JP2006072191A - 一心双方向光送受信モジュール及びそれを用いた双方向光通信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 光ファイバ型カプラを利用して、光ファイバ型部品の利点を生かしつつ、高機能な一心双方向光送受信特性を得ることができる一心双方向光送受信モジュールの提供。
【解決手段】 少なくとも入出力用ピグテールファイバ22と入力用ピグテールファイバ23と出力用ピグテールファイバ24とを有する光ファイバ型カプラと、該光ファイバ型カプラの入力用ピグテールファイバ及び出力用ピグテールファイバに接続されたフェルール25,26と、発光素子を有し入力側のフェルールとメカニカル接続される光送信モジュール部と、受光素子を有し出力側のフェルールとメカニカル接続される光受信モジュール部と、該光受信モジュール部内のピグテールファイバ端面と受光素子の間にこれらの光軸に対し略垂直に設けられた誘電体多層膜フィルタ33とを備えたことを特徴とする一心双方向光送受信モジュール20。
【選択図】 図1
【解決手段】 少なくとも入出力用ピグテールファイバ22と入力用ピグテールファイバ23と出力用ピグテールファイバ24とを有する光ファイバ型カプラと、該光ファイバ型カプラの入力用ピグテールファイバ及び出力用ピグテールファイバに接続されたフェルール25,26と、発光素子を有し入力側のフェルールとメカニカル接続される光送信モジュール部と、受光素子を有し出力側のフェルールとメカニカル接続される光受信モジュール部と、該光受信モジュール部内のピグテールファイバ端面と受光素子の間にこれらの光軸に対し略垂直に設けられた誘電体多層膜フィルタ33とを備えたことを特徴とする一心双方向光送受信モジュール20。
【選択図】 図1
Description
本発明は、一本の光ファイバを用い、送信と受信で異なる波長の光信号を用いる光通信システムの送受信部に使用される一心双方向光送受信モジュール及びそれを用いた双方向光通信システムに関する。本発明の一心双方向光送受信モジュールは、光ファイバ型カプラを利用して、光ファイバ型部品の利点を生かしつつ、高機能な一心双方向光送受信を得ることができる。
従来、一心双方向光送受信モジュールとしては、(1)光ファイバ型カプラを使用したもの、(2)45度配置の誘電体多層膜フィルタを使用したもの(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
前記(1)光ファイバ型カプラを使用した一心双方向光送受信モジュールは、図2に示すように、光ファイバ型カプラとしてのWDM光ファイバカプラ1と、その入力用ピグテールファイバ3に接続された発光素子を有する光送信モジュール部5と、出力用ピグテールファイバ4に接続された受光素子を有する光受信モジュール部6とから構成されている。WDM光ファイバカプラ1の入出力用ピグテールファイバ2には、送受信用光ファイバが接続される。また、ピグテールファイバ3,4と光送信モジュール部5及び光受信モジュール部6からの光ファイバとは融着接続部7によって接続されている。この一心双方向光送受信モジュールは、送受信用光ファイバを通して送られる信号がWDM光ファイバカプラ1によって出力用ピグテールファイバ4側を通して光受信モジュール部6に送られ、光送信モジュール部5から入力用ピグテールファイバ3を通して送られる受信信号と異なる波長の送信信号は、WDM光ファイバカプラ1によって送受信用光ファイバに結合され、一心双方向光送受信を行えるようになっている。
前記(2)45度配置の誘電体多層膜フィルタを使用した一心双方向光送受信モジュールは、送信用レーザーダイオード(以下、LDと記す。)11からの光信号を光ファイバ10に導くと共に、光ファイバ10を通して送られてきた光信号を受信用フォトダイオード(以下、PDと記す。)12に導くために、光ファイバ10とLD11、PD12の間に誘電体多層膜フィルタ13を配置し、それぞれの波長の違いにより光信号の経路を分けるように構成されている。例えば、LD11からの信号光は、誘電体多層膜フィルタ13を透過して光ファイバ10へ結合され、光ファイバ10からの信号光は、誘電体多層膜フィルタ13で反射されてPD12へ導かれる。但し、光ファイバ10からの信号光や、LD11からの信号光は、そのままでは広がりが大きいため、図3に示すように誘電体多層膜フィルタ13の他に1つ以上のレンズ14,15を加えることで集光することが一般的である。
特許第2757350号公報
(1)の一心双方向光送受信モジュールにおいて、一般にWDM光ファイバカプラ1では、アイソレーションが波長に対してsin2特性を持つため、広い波長帯域で高いアイソレーションを確保することが困難である。特に、ITU−T Recommendation G983.3で規定される光加入者終端装置の受信側のように、1260〜1360nm、1550〜1560nm、1650nm〜1660nmといった広い波長帯域に渡って十分なアイソレーションを確保するのは実際上極めて難しい。対策としては、例えばWDM光ファイバカプラ1と光受信モジュール部6の間にインラインフィルタを融着等で挿入すること、あるいはWDM光ファイバカプラ1を多段に重ねることが考えられるが、そのような方法では光ファイバの取り回しや融着が必要となり、その結果、光送受信モジュール全体の寸法が大きくなる、製造の工数が増加するといった問題が生じる。
また、前述のような一心双方向光送受信モジュールは、元々WDM光ファイバカプラ1のピグテールファイバ3,4と光送信モジュール部5、光受信モジュール部6とをそれぞれ融着して接続するため、製造にかかる工数が多いほか、実装面積も大きくなるという問題がある。
また、前述のような一心双方向光送受信モジュールは、元々WDM光ファイバカプラ1のピグテールファイバ3,4と光送信モジュール部5、光受信モジュール部6とをそれぞれ融着して接続するため、製造にかかる工数が多いほか、実装面積も大きくなるという問題がある。
また、(2)の一心双方向光送受信モジュールにおいて、該モジュールは寸法としては非常に小さく構成でき、実装面積も小さくて済むが、LD11とPD12の光軸が直角になるように実装し、さらにこれらと45度をなすように誘電体多層膜フィルタ13を実装する必要があり、製造工程が極めて複雑であるとともに、使用する部材も精密加工が必要となり、製造コストが嵩む問題がある。また、レンズ系を使用する場合、光ファイバと受光素子の間に45度配置の誘電体多層膜フィルタ13を入れる空間が必要となるため、光学系設計の自由度が低いという問題がある。
本発明は前記事情に鑑みてなされ、光ファイバ型カプラを利用して、光ファイバ型部品の利点を生かしつつ、高機能な一心双方向光送受信特性を得ることができる一心双方向光送受信モジュールの提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、少なくとも入出力用ピグテールファイバと入力用ピグテールファイバと出力用ピグテールファイバとを有する光ファイバ型カプラと、該光ファイバ型カプラの入力用ピグテールファイバ及び出力用ピグテールファイバに接続されたフェルールと、発光素子を有し入力側のフェルールとメカニカル接続される光送信モジュール部と、受光素子を有し出力側のフェルールとメカニカル接続される光受信モジュール部と、該光受信モジュール部内のピグテールファイバ端面と受光素子の間にこれらの光軸に対し略垂直に設けられた誘電体多層膜フィルタとを備えたことを特徴とする一心双方向光送受信モジュールを提供する。
本発明の一心双方向光送受信モジュールにおいて、前記誘電体多層膜フィルタが、前記フェルールの端面に接着固定されていることが好ましい。
本発明の一心双方向光送受信モジュールにおいて、前記誘電体多層膜フィルタの接着固定に用いる接着剤が、前記ピグテールファイバと誘電体多層膜フィルタと同等又はこれらの中間の屈折率を有していることが好ましい。
また本発明は、前述した本発明に係る一心双方向光送受信モジュールと、該一心双方向光送受信モジュールの入出力用ピグテールファイバに接続された送受信用光ファイバとを有することを特徴とする双方向光通信システムを提供する。
本発明の一心双方向光送受信モジュールは、光ファイバ型カプラを用いた一心双方向光送受信モジュールにおいて、光受信モジュール部内のピグテールファイバ端面と受光素子の間にこれらの光軸に対し略垂直に誘電体多層膜フィルタを設けた構成としたので、光ファイバ型カプラ単独では不足するアイソレーションを確保できる。
また、入力用ピグテールファイバ及び出力用ピグテールファイバのそれぞれの端部にフェルールを接続し、これらのフェルールを光送信モジュール部と光受信モジュール部にメカニカル接続する構成としたので、光送信モジュール部と光受信モジュール部を同軸型の構造とすることにより、受発光素子を調心固定する作業をする際、光ファイバ型カプラを調心装置にセットする必要がなくなり、光ファイバ型カプラが破損し難くなる。これにより、各ピグテールファイバの加工形状について、調心固定作業の影響を考慮する必要がなくなり、ピグテールファイバの許容曲げ径による制約が許す範囲で光ファイバ型カプラと光送信モジュール部、光受信モジュール部の間の距離を短くすることができる。
また、調心の自由度が増し、例えば受発光素子を画像観察しながら調心を行う画像調心も可能となる。
また、発光素子調心と受光素子調心を別々の装置で行ってから、まとめて光ファイバ型カプラとの組み立てを行うことで、全体の製作にかかる時間を短縮できる。
また、誘電体多層膜フィルタを光受信モジュール部内のフェルール端面に接着固定したことによって、光受信モジュール部内に該誘電体多層膜フィルタを保持するための構造が不要となり、同軸型構造を生かしたままで光受信モジュール部内に誘電体多層膜フィルタを挿入できる。
また、ピグテールファイバ端面に最も近い場所に誘電体多層膜フィルタを取り付けることになるため、誘電体多層膜フィルタの面積が最小で済む。
また、誘電体多層膜フィルタの接着固定に用いる接着剤として、ピグテールファイバと誘電体多層膜フィルタと同等又はこれらの中間の屈折率を有する接着剤を用いることで、ファイバ端面などでの反射を抑制できる。
また、本発明の双方向光通信システムは、前述した本発明に係る一心双方向光送受信モジュールと、該一心双方向光送受信モジュールの入出力用ピグテールファイバに接続された送受信用光ファイバとを有する構成としたので、小型、高性能で安価な双方向光通信システムを実現できる。
また、入力用ピグテールファイバ及び出力用ピグテールファイバのそれぞれの端部にフェルールを接続し、これらのフェルールを光送信モジュール部と光受信モジュール部にメカニカル接続する構成としたので、光送信モジュール部と光受信モジュール部を同軸型の構造とすることにより、受発光素子を調心固定する作業をする際、光ファイバ型カプラを調心装置にセットする必要がなくなり、光ファイバ型カプラが破損し難くなる。これにより、各ピグテールファイバの加工形状について、調心固定作業の影響を考慮する必要がなくなり、ピグテールファイバの許容曲げ径による制約が許す範囲で光ファイバ型カプラと光送信モジュール部、光受信モジュール部の間の距離を短くすることができる。
また、調心の自由度が増し、例えば受発光素子を画像観察しながら調心を行う画像調心も可能となる。
また、発光素子調心と受光素子調心を別々の装置で行ってから、まとめて光ファイバ型カプラとの組み立てを行うことで、全体の製作にかかる時間を短縮できる。
また、誘電体多層膜フィルタを光受信モジュール部内のフェルール端面に接着固定したことによって、光受信モジュール部内に該誘電体多層膜フィルタを保持するための構造が不要となり、同軸型構造を生かしたままで光受信モジュール部内に誘電体多層膜フィルタを挿入できる。
また、ピグテールファイバ端面に最も近い場所に誘電体多層膜フィルタを取り付けることになるため、誘電体多層膜フィルタの面積が最小で済む。
また、誘電体多層膜フィルタの接着固定に用いる接着剤として、ピグテールファイバと誘電体多層膜フィルタと同等又はこれらの中間の屈折率を有する接着剤を用いることで、ファイバ端面などでの反射を抑制できる。
また、本発明の双方向光通信システムは、前述した本発明に係る一心双方向光送受信モジュールと、該一心双方向光送受信モジュールの入出力用ピグテールファイバに接続された送受信用光ファイバとを有する構成としたので、小型、高性能で安価な双方向光通信システムを実現できる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一心双方向光送受信モジュールの一実施形態を示す構成図であり、図中符号20は一心双方向光送受信モジュール、21は光ファイバ型カプラとして用いたWDM光ファイバカプラ、22は入出力用ピグテールファイバ、23は入力用ピグテールファイバ、24は出力用ピグテールファイバ、25及び26はフェルール、27は発光素子としてのLD、28は光送信モジュール部としてのTOSA(Transmitter Optical Sub-Assembly)、29はTOSA用バレル部材、30は受光素子としてのPD、31は光受信モジュール部としてのROSA(Receiver Optical Sub-Assembly)、32はROSA用バレル部材、33は誘電体多層膜フィルタとしてのバンドパスフィルタ、34は入出力用ピグテールファイバ22に成端された光コネクタである。
図1は、本発明の一心双方向光送受信モジュールの一実施形態を示す構成図であり、図中符号20は一心双方向光送受信モジュール、21は光ファイバ型カプラとして用いたWDM光ファイバカプラ、22は入出力用ピグテールファイバ、23は入力用ピグテールファイバ、24は出力用ピグテールファイバ、25及び26はフェルール、27は発光素子としてのLD、28は光送信モジュール部としてのTOSA(Transmitter Optical Sub-Assembly)、29はTOSA用バレル部材、30は受光素子としてのPD、31は光受信モジュール部としてのROSA(Receiver Optical Sub-Assembly)、32はROSA用バレル部材、33は誘電体多層膜フィルタとしてのバンドパスフィルタ、34は入出力用ピグテールファイバ22に成端された光コネクタである。
本実施形態の一心双方向光送受信モジュール20は、少なくとも入出力用ピグテールファイバ22と入力用ピグテールファイバ23と出力用ピグテールファイバ24とを有するWDM光ファイバカプラ21と、このWDM光ファイバカプラ21の入力用ピグテールファイバ23及び出力用ピグテールファイバ24に接続されたフェルール25,26と、LD27を有し入力側のフェルール25とメカニカル接続されたTOSA28と、PD30を有し出力側のフェルール26とメカニカル接続されたROSA31と、このROSA31内の出力用ピグテールファイバ24端面とPD30の間にこれらの光軸に対し略垂直に設けられたバンドパスフィルタ33とを備えて構成されている。
前記WDM光ファイバカプラ21(WDMカプラ(Wavelength Division Multiplexing Coupler)などとも称される。)は、異なる波長の2つの光信号、例えば、双方向光通信システムにおいて用いられる波長1310nm帯及び波長1550nm帯などの信号光の合分波が可能な従来公知の各種光ファイバ型カプラの中から、使用波長帯域の合分波特性などに応じて適宜選択して用いることができる。
このWDM光ファイバカプラ21の入出力ポート(図1においてWDM光ファイバカプラ21の左側のポート)、入力ポート(図1においてWDM光ファイバカプラ21の右上側のポート)及び出力ポート(図1においてWDM光ファイバカプラ21の右下側のポート)は、それぞれ入出力用ピグテールファイバ22、入力用ピグテールファイバ23及び出力用ピグテールファイバ24になっている。
これらのピグテールファイバのうち、入力用ピグテールファイバ23及び出力用ピグテールファイバ24の端部には、それぞれフェルール25,26が設けられている。これらのフェルール25,26は、光コネクタ等を用いて光ファイバ端面同士を突き合わせてメカニカル接続する際に用いられる金属やセラミック(ジルコニアなど)からなるフェルールなどを用いることができる。これらのフェルール25,26は、入力用ピグテールファイバ23及び出力用ピグテールファイバ24の端部を挿入、固定した状態で、これらのファイバと同軸となる円筒状をなしている。これらのフェルール25,26の接続用端面には、入力用ピグテールファイバ23及び出力用ピグテールファイバ24の端面が露出している。
前記TOSA28は、TOSA用バレル29の一端側にLD27が設けられ、他端側に入力側のフェルール25が同軸で嵌着保持され、該フェルール25がメカニカル接続された構造になっている。このLD27は光ファイバとの結合用のレンズが設けられたTO−CANタイプになっている。TOSA用バレル29の一端側に設けられたLD27の光軸は、TOSA用バレル29の軸線と同軸になるように配置されており、TOSA用バレル29の他端側にフェルール25を嵌着してLD27を発光させることで、LD27からの光がフェルール25の端面に露出している入力用ピグテールファイバ23の端面から入射されるようになっている。
前記ROSA31は、ROSA用バレル32の一端側にPD30が設けられ、他端側に出力側のフェルール26が同軸で嵌着保持され、該フェルール26がメカニカル接続された構造になっている。このPD30は光ファイバとの結合用のレンズが設けられたTO−CANタイプになっている。ROSA用バレル32の一端側に設けられたPD30の光軸は、ROSA用バレル32の軸線と同軸になるように配置されており、ROSA用バレル32の他端側にフェルール26を嵌着することで、出力用ピグテールファイバ24を通して伝搬される信号光がPD30の受光端面に照射されるようになっている。
このROSA用バレル32内には、出力用ピグテールファイバ24の光軸に対して略垂直に誘電体多層膜型のバンドパスフィルタ33が挿入されている。このように、WDMカプラ21を使用した双方向光送受信モジュールの、同軸型光受信モジュールであるROSA31内部の光軸上に、該光軸に対して略垂直に誘電体多層膜型のバンドパスフィルタ33を挿入することで、一心双方向光送受信モジュール20に必要なアイソレーションを確保するようになっている。
この誘電体多層膜型のバンドパスフィルタ33を挿入する方法としては、出力用ピグテールファイバ24に取り付けたフェルール26先端にバンドパスフィルタ33を接着固定する方法が望ましい。このフェルール26先端にバンドパスフィルタ33を接着固定することで、ROSA用バレル32部分にフィルタ保持のための構造を持たせることなくバンドパスフィルタ33を挿入固定することができる。また、出力用ピグテールファイバ24端部に取り付けたフェルール26先端にバンドパスフィルタ33を接着固定する構造であるため、バンドパスフィルタ33の面積が最小で済む。
この接着に用いる接着剤としては、屈折率が出力用ピグテールファイバ24のクラッド部やバンドパスフィルタ33の基材に使われている石英ガラスと同等の屈折率を持つものが好ましい。なお、この接着剤としては、ROSA31が受信すべき信号を透過することが必要であり、接着剤が出力用ピグテールファイバ24とバンドパスフィルタ33の間に充填される場合には、出力用ピグテールファイバ24のクラッド部やバンドパスフィルタ33の基材と同じか、又はこれらの間の屈折率をもつ接着剤を用いることが望ましい。
さらに、誘電体多層膜型のバンドパスフィルタ33のフィルタ面を受光素子であるPD30側に向け、フィルタ裏面と出力用ピグテールファイバ24端面の間を、屈折率整合をとった樹脂を用いて接着固定することで、フィルタ裏面のARコートを不要にするとともに、反射を低減することができる。
また、この方法では、出力用ピグテールファイバ24とレンズ付きのPD30との間に存在している隙間にバンドパスフィルタ33を挿入しているので、寸法への影響がほとんどない。
また、この方法では、出力用ピグテールファイバ24とレンズ付きのPD30との間に存在している隙間にバンドパスフィルタ33を挿入しているので、寸法への影響がほとんどない。
この一心双方向光送受信モジュール20において、入力用ピグテールファイバ23とTOSA28との接続部、及び出力用ピグテールファイバ24とROSA31との接続部のそれぞれの接続部の構造としては、入力用ピグテールファイバ23及び出力用ピグテールファイバ24のぞれぞれの端部に、予め精密なフェルール25,26を取り付けておくとともに、TOSA28及びROSA31のそれぞれの嵌着部側は、そのフェルール25,26に再現性よく嵌合するスリーブ状の機構を持ったバレル構造(いわゆる同軸型のTOSA,ROSAなどと称される。)を採用している。TOSA28及びROSA31は、ぞれぞれ別工程で調心作業を行い、各ピグテールファイバ23,24に取り付けたフェルール25,26を挿入することで光結合を確保することができる。図中のWDM光ファイバカプラ21右端からフェルール25,26左端部分までの長さは15mm程度となっている。
このような同軸型のTOSA28,ROSA31を用いた構造とすることにより、LD27及びPD30を調心固定する作業をする際、WDM光ファイバカプラ21を調心装置にセットする必要がなくなり、WDM光ファイバカプラ21が破損し難くなる。これにより、カプラピグテール部の加工形状について、調心固定作業の影響を考慮する必要がなくなり、各ピグテールファイバの許容曲げ径による制約が許す範囲でWDM光ファイバカプラ21とTOSA28及びROSA31との間の距離を短くすることができる。
また、調心の自由度が増し、例えばLD27及びPD30を画像観察しながら調心を行う画像調心も可能となる。
また、LD27調心、PD30調心を別々の装置で行ってから、まとめてWDM光ファイバカプラ21、TOSA28及びROSA31との組み立てを行うことで、全体の製作にかかる時間を短縮できる。CANタイプのLD27やPD30を使用する場合、TOSA28及びROSA31のバレル部分を精度の確保が容易な同軸構造で作ることができるので特に好ましい。
また、調心の自由度が増し、例えばLD27及びPD30を画像観察しながら調心を行う画像調心も可能となる。
また、LD27調心、PD30調心を別々の装置で行ってから、まとめてWDM光ファイバカプラ21、TOSA28及びROSA31との組み立てを行うことで、全体の製作にかかる時間を短縮できる。CANタイプのLD27やPD30を使用する場合、TOSA28及びROSA31のバレル部分を精度の確保が容易な同軸構造で作ることができるので特に好ましい。
前記WDM光ファイバカプラ21の入出力用ピグテールファイバ22の端部には、送受信用光ファイバ(図示せず)との接続用の光コネクタ34が成端されている。
この一心双方向光送受信モジュール20の光コネクタ34と、送受信用光ファイバに設けられた図示しない光コネクタとを接続することで、小型、高性能で安価な双方向光通信システムを実現できる。
この一心双方向光送受信モジュール20の光コネクタ34と、送受信用光ファイバに設けられた図示しない光コネクタとを接続することで、小型、高性能で安価な双方向光通信システムを実現できる。
次に、この一心双方向光送受信モジュール20の製造工程の一例を記す。
・WDM光ファイバカプラ21の入出力用ピグテールファイバ22に光コネクタ34を取り付ける。
・WDM光ファイバカプラ21の入力用ピグテールファイバ23及び出力用ピグテールファイバ24を、カプラ本体から25mm程度離間した位置で切断し、先端から10mm程度までをフェルール25,26に挿入固定する。
・別途、LD27をTOSA用バレル29に調心固定するとともに、PD30をROSA用バレル32に調心固定し、TOSA28及びROSA31を準備する。
・出力用ピグテールファイバ24側のフェルール26先端にバンドパスフィルタ33を接着固定する。
・WDM光ファイバカプラ21の入力用ピグテールファイバ23及び出力用ピグテールファイバ24に取り付けたそれぞれのフェルール25,26をTOSA28及びROSA31に挿入し固定する。
・WDM光ファイバカプラ21の入出力用ピグテールファイバ22に光コネクタ34を取り付ける。
・WDM光ファイバカプラ21の入力用ピグテールファイバ23及び出力用ピグテールファイバ24を、カプラ本体から25mm程度離間した位置で切断し、先端から10mm程度までをフェルール25,26に挿入固定する。
・別途、LD27をTOSA用バレル29に調心固定するとともに、PD30をROSA用バレル32に調心固定し、TOSA28及びROSA31を準備する。
・出力用ピグテールファイバ24側のフェルール26先端にバンドパスフィルタ33を接着固定する。
・WDM光ファイバカプラ21の入力用ピグテールファイバ23及び出力用ピグテールファイバ24に取り付けたそれぞれのフェルール25,26をTOSA28及びROSA31に挿入し固定する。
なお、本発明は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、種々変更が可能である。
例えば、ピグテールファイバ端面での反射対策として、TOSA側の入力用ピグテールファイバ23端面を斜めにカットしてもよい。この場合、フェルール25とTOSA28を取り付ける際に、軸に沿った回転角度を一定に保つ必要があるため、TOSA用バレル29と入力用ピグテールファイバ23双方に角度を定めるための機構を設けることが望ましい。また、斜めカットを行うのは、TOSA側に限られたことではなく、ROSA側も斜めカットを行ってもよい。あるいは、TOSA側の反射対策として入力用ピグテールファイバ側フェルール先端に反射防止用のフィルタを取り付けてもよい。
例えば、ピグテールファイバ端面での反射対策として、TOSA側の入力用ピグテールファイバ23端面を斜めにカットしてもよい。この場合、フェルール25とTOSA28を取り付ける際に、軸に沿った回転角度を一定に保つ必要があるため、TOSA用バレル29と入力用ピグテールファイバ23双方に角度を定めるための機構を設けることが望ましい。また、斜めカットを行うのは、TOSA側に限られたことではなく、ROSA側も斜めカットを行ってもよい。あるいは、TOSA側の反射対策として入力用ピグテールファイバ側フェルール先端に反射防止用のフィルタを取り付けてもよい。
図1に示す構造の一心双方向光送受信モジュール20を作製した。
この一心双方向光送受信モジュール20は、WDM光ファイバカプラ21、光コネクタ34、TOSA28及びROSA31とから構成されている。波長合分波は、誘電体多層膜フィルタ素子に代えてWDM光ファイバカプラ21により行う。WDM光ファイバカプラ21のピグテールファイバのうち、入力用ピグテールファイバ23及び出力用ピグテールファイバ24の端部には、高精度のフェルール25,26が取り付けられている。また入出力用ピグテールファイバ22の端部には光コネクタ34が取り付けられている。
この一心双方向光送受信モジュール20は、WDM光ファイバカプラ21、光コネクタ34、TOSA28及びROSA31とから構成されている。波長合分波は、誘電体多層膜フィルタ素子に代えてWDM光ファイバカプラ21により行う。WDM光ファイバカプラ21のピグテールファイバのうち、入力用ピグテールファイバ23及び出力用ピグテールファイバ24の端部には、高精度のフェルール25,26が取り付けられている。また入出力用ピグテールファイバ22の端部には光コネクタ34が取り付けられている。
予めバレル29,32とLD27又はPD30とを固定したTOSA28、ROSA31を準備しておき、入力用ピグテールファイバ23及び出力用ピグテールファイバ24の端部に取り付けたフェルール25,26をTOSA28、ROSA31に挿入固定してWDM光ファイバカプラ21との光結合を行う。このように、従来の空間配置のモジュールでコスト低減に課題があった光ファイバと受発光素子との結合部に、高い精度の確保が容易な同軸型のTOSA、ROSA構造を採用することにより、部材コストと実装コストの最適化を図っている。
GE−PONシステムのONUでは、データ通信に使用される上り信号(1310nm帯)、下り信号(1490nm帯)のほか、映像信号(1550nm帯)や監視光も受信モジュールに入射する(ITU-T Recommendation, A broadband optical access system with increased service capability by wavelength allocation, G983.3,2001)。これらの入射光のうち、1490nm帯以外の光信号は受信モジュール部に対するノイズ源となるので除去する必要がある。通常WDM光ファイバカプラのアイソレーションは強い波長依存性を持つため、広い波長範囲にわたって高いアイソレーションを確保することは困難である。そこで、本実施例では、PD30と出力用ピグテールファイバ24の間にバンドパスフィルタ30を挿入し、必要なアイソレーションを確保した。
試作した一心双方向光送受信モジュール20の光学特性を測定し、その結果をバンドパスフィルタを使用しないモジュールと比較して表1に示す。なお、表1において「フィルタなし」は、ROSA31内にバンドパスフィルタ33を挿入していない比較例のモジュールであり、また「フィルタあり」は、図1に示す通り、ROSA31内にバンドパスフィルタ33を挿入した本実施例の一心双方向光送受信モジュール20の結果を示している。
表1の結果から、本実施例の一心双方向光送受信モジュール20は、WDM光ファイバカプラ21とバンドパスフィルタ33を組み合わせたことで、受信波長での挿入損失増加を0.12dBに抑えながら、1310nm帯でのアイソレーションを45dB以上まで改善することができた。
20…一心双方向光送受信モジュール、21…WDM光ファイバカプラ(光ファイバ型カプラ)、22…入出力用ピグテールファイバ、23…入力用ピグテールファイバ、24…出力用ピグテールファイバ、25,26…フェルール、27…LD(発光素子)、28…TOSA(光送信モジュール部)、29…TOSA用バレル部材、30…PD(受光素子)、31…ROSA(光受信モジュール部)、32…ROSA用バレル部材、33…バンドパスフィルタ(誘電体多層膜フィルタ)、34…光コネクタ。
Claims (4)
- 少なくとも入出力用ピグテールファイバと入力用ピグテールファイバと出力用ピグテールファイバとを有する光ファイバ型カプラと、該光ファイバ型カプラの入力用ピグテールファイバ及び出力用ピグテールファイバに接続されたフェルールと、発光素子を有し入力側のフェルールとメカニカル接続される光送信モジュール部と、受光素子を有し出力側のフェルールとメカニカル接続される光受信モジュール部と、該光受信モジュール部内のピグテールファイバ端面と受光素子の間にこれらの光軸に対し略垂直に設けられた誘電体多層膜フィルタとを備えたことを特徴とする一心双方向光送受信モジュール。
- 前記誘電体多層膜フィルタが、前記フェルールの端面に接着固定されていることを特徴とする請求項1に記載の一心双方向光送受信モジュール。
- 前記誘電体多層膜フィルタの接着固定に用いる接着剤が、前記ピグテールファイバと誘電体多層膜フィルタと同等又はこれらの中間の屈折率を有していることを特徴とする請求項2に記載の一心双方向光送受信モジュール。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の一心双方向光送受信モジュールと、該一心双方向光送受信モジュールの入出力用ピグテールファイバに接続された送受信用光ファイバとを有することを特徴とする双方向光通信システム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004258170A JP2006072191A (ja) | 2004-09-06 | 2004-09-06 | 一心双方向光送受信モジュール及びそれを用いた双方向光通信システム |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=36152861
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009098338A (ja) * | 2007-10-16 | 2009-05-07 | Fujikura Ltd | 光ファイバ及び一心双方向光送受信モジュール |
CN114325964A (zh) * | 2021-12-14 | 2022-04-12 | 武汉光迅科技股份有限公司 | 一种单纤双向光器件 |
-
2004
- 2004-09-06 JP JP2004258170A patent/JP2006072191A/ja not_active Withdrawn
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