JP2006072010A - 電子機器用冷却装置、およびプロジェクタ - Google Patents

電子機器用冷却装置、およびプロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】冷却性能を保ちながら騒音を低減できる電子機器用冷却装置、およびプロジェクタを提供する。
【解決手段】電子機器用冷却装置(パネル冷却系)5は、外装ケースに形成された冷却空気導入口から一対のシロッコファン51A、51Bに連絡される吸気ダクト52Aと、前記一対のファン51A、51Bから冷却空気を導く送風ダクト52Bとを備え、前記一対のファン51A、51Bは、回転軸方向から吸気する吸気孔と、回転接線方向に送風する排気孔を有するとともに、前記吸気孔が互いに対向するように配置され、前記排気孔は、前記一対のファン51A、51Bのケース外周面で、かつ、前記外装ケースへの設置面近傍に形成され、各ファン51A、51Bの送風方向が同一方向である。
【選択図】図9

Description

本発明は、電子機器用冷却装置、およびプロジェクタに関する。
従来より、画像情報に応じて液晶パネルなどの電気光学装置で変調された三色の光をプリズムなどにて合成し、投射レンズを介してカラー画像を拡大投射する、いわゆる三板式のプロジェクタが知られている。このような三板式のプロジェクタでは、照明光学系の光源から出射された光束は、ダイクロイックミラーを含む色分離光学系によって赤(R)、緑(G)および青(B)の三原色の色光に分離され、電気光学装置である三枚の液晶パネルにより各色光毎に画像情報に応じて変調される。変調後の光束はクロスダイクロイックプリズムで合成され、投射光学系の投射レンズを介して投射される。
このようにプロジェクタでは、熱に対して比較的弱い液晶パネルを利用して色光を変調する電気光学装置を備えている。このため、従来のプロジェクタでは、光源から発生する熱などにて損傷することを防止するために、特に電気光学装置の液晶パネル近傍に送風して冷却する冷却ファンを備えている。
例えば、特許文献1に記載のプロジェクタは、小型送風手段を複数個設け、この送風手段に対応する開口部の小さな導風路を用いて、液晶パネルあるいは、液晶パネル周辺から、光学手段/偏光手段ないし偏光変換素子の冷却を行っている。
特開2001−228803号公報
しかしながら、特許文献1に記載の従来のプロジェクタでは、吸気口が複数となり、騒音が問題となる。これに対して、冷却ファンとして単一のファンを用いて、複数の冷却部位に冷却風を分配導入させたのでは性能が十分でなく、ファンの回転数を上げれば、やはり騒音が問題となる。
本発明の目的は、上記問題点に鑑みて、冷却性能を保ちながら騒音を低減できる電子機器用冷却装置、およびプロジェクタを提供することにある。
本発明の電子機器用冷却装置は、一対のファンと、外装ケースに形成された冷却空気導入口から前記一対のファンに連絡される吸気ダクトと、前記一対のファンから冷却空気を導く送風ダクトとを備えた電子機器用冷却装置であって、前記一対のファンは、回転軸方向から吸気する吸気孔と、回転接線方向に送風する排気孔を有するとともに、前記吸気ダクトの側方にそれぞれの吸気孔が互いに対向するように配置され、前記排気孔は、前記一対のファンのケース外周面で、かつ、前記外装ケースへの設置面近傍に形成され、各ファンの送風方向が同一方向であることを特徴とする。
この本発明によれば、冷却装置は一対のファンを有しているため、各ファンを低回転数で回転させても風量を確保することができる。従って、騒音の低減を図ることができる。
また、各ファンの吸気孔が対向しているため、吸気ダクトの構造を簡略化でき、それ故、各ファンの負荷を低減することができ、騒音の低減を図ることができる。さらに、各ファンの排気孔がファンのケース外周面で、かつ、前記外装ケースへの設置面近傍に形成されているとともに、送風方向も同一方向であるため、排気孔側に接続される送風ダクト(送風路)を簡略化された構造とできる。それ故、各ファンの負荷を低減することができ、騒音の低減を図ることができる。
また、吸気ダクトと送風ダクトが上述のような簡略化された構造をしているため、冷却装置全体を小型化できる。
送風ダクトとしては、一対のファン双方からの送風(冷却風)が混合しないように風路が独立していることが好ましい。風路が独立していることにより、電気光学装置の冷却を独立に制御できる。
本発明の電子機器用冷却装置では、前記吸気ダクトに接続される前記冷却空気導入口は一つであることが好ましい。
この本発明によれば、冷却空気導入口を一つとすることで、外気を吸入する際の風切り音を低減でき、結果として騒音をより低減することができる。
本発明のプロジェクタは、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調する電気光学装置と、この電気光学装置を冷却する冷却装置とを備えたプロジェクタであって、前記冷却装置は、一対のファンと、外装ケースに形成された冷却空気導入口から前記一対のファンに連絡される吸気ダクトと、前記一対のファンから冷却空気を導く送風ダクトとを備え、前記一対のファンは、回転軸方向から吸気する吸気孔と、回転接線方向に送風する排気孔を有するとともに、前記吸気ダクトの側方にそれぞれの吸気孔が互いに対向するように配置され、前記排気孔は、前記一対のファンのケース外周面で、かつ、前記外装ケースへの設置面近傍に形成され、各ファンの送風方向が同一方向であることを特徴とする。
この本発明によれば、プロジェクタは上述した構成を有するため、ファンの負荷の低減による騒音の低減が図れるとともに、冷却装置の小型化が図れる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について詳述する。
(1)外観構成
図1は、本実施形態に係るプロジェクタ1を上方前面側から見た斜視図である。図2は、プロジェクタ1を下方背面側から見た斜視図である。
プロジェクタ1は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調し、スクリーン等の投射面上に拡大投射する。このプロジェクタ1は、図1および図2に示すように、略直方体状の外装ケース2、およびこの外装ケース2から露出する投射レンズ46を備えている。
投射レンズ46は、プロジェクタ1の本体部分により画像情報に応じて変調された光学像を拡大投射する。この投射レンズ46は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成され、複数のレンズの相対位置を変更するレバー461、462(図1)を備え、投射像のフォーカス調整、および倍率調整可能に構成されている。
外装ケース2は、合成樹脂製の筐体であり、プロジェクタ1の本体部分を収納する。この外装ケース2は、図1および図2に示すように、プロジェクタ1の上部分を覆うアッパーケース11と、プロジェクタ1の下部分を覆うロアーケース12と、プロジェクタ1の背面部分を覆うリアケース13とを備えている。これらアッパーケース11、ロアーケース12およびリアケース13は、ネジ等により固定され、適宜着脱可能に構成されている。
アッパーケース11は、図1および図2に示すように、プロジェクタ1の上面、前面、側面、および背面をそれぞれ構成する上面部11A、前面部11B、側面部11C、11Dおよび背面部11Eを含んで構成される。
このうち、上面部11Aおよび前面部11Bは、図1に示すように、プロジェクタ1の上面から前面にかけて、連続して形成されている。
この上面部11Aにおいて、後方側右より部分には、図1に示すように、プロジェクタ1の起動・調整操作を実施する操作パネル14が左右方向に延びるように設けられている。この操作パネル14は、押釦スイッチで構成され、複数の操作ボタン141を適宜押下することにより、操作パネル14内部に配置される図示しない回路基板に実装されたタクトスイッチと接触し、所望の操作が可能となる。
なお、このプロジェクタ1は、内部にプロジェクタ全体を制御する制御基板を有し、前述した操作パネル14の回路基板と電気的に接続されているため、操作ボタン141の押下に伴う操作信号は、制御基板に出力される。
さらに、この上面部11Aにおいて、前方から見て右側部分には、図2に示すように、前述した投射レンズ46のレバー461、462を露出させ、該レバー461、462の操作を可能にする開口16が形成されている。
アッパーケース11の前面部11Bにおいて、前方から見て左側部分には、図1に示すように、排気口17が形成され、内部に配置される冷却ファンから排気される空気が該排気口17を介して排出される。
また、排気口17の上部にはカードスロット111が設けられており、LANカードやメモリーカード等を利用できるようになっている。
さらに、この前面部11Bにおいて、前方から見て右側部分には、略円形状の開口18が形成されている。そして、この開口18は、投射レンズ46の先端部分を露出させている。
さらにまた、この前面部11Bにおいて、前方から見て上方側右端部分には、リモコン受光窓19が形成されている。そして、このリモコン受光窓19の内側には、後述するリモートコントローラからの操作信号を受信する図示しないリモコン受光モジュールが配置されている。
なお、図示しないリモコン受光モジュールは、制御基板と電気的に接続され、該リモコン受光モジュールにて受信した操作信号は、制御基板に出力される。また、後述するが、これらリモコン受光窓およびリモコン受光モジュールは、プロジェクタ1の背面側にも設けられている。そして、プロジェクタ1の前方および後方の双方からリモートコントローラを用いてプロジェクタ1の遠隔操作を実施できるように構成されている。
側面部11C、11Dには、図1および図2に示すように、プロジェクタの後方から前方に向かって水平方向に延びる複数のリブを有する凹凸部が形成されている。なお、図示を略したが、この凹凸部の一部には、外部空気を導入する空気流通孔が形成されている。
ロアーケース12は、図2に示すように、プロジェクタ1の底面および側面の一部をそれぞれ構成する底面部12A、側面部12C、12Dおよび背面部12Eを含んで構成される。
この底面部12Aには、図2に示すように、アッパーケース11の側面部11Cと背面部11Eに近接する隅部に、矩形状の開口21が形成されている。この開口21には、該開口21を覆うランプカバー22が着脱自在に設けられている。
また、この底面部12Aにおいて、プロジェクタ1の投射方向前方の投射レンズ46に応じた位置は、段差状に凹部が形成されており、この凹部には、外部からの冷却空気を導入するための冷却空気導入口23が形成されている。この冷却空気導入口23には、該冷却空気導入口23を覆う吸気口カバー23Aが設けられている。この吸気口カバー23Aには、複数の吸気孔23Bが形成されている。そして、これら吸気孔23B内側には、図示しない防塵フィルタが設けられており、内部への塵埃の侵入を防止している。
さらに、この底面部12Aにおいて、プロジェクタ1の投射方向後端右側にはプロジェクタ1の筐体の脚部を構成する固定脚部24が設けられ、一方、下方から見て後方側の左角隅部分には同じくプロジェクタ1の筐体の脚部を構成する調整脚部25が設けられている。この調整脚部25は、ロアーケース12に形成された雌ねじ部に螺合するねじ軸状部材を含んで構成され、ねじの螺合位置を変更することにより、プロジェクタ1の左右方向の傾きを調整することができる。
また、底面部12Aの投射方向前方略中央には、調整脚部26が設けられている。この調整脚部26は、フットおよび軸部を備え、底面部12Aの面外方向に進退自在に装着されている。投射位置を変更する場合、この調整脚部26の進退量を変更することにより、スクリーン上の投射画像形成位置を上下に調整することができる。
なお、この底面部12Aの略中央には、プロジェクタ1の筐体内部に配設された電源ユニットに冷却空気を導入するための吸気口27が形成されている。
リアケース13は、図2に示すように、ロアーケース12の背面部12Eの内側に形成された図示しない溝部に嵌め込み式で固定され、アッパーケース11とロアーケース12とが接続された状態で背面に形成される開口部分を塞ぐ。このリアケース13は、図2に示すように、略矩形状の板体131と、この板体131の下端縁から該板体131に略直交して突出する突出部132とを備える。
このうち、突出部132は、図4に示すように、後方側に凸となるように形成されている。突出部132にはインレット端子33及びスピーカ孔34が設けられている。
アッパーケース11、ロアーケース12、およびリアケース13を組み立てた状態では、突出部132の先端は、ロアーケース12の背面部12Eの上端と接続する。すなわち、リアケース13の板体131は、プロジェクタ1の背面から内側に離隔配置されている。
このリアケース13において、板体131には、外部の電子機器からの画像信号、音声信号等を入力するための複数の接続端子35が外部に露出している。この領域に位置する板体131の内側には、接続端子35から入力される信号を処理する図示しないインターフェース基板が配置されている。接続端子35の左側にはリモコン受光窓(図示せず)が形成されている。
なお、このインターフェース基板は、前述の制御基板と電気的に接続され、インターフェース基板にて処理された信号は、制御基板に出力される。
(2)内部構成
外装ケース2の内部には、プロジェクタ1の本体部分が収納されており、この本体部分は、投射方向略中央部分で左右方向に延び、一方の端部が前方に延びる平面視略L字状の光学系4(図3〜図7)を備えている。光学系4の上方には、投射レンズ46側に配置される制御基板(図示せず)と、背面部分および一方の側面部分に沿って平面視略L字状に配置される電源ユニット(図示せず)と、冷却空気導入口および排気口17に応じた位置に配置される冷却ファンを含む電子機器用冷却装置(パネル冷却系)5(図8〜図12)、および電源ユニットの角隅部分に配置される冷却ファンを含む冷却ユニット(図示せず)とを備える。
〔1.光学系4の詳細な構造〕
図3は、光学系4を模式的に示した図である。図4は、プロジェクタの内部を示す斜視図であり、具体的には、ロアーケース12、光源ランプユニット32、光学部品用筐体(ライトガイド)47およびパネル冷却系5を示している。図5は、互いに一体とされた液晶パネル441R、441G、441Bおよびクロスダイクロイックプリズム45からなる光学部品を下方側から見た斜視図である。図6は投射レンズ46の筐体およびクロスダイクロイックプリズム45を垂直に切断した場合の断面図である。図7は図6のVI部分の拡大図である。
光学系4は、光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成するユニットである。この光学系4は、図4に示すように、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、光変調装置および色合成光学装置を一体化した電気光学装置44と、色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム45と、投射光学系としての投射レンズ46と、これら光学部品41、42、43、44、45、46を収納配置する光学部品用筐体47とに機能的に大別される。
インテグレータ照明光学系41は、光源から射出された光束を照明光軸直交面内における照度を均一にするための光学系である。このインテグレータ照明光学系41は、図3に示すように、光源装置411、第1レンズアレイ412、第2レンズアレイ413、偏光変換素子414、および重畳レンズ415を備えて構成される。
光源装置411は、放射光源としての光源ランプ416、リフレクタ417、およびリフレクタ417の光束射出面を覆う防爆ガラス418を備える。そして、光源ランプ416から射出された放射状の光束は、リフレクタ417で反射されて略平行光束とされ、外部へと射出される。本実施形態では、光源ランプ416として、高圧水銀ランプを採用し、リフレクタ417として、放物面鏡を採用している。なお、光源ランプ416としては、高圧水銀ランプに限らず、例えばメタルハライドランプやハロゲンランプ等を採用してもよい。また、リフレクタ417として放物面鏡を採用しているが、これに限らず、楕円面鏡からなるリフレクタの射出面に平行化凹レンズを配置した構成を採用してもよい。
第1レンズアレイ412は、照明光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備している。各小レンズは、光源ランプ416から射出された光束を部分光束に分割し、照明光軸方向に射出する。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様の構成であり、小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備する。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を電気光学装置44の後述する液晶パネル441R、441G、441B上に結像させる機能を有する。
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413からの光を略1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、電気光学装置44での光の利用効率が高められている。
具体的に、偏光変換素子414によって略1種類の偏光光に変換された各部分光束は、重畳レンズ415によって最終的に電気光学装置44の後述する液晶パネル441R、441G、441B上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネル441R、441G、441Bを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源ランプ416からの光束の略半分が利用されない。このため、偏光変換素子414を用いることにより、光源ランプ416から射出された光束を略1種類の偏光光に変換し、電気光学装置44における光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換素子414は、例えば、特開平8−304739号公報に紹介されている。
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421、422と、反射ミラー423とを備える。インテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束は、2枚のダイクロイックミラー421、422により赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離される。
リレー光学系43は、入射側レンズ431と、リレーレンズ433と、UVカットフィルタ434と、反射ミラー432、435とを備えている。このリレー光学系43は、色分離光学系42で分離された色光である青色光を電気光学装置44の後述する液晶パネル441Bまで導く機能を有している。
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から射出された光束のうち、緑色光成分と青色光成分とは透過し、赤色光成分は反射する。ダイクロイックミラー421によって反射した赤色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ424を通って、赤色用の液晶パネル441Rに到達する。このフィールドレンズ424は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル441G、441Bの光入射側に設けられたフィールドレンズ424も同様である。
また、ダイクロイックミラー421を透過した青色光と緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ424を通って、緑色光用の液晶パネル441Gに到達する。一方、青色光は、ダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ424を通って、青色光用の液晶パネル441Bに到達する。
なお、青色光にリレー光学系43が用いられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ424に伝えるためである。なお、リレー光学系43には、3つの色光のうちの青色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、赤色光を通す構成としてもよい。
電気光学装置44は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成する。この電気光学装置44は、色分離光学系42で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板442と、各入射側偏光板442の後段に配置される3つの視野角補正板448と、各視野角補正板448の後段に配置される光変調装置としての液晶パネル441R、441G、441Bおよび射出側偏光板444とを備える。
液晶パネル441R、441G、441Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものであり、対向配置される一対の透明基板内に液晶が密封封入されている。そして、この液晶パネル441R、441G、441Bは、入射側偏光板442および視野角補正板448を介して入射する光束を画像情報に応じて変調して射出する。なお、この液晶パネル441R、441G、441Bは、図示しない保持枠により収納保持されている。
入射側偏光板442は、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、サファイアガラス等の基板に偏光膜が貼付されたものである。
また、射出側偏光板444も、入射側偏光板442と略同様に構成され、液晶パネル441R、441G、441Bから射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、透過させる偏光光の偏光軸は、入射側偏光板442における透過させる偏光光の偏光軸に対して直交するように設定されている。
視野角補正板448は、基板上に液晶パネル441R、441G、441Bで形成された光学像の視野角を補正する機能を有する光学変換膜が形成されたものである。この視野角補正板448は、液晶パネル441R、441G、441Bで生じる複屈折を補償する。そして、この視野角補正板448により、投射画像の視野角が拡大され、かつ投射画像のコントラストが向上する。
クロスダイクロイックプリズム45は、射出側偏光板444から射出され、各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。このクロスダイクロイックプリズム45には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。そして、クロスダイクロイックプリズム45で合成されたカラー画像は、投射レンズ46から射出されスクリーン上に拡大投射される。
以上説明した液晶パネル441R、441G、441B、射出側偏光板444およびクロスダイクロイックプリズム45は、一体的にユニット化されている。
〔2.光学部品の取付構造〕
以下に、図3ないし図7を参照し、液晶パネル441R、441G、441Bならびにクロスダイクロイックプリズム45の取付構造に付いて詳説する。
先ず、図3、図5に示すように、各液晶パネル441R、441G、441Bは、保持枠443内に収納され、この保持枠443の四隅部分に形成される孔443Aに透明樹脂製のピン445を紫外線硬化型接着剤とともに挿入することにより、クロスダイクロイックプリズム45の側面である光束入射面側に金属製の固定用プレート446を介して接着されている(いわゆるPOP(Panel On Prism)構造によるクロスダイクロイックプリズム45への固定)。
ここで、保持枠443には矩形状の開口部443Bが形成され、各液晶パネル441R、441G、441Bは、この開口部443Bで露出し、この部分が画像形成領域となる。すなわち、各液晶パネル441R、441G、441Bのこの部分に各色光R、G、Bが導入され、画像情報に応じて光学像が形成される。
固定用プレート446は、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射面に接着剤等で直付けされており、外周形状が当該光束入射面よりも若干大きい。そして、固定用プレート446において、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射面からはみ出した部分に前記ピン445が接着されている。このことにより、クロスダイクロイックプリズム45自身を必要以上に大きくしなくとも、保持枠443をクロスダイクロイックプリズム45側に固定することが可能である。この固定用プレート446には、液晶パネル441R、441G、441B側からの光束がクロスダイクロイックプリズム45に入射するように、保持枠443の開口部443Bに対応した開口部446A(図7)が設けられている。
POP構造で一体とされた液晶パネル441R、441G、441Bおよびクロスダイクロイックプリズム45からなるプリズムユニットは、図5にも示すように、クロスダイクロイックプリズム45の上面(光束入射面に対して直交する面)に接着等された取付部材447を介して部品収納部材471(図6)の取付部473に固定されている。
この取付部材447は、平面視において、四方に延出した四つの腕部447Aを備えており、各腕部447Aに設けられた丸孔447Bのうち、ほぼ対角線上にある二つの丸孔447Bは、対応した取付部473に設けられた位置出しようの突部474に嵌合され、残る二つの丸孔447Bには、対応した取付部473に螺合されるネジ475が挿通される。また、取付部材447の中央の四角形部分には、着脱時に作業者が把持し易いように、適宜な把持部が設けられている。
なお、クロスダイクロイックプリズム45への液晶パネル441R、441G、441Bの三次元的な位置調整は、クロスダイクロイックプリズム45に取付部材447が固定された状態で予め行われる。
一方、部品収納部材471の取付部473は、部品収納部材471のほぼ上下方向にわたって連続した円柱状または角柱状の四つのボス部476の上部に設けられている。従って、取付部材447が取付部473に取り付けられた状態では、液晶パネル441R、441G、441Bおよびクロスダイクロイックプリズム45は、取付部材447の下面側に吊り下げられた状態に配置され、部品収納部材471の底面から僅かに浮いた状態で光学部品用筐体内に収容される。
このような部品収納部材471において、投射レンズ46側の二つのボス部476には、投射レンズ46固定用のヘッド部49が一体に設けられており、重量の大きい投射レンズ46がヘッド部49に固定されても、ヘッド部49が傾かないようにボス部476で補強している。
また、図6に示すように、部品収納部材471の底面には、液晶パネル441R、441G、441Bに対応した三箇所に吸気側開口471Cが設けられ、これらの吸気側開口471Cから光学部品用筐体47(部品収納部材471、蓋状部材472)内に流入するパネル冷却系5での冷却空気で液晶パネル441R、441G、441Bが冷却される。
他方、蓋状部材472には、液晶パネル441R、441G、441Bおよびクロスダイクロイックプリズム45に対応した部分に切欠開口472Aが設けられ、部品収納部材471の取付部473もこの切欠開口472Aから露出している。すなわち、液晶パネル441R、441G、441Bおよびクロスダイクロイックプリズム45は、予め取付部材447に固定されていることにより、部品収納部材471に蓋状部材472が取り付けられた状態でも、取付部473に対して取付部材447ごと着脱することが可能である。
〔3.冷却構造〕
本実施の形態のプロジェクタ1では、液晶パネル441R、441G、441Bを主に冷却する本発明に係る冷却装置であるパネル冷却系5のほかに、図示しないが、光源ランプユニット32を主に冷却するランプ冷却系と、電源を主に冷却する電源冷却系とを備えている。
パネル冷却系5では、投射レンズ46の両側に隣接して配置された一対のファンとしてのシロッコファン51A、51Bが用いられている。シロッコファン51A、51Bによって外装ケース底面の冷却空気導入口23から吸引された冷却空気は、液晶パネル441R、441G、441Bを下方から上方に向けて冷却した後、前面側の排気口17から排気される。
すなわち、冷却装置としてのパネル冷却系5は、図4、図8ないし図12に示すように、一対のブロワ型のシロッコファン51A、51Bと、これら一対のシロッコファン51A、51Bが一体的に取り付けられるダクト52とを備えている。ダクト52は、吸気ダクト52Aと送風ダクト52Bとから構成されている。吸気ダクト52Aには冷却空気導入口23に対向した開口が一つ形成されている。
そして、図10、図11に示されるように、シロッコファン51Aは、軸方向の一端面に、冷却空気導入口23に対して垂直な吸気孔51A1を開口し、外周面に接線方向に向けて排気孔51A2を開口する中空略円筒状のファンケース51A3を有している。排気孔51A2はファンケース51A3の外周面で、外装ケースへの設置面近傍(ファンケース51A3の下部)に開口している。さらに、ファンケース51A3内には、電動部51A4と、この電動部51A4の図示しない出力軸に一体的に取り付けられこの出力軸の回転駆動により回転するファン翼51A5とが配設されている。なお、シロッコファン51Bも全く同様に、吸気孔51B1および排気孔51B2を開口するファンケース51B3と、このファンケース51B3内に配設される電動部51B4およびファン翼51B5とを備えている。ここで、シロッコファン51Aと51Bは、性能も大きさも同一であるが、互いに、いわば鏡面対称の構造を持っている。
つまり、シロッコファン51Aとシロッコファン51Bは、吸気孔51A1と吸気孔51B1が互いに対向するように配置されており、これらのファンの回転軸も同一直線上にある。また、各ファンを各吸気孔側から見た場合に、回転翼は互いに反対側に回っているとともに送風方向は同じである。
ダクト52は、吸気ダクト52Aと送風ダクト52Bとを一体に有している。そして、吸気ダクト52Aには、略上方に向けて円弧状に湾曲し投射レンズ46を保持するレンズ保持部52A1が設けられている。また、レンズ保持部52A1の外周面には、軸方向が略上下方向に沿った略四角筒状の連通筒部52A2が設けられている。この連通筒部52A2は、先端縁がロアーケース12の底面部12Aに設けられた冷却空気導入口23の開口縁近傍に係合される。この連通筒部52A2の冷却空気導入口への係合により、レンズ保持部52A1の外周側と連通筒部52A2の内周側とで冷却空気導入口に連通する吸気室52A3が区画形成される。
さらに、連通筒部52A2には、レンズ保持部52A1に保持される投射レンズ46の径方向、すなわち投射レンズ46の両側に位置する面に吸気室52A3に連通するダクト連通孔52A4がそれぞれ設けられている。そして、一対のシロッコファン51A、51Bは、各吸気孔51A1、51B1が連通する状態で、ダクト連通孔52A4の連通筒部52A2に例えばねじ52A5などにて取り付けられる。すなわち、一対のシロッコファン51A、51Bが投射レンズ46の径方向に位置して一対取り付けられる。
送風ダクト52Bは、図9〜図12に示すように、略U字状を有しており、シロッコファン51Aの下部に形成された排気孔51A2に接続される送風ダクト52BRと、シロッコファン51Bの下部に形成された排気孔51B2に接続される送風ダクト52BGとから構成される。
送風ダクト52BRは、平面視略L字形の筒状に形成されており、投射レンズ46の軸方向に延びる案内部52BR1と、この案内部52BR1から投射レンズ46の軸方向と直交する方向に延びる排出部52BR2とを有する。案内部52BR1は、シロッコファン51Aの排気孔51A2と連通している。
送風ダクト52BGも平面視略L字形の筒状に形成されており、投射レンズ46の軸方向に延びる案内部52BG1と、この案内部52BG1から投射レンズ46の軸方向と直交する方向に延びる排出部52BG2とを有する。案内部52BG1は、シロッコファン51Bの排気孔51B2と連通している。
排出部52BR2は、排出部52BG2と平行に隣接して配置されている。排出部52BR2の先端上部および略中間部分の上部には、各々吹き出し孔478ABと478ARが形成されている。また、送風ダクト52BRからは、途中で排出部52BR3が分岐しており、先端上部には吹き出し孔478ACが形成されている。排出部52BG2の先端上部には吹き出し孔478AGが形成されている。
送風ダクト52BRと52BGは、図10からもわかるように内部風路が独立しており、内部で冷却風が混合することはない。
(3)電気光学装置44の冷却動作
まず、シロッコファン51A、51Bに電力を供給して駆動させる。すなわち電動部51A4、51B4を駆動させてファン翼51A5、51B5を回転させる。これらシロッコファン51A、51Bの駆動により、ファンケース51A3、51B3内の空気が排気孔51A2、51B2からそれぞれ送風ダクト52Bに流れる。このため、ファンケース51A3、51B3内の大気圧に対する負圧が増大する。さらに、吸気孔51A1、51B1に連通する吸気ダクト52Aの吸気室52A3内も、大気圧に対する負圧が増大する。
そして、ロアーケース12の冷却空気導入口23は、吸気室52A3に連通しているため、吸気孔23Bを介して外部の空気が吸気される。冷却空気導入口23から吸気された空気は、一対のシロッコファン51A、51B内にそれぞれ流入する。すなわち、吸気された空気は、略半分ずつダクト連通孔52A4、52B4および吸気孔51A1、51B1を介してファンケース51A3、51B3内に吸気される。
さらに、ファンケース51A3、51B3内に吸気された空気は、それぞれ送風ダクト52Bの第1の排気連通孔521Aおよび第2の排気連通孔521Bを介して第1の送風ダクト52BRおよび第2の送風ダクト52BGにそれぞれ排気される。そして、これら第1の送風ダクト52BRおよび第2の送風ダクト52BG内に排気されて流通する排気風は、排気吹き出し孔478AB、478ARからそれぞれ上方に向けて流出する。そして、この排気風の上方への流出により、排気風が上方に位置する液晶パネル441B、441R近傍に吹き付け、特にこれら液晶パネル441B、441R近傍が冷却される。
また、排気風の残部は、送風ダクト52BRから分岐した52BR3を通って、吹き出し孔478ACから上方に向けて流出し、筐体内の光学系を冷却する。
一方、送風ダクト52BGを流通する排気風は吹き出し孔478AGから上方に向けて流出し、液晶パネル441G近傍が冷却される。
そして、プリズムユニットを冷却した後の排気風は、プリズムユニットの上方から光学系4内を流通し、最終的に外装ケース2の排気口17から排気される。
上述した実施形態においては、シロッコファン51A、51Bは、ともにファンケース51A3、51B3の下部より直線的に排気を行い、そのまま送風ダクト52BR、52BGに冷却風を送り込む構成を取っている。それ故、送風ダクトの構造を単純にすることができ、ファンの負荷は低くなるため、騒音の低減に大きく寄与する(後述の試験例参照)。
電気光学装置44、投射レンズ46、一対のシロッコファン51A、51Bおよびダクト52が配設される外装ケース2には、一対のシロッコファン51A、51Bの吸気側にそれぞれ連通する1つの冷却空気導入口23が設けられている。そのため、複数のシロッコファン51A、51Bを備えた構成でも、1つの冷却空気導入口を設ける簡単な構造で吸気でき、複数の冷却空気導入口を設ける場合に比して、製造性を向上できるとともに、外装ケース2の強度の低下も防止できる。
また、シロッコファン51A、51Bは、鏡面対称構造を持つとともに、投射レンズ46を挟むように径方向に隣接して鏡面対称となるように配置されている。そして、シロッコファン51A、51Bの吸気孔51A1、51B1は互いに向かい合った位置にあり、ロアーケース12の下面にある一つの冷却空気導入口23から吸気する構成を取っている。それ故、投射レンズ46の周囲の利用しにくい空間を有効活用して小型化を図ることができる。
一対のシロッコファン51A、51Bにより、プリズムユニットを冷却するための風量を十分に確保でき、シロッコファン51A、51Bの負荷を低減できることから、小型のシロッコファン51A、51Bを利用でき、小型化を図ることができるとともに回転速度の低減により騒音の低減を図ることができる。
さらに、冷却空気導入口23が下方に向けて開口する状態であることから、例えば空気中の塵埃が冷却空気導入口からシロッコファン51A、51Bに吸気されにくく、シロッコファン51A、51Bやダクト52内、プリズムユニットなどに塵埃が付着して、冷却効率が低下したり、プリズムユニットの特性が損なわれるなどの塵埃による影響を生じることを防止できる。
ファンとしては、例えば軸流ファンなどに比して風速が早くて静音特性に優れるシロッコファン51A、51Bを用いている。そのため冷却効率を向上でき、さらに小型のものを利用できることから、プロジェクタ1の小型化を図ることができる。
ここで、本実施形態と従来技術の一例について、次の条件を設定した試験例を以下に示す。
(条件1:本実施形態)
図8〜図12に係る冷却系を用いて、前述した構成と同じ。
(条件2:従来技術の一例)
図13に示すように、図9におけるシロッコファン51Bに替えて51Aと同じものを用い、吸気孔が互いに対向しても送風方向が同じになるように、すなわち上下逆に配置した。このシロッコファン51Cは排気孔がファンの上部に形成されているため、接続された送風ダクト52CGの案内部52CG1は下向きに急激にカーブしている。他の条件は条件1と同じに設定した。
〔試験例〕
プロジェクタ1を作動させて、条件1および条件2の冷却系に対して同じ印加電圧を与え、一対のシロッコファン(51A・51B、51A・51C)による吸気・送風を行い、風速、および、送風ダクト52内の静圧を測定した。風速は、条件1、2ともに、送風ダクト52BG、52CGの先端に位置する吹き出し孔478AGにて測定した。静圧は、送風ダクト52BG、52CGの入り口付近にて測定した。なお、ダクト52による電気光学装置44への送風は、条件1、2の場合とも行われている。
〔結果〕
Figure 2006072010
表1に示されるように、本実施形態におけるプロジェクタ1(条件1)では、同一ファンを上下逆にして対向配置した場合(条件2:従来技術の一例)に比べて、風速も大きく、ダクト内の静圧も低いことが確認された。すなわち、本実施形態におけるシロッコファン51Bでは、ファン出口付近の送風ダクト52BG(52BG1)の構造が単純であり、ダクト内の空気抵抗が低いためファンの負荷が少なくなっていることがわかる。
その他、本実施形態によれば、以下のような効果も享受できる。
プロジェクタ1では、互いに一体とされた液晶パネル441R、441G、441Bおよびクロスダイクロイックプリズム45からなるプリズムユニットは、取付部材447を介して部品収納部材471に対し着脱可能に取り付けられるが、この際、そのプリズムユニットは、取付部材447に吊り下げられた状態で固定され、また、取付部材447は、そのプリズムユニットよりも着脱方向の手前側となるボス部476上部の取付部473に取り付けられているので、プリズムユニットを交換する場合には、ネジ475を外したり、再度締め付けるためのドライバーを光学部品用筐体47の内部に差し入れる必要がない。従って、ドライバーで光学部品用筐体47内に収容されたフィールドレンズ424等を傷付ける心配がなく、交換作業を光学部品用筐体47の上方側から容易にできる。
また、取付部材447が手前側にあることにより、交換作業にあたっては、四方に延出した取付部材447の腕部447Aが光学部品用筐体47内のフィールドレンズ424等にぶつかることもなく、この点でも交換作業を容易に行える。
取付部材447の腕部447Aが光学部品用筐体47内に収容されないために、液晶パネル441R、441G、441B周辺の配置スペースを小さくでき、光学部品用筐体47を含む光学系4の小型化を実現できる。
投射レンズ46側のボス部476は、ヘッド部49と一体に形成されているので、ヘッド部49をボス部476で補強でき、その分ヘッド部49を薄肉化しても投射レンズ46の固定による倒れ込みを防止でき、かつヘッド部49の薄肉化によって光学部品用筐体47、ひいては光学系4の小型化をより促進できる。
さらに、フィールドレンズ424、ダイクロイックミラー421、422、入射側レンズ431、リレーレンズ433等の別の光学部品を保持するための保持片477も、投射レンズ46から離間した側のボス部476に一体に設けられることで補強されるから、保持片477やその回りの肉厚を薄くでき、この点でも光学系4の小型化を図ることができる。
ヘッド部49と一体のボス部476上の取付部473は、投射レンズ46の径方向の両側に位置し、かつ投射レンズ46の中心軸X−Xから離間して上方に(中心軸X−Xよりも着脱方向の手前側に)設けられているので、そのような取付部473に取付部材447を取り付けた状態では、取付部材447の腕部447Aとヘッド部49を貫通して突出した投射レンズ46の端部46Aとが干渉せず、その各腕部447Aの幅や太さを大きくでき、液晶パネル441R、441G、441Bおよびクロスダイクロイックプリズム45の支持強度を向上させることができる。 また、投射レンズ46の端部46Aがヘッド部49から突出してクロスダイクロイックプリズム45により近接しているため、解像度が同じであれば、投射画像がより明るくでき、反対に同じ明るさであれば、解像度を向上させることができる。また、投射距離をより短くすることもできる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
シロッコファン51A、51Bを一対配設したが、プロジェクタ1内には複数のペアを配設することもできる。さらには、投射レンズ46の径方向で水平方向に沿って対向する状態に配設したが、上下方向など、投射レンズの径方向に配設すればよい。
冷却空気導入口23は外装ケース2の底面でなくてもよい。すなわち、上面や側面に設けてもよい。なお、上面より側面の方が塵埃の落下が少ないことから好ましい。さらに、塵埃のさらなる侵入を防止するために、フィルタで冷却空気導入口を覆ってもよい。
また、電気光学装置44としては、3種類の液晶パネル441B、441G、441Rにて構成したが、3つに限らず、液晶パネルを1つのみあるいは複数備えた構成でもできる。
ボス部476には、ヘッド部49や保持片477が一体に設けられていたが、それぞれを個別に設けた場合でも本発明に含まれる。
さらに、本発明に係る取付部は、ボス部476上に設けられる必要はなく、部品収納部材471の上端面の一部に設けられるなど、設けられる位置や形状等は任意である。
また、取付部材447の形状も任意であり、前記実施形態での取付部材447の形状に限定されない。
上記の実施の形態では、液晶パネル441R、441G、441Bとクロスダイクロイックプリズム45とからなるプリズムユニットを、取付部材447ごと上下方向に着脱させる構成であったが、本発明では、そのようなプリズムユニットの着脱方向は任意であり、着脱方向の手前側に取付部材447が設けられ、奥側にプリズムユニットが設けられる構成であればよい。従って、例えば、取付部材447がクロスダイクロイックプリズム45の下面側に設けられた場合において、液晶パネル441R、441G、441Bおよびクロスダイクロイックプリズム45を、取付部材447ごと部品収納部材471の下面側から着脱できるように構成してもよい。
さらに、上記の実施の形態では、3つの光変調装置を用いたプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、1つの光変調装置のみを用いたプロジェクタ、2つの光変調装置を用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の光変調装置を用いたプロジェクタにも適用可能である。
また、上記の実施の形態では、光変調装置として液晶パネルを用いていたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
さらに、上記一実施の形態では、光入射面と光出射面とが異なる透過型の光変調装置を用いていたが、光入射面と光出射面とが同一となる反射型の光変調装置を用いてもよい。
さらにまた、上記の実施の形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行うフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行うリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
本発明の電子機器用冷却装置は、簡単な構造で容易に小型化でき、また、ファンの負荷を低減して騒音を低減できるため、ホームシアターやプレゼンテーションで利用されるプロジェクタに用いられる冷却装置として有用である。
本発明の実施形態に係るプロジェクタを上方から見た全体斜視図である。 前記プロジェクタを下方から見た全体斜視図である。 前記プロジェクタの光学系を模式的に示す平面図である。 前記プロジェクタの内部を示す斜視図であり、具体的には、図1の状態からアッパーケース、リアケース、投射レンズ、電気光学装置、プリズム、制御ボード、および電源部を外して上方から見た図である。 互いに一体とされた液晶パネルおよびプリズムからなる光学部品を下方側から見た斜視図である。 前記光学部品および投射レンズを垂直に切断した場合の断面図である。 図6のVI部分の拡大図である。 本発明の一実施形態における冷却装置のロアーケースへの取付位置を示す斜視図である。 前記冷却装置を上方から見た斜視図である。 前記冷却装置を下方から見た斜視図である。 前記冷却装置について、一対のファンと吸気ダクト・送風ダクトを分離して上方から見た分解斜視図である。 前記冷却装置について、一対のファンと送風ダクトの構成を示す平面図である。 従来の冷却装置の一例を示した斜視図である。
符号の説明
1・・・プロジェクタ、2・・・筐体である外装ケース、4・・・光学系、5・・・電子機器用冷却装置(パネル冷却系)、12・・・ロアーケース、23・・・冷却空気導入口、44・・・電気光学装置、46・・・投射レンズ、51A、51B、51C・・・ファンとしてのシロッコファン、51A1・・・吸気孔、51A2・・・排気孔、52A・・・吸気ダクト、52B・・・送風ダクト、441B、441G、441R・・・電気光学装置を構成する液晶パネル

Claims (3)

  1. 一対のファンと、外装ケースに形成された冷却空気導入口から前記一対のファンに連絡される吸気ダクトと、前記一対のファンから冷却空気を導く送風ダクトとを備えた電子機器用冷却装置であって、
    前記一対のファンは、回転軸方向から吸気する吸気孔と、回転接線方向に送風する排気孔を有するとともに、前記吸気ダクトの側方にそれぞれの吸気孔が互いに対向するように配置され、
    前記排気孔は、前記一対のファンのケース外周面で、かつ、前記外装ケースへの設置面近傍に形成され、各ファンの送風方向が同一方向であることを特徴とする電子機器用冷却装置。
  2. 請求項1に記載の電子機器用冷却装置において、
    前記吸気ダクトに接続される前記冷却空気導入口は一つであることを特徴とする電子機器用冷却装置。
  3. 光源装置と、前記光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調する電気光学装置を備えたプロジェクタであって、
    前記電気光学装置を冷却する請求項1または請求項2に記載の冷却装置を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
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