JP2006073739A - 発光素子駆動装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
通信中やキャリブレーション動作中に使用されるパルス列を利用して、LEDの駆動パルスを自動的に補正することが可能なLED駆動手法を提供する。
【解決手段】
異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列DATA_INに基づいてLED200を駆動するLED駆動装置において、前記パルス列により駆動されたLEDの出力波形LED_OUTを検出する光ディテクタ204を設け、この光ディテクタの出力を2値化回路206で2値化し、この2値化信号からLED出力波形LED_OUTの立上り鈍り量MRおよび立下り鈍り量MFを定量化するとともに、前記各鈍り量に基づいて前記パルス列の補正条件を導出するプリエンファシス波形生成部100を設ける。
【選択図】 図1

Description

この発明は、発光素子駆動装置および方法に関し、特に、異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列を利用した発光素子駆動パルスの自動高速化手法に関する。
近年の光通信分野においては、レーザダイオードに比べて安価で制御が容易であるLEDを発光素子として用いた光通信が検討されている。しかし、LEDはレーザダイオードに比べて応答速度が遅いため、LEDを用いた光通信システムの伝送速度は、このLEDの応答速度によって制約されることになる。
ここで、LEDの応答速度を高速化する手法としては、アナログピーキングやデジタルプリエンファシス等のLEDを駆動するパルスを補正する手法が知られており、それぞれ下記の文献に記載されている。
特開昭62−118585号公報 特開2002−101047号公報 特許文献1に記載された手法は、抵抗とコンデンサで構成した微分回路を用いてアナログ的にピーキング波形を生成し、これをLEDの駆動パルスに付加することで、LEDの応答速度を高速化する手法である。
しかし、この特許文献1に記載された手法では、LEDの光出力信号をモニタしながら微分回路を構成する抵抗とコンデンサの値を調整する必要があるため、最適な補正条件を得るには、ピーキングの条件をマニュアル的に求める必要がある。
一方、特許文献2に記載された手法は、論理回路と電流スイッチ回路を用いてプリエンファシス波形を生成し、このプリエンファシス波形を用いてLEDを駆動することで、高速化する手法である。
この特許文献2に記載されたプリエンファシスは、外部信号によるデジタル的な調整が可能であるため、特許文献1に記載されたアナログピーキングと異なり、抵抗やコンデンサ等の部品定数の調整が不要となる。
しかし、この特許文献2に記載された手法であっても、LEDの光出力信号をモニタしながらプリエンファシス波形の調整を行う必要があるため、最適な補正条件を得るには、特許文献1と同様に、プリエンファシスの条件をマニュアル的に求める必要がある。
LEDの応答遅れは、様々な要因の影響を受けて発生し、この応答遅れは、個々のLEDに固有の現象であるため、上述した各特許文献に記載された手法では、個々のLEDに対応させることや実際に用いられる高速通信条件に対応させることが困難であった。
そこで、本発明は、通信中やキャリブレーション動作中に使用されるパルス列を利用して、LEDの駆動パルスを自動的に補正することが可能なLED駆動手法を提供する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列に基づいて発光素子を駆動する発光素子駆動装置において、前記パルス列により駆動された発光素子の光出力波形を検出する発光素子出力検出回路と、前記出力波形の鈍り量を検出する鈍り量検出回路と、前記鈍り量に基づいて前記パルス列を補正する補正回路とを具備することを特徴とする。
このように、複数種のパルス幅が混在したパルス列で駆動された発光素子の光出力波形から、該出力波形の鈍り量を検出することで、通信中またはキャリブレーション動作中のデータパターンを利用したパルス条件の補正を行うことが可能になる。
発光素子としては、LED(発光ダイオード)、RCLED(共鳴型発光ダイオード)、VCSEL(面発光半導体レーザ)等の各種発光素子を用いることが可能である。特に、安価な光通信システムを組みたい場合には、発光素子として、安価で制御が容易なLEDを用いることが望ましい。
ここで、出力波形の鈍り量は、発光素子の寄生容量により生じる時定数や光電変換の際に生じる時定数等の影響により発生する出力波形の鈍り量であるため、発光素子ごとに固有の値となる。よって、実際に発光素子を駆動させた状態で該発光素子の鈍り量を検出する本手法が有用となる。
尚、本発明の効果は、上述した異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列が下記のような場合に顕著に得られる。
1)符号間干渉が生じる高速通信系
2)発光素子の立上りが非飽和状態で終了する短パルス幅のパルスを含む高速通信系
3)発光素子の立下りが非放電状態で終了する短ビット間隔を含む高速通信系
4)異なる幅のパルスがランダムに登場するデータパターン
また、請求項2記載の発明は、異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列に基づいて発光素子を駆動する発光素子駆動装置において、前記パルス列により駆動された発光素子の立上り波形を検出する立上り検出回路と、前記パルス列により駆動された発光素子の立下り波形を検出する立下り検出回路と、前記立上り波形の鈍り量を検出する立上り鈍り量検出回路と、前記立下り波形の鈍り量を検出する立下り鈍り量検出回路と、前記立上り鈍り量に基づいて前記パルス列にピーキング信号を付加するピーキング信号生成回路と、前記立下り鈍り量に基づいて前記パルス列にショート信号を付加するショート信号生成回路とを具備することを特徴とする。
このように、立上り波形の鈍り量と立下り波形の鈍り量をそれぞれ独立に検出し、該各鈍り量からパルス補正量となるピーキング信号とショート信号をそれぞれ生成することで、立上りおよび立下りの最適な補正を自動で行うことが可能になる。
ここで、ピーキング信号とは、パルスの立上り部分に付加される充電用のパルスであり、ショート信号とは、パルスの立下り部分に付加される放電用のパルスであり、これらの信号が付加されたパルス波形がプリエンファシス波形となる。
また、請求項3記載の発明は、異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列に基づいて発光素子を駆動する発光素子駆動装置において、前記パルス列により駆動された発光素子の光出力波形を検出する発光素子出力検出回路と、前記出力波形を所定の閾値と比較することで2値化信号を生成する2値化回路と、前記パルス列に対する前記2値化信号の遅れ時間を検出することで、前記出力波形の鈍り量を検出する鈍り量検出回路と、前記鈍り量に基づいて前記パルス列を補正する補正回路とを具備することを特徴とする。
このように、発光素子の光出力波形を所定の閾値と比較することで、該出力波形の鈍り量が定量化できるため、定量化された鈍り量に基づく補正条件の算出処理を好適に行うことができる。
また、請求項4記載の発明は、異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列に基づいて発光素子を駆動する発光素子駆動装置において、前記パルス列により駆動された発光素子の光出力波形を検出する発光素子出力検出回路と、前記出力波形を所定の閾値と比較することで2値化信号を生成する2値化回路と、前記パルス列を所定時間遅延させた信号と前記2値化信号とを比較することで、前記出力波形の鈍り量を検出する鈍り量検出回路と、前記鈍り量に基づいて前記パルス列を補正する補正回路とを具備することを特徴とする。
このように、入力されたデータパルス列を所定時間遅延させた信号と2値化信号とを比較することで、該出力波形の鈍り量がデジタル情報として定量化できるため、補正条件の算出処理を好適に行うことができる。
また、請求項5記載の発明は、異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列に基づいて発光素子を駆動する発光素子駆動装置において、前記パルス列により駆動された発光素子の光出力波形を検出する発光素子出力検出回路と、前記出力波形の鈍り量を検出する鈍り量検出回路と、前記検出した鈍り量の中から所定の期間内で最大となる鈍り量を抽出する最大値算出回路と、前記抽出した鈍り量の最大値に基づいて前記パルス列を補正する補正回路とを具備することを特徴とする。
このように、所定期間内に得られた鈍り量の最大値を用いることで、出力波形の鈍り状態が長めに観察された鈍り量が得られるため、高精度な検出および補正が可能になる。
また、請求項6記載の発明は、異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列に基づいて発光素子を駆動する発光素子駆動装置において、前記パルス列により駆動された発光素子の立上り波形を検出する立上り検出回路と、前記パルス列により駆動された発光素子の立下り波形を検出する立下り検出回路と、前記立上り波形の鈍り量を検出する立上り鈍り量検出回路と、前記立下り波形の鈍り量を検出する立下り鈍り量検出回路と、前記立上り波形の鈍り量と前記立下り波形の鈍り量との遷移バランスを調整する遷移バランス調整回路とを具備することを特徴とする。
このように、立下り波形の鈍り量と立上り波形の鈍り量とをそれぞれ独立に検出・調整することで、立上りと立下りの遷移バランスを好適に調整することが可能になる。
また、請求項7記載の発明は、異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列に基づいて発光素子を駆動する発光素子駆動方法において、前記パルス列により駆動された発光素子の光出力波形から該出力波形の鈍り量を検出し、該鈍り量に基づいて前記パルス列を補正することを特徴とする。
このように、複数種のパルス幅が混在したパルス列で駆動された発光素子の光出力波形から、該出力波形の鈍り量を検出することで、通信中またはキャリブレーション動作中のデータパターンを利用したパルス条件の補正を行うことが可能になる。
また、請求項8記載の発明は、異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列に基づいて発光素子を駆動する発光素子駆動方法において、前記パルス列により駆動された発光素子の立上り波形および立下り波形をそれぞれ検出する工程と、前記各検出波形から立上り波形の鈍り量および立下り波形の鈍り量をそれぞれ検出する工程と、前記パルス列に対して、前記立下り波形の鈍り量を低下させる補正を行った後に、前記立上り波形の鈍り量を低下させる補正を行う工程とを具備することを特徴とする。
このように、一旦、立下り波形の鈍り量を低下させた後に、立上り波形の鈍り量を低下させる補正を行うことにより、前のビットが十分に立ち下がっている場合と、前のビットが十分に立ち下がっていない場合とが混在する系で生じ易い鈍り量の変動を回避することができる。
この現象は、発光素子光出力の符号間干渉が原因で発生し、鈍り量の誤検出の要因にもなるため、本手法では、立下り動作の制御を立上り動作の制御に先だって行うことで、この誤検出を回避する。
また、請求項9記載の発明は、異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列に基づいて発光素子を駆動する発光素子駆動方法において、前記パルス列に所定量のショート信号を付加する工程と、前記ショート信号が付加されたパルス列にて前記発光素子を駆動したときの該発光素子の立下り波形を検出する工程と、前記立下り波形から該立下り波形の鈍り量を検出する工程と、前記ショート信号が付加されたパルス列にて前記発光素子を駆動したときの該発光素子の立上り波形を検出する工程と、前記立上り波形から該立上り波形の鈍り量を検出する工程と、前記立下り波形の鈍り量と前記立上り波形の鈍り量とを比較する工程と、前記比較の結果に基づいて前記パルス列にピーキング信号を付加する工程とを具備することを特徴とする。
このように、一旦、所定量のショート信号を付加して立下り波形を調整し、その後、ピーキング信号を付加して立上り波形を調整することで、鈍り量の誤検出を回避することができる。ここで、最初に付加するショート信号は、短いビット間隔であっても発光素子の光出力波形が十分に立下りる程度の放電量を確保しておくことが望ましい。
また、請求項10記載の発明は、異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列に基づいて発光素子を駆動する発光素子駆動方法において、前記パルス列により駆動された発光素子の立上り波形および立下り波形をそれぞれ検出する工程と、前記各検出波形から立上り波形の鈍り量および立下り波形の鈍り量をそれぞれ検出する工程と、前記立上り波形の鈍り量と前記立下り波形の鈍り量とのバランスが取れるまで、前記パルス列に対する補正を繰り返す工程とを具備することを特徴とする。
このように、立上り波形の鈍り量と立下り波形の鈍り量とを独立に検出・調整しながら、各鈍り量のバランスが取れるまでパルス列に対する補正を繰り返すことで、立上りと立下りの遷移バランスが取れた補正条件を導出することが可能になる。
また、請求項11記載の発明は、異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列に基づいて発光素子を駆動する発光素子駆動方法において、前記パルス列により駆動された発光素子の立上り波形を検出する工程と、前記各検出波形から立上り波形の鈍り量を検出する工程と、前記立上り波形の鈍り量に基づいて前記パルス列に付加するピーキング信号の幅と振幅の関係を求める工程と、前記ピーキング信号の幅と振幅の関係を満たす条件において、前記パルス列の最小パルス幅に対する前記ピーキング信号の幅の割合が、前記パルス列の振幅に対する前記ピーキング信号の振幅の割合よりも大きくなるピーキング信号を前記パルス列に付加する工程と、前記ピーキング信号が付加されたパルス列で駆動された発光素子の立上り波形が前記ピーキング幅の間に所定比率立ち上がる結果が得られるまで、前記ピーキング信号の幅を徐々に減少させつつ、前記ピーキング信号の振幅を徐々に増加させる工程とを具備することを特徴とする。
このように、検出した鈍り量からピーキング信号の振幅と幅の関係を求め、該関係を維持しつつ、所定比率の立上りが得られるまでピーキング信号の振幅と幅を徐々に変化させることで、使用する発光素子に最適なピーキング信号を得ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、通信中またはキャリブレーション動作中のデータパターンを利用したパルス条件の補正を行うことが可能になる。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。尚、本発明は、以下説明する実施形態に限らず適宜変更可能である。
図1は、本実施形態に係るLED駆動装置の構成を示す回路ブロック図である。同図に示すように、このLED駆動装置は、LED200の駆動波形を生成するLEDドライバ202と、このLEDドライバにプリエンファシス波形を与えるプリエンファシス波形生成部100と、LED200の光出力を受光する光ディテクタ204と、この光ディテクタの出力を2値化する2値化回路206とで構成される。
プリエンファシス波形生成部100は、外部から入力された通信用のデータパルス列DATA_INと、クロック信号CLKと、2値化回路206の出力信号COMP_OUTとを用いて、LED200の鈍り量を求め、該鈍り量に基づいてプリエンファシス波形のパラメータとなるTR、TF信号をLEDドライバ202に出力する。
LEDドライバ202は、このプリエンファシスパラメータTR、TFと、外部から入力された通信用のデータパルス列DATA_INとを合成し、この合成パルスを所定の電流量に変換したLED駆動パルスDRV_OUTを用いてLED200を駆動する。
光ディテクタ204は、LED200の光出力を受光して光電変換を行い、その結果生成した光出力波形LED_OUTを2値化回路206にも出力する。
2値化回路206は、光出力波形LED_OUTを所定の閾値Vrefと比較し、このVrefのレベルでスライスされたパルス信号をプリエンファシス波形生成部100に出力する。
同図に示すプリエンファシス波形生成部100は、LED200の立上り特性を測定・補正するブロックと、立下り特性を測定・補正するブロックとで構成され、該各応答特性を高速化するための信号TR、TFをLEDドライバ202に出力する。
IR鈍り検出回路102は、2値化回路206の出力COMP_OUTを利用して、LED200の立上り特性の鈍り量MRを検出し、これをMR最大値算出回路106に出力する。MR最大値算出回路106は、外部から入力された通信用のデータパルス列DATA_INのうち、ある範囲内でビット長が最も長いパルスの立上り鈍り量MAX_MRを抽出して、これをモード制御回路110とTR生成回路112とに出力する。
同様に、IF鈍り検出回路104は、2値化回路206の出力COMP_OUTを利用して、LED200の立下り特性の鈍り量MFを検出し、これをMF最大値算出回路108に出力する。MF最大値算出回路108は、外部から入力された通信用のデータパルス列DATA_INのうち、ある範囲内でビット長が最も長いパルスの立下り鈍り量MAX_MFを抽出して、これをモード制御回路110とTF生成回路114とに出力する。
モード制御回路110は、立上り鈍り量と立下り鈍り量との遷移バランスを取るために、立上り特性の調整モードと立下り特性の調整モードとを得られた鈍り量MAX_MRおよびMAX_MFとの値に基づいて適宜切り替えながら、遷移バランスの調整を行う。
TR生成回路112は、立上り鈍り量MAX_MRを低下させるためのピーキング信号を算出し、このピーキング信号が付加された立上り部分のプリエンファシス波形TRをLEDドライバ202に出力する。
同様に、TF生成回路114は、立下り鈍り量MAX_MFを低下させるためのショート信号を算出し、このショート信号が付加された立下り部分のプリエンファシス波形TFをLEDドライバ202に出力する。
以上のような構成により、本実施形態に係るLED駆動装置は、入力されたデータパルス列DATA_INに基づき駆動されたLED200の出力波形LED_OUTの立上りと立下りの鈍り量を検出しながら、この鈍り量を低下させる補正を自動的に行う。
図2は、図1に示したLED駆動装置の動作概要を示すタイミングチャートである。同図(a)に示すように、入力データパルス列DATA_INは、異なる複数種のビット長が混在したパルス列でプリエンファシス波形生成部100に入力される。
プリエンファシス波形生成部100は、同図(b)に示すように、この入力データパルス列DATA_INの先頭部分に対応させて、充電方向に所定の振幅および幅持った立上り用プリエンファシス波形TRを発生するとともに、同図(c)に示すように、入力データパルス列DATA_INの後端部分に対応させて、放電方向に所定の振幅および幅持った立下り用プリエンファシス波形TFを発生する。
このプリエンファシス波形TR、TFを受けたLEDドライバは、同図(d)に示すように、プリエンファシス波形TR、TFを入力データパルス列DATA_INと合成し、この合成パルスを所定の電流波形に変換したLED駆動パルスDRV_OUTをLEDに出力する。このLED駆動パルスDRV_OUTは、入力データパルス列DATA_INに充電用のピーキング信号IORと、放電用のショート信号IOFとが付加された波形となる。
そして、同図(e)に示すように、上記LED駆動パルスDRV_OUTで駆動されたLEDの光出力波形LED_OUTは、プリエンファシス波形で補正された後の立上り波形IRおよび立下り波形IFでLED駆動パルスDRV_OUTに応答する波形となる。
図3は、LED駆動パルスDRV_OUTと、LED光出力波形LED_OUTとの関係を示す概念図である。同図(a)に示すように、LEDが補正されていないLED駆動パルスDRV_OUTで駆動された場合には、当該LEDが有する各種時定数の影響によって、光出力波形LED_OUTには所定量の鈍りが生じ、立上りと立下りに応答遅れが生じる。
これに対し、同図(b)に示すように、補正後の光出力波形LED_OUTによりLEDを駆動した場合には、同図(a)に示した波形に比べて鈍り量が低減した応答特性が得られる。この応答特性に改善に寄与するのが検出した鈍り量に応じて各パルスに付加されるピーキング信号IORとショート信号IOFになる。
図4は、LED駆動パルスDRV_OUTと、LED光出力波形LED_OUTと、2値化信号COMP_OUTとの関係を参照して鈍り量の概念を示すタイミングチャートである。同各図に示すように、同図(a)のLED駆動パルスDRV_OUTに対して、同図(b)のLED光出力波形LED_OUTの立上りおよび立下り波形には固有の遅れが生じるため、この光出力波形LED_OUTを閾値Vrefでスライスし、同図(c)の2値化信号COMP_OUTを得る。
この2値化信号COMP_OUTは、LED駆動パルスDRV_OUTに対して、パルスの立上りが立上り鈍り量MRだけ遅れ、パルスの立下りが立下り鈍り量MFだけ遅れた波形になる。よって、LED光出力波形LED_OUTを閾値Vrefでスライスすることで、立上り鈍り量MRと立下り鈍り量MFの定量化が可能になる。
図5は、閾値Vrefの設定概念を示す概念図である。同図に示すように、閾値Vrefは、LED駆動パルスDRV_OUTの幅内でLED光出力波形LED_OUTの振幅が最大になる値の半値を設定することが望ましく、このように半値でスライスすることで、立上り波形IRと立下り波形IFアナログ的な鈍り量をデジタル的に定量化することが可能になる。
図6は、図1に示したIR鈍り検出回路102とIF鈍り検出回路104の構成を示す回路ブロック図である。同図に示すように、IR鈍り検出回路102およびIF鈍り検出回路104は、それぞれ、入力データ列DATA_INを所定時間遅延させる遅延器130−1および130−2と、該遅延信号と2値化信号COMP_OUTを比較して、定量化された鈍り量MRおよびMFを出力するDフリップフロップ132−1および132−2とで構成される。
図7は、図6に示したIR鈍り検出回路102の動作を説明するタイミングチャートである。同図(d)に示すように、IR鈍り検出回路102は、遅延器130−1にて同図(a)の入力データ列DATA_INから2値化処理等の遅れを考慮して遅延させた信号DATA_IN(Delay)を生成し、この遅延信号をDフリップフロップ132−1をトリガとして、同図(c)の2値化信号COMP_OUTをラッチすることで、2値化信号COMP_OUTがLowレベルの期間を「0」で表現し、2値化信号COMP_OUTがHiレベルの期間を「1」で表現したデジタル信号MRを生成する。同図(e)に示すように、この例のデジタル信号はMRは、「00111」となる。尚、このデジタル信号MRは、「0」の個数が多い程、波形が鈍っていることを示す。
図8は、図6に示したIF鈍り検出回路104の動作を説明するタイミングチャートである。同図(d)に示すように、IF鈍り検出回路104は、遅延器130−2にて同図(a)の入力データ列DATA_INから2値化処理等の遅れを考慮して遅延させた信号DATA_IN(Delay)を生成し、この遅延信号をDフリップフロップ132−2をトリガとして、同図(c)の2値化信号COMP_OUTをラッチすることで、2値化信号COMP_OUTがLowレベルの期間を「0」で表現し、2値化信号COMP_OUTがHiレベルの期間を「1」で表現したデジタル信号MFを生成する。同図(e)に示すように、この例のデジタル信号はMFは、「00111」となる。尚、このデジタル信号MFは、「0」の個数が多い程、波形が鈍っていることを示す。
上述した構成により、アナログ的な鈍り量がデジタル情報として定量化されるため、この定量化された鈍り量を用いて、プリエンファシス波形の演算をデジタル的に行うことができる。
図9は、入力されたデータのパルス幅とLED光出力の立上り振幅との関係を示す概念図である。同図(a)に示すように、入力されたデータのパルス幅が短い場合には、LED駆動パルスDRV_OUTも短いパルスとなるため、LEDの光出力波形LED_OUTが完全に立ち上がる前に充電期間が終了する。
これに対し、同図(b)に示すように、入力されたデータのパルス幅が長い場合には、LED駆動パルスDRV_OUTも長いパルスとなるため、LEDの光出力波形LED_OUTがある程度立ち上がった状態で充電期間が終了する。
その結果、同図(a)の立上り波形の振幅半値となる閾値Vref1が同図(b)の立上り波形の振幅半値となる閾値Vref2に比べて低いレベルに設定されるため、同じLEDの応答特性であるにも拘わらず、同図(a)で得られる鈍り量MR1と同図(b)で得られる鈍り量MR2とに差が生じることになる。
一方、仮に両者の閾値Vref1とVref2を等しく設定したとしても、パルス幅が同図(a)より短いパルスが入力された場合には、このパルスに対する応答波形の最大振幅が当該閾値に届かない場合が生じ、鈍り量が定量化できない可能性もある。
他方、この課題を解消するために、パルス幅の短いパルスを基準として閾値を低めに設定すると、次に説明するように、鈍り量の表現精度が低下するため、高精度な定量化が困難になる。
図10は、鈍り量の定量化精度とパルス幅との関係を示す概念図である。同図(a)および(b)は、図9(a)および(b)にそれぞれ対応させて、高速化補正による応答特性の変化と得られる鈍り量との関係を示した図である。
同各図に示すように、同図(a)および(b)のいずれの場合であっても、立上り波形IRの応答は、ピーキング信号IORの増加に伴って高速化するが、同図(a)に示すように、レベルの低い閾値Vref1の場合は、得られる鈍り量MR1が「4→3→3→2→2」のように表現精度が低く、補正の影響を高精度に検出することが困難である。
これに対し、同図(b)に示すように、レベルの高い閾値Vref2の場合は、得られる鈍り量MR2が「7→5→4→3→2」のように表現精度が高く、補正の影響を高精度に検出することが可能になる。
そこで、本装置では、応答遅れの影響が十分観察でき、かつ、閾値が高めに設定できるパルス幅の長いデータパルスから得られた鈍り量を用いて、プリエンファシス波形を生成することで、高精度な高速補正を可能としている。
図11は、図1に示したMR最大値算出回路106およびMF最大値算出回路108が実行する入力されたデータ列のうち所定範囲の中から最長のパルス幅を特定する概念を示す概念図である。同図に示すように、図1に示したMR最大値算出回路106は、入力データ列DATA_INのストリームの中で、ある検出範囲DETECT_RANGEに存在するデータパルスのうち、最大のビット長MAX_Tを有するパルスから得られた鈍り量MRを抽出する。
同様に、図示しないが、図1に示したMF最大値算出回路108は、入力データ列DATA_INのストリームの中で、ある検出範囲DETECT_RANGEに存在するデータパルスのうち、最大のビット間隔を有するパルス間隔から得られた鈍り量MFを抽出する。
このように、立上り特性については、最長のデータパルスを鈍り量の検出ターゲットとし、立下り特性については、最長のデータ間隔を鈍り量の検出ターゲットとすることで、鈍り量の高精度な定量化を行うことができる。
図12は、図1に示したMR最大値算出回路106の構成を示す回路ブロック図である。尚、同図に示す構成は、上述したDETECT_RANGEを「8」に設定したときの例である。
この図に示すように、MR最大値算出回路106は、8個のレジスタ140−1〜140−8と、7個の比較器142−1〜142−7で構成され、データストリームに対応して順次入力された立上り鈍り量MRが8個のレジスタ140−1〜140−8に順次格納され、この各レジスタに格納された値が各比較器142−1〜142−7で比較される。その結果、各比較器142−1〜142−7からは、比較した値のうち大きい方の値が得られ、最終的に鈍り量の最大値MAX_MRが出力される。
図13は、図1に示したMF最大値算出回路108の構成を示す回路ブロック図である。同図に示すように、MF最大値算出回路108は、8個のレジスタ140−1〜140−8と、7個の比較器142−1〜142−7で構成され、データストリームに対応して順次入力された立上り鈍り量MFが8個のレジスタ140−1〜140−8に順次格納され、この各レジスタに格納された値が各比較器142−1〜142−7で比較される。その結果、各比較器142−1〜142−7からは、比較した値のうち大きい方の値が得られ、最終的に鈍り量の最大値MAX_MFが出力される。
図14は、図1に示したモード制御回路110が実行する立上り特性と立下り特性の遷移バランス調整工程の実行手順を示すフローチャートである。同図に示すように、図1に示したモード制御回路110は、立上り特性の調整を行うTRモードと立下り特性の調整を行うTFモードとをそれぞれ実行することで、立上り特性と立下り特性の遷移バランス調整を行う。
具体的には、まず、プリエンファシス波形の初期化を行い(ステップS102)、その後、一定量のショート信号を付加することで立下り特性の高速化を行った後(ステップS104)、徐々にピーキング信号を増加させてゆくことで立下り特性の高速化を行い(ステップS106)、立上り鈍り量の最大値MAX_MRと立下り鈍り量の最大値MAX_MFとの値が同じになった場合には処理を終了し(ステップS108でYES)、立上り鈍り量の最大値MAX_MRと立下り鈍り量の最大値MAX_MFとの値が異なる場合には(ステップS108でNO)、再度立下り特性の調整を行ってMAX_MRとMAX_MFとを一致させる(ステップS110)。
図15は、図1に示したモード制御回路110が実行する立上り特性と立下り特性の遷移バランス調整工程の実行例を示すタイミングチャートである。同図(a)に示すように、プリエンファシス波形が初期化された状態では(図14のステップS102)、LED駆動パルスDRV_OUTには、ピーキング信号もショート信号も付加されておらず、LEDの光出力波形LED_OUTは、立上りおよび立下りの両方に鈍りが生じた状態となる。
その後、同図(b)に示すように、一定量のショート信号IOFを付加することで(図14のステップS104)、立下り特性を十分高速化させた後に、同図(c)に示すように、ピーキング信号IORを付加することで(図14のステップS106)、立上り特性の高速化を行う。
このように、立下り特性を十分高速化させた後に立上り特性の高速化を行う理由は、立下り特性に鈍りが残った状態では、同図(a)に示すように、完全に立ち下がる前に次のパルスが入力されると、同じパルス幅であるにも拘わらず振幅値が変動し、その結果、鈍り検出量が変動する原因となるからである。よって、本装置では、符号間干渉が原因で発生する鈍り検出量の変動を最小限にするために、立下り特性の高速化を立上り特性の高速化に先だって行う。
図16は、図14に示した処理を実行した結果、立上り特性と立下り特性の遷移バランスが取れた状態を示すアイパターン図である。同図に示すように、遷移バランスが調整されると、立上りの鈍り量MRと立下りの鈍り量MFとが等しくなるため、立上り波形IRと立下り波形IFのクロスポイントCPが信号振幅の半分の位置となり、通信品位の良好なアイが開いた特性が得られる。
図17は、図14に示した遷移バランス調整の第1の実行例を示したグラフである。同図に示すように、図14のステップS104で立下り特性の高速化が行われると、同図中の区間「TF_MAX Mode」に示すように、立上り鈍り量の最大値MAX_MRを維持した状態で、立下り鈍り量の最大値MAX_MFが一旦大きく低下する。
その後、図14のステップS106で徐々にピーキング信号を増加させてゆくと、同図中の区間「TR Mode」に示すように、立下り鈍り量の最大値MAX_MFを維持した状態で、立上り鈍り量の最大値MAX_MRが徐々に低下してゆく。この例では、同図中の区間「TR Mode」で立上り鈍り量の最大値MAX_MRの方が立下り鈍り量の最大値MAX_MFと等しくなり(ステップS108)、立下り特性と立上り特性が一致するため処理が終了する。
図18は、図14に示した遷移バランス調整の第2の実行例を示したグラフである。同図に示すように、図14のステップS104で立下り特性の高速化が行われると、同図中の区間「TF_MAX Mode」に示すように、立上り鈍り量の最大値MAX_MRを維持した状態で、立下り鈍り量の最大値MAX_MFが一旦大きく低下する。
その後、図14のステップS106で徐々にピーキング信号を増加させてゆくと、同図中の区間「TR Mode」に示すように、立下り鈍り量の最大値MAX_MFを維持した状態で、立上り鈍り量の最大値MAX_MRが徐々に低下してゆく。この例では、立上り鈍り量の最大値MAX_MRが立下り鈍り量の最大値MAX_MFよりも高い状態で調整の限界がきているため、図14のステップS110では、同図中の区間「TF Mode」に示すように、ショート信号を減少させて立下り特性と立上り特性とを一致させる。
図19は、図14に示したTRモードの詳細な実行手順を示すフローチャートである。同図に示すように、TRモードは、立上り鈍り量の最大値MAX_MRに基づいて、最適なピーキング振幅PPとピーキング幅Lを走査する処理で構成される。
具体的には、まずピーキング振幅PPの初期値を設定可能な最小の値に設定し(ステップS202)、事前に検出された立上り鈍り量の最大値MAX_MRの値をレジスタMR[N]に格納する(ステップS204)。その後、最大限高速化させた立下り動作の鈍り量をターゲットにしつつ(ステップS215)、レジスタMR[N]の内容をレジスタMR[N−1]に待避させた状態で(ステップS206)、ピーキング振幅PPの値を増加させ(ステップS208)、このときのピーキング振幅Lの値を後述する図20(b)および(c)に示す関係式を用いて算出する(ステップS210)。
尚、前述のステップS202で設定するピーキング振幅PPの初期値は、パルス列の最小パルス幅に対するピーキング信号の幅の割合が、パルス列の振幅に対するピーキング信号の振幅の割合よりも大きくなる値を設定すればよく、望ましくは設定可能な最小の値としておく。尚、この関係を式で表現すると、「(ピーキング幅L/パルス列の最小パルス幅)>(ピーキング振幅PP/パルス列の振幅)」となる。
その後、得られたピーキング振幅PPおよび幅Lの条件でLEDを駆動し(ステップS212)、その結果得られた立上り鈍り量の最大値MAX_MRの値を再度レジスタMR[N]に格納する(ステップS214)。そして、レジスタMR[N]とMR[N−1]の値が一致するまで、ステップS206〜S214の処理を繰り返すことで(ステップS216でNO)、最適なピーキング振幅PPと幅Lの値を求める。以下、この処理の考え方について説明を加える。
図20は、図14に示したTRモードで調整されるピーキング信号の決定概念を示す概念図である。同図(a)に示すように、LED駆動パルスに付加されるピーキング信号IORは、ピーキング幅Lとピーキング振幅PPの2つのパラメータで構成され、これらのパラメータは、検出した鈍り量Mから導出することができる。
同図(b)および(c)は、検出した立上り特性の鈍り量からピーキング幅Lとピーキング振幅PPの条件を求めるための関係式であり、同図(a)に示すように、Lをピーキング幅、PPをピーキング振幅、PMを光変調振幅、Vrefを閾値、Nをパルス幅、Mを鈍り量とすると、これらのパラメータを同図(b)および(c)の関係式に代入することで、検出した鈍り量の解消に見合ったピーキング幅Lおよびピーキング振幅PPの関係、即ち、ピーキング信号IORの最適エネルギー量を導き出すことができる。
尚、同図(b)および(c)に示した関係を満たすピーキング振幅PPと幅Lは無数に存在し、これらの関係を満たす条件下で振幅PPが大きければ大きい程、高速化が可能になる。
図21は、ピーキング振幅PPとLEDの飽和特性との関係を示した概念図である。同図(a)に示すように、前述の図20で説明したピーキング信号の最適条件を満たしていたとしても、ピーキング振幅PPが大きすぎると、同図(b)に示すように、LEDの光出力と電流との間には飽和点が存在するため、実際に付加したピーキング振幅PP’は、同図(c)に示すような飽和相当値となる。よって、計算上は最適な補正量であったとしても、実際には補正量が不足することになり、望む特性が得られないことになる。
加えて、前述した図20(b)および(c)で得られた同じエネルギー量のピーキング信号であっても、ピーキング幅Lとピーキング振幅PPとの大小関係で立上り特性が変化するため、これらの最適化も必要となる。
また、LEDにLED飽和電流以上の電流を入力した場合、光出力は電流に対して飽和した状態となり、設定したピーキング振幅PPとピーキング幅Lに対応したピーキング動作を行うことができない。よって、LED飽和電流以上の電流をLEDに入力した場合、立ち上がり動作がそれ以上高速化しなくなる。このときのピーキング幅Lとピーキング振幅PPを最適なピーキング・パラメータとする。
図22は、ピーキング幅Lと、ピーキング振幅PPと、LEDの光出力振幅PLEDとの最適な関係を示す概念図である。同図に示す状態は、ピーキング幅Lとピーキング振幅PPとが最適な値に設定されている場合の例であり、この状態では、ピーキング幅Lの間にLEDの光出力が最大振幅PLEDの90%立ち上がる。このように90%の立上りを最適値と定義した理由は、前述したLEDの飽和点を避けるとともに、後述するように、100%を基準にすると誤差や変動の影響によるオーバーシュートの発生を避けるためである。
図23は、ピーキング幅Lとピーキング振幅PPとの大小関係を変化させたときの立上り特性の変化を示す概念図である。同図(a)は、ピーキング幅Lとピーキング振幅PPとが最適な値に設定されている例であり、図22に示した状態と同じである。TRモードでは、ピーキング幅Lとピーキング振幅PPの関係をこの最適状態に近づける処理を行う。
一方、同図(b)は、ピーキング幅Lを小さく、ピーキング振幅PPを大きく設定した場合の例であり、このような条件下では、光出力の立上りは速くなるもののオーバーシュートが発生してしまうため、この状態からさらに、ピーキング幅Lを大きく、ピーキング振幅PPを小さく設定する必要がある。
他方、同図(c)は、ピーキング幅Lを大きく、ピーキング振幅PPを小さく設定した場合の例であり、このような条件下では、同じピーキング量を与えたとしても光出力の立上りは改善が十分に得られないため、この状態からさらに、ピーキング幅Lを小さく、ピーキング振幅PPを大きく設定する必要がある。
図24は、図20(b)および(c)で求めたLとPPの関係を維持した状態で、図21のI−L特性の非線形性によって決まる最適なPPとLを求める制御工程を示した概念図である。同図に示すように、ピーキング幅Lとピーキング振幅PPとの関係は、図20(b)および(c)で求めたLとPPの関係を維持した状態で、ピーキング幅Lを大きな値から小さな値に変化させるとともに、ピーキング振幅PPを小さな値から大きな値に変化させることで求めることができる。
この工程において、初期値aは、LEDの飽和とオーバーシュートを避けるためにLが大きくPPが小さな値で設定し、その後、図20(b)および(c)の関係を維持しつつ、各値を変化させながらbの状態を経て、図21に示したLEDのI−L特性の非線形性によって決まるcの最適状態を導出する。このcの状態が得られたときのピーキング幅Lとピーキング振幅PPがピーキング信号の最適条件となる。
図25は、図24の制御工程を実行した際のピーキング信号の変化を示した概念図である。同図(a)に示すように、図24の初期状態aでは、ピーキング幅Lが十分大きくピーキング振幅PPが小さいため、立上り特性の改善は不十分であるが、同図(b)に示すように、図24の中間状態bでは、立上り特性がある程度改善され、さらに、同図(c)に示すように、図24の最適状態cでは、立上り波形がピーキング幅Lの間にLED光振幅の90%となるピーキング幅Lおよび振幅PPが得られる。
図26は、図14に示したTFモードの実行手順を示すフローチャートである。同図に示すように、TFモードは、ショート信号IOFを調整することで、立下り鈍り量の最大値MAX_MFと立上がり鈍り量の最大値MAX_MRとを一致させる処理で構成される。
具体的には、まず、図14のステップS104で実行したTF_MAXモードにより得られた立下り鈍り量の最大値MAX_MFを取得し(ステップS302)、この値をTRモードで得られた立上がり鈍り量の最大値MAX_MRと比較する(ステップS304)。
その結果、立下り鈍り量の最大値MAX_MFが立上がり鈍り量の最大値MAX_MRより小さい場合には、ショート信号を減少させた後(ステップS306)、再度LEDを駆動し(ステップS310)、立下り鈍り量の最大値MAX_MFと立上がり鈍り量の最大値MAX_MRとを一致させる。
図27は、図26のTFモードで実行されるショート信号の調整概念を示す概念図である。同図に示すように、ショート信号IOFは、LED駆動パルスDRV_OUTの後端部に所定量の放電パルスとして付加される。
以上説明したように、本発明によれば、通信中またはキャリブレーション動作中のデータパターンを利用したパルス条件の補正を行うことが可能になるため、LEDを用いた高速通信分野への適用が期待される。
本実施形態に係るLED駆動装置の構成を示す回路ブロック図である。 図1に示したLED駆動装置の動作概要を示すタイミングチャートである。 LED駆動パルスDRV_OUTと、LED光出力波形LED_OUTとの関係を示す概念図である。 LED駆動パルスDRV_OUTと、LED光出力波形LED_OUTと、2値化信号COMP_OUTとの関係を参照して鈍り量の概念を示すタイミングチャートである。 閾値Vrefの設定概念を示す概念図である。 図1に示したIR鈍り検出回路102とIF鈍り検出回路104の構成を示す回路ブロック図である。 図6に示したIR鈍り検出回路102の動作を説明するタイミングチャートである。 図6に示したIF鈍り検出回路104の動作を説明するタイミングチャートである。 入力されたデータのパルス幅とLED光出力の立上り振幅との関係を示す概念図である。 鈍り量の定量化精度とパルス幅との関係を示す概念図である。 図1に示したMR最大値算出回路106およびMF最大値算出回路108が実行する入力されたデータ列のうち所定範囲の中から最大量のパルス幅を特定する概念を示す概念図である。 図1に示したMR最大値算出回路106の構成を示す回路ブロック図である。 図1に示したMF最大値算出回路108の構成を示す回路ブロック図である。 図1に示したモード制御回路110が実行する立上り特性と立下り特性の遷移バランス調整工程の実行手順を示すフローチャートである。 図1に示したモード制御回路110が実行する立上り特性と立下り特性の遷移バランス調整工程の実行例を示すタイミングチャートである。 図14に示した処理を実行した結果、立上り特性と立下り特性の遷移バランスが取れた状態を示すアイパターン図である。 図14に示した遷移バランス調整の第1の実行例を示したグラフである。 図14に示した遷移バランス調整の第2の実行例を示したグラフである。 図14に示したTRモードの詳細な実行手順を示すフローチャートである。 図14に示したTRモードで調整されるピーキング信号の決定概念を示す概念図である。 ピーキング振幅PPとLEDの飽和特性との関係を示した概念図である。 ピーキング幅Lと、ピーキング振幅PPと、LEDの光出力振幅PLEDとの関係を示す概念図である。 ピーキング幅Lとピーキング振幅PPとの大小関係を変化させたときの立上り特性の変化を示す概念図である。 図20(b)および(c)で求めたLとPPの関係を維持した状態で、図21のI−L特性の非線形性によって決まる最適なPPとLを求める制御工程を示した概念図である。 図24の制御工程を実行した際のピーキング信号の変化を示した概念図である。 図14に示したTFモードの実行手順を示すフローチャートである。 図26のTFモードで実行されるショート信号の調整概念を示す概念図である。
符号の説明
100…プリエンファシス波形生成部、102…IR鈍り検出回路、104…IF鈍り検出回路、106…MR最大値算出回路、108…MF最大値算出回路、110…モード制御回路、112…TR生成回路、114…TF生成回路、130…遅延器、132…Dフリップフロップ、140…レジスタ、142…比較器、200…LED、202…LEDドライバ、204…光ディテクタ、206…2値化回路、COMP_OUT…2値化信号、DATA_IN…入力データパルス列、DRV_OUT…LED駆動パルス、IF…立下り波形、IR…立上り波形、IOF…ショート信号、IOR…ピーキング信号、LED_OUT…LED光出力波形、MAX_MF…立下り鈍り量の最大値、MAX_MR…立上り鈍り量の最大値、MF…立下り鈍り量、MR…立上り鈍り量、TR…立上り用プリエンファシス波形、TF…立下り用プリエンファシス波形

Claims (11)

  1. 異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列に基づいて発光素子を駆動する発光素子駆動装置において、
    前記パルス列により駆動された発光素子の光出力波形を検出する発光素子出力検出回路と、
    前記光出力波形の鈍り量を検出する鈍り量検出回路と、
    前記鈍り量に基づいて前記パルス列を補正する補正回路と
    を具備することを特徴とする発光素子駆動装置。
  2. 異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列に基づいて発光素子を駆動する発光素子駆動装置において、
    前記パルス列により駆動された発光素子の立上り波形を検出する立上り検出回路と、
    前記パルス列により駆動された発光素子の立下り波形を検出する立下り検出回路と、
    前記立上り波形の鈍り量を検出する立上り鈍り量検出回路と、
    前記立下り波形の鈍り量を検出する立下り鈍り量検出回路と、
    前記立上り鈍り量に基づいて前記パルス列にピーキング信号を付加するピーキング信号生成回路と、
    前記立下り鈍り量に基づいて前記パルス列にショート信号を付加するショート信号生成回路と
    を具備することを特徴とする発光素子駆動装置。
  3. 異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列に基づいて発光素子を駆動する発光素子駆動装置において、
    前記パルス列により駆動された発光素子の光出力波形を検出する発光素子出力検出回路と、
    前記光出力波形を所定の閾値と比較することで2値化信号を生成する2値化回路と、
    前記パルス列に対する前記2値化信号の遅れ時間を検出することで、前記光出力波形の鈍り量を検出する鈍り量検出回路と、
    前記鈍り量に基づいて前記パルス列を補正する補正回路と
    を具備することを特徴とする発光素子駆動装置。
  4. 異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列に基づいて発光素子を駆動する発光素子駆動装置において、
    前記パルス列により駆動された発光素子の光出力波形を検出する発光素子出力検出回路と、
    前記光出力波形を所定の閾値と比較することで2値化信号を生成する2値化回路と、
    前記パルス列を所定時間遅延させた信号と前記2値化信号とを比較することで、前記光出力波形の鈍り量を検出する鈍り量検出回路と、
    前記鈍り量に基づいて前記パルス列を補正する補正回路と
    を具備することを特徴とする発光素子駆動装置。
  5. 異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列に基づいて発光素子を駆動する発光素子駆動装置において、
    前記パルス列により駆動された発光素子の光出力波形を検出する発光素子出力検出回路と、
    前記光出力波形の鈍り量を検出する鈍り量検出回路と、
    前記検出した鈍り量の中から所定の期間内で最大となる鈍り量を抽出する最大値算出回路と、
    前記抽出した鈍り量の最大値に基づいて前記パルス列を補正する補正回路と
    を具備することを特徴とする発光素子駆動装置。
  6. 異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列に基づいて発光素子を駆動する発光素子駆動装置において、
    前記パルス列により駆動された発光素子の立上り波形を検出する立上り検出回路と、
    前記パルス列により駆動された発光素子の立下り波形を検出する立下り検出回路と、
    前記立上り波形の鈍り量を検出する立上り鈍り量検出回路と、
    前記立下り波形の鈍り量を検出する立下り鈍り量検出回路と、
    前記立上り波形の鈍り量と前記立下り波形の鈍り量との遷移バランスを調整する遷移バランス調整回路と
    を具備することを特徴とする発光素子駆動装置。
  7. 異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列に基づいて発光素子を駆動する発光素子駆動方法において、
    前記パルス列により駆動された発光素子の光出力波形から該光出力波形の鈍り量を検出し、該鈍り量に基づいて前記パルス列を補正することを特徴とする発光素子駆動方法。
  8. 異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列に基づいて発光素子を駆動する発光素子駆動方法において、
    前記パルス列により駆動された発光素子の立上り波形および立下り波形をそれぞれ検出する工程と、
    前記各検出波形から立上り波形の鈍り量および立下り波形の鈍り量をそれぞれ検出する工程と、
    前記パルス列に対して、前記立下り波形の鈍り量を低下させる補正を行った後に、前記立上り波形の鈍り量を低下させる補正を行う工程と
    を具備することを特徴とする発光素子駆動方法。
  9. 異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列に基づいて発光素子を駆動する発光素子駆動方法において、
    前記パルス列に所定量のショート信号を付加する工程と、
    前記ショート信号が付加されたパルス列にて前記発光素子を駆動したときの該発光素子の立下り波形を検出する工程と、
    前記立下り波形から該立下り波形の鈍り量を検出する工程と、
    前記ショート信号が付加されたパルス列にて前記発光素子を駆動したときの該発光素子の立上り波形を検出する工程と、
    前記立上り波形から該立上り波形の鈍り量を検出する工程と、
    前記立下り波形の鈍り量と前記立上り波形の鈍り量とを比較する工程と、
    前記比較の結果に基づいて前記パルス列にピーキング信号を付加する工程と
    を具備することを特徴とする発光素子駆動方法。
  10. 異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列に基づいて発光素子を駆動する発光素子駆動方法において、
    前記パルス列により駆動された発光素子の立上り波形および立下り波形をそれぞれ検出する工程と、
    前記各検出波形から立上り波形の鈍り量および立下り波形の鈍り量をそれぞれ検出する工程と、
    前記立上り波形の鈍り量と前記立下り波形の鈍り量とのバランスが取れるまで、前記パルス列に対する補正を繰り返す工程と
    を具備することを特徴とする発光素子駆動方法。
  11. 異なる複数種のパルス幅が混在したパルス列に基づいて発光素子を駆動する発光素子駆動方法において、
    前記パルス列により駆動された発光素子の立上り波形を検出する工程と、
    前記各検出波形から立上り波形の鈍り量を検出する工程と、
    前記立上り波形の鈍り量に基づいて前記パルス列に付加するピーキング信号の幅と振幅の関係を求める工程と、
    前記ピーキング信号の幅と振幅の関係を満たす条件において、前記パルス列の最小パルス幅に対する前記ピーキング信号の幅の割合が、前記パルス列の振幅に対する前記ピーキング信号の振幅の割合よりも大きくなるピーキング信号を前記パルス列に付加する工程と、
    前記ピーキング信号が付加されたパルス列で駆動された発光素子の立上り波形が前記ピーキング幅の間に所定比率立ち上がる結果が得られるまで、前記ピーキング信号の幅を徐々に減少させつつ、前記ピーキング信号の振幅を徐々に増加させる工程と
    を具備することを特徴とする発光素子駆動方法。
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