流になって電極間を流れ、ダイポールアンテナからTHz波10が、基板91の方向に放射する。この放射光のスペクトルは直流〜数THzであり、THzまで広い帯域の電磁波が得られる。
出力を向上させるためには、正電極2と負電極3との間のバイアス電圧が高い方が望ましいことはいうまでもない。
しかしながら、特許文献1で述べられているように、正電極2と負電極3との間に高い電圧を長時間印加すると、熱的に励起したキャリアによって電極間を流れる電流が増大し、テラヘルツ波の発生効率が低下するという問題がある。このため、特許文献1では強制冷却を行うことで、温度上昇を抑え、熱的な励起を抑制している。
また、光電面にパルス状の光を当てて電子パルス波を放出させ、その電子パルス波を用いてTHz波を放出させる方法が特許文献2に記載されている。この方法は、電子パルス波を加速してチェレンコフ放射により電磁波を放出させる。この方法を用いる場合、電子を光速近くまで加速するための距離が必要であり、実用的でコンパクトなTHz波発生源を実現することは困難である。
特開2004−22766号公報 特開平4−296430号公報 M. Tani et.al., "Emission characteristics of photoconductive antennas based on low-temperature-grown GaAs and semi-insulating GaAs", Applied Optics, vol.36, No.30, 7853〜7859 (1997)
しかし、上記特許文献1に示す方法は、環境温度や使用方法によっては必ずしも有効な手段ではない。更に、冷却器が必要となるため装置が大きくなる。また、短時間の使用においても、電極間に印加される電圧が大きくなると、GaAs層92の表面準位をホッピングして伝導するリーク電流が発生する。このリーク電流はTHz波発生の効率を低下させる。
本発明は、上記課題を考慮し、規模が小さく、かつ、高出力のテラヘルツ波を発生する電磁波発生装置、及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明の電磁波発生装置は、光電子放出電極と、対向電極とを備え、前記光電子放出電極に時間変調させた光又は波長変調させた光を照射することにより電子を発生させ、発生した前記電子を前記対向電極に向けて走行させることにより電磁波を発生させる電磁波発生装置であって、前記電子の走行部分が真空である。
また、本発明の電磁波発生装置は、基板と、前記基板の一方の面の上に設けられた、光電子放出部を有する第1電極と、前記基板の前記一方の面の上に設けられた第2電極と、前記第2電極の電位が前記第1電極の電位より高くなるように、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加する電圧印加部と、時間変調させた光又は波長変調させた光を照射する光照射部とを備え、前記光電子放出部が、光が照射された場合に電子を放出し、かつ、前記光照射部からの光が入射可能な位置に設けられており、かつ、放出された電子が前記第2電極に到達する位置に設けられている。
本発明の電磁波発生装置は真空中で使用され、光電子放出部を有する第1電極に負電圧、第2電極に正電圧が印加される。光電子放出部に、時間変調させた光(短パルス光)又は波長変調させた光が照射されると電子が放出され、電子は真空中を第2電極(正電極)に向かい、電子が正電極に達するまで、誘導電流が電極間に流れる。真空では耐圧が高い。すなわち、高電圧を印加することができる。
また、前記光電子放出部は、平面部(光電面)を有し、前記第2電極の形状は板状であり、前記平面部と前記第2電極の前記平面部に対する面とは平行ではないことが望ましい。一般に光電面とその電子を受ける電極面は平行である。その間隔が充分広い場合には、光を光電面に導くことができるが、狭い場合は困難である。このため、光電面が傾いていることにより入射光を光電面に導くことが可能になる(負電極(第1電極)に形成された光電面が正電極(第2電極)に対して傾いていることによって、光照射方向と電子出射方向とを異ならせることができ、光の照射を容易にする)。
更には、前記平面部と前記第2電極の前記平面部に対する対向面(電子入射面)とが形成する角をθ、前記平面部と前記第2電極との最短距離をL、前記平面部の前記第1電極から前記第2電極へ向かう方向の長さをDとした場合、下記数1が満たされることが望ましい。
Figure 2006074021
数1の式の関係を満たせば光電面から出射される電子の走行距離の最小値Lと最大値(L+Dsinθ)との差は最小値Lの10%以内となり、走行距離の差によるパルス幅の広がりを無視できる範囲に抑制することができる。すなわち、放射電磁波のスペクトル純度を向上させることができる。
また、前記基板の前記一方の面の前記第1電極と前記第2電極との間には凹部が形成されていることが望ましい。この凹部により電極間を真空分離することができる。この凹部がないと電子は基板の表面準位を伝導する。つまり、凹部は高電圧時のリーク電流を低減することができる。
また、前記凹部の少なくとも一部の対向する部位相互の距離(例えば凹部の幅)は、50μm以上150μm以下であることが望ましい。これにより基板表面の凹部で、テラヘルツ波(1〜3THz)が共振し、よりスペクトル純度の高いテラヘルツ波を放出することが可能になる。このテラヘルツ波の波長は100〜300μmであるため、前記凹部の少なくとも一部の対向する部位相互の距離がその半波長(50〜150μm)である場合、上記テラヘルツ波は共振する。この共振により、放射テラヘルツ波のスペクトル純度を向上させることが可能になる。
また、前記光電子放出部は、カーボンナノチューブが用いられて形成されていることが望ましい。カーボンナノチューブは先端が極めて細いため電界が集中しやすい。この結果、フォトンエネルギーで生じた電子は容易に放出することが可能になり、大電流を電極間(アンテナ)に流すことができ、高出力なテラヘルツ波を発生する電磁波発生装置を実現することができる。
この場合、前記カーボンナノチューブが電子を放出する直前のバイアス電圧を印加するように、前記電圧印加部が印加する電圧を制御することが望ましい。これにより、実効的な仕事関数が小さくなり、エネルギーの小さい光でも光電子放出が可能になり、光源選択の自由度を上げることができる。
また、前記光電子放出部は、Al1-x-yInxGayN(0≦x≦1、0≦y≦1)が用いられて形成されていることが望ましい。AlGaN及びAlNは電子親和力が負に近いことが知られている(R.J.Nemanich, P.K.Baumann, M.C. Benjamin, O.-H.Nam, A. T. Sower, B. L. Ward, H Ade and R.F. Davis, Appl. Surf. Sci. 130, 694〜703 (1998)参照)。更に他のIII族原子であるInを含ませることにより、格子定数を調整することができ、歪のない光電子面を形成することができる。
この場合、前記Al1-x-yInxGayNが電子を放出する直前のバイアス電圧を印加するように、前記電圧印加部が印加する電圧を制御することが望ましい。これにより、実効的な仕事関数が小さくなり、エネルギーの小さい光でも光電子放出が可能になり、光源選択の自由度を上げることができる。
また、前記光電子放出部から放出された電子が前記第2電極に到達するまでの時間が0.01ピコ秒以上10ピコ秒以下となるように、前記電圧印加部が印加する電圧と、前記第1電極と前記第2電極との距離が決定されることが望ましい。
特許文献2からわかるように、電極間の距離をd、電極間の電圧をV、電子の電荷をe、電子の質量をmとし、簡単のため、負電極(第1電極)から電子は、初速度0で放出されるとし、一様な電界が正/負電極間にあるとすると、電子が正電極に達したときの速度vd、及び、電子が正電極に達するまでの時間τは、下記数2及び数3の式で表現される。
Figure 2006074021
Figure 2006074021
上記数2及び数3の式から、下記数4の式に示すように、前記光電子放出部から放出された電子が前記第2電極に到達するまでの時間τが導かれる。
Figure 2006074021
電子が電極間を走行している間、電極を含む回路には誘導電流が流れる。この結果、τが上記範囲(0.01ピコ秒以上10ピコ秒以下)に入っていると誘導電流もその期間だけ流れることになり、THzパルス光を取り出すことができる。
更に、前記光照射部は、1ピコ秒以下のパルス幅を有するパルス光を、又は差周波数が0.1THz以上10THz以下である二つの光を、照射することが望ましい。1ピコ秒以下のパルス光で電極間を導通状態にした構造では、THz成分を有する電磁波を放射することができる。また、差周波がTHz領域の光で電極間を導通状態にした構造においては、その差周波に相当するTHz波を放射することができる。放射されるTHz周波数は、差周波をどの程度にチューニングするかにより調整できる。
更には、前記基板の前記一方の面の上に、前記光照射部からの光を前記光電子放出部に導くミラーが設けられていることが好ましい。これにより、入射光を光電子放出部に導くことができ、入射光の配置の自由度を向上させることができる。
更に、前記第1電極及び前記第2電極は、電磁波共振器に接続されていることが望ましい。電磁波共振器は、例えば0.1THz以上10THz以下のテラヘルツ波を共振させる共振器である。この構造では、電極から発生したTHz波が電磁波共振器によって増強され、高出力なTHz波を得ることが可能になる。
また、前記基板は、シリコンが用いられて形成されており、前記基板の前記一方の面の裏側の面には、電磁波集光素子が形成されていることが望ましい。シリコン基板は、熱伝導率が高く、一方、THz帯ではほとんど透明であることからTHz用集積素子としては最適である。また、シリコンは屈折率が高いので、電極で発生した電磁波は基板方向に向かう。このためレンズ構造も一体にでき、実装を容易にできる。
また、前記電磁波集光素子は、階段状のレンズであり、前記レンズの階段幅は15μm以上40μm以下であるであることが望ましい。階段ステップは波長より短くとるが、THz領域では波長が長く、容易に階段状レンズを作製できる。THz波の波長は100〜300μmなので、Si中(屈折率約3.5)では30〜80μmとなる。従ってレンズの階段幅がその半分である15〜40μmであればTHz波は平均的な形状を感じ、球形レンズと同様の集光効果が生じる。球状レンズに比べて一般的な半導体工程でレンズを作製することができる。
また、基板の一方の面に凹部を形成する第1ステップと、前記凹部に前記凹部を保護する保護部材を充填する第2ステップと、前記保護部材が充填された前記凹部の上に端部が位置するように、前記基板の前記一方の面の上に第1電極と第2電極とを間隔を設けて形成する第3ステップと、前記第1電極の前記第2電極との対向部を、傾斜が形成されるように削る第4ステップと、前記第4ステップを行った後に、前記第1電極の削られた面に光電子放出部を形成する第5ステップと、前記第4ステップ又は前記第5ステップを行った後に、前記保護部材を除去する第6ステップとを含む電磁波発生装置の製造方法を用いて電磁波発生装置を製造する。ここで、前記保護部材は多結晶GaAsであることが好ましい。
また、基板の一方の面に段差を有するSiC層を形成する第1ステップと、前記段差の段が高い方の部位を除く前記基板を窒化アルミニウム部材で覆う第2ステップと、前記第2ステップを行った後に、前記基板全体を前記SiC層からSi成分が除去される温度で加熱し、前記段差の段が高い方の部位にカーボンナノチューブにより形成された光電子放出部を形成する第3ステップと、前記光電子放出部を多結晶GaAsで覆う第4ステップと、前記基板の前記一方の面に、前記光電子放出部と接続する第1電極を形成する第5ステップと、前記基板の前記一方の面に、端部が前記光電子放出部の上方に位置する第2電極を形成する第6ステップと、前記第6ステップを行った後に、前記多結晶GaAsを除去する第7ステップとを含む電磁波発生装置の製造方法を用いて電磁波発生装置を製造する。窒化アルミニウムの融点は2000℃以上あり、カーボンナノチューブの製造工程(1600℃程度)において劣化することはない。
更に、基板の一方の面に光電子放出部を形成するためにAl1-x-yInxGayN(0≦x≦1、0≦y≦1)の層を形成する第1ステップと、前記層の一部に多結晶GaAsを積層する第2ステップと、前記基板の前記一方の面に、前記層と接続する第1電極を形成する第3ステップと、前記基板の前記一方の面に、端部が前記多結晶GaAsの上に位置する第2電極を形成する第4ステップと、前記第4ステップを行った後に、前記多結晶GaAsを除去する第5ステップとを含む電磁波発生装置の製造方法を用いて電磁波発生装置を製造する。
製造工程において、二つの電極間にGaAsが埋められていることが望ましい。GaAsは硫酸系エッチングでエッチングでき、シリコンや金属はエッチング速度が遅いため、電極間の空洞を形成することが可能になる。
本発明は、規模が小さく、かつ、高出力のテラヘルツ波を発生する電磁波発生装置、及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
先ず、第1の実施の形態のテラヘルツ波発振器を、図1から図6を用いて説明する。テラヘルツ波発振器は、本発明の電磁波発生装置の一例である。
図1は第1の実施の形態におけるテラヘルツ波発振器の斜視図である。その中心線(A−A’)における断面を図2に示す。
高抵抗シリコン基板1上に正電極2及び負電極3が形成されている。正電極2及び負電極3は、ともに金が用いられて形成されており、平板状であり、厚みは0.2μmである。正電極2及び負電極3はフォトリソグラフィによりT字型に形成されており、「T」の縦棒に相当する部分の長さは150μmであり、同横棒に相当する部分の長さは2mmである。正電極2と負電極3との間には2μm間隔dのギャップがある。正電極2及び負電極3により所謂ダイポールアンテナが形成されている。正電極2と負電極3との間には電源5により100Vの直流電圧Vが印加される。
負電極3の「T」の縦棒の先端部分は、斜め45度にカットされている。その表面には、Sb・K・Na・Csが用いられて、S−20光電面4(コロナ社 濱田成徳、和田正信 「電子管工学」第156〜158ページ参照)が、100nm厚で形成されている。光電面4は、光が照射された場合に電子を放出する。光電面4に焦点が合うように、波長780nmのArレーザモードロックTi:サファイアフェムト秒レーザの出射口7が設置されている(フェムト秒レーザ自体は図示していない。レーザからの光がファイバを通じて出射口7まで導入されている)。上記ギャップの下部を含む上記ギャップ近傍の基板1には凹部6が形成されている。凹部6は電磁波共振器の一例である。凹部6を中心にして、シリコン基板1の裏面にはレンズ12が形成されている(図2参照、レンズ半径は200μmである。)。シリコンレンズ12は、断面が階段状になるような構造をしているがその階段幅は約15〜40μmであり、THz波の波長(100〜300μm)に比べれば十分狭い。このため、レンズ12は平均的には半球状のレンズとみなしても問題ない。また、テラヘルツ波発信器のレーザ以外は、10-4パスカル以下の真空状態に保持される。
なお、正電極2と負電極3との間の距離(ギャップd)と、電源5が印加する電圧との一方又は双方は、光電面4から放出された電子が正電極2に到達するまでの時間が0.01ピコ秒以上10ピコ秒以下となるように決定される。
また、図3に示すように、光電面4と正電極2の電子入射面とが形成する角をθ、正電極2と負電極3との最短距離をL、光電面4の電極間方向の長さをDとしたとき、下記数1を満たすことが望ましい。
Figure 2006074021
数1が満たされれば、光電面4から出射される電子の走行距離の最小値Lと最大値(L+Dsinθ)との差は最小値Lの10%以内となり、走行距離の差によるパルス幅の広がりを無視できる範囲に抑制することができる。すなわち、テラヘルツ波のスペクトル純度を向上させることができる。
以下にテラヘルツ波発振器の基本的な動作を示す。
フェムト秒レーザから出射されたパルス光8(パルス幅80fsec)は、光電面4に照射され、光電子を発生させる。光電子は、正電極2からの電界により、電子パルスとなり正電極2に向かう。この間、アンテナ(電極間)に誘導電流が流れる。基板1には凹部6が設けられているので電子パルスが基板1の影響を受けることはない。電子パルスが正電極2に到達すると、アンテナを流れる電流が停止する。電子パルスが発生してから消滅するまでの時間が0.01ピコ秒以上10ピコ秒以下であれば、THz領域の電流がアンテナに流れる。アンテナはTHz波が放射する形状であるため、テラヘルツ波11が高抵抗シリコン基板1の内部で発生する。基板1を形成しているシリコンの屈折率は空気より大きいため、発生したTHz波は基板1の裏面方向へ向かう。基板1の裏面にはシリコンレンズ12が存在するのでTHz波は収束され、外部光10として取り出される。
この状態で、パルス光8を光電面4に照射した後、アンテナ(電極間)に電流が流れる時間を測定した。その結果、電流は0.8psec流れた。これは、約1.3THzの成分のテラヘルツ波が発生したことを示す。この理由を検討した。
電源5が印加する電圧V=100V,正電極2と負電極3とのギャップd=2μmであるから、下記数4の式より電極間を電流が流れる時間をτとすると、τ=0.67psecになる。
Figure 2006074021
一方、図4に示すように、光電面4は、負電極3(厚みt=0.2μm)の45゜にカットされた面に形成されている(すなわち、光電面4の電極間方向の長さDは、D=0.2/sin(45°)=0.28μm)ため、光電子の走行距離はd=2〜2+0.2=2〜2.2μmである。この走行距離差によってアンテナを電流が流れる時間は、数4より、最大0.74psecであり、実測値とほぼ一致する。
なお、凹部6の幅や長さなどの、凹部6の少なくとも一部の対向する部位相互の距離を、THz波が共振する大きさとする。例えば1.5THz波を得る場合、そのTHz波の波長は200μmであるので、例えば凹部6の幅を半波長100μmとする。これにより、より強く(より高出力の)、また、スペクトル半値の小さい(スペクトル純度がより高い)THz光を得ることができる。
また、パルス光8のパルス幅は、80fsecに限るものではない。1ピコ秒以下であればよい。
次に、第1の実施の形態のテラヘルツ波発振器の製造方法を図5及び図6を用いて説明する。
まず、Si基板1上にフォトリソグラフィで開口のあるフォトレジスト40を形成し、CF4を用いた反応性プラズマエッチングを用いて、凹部6を形成する(図5(a))。その表面にスパッタ法により多結晶GaAs41を堆積させた後、フォトレジスト40を剥離し、凹部6を多結晶GaAs41で満たす(図5(b))。次にフォトリソグラフィと電子ビーム蒸着装置とを用い、金を用いて正電極2と負電極3とを形成する(図5(c))。その際、正電極2と負電極3との間隔dが2μmとなるように正電極2と負電極3とを形成する。なお、正電極2及び負電極3を基板1の表面で「T」字型に形成することは言うまでもない。
次に集束イオンビーム装置(ガリウム(Ga)イオンビーム42)を用いて、負電極3の先端を斜めに削る。この時、多結晶GaAs41は、Gaイオンビーム42により一部削り取られるが、Gaイオンビーム42によって凹部6が傷つけられないように凹部6を保護する(図5(d))。次にフォトリソグラフィによりフォトレジスト43を形成した後、Sb・K・Na・Csを用いてスパッタ法により光電面4を形成する(図5(e))。なお、Sb・K・Na・Csはフォトレジスト43上にも堆積されるが、図5(e)では図示していない。その後にフォトレジスト43を剥離し、多結晶GaAs41を硫酸系ウエットエッチングで除去する(図5(f))。
次に保護のため基板1の表面をフォトレジスト44で覆った後、基板1の裏面に、フォトリソグラフィを用いてフォトレジスト45を形成する。フォトレジスト45には円状(最外周半径200μm、幅20μm)の開口部があり、その円の中心を、両面アライナー装置を用いて、正電極2と負電極3との間の中心に一致させる(図6(g))。そして、CF4反応性イオンエッチングにより開口に対してほぼ垂直に凹部46(深さ20μm)を形成する(図6(h))。フォトレジスト45をすべて取り去った後、再び、保護のため基板1の表面をフォトレジスト44で覆った後、基板1の裏面に、フォトリソグラフィを用いてフォトレジスト47を形成する。フォトレジスト47には円状(最外周半径200μm、幅40μm)の開口部があり、その円の中心を、両面アライナー装置を用いて、正電極2と負電極3との間の中心に一致させる。これに対して反応性イオンエッチング(深さ20μm)を行う。これにより、図6(h)で示した凹部46の深さが40μmになり、また、今回新たに露出した部分が深さ20μmとなる段差48が形成される(図6(i))。
以下、図6(j)に示すように、上記の開口部を有するフォトレジストを形成するステップと、イオンエッチングを行うステップとを順次複数回(例えば10回)繰り返し(ただしフォトレジストの開口部の幅は、半球状になるように調整する)、半径200μmの階段状シリコンレンズ12を形成する(図6(k))。最後に、電極に配線を行った後、これ全体をガラス管中に真空封止し、励起用光ファイバを位置あわせして取り付けることによりテラヘルツ波発振器を完成させる。
(第2の実施の形態)
図7は第2の実施の形態におけるテラヘルツ波発信器の斜視図である。その中心線(B−B’)における断面を図8に示す(図8において入射光8は、紙面垂直方向に存在するが、簡便のため、断面と同一面内に図示している)。
半絶縁性SiC基板27上の一部に導電性SiCエピタキシャル層24が形成されており、更にその上にカーボンナノチューブ(CNT)からなるCNT電子エミッタ22が形成されている。導電性エピタキシャル層24にはコンタクト部26を通じて負電極3が形成されている。CNT電子エミッタ22に対面して電子捕獲部25がSiO2スペーサ層23を介して形成されている。電子捕獲部25は正電極2に接続されている。正電極2と負電極3との間には電源5により電圧が印加される。CNT電子エミッタ22の側面にはアルミニウムミラー21が形成されている。ミラー21はレーザ出射口7から基板27表面に垂直に照射される光8の進行方向を曲げ、CNT電子エミッタ22に光を照射させる。SiC基板27の裏面には高抵抗シリコンレンズ12が形成されている(図8参照)。正電極2及び負電極3はともに「T」字型になっており、正電極2と負電極3とがダイポールアンテナを形成することは、第1の実施の形態の場合と同様である。また、本装置全体は10-8パスカル以下の真空状態に保持される。
次に、第2の実施の形態におけるテラヘルツ波発信器の動作原理を述べる。
外部から入射されたフェムト秒レーザ光8はミラー21で反射されて、CNT電子エミッタ22に入射する。カーボンナノチューブの仕事関数は4.5eVであるので(H.Tanaka et.al., "Barrier Effect on Field Emission from Stand-alone Carbon Nanotube", Japanese Journal of Applied Physics, vol.43, No.2, 864〜867 (2004)参照)、アルゴンレーザでモードロックした波長780nmのTi:サファイアフェムト秒レーザの三倍高調波(4.8eV、高調波用結晶にはBBO(β−BaB24)結晶を使用)の光を用いた。電源5は30Vの電圧を印加する。この状態でCNT電子エミッタ22に光が入射されると、フォトンエネルギーが自由電子のエネルギーを高めて、仕事関数を超えさせ、光電子放出9がなされる。光電子は、第1の実施の形態の場合と同様、約0.67psecかけて電子捕獲部25に達する。この結果、正電極2と負電極3との間でTHz波11が発生する。THz波11はシリコンレンズ12により集光10として外部に放出される。
図9及び図10は、第2の実施の形態のテラヘルツ波発振器の製造方法を示す。
半絶縁性SiC基板27にウエハーボンディング法を用いて、n型SiC基板60を融着させる(図9(a))。この時、基板60の融着面を炭素極性になるようにする。研磨とKOHウエットエッチングとによりn型SiC基板を厚み1μmにまで薄膜化した後、フォトリソグラフィとSF6ドライエッチングとにより電子エミッタとなる部分61を形成する(図9(b))。次に、フォトリソグラフィとSF6ドライエッチングとにより、CNTを形成しない部分に段差62を形成する(図9(c))。
次にCNTを形成する部分以外を、フォトリソグラフィと有機金属気相成長法とを用いて、多結晶AlN薄膜63で保護する(図9(d))。この時、露出したSiCの表面はSi面になっている。これを1600℃の真空雰囲気で約30分間加熱してカーボンナノチューブ22を生成する(図9(e)参照、田中一義編集、カーボンナノチューブ (2001)、化学同人889〜895ページ参照)。次に、カーボンナノチューブを保護するため、保護膜63をマスクにして、多結晶GaAs64を成長させる(図9(f))。この後、希釈KOH水溶液を用いて、多結晶AlNを除去する。
次に、フォトリソグラフィでフォトマスク65を形成し(図10(g))、スパッタ法でSiO2スペーサ層23を形成する(図10(h))。次にフォトリソグラフィで電極用フォトマスク66を形成し(図10(i))、正電極2及び負電極3を形成する(図10(j))。そして、硫酸系エッチャントを用いて、多結晶GaAsを除去する。最後に、シリコンレンズ12を基板27に押し付けて固定し、ミラー(図示していない)をAuSn共晶半田で貼り付け、電極に配線を行った後、これ全体をガラス管中に真空封止し、励起用光ファイバを位置あわせして取り付けることによりテラヘルツ波発振器を完成させる。
なお、半絶縁性SiC基板27はダイヤモンド基板に置き換えられてもよい。
(第3の実施の形態)
図11は第3の実施の形態におけるテラヘルツ波発信器の斜視図である。その中心線(C−C’)における断面を図12に示す(図12において入射光8は、紙面垂直方向に存在するが、簡便のため、断面と同一面内に図示している)。
半絶縁性SiC基板27上の一部にシリコンがドープされたAlN(窒化アルミニウム)により構成される層101(以下、単に「AlN101」という。)が形成されている。シリコンがドープされたAlNは低閾値電圧で電子を放出することが知られている(M. Kasu and N. Kobayashi, Appl. Phys. Lett. 78 (2001) 1835〜1837 参照)。したがって、AlN101は電子エミッタとして作用する。AlN101にはコンタクト部26を通じて負電極3が形成されている。AlN101に対面して電子捕獲部25がSiO2スペーサ層23を介して形成されている。電子捕獲部25は正電極2に接続されている。正電極2と負電極3との間には電源5により電圧が印加される。AlN101の側面にはミラー21が形成されている(図12参照)。ミラー21はレーザ出射口7から基板27表面に垂直に照射される光8の進行方向を曲げ、AlN101に光を照射させる。SiC基板27の裏面には高抵抗シリコンレンズ12が形成されている。正電極2及び負電極3はともに「T」字型になっており、ダイポールアンテナを形成することは、第1の実施の形態及び第2の実施の形態の場合と同様である。また、本装置全体は10-8Pa以下の真空状態に保持されている。
次に、第3の実施の形態におけるテラヘルツ波発信器の動作原理を述べる。
外部から入射されたフェムト秒レーザ光8はミラー21で反射されて、電子エミッタであるAlN101に入射する。電源5は30Vを印加する。AlNのバンドギャップは6.2eVであるため、アルゴンレーザでモードロックした波長780nmのTi:サファイアフェムト秒レーザの四倍高調波(6.35eV、高調波用結晶にはBBO(β−BaB24)結晶を使用)の光を用いた。この電圧は、AlNが電子を放出をするしきい値電圧より僅かに小さい値である。このため、AlN101は非常に電子を放出しやすい状態にある。AlN101に光が入射されると、フォトンエネルギーが自由電子のエネルギーを高め、自由電子のエネルギーがAlN101と真空との間のポテンシャルエネルギーを超え、光電子放出9がなされる。光電子は、第1の実施の形態の場合と同様、約0.67psecかけて電子捕獲部25に達する。この結果、正電極2と負電極3との間でTHz波11が発生する。THz波11はシリコンレンズ12により集光10として外部に放出される。
図13及び図14は、第3の実施の形態のテラヘルツ波発振器の製造方法を示す。
半絶縁性SiC基板27に分子線エピタキシャル成長法を用いて、シリコンをドープしながらAlN102を成長させる(図13(a))。フォトリソグラフィとKOHウエットエッチングとにより電子エミッタとなる部分101を形成する(図13(b))。次にフォトリソグラフィによりフォトレジスト103を形成する(図13(c))。そして、多結晶GaAs64を成長させる(図13(d))。
次に、フォトリソグラフィでフォトマスク65を形成し(図14(e))、スパッタ法でSiO2スペーサ層23を形成する(図14(f))。次にフォトリソグラフィで電極用フォトマスク66を形成し(図14(g))、正電極2及び負電極3を形成する(図14(h))。その後に硫酸系エッチャントを用いて、多結晶GaAsを除去する。最後に、シリコンレンズ12を基板27に押し付けて固定し、ミラー(図示していない)をPbSn半田で貼り付け(図14(i))、電極に配線を行った後、これ全体をガラス管中に真空封止し、励起用光ファイバを位置あわせして取り付けることによりテラヘルツ波発振器を完成させる。
なお、上述した第3の実施の形態では、半絶縁性SiC基板27上にAlN101が形成されている例を示した。しかしながら、AlN101は、Al1-x-yInxGayN(0≦x≦1、0≦y≦1)が用いられて形成された層に置き換えられてもよい。
図15は、正負電極間の印加電圧とテラヘルツ波出力との関係を示す。テラヘルツ波の周波数は1.5THzとした。入力光は780nmのフェムト秒パルス光である。従来構造では、印加電圧が約20V付近から印加電圧の増大とともに出力が低下する。これはLT−GaAsのリーク電流が増加するためである。他方、第1の実施の形態の場合では、正負電極間は真空であるのでリーク電流が発生することなく、大きなTHz波出力が得られることがわかる。第2の実施の形態の場合、低電圧域では、CNTの有効仕事関数が高いため、電子放出が少ない。しかし、有効仕事関数が低くなると、光電子は急速に増加し、また、電界が急峻になるため、CNTは電子を放出しやすく、図15に示すような、高いテラヘルツ波出力が得られる。更に第3の実施の形態の場合、閾値電圧は高くなるが、閾値電圧より高い電圧では、急激にTHz波出力が増加し、従来構造に比べ、高い出力が得られる。
なお、以上の例では、フェムト秒レーザを光源に用いたが、差周波がTHz波となる二つのレーザ光(例えば、半導体レーザなど)を用い、その差周波成分でTHz波を放射させることも可能である。図16は、Si−GaAs基板201上に、短キャリア寿命半導体であるLT−GaAs層202が積層され、その上に「T」字型の正電極2及び負電極3が形成されたテラヘルツ波発振器の一部に、周波数f1の光205と、周波数f2の光206とが入射している状態を示している。周波数f1と周波数f2との差が0.1THz以上10THz以下であれば、図17に示すように、周波数f1と周波数f2との差をピーク周波数とするテラヘルツ波が得られる。従って、図16の代わりに、図1、図7、図11に示す構造を用いれば、効率よいTHz発生器が得られる。
なお、上記の第1の実施の形態から第3の実施の形態において、テラヘルツ波発振器を10-4Pa以下の高真空中に配置したが、これらのテラヘルツ波発振器が配置される真空度は、テラヘルツ波発振器における正負電極間でのリーク電流が発生しない程度、具体的には正負電極間に印加される電圧により放電しない程度であればよい。
本発明にかかる電磁波発生装置は、高出力のテラヘルツ波を発生することができ、セキュリティや医用分野で高精度に被測定物を分析でき、産業上の利用価値は高い。
第1の実施の形態におけるテラヘルツ波発振器の斜視図 第1の実施の形態におけるテラヘルツ波発振器の要部断面図 第1の実施の形態における光電面4及び正電極2の配置関係を説明するための図 第1の実施の形態における光電面4と正電極2の電子入射面との距離を説明するための図 第1の実施の形態におけるテラヘルツ波発振器の製造方法を示す第1の断面図 第1の実施の形態におけるテラヘルツ波発振器の製造方法を示す第2の断面図 第2の実施の形態におけるテラヘルツ波発振器の斜視図 第2の実施の形態におけるテラヘルツ波発振器の要部断面図 第2の実施の形態におけるテラヘルツ波発振器の製造方法を示す第1の断面図 第2の実施の形態におけるテラヘルツ波発振器の製造方法を示す第2の断面図 第3の実施の形態におけるテラヘルツ波発振器の斜視図 第3の実施の形態におけるテラヘルツ波発振器の要部断面図 第3の実施の形態におけるテラヘルツ波発振器の製造方法を示す第1の断面図 第3の実施の形態におけるテラヘルツ波発振器の製造方法を示す第2の断面図 各実施の形態及び従来のテラヘルツ波発振器の正負電極間の印加電圧とテラヘルツ波出力との関係を示す図 差周波がTHz波となる二つのレーザ光を用いてTHz波を発生するテラヘルツ波発振器の説明図 差周波がTHz波となる二つのレーザ光を用いて発生させたTHz波の出力を示す図 従来のテラヘルツ波発振器の斜視図
符号の説明
1 高抵抗シリコン基板
2 正電極
3 負電極
4 光電面
5 直流電源
6 凹部
7 出射口
8 短パルス光
9 光電子放出
10 外部光
11 テラヘルツ波
12 レンズ
21 アルミニウムミラー
22 CNT電子エミッタ
23 SiO2スペーサ層
24 導電性SiCエピタキシャル層
25 電子捕獲部
26 コンタクト部
27 半絶縁性SiC基板
40、43、44、45、47、49、103 フォトレジスト
41、64 多結晶GaAs
42 Gaイオンビーム
46 凹部
48、50、62 段差
60 基板
61 電子エミッタとなる部分
63 多結晶AlN薄膜
65 フォトマスク
66 電極用フォトマスク
101 AlN
102 シリコンドープ

Claims (11)

  1. 光電子放出電極と、対向電極とを備え、
    前記光電子放出電極に時間変調させた光又は波長変調させた光を照射することにより電子を発生させ、発生した前記電子を前記対向電極に向けて走行させることにより電磁波を発生させる電磁波発生装置であって、
    前記電子の走行部分が真空である
    電磁波発生装置。
  2. 基板と、
    前記基板の一方の面の上に設けられた、光電子放出部を有する第1電極と、
    前記基板の前記一方の面の上に設けられた第2電極と、
    前記第2電極の電位が前記第1電極の電位より高くなるように、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加する電圧印加部と、
    時間変調させた光又は波長変調させた光を照射する光照射部とを備え、
    前記光電子放出部は、光が照射された場合に電子を放出し、かつ、前記光照射部からの光が入射可能な位置に設けられており、かつ、放出された電子が前記第2電極に到達する位置に設けられている
    電磁波発生装置。
  3. 前記光電子放出部は平面部を有し、
    前記第2電極の形状は板状であり、
    前記平面部と前記第2電極の前記平面部に対する面とが形成する角をθ、前記平面部と前記第2電極との最短距離をL、前記平面部の前記第1電極から前記第2電極へ向かう方向の長さをDとした場合、Dsinθ/L≦0.1が満たされる
    請求項2記載の電磁波発生装置。
  4. 前記基板の前記一方の面の前記第1電極と前記第2電極との間には凹部が形成されている
    請求項2記載の電磁波発生装置。
  5. 前記光電子放出部は、カーボンナノチューブが用いられて形成されている
    請求項2記載の電磁波発生装置。
  6. 前記光電子放出部は、Al1-x-yInxGayN(0≦x≦1、0≦y≦1)が用いられて形成されている
    請求項2記載の電磁波発生装置。
  7. 更に、前記基板の前記一方の面の上に設けられた、前記光照射部からの光を前記光電子放出部に導くミラーを備える
    請求項2記載の電磁波発生装置。
  8. 基板の一方の面に凹部を形成する第1ステップと、
    前記凹部に前記凹部を保護する保護部材を充填する第2ステップと、
    前記保護部材が充填された前記凹部の上に端部が位置するように、前記基板の前記一方の面の上に第1電極と第2電極とを間隔を設けて形成する第3ステップと、
    前記第1電極の前記第2電極との対向部を、傾斜が形成されるように削る第4ステップと、
    前記第4ステップを行った後に、前記第1電極の削られた面に光電子放出部を形成する第5ステップと、
    前記第4ステップ又は前記第5ステップを行った後に、前記保護部材を除去する第6ステップと
    を含む電磁波発生装置の製造方法。
  9. 前記保護部材は多結晶GaAsである
    請求項8記載の電磁波発生装置の製造方法。
  10. 基板の一方の面に段差を有するSiC層を形成する第1ステップと、
    前記段差の段が高い方の部位を除く前記基板を窒化アルミニウム部材で覆う第2ステップと、
    前記第2ステップを行った後に、前記基板全体を前記SiC層からSi成分が除去される温度で加熱し、前記段差の段が高い方の部位にカーボンナノチューブにより形成された光電子放出部を形成する第3ステップと、
    前記光電子放出部を多結晶GaAsで覆う第4ステップと、
    前記基板の前記一方の面に、前記光電子放出部と接続する第1電極を形成する第5ステップと、
    前記基板の前記一方の面に、端部が前記光電子放出部の上方に位置する第2電極を形成する第6ステップと、
    前記第6ステップを行った後に、前記多結晶GaAsを除去する第7ステップと
    を含む電磁波発生装置の製造方法。
  11. 基板の一方の面に光電子放出部を形成するためにAl1-x-yInxGayN(0≦x≦1、0≦y≦1)の層を形成する第1ステップと、
    前記層の一部に多結晶GaAsを積層する第2ステップと、
    前記基板の前記一方の面に、前記層と接続する第1電極を形成する第3ステップと、
    前記基板の前記一方の面に、端部が前記多結晶GaAsの上に位置する第2電極を形成する第4ステップと、
    前記第4ステップを行った後に、前記多結晶GaAsを除去する第5ステップと
    を含む電磁波発生装置の製造方法。
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