JP2006070797A - 発電設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】 水車一体形発電機を簡単な設備で容易に水面上から継手管に着脱することができ、水車一体形発電機の点検・修理が容易且つ短時間に行える発電設備を提供する。
【解決手段】 放流孔2の入口側に継手管5が設けられ、継手管5に継手管入口側フランジ11が設けられ、上記発電機6に吐出側フランジ27が設けられ、上記発電機6が着脱装置7によって継手管5に係合される。着脱装置7は上記発電機6に設けられて係合凹部を有し、上記発電機6が下降した際、継手管入口側フランジ11の上部が係合凹部へ嵌り込んで、着脱装置7が継手管入口側フランジ11に係合し、吐出側フランジ27が継手管入口側フランジ11に接合する。上記発電機6を上下方向に案内する案内装置66と、放流孔2を開閉する放流弁8とが設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】 放流孔2の入口側に継手管5が設けられ、継手管5に継手管入口側フランジ11が設けられ、上記発電機6に吐出側フランジ27が設けられ、上記発電機6が着脱装置7によって継手管5に係合される。着脱装置7は上記発電機6に設けられて係合凹部を有し、上記発電機6が下降した際、継手管入口側フランジ11の上部が係合凹部へ嵌り込んで、着脱装置7が継手管入口側フランジ11に係合し、吐出側フランジ27が継手管入口側フランジ11に接合する。上記発電機6を上下方向に案内する案内装置66と、放流孔2を開閉する放流弁8とが設けられている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、維持放流を利用して発電を行う発電設備に関する。
従来、水路や河川を堰堤で堰き止めた場合、堰堤よりも下流側の流水を維持して環境を保全するために、上記堰堤から下流側へ維持放流を行っている。例えば、ダムからの維持放流を利用して発電を行う発電設備として、図12に示すものがある(下記特許文献1参照)。
上流側のダム湖101から堰堤102の頂部を経て下流側の水中103に至る流水路104が設けられ、流水路104の途中には、堰堤102の頂部において真空ポンプ105が設けられている。また、流水路104の下流部には入口弁106が設けられ、入口弁106の下流側には垂直流水路104aが形成されている。この垂直流水路104a内には、水中タービン発電機107が水没した状態で収容されている。
これによると、入口弁106を閉じた状態で真空ポンプ105を作動し、ダム湖101の水を吸い上げて流水路104に充水する。充水完了後、入口弁106を開いて垂直流水路104aを充水することによって、水中タービン発電機107が自動的に起動し、発電が行われる。また、水中タービン発電機107を停止させる場合は、流水路104中に空気を入れればよい。
しかしながら上記の従来形式では、長大な流水路104や真空ポンプ105を要するため、構造が大掛かりになるといった問題があった。
上記問題の対策として、図13に示すように、堰堤110に吸出管用貫通孔111が形成され、吸出管用貫通孔111の入口側には吸出管ライナ112が挿設され、水車発電機ユニット113の吐出口113aが吸出管ライナ112の入口112aに連通している発電設備がある(下記特許文献2参照)。上記水車発電機ユニット113は、水路114の底面に設置された基台115上に載置され、複数のボルト116によって固定されている。また、水車発電機ユニット113の上流側と下流側とにはそれぞれ、水路114を仕切る開閉ゲート117,118が設置されている。
上記問題の対策として、図13に示すように、堰堤110に吸出管用貫通孔111が形成され、吸出管用貫通孔111の入口側には吸出管ライナ112が挿設され、水車発電機ユニット113の吐出口113aが吸出管ライナ112の入口112aに連通している発電設備がある(下記特許文献2参照)。上記水車発電機ユニット113は、水路114の底面に設置された基台115上に載置され、複数のボルト116によって固定されている。また、水車発電機ユニット113の上流側と下流側とにはそれぞれ、水路114を仕切る開閉ゲート117,118が設置されている。
これによると、水車発電機ユニット113を点検又は修理する場合、両開閉ゲート117,118を閉鎖し、排水ポンプ119を用いて両開閉ゲート117,118間の水路114内の水を排出した後、ボルト116を取り外し、吊上装置によって水車発電機ユニット113を水路114の上方へ吊り上げる。
しかしながら上記の従来形式では、水車発電機ユニット113を点検又は修理する場合、水路114内の水を排出してボルト116を取り外すためには、両開閉ゲート117,118や排水ポンプ119が必要となり、構造が複雑になるといった問題があった。特に、水車発電機ユニット113が装着されている水深が深い場合、水路114内の水を排出するのが大変であり、水車発電機ユニット113の点検又は修理に多大なエネルギーを要する他、作業時間が長くなるという問題があった。
また、ゴミ等の塵埃が、水車発電機ユニット113内(発電機本体113dと外ケーシング113eとの間)に侵入して、水車ランナ113cを破損したり損傷させる恐れがあった。
特開2000−273853
特開昭59−54778
本発明は、水車一体形発電機を点検又は修理する場合、水車一体形発電機を簡単な設備で水面上から容易に継手管に着脱できる発電設備を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本第1発明は、水路又は河川を堰き止めた堰堤を貫通する放流孔からの維持放流を利用して発電を行う発電設備であって、
上記放流孔の入口側に継手管が設けられ、
上下移動可能な水車一体形発電機が着脱装置によって離脱自在に継手管に係合されて、水車一体形発電機の吐出口が継手管を介して放流孔に連通し、
上記着脱装置は、水車一体形発電機が下降する方向において、水車一体形発電機を継手管に係合するとともに、水車一体形発電機が上昇する方向において、水車一体形発電機を継手管から離脱し、
上記水車一体形発電機を上下方向に案内する案内装置が設けられ、
上記着脱装置の下流側に、上記放流孔を開閉する開閉装置が設けられているものである。
上記放流孔の入口側に継手管が設けられ、
上下移動可能な水車一体形発電機が着脱装置によって離脱自在に継手管に係合されて、水車一体形発電機の吐出口が継手管を介して放流孔に連通し、
上記着脱装置は、水車一体形発電機が下降する方向において、水車一体形発電機を継手管に係合するとともに、水車一体形発電機が上昇する方向において、水車一体形発電機を継手管から離脱し、
上記水車一体形発電機を上下方向に案内する案内装置が設けられ、
上記着脱装置の下流側に、上記放流孔を開閉する開閉装置が設けられているものである。
これによると、着脱装置によって水車一体形発電機を継手管に係合した状態で、開閉装置によって放流孔を開くと、堰堤の上流側の水は、水車一体形発電機内を流れ、水車一体形発電機の吐出口から吐出された後、継手管を経て放流孔に流れ込み、放流孔を通過して堰堤の下流側へ維持放流される。これにより、水車一体形発電機が作動して発電が行われる。
また、水車一体形発電機を点検又は修理等する場合、開閉装置によって放流孔を閉止し、その後、水車一体形発電機を水中から引き上げる。引き上げの際、着脱装置が水車一体形発電機を継手管から離脱するため、水車一体形発電機は案内装置によって案内されながら水面上へ引き上げられる。
点検又は修理の後、水車一体形発電機を装着するには、上記水車一体形発電機を下降して水中に沈める。この際、水車一体形発電機は案内装置によって案内されながら継手管との係合個所へ正確に導かれ、着脱装置が水車一体形発電機を継手管に係合する。これにより、水車一体形発電機が着脱装置を介して継手管に係合される。その後、開閉装置によって放流孔を開くことにより、上記のように水車一体形発電機に押付力が作用し、水車一体形発電機が継手管に装着され、維持放流による発電が行われる。
これにより、水車一体形発電機を点検又は修理する場合、従来のように水路内の水を排出する必要はなく、水車一体形発電機を簡単な設備で水面上から容易に継手管に着脱することができ、点検又は修理に要する作業時間を短縮することができる。
本第2発明は、水車一体形発電機の吸込口にストレーナを設けたものである。
これによると、堰堤の上流側の水は、ストレーナを通過して吸込口から水車一体形発電機内を流れ、水車一体形発電機の吐出口から吐出された後、継手管を経て放流孔に流れ込み、放流孔を通過して堰堤の下流側へ維持放流される。これにより、水車一体形発電機が作動して発電が行われる。この際、堰堤の上流側の水中のゴミ等の塵埃は吸込口に設けられたストレーナに捕捉されるため、上記塵埃が吸込口から水車一体形発電機の内部に侵入して水車一体形発電機の内部を破損させたり損傷させるのを防止することができる。さらに、水車一体形発電機を引き上げることで、ストレーナの点検や清掃も行うことができる。
これによると、堰堤の上流側の水は、ストレーナを通過して吸込口から水車一体形発電機内を流れ、水車一体形発電機の吐出口から吐出された後、継手管を経て放流孔に流れ込み、放流孔を通過して堰堤の下流側へ維持放流される。これにより、水車一体形発電機が作動して発電が行われる。この際、堰堤の上流側の水中のゴミ等の塵埃は吸込口に設けられたストレーナに捕捉されるため、上記塵埃が吸込口から水車一体形発電機の内部に侵入して水車一体形発電機の内部を破損させたり損傷させるのを防止することができる。さらに、水車一体形発電機を引き上げることで、ストレーナの点検や清掃も行うことができる。
本第3発明は、水車一体形発電機の発電出力を検知する出力検知手段と、検知された発電出力が所定値を下回った場合に警報を発してストレーナの目詰まりを知らせる警報手段とが備えられているものである。
これによると、発電中にストレーナが目詰まりすると、目詰まりの度合いに応じて、ストレーナを通過して吸込口から水車一体形発電機内に流れ込む水量が減少するため、水車一体形発電機の発電出力が低下する。出力検知手段によって検知された発電出力が所定値を下回った場合、警報手段が作動して警報を発する。これにより、作業者はストレーナが目詰まりしていることを迅速且つ確実に把握し、直ちに水車一体形発電機を水中から引き上げて、ストレーナの清掃又は交換を行うことができる。
以上のように本発明では、維持放流水を利用して水車一体形発電機で発電するため、維持放流水のエネルギーを有効利用できる。
また、水車一体形発電機を点検又は修理する場合、従来のように水路内の水を排出する必要はなく、水車一体形発電機を簡単な設備で水面上から容易に継手管に着脱することができ、点検又は修理に要する作業時間を短縮することができる。
また、水車一体形発電機を点検又は修理する場合、従来のように水路内の水を排出する必要はなく、水車一体形発電機を簡単な設備で水面上から容易に継手管に着脱することができ、点検又は修理に要する作業時間を短縮することができる。
さらに、水車一体形発電機は案内装置によって上下方向に案内されるため、水車一体形発電機を継手管との係合個所へ正確に導くことができる。
また、水車一体形発電機の吸込口にストレーナを設けた場合は、堰堤の上流側の水中のゴミ等の塵埃がストレーナに捕捉されるため、上記塵埃が水車一体形発電機の内部に侵入して水車一体形発電機の内部を破損させたり損傷させるのを防止することができるほか、水車一体形発電機を引き上げることでストレーナの点検や清掃も行うことができる。
また、水車一体形発電機の吸込口にストレーナを設けた場合は、堰堤の上流側の水中のゴミ等の塵埃がストレーナに捕捉されるため、上記塵埃が水車一体形発電機の内部に侵入して水車一体形発電機の内部を破損させたり損傷させるのを防止することができるほか、水車一体形発電機を引き上げることでストレーナの点検や清掃も行うことができる。
さらに、出力検知手段によって検知された発電出力が所定値を下回った場合、警報手段が作動して警報を発する。これにより、作業者はストレーナが目詰まりしていることを迅速且つ確実に把握することができ、直ちに水車一体形発電機を水中から引き上げて、ストレーナの清掃又は交換を行うことができる。
以下、本発明における第1の実施の形態を図1〜図9に基づいて説明する。
1は河川を堰き止めて形成されたダムの堰堤であり、堰堤1には維持放流のための放流孔2が貫通している。また、3は放流孔2からの維持放流を利用して発電を行う発電設備である。上記放流孔2の入口側には継手管5が差し込まれており、水車一体形発電機6が水中に没した状態で着脱装置7によって離脱自在に継手管5に係合されている。また、着脱装置7の下流側にある放流孔2の出口には、放流孔2を開閉する放流弁8(開閉装置の一例)が設けられている。
1は河川を堰き止めて形成されたダムの堰堤であり、堰堤1には維持放流のための放流孔2が貫通している。また、3は放流孔2からの維持放流を利用して発電を行う発電設備である。上記放流孔2の入口側には継手管5が差し込まれており、水車一体形発電機6が水中に没した状態で着脱装置7によって離脱自在に継手管5に係合されている。また、着脱装置7の下流側にある放流孔2の出口には、放流孔2を開閉する放流弁8(開閉装置の一例)が設けられている。
図2に示すように、上記継手管5の入口側端開口部10には継手管入口側フランジ11が設けられている。この継手管入口側フランジ11の接合面11aは鉛直面に対して斜め上向きに所定角度θだけ傾斜している。また、継手管入口側フランジ11の上部における接合面11aの裏側には、裏側テーパー面11bが形成されている。この裏側テーパー面11bは、継手管入口側フランジ11の上部外周から下方になるほど、フランジ11の厚さが増加する向きに傾斜している。これにより、継手管入口側フランジ11の上部の縦断面は楔状に形成されている。
次に、上記水車一体形発電機6の構成を説明する。
図3に示すように、水車一体形発電機6の外ケーシング20は、円筒状の外側胴ケーシング部21と、外側胴ケーシング部21の一端に設けられた外側流入ケーシング部22と、外側胴ケーシング部21の他端に設けられた外側吐出ケーシング部23とで構成されている。上記外側流入ケーシング部22には吸込口24が形成され、外側吐出ケーシング部23には吐出口25が形成されている。上記吸込口24には吸込側フランジ26が設けられており、吐出口25には吐出側フランジ27が設けられている。図4に示すように、上記吐出側フランジ27の接合面27aは鉛直面に対して斜め下向きに所定角度θだけ傾斜している。
図3に示すように、水車一体形発電機6の外ケーシング20は、円筒状の外側胴ケーシング部21と、外側胴ケーシング部21の一端に設けられた外側流入ケーシング部22と、外側胴ケーシング部21の他端に設けられた外側吐出ケーシング部23とで構成されている。上記外側流入ケーシング部22には吸込口24が形成され、外側吐出ケーシング部23には吐出口25が形成されている。上記吸込口24には吸込側フランジ26が設けられており、吐出口25には吐出側フランジ27が設けられている。図4に示すように、上記吐出側フランジ27の接合面27aは鉛直面に対して斜め下向きに所定角度θだけ傾斜している。
また、上記外側胴ケーシング部21の上部には吊上用のアイプレート28が複数設けられ、これらアイプレート28には、水車一体形発電機6を吊り上げるためのワイヤー29が接続されている。
上記外ケーシング20の内部には、吸込口24から吐出口25へ流れる水Wによって回転する羽根車32と、ロータ33およびステーター34から成る発電機35と、上記羽根車32とロータ33とを連動連結する回転自在な主軸36と、上記発電機35を収容する円筒状の内ケーシング37とが設けられている。上記外ケーシング20の内周と内ケーシング37の外周との間には、吸込口24から吐出口25へ至る断面環状の流路38が形成されている。
上記主軸36は内ケーシング37の内部に設けられた複数の軸受39,40によって回転自在に保持されている。主軸36の吐出口側の先端部は、内ケーシング37の内部から内ケーシング37の端部隔壁37aを貫通し、内ケーシング37の外部の羽根車32に連結されている。上記貫通部分における主軸36と端部隔壁37aとの間のシールを行うメカニカルシール41が設けられている。
上記内ケーシング37の内部には、発電機35を収容する発電機収容室42と、上記流路38からメカニカルシール41を通って内ケーシング37の内部に漏洩した漏洩水Waを溜めるドレン室43とが形成されている。上記ドレン室43は、メカニカルシール41と発電機収容室42との間に配置されている。
外ケーシング20の外側吐出ケーシング部23の上下2箇所にはそれぞれボス45,46が形成されている。また、流路38には、外端が上部のボス45に連設されるとともに内端が内ケーシング37の上部に連設された上部の筒部材47と、外端が下部のボス46に連設されるとともに内端が内ケーシング37の下部に連設された下部の筒部材48とが設けられている。
尚、上部の筒部材47は流路38を径方向へ横断して上部のボス45と内ケーシング37との間に連設されている。同様に、下部の筒部材48は流路38を径方向へ横断して下部のボス46と内ケーシング37との間に連設されている。上部のボス45の上端面から筒部材47内を貫通してドレン室43の上部に至る上部の連通孔49と、下部のボス46の下端面から筒部材48内を貫通してドレン室43の下部に至る下部の連通孔50とが形成されている。
上記ドレン室43内には、漏洩水Waの量を検出する液面検出器51が設けられている。また、外ケーシング20には、発電機35に接続されたケーブル52と液面検出器51に接続された検出用ケーブル53とが取付けられている。
上記着脱装置7によって水車一体形発電機6の吐出側フランジ27を継手管5の継手管入口側フランジ11に係合することによって、水車一体形発電機6の吐出口25が継手管5を介して放流孔2に連通する。
次に、上記着脱装置7の構成を説明する。
図4〜図7に示すように、着脱装置7は、フック状の係合板60と、この係合板60の両側に設けられた一対の縦板61とで構成されている。上記係合板60の先端部には、下方と両側方とが開放された係合凹部62が形成されている。また、係合板60の基端部は複数のボルト63によって水車一体形発電機6の外側吐出ケーシング部23の外周面上部に取付けられている。尚、水車一体形発電機6の吐出側フランジ27の上部は下方から係合凹部62内に入り込んでいる。
図4〜図7に示すように、着脱装置7は、フック状の係合板60と、この係合板60の両側に設けられた一対の縦板61とで構成されている。上記係合板60の先端部には、下方と両側方とが開放された係合凹部62が形成されている。また、係合板60の基端部は複数のボルト63によって水車一体形発電機6の外側吐出ケーシング部23の外周面上部に取付けられている。尚、水車一体形発電機6の吐出側フランジ27の上部は下方から係合凹部62内に入り込んでいる。
上記係合凹部62は、流れ方向(前後方向)において対向する一対の傾斜面62a,62bと、両傾斜面62a,62bの上部間に形成された上平面62cとで、側面視台形状に形成されている。このうち、一方の傾斜面62aが吐出側フランジ27の上部における接合面27aの裏面に面接触している。また、他方の傾斜面62bは、継手管入口側フランジ11の裏側テーパー面11bに面接触するように、上部ほど一方の傾斜面62aに近寄る方向へ傾斜している。
また、発電設備3には、水車一体形発電機6を上下方向に案内する案内装置66が備えられている。図5〜図8に示すように、この案内装置66は、堰堤1の上流側の壁面に沿って上下方向に設けられた左右一対のパイプ材からなる案内レール67と、両案内レール67に案内されて上下移動自在な一対の被案内板68とで構成されている。上記被案内板68はそれぞれ着脱装置7の縦板61の外側面に取付けられている。これら両被案内板68には半円状の被案内凹部69が形成されており、これら被案内凹部69に案内レール67が嵌り込んで上下に貫通している。
また、図3に示すように、水車一体形発電機6の吸込口24にはストレーナ72が取付けられている。このストレーナ72は、円環状の枠フレーム73と、枠フレーム73内に設けられた金網74とで構成されている。上記枠フレーム73が複数のボルト75およびナット76によって吸込側フランジ26に着脱自在に連結されている。
図8,図9に示すように、上記堰堤1の上端部には、上記ワイヤー29を介して水車一体形発電機6を水中から水面4上に吊り上げる吊り上げ装置78と、ワイヤー29の上端部が堰堤1の上端から水中に落下しないように引っ掛けておく掛止突起79とが設けられている。上記吊り上げ装置78は、クレーン本体80と、クレーン本体80の先端から垂下した昇降自在なフック81と、フック81を昇降させる巻上装置(図示せず)とで構成されている。
また、図1に示すように、発電設備3には、水車一体形発電機6の発電出力を検知する電力計83(出力検知手段の一例)と、上記ストレーナ72の目詰まりを知らせる警報ランプ84(警報手段の一例)とが備えられている。
さらに、水車一体形発電機6の上部のボス45には、導入管路87の下端が接続されており、下部のボス46には、排出管路88の一端が接続されている。上記導入管路87の上部は水面4の上方へ突出して大気開放されており、導入管路87を開閉する一方の電磁弁89が設けられている。また、上記排出管路88の上部は水面4の上方へ突出しており、排出管路88内の圧力を減圧する小型の真空ポンプ90と、排出管路88を開閉する他方の電磁弁91とが設けられている。
尚、上記導入管路87は、水中から水面4上に配設された分割配管87aと、水面4上から堰堤1上に配設された分割配管87bとに分割されており、これら両分割配管87a,87bは管継手92を介して分離可能に接続されている。同様に、上記排出管路88は、水中から水面4上に配設された分割配管88aと、水面4上から堰堤1上に配設された分割配管88bとに分割されており、これら両分割配管88a,88bは管継手93を介して分離可能に接続されている。上記電磁弁89,91と真空ポンプ90とは堰堤1の上端部に据付けられている。
上記電力計83と警報ランプ84とはダムの中央制御室(図示せず)等に設けられ、さらに、中央制御室には制御部94が設けられている。この制御部94は、電力計83で検知された発電出力が所定値を下回った場合に警報ランプ84を点灯させ、また、液面検出器51からの検出信号に基づいて両電磁弁89,91と真空ポンプ90とを制御する。
また、図8に示すように、堰堤1の上流側の壁面には、大型のゴミを排除するためのバースクリーン56が設けられている。このバースクリーン56は、水車一体形発電機6の上流側前方と両側方と下方とを囲むようにして設置されており、上記ストレーナ72よりも目の粗いものである。
以下、上記構成における作用を説明する。
図8は水車一体形発電機6を着脱装置7によって継手管5に係合した状態を示す図であり、放流弁8によって放流孔2を開くことにより、堰堤1の上流側の水Wが、ストレーナ72を通過し、水車一体形発電機6の吸込口24から流路38を流れ、吐出口25から吐出された後、継手管5を経て放流孔2に流れ込み、放流孔2を通過して堰堤1の下流側へ維持放流される。この際、図3に示すように、上記流路38を流れる水Wによって羽根車32が回転し、主軸36と共にロータ33が回転して発電が行われ、発生した電力がケーブル52から送電されると共に、発電出力が電力計83によって検知される。
図8は水車一体形発電機6を着脱装置7によって継手管5に係合した状態を示す図であり、放流弁8によって放流孔2を開くことにより、堰堤1の上流側の水Wが、ストレーナ72を通過し、水車一体形発電機6の吸込口24から流路38を流れ、吐出口25から吐出された後、継手管5を経て放流孔2に流れ込み、放流孔2を通過して堰堤1の下流側へ維持放流される。この際、図3に示すように、上記流路38を流れる水Wによって羽根車32が回転し、主軸36と共にロータ33が回転して発電が行われ、発生した電力がケーブル52から送電されると共に、発電出力が電力計83によって検知される。
また、図8に示すように、水車一体形発電機6の上流側の水圧は下流側よりも高いため、圧力差により、上流側から下流側へ向かって水車一体形発電機6を継手管5へ押し付ける押付力Fが作用し、この押付力Fにより、図5に示すように、吐出側フランジ27の接合面27aが継手管入口側フランジ11の接合面11aに押し付けられて密接する。これによって、両接合面11a,27a間のシール性が向上し、両接合面11a,27a間のシールが容易且つ確実に行える。したがって、発電時、堰堤1の上流側の水Wが吐出側フランジ27と継手管入口側フランジ11との接合部分を通って継手管5内へ流入するのを防止することができ、これにより、発電に寄与する水量が減少することはなく、発電効率の低下を防止することができる。
また、水中のゴミ等の塵埃は吸込口24の手前でストレーナ72に捕捉されるため、上記塵埃が水車一体形発電機6内の流路38に侵入して羽根車32等を破損させたり損傷させるのを防止することができる。
また、水車一体形発電機6を点検又は修理等する場合、放流弁8によって放流孔2を閉止する。これにより、放流孔2からの維持放流が停止され、水車一体形発電機6の上流側の水圧と下流側の水圧とが均等になり、水車一体形発電機6に作用していた上記押付力Fが解消されるため、水車一体形発電機6が引き上げ可能になる。
その後、導入管路87を管継手92(図1参照)の個所から両分割配管87a,87bに二分割し、排出管路88を管継手93(図1参照)の個所から両分割配管88a,88bに二分割する。さらに、ワイヤー29の上端部を、掛止突起79から取り外し、吊り上げ装置78のフック81に引掛ける。そして、図9に示すように、巻上装置を作動してフック81を上昇させることにより、水車一体形発電機6を水中から水面4上へ引き上げる。これにより、図2に示すように、水車一体形発電機6が継手管5に対して上昇し、継手管入口側フランジ11の上部が着脱装置7の係合凹部62内から下方へ離脱し、吐出側フランジ27と継手管入口側フランジ11との係合が解除され、水車一体形発電機6が引き上げられる。この際、水車一体形発電機6と共に両被案内板68が両案内レール67に案内されて上昇するため、水車一体形発電機6が前後左右に変動することなく引き上げられる。
このようにして水車一体形発電機6を水面4上へ引き上げた後、両被案内板68を両案内レール67の上方へ脱抜し、クレーン本体80を回動或いは移動させて水車一体形発電機6を堰堤1の上端部或いは陸上に降ろし、点検又は修理等を行う。
点検又は修理の後、水車一体形発電機6を装着するには、吊り上げ装置78で水車一体形発電機6を水面4上に吊り下げ、両案内レール67の上端部を下方から両被案内板68の被案内凹部69に嵌め込む。そして、巻上装置を逆作動してフック81を下降させることにより、水車一体形発電機6を水面4上から水中へ沈降させる。この際、水車一体形発電機6と共に両被案内板68が両案内レール67に案内されて下降するため、水車一体形発電機6が前後左右に変動することなく沈降し、水車一体形発電機6の吐出側フランジ27が継手管5の継手管入口側フランジ11との接合個所へ正確に導かれる。
これにより、図5に示すように、継手管入口側フランジ11の上部が下方から着脱装置7の係合凹部62へ嵌り込み、着脱装置7が上方から継手管入口側フランジ11の上部に係合し、吐出側フランジ27の接合面27aが継手管入口側フランジ11の接合面11aに密接する。
この際、継手管入口側フランジ11の上部の断面は楔状に形成されているため、水車一体形発電機6の自重によって、継手管入口側フランジ11の上部が吐出側フランジ27の上部と係合凹部62の他方の傾斜面62b(図4参照)との間にしっかりと食い込み、他方の傾斜面62bが継手管入口側フランジ11の裏側テーパー面11bに確実に面接触する。
その後、ワイヤー29の上端部を、フック81から取り外し、図8に示すように掛止突起79に引っ掛けておく。また、図1に示すように、導入管路87の両分割配管87a,87bを管継手92で接続し、排出管路88の両分割配管88a,88bを管継手93で接続する。そして、放流弁8によって放流孔2を開くことにより、堰堤1の上流側の水Wが堰堤1の下流側へ維持放流され、維持放流による発電が行われる。この際、上流側から下流側へ向かって水車一体形発電機6を継手管5へ押し付ける押付力Fが作用し、押付力Fにより、吐出側フランジ27の接合面27aが継手管入口側フランジ11の接合面11aに押し付けられて密接し、水車一体形発電機6が継手管5に装着される。
以上のように、水車一体形発電機6を点検又は修理する場合、従来のように水路内の水を排出する必要はなく、水車一体形発電機6を簡単な設備で水面4上から容易に継手管5に着脱することができ、点検又は修理に要する作業時間を短縮することができる。
上記のように水車一体形発電機6を水中から引き上げて点検又は修理等を行っているが、さらに、目詰まりしたストレーナ72を清掃又は交換することも可能である。すなわち、維持放流による発電中にストレーナ72が目詰まりすると、目詰まりの度合いに応じて、ストレーナ72を通過して吸込口24から水車一体形発電機6内の流路38に流れ込む水量が減少するため、水車一体形発電機6の発電出力が低下する。電力計83によって検知された発電出力が所定値を下回った場合、制御部94が警報ランプ84を点灯させる。これにより、作業者はストレーナ72が目詰まりしていることを迅速且つ確実に把握することができ、上記のようにして、水車一体形発電機6を直ちに水中から引き上げて、ストレーナ72の清掃又は交換を行うことができる。尚、大型のゴミは、ストレーナ72に到達する前に、バースクリーン56(図8参照)で捕捉されるため、ストレーナ72の負担が軽減される。
また、図3に示すように、維持放流による発電中に、水車一体形発電機6内の流路38からメカニカルシール41を通って内ケーシング37の内部に漏洩した漏洩水Waはドレン室43内に溜められるため、上記漏洩水Waが直接発電機収容室42内へ侵入することを防止することができる。そして、ドレン室43内に溜まった漏洩水Waが所定量になると、液面検出器51によって漏洩水Waの水面が検出され、図1に示すように、制御部94は液面検出器51からの検出信号に基づいて両電磁弁89,91を開放すると共に真空ポンプ90を作動させる。
これにより、排出管路88内の圧力が減圧されて、排出管路88内の圧力が導入管路87内の圧力よりも低圧になり、ドレン室43内に溜まった漏洩水Waが排出管路88から吸引され他方の電磁弁91と真空ポンプ90とを通って水力発電水車1の外部の水面4上へ強制的に排出されると共に、水面4上の大気圧の空気が導入管路87からドレン室43内に導入される。したがって、ドレン室43内の漏洩水Waが発電機収容室42内へ侵入することを防止することができ、水車一体形発電機6を水没させた状態で、長期間連続して発電することができる。
尚、制御部94は、真空ポンプ90を一定時間作動させ、ドレン室43内から一定量の漏洩水Waを排出した後、真空ポンプ90を停止するとともに両電磁弁89,91を閉止する。
また、第2の実施の形態として図10に示すように、水車一体形発電機6の吸込口24を斜め下向きに形成してもよい。
さらに、第3の実施の形態として図11に示すように、水車一体形発電機6の外ケーシング20を外側胴ケーシング部21と外側吐出ケーシング部23とで構成して、外側流入ケーシング部22を無くし、外側胴ケーシング部21の長さを短縮し、外側胴ケーシング部21の上流側端と内ケーシング37との間を吸込口24としてもよい。この吸込口24に、円環状のストレーナ72が設けられている。
さらに、第3の実施の形態として図11に示すように、水車一体形発電機6の外ケーシング20を外側胴ケーシング部21と外側吐出ケーシング部23とで構成して、外側流入ケーシング部22を無くし、外側胴ケーシング部21の長さを短縮し、外側胴ケーシング部21の上流側端と内ケーシング37との間を吸込口24としてもよい。この吸込口24に、円環状のストレーナ72が設けられている。
これによると、外ケーシング20の外側流入ケーシング部22を無くし、さらに、外側胴ケーシング部21の長さを短縮しているため、水車一体形発電機6が軽量化される。
上記各実施の形態では、金網74を備えたストレーナ72を用いているが、金網74の代わりに、複数のバー(丸棒等)を備えてもよい。
上記各実施の形態では、金網74を備えたストレーナ72を用いているが、金網74の代わりに、複数のバー(丸棒等)を備えてもよい。
また、流入水の条件によっては、バースクリーン56又はストレーナ72のいずれか一方を省略してもよい。
上記各実施の形態では、河川を堰き止めて形成されたダムの堰堤1に放流孔2を設けているが、水路を堰き止めて形成された堰堤1に設けてもよい。
上記各実施の形態では、河川を堰き止めて形成されたダムの堰堤1に放流孔2を設けているが、水路を堰き止めて形成された堰堤1に設けてもよい。
上記各実施の形態では、クレーン式の吊り上げ装置78を設けたが、吊り上げ装置78として、チェーンブロック等を用いてもよい。
上記各実施の形態では、水車一体形発電機6をワイヤー29で吊り上げているが、ワイヤー29の代わりにチェーン等を用いてもよい。
上記各実施の形態では、水車一体形発電機6をワイヤー29で吊り上げているが、ワイヤー29の代わりにチェーン等を用いてもよい。
上記各実施の形態では、警報手段の一例として警報ランプ84を用いたが、警報ブザーを用いたり、或いは、ストレーナ72が目詰まりしていることを表示する表示画面を用いてもよい。
上記各実施の形態では、図1に示すように、導入管路87の上端部を大気開放しているが、導入管路87の上端部にコンプレッサを接続し、コンプレッサによって圧縮された高圧空気を導入管路87からドレン室43内へ供給し、上記高圧空気でドレン室43内の漏洩水Waを排出管路88へ押し出して強制的に排出させてもよい。また、上記コンプレッサの代わりに、高圧の圧縮空気が充填されたボンベを導入管路87の上端部に接続してもよい。
また、上記各実施の形態では、導入管路87と排出管路88とにそれぞれパイプ材を用いているが、可撓性のある耐圧ホース等を用いてもよく、このように耐圧ホース等を用いることにより、点検・修理時に管継手92,93を取り外すことなく、水車一体形発電機6を引き上げることも可能である。
上記各実施の形態では、図2に示すように、継手管入口側フランジ11の接合面11aを斜め上向きに傾斜させ、吐出側フランジ27の接合面27aを斜め下向きに傾斜させているが、これら両接合面11a,27aを傾斜させず、鉛直に形成してもよい。
また、堰堤1に放流孔2が複数形成されている場合、各放流孔2に対して1台ずつ水車一体形発電機6を着脱自在に設置してもよい。
上記各実施の形態では、放流弁8を放流孔2の下流端に設けているが、着脱装置7と堰堤1との間の継手管5の箇所に、水面上方より開閉操作可能なゲートや弁を設けてもよい。
上記各実施の形態では、放流弁8を放流孔2の下流端に設けているが、着脱装置7と堰堤1との間の継手管5の箇所に、水面上方より開閉操作可能なゲートや弁を設けてもよい。
1 堰堤
2 放流孔
3 発電設備
5 継手管
6 水車一体形発電機
7 着脱装置
8 放流弁(開閉装置)
24 吸込口
25 吐出口
66 案内装置
72 ストレーナ
83 電力計(出力検知手段)
84 警報ランプ(警報手段)
2 放流孔
3 発電設備
5 継手管
6 水車一体形発電機
7 着脱装置
8 放流弁(開閉装置)
24 吸込口
25 吐出口
66 案内装置
72 ストレーナ
83 電力計(出力検知手段)
84 警報ランプ(警報手段)
Claims (3)
- 水路又は河川を堰き止めた堰堤を貫通する放流孔からの維持放流を利用して発電を行う発電設備であって、
上記放流孔の入口側に継手管が設けられ、
上下移動可能な水車一体形発電機が着脱装置によって離脱自在に継手管に係合されて、水車一体形発電機の吐出口が継手管を介して放流孔に連通し、
上記着脱装置は、水車一体形発電機が下降する方向において、水車一体形発電機を継手管に係合するとともに、水車一体形発電機が上昇する方向において、水車一体形発電機を継手管から離脱し、
上記水車一体形発電機を上下方向に案内する案内装置が設けられ、
上記着脱装置の下流側に、上記放流孔を開閉する開閉装置が設けられていることを特徴とする発電設備。 - 水車一体形発電機の吸込口にストレーナを設けたことを特徴とする請求項1に記載の発電設備。
- 水車一体形発電機の発電出力を検知する出力検知手段と、検知された発電出力が所定値を下回った場合に警報を発してストレーナの目詰まりを知らせる警報手段とが備えられていることを特徴とする請求項2に記載の発電設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004255002A JP2006070797A (ja) | 2004-09-02 | 2004-09-02 | 発電設備 |
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Publications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2004
- 2004-09-02 JP JP2004255002A patent/JP2006070797A/ja active Pending
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