JP2006072190A - 液晶表示装置、電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 反射表示の明るさを損なうことなく、反射表示領域の配向制御を十分に行なうことができる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 本発明の液晶表示装置100は、画素電極31が複数の島状部31a,31bに分割され、これらの島状部が連結部31cによって互いに電気的に接続されている。連結部31cの寸法は、前記島状部31a,31bの配列方向に延在する縦方向の寸法が8μm以上20μm以下、前記島状部31a,31bの配列方向に直交する横方向の寸法が5μm以上20μm以下に規定されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、液晶表示装置及び電子機器に関し、より詳しくは、垂直配向型の液晶を用いた半透過反射型のカラー液晶表示装置において、反射モード時にも透過モード時と同様の高輝度・広視野角な表示が得られる技術に関するものである。
液晶表示装置として反射モードと透過モードとを兼ね備えた半透過反射型液晶表示装置が知られている。このような半透過反射型液晶表示装置としては、上基板と下基板との間に液晶層が挟持されるとともに、例えばアルミニウム等の金属膜に光透過用の窓部を形成した反射膜を下基板の内面に備え、この反射膜を半透過反射板として機能させるものが提案されている。この場合、反射モードでは上基板側から入射した外光が、液晶層を通過した後に下基板の内面の反射膜で反射され、再び液晶層を通過して上基板側から出射され、表示に寄与する。一方、透過モードでは下基板側から入射したバックライトからの光が、反射膜の窓部から液晶層を通過した後、上基板側から外部に出射され、表示に寄与する。したがって、反射膜の形成領域のうち、窓部が形成された領域が透過表示領域、その他の領域が反射表示領域となる。
ところが、従来の半透過反射型液晶装置には、透過表示での視角が狭いという課題があった。これは、視差が生じないよう液晶セルの内面に半透過反射板を設けている関係で、観察者側に備えた1枚の偏光板だけで反射表示を行わなければならないという制約があり、光学設計の自由度が小さいためである。そこで、この課題を解決するために、Jisakiらは、下記の非特許文献1において、垂直配向液晶を用いる新しい液晶表示装置を提案した。その特徴は、以下の3つである。
(1)誘電率異方性が負の液晶を基板に垂直に配向させ、電圧印加によってこれを倒す「VA(Vertical Alignment)モード」を採用している点。
(2)透過表示領域と反射表示領域の液晶層厚(セルギャップ)が異なる「マルチギャップ構造」を採用している点(この点については、例えば特許文献1参照)。
(3)透過表示領域を正八角形とし、この領域内で液晶が8方向に倒れるように対向基板上の透過表示領域の中央に突起を設けている点。すなわち、「配向分割構造」を採用している点。
特開平11−242226号公報 "Development of transflective LCD for high contrast and wide viewing angle by using homeotropic alignment", M.Jisaki et al., Asia Display/IDW'01, p.133-136(2001)
配向分割されたVANでは、配向制御性が悪いと、画素毎に異なる透過率,視野角特性を有することになり、結果としてざらざらとした表示不良となる。透過表示モードでは、バックライトの光がパネル内を1度しか通過せず自己補償しないため、このざらざらとした表示不良が比較的目立つようになり、電極スリットないし突起による配向規制手段は欠かすことはできない。一方で、反射表示モードでは、パネル内に入ってくる外光はパネル内を2回通過し自己補償するため、たとえ液晶配向に多少の乱れがあっても表示品質としては大きな問題とはならない。また、マルチギャップ構造により、反射表示領域の液晶層厚は比較的小さくなるため、液晶配向は乱れにくい。加えて、反射表示用の電極部と透過表示用の電極部とを細い導通部(連結部)によって連結することによって、この連結部上にディスクリネーションの核を固定することができる。このようにしてディスクリネーションの核を固定することで、反射表示領域の液晶配向をある程度制御することができるため、反射表示領域には突起や電極スリットのような強い配向規制手段は必要としない。さらには、反射表示領域に光散乱のための凹凸があれば、この凹凸が液晶配向にある程度寄与し、中間調等で液晶配向が乱れることを抑制することができる。しかしながら、このような反射表示領域における配向規制力は、透過表示領域に設けられる突起や電極スリットと比較して規制力の弱いものであるため、これ以外に何の工夫もなければ、連結部上に形成されたディスクリネーションの核が移動し、反射表示時にざらざらとした表示不良ができてしまうことがある。そこで、反射表示領域にも突起等の配向規制手段を設ける構成が考えられるが、この場合には突起等の面積分だけ光のロスが生じてしまう。特に、反射表示領域の面積は透過表示領域の面積よりも小さく設定される場合が多いため、透過表示領域に突起等を設ける場合に比べて光のロスによる輝度の低下は大きくなる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、反射表示の明るさを損なうことなく、反射表示領域の配向制御を十分に行なうことができる液晶表示装置を提供し、更には該液晶表示装置を備えた視認性のよい電子機器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の液晶表示装置は、一対の基板間に液晶層を挟持してなり、1つのドット領域内に反射表示を行なう反射表示領域と透過表示を行なう透過表示領域とを備えた液晶表示装置であって、前記液晶層は、初期配向状態が垂直配向を呈する誘電率異方性が負の液晶からなり、前記一対の基板のうちの少なくとも一方の基板と前記液晶層との間には、前記反射表示領域の液晶層厚を前記透過表示領域の液晶層厚よりも小さくするための液晶層厚調整層が設けられており、前記一対の基板の内面側には、前記液晶を駆動するための電極がそれぞれ設けられており、前記一対の基板の電極のうち少なくとも一方の電極は、1つのドット領域内で複数の島状部と、隣接する前記島状部を互いに電気的に接続する連結部とを有しており、前記複数の島状部は、前記透過表示領域と反射表示領域とに各々整数個ずつ配置され、前記連結部の寸法は、前記島状部の配列方向に延在する縦方向の寸法が8μm以上20μm以下であり、前記島状部の配列方向に直交する横方向の寸法が5μm以上20μm以下であることを特徴とする。
本発明の液晶表示装置は、マルチギャップ構造を備えた半透過反射型、垂直配向モードの液晶表示装置であって、ドット領域内の電極が、複数の島状部と、該複数の島状部を電気的に連結する連結部とを有するものである。このようにドット領域内の電極が複数の島状部を有する構成とすることで、電圧印加時に島状部の辺端で生じる斜め電界により、垂直配向液晶の傾倒方向が島状部中央側へ規制されるようになり、その結果、各島状部の平面領域内で放射状の配向状態を有する液晶ドメインが形成される。このように平面放射状の配向状態を有する液晶ドメインがドット領域内に複数形成されることで、各液晶ドメインによりあらゆる方向で均一な視角特性が得られ、かつ前記液晶ドメインの境界は、隣接する島状部の境界領域に固定されるため、パネル斜視時にしみ状のムラを生じることもなく、良好な表示を得ることができる。また、反射表示領域には突起等の構造物が配置されないので、その分表示面積が広がり、明るい反射表示を得ることができる。また本発明では、島状部の連結部の寸法が前記のように設定されているため、ディスクリネーションの核は連結部上に固定され、移動することはない。このため、前記核が移動することによって生じるざらざらとした表示不良が改善され、視認性の良い反射表示が得られるようになる。
本発明の液晶表示装置においては、隣接する島状部と島状部との間には前記連結部がそれぞれ複数設けられており、前記複数の連結部は、隣接する前記島状部と島状部との中心部を結ぶ線に対して互いに対称となるように配置されている構成を採用することができる。
この構成によれば、液晶配向の対称性が増すため、より視認性の良い反射表示が得られるようになる。
本発明の液晶表示装置においては、前記島状部が設けられた基板と対向する他方の基板には、前記透過表示領域内の前記島状部に対向する位置に、電界印加時の液晶の配向状態を規制する配向規制手段が設けられている構成を採用することができる。ここで、前記配向規制手段は、前記他方の基板の電極に設けられた開口部、又は該電極上に設けられた誘電体材料からなる突起であるものとすることができる。
この構成によれば、島状部の辺端にて生じる斜め電界による配向規制作用とともに、上記配向規制手段による配向規制作用によって、更に良好に島状部の平面領域内(すなわち表示領域内)の液晶の配向状態を制御することが可能になる。このため、島状部の平面積を比較的大きくした場合にも、配向の乱れが生じ難く、良好な表示を得ることができる。
本発明の液晶表示装置においては、前記島状部が設けられた基板には、前記島状部を駆動するスイッチング素子が設けられており、該スイッチング素子はコンタクトホールを介して前記透過表示領域の島状部と電気的に接続されており、前記コンタクトホールと前記配向規制手段とは平面的に重なるように配置されている構成を採用することができる。
この構成によれば、コンタクトホールが突起等の配向規制手段に対向して設けられているため、このコンタクトホールによって有効表示面積が損なわれることはない。
本発明の液晶表示装置においては、前記島状部は、平面視において概略円形状、又は概略正多角形状であることが好ましい。
本発明において、前記島状部は、その辺端にて生じる斜め電界により同平面領域内に放射状の液晶配向を得るために設けられる。そこで、上記各形状を適用すれば、容易に上記放射状の配向状態を有する液晶ドメインが形成できる。視角特性の均一化の点では、島状部は、その面中心に対して回転対称性を有する形状であることが好ましく、円形、ないし正多角形状の平面形状とすることが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、一対の基板間に液晶層を挟持してなり、1つのドット領域内に反射表示を行なう反射表示領域と透過表示を行なう透過表示領域とを備えた液晶表示装置であって、前記液晶層は、初期配向状態が垂直配向を呈する誘電率異方性が負の液晶からなり、前記一対の基板のうちの少なくとも一方の基板と前記液晶層との間には、前記反射表示領域の液晶層厚を前記透過表示領域の液晶層厚よりも小さくするための液晶層厚調整層が設けられており、前記一対の基板のうちの少なくとも一方の基板の内面側には、誘電体材料からなる突起が前記透過表示領域の縁辺に沿って設けられており、前記突起は、前記反射表示領域と前記透過表示領域との境界部に切れ目を有する開環状に形成され、前記突起の寸法は、前記切れ目の幅が8μm以上20μm以下であり、前記突起の幅が5μm以上20μm以下であることを特徴とする。
本発明の液晶表示装置は、マルチギャップ構造を備えた半透過反射型、垂直配向モードの液晶表示装置であって、ドット領域内の液晶の配向を突起によって制御するものである。本発明では、透過表示領域の外周を突起で囲む構成とし、該突起を反射表示領域と透過表示領域の境界部にも配置しているので、該突起による配向規制力を反射表示領域に大きく及ぼすことができる。このため、反射表示領域に突起等の配向規制手段を設けなくても、表示不良のない明るい表示が得られる。また本発明では、突起に切れ目を設け、この切れ目の寸法を前記のように設定しているので、ディスクリネーションの核はこの切れ目の部分に固定され、移動することはない。このため、前記核が移動することによって生じるざらざらとした表示不良が改善され、視認性の良い反射表示が得られるようになる
本発明の液晶表示装置においては、前記一対の基板の内面側には、前記液晶を駆動するための電極がそれぞれ設けられており、前記突起が設けられた基板と対向する他方の基板には、該他方の基板に設けられた電極を駆動するスイッチング素子が設けられており、該スイッチング素子はコンタクトホールを介して前記透過表示領域に設けられた前記電極と電気的に接続されており、前記コンタクトホールは前記突起と平面的に重なるように配置されている構成を採用することができる。
この構成によれば、コンタクトホールが突起等の配向規制手段に対向して設けられているため、このコンタクトホールによって有効表示面積が損なわれることはない。
本発明の電子機器は、前述した本発明の液晶表示装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、反射表示、透過表示の双方で広視野角且つ高コントラストの表示が可能な表示部を備えた電子機器を提供することができる。
[第1の実施の形態]
[液晶表示装置]
以下、本発明の第1の実施の形態を図1〜図4を参照して説明する。
本実施の形態の液晶表示装置は、スイッチング素子として薄膜ダイオード(Thin Film Diode, 以下、TFDと略記する)を用いたアクティブマトリクス型の液晶表示装置の例であり、特に反射表示と透過表示を可能にした半透過反射型液晶表示装置の例である。なお、各図において、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
図1は、本実施の形態の液晶表示装置100についての等価回路を示している。この液晶表示装置100は、走査信号駆動回路110およびデータ信号駆動回路120を含んでいる。液晶表示装置100には、信号線、すなわち複数の走査線13と、走査線13と交差する複数のデータ線9とが設けられ、走査線13は走査信号駆動回路110により駆動され、データ線9はデータ信号駆動回路120により駆動される。そして、各画素領域150において、走査線13とデータ線9との間にTFD素子40と液晶表示要素160(液晶層)とが直列に接続されている。なお、図1では、TFD素子40が走査線13側に接続され、液晶表示要素160がデータ線9側に接続されているが、これとは逆にTFD素子40をデータ線9側に、液晶表示要素160を走査線13側に設ける構成としても良い。
次に、図2に基づいて、本実施の形態の液晶表示装置100の電極の平面構造(画素構造)について説明する。
図2に示すように、本実施の形態の液晶表示装置100では、走査線13にTFD素子40を介して接続された画素電極31がマトリクス状に設けられており、画素電極31と紙面の垂直方向に対向して対向電極9が短冊状(ストライプ状)に設けられている。対向電極9は上述したデータ線のことであり、走査線13と交差する形のストライプ形状を有している。本実施の形態において、各画素電極31が形成された個々の領域が1つのドット領域であり、マトリクス状に配置された各ドット領域毎にTFD素子40が備えられ、ドット領域毎に表示が可能な構造になっている。図2では簡易的に各画素電極を略矩形状に図示したが、実際には後述するように複数の島状部とこれらの島状部を連結する連結部とを有している。
次に、図3、図4に基づいて本実施の形態の液晶表示装置100の画素構成について説明する。図3は液晶表示装置100の画素構成、特に画素電極31の平面構成を示す模式図、図4は図3のA−A’断面を示す模式図である。なお、図4では図示上側が視認側とされる。
本実施の形態の液晶表示装置100は、図2に示したように、データ線9および走査線13等にて囲まれた領域の内側に画素電極31を備えてなるドット領域を有している。このドット領域内には、図3に示すように、1つのドット領域に対応して3原色のうちの異なる色の1つの着色層が配設され、3つのドット領域(D1,D2,D3)で赤色、緑色、青色を含む1つの画素を形成している。
ドット領域D1〜D3に設けられた画素電極31は、各ドット領域内に形成されたスリットにより複数(本実施形態では2つ)の島状部(サブピクセル)31a,31bに分割され、各島状部は中央部で連結されている(連結部31c)。各島状部31a,31bはそれぞれサブドット領域S1,S2を構成し、各ドット領域D1,D2,D3はそれぞれ2つのサブドット領域S1,S2に分割された状態となっている。各島状部31a,31bとこれらの島状部を連結する連結部31cはITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電膜によって一体に形成されている。図示上側の島状部31aは、各ドット領域内に部分的に設けられた反射膜80の形成領域内に配置されており、残る下側の島状部31bは、反射膜80の非形成領域に配置されている。反射膜80の形成領域内に配置された島状部31aの平面領域が、本液晶表示装置100における反射表示領域Rとされ、残る下側の島状部31bの平面領域が透過表示領域Tとされている。反射膜80の表面には凹凸形状が付与されており、この凹凸によって反射光が散乱されることで、視認性の良い表示が得られるようになっている。すなわち、本実施形態の液晶表示装置100は、1つのドット領域内に反射表示を行なう反射表示領域Rと透過表示を行なう透過表示領域Tとを備えた半透過反射型の液晶表示装置であり、表示可能な領域の略1/3の面積が反射表示に寄与し、残りの略2/3の面積が透過表示に寄与するようになっている。なお、島状部の形状は、図3では正方形状若しくは八角形状であるが、これに限らず、例えば円形状、その他の多角形状のものとすることができる。特に視角特性の均一化の点では、島状部は、その面中心に対して回転対称性を有する形状であることが好ましく、概略円形状又は概略正多角形状の平面形状とすることが好ましい。
また本実施形態において、連結部31cの寸法は、前記島状部31a,31bの配列方向(図示上下方向)に延在する縦方向の寸法d1が10μm、前記島状部31a,31bの配列方向に直交する横方向の寸法d2が10μmに設定されている。このような寸法形状とすることで、ディスクリネーションの核を連結部31cに強固に固定することが可能になる。本実施形態のように1ドットを複数のサブドットに分割した場合、これらのサブドットの境界部には、液晶がうまく配向できない部分(ディスクリネーション)が発生する。このディスクリネーションの核は連結部31cの領域に捕捉されるが、この捕捉力が弱いと、中間調等でディスクリネーションの核が移動し、視認性を低下させることがある。本発明者は、連結部31の領域におけるディスクリネーションの捕捉力と連結部31cの寸法との関係を調べ、良好な視認性が得られる寸法範囲を求めた。表1は、連結部31cの寸法d1,d2とディスクリネーションの捕捉力(ディスクリネーションの移動のしやすさ)との関係をまとめたものである。本実施形態では、縦方向の寸法d1及び横方向の寸法d2が共に10μmである場合に反射表示と透過表示の双方で良好な視認性が得られたが、縦方向の寸法d1と横方向の寸法d2が表1の実施例で示す範囲にあれば概ね良好な視認性が得られる。表1によれば、縦方向の寸法d1の下限は7μmから9μmの間(概ね8μm)であり、上限は20μm程度である。また、横方向の寸法d2の下限は5μm程度であり、上限は20μm程度である。すなわち、縦方向の寸法d1が8μm以上20μm以下で且つ横方向の寸法d2が5μm以上20μm以下であれば、概ね良好な視認性が得られる。このため、連結部31cの寸法d1,d2をこの範囲に規定することで、反射表示領域Rに突起等の配向規制手段を設けなくても、配向状態を良好に保つことができるようになる。
Figure 2006072190
TFD素子40は、走査線13と画素電極31とを接続するスイッチング素子であって、走査線13に沿って延びる第1金属膜41と、2つの第2金属膜42,43との間に図示略の絶縁膜を挟んだ構造を有している。走査線13を分岐して形成された第2金属膜42と第1金属膜41との交差部に第1素子部40aが形成され、第1金属膜41と、第2金属膜43との交差部に第2素子部40bが形成されている。そして、第2金属膜43にコンタクトホールCを介して島状部31b(画素電極31)が接続されている。本実施形態に係るTFD素子40は、2つの素子部40a、40bが逆向きに接続された構造を備えているので、印加電圧の極性によらず安定した素子特性を得られるものとなっている。第1金属膜41は例えばTa(タンタル)からなるものとされ、前記絶縁膜は例えばタンタル酸化物からなるものとされる。また、第2金属膜42(走査線13)及び第2金属膜43は、例えばCr(クロム)からなるものとされる。
次に、図4に示す断面構造をみると、液晶表示装置100は、素子基板10とこれに対向配置された対向基板25とを備え、これらの基板の間に初期配向状態が垂直配向状態を呈する誘電率異方性が負の液晶からなる液晶層50が挟持されている。対向基板10の外面側にあたる液晶セルの外側には、照明手段として光源、リフレクタ、導光板などを有するバックライト(図示略)が設置されている。
素子基板25は、石英、ガラス等の透光性材料からなる基板本体25Aを基体としてなり、基板本体25Aの内面側に走査線13やTFD素子40等(図3参照)を備えている。そして、走査線13等を覆って層間絶縁膜15が形成され、この層間絶縁膜15上に画素電極31が形成されている。層間絶縁膜15には、コンタクトホールC(図3参照)が形成されており、このコンタクトホールをCを介してTFD素子40と島状部31b(画素電極31)とが電気的に接続されている。また図示は省略したが、画素電極31及び層間絶縁膜15を覆ってポリイミド等の垂直配向膜が形成されており、液晶分子の初期配向を基板面に対し垂直に配向させるようになっている。基板本体25Aの外面側には、位相差板36、偏光板37が順に積層されている。尚、図3に示したTFD素子40は、層間絶縁膜15と基板本体25Aとの間に設けられている。
対向基板10は、石英、ガラス等の透光性材料からなる基板本体10Aを基体としてなり、基板本体10Aの内面側には、Al(アルミニウム)やAg(銀)等の反射率の高い金属膜からなる反射膜80が図示略の絶縁膜を介して部分的に形成されている。この絶縁膜は、その表面に凹凸形状を備えており、係る凹凸形状に倣って反射膜80の表面は凹凸部を有する。このような凹凸により反射光が散乱されるため、反射表示の視野角特性が向上し、良好な視認性を得ることができる。ドット領域内の反射膜80上、及び基板本体10A上には、反射表示領域R及び透過表示領域Tに跨ってカラーフィルタ(カラーフィルタ層)22が設けられている。カラーフィルタ22は互いに色の異なる複数種類のカラーフィルタ(着色層)からなり、これらカラーフィルタ層22を構成する各カラーフィルタの間には必要に応じて黒色樹脂等からなる遮光層BM(ブラックマトリクス)が配置される。
カラーフィルタ22の内面側には反射表示領域Rに対応して絶縁膜81が選択的に形成されている。このようにドット領域内に部分的に形成された絶縁膜81により、液晶層50の層厚が反射表示領域Rと透過表示領域Tとで異ならされている。絶縁膜81は、アクリル樹脂等の有機材料膜を用いて形成されている。絶縁膜81は、例えば膜厚が2μm±1μm程度に形成され、絶縁膜81が存在しない部分の液晶層50の厚みは2μm〜6μm程度であり、反射表示領域Rにおける液晶層50の厚みは透過表示領域Tにおける液晶層50の厚みの約半分となっている。つまり、絶縁膜81は、自身の膜厚によって反射表示領域Rと透過表示領域Tとにおける液晶層50の層厚を異ならせる液晶層厚調整層として機能し、もってマルチギャップ構造を実現するものとなっている。本例の液晶表示装置100は、係る構成により明るく高コントラストの表示が得られるようになっている。
さらに基板本体25Aの内面側には、カラーフィルタ22と絶縁膜81の表面を覆って対向電極9が形成されている。対向電極9はITO等からなるストライプ状の透明導電膜であり、この対向電極9において島状部31bの中央部に対向する位置には、平面視六角形状の開口部(電極スリット)9Aが設けられている。この開口部9Aは電圧印加時の液晶分子の傾倒方向を制御するための配向規制手段として機能するものである。このように対向電極9に開口部9Aを設けると、開口部9Aの周辺では、開口部9Aから該開口部9Aに対向する島状部31bの周縁に沿って斜め電界が生じる。このため、液晶分子51は、図3に示すように、開口部9Aを中心として放射状に倒れ、それを中心とした平面放射状に液晶分子51が配向する。従って、本実施形態の液晶表示装置100では、電圧印加時に液晶分子51のダイレクタが全方位に向くこととなり、視野角の極めて広い表示が実現されるようになる。また図示は省略したが、対向電極9及びカラーフィルタ22を覆って垂直配向膜が形成されており、液晶分子51の初期配向を基板面に対し垂直に配向させるようになっている。基板本体10Aの外面側には、位相差板16と偏光板17とが積層配置されている。
以上説明したように、本実施形態の液晶表示装置100によれば、ドット領域内に部分的に液晶層厚調整用の絶縁膜81を設けたマルチギャップ構造を採用しているので、透過表示領域Tと反射表示領域Rとで液晶層50のリタデーションを揃えることができ、透過表示、反射表示のいずれにおいても高コントラストの表示が得られる。また、画素電極31が複数の島状部31a,31bに分割されるとともに、島状部31bの中央部に対応して電極スリット9Aが設けられているので、電圧印加時には液晶分子51が画像表示領域内で電極スリット9Aを中心に放射状に配向されるようになり、広視野角な表示が実現される。また本実施形態では、連結部31cの寸法形状が前述のように規定されているので、ディスクリネーションの核は連結部31c上に固定され、移動することはない。このため、前記核が移動することによって生じるざらざらとした表示不良が改善され、視認性の良い反射表示が得られるようになる。この構成では、反射表示領域には突起等の構造物が配置されないので、その分表示面積が広がり、明るい反射表示を得ることができる。
[第2の実施の形態]
以下、本発明の第2の実施の形態を図5、図6を参照しつつ説明する。
図5は、本実施の形態の液晶表示装置について1つの画素の平面図を示すものであり、第1の実施の形態の図3に相当する模式図である。図6は図5のB−B‘断面を示す模式図であり、第1の実施の形態の図4に相当する図である。なお、図6では図示上側が視認側とされる。本実施の形態の液晶表示装置の基本構成は第1の実施の形態と同様であり、異なる点は、画素電極が島状部に分割されない点と、反射表示領域内の画素電極が光反射性の導電材料によって形成されている点と、透過表示領域の配向規制手段が突起と電極スリットによって構成されている点のみである。したがって、図5、図6において図3、図4と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図5に示すように、本実施形態においてドット領域D1〜D3に設けられた画素電極31は、反射表示領域Rと透過表示領域Tに跨る略矩形状の電極として構成されている。この画素電極31のうち図示上側の電極部31aはAl(アルミニウム)やAg(銀)等の光反射性の金属膜若しくはこれらの金属膜とITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電膜との積層膜からなる。この電極部31aは反射電極として機能し、この電極部31aの形成された領域が反射表示領域Rとなる。電極部31aの表面には凹凸形状が付与されており、この凹凸によって反射光が散乱されることで、視認性の良い表示が得られるようになっている。また、図示下側の電極部31bはITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電膜からなり、この電極部31bの形成された領域が透過表示領域Tとなる。すなわち、本実施形態の液晶表示装置200は、1つのドット領域内に反射表示を行なう反射表示領域Rと透過表示を行なう透過表示領域Tとを備えた半透過反射型の液晶表示装置であり、表示可能な領域の略1/3の面積が反射表示に寄与し、残りの略2/3の面積が透過表示に寄与するようになっている。
各画素電極31には、透過表示領域Tの中央部となる位置に開口部(電極スリット)31Aが設けられており、更に、この画素電極31と液晶層を挟んで対向する対向基板側には、誘電体からなる突起18が透過表示領域Tの縁辺に沿って環状に設けられている。この突起18と電極スリット31Aは電圧印加時の液晶分子の傾倒方向を制御するための配向規制手段として機能するものである。このように画素電極31に開口部31Aを設けた場合、開口部31Aの周辺では該開口部31Aの辺端に垂直に斜め電界が発生し、液晶分子51は開口部31Aの輪郭に対して垂直方向に傾倒する。また突起18の周辺では、電圧無印加時には液晶分子51が突起18の傾斜面と垂直に配向し、電圧印加時には突起18から外側に向かって液晶分子51が倒れ、それを中心とした平面放射状に液晶分子51が配向する。従って、透過表示領域Tでは、電圧印加時に液晶分子51のダイレクタが全方位に向くこととなり、視野角の極めて広い表示が実現される。さらに、突起18が反射表示領域Rの境界部にも配置されているので、突起18による配向規制力を反射表示領域Rにまで大きく及ぼすことができる。
突起18は、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの境界部に切れ目18Aを有する開環状に形成されており、突起18の寸法は、前記突起18の幅d3(前記電極部31a,31bの配列方向に延在する切れ目18Aの縦方向の寸法)が10μm、前記切れ目18Aの幅d4(前記電極部31a,31bの配列方向に直交する横方向の寸法)が12μmに設定されている。このような寸法形状とすることで、ディスクリネーションの核を該突起18の切れ目18Aの部分に強固に固定することが可能になる。本実施形態のように透過表示領域Tの周りに突起を設けて配向制御をする場合、透過表示領域Tと反射表示領域Rとの境界部には、液晶がうまく配向できない部分(ディスクリネーション)が発生する。このディスクリネーションの核は突起18の切れ目18Aの領域に捕捉されるが、この捕捉力が弱いと、中間調等でディスクリネーションの核が移動し、視認性を低下させることがある。本発明者は、切れ目18Aの領域におけるディスクリネーションの捕捉力と切れ目18Aの寸法d3,d4との関係を調べ、良好な視認性が得られる寸法範囲を求めた。表2は、切れ目18Aの寸法d3,d4とディスクリネーションの捕捉力(ディスクリネーションの移動のしやすさ)との関係をまとめたものである。本実施形態では、縦方向の寸法d3が10μm、横方向の寸法d4が12μmである場合に反射表示と透過表示の双方で良好な視認性が得られたが、縦方向の寸法d3と横方向の寸法d4が表2の実施例で示す範囲にあれば概ね良好な視認性が得られる。表2によれば、縦方向の寸法d3の下限は7μmから10μmの間(概ね8μm)であり、上限は20μm程度である。また、横方向の寸法d4の下限は5μm程度であり、上限は20μm程度である。すなわち、縦方向の寸法d3が8μm以上20μm以下で且つ横方向の寸法f4が5μm以上20μm以下であれば、概ね良好な視認性が得られる。このため、突起18の寸法d3,d4をこの範囲に規定することで、反射表示領域Rに突起等の配向規制手段を設けなくても、配向状態を良好に保つことができるようになる。
Figure 2006072190
次に、図6に示す断面構造をみると、液晶表示装置200は、素子基板10とこれに対向配置された対向基板25とを備え、これらの基板の間に初期配向状態が垂直配向状態を呈する誘電率異方性が負の液晶からなる液晶層50が挟持されている。素子基板25の外面側にあたる液晶セルの外側には、照明手段として光源、リフレクタ、導光板などを有するバックライト(図示略)が設置されている。
素子基板25は、石英、ガラス等の透光性材料からなる基板本体25Aを基体としてなり、基板本体25Aの内面側に走査線13やTFD素子40等(図5参照)を備えている。そして、走査線13等を覆って層間絶縁膜15が形成され、この層間絶縁膜15上に画素電極31が形成されている。この画素電極31は反射表示領域Rに設けられた光反射性の電極部31aと透過表示領域Tに設けられた透光性の電極部31bによって構成されている。透過表示領域Tに配置された電極部31bには、中央部に開口部31Aが設けられており、この開口部31Aの辺端に生じる斜め電界の作用によって液晶の傾倒方向を制御できるようになっている。層間絶縁膜15には、突起18に対向する位置にコンタクトホールC(図5参照)が形成されており、このコンタクトホールをCを介してTFD素子40と電極部31b(画素電極31)とが電気的に接続されている。また図示は省略したが、画素電極31及び層間絶縁膜15を覆ってポリイミド等の垂直配向膜が形成されており、液晶分子の初期配向を基板面に対し垂直に配向させるようになっている。基板本体25Aの外面側には、位相差板36、偏光板37が順に積層されている。尚、図5に示したTFD素子40は、層間絶縁膜15と基板本体25Aとの間に設けられている。
対向基板10は、石英、ガラス等の透光性材料からなる基板本体10Aを基体としてなり、基板本体10Aの内面側には、反射表示領域R及び透過表示領域Tに跨ってカラーフィルタ(カラーフィルタ層)22が設けられている。カラーフィルタ22は互いに色の異なる複数種類のカラーフィルタ(着色層)からなり、これらカラーフィルタ層22を構成する各カラーフィルタの間には必要に応じて黒色樹脂等からなる遮光層BM(ブラックマトリクス)が配置される。カラーフィルタ22の内面側には反射表示領域Rに対応して絶縁膜81が選択的に形成されている。このようにドット領域内に部分的に形成された絶縁膜81により、液晶層50の層厚が反射表示領域Rと透過表示領域Tとで異ならされている。絶縁膜81は、アクリル樹脂等の有機材料膜を用いて形成されている。絶縁膜81は、例えば膜厚が2μm±1μm程度に形成され、絶縁膜81が存在しない部分の液晶層50の厚みは2μm〜6μm程度であり、反射表示領域Rにおける液晶層50の厚みは透過表示領域Tにおける液晶層50の厚みの約半分となっている。つまり、絶縁膜81は、自身の膜厚によって反射表示領域Rと透過表示領域Tとにおける液晶層50の層厚を異ならせる液晶層厚調整層として機能し、もってマルチギャップ構造を実現するものとなっている。本例の液晶表示装置200は、係る構成により明るく高コントラストの表示が得られるようになっている。
さらに基板本体25Aの内面側には、カラーフィルタ22と絶縁膜81の表面を覆って対向電極9が形成されている。対向電極9はITO等からなるストライプ状の透明導電膜であり、この対向電極9の上には、透過表示領域Tの縁辺に沿って誘電体からなる環状の突起18が配設されている。前述のように、この突起18は素子基板側の電極スリット31Aと共に透過表示領域Tの配向制御を行なう配向規制手段を構成するものである。また、反射表示領域Rとの境界部に配した突起18によって、この配向規制力を反射表示領域Rにまで及ぼすことが可能となっている。また突起18には、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの境界部に前述の寸法を有する切れ目18A(図5参照)が設けられており、この切れ目18Aが形成された領域にディスクリネーションの核を固定できるようになっている。また図示は省略したが、対向電極9及びカラーフィルタ22を覆って垂直配向膜が形成されており、液晶分子51の初期配向を基板面に対し垂直に配向させるようになっている。基板本体10Aの外面側には、位相差板16と偏光板17とが積層配置されている。
以上説明したように、本実施形態でもマルチギャップ構造を採用しているので、反射表示と透過表示の双方において高コントラストな表示を得ることができる。また本実施形態では、反射表示領域Rと透過表示領域Tの境界部に設けた突起18の切れ目18Aの寸法形状が前述のように規定されているので、ディスクリネーションの核はこの切れ目18Aの形成領域に固定され、移動することはない。このため、前記核が移動することによって生じるざらざらとした表示不良が改善され、視認性の良い反射表示が得られるようになる。この構成では、反射表示領域には突起等の構造物が配置されないので、その分表示面積が広がり、明るい反射表示を得ることができる。また本実施形態では、突起18とコンタクトホールCとが平面的に重なるように配置されているので、コンタクトホール部分で生じるディスクリネーション起因の光漏れを遮断することができる。
[第3の実施の形態]
以下、本発明の第3の実施の形態を図7、図8を参照しつつ説明する。
図7は、本実施の形態の液晶表示装置について1つの画素の平面図を示すものであり、第1の実施の形態の図3に相当する模式図である。図8は図7のD−D‘断面を示す模式図であり、第1の実施の形態の図4に相当する図である。なお、図8では図示上側が視認側とされる。本実施の形態の液晶表示装置の基本構成は第1の実施の形態と同様であり、島状部を連結する連結部の数と、画素電極とTFD素子を接続するコンタクトホールの位置が異なるのみである。したがって、図7、図8において図3、図4と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図7に示すように、本実施形態においてドット領域D1〜D3に設けられた画素電極31は、各ドット領域内に形成されたスリット(開口部31B)により、略同じ大きさ,形状を有する複数(本実施形態では3つ)の島状部(サブピクセル)31a,31b,31bに分割され、各島状部は中央部で連結されている(連結部31c)。各島状部31a,31b,31bはそれぞれサブドット領域S1,S2,S3を構成し、各ドット領域D1,D2,D3はそれぞれ3つのサブドット領域S1,S2,S3に分割された状態となっている。各島状部31a,31b,31bとこれらの島状部を連結する連結部31cはITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電膜によって一体に形成されている。図示上側の島状部31aは、各ドット領域内に部分的に設けられた反射膜80の形成領域内に配置されており、残る下側の島状部31b,31bは、反射膜80の非形成領域に配置されている。反射膜80の形成領域内に配置された島状部31aの平面領域が、本液晶表示装置100における反射表示領域Rとされ、残る下側の島状部31b,31bの平面領域が透過表示領域Tとされている。反射膜80の表面には凹凸形状が付与されており、この凹凸によって反射光が散乱されることで、視認性の良い表示が得られるようになっている。すなわち、本実施形態の液晶表示装置300は、1つのドット領域内に反射表示を行なう反射表示領域Rと透過表示を行なう透過表示領域Tとを備えた半透過反射型の液晶表示装置であり、表示可能な領域の略1/3の面積が反射表示に寄与し、残りの略2/3の面積が透過表示に寄与するようになっている。
また本実施形態において、隣接する島状部と島状部との間には連結部31cがそれぞれ複数設けられており、これら複数の連結部31cは、前記隣接する島状部と島状部との中心部を結ぶ線に対して互いに対称となるように配置されている。図7の例では、連結部31cはそれぞれ島状部の左右両端に1つずつ、計2つ設けられている。連結部31cの寸法は、前記島状部の配列方向(図示上下方向)に延在する縦方向の寸法d1が10μm、前記島状部の配列方向に直交する横方向の寸法d2が10μmに設定されている。このような寸法形状とすることで、ディスクリネーションの核を連結部31cに強固に固定することが可能になる(表1参照)。なお、連結部31cの寸法形状は、これに限定されない。縦方向の寸法d1が8μm以上20μm以下で且つ横方向の寸法d2が5μm以上20μm以下であれば、ディスクリネーションの核を強固に固定することができ、良好な視認性が得られるようになる。
TFD素子40は、走査線13と画素電極31とを接続するスイッチング素子であって、走査線13に沿って延びる第1金属膜41と、2つの第2金属膜42,43との間に図示略の絶縁膜を挟んだ構造を有している。走査線13を分岐して形成された第2金属膜42と第1金属膜41との交差部に第1素子部40aが形成され、第1金属膜41と、第2金属膜43との交差部に第2素子部40bが形成されている。第2素子部40bの第2金属膜43は、直接又は図示略のコンタクトホールを介して引き廻し配線46に接続されている。引き廻し配線46は、島状部31bの中央部にまで延び、該島状部31bの中央部に設けられたコンタクトホールCを介して、引き廻し配線46と該島状部31b(画素電極31)とが電気的に接続されている。引き廻し配線46の先端はコンタクトホールCの径よりも若干大きい径を有する円形状とされており、コンタクトホール部分で生じるディスクリネーション起因の光漏れを遮断するための遮光部として機能する。
次に、図8に示す断面構造をみると、液晶表示装置200は、素子基板10とこれに対向配置された対向基板25とを備え、これらの基板の間に初期配向状態が垂直配向状態を呈する誘電率異方性が負の液晶からなる液晶層50が挟持されている。素子基板25の外面側にあたる液晶セルの外側には、照明手段として光源、リフレクタ、導光板などを有するバックライト(図示略)が設置されている。
素子基板25は、石英、ガラス等の透光性材料からなる基板本体25Aを基体としてなり、基板本体25Aの内面側に走査線13,TFD素子40,引き廻し配線46等(図7参照)を備えている。そして、これら走査線13等を覆って層間絶縁膜15が形成され、この層間絶縁膜15上に画素電極31が形成されている。この画素電極31は反射表示領域Rに設けられた光反射性の電極部31a、透過表示領域Tに設けられた透光性の電極部31b,31b、及びこれらの電極部31a,31b,31bを接続するための連結部31cによって構成されている。電極部31b,31bはITO等の透明導電材料からなり、矩形の電極部31b,31bにスリット状の開口部(電極スリット)31Bを設けることによって連結部31cが形成されている。この開口部31Bは、液晶の配向を制御するための配向規制手段として機能する。すなわち、この開口部31Bの辺端に生じる斜め電界の作用によって液晶の傾倒方向を制御できるようになっている。また、開口部31Bのサイズは、連結部31cの寸法が前述の寸法範囲内となるように調整されており、この連結部31cの形成された領域にディスクリネーションの核を固定できるようになっている。層間絶縁膜15には、島状部31bの中央部に対応する位置にコンタクトホールCが形成されており、このコンタクトホールをCを介して引き廻し配線46(TFD素子40)と島状部31b(画素電極31)とが電気的に接続されている。また図示は省略したが、画素電極31及び層間絶縁膜15を覆ってポリイミド等の垂直配向膜が形成されており、液晶分子の初期配向を基板面に対し垂直に配向させるようになっている。基板本体25Aの外面側には、位相差板36、偏光板37が順に積層されている。尚、図7に示したTFD素子40は、層間絶縁膜15と基板本体25Aとの間に設けられている。
対向基板10は、石英、ガラス等の透光性材料からなる基板本体10Aを基体としてなり、基板本体10Aの内面側には、反射表示領域R及び透過表示領域Tに跨ってカラーフィルタ(カラーフィルタ層)22が設けられている。カラーフィルタ22は互いに色の異なる複数種類のカラーフィルタ(着色層)からなり、これらカラーフィルタ層22を構成する各カラーフィルタの間には必要に応じて黒色樹脂等からなる遮光層BM(ブラックマトリクス)が配置される。カラーフィルタ22の内面側には反射表示領域Rに対応して絶縁膜81が選択的に形成されている。このようにドット領域内に部分的に形成された絶縁膜81により、液晶層50の層厚が反射表示領域Rと透過表示領域Tとで異ならされている。絶縁膜81は、アクリル樹脂等の有機材料膜を用いて形成されている。絶縁膜81は、例えば膜厚が2μm±1μm程度に形成され、絶縁膜81が存在しない部分の液晶層50の厚みは2μm〜6μm程度であり、反射表示領域Rにおける液晶層50の厚みは透過表示領域Tにおける液晶層50の厚みの約半分となっている。つまり、絶縁膜81は、自身の膜厚によって反射表示領域Rと透過表示領域Tとにおける液晶層50の層厚を異ならせる液晶層厚調整層として機能し、もってマルチギャップ構造を実現するものとなっている。本例の液晶表示装置300は、係る構成により明るく高コントラストの表示が得られるようになっている。
さらに基板本体25Aの内面側には、カラーフィルタ22と絶縁膜81の表面を覆って対向電極9が形成されている。対向電極9はITO等からなるストライプ状の透明導電膜であり、この対向電極9上の島状部31b,31bに対向する位置には、略円錐状の誘電体からなる突起18が配設されている。この突起18は素子基板側の電極スリット31Bと共に透過表示領域Tの配向制御を行なう配向規制手段を構成するものである。また図示は省略したが、対向電極9及びカラーフィルタ22を覆って垂直配向膜が形成されており、液晶分子51の初期配向を基板面に対し垂直に配向させるようになっている。基板本体10Aの外面側には、位相差板16と偏光板17とが積層配置されている。
以上説明したように、本実施形態でもマルチギャップ構造を採用しているので、反射表示と透過表示の双方において高コントラストな表示を得ることができる。また本実施形態では、各島状部31a,31b,31bを連結する連結部31cの寸法形状が前述のように規定されているので、ディスクリネーションの核はこの連結部31cの形成領域に固定され、移動することはない。このため、前記核が移動することによって生じるざらざらとした表示不良が改善され、視認性の良い反射表示が得られるようになる。この構成では、反射表示領域には突起等の構造物が配置されないので、その分表示面積が広がり、明るい反射表示を得ることができる。
[第4の実施の形態]
以下、本発明の第4の実施の形態を図9〜図11を参照しつつ説明する。
本実施の形態の液晶表示装置は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor, 以下、TFTと略記する)を用いたアクティブマトリクス型の液晶表示装置の例であり、特に反射表示と透過表示を可能にした半透過反射型液晶表示装置の例である。なお、図9〜図11において図1〜図4と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図9は、本実施の形態の液晶表示装置400についての等価回路を示している。図9に示すように、画像表示領域を構成するマトリクス状に配置された複数のドットには、画素電極31と、該画素電極31を制御するためのスイッチング素子であるTFT30がそれぞれ形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aがTFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給されるか、あるいは相隣接する複数のデータ線6aに対してグループ毎に供給される。また、走査線3aがTFT30のゲートに電気的に接続されており、複数の走査線3aに対して走査信号G1、G2、…、Gmが所定のタイミングでパルス的に線順次で印加される。また、画素電極31はTFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけオンすることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。画素電極31を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板側に形成された共通電極との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ここで、保持された画像信号がリークすることを防止するために、画素電極31と共通電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70が付加されている。なお、符号3bは容量線である。
次に、図10、図11に基づいて、本実施形態の液晶表示装置400の画素構成について説明する。図10は液晶表示装置100の画素構成、特に画素電極31の平面構成を示すものであり、第1の実施の形態の図3に相当する模式図である。図11は図10のE−E’断面を示す模式図であり、第1の実施のけ異体の図4に相当する図である。なお、図11では図示上側が視認側とされる。
図10に示すように、本実施形態の液晶表示装置100では、互いに平行に延在する走査線3aと、これらの走査線に交差して延在するデータ線6aとに囲まれた平面視矩形状の領域がドット領域D1〜D3とされ、1つのドット領域に対応して3原色のうち1色のカラーフィルタ(着色層)が形成され、3つのドット領域D1〜D3で3色のカラーフィルタを含む画素領域を形成している。尚、これらのカラーフィルタは、それぞれ図示上下方向に延びるストライプ状に形成され、その延在方向で各々複数のドット領域に跨って形成されるとともに、図示左右方向にて周期的に配列されている。
ドット領域D1〜D3に設けられた画素電極31は、各ドット領域内に形成されたスリット(開口部31B)により複数(本実施形態では2つ)の島状部(サブピクセル)31a,31bに分割され、各島状部は中央部で連結されている(連結部31c)。各島状部31a,31bはそれぞれサブドット領域S1,S2を構成し、各ドット領域D1,D2,D3はそれぞれ2つのサブドット領域S1,S2に分割された状態となっている。図示上側の島状部31aはAl(アルミニウム)やAg(銀)等の光反射性の金属膜若しくはこれらの金属膜とITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電膜との積層膜からなる。この島状部31aは反射電極として機能し、この島状部31aの形成された領域が反射表示領域Rとなる。反射電極の表面には凹凸形状が付与されており、この凹凸によって反射光が散乱されることで、視認性の良い表示が得られるようになっている。また、図示下側の島状部31bはITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電膜からなり、この島状部31bの形成された領域が透過表示領域Tとなる。すなわち、本実施形態の液晶表示装置400は、1つのドット領域内に反射表示を行なう反射表示領域Rと透過表示を行なう透過表示領域Tとを備えた半透過反射型の液晶表示装置であり、表示可能な領域の略1/3の面積が反射表示に寄与し、残りの略2/3の面積が透過表示に寄与するようになっている。
また本実施形態において、隣接する島状部31aと島状部31bとの間には連結部31cが複数設けられており、これら複数の連結部31cは、前記隣接する島状部と島状部との中心部を結ぶ線に対して互いに対称となるように配置されている。図10の例では、連結部31cはそれぞれ島状部の左右両端に1つずつ、計2つ設けられている。連結部31cの寸法は、前記島状部の配列方向(図示上下方向)に延在する縦方向の寸法d1が10μm、前記島状部の配列方向に直交する横方向の寸法d2が10μmに設定されている。このような寸法形状とすることで、ディスクリネーションの核を連結部31cに強固に固定することが可能になる(表1参照)。なお、連結部31cの寸法形状は、これに限定されない。縦方向の寸法d1が8μm以上20μm以下で且つ横方向の寸法d2が5μm以上20μm以下であれば、ディスクリネーションの核を強固に固定することができ、良好な視認性が得られるようになる。
各画素電極31には、透過表示領域Tの中央部となる位置に開口部(電極スリット)31Aが設けられており、更に、この画素電極31と液晶層を挟んで対向する対向基板側には、誘電体からなる突起18が透過表示領域Tの縁辺に沿って環状に設けられている。この突起18と電極スリット31Aは電圧印加時の液晶分子の傾倒方向を制御するための配向規制手段として機能するものである。このように画素電極31に開口部31Aを設けた場合、開口部31Aの周辺では該開口部31Aの辺端に垂直に斜め電界が発生し、液晶分子51は開口部31Aの輪郭に対して垂直方向に傾倒する。また突起18の周辺では、電圧無印加時には液晶分子51が突起18の傾斜面と垂直に配向し、電圧印加時には突起18から外側に向かって液晶分子51が倒れ、それを中心とした平面放射状に液晶分子51が配向する。従って、透過表示領域Tでは、電圧印加時に液晶分子51のダイレクタが全方位に向くこととなり、視野角の極めて広い表示が実現される。さらに、突起18が反射表示領域Rの境界部にも配置されているので、突起18による配向規制力を反射表示領域Rにまで大きく及ぼすことができる。
突起18は、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの境界部に切れ目18Aを有する開環状に形成されており、突起18の寸法は、前記突起18の幅d3(島状部31a,31bの配列方向に延在する切れ目18Aの縦方向の寸法)が10μm、前記切れ目18Aの幅d4(島状部31a,31bの配列方向に直交する横方向の寸法)が12μmに設定されている。このような寸法形状とすることで、ディスクリネーションの核を該突起18の切れ目18Aの部分に更に強固に固定することが可能になる(表2参照)。なお、切れ目18Aの寸法形状は、これに限定されない。縦方向の寸法d3が8μm以上20μm以下で且つ横方向の寸法d4が5μm以上20μm以下であれば、ディスクリネーションの核を強固に固定することができ、良好な視認性が得られるようになる。
図示下方側の島状部31bと、走査線3a、データ線6aとの間に、TFT30が介挿されている。TFT30は、半導体層33と、半導体層33の下層側(基板本体25A側)に設けられたゲート電極部32と、半導体層33の上層側に設けられたソース電極部34と、ドレイン電極部35とを備えて構成されている。半導体層33のゲート電極部32と対向する領域にTFT30のチャネル領域が形成されており、その両側の半導体層には、ソース領域、及びドレイン領域が形成されている。
ゲート電極部32は、走査線3aの一部をデータ線6aの延在方向に分岐して形成されており、その先端側で半導体層33と図示略の絶縁膜を介して対向している。ソース電極部34は、データ線6aの一部を走査線3aの延在方向に分岐して形成されており、図示略のコンタクトホールを介して半導体層33のソース領域と電気的に接続されている。ドレイン電極35の一端側は、図示略のコンタクトホールを介して前記ドレイン領域と電気的に接続されており、ドレイン電極35の他端側は、直接又はコンタクトホールCを介して島状部31b(画素電極31)と電気的に接続されている。
そして、TFT30は、走査線3aを介して入力されるゲート信号により所定期間だけオン状態とされることで、データ線6aを介して供給される画像信号を、所定のタイミングで液晶に対して書き込めるようになっている。
一方、図11に示す断面構造を見ると、液晶表示装置400は、素子基板25と、これに対向配置された対向基板10とを備え、前記基板10,25間に初期配向状態が垂直配向を呈する誘電率異方性が負の液晶からなる液晶層50が挟持されている。素子基板25の外面側にあたる液晶セルの外側には、照明手段として光源、リフレクタ、導光板などを有するバックライト(図示略)が設置されている。
素子基板25は、石英、ガラス等の透光性材料からなる基板本体25Aを基体としてなり、基板本体25Aの内面側(液晶層側)に走査線3aが形成されている。そして、走査線3aを覆ってゲート絶縁膜が形成され、このゲート絶縁膜上にデータ線6a等が形成され、更にこのデータ線等を覆って形成された層間絶縁膜15を介して画素電極31が形成されている。この画素電極31は反射表示領域Rに設けられた光反射性の島状部31a、透過表示領域Tに設けられた透光性の島状部31b、及びこれらの電極部31a,31bを接続するための連結部31cによって構成されている。電極部31b,31bはITO等の透明導電材料からなり、矩形の電極部31bにスリット状の開口部(電極スリット)31Bを設けることによって連結部31cが形成されている。透過表示領域Tに配置された電極部31bには、中央部に開口部31Aが設けられている。この開口部31A及び開口部31Bは、液晶の配向を制御するための配向規制手段として機能する。すなわち、この開口部31A,開口部31Bの辺端に生じる斜め電界の作用によって液晶の傾倒方向を制御できるようになっている。また、開口部31Bのサイズは、連結部31cの寸法が前述の寸法範囲内となるように調整されており、この連結部31cの形成された領域にディスクリネーションの核を固定できるようになっている。層間絶縁膜15には、突起18に対向する位置にコンタクトホールC(図10参照)が形成されており、このコンタクトホールをCを介してTFT30と島状部31b(画素電極31)とが電気的に接続されている。また図示は省略したが、画素電極31及び層間絶縁膜15を覆ってポリイミド等の垂直配向膜が形成されており、液晶分子の初期配向を基板面に対し垂直に配向させるようになっている。基板本体25Aの外面側には、位相差板36、偏光板37が順に積層されている。尚、図10に示したTFT30は、層間絶縁膜15と基板本体25Aとの間に設けられている。
対向基板10は、石英、ガラス等の透光性材料からなる基板本体10Aを基体としてなり、基板本体10Aの内面側には、反射表示領域R及び透過表示領域Tに跨ってカラーフィルタ(カラーフィルタ層)22が設けられている。カラーフィルタ22は互いに色の異なる複数種類のカラーフィルタ(着色層)からなり、これらカラーフィルタ層22を構成する各カラーフィルタの間には必要に応じて黒色樹脂等からなる遮光層BM(ブラックマトリクス)が配置される。カラーフィルタ22の内面側には反射表示領域Rに対応して絶縁膜81が選択的に形成されている。このようにドット領域内に部分的に形成された絶縁膜81により、液晶層50の層厚が反射表示領域Rと透過表示領域Tとで異ならされている。絶縁膜81は、アクリル樹脂等の有機材料膜を用いて形成されている。絶縁膜81は、例えば膜厚が2μm±1μm程度に形成され、絶縁膜81が存在しない部分の液晶層50の厚みは2μm〜6μm程度であり、反射表示領域Rにおける液晶層50の厚みは透過表示領域Tにおける液晶層50の厚みの約半分となっている。つまり、絶縁膜81は、自身の膜厚によって反射表示領域Rと透過表示領域Tとにおける液晶層50の層厚を異ならせる液晶層厚調整層として機能し、もってマルチギャップ構造を実現するものとなっている。本例の液晶表示装置200は、係る構成により明るく高コントラストの表示が得られるようになっている。
さらに基板本体25Aの内面側には、カラーフィルタ22と絶縁膜81の表面を覆って対向電極9が形成されている。対向電極31は平面ベタ状のITO等からなる透明導電膜であり、この対向電極9の上には、透過表示領域Tの縁辺に沿って誘電体からなる環状の突起18が配設されている。前述のように、この突起18は素子基板側の電極スリット31A,31Bと共に透過表示領域Tの配向制御を行なう配向規制手段を構成するものである。また、反射表示領域Rとの境界部に配した突起18によって、この配向規制力を反射表示領域Rにまで及ぼすことが可能となっている。また突起18には、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの境界部に前述の寸法を有する切れ目18A(図10参照)が設けられており、この切れ目18Aが形成された領域にディスクリネーションの核を固定できるようになっている。また図示は省略したが、対向電極9及びカラーフィルタ22を覆って垂直配向膜が形成されており、液晶分子51の初期配向を基板面に対し垂直に配向させるようになっている。基板本体10Aの外面側には、位相差板16と偏光板17とが積層配置されている。
以上説明したように、本実施形態でもマルチギャップ構造を採用しているので、反射表示と透過表示の双方において高コントラストな表示を得ることができる。また本実施形態では、連結部31cの寸法形状が前述のように規定され、更に反射表示領域Rと透過表示領域Tの境界部に設けた突起18の切れ目18Aの寸法形状が前述のように規定されているので、ディスクリネーションの核はこの連結部31c及び切れ目18Aの形成領域に固定され、移動することはない。このため、前記核が移動することによって生じるざらざらとした表示不良が改善され、視認性の良い反射表示が得られるようになる。この構成では、反射表示領域には突起等の構造物が配置されないので、その分表示面積が広がり、明るい反射表示を得ることができる。また本実施形態では、突起18とコンタクトホールCとが平面的に重なるように配置されているので、コンタクトホール部分で生じるディスクリネーション起因の光漏れを遮断することができる。
[電子機器]
図12は、本発明に係る電子機器の一例を示す斜視図である。この図に示す携帯電話1300は、本発明の液晶表示装置を小サイズの表示部1301として備え、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えて構成されている。
上記各実施の形態の表示装置は、上記携帯電話に限らず、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができ、いずれの電子機器においても、明るく、高コントラストであり、かつ広視野角の透過/反射表示が可能になっている。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、液晶層厚調整層81は素子基板又は対向基板のいずれに配置してもよく、双方の基板に配置することもできる。また、前記実施形態では液晶層厚調整層を反射表示領域に配置したが、透過表示領域と反射表示領域の双方に配置することもできる。この場合、例えば反射表示領域の液晶層厚調整層を透過表示領域の液晶層厚調整層よりも厚くなるようにすることで、液晶層厚のバランスをとることができる。また、カラーフィルタ22は、反射膜(反射電極)よりも観察側に配置される限りにおいて、素子基板と対向基板のいずれに配置してもよい。また、各実施形態においてスイッチング素子はTFT又はTFDのいずれでもよく、第1〜第3の実施形態においてスイッチング素子をTFT素子としたり、第4の実施形態においてスイッチング素子をTFD素子とすることも可能である。また、電極スリットや突起等の構成部材の配置変更は自由に行なうことができる。さらに、前記実施形態では本発明をアクティブマトリクス型の液晶表示装置に適用した例を示したが、本発明はスイッチング素子を備えないパッシブマトリクス型の液晶表示装置に適用することも可能である。
第1実施形態に係る液晶表示装置の回路構成図。 同、液晶表示装置のドット領域の構造を示す平面図。 同、1画素領域の平面構成図。 図3のA−A’線に沿う断面構成図。 第2実施形態に係る液晶表示装置の1画素領域の平面構成図。 図5のB−B’線に沿う断面構成図。 第3実施形態に係る液晶表示装置の1画素領域の平面構成図。 図7のD−D’線に沿う断面構成図。 第4実施形態に係る液晶表示装置の回路構成図。 同、1画素領域の平面構成図。 図10のE−E’線に沿う断面構成図。 電子機器の一例を示す斜視構成図。
符号の説明
9…対向電極、10…対向基板、15…層間絶縁膜、18…突起(配向規制手段)、18A…切れ目、25…素子基板、30…TFT(スイッチング素子)、31…画素電極、31A,31B…電極スリット(配向規制手段)、31a,31b…島状部(サブピクセル)、31c…連結部、40…TFD素子(スイッチング素子)、50…液晶層、51…液晶分子、81…絶縁膜(液晶層厚調整層)、100,200,300,400…液晶表示装置、1300…電子機器、C…コンタクトホール、D1,D2,D3…ドット領域、R…反射表示領域、T…透過表示領域

Claims (9)

  1. 一対の基板間に液晶層を挟持してなり、1つのドット領域内に反射表示を行なう反射表示領域と透過表示を行なう透過表示領域とを備えた液晶表示装置であって、
    前記液晶層は、初期配向状態が垂直配向を呈する誘電率異方性が負の液晶からなり、
    前記一対の基板のうちの少なくとも一方の基板と前記液晶層との間には、前記反射表示領域の液晶層厚を前記透過表示領域の液晶層厚よりも小さくする液晶層厚調整層が設けられており、
    前記一対の基板の対向面側には、前記液晶を駆動するための電極がそれぞれ設けられており、前記一対の基板の電極のうち少なくとも一方の電極は、1つのドット領域内で複数の島状部と、隣接する前記島状部を互いに電気的に接続する連結部とを有しており、前記複数の島状部は、前記透過表示領域と反射表示領域とに各々整数個ずつ配置され、前記連結部の寸法は、前記島状部の配列方向に延在する縦方向の寸法が8μm以上20μm以下であり、前記島状部の配列方向に直交する横方向の寸法が5μm以上20μm以下であることを特徴とする、液晶表示装置。
  2. 隣接する島状部と島状部との間には前記連結部がそれぞれ複数設けられており、前記複数の連結部は、隣接する前記島状部と島状部との中心部を結ぶ線に対して互いに対称となるように配置されていることを特徴とする、請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 前記島状部が設けられた基板と対向する他方の基板には、前記透過表示領域内の前記島状部に対向する位置に、電界印加時の液晶の配向状態を規制する配向規制手段が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2記載の液晶表示装置。
  4. 前記配向規制手段は、前記他方の基板の電極に設けられた開口部、又は該電極上に設けられた誘電体材料からなる突起であることを特徴とする、請求項3記載の液晶表示装置。
  5. 前記島状部が設けられた基板には、前記島状部を駆動するスイッチング素子が設けられており、該スイッチング素子はコンタクトホールを介して前記透過表示領域の島状部と電気的に接続されており、前記コンタクトホールと前記配向規制手段とは平面的に重なるように配置されていることを特徴とする、請求項3又は4記載の液晶表示装置。
  6. 前記島状部は、平面視において概略円形状、又は概略正多角形状であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかの項に記載の液晶表示装置。
  7. 一対の基板間に液晶層を挟持してなり、1つのドット領域内に反射表示を行なう反射表示領域と透過表示を行なう透過表示領域とを備えた液晶表示装置であって、
    前記液晶層は、初期配向状態が垂直配向を呈する誘電率異方性が負の液晶からなり、
    前記一対の基板のうちの少なくとも一方の基板と前記液晶層との間には、前記反射表示領域の液晶層厚を前記透過表示領域の液晶層厚よりも小さくするための液晶層厚調整層が設けられており、
    前記一対の基板のうちの少なくとも一方の基板の内面側には、誘電体材料からなる突起が前記透過表示領域の縁辺に沿って設けられており、前記突起は、前記反射表示領域と前記透過表示領域との境界部に切れ目を有する開環状に形成され、前記突起の寸法は、前記切れ目の幅が8μm以上20μm以下であり、前記突起の幅が5μm以上20μm以下であることを特徴とする、液晶表示装置。
  8. 前記一対の基板の内面側には、前記液晶を駆動するための電極がそれぞれ設けられており、前記突起が設けられた基板と対向する他方の基板には、該他方の基板に設けられた電極を駆動するスイッチング素子が設けられており、該スイッチング素子はコンタクトホールを介して前記透過表示領域に設けられた前記電極と電気的に接続されており、前記コンタクトホールは前記突起と平面的に重なるように配置されていることを特徴とする、請求項7記載の液晶表示装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかの項に記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする、電子機器。

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