JP2006070967A - 犠牲穿孔部付熱処理金属管及びその製造方法 - Google Patents

犠牲穿孔部付熱処理金属管及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 コンクリート送給管路などの、管内面に激しい摩耗が生じる管路に用いる金属管において、摩耗が進行してバースト発生が近づいたことを検知可能とする。
【解決手段】 管の内面側に耐摩耗性強化熱処理の施された流送用途に供される金属管1において、管内面の摩耗の進行の速い領域、例えば曲管部1Aの背側領域の少なくとも1箇所の局部に、管内面側の摩耗によって穿孔に至るまでの寿命を周辺部分よりも短縮する処置の施された犠牲穿孔部2を設け、その犠牲穿孔部に穿孔が生じて小規模の漏れが生じたことを視認して、管内面の摩耗が進行してバーストの危険が迫っていることを検知する構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コンクリートポンプ車等におけるコンクリート送給管路や砂スラリー輸送配管、あるいは乱流の生じやすい配管、粉粒体運搬車等におけるコンプレッサーによる空気輸送配管、特にその曲管部やオリフィス配設部を典型例とする管内面の摩耗が激しい管路を構成するための内面耐摩耗性管部材に関し、更に具体的には、上記管路で起こることのある管体のバースト(突発的な破裂)を未然に防ぐための保安機能を具備させた管部材に関する。
以下、曲管部を多く含むコンクリートポンプ車の送給管路用途を例にとって説明する。
コンクリートポンプ車の送給管路では数10m落差の高所へのコンクリート送給を行なうために、数気圧の加圧送給が行なわれる。また、送給管路はトラック可搬、工事現場設営容易とするために、たとえば、送給距離を確保するための長尺の直管部材群と可屈関節を構成する短尺の曲管部材群とを軸回動自在な継手で連ねた折畳み式となっている。
コンクリート送給速度は0.3〜3.0m/s程度でさほど速くないが、粒径が0.15〜40mm程度の長石系、石英系などの硬質で角張った砂利が配合されているので管路は摩耗しやすい。中でも曲管部材の背側(曲りの外側)領域では、擦過摩耗の他に衝突摩耗が加わり、流速も増しているため特に摩耗が激しい。ついては、曲管部材は交換頻度の高い部材となっている。また、交換のインターバルを長くするために、内面に焼入れなどの耐摩耗性強化熱処理を施した曲管部材が多用されている。金属直管の曲げ加工を管内面の熱処理を兼ねて行なう手法は特許文献1(特開昭59−129727号公報)に開示されている。
しかしながら、熱処理曲管部材といえども長時間使用されれば摩耗が進んで、前記加圧送給によって管材に生じる引張応力(N/mm2 値)が管肉厚の減少とともに増大して行き、遂には管材の破断応力に達して管材がバーストすることになる。管材の特質上、管周方向応力の破断応力超過が先行する。合わせて管内の摩耗は、コンクリートの流れ方向、即ち管の軸方向に管内をえぐる形で進行するため、摩耗した薄肉部は管の軸方向に進展する。これらにより、バーストは管軸方向に裂け目を生じる形態で起きる。また、摩耗が進んでいる曲管部材背側領域に生じることが多い。
上記裂け目の長さは管径寸法より大であることが多く、このような大きい裂け目が一瞬にして生じると、加圧送給されているコンクリートは一旦噴出しその後溢れ出すこととなり、ポンプを停めて短時間で復旧できるケースは稀なので、溢出コンクリートや装置内残留コンクリートの始末などに多大な労力と作業時間のロス、更には作業中断による二次的な支障が生じ損害は絶大である。また、バーストは曲管部に生じるのみならず、直管部に生じることもあり、更には、コンクリート送給管路に限らず、高圧の蒸気や熱水が高速で流れるような管路等においても生じ、重大事故を引き起こすことがある。
特開昭59−129727号公報
本発明は上記コンクリート送給管路などの、管内面に激しい摩耗が生じる恐れのある管路におけるバーストなどの摩耗起因のトラブルを未然に防ぐべくなされたものであり、上記トラブルを、上記管材のバーストをもたらすような危険レベルに達する前の要注意レベルの段階で防止する技術の提供を課題としたものである。
本願請求項1に係る発明は、少なくとも管の内面側に耐摩耗性強化熱処理の施された流送用途に供される金属管において、管内面の摩耗がバーストを生じる恐れのある危険レベルに達する前の要注意レベルまで進行したことを検知可能とするため、この金属管の少なくとも1箇所の局部に、管内面側の摩耗によって穿孔に至るまでの寿命を周辺部分よりも短縮する処置の施された犠牲穿孔部を設けたことを特徴とする、犠牲穿孔部付熱処理金属管を提供するものである。
請求項2に係る発明は、曲管部を有し、少なくとも管の内面側に耐摩耗性強化熱処理の施された流送用途に供される金属管において、曲管部の管内面の摩耗がバーストを生じる恐れのある危険レベルに達する前の要注意レベルまで進行したことを検知可能とするため、少なくとも前記曲管部の背側領域の少なくとも1箇所の局部に、管内面側の摩耗によって穿孔に至るまでの寿命を周辺部分よりも短縮する処置の施された犠牲穿孔部を設けたことを特徴とする、犠牲穿孔部付熱処理金属管を提供するものである。
請求項3に係る発明は、前記請求項1又は2に係る発明において、前記穿孔に至るまでの寿命を短縮する処置を、前記局部の少なくとも管内面側の硬度を周辺部分よりも低くしておく処置とすることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、前記請求項1から3のいずれか1項に係る発明において、前記穿孔に至るまでの寿命を短縮する処置を、前記局部の管肉厚を周辺部分よりも薄くしておく処置とすることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、前記請求項4に係る発明において、前記管肉厚を薄くする処置を、管内面が周辺部分と面一となる形態で施すことを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、前記請求項1から4のいずれか1項に係る発明において、前記穿孔に至るまでの寿命を短縮する処置を、前記局部を管内面側には凸部が、管外面側には凹部が生じるように変形させておく処置としたものである。
請求項7に係る発明は、前記請求項1から6のいずれか1項に係る発明において、前記犠牲穿孔部をスポット状に形成したものである。ここで、スポットの形状は、円形、楕円形、長円形、正方形、長方形、多角形等任意である。
請求項8に係る発明は、前記請求項7に係る発明において、前記金属管が曲管部を有する構成とし、前記犠牲穿孔部を、前記曲管部においては、背柱相当ラインを避けた位置取りで設けたものである。
請求項9に係る発明は、前記請求項1から6のいずれか1項に係る発明において、前記犠牲穿孔部を管周方向に伸びた形状に形成したものである。
請求項10に係る発明は、前記請求項1から6のいずれか1項に係る発明において、前記犠牲穿孔部を、管の全周に亘る環状に形成したものである。
請求項11に係る発明は、前記請求項1から10のいずれか1項に係る発明において、前記流送用途がスラリー送給管路用途であるというものである。
請求項12に係る発明は、少なくとも管の内面側に耐摩耗性強化熱処理が施されており、更に管内面側の硬度を局部的に低くした犠牲穿孔部を備える金属管の製造方法であって、素管とする金属直管の内面の前記犠牲穿孔部を設ける局部に冷却水の到達を遮るためのバリヤー被覆を形成する工程と、次いで、このバリヤー被覆形成直管に熱処理を施して、少なくとも管内面側の前記局部以外の領域の熱処理を行なう工程を有することを特徴とする、犠牲穿孔部付熱処理金属管の製造方法である。
請求項13に係る発明は、少なくとも管の内面側に耐摩耗性強化熱処理が施されており、更に管内面側の硬度を局部的に低くした犠牲穿孔部を備える金属管の製造方法であって、素管とする金属直管に熱処理を施して、少なくとも管の内面側に熱処理の施された中間加工品を作成する工程と、次いで、この中間加工品の前記犠牲穿孔部を設ける局部に軟化熱処理を施して硬度を低下させる工程を有することを特徴とする、犠牲穿孔部付熱処理金属管の製造方法である。
請求項14に係る発明は、少なくとも管の内面側に耐摩耗性強化熱処理が施されており、更に、管の全周に亘って管内面側の硬度を局部的に低くした環状の犠牲穿孔部を備える金属管の製造方法であって、素管とする金属直管に、該金属直管の狭幅の環状領域を加熱し、その加熱領域を金属直管に対して管軸方向に連続的に移動させ、加熱直後の領域に少なくとも管内面側から冷却媒体を吹き付けて急冷し、少なくとも管の内面側に熱処理を施す連続熱処理工程を有し、この連続熱処理工程内において、前記犠牲穿孔部を設ける環状の領域を連続熱処理する際の管の冷却速度を他の領域における冷却速度よりも低くすることを特徴とする犠牲穿孔部付熱処理金属管の製造方法である。
請求項15に係る発明は、少なくとも管の内面側に耐摩耗性強化熱処理が施されており、更に管肉厚を局部的に薄くした犠牲穿孔部を備える金属管の製造方法であって、素管とする金属直管に熱処理を施して、少なくとも管の内面側に熱処理の施された金属管を作成する工程と、この工程の前か後の少なくとも一方の段階で金属管の前記犠牲穿孔部を設ける局部に対して管外面側の管肉を機械的に取り除いて管肉厚を薄くする工程を有することを特徴とする、犠牲穿孔部付熱処理金属管の製造方法である。
請求項16に係る発明は、少なくとも管の内面側に耐摩耗性強化熱処理が施されており、更に管内面側には凸部が、管外面側には凹部が生じるように局部的に変形させた犠牲穿孔部を備える金属管の製造方法であって、素管とする金属直管に熱処理を施して、少なくとも管の内面側に熱処理の施された金属管を作成する工程と、この工程の前か後の少なくとも一方の段階で金属管の前記犠牲穿孔部を設ける局部に対して管内面側に凸部が生じ管外面側に凹部が生じる変形加工を施す工程を有することを特徴とする、犠牲穿孔部付熱処理金属管の製造方法である。
請求項17に係る発明は、前記請求項12から16のいずれか1項記載の発明において、前記犠牲穿孔部を備える金属管は曲管部を有するものであり、前記熱処理を、前記曲管部を形成するための熱間曲げ加工を兼ねて行なう構成としたものである。
請求項1の発明に係る金属管にあっては、犠牲穿孔部を設けたことにより、摩耗が危険レベルに達して起こる管体のバーストに先駆けて摩耗要注意レベルでの穿孔が起こる。すなわち、壊れる前に孔があくという、いわば安全弁動作である。この穿孔は、最初に極く小さい孔があいてコンクリート等の流送物が漏れはじめ、孔径は広がって行くが急速ではない。また、穿孔の回りの管体は本来の形状を維持している。よって、漏れ部に鍔付きのゴム栓あるいはパテ材を籠め、これを梱包用フープや布ガムテープを巻き付けて固定するといった手法で急場の漏れ止めが行なえる。上記作業はコンクリート等の送給を一時的に停止して行なってもよいが、コンクリート等の送給状態でも行なえる。すなわち、コンクリート注入作業等の現場作業は全く或いは実質的に中断されない。本格的な修理すなわち穿孔管部材の取替えは待機時間帯や非稼働時期に行なえばよいので、結局、現場作業には何の支障ももたらされない。これは、前述のバースト時の諸々の損害を全て回避できたということであり、絶大なメリットである。
請求項2の発明に係る金属管は、曲管部を有する金属管において犠牲穿孔部を少なくとも曲管部の背側領域に設けたものである。流送管路にあっては曲管部の背側領域に摩耗が生じやすく、その領域にバーストが生じることが多いので、その領域に犠牲穿孔部を配置して摩耗が危険レベルに近づいたことを検知することで、バースト発生をより確実に防止できる。
請求項3の発明に係る金属管は、上記犠牲穿孔部を当該局部の低硬度化によって設けたものである。すなわち、低硬度化により摩耗速度が周辺部分よりも大となることで犠牲穿孔部が構成されている。局部的な低硬度化は通常ならば耐摩耗仕様上の不備と把えられるが、本発明ではこれをバースト防止というメリットに転じ得たのである。
請求項3の発明に係る金属管の有利な製造方法が請求項12、請求項13又は請求項17に記載の方法である。どちらの方法も、従来の熱処理加工や熱処理曲げ加工の前か後に簡単な処置を施すものであり、この処置は、大々的な専用設備の導入を要せず、上記加工を行なう装置回りで十分実施できる。すなわち、請求項3の発明に係る金属管は安価な追加費用で提供できる。
請求項4、請求項5の発明に係る金属管は、上記犠牲穿孔部を当該局部の薄肉化によって設けたものである。すなわち、薄肉化により、摩耗速度は周辺部分と同じでありながら、穿孔に至るまでの余命に周辺部分との差をつけることで犠牲穿孔部が構成されている。局部的な薄肉化も通常ならば強度印象上などの不備と把えられるが、本発明ではこれもバースト防止というメリットに転じ得たのである。
特に、請求項5の発明に係る金属管では、管内面を面一にする形で(管外面側のみを管肉を消失させた形で)薄肉化を行なっている。すなわち、管の内外面両側の管肉を消失させたケース、あるいは管内面側のみの管肉を消失させたケースと異なって、薄肉化された局部の形状との絡みで摩耗挙動に乱れが生じることなしに犠牲穿孔部の機能が実現される。
請求項4、請求項5の発明に係る金属管の製造方法として、請求項15又は請求項17に記載の方法が適宜利用できる。この方法は、熱処理装置や熱処理曲げ加工装置の他にはドリルやグラインダーに類する汎用工具か、あるいはこれらの工具を高能率加工に適した形態(一部作業の自動化など)にアレンジしたものを要するだけであり、上記加工装置回りで十分実施できる。すなわち、請求項4、請求項5の発明に係る金属管は安価な追加費用で提供できる。
請求項6の発明に係る金属管は、上記犠牲穿孔部を当該局部を管内面側に凸部が生じるように変形させておくことを以て設けたものである。すなわち、上記凸部は衝突摩耗に曝されることから周辺部分よりも摩耗が先行して管内面側の面一化が進み、更には管外面側の凹部の存在が相まって残肉厚最小部が形成されて行くことで、当該局部の穿孔に至るまでの寿命が短縮されるのである。なお、上記の局部変形処置を熱処理後や熱処理曲げ加工後に熱間加工によって施した場合には局部の硬度低下も同時に起る。
請求項6の発明に係る金属管の製造方法として、請求項16又は請求項17に記載の方法が適宜利用できる。この方法において、金属管の前記犠牲穿孔部を設ける局部に対して管内面側に凸部が生じ管外面側に凹部が生じる変形加工を施す方法として、熱間ポンチング加工(受けダイスの援用が望ましい)と、管外面側を一過的に急熱する熱歪加工(管外面側の熱膨張力と未昇温の管内面側の寸法拘束とにより管外面側を圧縮降伏させて管内面側が凸となる熱歪を生じさせるもの。断続的に繰返し加熱するのがよい。船体の線状加熱曲げ加工類似)とを例示できる。いずれも、ガストーチ或いは誘導加熱装置やポンチダイスの小型のものといった汎用手段ないし安価な特注手段で実施できる。
請求項7の発明に係る金属管は、上記犠牲穿孔部をスポット状に形成したものであり、スポット状の犠牲穿孔部を採用したことで、犠牲穿孔部を金属管の所望の位置にピンポイント配置することができる。
請求項8に係る発明は、前記金属管が曲管部を有するものである場合に、上記スポット状の犠牲穿孔部を、曲管部の背柱相当ラインを避けた位置取りで設けたものである。曲管部の背柱相当ラインは曲管部の強度や剛性に最も貢献する領域であるので、ピンポイント的な犠牲穿孔部についてはこの領域を避けて設けることで、曲管部の強度低下や剛性低下を小さく抑えることができる。
請求項9に係る発明は、上記犠牲穿孔部を管周方向に伸びた形状に形成したものであり、この形状としたことで、犠牲穿孔機能のカバー範囲を、特に重要な管周方向強度を減殺せずに広域化できる。
請求項10に係る発明は、上記犠牲穿孔部を、管の全周に亘る環状に形成したものである。この環状の犠牲穿孔部を当該局部の低硬度化によって設けた構成の金属管の製造方法として、請求項14又は請求項17に記載の方法が適宜利用できる。この方法では金属直管に対して連続熱処理加工や連続熱間曲げ加工を施す際に、当該局部の冷却速度を低下させて急冷硬化が起こらないようにするのみで環状の犠牲穿孔部を形成できるので、犠牲穿孔部をコスト増をほとんど伴うことなく形成できる。なお、曲管部を有する金属管にあっては、犠牲穿孔部が環状に形成されていても、実際の穿孔は、大抵、摩耗の速い曲管部背側領域で起こることとなる。
本発明の犠牲穿孔部付熱処理金属管は、少なくとも管の内面側に耐摩耗性強化熱処理の施された流送用途に供される金属管である。この金属管は、直管でもよいし、曲管部を有するものでもよい。曲管部を有する場合の金属管としては、曲管部のみからなる構造でもよいし、曲管部とその端部に連なる直管部とを備えた構造のものでもよいし、更には、直管部の両端にそれぞれ曲管部を連ねた構造のように複数の曲管部を備えたものでもよい。また、曲管部の曲げ角度、曲げ半径、直管部の長さ等は任意である。本発明の金属管を形成する材料には、耐摩耗性強化熱処理を施すことができると共に、必要に応じて直管状の金属素管を曲げ加工して金属管を形成しうるものが使用され、その代表的な材料としては、炭素鋼、低合金鋼、ステンレス鋼、高合金鋼、鋳鋼などの鉄系金属、アルミニウム系、ニッケル系、銅系などの非鉄金属を挙げることができる。金属管内面に施す耐摩耗性強化熱処理としては、焼入れ、浸炭焼入、窒化、時効硬化等を挙げることができる。
本発明の金属管は、少なくとも1箇所の局部に、管内面側の摩耗によって穿孔に至るまでの寿命を周辺部分よりも短縮する処置の施された犠牲穿孔部を設けている。この犠牲穿孔部は金属管を流送管路に用いた場合に管内面側に摩耗の生じやすい領域に設けることが望ましく、摩耗の生じやすい領域を特定できる場合には、主にその領域に設け、特定できない場合には広い範囲に適当数を分散させて設けるのが良い。管内面側の摩耗は曲管部の背側領域に生じやすいので、本発明は、曲管部を有する金属管において特に有用である。そして、曲管部を有する金属管に本発明を適用する場合、犠牲穿孔部を曲管部の背側領域の少なくとも1箇所の局部に設けることが好ましい。この犠牲穿孔部を形成するための処置、犠牲穿孔部の形状、個数、配置、金属管の製造方法等には種々の形態があるので、その形態を、曲管部の両端に短い直管部を備えた形状の金属管を例にとって説明する。
図1(a)は本発明の好適な実施の形態に係る金属管1の概略側面図、(b)はその断面図、(c)は(a)のA−A矢視図である。金属管1は、曲げ角度90度の曲管部1Aとその両端につらなる短い直管部1B、1Cを有しており、その内周面全域には耐摩耗性強化熱処理が施されている。金属管1の両端には、必要に応じ接続用のフランジ、口金等を設けておいてもよい。この金属管1の曲管部1Aには、犠牲穿孔部2が設けられている。この犠牲穿孔部2は、管内を流れるスラリーなどの流送流体による管内面側の摩耗によって管壁を貫通する孔があくまでの、すなわち穿孔に至るまでの寿命を周辺部分よりも短縮する処置の施された部分である。この犠牲穿孔部2を設けておくことにより、金属管1の長期間の使用によって金属管1の内面の摩耗が進行し、バーストの危険が近づいた時点で、バーストの発生に先駆けて犠牲穿孔部2に管壁を貫通する孔があき、内部の流体の小規模の漏れを生じ、その漏れによって金属管2にバーストの危険が近づいていることを知らせることができる。すなわち、犠牲穿孔部2は、金属管2にバーストの危険に近づいた要注意レベルの摩耗が生じていることを知らせるための摩耗検知手段として作用するものである。
ここで犠牲穿孔部2における摩耗寿命(穿孔に至るまでの寿命)は、犠牲穿孔部2に穿孔が生じた時に、犠牲穿孔部2以外の領域ではバースト発生の危険に近づいてはいるが、まだバーストや座屈の発生には至らない強度(肉厚)が確保されるように定めるものである。バースト等を発生させることのない強度(肉厚)は、金属管1の使用条件(管内圧力、流速、流送物の特性等)によって異なるが、例えば、管路の安全率を5倍程度に設定しているケースでは、初期の1/5程度の管肉厚が下限値となり、また、安全感覚的にも80%以上の肉厚減少は容認され難い。従って、犠牲穿孔部2に穿孔が生じた時に、犠牲穿孔部2以外の領域では初期の肉厚の20%以上の肉厚が残っているように、犠牲穿孔部2の摩耗寿命を定めておくのが良い。一方、摩耗寿命が短か過ぎた場合には、犠牲穿孔部2以外の領域には依然としてかなりの肉厚が残り、大きい強度を備えているにも係わらず犠牲穿孔部2の穿孔が生じ、危険であると知らせてしまうため、金属管1の耐用年数を短くしてしまう。この点からは、穿孔が生じた時に、犠牲穿孔部2以外の領域で且つ最も肉厚減少率の大きい部位における肉厚が35%以下となっているように定めるのが良い。かくして、犠牲穿孔部2の摩耗寿命は、犠牲穿孔部2に穿孔が生じた時点において、犠牲穿孔部2以外の領域で且つ最も摩耗の大きい部位において初期の肉厚の20〜35%の肉厚が残っているように定めることが好ましい。これは、かなりの残肉厚のように見えるが、これによる損失は前記バーストに伴う絶大な損害に比べれば無視できるレベルであると言える。
犠牲穿孔部2の形成位置は、検知能力を高めるため金属管1における摩耗の進行の早い領域とすることが好ましく、具体的には、犠牲穿孔部2の全部若しくは多くの部分が少なくとも曲管部1Aの背側領域(曲げ中立位置C−Cよりも曲りの外側の領域)に位置するように設定する。犠牲穿孔部2の形状には種々のものを採用でき、円形、楕円形(図1の実施形態に示す犠牲穿孔部2)、長円形、正方形、長方形、多角形等のスポット状や管周方向に伸びた形状、或いは図2に示す実施形態の犠牲穿孔部2のように管の全周に亘る環状を挙げることができる。ここで、楕円形、長円形などの細長い形状の犠牲穿孔部2を用いる場合に、その長手方向が管の円周方向となるように配置するのは、先ずは、前記摩耗起因の破断応力超過が先行する管周方向の強度が減殺されないようにするためであるが、これに加えて次の理由もある。すなわち、犠牲穿孔部2に摩耗による穿孔が生じる場合、犠牲穿孔部2内の一部領域にほぼ円形の小さい孔があき、それが管の円周方向にはゆっくりと拡大するが、管軸方向には比較的早く拡大する。このため、犠牲穿孔部2の管軸方向の寸法が大きい場合には、犠牲穿孔部2内に生じた小さい孔が管軸方向に広がって細長い孔となり、漏れ止めを図ることが困難となるばかりでなく、それを起点として曲管部1Aの全体に亘るバーストを起こす恐れも生じる。従って、犠牲穿孔部2の管軸方向の寸法は小さく設定することが必要である。一方、犠牲穿孔部2内に生じた孔の管の円周方向への拡大はゆっくりであるので、犠牲穿孔部2の管の円周方向の寸法は大きく設定しても支障はなく、逆に大きく設定することで広い範囲の摩耗検知が可能となる。この理由により、細長い形状の犠牲穿孔部2を用いる場合、その長手方向を管周方向に配向させて配置する。
犠牲穿孔部2の寸法は、その犠牲穿孔部2内にバーストの危険が近づいた時点で認識可能な漏れを生じうる大きさの孔があくが、前記したようにその孔が管軸方向に拡大して漏れ止めが困難となることがないように定めるものであり、具体的には、管径や管肉厚に応じて最適な寸法を選択すればよいが、おおよその目安としては、管肉厚が3〜10mm、管外径50〜200mm程度のものに対して、犠牲穿孔部2の管軸方向の寸法dを、犠牲穿孔部2の形状にかかわらず、5〜15mm程度に選定することが好ましく、更には、8〜12mm程度とすることが一層好ましい。これにより、金属管1にバーストが生じる前に、犠牲穿孔部2内に、認識可能な漏れを生じうる大きさの孔ではあるが、その孔に鍔付きのゴム栓あるいはパテ材を籠め、これを梱包用フープや布ガムテープを巻き付けて固定するといった手法で急場の漏れ止めが行なえる程度の孔が生じる。従って、犠牲穿孔部2内に生じた孔でバーストの危険接近を予知し、その孔を漏れ止めして適当な期間使用し、その後、金属管1を交換することで、バースト発生を防止できる。
金属管1に対する犠牲穿孔部2の形成位置、形成個数等は、金属管1における摩耗の発生状況に応じて適宜定めることができる。前記したように、金属管1において摩耗の進行の早い領域は曲管部1Aの背側領域(曲げ中立軸線C−Cよりも曲りの外側の領域)であるので、少なくともその背側領域に犠牲穿孔部2が位置するように定めるが、その背側領域内においても、曲管部の配向姿勢や流速などに応じて摩耗の発生状況は多様であり、円周方向、管軸方向共に摩耗の進行の早い領域がある。そこで、背側領域内において摩耗の特に生じやすい領域が分かっている場合には、その領域内に1個の犠牲穿孔部2を設けるのみでもよいが、種々な場所に摩耗が生じる恐れのある場合には、背側領域内に複数の犠牲穿孔部2を適当な間隔を開けて配置するのがよい。その際、同じ形状、寸法の犠牲穿孔部2を用いる形態に限らず、異なる形状、寸法の犠牲穿孔部2を組み合わせて用いても良い。図1及び図3〜図6に、スポット状の犠牲穿孔部2を用いた場合の代表的な配列例を示す。
図1の実施形態では、楕円形の3個の犠牲穿孔部2を、図1(c)に示す曲管部1Aの背柱相当ラインD−Dの上に位置するように、間隔をあけて配置している。一般に背柱相当ラインD−Dは摩耗が生じやすい領域であるので、その背柱相当ラインD−D上に複数の犠牲穿孔部2を配置することで、検知能力を高めることができる。図3の実施形態では、図1に示す実施形態と同様に曲管部1Aの背柱相当ラインの上に3個の犠牲穿孔部2を設け、更にその他に、直管部1B,1Cにも犠牲穿孔部2を設けている。この直管部1B,1Cは管の接続に用いられる部分であり、接続用のフランジや口金を溶接で取り付けることが多く、このため内面の硬度が低下している場合があるので、この部分の摩耗進行を犠牲穿孔部2で検知できる。図4の実施形態では、曲管部1Aの背側領域に楕円状の犠牲穿孔部2を千鳥状に配列している。この配列では、円周方向の広い幅における摩耗進行を検知できる。図5の実施形態では、楕円形の犠牲穿孔部2と円形の犠牲穿孔部2を併用している。この配列により、広い領域における摩耗進行を検知できる。図6の実施形態では、曲管部1Aの背柱相当ラインD−Dを避けた位置に、犠牲穿孔部2を配置している。前記したように、背柱相当ラインD−Dは摩耗の発生しやすい場所であるので、この位置を避けて犠牲穿孔部2を配置することで、摩耗進行の検知能力が若干低くなるが、金属管1の強度、剛性に大きく寄与している背柱相当ラインに犠牲穿孔部2を形成していないので、金属管1の強度、剛性の低下を小さく抑えることができる。ここで、犠牲穿孔部2の配置を避ける背柱相当ラインD−Dの幅としては、管外径の10〜20%程度とすることが好ましい。
図1〜図6に示すような、曲管部1Aに犠牲穿孔部2を設けた金属管1は流送用途に用いられ、特に、コンクリートポンプ車等におけるコンクリート送給管路や砂スラリー輸送配管などのように、管内面に激しい摩耗を生じさせる各種スラリー、例えば、コンクリート、モルタル、砂、砂利等のスラリーの流送を行なうスラリー送給管路に用いることが、発生頻度の高いバーストを防止できるので好ましい。
次に、犠牲穿孔部2を形成するために管体に施す処置、すなわち穿孔に至るまでの寿命を短縮する処置を説明する。穿孔に至るまでの寿命を短縮する処置の代表例としては、(1)硬度を低くする処置、(2)管肉厚を薄くする処置、(3)管壁を内側に変形させる処置を例示できる。以下、それぞれを説明する。
(1)硬度を低くする処置
この処置は、金属管1の犠牲穿孔部2を形成しようとする局部の少なくとも内面側の硬度を周辺部分よりも低くしておく処置である。管体内面の流送流体による摩耗は管内面の硬度に大きく影響されており、硬度が高いほど摩耗が生じにくい。このため、犠牲穿孔部2の硬度を周辺部分よりも低くしておくことで、摩耗が生じやすくなり、他の部位に先駆けて摩耗による穿孔が生じる。ここで、犠牲穿孔部2を形成するために管肉厚方向における硬度を低下させる領域は、管の内面側のみ、或いは内面側、外面側の両方(例えば、全肉厚に亘る領域)のいずれでもよいが、金属管1は管内面に耐摩耗性強化熱処理を施しているため、この内面側の硬度を下げることが摩耗促進に最も有効である。従って、犠牲穿孔部2を形成するために硬度を低くする処置を施す際には、少なくとも管内面側の硬度が低くなる処置を施すことが好ましい。
次に、硬度を低くした形態の犠牲穿孔部2を備えた金属管1を製造する方法の代表的なものを説明する。第一の製造方法は、素管とする金属直管に熱処理を兼ねた曲げ加工を施し、同時に硬度の低い犠牲穿孔部2を形成する方法である。この方法では、まず、図7に示すように、曲げ加工に供する金属直管11を用意し、その金属直管11の内面の犠牲穿孔部を設ける局部に冷却水の到達を遮るためのバリヤー被覆12を形成する。このバリヤー被覆12は、耐火性の塗布剤、例えばアルミナシリカ系耐火塗布剤を塗布することによって形成できる。塗布厚は1mm程度でよい。
次に、この金属直管11に対して熱処理を兼ねた熱間曲げ加工を施して管内面側の前記局部以外の領域の熱処理と曲管部の形成とを行なう。この熱間曲げ加工には、熱間曲げ加工と熱処理とを同時に行なうことの可能な任意の方法を用いることができるが、特に、特開昭59−129727号公報に記載の方法を用いることが好ましい。この公報に記載の方法による熱間曲げ加工は次のように行なわれる。まず、図8(a)に示すように、直管11を案内ローラ14に通し、その先端部を、支点Oを中心として旋回可能の曲げアーム15上のクランプ16に把持させ、直管11の中に、直管11の狭幅の環状領域を加熱可能で且つその加熱によって形成する加熱領域17に隣接した位置に冷却水等の冷却媒体18を吹き付け可能な誘導コイル等の加熱装置20を挿入する。この際、加熱装置20は曲管部となるべき領域の前(図面では右側)の直管部(図1の金属管1の直管部1Bを形成する領域)を熱処理するために、直管11の曲げ始め点であるE点より適宜距離L1 だけ前方のF点に位置させておく。次に、加熱装置20による加熱を開始し、加熱領域17が熱処理に必要な温度に達したら、冷却媒体18を吹き付けながら、加熱装置20を徐々に後退(図面では左方に移動)させ、曲管部前方の直管部の内面に熱処理を施してゆく。
加熱装置20が距離L1 だけ移動してE点に達したら、加熱装置20の移動を停止すると同時に、直管11の後端を支持している管端部支持台22に推力を加えて直管11を徐々に前進(図面では右方へ移動)させ、曲げ加工を行なう。すなわち、図8(b)に示すように、直管11の前進によって曲げアーム15が旋回して直管11に曲げモーメントを作用させ、その曲げモーメントが、直管11の前進によって直管11に対して管軸方向に連続的に移動している加熱領域17に作用して加熱領域を曲げ変形させ、曲げ変形直後の領域に冷却媒体18が吹き付けられて冷却され、管体が曲げ変形した状態に固定されると共に管内面が熱処理される。所定の角度範囲に亘る曲げ加工が終了すると、直管11の前進を停止し、同時に加熱装置20を後退させ、曲管部に続く直管部(図1の金属管1の直管部1Cを形成する領域)の内面熱処理を行なう。加熱装置20が所定の距離L2 だけ後退してG点に達したら、加熱装置20による加熱及び冷却媒体の吹き付けを停止する。この曲げ加工の際、直管11内面のバリヤー被覆12(図7参照)を施した領域では、バリヤー被覆12によって冷却速度が抑制されているので、熱処理(焼入れ等)の効果が小さく、従って、バリヤー被覆12を施した領域に硬度が周辺部分よりも低下した犠牲穿孔部2が形成される。以上により、図1に示すように曲管部1Aの両端に直管部1B,1Cを備え、且つ内面が熱処理され、且つ局部的に硬度の低下した犠牲穿孔部2を備えた金属管1が製造される。
図8で説明した熱処理兼熱間曲げ加工を、管外径125mm、肉厚5mmの炭素鋼の金属直管11を用いて、加工速度(加熱領域17の移動速度)1〜3mm/s、加工温度900〜950℃で行なうと、内面の硬度が400〜600HV、焼入れ深さが3mm程度の金属管を得ることができる。この曲げ加工に用いる金属直管11の内面の一部領域にあらかじめアルミナシリカ系耐火塗布剤を約1mm塗布したバリヤー被覆12を設けておき、その金属直管11に対して上記条件で曲げ加工を行なったところ、バリヤー被覆12を設けていた領域では硬度が200〜300HVとかなり低くなっていた。これにより、熱処理を兼ねた熱間曲げ加工と同時に硬度の低い犠牲穿孔部2を形成できることを確認できた。なお、内面硬度が200〜300HVとなっている犠牲穿孔部2では、摩耗初期には硬度が400〜600HVの焼入部に比べて5倍前後の速度で摩耗が進行するが、摩耗により凹部が形成されるにつれて摩耗の進行速度が低下するので、支障はない。
硬度を低くして形成した犠牲穿孔部2を備えた金属管1を製造する第二の方法は、熱処理兼熱間曲げ加工と犠牲穿孔部の形成とを別工程で行なう方法である。この方法では、まず、金属直管に対して熱処理を兼ねた熱間曲げ加工を施して、曲管部を有し、少なくとも管の内面側に熱処理の施された中間加工品を作成する。この熱間曲げ加工にも、図8で説明した方法を用いることが好ましい。ただし、そこで用いる金属直管11には、バリヤー被覆12を設けておく必要はない。次に、この中間加工品の犠牲穿孔部を設ける局部に軟化熱処理を施して硬度を低下させる。この軟化熱処理は、中間加工品の犠牲穿孔部を設ける局部を外面側からガストーチ或いは誘導加熱装置により急速加熱し、次いで放冷することにより行なうことができる。ここで、軟化熱処理のために加熱する際、熱が周辺に拡散して、周辺部分も軟化させてしまうことがないよう、急速加熱することが必要であり、このため誘導加熱により局部を敏速に、例えば昇温速度20〜100℃/sで行なうことが好ましい。炭素鋼を熱処理兼熱間曲げ加工して、内面の硬度が400〜600HV、焼入れ深さが3mm程度となった中間加工品を作成し、その中間加工品の一部領域を、誘導加熱により5〜30秒で550〜700℃に急速加熱し、次いで放冷するという軟化熱処理を施したところ、その部分の内面硬度は150〜250HVとなっており、この方法によっても犠牲穿孔部2を形成することができることを確認できた。
硬度を低くして形成した犠牲穿孔部2を備えた金属管1を製造する第三の方法は、図2に示すように環状の犠牲穿孔部2を備えた金属管1を製造する方法である。この第三の製造方法では、図8に示す熱処理兼熱間曲げ加工方法を利用し、その際の冷却条件を変更することで硬度の低い犠牲穿孔部2を形成するものである。その一つの方法として、図8(b)に示すように、金属直管11に対して連続的に曲げ加工を施していく途中において、加熱領域17が環状の犠牲穿孔部2を形成すべき領域に差しかかった際には、冷却速度が遅くなるように加工条件を変更する。すなわち、加熱領域17の金属直管11に対する移動速度(金属直管11の前進速度)は冷却速度に影響しており、これを遅くすることで冷却速度を低くできるので、環状の犠牲穿孔部2を形成すべき領域を曲げ加工する際には金属直管11の前進速度を遅くし(この際加熱領域17への入熱も小さくして曲げ加工に適した温度を維持する)、その他の領域の加工時には元の速度に上昇させる。このように、環状の犠牲穿孔部2を形成すべき領域は、冷却速度を遅くして曲げ加工することで、焼入れ効果が低くなり、硬度の低い環状の犠牲穿孔部2を形成できる。冷却条件を変更する別の方法として、金属直管を一定の速度で前進させて加工を行い、犠牲穿孔部2を形成すべき位置で冷却水量を減じるなどして冷却条件を独立に変更する手法を例示できる。この第三の製造方法では、第一の製造方法におけるように、金属直管にバリヤー被覆を形成しておく必要がなく、また、曲げ加工後に軟化熱処理を施す必要がないので、低コストで金属管1を製造できる。上記の2方法のうち、加工途中で加工速度を変更する熱処理兼熱間曲げ加工を、管外径125mm、肉厚5mmの炭素鋼の金属直管11を用いて、焼入れを施すべき領域の加工速度(加熱領域17の移動速度)1〜3mm/s、犠牲穿孔部2を形成すべき領域の加工速度は他の領域の加工速度の20%の速度で、且つ加工温度は共に900〜950℃で行なったところ、加工速度を低下させていない領域では、硬度が400〜600HV、焼入れ深さが3mm程度となっていたが、加工速度を低下させた領域では硬度が200〜300HVとかなり低くなっていた。これにより、熱間曲げ加工と同時に環状の犠牲穿孔部2を形成できることを確認できた。
(2)管肉厚を薄くする処置
この処置は、金属管1の犠牲穿孔部2を形成しようとする局部の管肉厚を周辺部分よりも薄くしておく処置である。このように肉厚を薄くすることで、犠牲穿孔部2とその周辺部分とで摩耗が同じ速度で進行しても、犠牲穿孔部2の肉厚が薄いため、その分早く穿孔が生じ、摩耗の進行を検知できる。ここで、犠牲穿孔部2における肉厚は、犠牲穿孔部2の全域において一定とする必要はなく、管肉除去のために採用した機械加工によって厚みが場所によって異なるようにしてもよい。肉厚が異なる犠牲穿孔部2を用いる場合、最も薄い部分が金属管1の摩耗の最も生じやすい領域に位置するように配置することが、摩耗の検知能力を高めることができるので好ましい。犠牲穿孔部2の肉厚を薄くする程度としては、その犠牲穿孔部2に穿孔が生じた時点で、犠牲穿孔部2以外の領域で且つ最も摩耗の激しい領域で元の肉厚の20〜35%の肉厚を確保できるように定めることが好ましい。具体的には、その犠牲穿孔部2を金属管の最も摩耗の生じやすい領域に配置した場合、元の肉厚の20〜35%程度薄くすればよく、これによって穿孔が生じた時に、他の領域には元の肉厚の20〜35%程度の肉厚を確保でき、バーストや座屈の発生の危険を回避できる。なお、犠牲穿孔部2を形成するために管肉厚を薄くする処置を採る場合において、上記した硬度を低下させる処置を併用してもよく、併用することにより、肉厚を薄くする程度を小さくできる。
管肉厚を薄くするための処置は、ドリルやグラインダー或いはシェーパー等で管肉を除去する方法で行なうことができる。その処置は管外面側、管内面側のいずれから行なってもよいが、管外面側のみの管肉を除去する形で行なうことが好ましい。すなわち、管外面側から管肉除去を行なう場合には、管肉除去のための機械加工を容易に行なうことができ、しかも、管内面は犠牲穿孔部2とその周辺部分とが面一のままに維持されるというメリットも得られる。管内面を面一としておくと、管内面の摩耗が均一に進行し、犠牲穿孔部2の肉厚が薄い分だけ早く穿孔が生じることとなり、摩耗挙動に乱れが生じることなしに犠牲穿孔部2の機能を実現できる。
前記したように、犠牲穿孔部2を形成するために管肉厚を薄くするための処置は、ドリルやグラインダー或いはシェーパー等の機械加工で行なうことができるが、その場合、シェーパーによる直線切削を用いれば、図9(a),(b),(c)に示すように、金属管1の外周面を管軸に直交する方向に直線状に切削することで平面状の底面を備えた溝を形成でき、上から見た形状が長方形状の犠牲穿孔部2を形成できる。例えば、外径140mm、肉厚4.7mmの管体の外周面を、最小厚みtが3.7mmとなるように直線切削することで、円周方向の長さwが33mmで、元の肉厚に対して最大21%薄くなった犠牲穿孔部2を形成でき、また、外径145mm、肉厚6.5mmの管体の外周面を、最小厚みtが5.1mmとなるように直線切削することで、円周方向の長さwが40mmで、元の肉厚に対して最大22%薄くなった犠牲穿孔部2を形成できる。
管肉厚を薄くするための処置を施して形成した犠牲穿孔部2を備えた金属管1を製造する方法としては、金属直管に対して、まず、熱処理を兼ねた熱間曲げ加工を施し、次いで曲げ加工後の金属管に対して、犠牲穿孔部を設ける局部の管外面側の管肉を機械的に取り除いて管肉厚を薄くする処置を施す方法、或いは金属直管に対して、まず、犠牲穿孔部を設ける局部の管外面側の管肉を機械的に取り除いて管肉厚を薄くする処置を施し、次いでその金属直管に熱処理を兼ねた熱間曲げ加工を施す方法を挙げることができる。これらの方法においても、金属直管の熱間曲げ加工には、図8で説明した方法を用いることが好ましい。
(3)管壁を内側に変形させる処置
この処置は、金属管1の犠牲穿孔部を形成しようとする局部を、管内面側には凸部が、管外面側には凹部が生じるように変形させておく処置である。図10はこの処置によって形成した犠牲穿孔部2を示すものであり、図10(c),(d)に拡大して示すように、犠牲穿孔部2では管壁の厚さは周辺部分とほとんど異ならないが管内面側には凸部31が、管外面側には凹部32が形成されている。この形状の犠牲穿孔部2では、管内面側の凸部31が管内を流れる流体による衝突摩耗に曝されることから周辺部分よりも摩耗が先行して管内面側の面一化が進み、その後は周辺部分とほぼ均等に摩耗が進行するが、外面側に凹部32があることから、周辺部分よりも早く穿孔が生じ、摩耗の進行を検知できる。この場合においても、犠牲穿孔部2に穿孔が生じた時に、他の領域には元の肉厚の20〜35%程度の肉厚を確保できるように、管壁の変形量を定めておくことで、バースト発生の危険を回避できる。なお、犠牲穿孔部2を形成するためにこの処置を採る場合において、上記した硬度を低下させる処置や、管肉厚を薄くする処置を併用してもよく、併用することにより、管壁を変形させる程度を小さくできる。
管壁を内面側に変形させて形成した犠牲穿孔部2を備えた金属管1を製造する方法としては、金属直管に対して、まず、熱処理を兼ねた熱間曲げ加工を施し、次いで曲げ加工後の金属管に対して、犠牲穿孔部を設ける局部に対して管内面側に凸部が生じ管外面側に凹部が生じる変形加工を施す方法、或いは金属直管に対して、まず、犠牲穿孔部を設ける局部に対して管内面側に凸部が生じ管外面側に凹部が生じる変形加工を施し、次いでその金属直管に熱処理を兼ねた熱間曲げ加工を施す方法を挙げることができる。この方法においても、金属直管の熱間曲げ加工には、図8で説明した方法を用いることが好ましい。
犠牲穿孔部を設ける局部に対して管内面側に凸部が生じ管外面側に凹部が生じる変形加工を施す方法としては、熱間ポンチング加工と、管外面側を一過的に急熱する熱歪加工とを例示できる。熱間ポンチング加工を行なう場合には、加工すべき局部をガストーチ或いは誘導加熱装置によって加熱し、管外面からポンチによる押圧を行なって(必要に応じ管内面側に受けダイスを配置し)、ポンチング加工を行なえばよい。この熱間ポンチング加工を、熱処理兼曲げ加工を行なった後の金属管に対して行なう場合には、熱が周辺部分に拡散して周辺部分の熱処理層を軟化させることがないよう、極力急速加熱することがことが好ましく、例えば、昇温速度20〜100℃/sで加熱することが好ましい。また、受けダイスを用いることも、所望の局部のみを変形加工することができると共に受けダイスによる抜熱により周辺部分への熱拡散を抑制できるので好ましい。なお、熱処理兼曲げ加工を行なった後の金属管に対して熱間ポンチング加工を行なって犠牲穿孔部2を形成した場合には、ポンチング加工のための加熱によって犠牲穿孔部2の内面の硬度が低下するので、犠牲穿孔部2は摩耗しやすくなっており、従って管壁の変形量は小さくてよい。管外面側を一過的に急熱する熱歪加工は、犠牲穿孔部を形成すべき領域の管外面側表層部のみを急速加熱し、管外面側の熱膨張力と未昇温の管内面側の寸法拘束とにより管外面側を圧縮降伏させ、次いで冷却することにより管外面側表層部を収縮させ、その収縮によって管内面側が凸となる熱歪を生じさせる加工方法であり、必要に応じこれを断続的に繰り返すことで、管壁を所望量だけ内面側に変形させることができる。熱間ポンチング加工も熱歪加工も共に、ガストーチ或いは誘導加熱装置やポンチダイスの小型のものといった汎用手段で実施できるか、或いは特注部品を用いるとしても、ポンチ、ダイス等の安価に入手できるものでよいので、低コストで実施できる。
以上、曲管部を有する金属管を例にとって本発明の実施形態を説明したが、前記したように本発明の金属管は直管のみの形態であってもよい。その場合、前記した実施形態で説明した犠牲穿孔部の硬度・肉厚設定や形状等に関する諸元は殆どそのまま金属直管に準用されてよい。また、直管形態の本発明の金属管の製造も、前記した曲管部を有する金属管の製造に準じて行なうことができる。すなわち、直管状の金属素管に対して、熱間曲げ加工を兼ねない単独の熱処理のみを施すように修正し、概ね同等の温度条件等を以て熱処理し、その熱処理中或いはその前後に、前記した実施形態で実施したのと同様の、犠牲穿孔部を形成する処置を施すことで、犠牲穿孔部を備えた直管状の金属管を製造できる。なお、この場合には、曲げモーメント付加機構を装備しない簡単な熱処理装置を用いることが可能であり、また、熱処理時に曲げ加工が不要であることから処理速度に関しては増速が図りやすい。
以上に種々な実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲内で種々変更可能であることは言うまでもない。
(a)は本発明の実施形態に係る金属管の概略側面図、(b)はその概略断面図、(c)は(a)のA−A矢視図 本発明の他の実施形態に係る金属管の概略側面図 本発明の更に他の実施形態に係る金属管の概略側面図 (a)は本発明の更に他の実施形態に係る金属管の概略側面図、(b)は(a)のA−A矢視図 (a)は本発明の更に他の実施形態に係る金属管の概略側面図、(b)は(a)のA−A矢視図 (a)は本発明の更に他の実施形態に係る金属管の概略側面図、(b)は(a)のA−A矢視図 熱間曲げ加工に供する金属直管を示す概略断面図 (a),(b)は熱処理兼熱間曲げ加工装置を、異なる作動状態で示す概略断面図 (a)は金属管の、管肉厚を薄くした形態の犠牲穿孔部を形成した領域を示す概略断面図、(b)はその金属管の概略平面図、(c)は犠牲穿孔部を拡大して示す概略断面図 (a)は金属管の、管壁の変形させた形態の犠牲穿孔部を形成した領域を示す概略断面図、(b)はその金属管の概略平面図、(c)は犠牲穿孔部を拡大して示す概略断面図、(d)は(a)のH−H矢視図
符号の説明
1 金属管
1A 曲管部
1B,1C 直管部
2 犠牲穿孔部
11 金属直管
12 バリヤー被覆
14 案内ローラ
15 曲げアーム
16 クランプ
17 加熱領域
18 冷却媒体
20 加熱装置
22 管端部支持台
31 凸部
32 凹部

Claims (17)

  1. 少なくとも管の内面側に耐摩耗性強化熱処理の施された流送用途に供される金属管において、この金属管の少なくとも1箇所の局部に、管内面側の摩耗によって穿孔に至るまでの寿命を周辺部分よりも短縮する処置の施された犠牲穿孔部を設けたことを特徴とする、犠牲穿孔部付熱処理金属管。
  2. 曲管部を有し、少なくとも管の内面側に耐摩耗性強化熱処理の施された流送用途に供される金属管において、少なくとも前記曲管部の背側領域の少なくとも1箇所の局部に、管内面側の摩耗によって穿孔に至るまでの寿命を周辺部分よりも短縮する処置の施された犠牲穿孔部を設けたことを特徴とする、犠牲穿孔部付熱処理金属管。
  3. 前記穿孔に至るまでの寿命を短縮する処置は、前記局部の少なくとも管内面側の硬度を周辺部分よりも低くしておく処置である、請求項1又は2記載の犠牲穿孔部付熱処理金属管。
  4. 前記穿孔に至るまでの寿命を短縮する処置は、前記局部の管肉厚を周辺部分よりも薄くしておく処置である、請求項1から3のいずれか1項記載の犠牲穿孔部付熱処理金属管。
  5. 前記管肉厚を薄くする処置は、管内面が周辺部分と面一となる形態で施されている、請求項4記載の犠牲穿孔部付熱処理金属管。
  6. 前記穿孔に至るまでの寿命を短縮する処置は、前記局部を管内面側には凸部が、管外面側には凹部が生じるように変形させておく処置である、請求項1から4のいずれか1項記載の犠牲穿孔部付熱処理金属管。
  7. 前記犠牲穿孔部はスポット状に形成されている、請求項1から6のいずれか1項記載の犠牲穿孔部付熱処理金属管。
  8. 前記金属管は曲管部を有し、前記犠牲穿孔部は、前記曲管部においては、背柱相当ラインを避けた位置取りで設けられている、請求項7記載の犠牲穿孔部付熱処理金属管。
  9. 前記犠牲穿孔部は、管周方向に伸びた形状に形成されている、請求項1から6のいずれか1項記載の犠牲穿孔部付熱処理金属管。
  10. 前記犠牲穿孔部は、管の全周に亘る環状に形成されている、請求項1から6のいずれか1項記載の犠牲穿孔部付熱処理金属管。
  11. 前記流送用途はスラリー送給管路用途である、請求項1から10のいずれか1項記載の犠牲穿孔部付熱処理金属管。
  12. 少なくとも管の内面側に耐摩耗性強化熱処理が施されており、更に管内面側の硬度を局部的に低くした犠牲穿孔部を備える金属管の製造方法であって、素管とする金属直管の内面の前記犠牲穿孔部を設ける局部に冷却水の到達を遮るためのバリヤー被覆を形成する工程と、次いで、このバリヤー被覆形成直管に熱処理を施して、少なくとも管内面側の前記局部以外の領域の熱処理を行なう工程を有することを特徴とする、犠牲穿孔部付熱処理金属管の製造方法。
  13. 少なくとも管の内面側に耐摩耗性強化熱処理が施されており、更に管内面側の硬度を局部的に低くした犠牲穿孔部を備える金属管の製造方法であって、素管とする金属直管に熱処理を施して、少なくとも管の内面側に熱処理の施された中間加工品を作成する工程と、次いで、この中間加工品の前記犠牲穿孔部を設ける局部に軟化熱処理を施して硬度を低下させる工程を有することを特徴とする、犠牲穿孔部付熱処理金属管の製造方法。
  14. 少なくとも管の内面側に耐摩耗性強化熱処理が施されており、更に、管の全周に亘って管内面側の硬度を局部的に低くした環状の犠牲穿孔部を備える金属管の製造方法であって、素管とする金属直管に、該金属直管の狭幅の環状領域を加熱し、その加熱領域を金属直管に対して管軸方向に連続的に移動させ、加熱直後の領域に少なくとも管内面側から冷却媒体を吹き付けて急冷し、少なくとも管の内面側に熱処理を施す連続熱処理工程を有し、この連続熱処理工程内において、前記犠牲穿孔部を設ける環状の領域を連続熱処理する際の管の冷却速度を他の領域における冷却速度よりも低くすることを特徴とする犠牲穿孔部付熱処理金属管の製造方法。
  15. 少なくとも管の内面側に耐摩耗性強化熱処理が施されており、更に管肉厚を局部的に薄くした犠牲穿孔部を備える金属管の製造方法であって、素管とする金属直管に熱処理を施して、少なくとも管の内面側に熱処理の施された金属管を作成する工程と、この工程の前か後の少なくとも一方の段階で金属管の前記犠牲穿孔部を設ける局部に対して管外面側の管肉を機械的に取り除いて管肉厚を薄くする工程を有することを特徴とする、犠牲穿孔部付熱処理金属管の製造方法。
  16. 少なくとも管の内面側に耐摩耗性強化熱処理が施されており、更に管内面側には凸部が、管外面側には凹部が生じるように局部的に変形させた犠牲穿孔部を備える金属管の製造方法であって、素管とする金属直管に熱処理を施して、少なくとも管の内面側に熱処理の施された金属管を作成する工程と、この工程の前か後の少なくとも一方の段階で金属管の前記犠牲穿孔部を設ける局部に対して管内面側に凸部が生じ管外面側に凹部が生じる変形加工を施す工程を有することを特徴とする、犠牲穿孔部付熱処理金属管の製造方法。
  17. 前記犠牲穿孔部を備える金属管は曲管部を有するものであり、前記熱処理を、前記曲管部を形成するための熱間曲げ加工を兼ねて行なう、請求項12から16のいずれか1項記載の犠牲穿孔部付熱処理金属管の製造方法。
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