JP2006072184A - 写真感光材料用遮光部材、写真感光材料用収納容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 パイル糸の根本部分(緯糸にパイル糸が掛けられた近傍)からの漏光を改善した、経糸と緯糸とを有する平織り構造の基布と、緯糸に掛けられたパイル糸とを有する遮光部材及びこの遮光部材を使用した収納容器の提供。
【解決手段】 経糸と緯糸とを有する平織り構造の基布と該緯糸に掛けられたパイル糸とを有する写真感光材料用遮光部材において、該経糸の内、該緯糸に掛けられたパイル糸と接触しない部分から構成される少なくとも1本のパイル無接触経糸部分を織り幅方向に1.5〜2.9mmの間隔で有することを特徴とする写真感光材料用遮光部材。
【選択図】 図1

Description

本発明はパイルを有する遮光部材に関し、詳しくは写真感光材料用収納容器(以下、収納容器とも言う)の写真感光材料の出し入れ口の上下に貼着し用いられる写真感光材料用遮光部材(以下、遮光部材とも言う)及びこの遮光部材を使用した収納容器に関する。
一般的にロール状写真感光材料は使用するに際して、出し入れ自在の遮光容器に収納された状態で使用されている。例えば、35mmロールフイルムは、筒状の胴部と、該胴部内に収納されフイルムをロール状に巻くための巻芯としてのスプールと、胴部の両端を閉じるキャップとから構成され、出入口からフイルムの巻き出し、巻き入れが可能なパトローネと呼ばれる遮光容器に収納し使用されている。そして、出入口にはパトローネ内部の遮光性を保つために写真感光材料用遮光部材(以下、単に遮光部材ともいう)が設けられている。
遮光部材は、パトローネ内部の遮光性を保ち、収納されているロール状写真感光材料の感光を防止できることは勿論、ロール状写真感光材料の引き出し及び巻き戻し操作が円滑にできることを必要とするため、基布表面にパイルを有し、かつ柔軟な材料からなる遮光布帛構造物が用いられている。遮光容器に使用される遮光部材としては、特開昭62−125346号、同62−65036号、同62−201432号、特開平2−15254号に記載されている織方式、特開平4−73642号に記載されている編み方式、特開平152114号、同9−120116号に記載されている起毛方式で作製された物が知られている。これらの各方式で作製された遮光部材の内、生産性、取り扱い性の面から織方式が多く使われる様になっている。遮光部材に使用されている代表的な織方式としては、基布の織り組織が平織り組織と、綾織り組織が知られている。平織り構造を有する遮光部材の織り構造を図2で説明する。
図9は平織り構造を有する従来の遮光部材の織り構造の組織図である。
図中、G21〜G26は経糸を示し、g21〜g29は緯糸を示し、P21〜P26はパイル糸を示す。×印は緯糸にパイル糸が掛けられた位置を示す。パイル糸P21、P23、P25は、緯糸g21、g23、g25、g27、g29に掛けられており、パイル糸P22、P24、P26は、緯糸g22、g24、g26、g28に掛けられていることを示している。本図で示される平織り構造を有する遮光部材では経糸G21〜G26は全て緯糸g21〜g29に掛けられたパイル糸P21〜P26の何れかに接触している。又、黒く塗りつぶしてある箇所は経糸が緯糸の上に浮いている状態を示し、塗りつぶして内箇所は経糸が緯糸の下に沈んでいる状態を示す。
図9に示される遮光部材の製造方法としては、上下に重ねた織布をパイル糸で織り込み、次いで、上下の織布の略中央付近のパイル糸を布面に沿って裁断することによって製造する(特開昭62−98347号公報参照)ことが知られている。
本図に示す平織り組織の遮光部材は、綾織り組織の遮光部材に比べ、生産性が高く、コストが安いことが知られているが、欠点として緯糸に掛けられたパイル糸の根本部分(緯糸にパイル糸が掛けられた近傍)からの漏光が劣ることが知られている。
このため、漏光対策として2つの方法が検討されてきた。1つは基布の裏面にカーボンブラックを添加した目止め剤を塗布することでパイル糸の根本部分(緯糸にパイル糸が掛けられた近傍)まで目止め剤を浸透させる方法が知られている。しかしながら、目止め剤の粘度の調整を間違うと目止め剤がパイル糸の根元から上部まで浸透してしまうことがあり、パイル糸の柔軟性が損なわれることがあるため十分に注意しながら使用しているのが現状である。他の1つは、パイル糸の緯糸への掛け方による対策である。例えば、緯糸に掛けるパイル糸の位置を、両側に経糸が浮いている箇所にすることで、パイル糸の根本部分(緯糸にパイル糸が掛けられた近傍)を両側の経糸で押さえ、パイル糸を緯糸に固定することで根本部分(緯糸にパイル糸が掛けられた近傍)からの漏光を改善する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、次の欠点を有している。1)緯糸にパイル糸を掛ける位置が制限されるためパイル糸の打ち込み本数が少なくなり、ISO800以上の高感度写真感光材料を収納する容器に使用した場合、写真感光材料の出し入れ口の遮光が不足し、漏光により高感度写真感光材料を被らせてしまう危険がある。この対策として、使用する経糸、緯糸、パイル糸を細くすることでパイル糸の打ち込み箇所を増やす方法があるが、この場合は、生産性の低下、基布の強度不足に伴う細幅断裁、容器の出し入れ口への貼着等の加工適性の低下、パイル糸の強度不足に伴うパイル倒れによる遮光性機能の低下等が生じる危険がある。2)パイル糸を掛ける緯糸が経糸により保持されていないため緯糸が動き易くなりパイル糸の打ち込み箇所の固定が安定しなくなる。この対策のために、目止め剤で緯糸を固定する必要が生じ従来と同じ欠点を持つことになる。
このため、パイル糸の打ち込み本数を減らすことなく、パイル糸の根本部分(緯糸にパイル糸が掛けられた近傍)からの漏光を改善した、コストが安く、生産性が良い経糸と緯糸とを有する平織り構造の基布と、緯糸に掛けられたパイル糸とを有する遮光部材及びこの遮光部材を使用した収納容器の開発が望まれている。
特開平6−301155号公報
本発明は、上記状況に鑑みなされたものであり、その目的は、パイル糸の根本部分(緯糸にパイル糸が掛けられた近傍)からの漏光を改善した、経糸と緯糸とを有する平織り構造の基布と、緯糸に掛けられたパイル糸とを有する遮光部材及びこの遮光部材を使用した収納容器を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成された。
(請求項1)
経糸と緯糸とを有する平織り構造の基布と該緯糸に掛けられたパイル糸とを有する写真感光材料用遮光部材において、
該経糸の内、該緯糸に掛けられたパイル糸と接触しない部分から構成される少なくとも1本のパイル無接触経糸部分を織り幅方向に1.5〜2.9mmの間隔で有することを特徴とする写真感光材料用遮光部材。
(請求項2)
前記パイル糸は、太さ50〜150デニール、フィラメント数25〜100本のフィラメント糸であることを特徴とする請求項1に記載の写真感光材料用遮光部材。
(請求項3)
前記パイル糸の植え込み本数は200〜1000本/cm2であることを特徴とする請求項1又は2に記載の写真感光材料用遮光部材。
(請求項4)
前記パイル糸はカーボンブラックを使用した原着糸であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の写真感光材料用遮光部材。
(請求項5)
前記パイル糸は、捲縮率が5〜30%の加工糸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の写真感光材料用遮光部材。
(請求項6)
前記基布は、太さ50〜200デニール、フィラメント数20〜60本である経糸と、緯糸とから織られていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の写真感光材料用遮光部材。
(請求項7)
前記基布は、捲縮率が5〜20%の捲縮加工糸である経糸と、緯糸とから織られていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の写真感光材料用遮光部材。
(請求項8)
前記基布は、単位面積当たり経糸25〜80本/cm2、緯糸10〜50本/cm2の本数で織られていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の写真感光材料用遮光部材。
(請求項9)
前記基布は、パイル糸と同じ材質の経糸と、緯糸とから織られていることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の写真感光材料用遮光部材。
(請求項10)
前記基布はカーボンブラックを使用した原着糸である経糸と、緯糸とから織られていることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の写真感光材料用遮光部材。
(請求項11)
請求項1〜10の何れか1項に記載の写真感光材料用遮光部材を写真感光材料の出し入れ口から一部を外に出し、該出し入れ口の上下に貼着した写真感光材料用収納容器において、
前記出し入れ口の上下で写真感光材料と接触する部分の該写真感光材料用遮光部材が、
前記写真感光材料用遮光部材を構成する経糸の内、緯糸に掛けられたパイル糸と接触しない少なくとも1本のパイル無接触経糸を前記写真感光材料用遮光部材の織り幅方向に有していることを特徴とする写真感光材料用収納容器。
パイル糸の根本部分(緯糸にパイル糸が掛けられた近傍)からの漏光を改善した、経糸と緯糸とを有する平織り構造の基布と、緯糸に掛けられたパイル糸とを有する遮光部材及びこの遮光部材を使用した収納容器を提供することが出来、高感度の写真感光材料を安心して使用することが可能となった。
本発明の実施の形態を図1〜図8を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は収納容器の一例として35mmロール状写真フィルムを内装した状態のパトローネの概略分解斜視図である。尚、本図に示されるパトローネのフィルム出し入れ口には、図9に示す織り組織の従来の平織り組織の遮光部材が使用されている。
図中、1はスプール3に長尺写真フィルムを巻回しロール状としたフィルム4を内装した状態のパトローネを示す。401はパトローネ1のフィルム出し入れ口203から外に出でいるフィルム4の端部を示す。パトローネ1は円筒状の胴体2と長尺写真フィルムを巻回すスプール3と、胴体2の両端に取り付けられ、胴体2の内部に収納されたスプール3を回転可能に支持するキャップ5a(5b)とを有している。
胴体2は、フィルム出し入れ口203の上部を形成する第1端部201に貼着された第1遮光部材201aと、先端部近傍が外側に折り曲げられた他方のフィルム出し入れ口203の下部を形成する第2端部202に貼着された第2遮光部材202aと、第1端部201と第2端部202とが互いに略平行に重なる様に円筒状に曲げられて形成されたスリ
ット状のフィルム出し入れ口203とを有している。第1遮光部材201aの幅は約9mm、第2遮光部材202aの幅は約11mmの遮光部材が使用されている。これらの第1遮光部材201a及び第2遮光部材202aは広幅で作製された遮光部材を織り方向に細幅に裁断し、フィルム出仕入れ口の幅に合わせて切断して使用しても良いし、予め使用する幅に作製して、フィルム出仕入れ口の幅に合わせて切断して使用しても良い。
フィルム出し入れ口203から出ているフィルム4の端部401は、感光層側が第2遮光部材202aと、裏面側が第1遮光部材201aと接触するようにパトローネに内装されている。
204はカメラ・オート・センシング部(ISO1007 2000−06−01に記載、以下CAS部と称す)を示し、205はCAS部の内容をバーコードで表したDXバーコード(ISO1007 2000−06−01に記載)を示す。
スプール3は軸部(不図示)と、軸部(不図示)に取り付けられた2枚のフランジ301a、301bと、短ハブ302aと、ロングハブ302bとを有している。
スプール3は、パトローネのキャップに設けられた支持穴5a1に短ハブ302aが軸支され、支持穴5b1にロングハブ302bが軸支され、回転可能となっている。
図2は図1のA−A′に沿った部分拡大概略断面図である。
第1遮光部材201aは、基布201a2と、パイル201a1とを有し、接着剤201a3によりフィルム出し入れ口203の上部を形成する第1端部201に、一部が胴体2の内部に入り込み、先端部201a4がはみ出す状態で貼着されている。
第2遮光部材202aは第1遮光部材201aと同様に、基布202a2と、パイル202a1とを有し、接着剤202a3によりフィルム出し入れ口203の下部を形成する第2端部202に一部が胴体2の内部に入り込み、先端部202a4がはみ出す状態で貼着されている。パイル201a1はパイル201a1を構成しているパイル糸が開いている部分201a11とパイル糸が束になっている根元部分201a12とを有している。パイル202a1はパイル202a1を構成しているパイル糸が開いている部分202a11とパイル糸が束になっている根元部分202a12とを有している。これらの根元部分はパイル糸が開いている部分に比べ単位面積に占めるパイル糸が少ないため遮蔽効果が少なくなっている。他の符号は図1と同義である。
本図に示す如く、胴体2(図1を参照)は第1遮光部材201aを貼着した第1端部201と、第2遮光部材202aを貼着した第2端部202とが互いに略平行に重なる様に円筒状に曲げられスリット状のフィルム出し入れ口203を形成している。
フィルム出し入れ口203の上下部は、第1端部201に貼着された第1遮光部材201aのパイル201a1と、第2端部202に貼着された第2遮光部材202aのパイル202a1とがオーバーラップした状態となっている。又、フィルム出し入れ口203の先端は、第1端部201と第2端部202とにはみ出す状態で貼着された第1遮光部材201aの先端部201a4のパイル201a1と、第2遮光部材202aの先端部202a4のパイル202a1とがオーバーラップした状態となっている。フィルム出し入れ口203では、フィルム4の先端部401は第1遮光部材201aのパイル201a1と、第2遮光部材202aのパイル202a1との間に挟持された状態で一部が外に出ている。この様な構成をしている出し入れ口203から光が進入し、パトローネに内装されているフィルムを曝射する原因として、例えば、1)出し入れ口203の高さと、使用する第1遮光部材201aのパイル201a1と、第2遮光部材202aのパイル202a1との高さのバランスが崩れオーバーラップ量の不足、2)第1遮光部材201aのパイル201a1と、第2遮光部材202aのパイル202a1とのパイル密度の不足、3)パイルの根元部分は単位面積当たりのパイルの密度が少ないため、直射日光の様に明るい場所にパトローネを置いた場合、パイルの根元部分からの光の進入等が考えられる。これらの原因うち、1)、2)に関しては遮光部材とパトローネの設計で対策は可能であるが3)に関しては遮光部材の設計だけでは対策が取りきれない場合もある。
本図によりパイルの根元部分から進入した光により、パトローネ内部のフィルム4が曝射される過程を説明する。第2遮光部材202aのパイルの根元部分から進入してくるわずかな光(図中の矢印方向)は、途中で出し入れ口203の内部のパイルの根元部分で反射されることで減衰するが遮光に関与する第2遮光部材202aの長さが短いため、減衰仕切れずに第2遮光部材202aの根元部分を通過しフィルム4に到達する(図中のXで示される部分)ことで、パトローネ内部のフィルム4の1周目が曝射される。光の強さによっては2周目も曝射される。又、フィルム4に到達した光の一部は反射し、フィルム4の端部401に到達し(図中のYで示される部分)曝射する。端部401は第2遮光部材202aと接触する側が感光層となっているため弱い光でも曝射されることでカブリを生じる。特にこの現象はISO800以上の高感度のフィルムを使用したときに生じる危険がある。
又、第1遮光部材201aのパイルの根元部分から進入してくるわずかな光(図中の矢印方向)は、遮光に関与する第1遮光部材201aの長さが長いため途中で出し入れ口203の内部のパイルの根元部分で反射されることでパトローネ内部のフィルム4に影響を与えなくなるまで減衰すると考えられる。
本発明は、収納容器(パトローネ)に内装したロール状写真感光材料(特にISO800以上の高感度のロール状写真感光材料)が、写真感光材料出し入れ口及び第2遮光部材202aのパイルの根元から進入してくるわずかな光(図中の矢印方向)により曝射されることを遮光部材とこの遮光部材を使用した収納容器(パトローネ)に関する。
図3は平織り構造を有する本発明の遮光部材概略図である。図3の(a)は遮光部材の模式図である。図3の(b)は図3の(a)のZで示される部分の織り構造の組織図である。
本図では、平織り構造の一例を示してあるが、勿論これらに限定されることはなく、例えば、染色工業(1981年7月号,358〜374頁)、繊維工学(1980年、Vol.33、No.8、407〜418頁)、繊維工学II織物 日本繊維工業教育研究会 実教出版(株)に記載されている、たてうね織り、よこうね織り、ななこ織り等の変化平織り構造も含まれる。たてうね織りに付いては図4、よこうね織りに付いては図5、ななこ織りに付いては図6で説明する。
図中、6は遮光部材を示す。本図では、広幅遮光部材の一部分を示している。601はパイル糸が打ち込まれていない部分を示し、広幅遮光部材の場合は複数のパイル糸が打ち込まれていない部分6a〜6gを有している。602はパイル糸が打ち込まれている部分を示す(図面で黒く塗りつぶしてある箇所)。各パイル糸が打ち込まれていない部分6a〜6gは経糸に沿って、織り幅方向(図中の矢印方向)に設けられている。本図に示される広幅遮光部材の場合は、必要とする幅に裁断して使用している。
各パイル糸が打ち込まれていない部分6a〜6gで、各パイル糸が打ち込まれていない部分間の間隔、例えばパイル糸が打ち込まれていない部分6aとパイル糸が打ち込まれていない部分6bの間隔は1.5〜2.9mmである。間隔が1.5mm未満の場合は、必要とするパイル糸の打ち込み本数を維持することが困難となり、必要とするパイル密度が得られなくなり収納容器の写真感光材料の出し入れ口に使用したとき、必要とする遮光機能が不足し、収納した写真感光材料を被らせてしまうため好ましくない。間隔が2.9mmを越える場合、細幅に裁断するとき、パイル糸が打ち込まれていない部分が入らない状態で裁断されてしまうため、本発明の遮光部材の効果が得られないため好ましくない。他のパイル糸が打ち込まれていない部分間の間隔も同じである。
G11〜G122は経糸を示し、g11〜g19は緯糸を示し、P11〜P18は緯糸g11〜g19に掛けられたパイル糸を示す。×印は緯糸にパイル糸が掛けられた位置を示す。パイル糸はP11とP13とP15とP17は、緯糸g11、g13、g15、g171、g19に掛けられており、パイル糸はP12とP14とP16とP18は、緯糸g12、g14、g16、g18に掛けられていることを示している。
本図に示される遮光部材の織り構造の組織図では、経糸G11と経糸G13との間の経糸G12は緯糸に掛けられたパイル糸と接触しない状態となっている。即ち、経糸G11と経糸G12との間、及び経糸G12と経糸G13との間にパイル糸が打ち込まれていない状態(図3の(a)に示すパイル糸が打ち込まれていない部分6aに該当する)となっている。同様に、経糸G17と経糸G19との間の経糸G18も緯糸に掛けられたパイル糸と接触しない状態(図3の(a)に示すパイル糸が打ち込まれていない部分6bに該当する)となっている。本図では経糸G12と経糸G18が緯糸に掛けられたパイル糸と接触しない部分から構成されるパイル無接触経糸となっている。
パイル無接触経糸である経糸G12は、経糸G12に接触する両側の緯糸g11〜g19にはパイル糸が打ち込まれていない状態となっている。経糸G12の隣の経糸G11に接触する緯糸g11〜g19の内、g11、g13、g15、g17、g19にはパイル糸が打ち込まれている状態となっている。又、経糸G13に接触する緯糸g11〜g19の内、g12、g14、g16、g18にはパイル糸が打ち込まれている状態となっている。パイル糸を打ち込んだ場合は、パイル糸の太さ分(体積分)だけ広がるためパイル糸を掛けられた緯糸は、そのパイル糸の接触している経糸によって引っ張られた状態になる。パイル糸と接触していない経糸は、パイルが存在しない分、両隣の経糸との間隔が狭く、経糸の引っ張りには関与しない。このため、パイル糸と接触していない経糸での経糸が緯糸の上に浮いている箇所(組織図では黒く塗りつぶしてある箇所)の経糸が、他のパイル糸と接触する経糸で経糸が緯糸の上に浮いている箇所の経糸よりも持ち上げられた状態となる。このため、パイル糸の根本部分(緯糸にパイル糸が掛けられた近傍)から進入した光はこの浮き上がった経糸により進入を阻まれ反射し減衰することでパイル糸の根本部分の遮光性を向上させた遮光部材となっている。
図4に示すたてうね織り遮光部材、図5に示すよこうね織り遮光部材、図6に示すななこ織り遮光部材の場合でもパイル無接触経糸の挙動は図3に示す通常の平織りの場合のパイル無接触経糸の挙動と同じであり、パイル糸の根本部分(緯糸にパイル糸が掛けられた近傍)から進入した光はこの浮き上がった緯糸により進入を阻まれ反射し減衰することでパイル糸の根本部分の遮光性を向上させた遮光部材となっている。
図4はたてうね織りの場合の組織図である。図4の(a)は基布が通常のたてうね織りの遮光部材の組織図である。図4の(b)は図4の(a)に示す組織図にパイル無接触経糸を入れた場合のたてうね織りの遮光部材の組織図である。
図中、G31〜G39は経糸を示し、g31〜g39は緯糸を示し、P31〜P39は緯糸g31〜g39に掛けられたパイル糸を示す。×印は緯糸にパイル糸が掛けられた位置を示す。パイル糸はP31とP33とP35とP37は、緯糸g32、g34、g36、g38に掛けられており、パイル糸P32とP34とP36とP38は、緯糸g31、g33、g35、g37、g39に掛けられていることを示している。
図4の(a)に示す組織図では経糸G31〜G39は全てパイル糸P31〜P39のいずれかと接触した状態となっている。図4の(b)に示す組織図では経糸G33がパイル糸と接触しないパイル無接触経糸となっている。即ち、経糸G32と経糸G33との間(図3の(a)に示す6aに該当する)、及び経糸G33と経糸G34との間にパイル糸が打ち込まれていない状態(図3の(a)に示す6aに該当する)となっている。
図5はよこうね織り遮光部材の組織図である。図5の(a)は基布が通常のよこうね織りの遮光部材の組織図である。図5の(b)は図5の(a)に示す組織図にパイル無接触経糸を入れた場合のよこうね織りの遮光部材の組織図である。
G41〜G49は経糸を示し、g41〜g49は緯糸を示し、P41〜P49は緯糸g41〜g49に掛けられたパイル糸を示す。×印は緯糸にパイル糸が掛けられた位置を示す。パイル糸P41とP43とP45とP47とP49は、緯糸g42、g44、g46、g48に掛けられており、パイル糸P42とP44とP46とP48は、緯糸g41、g43、g45、g47、g49に掛けられていることを示している。図5の(a)に示す組織図では経糸G41〜G49は全てパイル糸P41〜P49のいずれかと接触した状態となっている。図5の(b)に示す組織図では経糸G43がパイル糸と接触しないパイル無接触経糸となっている。即ち、経糸G42と経糸G43との間(図3の(a)に示す6aに該当する)、及び経糸G43と経糸G44との間にパイル糸が打ち込まれていない状態(図3の(a)に示す6aに該当する)となっている。
図6はななこ織り遮光部材の組織図である。図6の(a)は基布が通常のななこ織りの遮光部材の組織図である。図6の(b)は図6の(a)に示す組織図にパイル無接触経糸を入れた場合のななこ織りの遮光部材の組織図である。
G51〜G59は経糸を示し、g51〜g59は緯糸を示し、P51〜P59は緯糸g51〜g59に掛けられたパイル糸を示す。×印は緯糸にパイル糸が掛けられた位置を示す。パイル糸P51とP53とP55とP57とP59は、緯糸g52、g54、g56、g58に掛けられており、パイル糸P52とP54とP56とP58は、緯糸g51、g53、g55、g57、g59に掛けられていることを示している。図6の(a)に示す組織図では経糸G51〜G59は全てパイル糸P51〜P59のいずれかと接触した状態となっている。図6の(b)に示す組織図では経糸G53がパイル糸と接触しないパイル無接触経糸となっている。即ち、経糸G52と経糸G53との間(図3の(a)に示す6aに該当する)、及び経糸G53と経糸G54との間にパイル糸が打ち込まれていない状態(図3の(a)に示す6aに該当する)となっている。
図7は図3の(b)に示す組織図のWで示される部分のパイル無接触経糸の状態を表す模式図である。
本図により、パイル無接触経糸G12によるパイル植え込み部の根本部分の遮光性の向上を説明する。緯糸g18の場合、パイル無接触経糸G12と両隣の経糸G11、経糸G13がパイル無接触経糸G12との間にパイル糸が植え込まれていないためパイル無接触経糸G12と経糸G11との間隙I1、イル無接触経糸G12と経糸G13との間隙I2が狭くなっている。そのために、パイル糸P12と接触する経糸G13、経糸G14、パイル糸P14と接触する経糸G15、経糸G16に見られる様なウネリによる沈み込みがなくなる。この結果、パイル無接触経糸G12は経糸G14、経糸G16より高さH1分だけ高い位置にあることになる。パイル無接触経糸G12の位置が高くなった分、光が進入(図中の矢印方向)した時に、パイル無接触経糸G12が障壁となりパイル糸の植え込まれた根本部分の遮光性が向上する。図3の(b)に示される組織図で緯糸g12、緯糸g14、緯糸g16とパイル無接触経糸G12との関係が緯糸g18と同じである。
緯糸g19の場合、パイル無接触経糸G12と両隣の経糸G11、経糸G13がパイル無接触経糸G12との間にパイル糸が植え込まれていないためパイル無接触経糸G12と経糸G11との間隙I1、イル無接触経糸G12と経糸G13との間隙I2が狭くなっている。そのために、パイル糸P13と接触する経糸G14、経糸G15、パイル糸P15と接触する経糸G16に見られる様なウネリによる沈み込みがなくなる。この結果、経糸G11、経糸G13は経糸G15より高さH2分だけ高い位置にあることになる。経糸G11、経糸G13の位置が高くなった分、光が進入(図中の矢印方向)した時に、経糸G11、経糸G13が障壁となりパイル糸の植え込まれた根本部分の遮光性が向上する。図3の(b)に示される組織図で緯糸g11、緯糸g13、緯糸g15、緯糸g17と、パイル無接触経糸G12との関係が緯糸g19と同じである。
図8は図1に示すパトローネに図3に示す遮光部材を使用した場合の拡大概略断面図である。
第1遮光部材6a(図2の201aに該当)は、基布6a1(図2の201a2に該当)と、パイル602a(図2の201a1に該当)とを有し、接着剤201a3によりフィルム出し入れ口203の上部を形成する第1端部201に、一部が胴体2の内部に入り込み、先端部6a2(図2の201a4に該当)がはみ出す状態で貼着されている。第2遮光部材6b(図2の202aに該当)は第1遮光部材6aと同様に、基布6b1(図2の202a2に該当)と、パイル602b(図2の202a1に該当)とを有し、接着剤202a3により一部が胴体2の内部に入り込み、フィルム出し入れ口203の下部を形成する第2端部202に先端部6b2(図2の202a4に該当)がはみ出す状態で貼着されている。
パイル602aはパイル602aを構成しているパイル糸が開いている部分602a11(図2の201a11に該当)とパイル糸が束になっている根元部分602a2(図2の201a12に該当)とを有している。パイル602bはパイル602bを構成しているパイル糸が開いている部分602b1(図2の202a11に該当)とパイル糸が束になっている根元部分602b2(図2の202a12に該当)とを有している。6a3(6b3)は図3に示すパイル糸が打ち込まれていないことにより浮き上がった緯糸に掛けられたパイル糸と接触しない部分から構成されるパイル無接触経糸を示す。これらの根元部分はパイル糸が開いている部分に比べ単位面積に占めるパイル糸が少ないため遮蔽効果が少なくなっている。他の符号は図1、図2と同義である。
本図に示す如く、胴体2(図1を参照)は第1遮光部材6aを貼着したフィルム出し入れ口203の上部を形成する第1端部201と、第2遮光部材6bを貼着したフィルム出し入れ口203の下部を形成する第2端部202とが互いに略平行に重なる様に円筒状に曲げられスリット状のフィルム出し入れ口203を形成している。
フィルム出し入れ口203の上下部は、第1端部201に貼着された第1遮光部材6aのパイル602aと、第2端部202に貼着された第2遮光部材6bのパイル602bとがオーバーラップした状態となっている。又、フィルム出し入れ口203の先端は、第1端部201と第2端部202とにはみ出す状態で貼着された第1遮光部材6aの先端部6a2のパイル602aと、第2遮光部材6bの先端部6b2のパイル602bとがオーバーラップした状態となっている。フィルム出し入れ口203では、フィルム4の先端部401は第1遮光部材6aのパイル602aと、第2遮光部材6bのパイル602bとの間に挟持された状態で一部が外に出ている。
本図によりパイルの根元部分から進入した光により、パトローネ内部のフィルム4の曝射が防止される過程を説明する。第2遮光部材6bのパイル602bの根元部分602b2から進入してくるわずかな光(図中の矢印方向)は、途中で浮き上がったパイル無接触経糸6b3にぶつかり進入を阻まれ、反射することで減衰する。もしパイル無接触経糸6b3が無い場合は、第2遮光部材6bの根元部分を通過しフィルム4に到達する(図中のXで示される部分)ことで、パトローネ内部のフィルム4の1周目が曝射される。光の強さによっては2周目も曝射される。(図2に示す場合同じ結果となる。)
又、第1遮光部材6aのパイル602aの根元部分602a2から進入してくるわずかな光(図中の矢印方向)も、第2遮光部材6bの場合と同じように途中で浮き上がったパイル無接触経糸6a3にぶつかり進入を阻まれ、反射することで減衰しパトローネ内部のフィルム4への影響が無くなる。
図3〜図8に示される本発明の織り構造の遮光部材により次の効果が得られる。1)パイル無接触経糸を入れることで、遮光部材の根本から進入する光が、浮き上がったパイル無接触経糸により反射され、減衰することで入り難くなり、遮光性向上が図られ、この遮光部材を使用した写真感光材料の収納容器の遮光性を上げることが可能となった。2)コストが低い平織り組織の遮光部材を安心して使用することが可能となった。
本発明の遮光部材の基布に使用する経糸は太さが50〜200デニールで、フィラメント数が20〜60本で、且つ捲縮率が5〜20%の加工糸であることが好ましい。更に、糸の太さが70〜170デニールで、フィラメント数が24〜52本で、捲縮率が10〜17%の加工糸であることがより好ましい。経糸及び緯糸の太さが50デニール未満の場合は、基布の腰が弱くなり、例えば図1に示すパトローネに使用した場合、パトローネのフィルム出し入れ口からのはみ出し部分が曲がりやすくなり、フィルム出し入れ口からのパトローネ内部への漏光が発生し、パトローネ内部のフィルムが曝射される場合がある。経糸及び緯糸の太さが200デニールを越えた場合は、単位面積当たりのパイルの植え込み本数が減少するため、遮光性が劣化しフィルム出し入れ口からのパトローネ内部への漏光が発生し、パトローネ内部のフィルムが曝射される場合がある。
捲縮率が5%未満の場合、基布の厚さが見かけ上薄くなるため、基布からの漏光が発生し易くなる場合がある。捲縮率が20%を越した場合は、基布の平面性の確保が困難となり、基布からの漏光が発生し易くなる場合がある。
本発明の遮光部材のパイルに使用する糸は太さが50〜150デニールで、フィラメント数が25〜100本で、且つ捲縮率が5〜30%の加工糸であることが好ましい。更に、糸の太さが70〜120デニールで、フィラメント数が25〜60本で、捲縮率が8〜16%の加工糸であることがより好ましい。糸の太さが50デニール未満の場合は、パイルの弾性率が低下することでパイルが倒れやすくなり、例えば図1に示すパトローネに使用した場合、フィルム出し入れ口でのパイルの重なりが不十分となり、フィルム出し入れ口からの漏光が発生する場合がある。糸の太さが150デニールを越えた場合は、遮光部材の基布の組織によっては単位面積当たりのパイル植え込み本数が減少することで遮光部材の遮光性能が低下する場合がある。
捲縮率が5%未満の場合は、遮光部材の断面における遮光面積が小さくなるため、遮光性能が低下する場合がある。捲縮率が30%を越した場合は、見かけ上のパイル密度が大きくなり、同時にパイルとフィルムの接触面積が大きくなるため、パトローネからの引き出し荷重が増加する場合がある。
本発明の遮光部材に加工糸を使用する場合、必要に応じて組み合わせ使用してもよいがパイル抜けを防止することから必ず基布を構成する糸の一部又はパイルの何れかには使用することが好ましい。加工糸の組み合わせとしては、特に限定はないが、例えば次の様な組み合わせが挙げられる。
1)経糸、緯糸、パイル糸全てが加工糸
2)経糸は未加工糸、緯糸は加工糸、パイルは未加工糸
3)経糸は加工糸、緯糸は加工糸、パイルは未加工糸
4)経糸は未加工糸、緯糸は未加工糸、パイルは加工糸
5)経糸は未加工糸、緯糸は加工糸、パイルは加工糸
6)経糸は加工糸、緯糸は未加工糸、パイルは未加工糸
7)経糸は加工糸、緯糸は未加工糸、パイルは加工糸
が挙げられる。
本発明に使用可能な加工糸としては、糸に2次元または3次元的な捲縮ひずみを付与し、このひずみを適当な方法で固定し、繊維間の相互の平衡性を乱すことによって、嵩高性や伸縮性を与えた糸が好ましく、必要に応じて使い分けることが可能である。また嵩高性を有した糸および伸縮性を与えた糸を組み合わせて使用しても良い。
これら加工糸を製造する方法としては「フィラメント加工技術マニュアル 上下巻」(日本繊維機械学会)に記載されている如き方法により容易に製造することが出来、上記加工手段は、それぞれに用いる繊維の種類、性質等により適切な方法が選択されて用いられる。
本発明の遮光部材に係わる経糸、緯糸及びパイル糸に捲縮を与える捲縮加工としては、長繊維のフィラメントを加工してその捲縮加工済フィラメントを糸繊維として束ねて用いるものと、紡績糸を捲縮加工して用いるものが考えられる。
具体的に、フィラメントを加工する手段としては、1)フィラメントにクリンプを与えるものとして、熱した小歯車の間にフィラメントを通して、その歯形を付与するもの、またはフィラメントを表面平滑なローラーでヒーター過熱したスタッフィング・ボックスに押し入れて、ヒーターで温度、ボックスへの挿入時間、引張り速度の調整でクリンプを付与するもの。2)フィラメントにカールを与えるものとして、フィラメントに撚りを加えて、これを熱固定した後に解撚するもので撚りの掛け具合によってカール調整するもの。3)フィラメントにループを与えるものとして、圧縮空気をノズルから噴出させ、この空気流にフィラメントを通し、フィラメントにループを形成するもの等がある。
紡績糸を加工する手段としては「フィラメント加工技術マニュアル 上下巻」(日本繊維機械学会編)に記載されているごとき過熱−熱固法−解撚法、仮撚法、擦過法、スタフィング法、圧力エアジェット法、賊型法、複合巻縮法、バルキ紡績法、開織混織法のいずれかの方法を利用することにより出来るが、それぞれに用いる繊維の種類により、適切な方法が選択されて用いられる。この中では特に仮撚法が好ましい。仮撚法には、1段ヒータ法(高伸縮、高熱収縮、強トルク)、2段ヒータ法およびオートクレーブ処理法(低伸縮、低熱収縮、低トルク)などのタイプがあり、この中では2段ヒータ法が好ましい。2段ヒータ法は、1段ヒータにて熱を加えて延伸し、施撚を行い、2段ヒータにて熱を加えて解撚しつつ固定させる方法である。詳しくは「フィラメント加工技術マニュアル 下巻」163ページに記載されている。
本発明で捲縮率とは、一定長の糸をサンプリングし、初荷重0.002g/dと重荷重0.9g/dとを同時に吊り下げ、1分経過後の糸長l0を測定し、次いで重荷重を外し、初荷重を掛けた状態で沸騰浴中で20分間熱処理を施したのち、初荷重を外し24時間乾燥させる。自然乾燥後、初荷重0.002g/dと重荷重0.2g/dとを掛けて、1分後に糸長l2を測定し、次いで重荷重を外し、さらに1分経過後に糸長l3を測定し、下記式
(l2−l3)/l0×100
に代入して求めた値である。
本発明の遮光部材においては、黒色系に着色することが好ましい。着色する段階としては、糸を紡績する再にカーボンブラックを混練し紡績するか、または紡績した後に染料により染色する方法および遮光部材が出来上がった後に特開平9−152682号、実開平4−28643号に記載してある方法により染色することが出来が、生産効率の面から、基布に使用する経糸、緯糸及びパイルに使用するフィラメント糸は糸を紡績する再にカーボンブラックを混練した原着糸が好ましい。カーボンブラックを原料により分類すると、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、アントラセンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンカーボンブラック、導電性カーボンブラック、サーマルブラック、ランプブラック、油煙、松煙、アニマルブラック、ベジタブルブラック等がある。
これらのカーボンブラックの中でも遊離イオウ含有量が200ppm以下、平均粒子径が10〜120nm、pHが6.0〜9.0、吸油量が60ml/100g以上、揮発成分が3.0%以下のファーネスカーボンブラックが特に好ましい。添加量は1.0〜1.4質量%が好ましい。添加量が1.0質量%未満の場合では、基布の経糸、緯糸の織り密度及びパイルの密度によっては遮光性が不足して、遮光部材を貼着した遮光容器に収納されているロール状写真感光材料が、遮光容器のロール状写真感光材料の出し入れ口から入り込む光により曝射され、使用不可となる場合がある。添加量が1.4質量%を越えた場合は、パイルに使用する糸のヤング率が高くなり、遮光部材を貼着した遮光容器に収納されているロール状写真感光材料を、遮光容器のロール状写真感光材料の出し入れ口から出したり入れたりする時、ロール状写真感光材料の表裏に傷が付く危険がある。
糸を紡績する再にカーボンブラックを混練するときのカーボンブラックの使用形態はドライカラー、リキッドカラー、ペーストカラー、マスターバッチペレット、コンパウンドカラーペレット、顆粒状カラーペレット等があるが、マスターバッチペレットを使用するマスターバッチ法がコスト、作業場の汚染防止等の点で好ましい。
本発明の遮光部材のパイル糸の植え込み本数としては、200〜1000本/cm2が好ましく、より好ましくは300〜800本/cm2である。パイル糸の植え込み本数が200本/cm2未満の場合は、遮光部材の断面の遮光面積が少なくなるため、光の透過量が多くなり、感光材料の種類によっては漏光によりカブリが生じる場合がある。パイル糸の植え込み本数が1000本/cm2を越えた場合は、フィルムと遮光部材のパイルとの接触面積が大きくなるため、引き出し荷重が増加し、感光材料の種類によっては表面に擦り傷が付く場合がある。
本発明の遮光部材の基布の単位面積当たり経糸の本数は25〜80本/cm2、緯糸10〜50本/cm2の本数で織られていることが好ましく、更に好ましくは、経糸の本数が30〜75本/cm2、緯糸の本数が12〜40本/cm2である。経糸の本数が25本/cm2未満の場合は、遮光部材の織り組織によっては、パイルと経糸の密着性が悪くなるため、パイルが抜け易くなる場合がある。経糸の本数が80本/cm2を越えた場合は、パイルを植え込む場所が減少し、パイル密度が減少するため遮光部材の遮光性能が低下する場合がある。緯糸の本数が10本/cm2未満の場合は、単位面積当たりのパイル密度が減少するため遮光部材の遮光性能が低下する場合がある。緯糸の本数が50本/cm2を越えた場合は、単位面積当たりのパイル密度が増加するため、パイルのフィルムへの接触面積が大きくなり、引き出し荷重の増加が大きくなる。又、織り組織によっては遮光部材を製造する際、緯糸の本数の増加に伴い生産性が低下する場合がある。
本発明の遮光部材においては、本発明のパイルの高さとして1〜2mmが好ましく、より好ましくは1.4〜1.8mmである。パイルの高さが1mm未満の場合は、写真感光材料の収納容器の写真感光材料出入口で、出入口の上下に貼着された遮光部材のパイルの重なり量が少なくなるため、引き出し荷重を維持しての出入口の遮光性を維持することが困難となる場合がある。パイルの高さが2mmを越えた場合は、写真感光材料の収納容器の写真感光材料出入口で、出入口の上下に貼着された遮光部材のパイルの重なり量が増加するため、出入口の遮光性は良くなるが、引き出し荷重が大きくなり写真感光材料の引き出しが困難となる場合がある。
本発明の遮光部材の基布の経糸、緯糸及びパイルに使用するフィラメント糸には各種添加剤を添加することが可能である。例えば、帯電防止の目的で特開平2−161427号、特開平2−93456号に記載されている如き帯電性糸を用いても良いし、遮光部材として形成した後、特開昭62−28604号、特開昭62−286042号、特開平6−186674号に記載されている如き帯電防止加工を施すことも出来る。特開平6−186674号に記載されている如き滑剤を添加することも可能である。
本発明の遮光部材において、パイルが基布から抜け落ちないようかつ接着剤がパイル部に浸透してこないように目止め剤を用いることが出来る。目止め剤としては、特開昭62−55699号、同62−71949号、同62−27733号、特開平2−72348号、同6−186674号に記載されている如きポリビニル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリエステル系、合成ゴム系、エポキシ系、フェノール系、これらに含まれないアクリル系等の合成樹脂エマルジョンから選ばれる1種又は2種以上のブレンド物あるいはこれらを組み合わせた共重合体エマルジョンが挙げられる。これらは目止め剤としてだけでなく、マガジン本体と遮光部材の接着に用いる接着剤として用いることもできる。
本発明の遮光部材と写真感光材料の収納容器とを貼着するために用いられる接着剤としては、市販の両面粘着テープでもよし、ポリエチレン等のポリオレフィン系、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の酢酸ビニル共重合体系、エチレン−エチルアクリレート、エチレン−イソブチルアクリレート等のアクリル酸共重合体系、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン10、ナイロン12、N−メトキシメチル化ナイロン等のポリアミド系、テレフタル酸系等のポリエステル系、ポリビニルブチラール系、ポリ酢酸ビニル系、アセテート、メチルセルロース、アセテートブチレート等のセルロース誘導体系、ポリメチルメタクリレート等のポリメタクリル酸エステル系、ポリビニルメチルエーテルなどのポリビニルエーテル系、ポリウレタン系、ポリカーボネート系、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンなどのスチレン系ブロック共重合体系、スチレンブタジエン、イソプレン、ブチルゴム等の合成ゴム系またはこれらに含まれない特殊ゴム系、また以上に含まれないアクリル系重合体などから選ばれる1種又は2種以上の混合物、特開平6−186674号に記載されている各種接着剤が挙げられる。
また、遮光部材を製造する際、広幅(約30〜100cm)で製造した後、遮光部材として用いる幅に裁断してもよいし、最初から遮光部材用の幅で製造することも出来る。この広幅で裁断して得る方法においては、裁断手段は実公昭48−35790号、特開昭61−275840号、特開平2−58046号に記載の手段でもよいし、超音波カッター、レーザーカッター、ヒートカッター等任意の手段を用いることが出来る。
本発明の遮光部材の切断方法としては、一般に知られている切断方法が利用出来る。例えば特開平2−58046号に記載されている様な熱刃による切断でもよいし、特開平6−295024号に記載されているごときレーザーによる切断でもよいし、超音波方式でも良い。
本発明の遮光部材を使用する写真感光材料収納容器は特に限定は無いが、例えば通常の135サイズフィルム用金属製パトローネ、特開平5−224353号に記載されているごとき樹脂製パトローネ、特開昭62−23040号、特開平5−224358号に記載されている紙製のカートリッジに使用も可能である。
本発明の遮光部材を上記の収納容器に貼着させる方法としては、従来から知られているごとき方法、例えば、特開昭49−96049号、同53−105219号、同53−105220号、同53−105221号、同54−4932号、特願昭60−75207号、特開平6−67359号に記載されている方法が適用出来る。
本発明の遮光部材の経糸、緯糸及びパイルのフィラメント糸に使用する素材としては特に限定されず全てに用いることが出来る。例えばナイロン6,6等のポリアミド系、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系、ポリエチレン等のポリオレフィン系、ポリビニルアルコール系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアクリル系、ポリシアン化ビニリデン系、ポリフルオロエチレン系、ポリウレタン系などの合成繊維、絹、綿、羊毛、セルロース系、セルロースエステル系等の天然繊維、再生繊維(レーヨン、アセテート等)の中から選ばれる1種もしくは2種以上を組み合わせた繊維が挙げられる。これらの繊維素材において好ましくは、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド系、ポリアクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアクリル系、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系、再生繊維としてのセルロース系、セルロースエステル系であるレーヨンおよびアセテート等が挙げられる。
本発明の遮光部材は、基本的にパイルと平織り構造の基布とから構成されており、繊維工学II 織物 日本繊維工業教育研究会 実教出版株式会社に記載されている如き一般的な方法で製造することが可能である。
以下に、本発明の効果を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される物ではない。
実施例1
次の遮光部材を準備した。
〈糸の準備〉
遮光部材を製造するのに次の経糸、緯糸、パイル用フィラメント糸を準備した。
(経糸)
使用素材がポリエステルで、太さが166デニール、フィラメントの本数が30本の経糸を準備しAとした。準備した経糸Aに捲縮率15%の加工を行い経糸を準備しBとした。
(緯糸)
使用素材がポリエステルで、太さが166デニール、フィラメントの本数が30本の緯糸を準備しCとした。準備した緯糸Cに捲縮率15%の加工を行い経糸を準備しDとした。
(パイル用フィラメント糸)
使用素材がポリエステルで、太さが110デニール、フィラメントの本数が48本のパイル用フィラメント糸を準備しEとした。準備したパイル用フィラメント糸Eに捲縮率11.5%の加工を行い経糸を準備しFとした。
尚、経糸、緯糸、パイル用フィラメント糸の各糸に仮撚法により捲縮性を持たせた糸の加工方法を以下に示す。
経糸、緯糸の場合
仮撚数 2500回/m
第1ヒーター温度195℃、処理時間0.5秒
第2ヒーター温度165℃、処理時間0.3秒
パイル糸の場合
仮撚数 2900回/m
第1ヒーター温度185℃、処理時間0.3秒
第2ヒーター温度170℃、処理時間0.2秒
〈遮光部材の作製〉
準備した経糸A、B、緯糸C、D、パイル用フィラメント糸E、Fをレピア式織機を用いて表1に示す組み合わせにより、図3の(b)に示す織り組織を有する遮光部材を緯糸に掛けられたパイル糸と接触しないパイル無接触経糸の間隔を表1に示す様に変えて製織した後、パイル長を1.5mmにシャーリングした。尚、織り幅は全幅を275mm、パイル植え込み幅を255mmとした。この後、以下に示す染色方法により分散染料を用い黒色系に染色した後、裏面にエチレン−酢酸ビニル系の目止め樹脂を40g/m2ロールコーターで塗工、乾燥し試料1−1〜1−16とした。尚、比較として図9に示す従来の織り組織にした他は全て同じ条件で遮光部材を作製し1−17、1−18とした。
(染色方法)
CI.Disperse Orange 30 0.3%
CI.Disperse Red 167 0.1%
CI.Disperse Blue 120 8.0%
分散剤としてSun Soft RM−340(日華化学製)0.4g/lを使用し、浴比1:30、染色温度130℃で60分間染色を行った後、水洗−乾燥処理を行った。
尚、遮光部材の基布の経糸、緯糸の密度及びパイル植え込み本数を以下に示す。
経糸 36本/cm
緯糸 15本/cm
パイル植え込み本数 たて方向 16本/cm
よこ方向 37本/cm
Figure 2006072184
(収納容器の作製)
作製した広幅の遮光部材1−1〜1−18をパイル無接触経糸の位置が切断部より1〜3mm以内に入る様に、それぞれ9mm幅、11mm幅に熱溶着方式により細幅に経糸に沿って裁断した。これら細幅に裁断した遮光部材を使用し、図1に示す収納容器を作製し試料101〜118とした。尚、収納容器を作製に際し、9mm幅の遮光部材を第1遮光部材用に、11mm幅の遮光部材を第2遮光部材用に使用した。又、収納容器にはISO感度800のカラーネガフィルムを収納した。
(評価)
作製した各試料101〜118を、10万ルクスの明るさで30分間放置した後、指定の現像処理を行い、パトローネ内部のフィルムの1周目の図2のXで示される部分のカブリ状況をカブリの大きさが0.5×0.5mm以上の物についてカブリ濃度(シアン濃度)を測定し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。カブリ濃度は、コニカミノルタ(株)製デンシトメータ測定した。カブリ部分の大きさはスケール付きルーペで測定した。
評価ランク
○:カブリ濃度(シアン濃度)が0.2未満
△:カブリ濃度(シアン濃度)が0.2〜0.9未満
×:カブリ濃度(シアン濃度)が0.9を越える
Figure 2006072184
本発明の有効性が確認された。
実施例2
次の遮光部材を準備した。
〈糸の準備〉
遮光部材を製造するのに次のカーボンブラックを1.2±0.1質量%含む原着糸を準備した。使用したカーボンブラックは、遊離イオウ含有量が200ppm、平均粒子径が10〜120μm、pHが6.0〜9.0、吸油量が60ml/100g、揮発成分が3.0%のファーネスカーボンブラックを用いたマスターバッチ法で原着した。
(経糸)
使用素材がポリエステルで、太さが166デニール、フィラメントの本数が30本の経糸を準備しGとした。
(緯糸)
使用素材がポリエステルで、太さが166デニール、フィラメントの本数が30本の緯糸を準備しHとした。
(パイル用フィラメント糸)
使用素材がポリエステルで、太さが110デニール、フィラメントの本数が48本のパイル用フィラメント糸を準備しIとした。
〈遮光部材の作製〉
準備した経糸G、緯糸H、パイル用フィラメント糸Iをレピア式織機を用いて、図4の(b)、図5の(b)、図6の(b)に示す織り組織を有する遮光部材を緯糸に掛けられたパイル糸と接触しないパイル無接触経糸の間隔を表3に示す様に変えて製織した後、パイル長を1.5mmにシャーリングした。尚、織り幅は全幅を275mmとし、パイル植え込み幅を255mmとした。この後、裏面にエチレン−酢酸ビニル系の目止め樹脂を40g/m2ロールコーターで塗工、乾燥し試料2−1〜2−24とした。尚、比較として図4の(a)に示す従来の織り組織にした他は全て同じ条件で遮光部材を作製し2−25、図5の(a)に示す従来の織り組織にした他は全て同じ条件で遮光部材を作製し2−26、図6の(a)に示す従来の織り組織にした他は全て同じ条件で遮光部材を作製し2−27とした。
(収納容器の作製)
作製した広幅の遮光部材2−1〜2−27をパイル無接触経糸の位置が切断部より1〜3mmに入る様に、それぞれ9mm幅、11mm幅に熱溶着方式により細幅に経糸に沿って裁断した。これら細幅に裁断した遮光部材を使用し、図1に示す収納容器を作製し試料201〜227とした。尚、収納容器を作製に際し、9mm幅の遮光部材を第1遮光部材用に、11mm幅の遮光部材を第2遮光部材用に使用した。又、収納容器にはISO感度800のカラーネガフィルムを収納した。
(評価)
作製した試料201〜227に付き実施例1と同じ曝射試験を行い、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表3に示す。
Figure 2006072184
本発明の有効性が確認された。
実施例3
次の遮光部材を準備した。
〈糸の準備〉
遮光部材を製造するのに次のカーボンブラックを1.2±0.1質量%含む原着糸を準備した。使用したカーボンブラックは、遊離イオウ含有量が200ppm、平均粒子径が10〜120μm、pHが6.0〜9.0、吸油量が60ml/100g、揮発成分が3.0%のファーネスカーボンブラックを用いたマスターバッチ法で原着した。
(経糸)
使用素材がポリエステルで、表4に示す様に太さ、フィラメントの本数を変えた経糸を準備しJ−1〜J−5とした。尚、捲縮率は15%とした。
(緯糸)
使用素材がポリエステルで、表5に示す様に太さ、フィラメントの本数を変えた緯糸を準備しK−1〜K−5とした。尚、捲縮率は15%とした。
(パイル用フィラメント糸)
使用素材がポリエステルで、表6に示す様に太さ、フィラメントの本数を変えたパイル用フィラメント糸を準備しL−1〜L−5とした。尚、捲縮率は11.5%とした。
尚、経糸、緯糸、パイル用フィラメント糸の各糸の捲縮率は実施例1に示した仮撚法の仮撚数を適宜変えて作製した。
Figure 2006072184
Figure 2006072184
Figure 2006072184
〈遮光部材の作製〉
準備した経糸J−1〜J−5、緯糸K−1〜K−5、パイル糸L−1〜L−5をレピア式織機を用いて表7に示す組み合わせにより、図3の(b)に示す織り組織を有する遮光部材を緯糸に掛けられたパイル糸と接触しないパイル無接触経糸の間隔を表7に示す様に変えて製織した後、パイル長を1.5mmにシャーリングした。尚、織り幅は全幅を275mmとし、パイル植え込み幅を255mmとした。この後、以下に示す染色方法により分散染料を用い黒色系に染色した後、裏面にエチレン−酢酸ビニル系の目止め樹脂を40g/m2ロールコーターで塗工、乾燥し試料3−1〜3−15とした。尚、比較として図9に示す従来の織り組織にした他は全て同じ条件で遮光部材を作製し3−16〜3−30とした。
(収納容器の作製)
作製した広幅の遮光部材3−1〜3−30をパイル無接触経糸の位置が切断部より1〜3mmに入る様に、それぞれ9mm幅、11mm幅に熱溶着方式により細幅に経糸に沿って裁断した。これら細幅に裁断した遮光部材を使用し、図1に示す収納容器を作製し試料301〜330とした。尚、収納容器を作製に際し、9mm幅の遮光部材を第1遮光部材用に、11mm幅の遮光部材を第2遮光部材用に使用した。又、収納容器にはISO感度800のカラーネガフィルムを収納した。
(評価)
作製した試料301〜330に付き実施例1と同じ曝射試験を行い、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表7に示す。
Figure 2006072184
本発明の有効性が確認された。
実施例4
実施例1の試料No.105を作製するとき、表8に示す様に基布の経糸、緯糸の本数及びパイル植え込み本数を変えて遮光部材を製織した他は全て同じ条件で試料を作製し401〜412とした。尚、比較として織り組織を図9に示す様にした他は全て同じ条件で試料を作製し413〜424とした。
評価
作製した試料401〜424に付き実施例1と同じ曝射試験を行い、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表8に示す。
Figure 2006072184
本発明の有効性が確認された。
実施例5
実施例1の試料No.113を作製するとき、表9に示す様に基布の経糸、緯糸の捲縮率及びパイル糸の捲縮率を変えて遮光部材を製織した他は全て同じ条件で試料を作製し501〜519とした。尚、比較として織り組織を図9に示す様にした他は全て同じ条件で試料を作製し520〜538とした。
(評価)
作製した試料501〜538に付き実施例1と同じ曝射試験を行い、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表9に示す。
Figure 2006072184
本発明の有効性が確認された。
収納容器の一例として35mmロール状写真フィルムを内装した状態のパトローネの概略分解斜視図である。 図1のA−A′に沿った部分拡大概略断面図である。 平織り構造を有する本発明の遮光部材概略図である。 たてうね織りの場合の組織図である。 よこうね織り遮光部材の組織図である。 ななこ織り遮光部材の組織図である。 図3の(b)に示す組織図のWで示される部分のパイル無接触経糸の状態を表す模式図である。 図1に示すパトローネに図3に示す遮光部材を使用した場合の拡大概略断面図である。 平織り構造を有する従来の遮光部材の織り構造の組織図である。
符号の説明
1 パトローネ
2 胴体
201a、6a 第1遮光部材
201a1、202a1、602a、602b パイル
201a12、202a12、602a2、602b2 根元部分
201a2、202a2、6a1 基布
202a、6b 第2遮光部材
6 遮光部材
6a〜6g パイル糸が打ち込まれていない部分
G21〜G26、G11〜G122、G31〜G39、G41〜G49G、51〜G59 経糸
g21〜g29、g11〜g19、g31〜g39、g41〜g49、g51〜g59 緯糸
P21〜P26、P11〜P18、P31〜P39、P41〜P49、P51〜P59 パイル糸

Claims (11)

  1. 経糸と緯糸とを有する平織り構造の基布と該緯糸に掛けられたパイル糸とを有する写真感光材料用遮光部材において、
    該経糸の内、該緯糸に掛けられたパイル糸と接触しない部分から構成される少なくとも1本のパイル無接触経糸部分を織り幅方向に1.5〜2.9mmの間隔で有することを特徴とする写真感光材料用遮光部材。
  2. 前記パイル糸は、太さ50〜150デニール、フィラメント数25〜100本のフィラメント糸であることを特徴とする請求項1に記載の写真感光材料用遮光部材。
  3. 前記パイル糸の植え込み本数は200〜1000本/cm2であることを特徴とする請求項1又は2に記載の写真感光材料用遮光部材。
  4. 前記パイル糸はカーボンブラックを使用した原着糸であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の写真感光材料用遮光部材。
  5. 前記パイル糸は、捲縮率が5〜30%の加工糸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の写真感光材料用遮光部材。
  6. 前記基布は、太さ50〜200デニール、フィラメント数20〜60本である経糸と、緯糸とから織られていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の写真感光材料用遮光部材。
  7. 前記基布は、捲縮率が5〜20%の捲縮加工糸である経糸と、緯糸とから織られていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の写真感光材料用遮光部材。
  8. 前記基布は、単位面積当たり経糸25〜80本/cm2、緯糸10〜50本/cm2の本数で織られていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の写真感光材料用遮光部材。
  9. 前記基布は、パイル糸と同じ材質の経糸と、緯糸とから織られていることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の写真感光材料用遮光部材。
  10. 前記基布はカーボンブラックを使用した原着糸である経糸と、緯糸とから織られていることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の写真感光材料用遮光部材。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載の写真感光材料用遮光部材を写真感光材料の出し入れ口から一部を外に出し、該出し入れ口の上下に貼着した写真感光材料用収納容器において、
    前記出し入れ口の上下で写真感光材料と接触する部分の該写真感光材料用遮光部材が、
    前記写真感光材料用遮光部材を構成する経糸の内、緯糸に掛けられたパイル糸と接触しない少なくとも1本のパイル無接触経糸を前記写真感光材料用遮光部材の織り幅方向に有していることを特徴とする写真感光材料用収納容器。
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