JP2006073334A - 燃料電池用セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】気体不透過性、導電性に優れ、軽量性や、大きい曲げ強度、耐衝撃性、薄くて可撓性の大きい、燃料電池用セパレータを提供する。
【解決手段】粉末状炭素、繊維径0.5〜500nm、繊維長1000μm以下であり、かつ、中心軸が空洞構造からなる微細炭素繊維、及び熱可塑性樹脂を含み、微細炭素繊維が熱可塑性樹脂100重量部に対して10〜300部含む組成物を成形してなることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
【選択図】なし

Description

本発明は、気体不透過性、導電性に優れ、軽量性や、大きい曲げ強度、耐衝撃性などが要求され、薄くて可撓性の大きい、特に自動車などの移動体に適した燃料電池用セパレータに関する。
近年、環境問題、エネルギー問題の観点から燃料電池が、水素と酸素を使用して水の電気分解の逆反応で発電し、水以外の排出物がなくクリーンな発電装置として注目されている。なかでも、固体高分子型燃料電池は、低温で作動するため、自動車や民生用として最も有望である。この燃料電池は、高分子固体電解質膜、ガス拡散電極、触媒、及びセパレータから構成された単セルを、例えば自動車用では通常400〜800枚という極めて多数積層することによって高出力の発電が達成できる。
この単セルを仕切るために用いられるセパレータは、通常、燃料ガスと酸化剤ガスが供給される溝があり、これら2種のガスを完全に分離できる高い気体不透過性が要求され、また、内部抵抗を小さくするために高い導電性が要求される。さらに、近年、燃料電池を自動車などの移動体に搭載する必要から、その軽量性や、大きい曲げ強度、衝突時に備えた耐衝撃性などが要求され、薄くて可撓性の大きいセパレ−タが切望されている。
従来、多くの燃料電池用のセパレータは、気体不透過性や高い導電性のために金属や炭素材料の両面から検討されてきた。金属は耐食性の問題から、表面に貴金属や炭素を被覆させる試みがされてきたが、十分な耐久性が得られず、さらに被覆にかかる製造上のコストが問題になる。
一方、炭素材料としては、黒鉛などの炭素質粉末に結合材である樹脂を含浸させ硬化させた複合材料の成形体などが使用され、現在の主流となっている。例えば、特許文献1には、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂と黒鉛、カーボンからなるセパレータが開示される。特許文献2には、フェノール樹脂、フラン樹脂等の熱硬化性樹脂に膨張黒鉛及びカーボンブラックを配合してなるセパレータが開示されている。特許文献3にはフェノール樹脂をセパレータ形状の金型に射出成形し、焼成することが開示されている。
しかしながら、これら従来の炭素−樹脂の複合材料の成形体の燃料電池セパレータは、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が使用されている。このため、硬化処理工程が必要とし製造上のコスト高になるのみならず、熱硬化性樹脂は一般に硬質で割れ易く、比重も大きく、脆性的破壊を引き起こし、また、フレキシブルでないなど、特に上記した車両用の燃料電池用セパレータとしては不適切であった。
特公平6−22136号公報 特開平1−311570号公報 特開2001−68128号公報
本発明の目的は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、従来にない、気体不透過性、導電性に優れ、軽量性や、大きい曲げ強度、衝突時に備えた耐衝撃性などが要求され、薄くて可撓性の大きい、特に自動車などの移動体に適した燃料電池用セパレータを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため、炭素材料と樹脂の複合材料における熱硬化性樹脂の代わりに熱可塑性樹脂に注目し、炭素材料と熱可塑性樹脂の複合材料の燃料電池用セパレータの開発を目指した。しかし、熱可塑性樹脂に対し、燃料電池用セパレータに要求されるような量の炭素質粉末を混合した場合には、熱可塑性樹脂の溶融時の流動性が極めて乏しくなり実質上成形できないことを見出した。
本発明では、この問題を解決するため研究を進めたところ、熱可塑性樹脂に混合する炭素材料として、繊維径0.5〜500nm、繊維長1000μm以下であり、かつ、中心軸が空洞構造からなる微細炭素繊維を使用したところ、該微細炭素繊維を含む熱可塑性樹脂は、その溶融時における流動性が大きく向上することが見出された。また、この熱可塑性樹脂の流動性の向上は、炭素材料として、炭素長繊維、さらには炭素粉末を併用する場合にも保持されることが見出された。
これにより、本発明では、熱可塑性樹脂の有する比重が小さく、フレキシブルで、柔軟性がある性質を保持するために、気体不透過性、導電性に優れ、軽量性や、大きい曲げ強度、耐衝撃性、薄くて可撓性の大きい、特に自動車などの移動体に適した燃料電池用セパレータが提供される。
かくして、本発明は、下記の要旨を有するものである。
(1)、繊維径0.5〜500nm、繊維長1000μm以下であり、かつ、中心軸が空洞構造からなる微細炭素繊維、及び熱可塑性樹脂を含み、微細炭素繊維が熱可塑性樹脂100重量部に対して10〜300重量部含む組成物を成形してなることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
(2)前記組成物が、さらに、炭素繊維を熱可塑性樹脂100重量部に対し、100重量部以下含む上記(1)に記載の燃料電池用セパレータ。
(3)前記組成物が、さらに、黒鉛粉末を熱可塑性樹脂100重量部に対し、100重量部以下含む上記(1)又は(2)に記載の燃料電池用セパレータ。
(4)微細炭素繊維が気相法による炭素繊維、及び/又はカーボンナノチューブである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
(5)炭素繊維が、PAN系炭素繊維又はピッチ系炭素繊維である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
(6)成形が、プレス成形又は射出成形である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
(7)厚みが1.0mm以下、電気抵抗が40mΩcm以下、水素透過性が10-7cm3/cm2・sec以上である可撓性の薄いシートからなる上記(1)〜(6)のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
本発明によれば、比重が小さく、フレキシブルで、柔軟性を有するという熱可塑性樹脂の有する性質を保持するために、気体不透過性、導電性に優れ、軽量性や、大きい曲げ強度、耐衝撃性、薄くて可撓性の大きい、燃料電池用セパレータが提供される。
特に、本発明によれば、薄くて軽量であるため燃費上も好ましく、万一の衝突時の耐衝撃性も大きく、またボルトによる締め付けにも耐える可撓性が大きく組み立て性に優れるため、特に、自動車などの移動体に適した燃料電池用のセパレータが提供される。
さらに、本発明による燃料電池用のセパレータは、硬化処理工程も必要とせず、プレス成形や射出成形などによる成形性に優れ、また、機械的強度に優れるために、成形後に溝を形成するなどの処理も可能であり、製造上も有利である。
本発明の燃料電池用のセパレータに使用される熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ナイロン(6、6/6、6/10、6/12、111、12など)ポリアミド樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリウレタン、フッ素樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトンなどが挙げられる。なかでも軽量性、耐薬品性に優れたポリオレフィン樹脂が好ましい。
本発明で使用される微細炭素繊維としては、繊維径0.5〜500nm、繊維長1000μm以下で、好ましくはアスペクト比3〜1000を有する、好ましくは炭素六角網面からなる円筒が同心円状に配置された多層構造を有し、その中心軸が空洞構造の微細炭素繊維が使用される。かかる微細炭素繊維は、従来のPAN、ピッチ、セルロース、レーヨンなどの繊維を熱処理することによって得られる、繊維径が5〜15μmの従来のカーボンファイバーとは大きく異なるものである。本発明で使用される微細炭素繊維は、従来のカーボンファイバーと比べて繊維径や繊維長さが異なるだけでなく、構造的にも大きく異なっている。この結果、導電性、熱伝導性などの物性の点で極めて優れるものである。
上記微細炭素繊維は、その繊維径が0.5nmより小さい場合には、得られる複合材料の強度が不十分になり、500nmより大きいと、機械的強度、熱伝導性などが低下する。また、繊維長が1000μmより大きい場合には、微細炭素繊維が均一に分散し難くなるため、材料の組成が不均一になり、得られるセパレータの機械的強度が低下する。本発明で使用される微細炭素繊維は、繊維径が10〜200nm、繊維長が3〜300μm、好ましくはアスペクト比が3〜500を有するものが特に好ましい。なお、本発明において微細炭素繊維の繊維径や繊維長は、電子顕微鏡により測定することができる。
本発明で使用される好ましい微細炭素繊維は、カーボンナノチューブである。このカーボンナノチューブは、グラファイトウイスカー、フィラメンタスカーボン、炭素フィブリルなどとも呼ばれているもので、チューブを形成するグラファイト膜が一層である単層カーボンナノチューブと、多層である多層カーボンナノチューブとがあり、本発明ではそのいずれも使用できる。しかし、多層カーボンナノチューブの方が、大きい機械的強度が得られるとともに経済面でも有利であり好ましい。
カーボンナノチューブは、例えば、「カーボンナノチュ−ブの基礎」(コロナ社発行、23〜57頁、1998年発行)に記載されるようにアーク放電法、レーザ蒸発法及び熱分解法などにより製造される。カーボンナノチューブは、繊維径が好ましくは0.5〜500nm、繊維長が好ましくは1〜500μm、好ましくはアスペクト比が3〜500のものである。
本発明において特に好ましい微細炭素繊維は、上記カーボンナノチューブのうちで繊維径と繊維長が比較的大きい気相法炭素繊維である。このような気相法炭素繊維は、VGCF(Vapor Grown Carbon Fiber)とも呼ばれ、特開2003−176327号公報に記載されるように、炭化水素などのガスを有機遷移金属系触媒の存在下において水素ガスとともに気相熱分解することによって製造される。この気相法炭素繊維(VGCF)は、繊維径が好ましくは50〜300nm、繊維長が好ましくは3〜300μm、好ましくはアスペクト比が3〜500のものである。そして、このVGCFは、製造しやすさや取り扱
い性の点で優れている。
本発明で使用される微細炭素繊維は、2300℃以上、好ましくは2500〜3500℃の温度で非酸化性雰囲気にて熱処理することが好ましく、これにより、その表面が黒鉛化され、機械的強度、化学的安定性が大きく向上し、得られる複合材料の軽量化に貢献する。非酸化性雰囲気は、アルゴン、ヘリウム、窒素ガスが好ましく使用される。
本発明において上記の微細炭素繊維は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、10〜300重量部混合される。微細炭素繊維の量が10重量部よりも小さい場合には、電気抵抗が大きくなり、逆に300重量部を超える場合には、成形性が悪くなり、本発明の目的に合致するセパレータは得られない。なかでも、微細炭素繊維は、熱可塑性樹脂に100重量部に対し、好ましくは15〜280重量部、特に好ましくは50〜275重量部混合される。
本発明セパレータには、炭素材料として、上記の微細炭素繊維に加えて、好ましくは炭素長繊維を含有することができる。炭素長繊維を含有することにより、セパレータの強度を向上させるという利点があり、さらには、高価な微細炭素繊維の使用量を減らせるのでコスト的にも有利である。炭素長繊維は、熱可塑性樹脂に100重量部に対し100重量部以下混合される。炭素長繊維の量が100重量部を超える場合には、成形性が悪くなり好ましくない。
炭素長繊維としては、PAN系、ピッチ系、その他の炭素繊維の何れでもよいが、直径が好ましくは5〜15μm、特に好ましくは7〜12μmのものが好適である、また、その長さは、好ましくは0.1〜10mm、特に好ましくは1〜5mmである。なかでも、熱伝導率が高いピッチ系炭素繊維、特に、高性能のメソフェーズピッチ系炭素繊維が好ましい。
本発明のセパレータには、さらに、炭素材料として、上記の微細炭素繊維,及び炭素長繊維に加えて、又は、炭素長繊維に代えて、より好ましくは炭素質粉末を含有することができる。炭素質粉末を含有させることにより、電気抵抗をさらに低くすることができる利点があり、さらには、高価な微細炭素繊維の使用量を減らせるのでコスト的にも有利である。炭素質粉末は、熱可塑性樹脂に100重量部に対し、100重量部以下混合される。量が100重量部を超える場合には、成型性が悪くなり好ましくない。
素質粉末としては、黒鉛が好ましい。黒鉛としては、灰分を除去した天然黒鉛も使用することができるが、コークスを例えば2500〜3000℃の温度に加熱して得られる人造黒鉛粉末が好ましい。炭素粉末のサイズは平均粒径150μm以下が好ましく、0.5〜150μmがより好ましい。黒鉛粉末としては、平均粒径が好ましくは0.1〜150μm、面間隔(d002)が好ましくは3.354〜3.380Åの黒鉛微粉である。
本発明のセパレータを形成する熱可塑性樹脂、微細炭素繊維、好ましくは、さらに炭素長繊維及び/又は炭素質粉末を含む組成物を得るには、上記各成分をロール、押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー等の樹脂分野で一般的に用いられている混合機、混練機を使用し、なるべく均一に混合させるのが好ましい。
得られた組成物から燃料電池用セパレータを得るために、プレス成形、射出成形、押出し成形、ロール、カレンダー等などの適宜の成形法により熱可塑性樹脂の温度に応じた温度にて所定の厚み、幅のシートに成形する。本発明で特徴的なことは、このシートの厚みを従来の熱硬化性樹脂の場合の1.0〜7.0mmに比べて極めて小さくでき、例えば、0.2〜1.0mmにできる。このような薄いシートのために、シートは軽量でフレキシブルであるが、それにも拘わらず、熱可塑性樹脂のために曲げ強度も衝撃強度も大きい。
なお、シートの厚みを精度良く成形するためには、シートに成形後、ロールやカレンダーで圧延することが好ましい。シート中のボイドやエアーをなくすためには、真空状態で押出成形することもできる。ロールを用いる場合は、組成物を等速で回転する2本ロールに投入し、シート化する。
上記の如くして得られたシートから燃料電池用セパレータを作製する場合、例えば、得られたシートを目的の大きさにカット、又は打ち抜き、次いでプレスなどによりシートの両面に溝加工できる。この溝加工においても、本発明では、シートは軽量フレキシブルであり、かつ曲げ強度も衝撃強度も大きいために容易に実施できる。従来の熱硬化性樹脂のシートでは溝つき金型を使用した圧縮成型で実施せざるを得なかったものである。
かくして得られる本発明の燃料電池用セパレータは、優れた特性を有し、体積固有抵抗は40mΩcm以下、更には30mΩcm以下を有する。熱伝導率は1.0W/m・K以上が好ましく、より好ましくは4.0W/m・K以上であり、とりわけ10W/m・K以上が好適である。また、セパレータとしての重要な特性値である水素透過性は10-7cm3/cm2・sec以下、とりわけ6×10-8cm3/cm2・sec以下に小さくできる。
以下に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は実施例になんら限定して解釈されるものではない。なお、以下において、例1〜3は本発明の実施例であり、例4〜7は比較例である。
また、電気抵抗値は、2mm×2mm×100mmの試験片を4端子法で測定し、水素透過性はJISK7126(差圧法)に準じて測定した。
例1
ポリプロピレン樹脂(ブロックコポリマータイプ)を100重量部と、繊維径が150nm、繊維長が15μm、アスペクト比が30の気相法炭素繊維をアルゴンガス雰囲気中、温度2800℃で30分間、加熱処理して黒鉛化した微細炭素繊維を100重量部を高温ニーダーで、温度130℃、回転数120rpmの条件で10分間混練し、両者が均一な樹脂混合物を得た。この混合物を射出成型により、縦50mm、横90mm、厚み3mmのプレート状成形物を得た。この成形物について3点曲げ試験機により2%の歪を負荷した場合の可撓性を試験したところ、塑性変形を全く起こさず、良好であった。
更に、上記の均一な樹脂混合物を温度130℃のロールで成形し、厚さ0.3mmのシート状成形物を得た。このシート状成形物の電気抵抗値は、28mΩcm、水素ガス透過性は、5×10-8cm3/cm2・secであり、燃料電池用セパレート用の材料として良好な性能を有していた。
例2
例1において、微細炭素繊維100重量部の代わりに、同じ微細炭素繊維を50重量部と炭素繊維(日本グラファイトファイバー社製、XN−80(繊維径10μm、繊維長3mm)を50重量部を使用した以外は、例1と同様に実施して、同じサイズのシート状成形物を得た。このシート状成形物の電気抵抗値は、24mΩcm、水素ガス透過性は、6×10-8cm3/cm2・secであった。
例3
例1において、ポリプロピレン樹脂100重量部、微細炭素繊維75重量部と、炭素長繊維(日本グラファイトファイバー社製、商品名:XN80、繊維径10μm、繊維長3mm)を37.5重量部と、黒鉛粉末(FJコンポジット社製、平均粒径17μm)を37.5重量部を使用した以外は、例1と同様に実施して、同じサイズのシート状成形物を得た。このシート状成形物の電気抵抗値は、12mΩcm、水素ガス透過性は、6×10-8cm3/cm2・secであった。
例4
例1において、微細炭素繊維100重量部の代わりに、炭素長繊維(日本グラファイトファイバー社製、商品名:XN−80、繊維径10μm、繊維長3mm)を100重量部を使用した以外は、例1と同様に実施して、同じサイズのシート状成形物を得た。このシート状成形物の電気抵抗値は、45mΩcm、水素ガス透過性は、4×10-8cm3/cm2・secであった。
例5
例1において、微細炭素繊維100重量部の代わりに、黒鉛粉末(FJコンポジット社製、平均粒径17μm)を100重量部使用した以外は、例1と同様に実施して、同じサイズのシート状成形物を得た。このシート状成形物の電気抵抗値は、100mΩcm、水素ガス透過性は、2×10-8cm3/cm2・secであった。
例6
例1において、ポリプロピレン樹脂100重量部と微細炭素繊維を400重量部に変えた以外は、例1と同様に実施した。成型性は悪かったが、同じサイズのシート状成形物を得た。このシート状成形物の電気抵抗値は、20mΩcm、水素ガス透過性は、5×10-6cm3/cm2・secであった。また可撓性試験では2%の歪みに耐えず破断した。
例7
例1において、ポリプロピレン樹脂100重量部と微細炭素繊維を5.5重量部使用した以外は、例1と同様に実施して、同じサイズのシート状成形物を得た。このシート状成形物の電気抵抗値は、1000mΩcm、水素ガス透過性は、4×10-9cm3/cm2・secであった。
例1〜7の実施内容及び結果を下記の表1に纏めて示した。
Figure 2006073334

Claims (7)

  1. 繊維径0.5〜500nm、繊維長1000μm以下を有し、かつ中心軸が空洞構造からなる微細炭素繊維及び熱可塑性樹脂を含み、微細炭素繊維が熱可塑性樹脂100重量部に対して10〜300重量部含む組成物を成形してなることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  2. 前記組成物が、さらに、炭素長繊維を熱可塑性樹脂100重量部に対し、100重量部以下含む請求項1に記載の燃料電池用セパレータ。
  3. 前記組成物が、さらに、黒鉛粉末を熱可塑性樹脂100重量部に対し、100重量部以下重量部含む請求項1又は2に記載の燃料電池用セパレータ。
  4. 微細炭素繊維が気相法による微細炭素繊維、及び/又はカーボンナノチューブである請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
  5. 炭素繊維が、PAN系炭素繊維又はピッチ系炭素繊維である請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
  6. 成形が、プレス成形又は射出成形である請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
  7. 厚みが1.0mm以下、電気抵抗が40mΩcm以下、水素透過性が10-7cm3/cm2・sec以下である可撓性の薄いシートからなる請求項1〜6のいずれかに記載の燃
    料電池用セパレータ。
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