JP2006070767A - 内燃機関の始動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 筒内ガスを圧縮することにより発生する熱を利用して筒内壁や筒内ガスの温度を効率良く上昇させる。
【解決手段】 内燃機関の始動制御装置は、内燃機関始動時に、燃焼前の筒内ガスに対して圧縮に引き続き燃焼を伴わない未燃焼膨張を少なくとも1回以上実施する筒内ガス未燃焼膨張実施手段と、筒内ガスが未燃焼膨張している未燃焼膨張行程の下死点付近で吸気弁を所定期間だけ開弁させる開弁制御手段と、を備えている。これによって、未燃焼膨張行程の終了時に、筒内圧力が大気圧以下とはならず、未燃焼膨張行程に引き続く圧縮行程において、筒内壁及び筒内温度を効率良く上昇させることができる。
【選択図】 図5
【解決手段】 内燃機関の始動制御装置は、内燃機関始動時に、燃焼前の筒内ガスに対して圧縮に引き続き燃焼を伴わない未燃焼膨張を少なくとも1回以上実施する筒内ガス未燃焼膨張実施手段と、筒内ガスが未燃焼膨張している未燃焼膨張行程の下死点付近で吸気弁を所定期間だけ開弁させる開弁制御手段と、を備えている。これによって、未燃焼膨張行程の終了時に、筒内圧力が大気圧以下とはならず、未燃焼膨張行程に引き続く圧縮行程において、筒内壁及び筒内温度を効率良く上昇させることができる。
【選択図】 図5
Description
本発明は、内燃機関の始動制御装置に関する。
低温始動時では、クランキング中の筒内壁や筒内ガスの温度が低いために燃料の気化及び着火性の悪化による始動不良が懸念される。
特許文献1及び特許文献2には、排気弁の開弁時期を排気行程下死点以降にすることにより、排気行程で筒内ガス(排気ガス)を圧縮し、筒内ガスの温度を上昇させる技術が開示されている。
特許文献1及び特許文献2に開示された従来技術を低温始動時におけるクランキング中に適用すれば、吸気後、クランキングにより燃焼前の筒内ガスに対して圧縮と膨張を繰り返して、筒内ガス温度及び筒内壁温度を上昇させ、燃料気化、着火性の向上を図ることができると考えられる。
特開2002−227672号公報
特開平1−159431号公報
しかしながら、上述した従来技術を低温始動時におけるクランキング中に適用した場合には、密閉(吸気弁及び排気弁を開かない)状態の筒内で燃焼前の筒内ガスに圧縮と膨張を繰り返すことになる。そのため、例えば、圧縮1−膨張−圧縮2という一連の行程では、圧縮1−膨張の過程で筒内ガスの熱が筒内壁に奪われると、圧縮2の開始時における筒内圧力が、圧縮1の開始時における筒内圧力よりも低下することになる。つまり、圧縮2の開始時には、筒内壁温度及び筒内ガス温度(筒内温度)を上昇させるためのポテンシャルが低下してしまい、筒内壁温度及び筒内ガス温度が効率よく上昇しない虞がある。
そこで、本発明は、筒内ガスを圧縮することにより発生する熱を利用して筒内壁や筒内ガスの温度を効率良く上昇させ、燃料の気化・着火性の向上を得て始動性が確保された内燃機関の始動制御装置を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関の始動制御装置は、内燃機関始動時に、燃焼前の筒内ガスに対して圧縮に引き続き燃焼を伴わない未燃焼膨張を少なくとも1回以上実施する筒内ガス未燃焼膨張実施手段と、筒内ガスが未燃焼膨張している未燃焼膨張行程の下死点付近で吸気弁を所定期間だけ開弁させる開弁制御手段と、を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、未燃焼膨張行程の下死点付近で吸気弁を開き、筒内に空気を吸入することで、未燃焼膨張行程の終了時に、筒内圧力が大気圧以下とはならず、未燃焼膨張行程に引き続く圧縮行程において、筒内壁及び筒内温度を効率良く上昇させることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る内燃機関の始動制御装置のシステム構成を示す説明図である。
エンジン1内の燃焼室2には、吸気通路3を介して空気が供給されている。吸気通路3には、エアクリーナ4、スロットル弁5及び吸気コレクタ6が設けられている。エアクリーナ4の吸気下流側に位置するスロットル弁5は、エンジンコントロールユニット7(以下、ECUと記す)によって弁開度が制御される。また、エアクリーナ4とスロットル弁5との間には、吸気通路3内の吸入空気量を検出するエアフローメータ8が設けられている。ここで、エアフローメータ8は、吸気通路3内の吸気温度を検知する吸気温センサを内蔵するものであって、このエアフローメータ8で検出された吸入空気量及び吸気温度に関する検出値それぞれECU7へ入力される。
スロットル弁5の吸気下流側に位置する吸気コレクタ6には、各気筒に吸気空気を分配する吸気マニホールド9が接続されている。吸気マニホールド9には燃料噴射弁10が設けられており、燃料噴射弁10から噴射される燃料によって混合気が形成される。そして、混合気は、吸入ポート11を介して燃焼室2に導入され、点火プラグ12による火花点火によって着火燃焼する。吸入ポート11は、各気筒毎にシリンダヘッド13に形成されるものである。燃料噴射弁10及び点火プラグ12は、ECU7によって制御されている。尚、吸気マニホールド9及び吸気ポート11は吸気通路3の一部を構成するものである。
一方、燃焼室2で発生した排気ガスは、排気ポート15及び排気マニホールド16を含む排気通路14を介して排出される。排気ポート15は、各気筒毎にシリンダヘッド13に形成されるものであり、各気筒の排気を集合させる排気マニホールド16が接続されている。
排気通路14には、排気マニホールド16の下流側に、触媒コンバータ17が設けられている。触媒コンバータ17の上流位置には、空燃比を検出するための空燃比センサ18が設けられている。この空燃比センサ18の検出値はECU7に入力されている。空燃比センサ18は、空燃比のリッチ、リーンのみを検出する酸素センサであってもよく、あるいは、空燃比の値に応じた出力が得られる広域型空燃比センサであってもよい。
また、ECU7には、機関回転速度及びクランク角位置を検出するためにクランクシャフトに対して設けられたクランク角センサ19、エンジン1の冷却水温を検出する水温センサ20からの信号が入力されている。
さらに、ECU7には、運転者によって挿入されたエンジンキーを回転操作することによって切り換えられるエンジンキースイッチ22からの信号が入力されている。ECU7は、このエンジンキースイッチ22からの出力信号により、エンジンキーの位置、すなわちエンジンキースイッチ22が、車両の電装系に電力を供給するACC位置、ON位置、エンジン始動時にスタータモータ23を駆動させるSTART位置のいずれになっているのかを判別している。
そして、ECU7は、これらの検出信号や出力信号に基づいて、燃料噴射弁10の噴射量や噴射時期、点火プラグ12による点火時期等を制御している。
ここで、エンジン1の吸気弁24及び排気弁25は、それぞれ動弁機構(図示せず)によって駆動する。開弁制御手段としての吸気弁側の動弁機構は、吸気カムシャフト(図示せず)により吸気弁24を駆動するものであって、エンジン始動時のクランキング中に使用する吸気弁クランキング用カム(図示せず)と通常サイクル時(通常の燃焼サイクル時)に使用する吸気弁通常用カム(図示せず)とを有し、これら2種類のカムをECU7からの指令に基づき油圧等で切り換えて使用することで、エンジン始動時のクランキング中と、通常サイクル時とで、吸気弁24のバルブリフト特性を可変可能な構成となっている。ここで、通常サイクルとは、吸気−圧縮−膨張−排気を繰り返すサイクルである。吸気弁クランキング用カムは、図2に示すように、下死点付近で所定期間、吸気弁を開弁させるカムプロフィールとなっている。詳述すると、吸気弁クランキング用カムは、クランキング中の膨張行程(詳細は後述)で筒内圧力が大気圧以下となる下死点近傍のタイミングで吸気弁24が開閉するよう、そのカムプロフィールが設定されている。
一方、排気弁側の動弁機構は、排気カムシャフト(図示せず)により排気弁25を駆動するものであって、エンジン始動時のクランキング中に使用する排気弁クランキング用カム(図示せず)と通常サイクル時に使用する排気弁通常用カム(図示せず)とを有し、これら2種類のカムをECU7からの指令に基づき油圧等で切り換えて使用することで、エンジン始動時のクランキング中と、通常サイクル時とで、排気弁25のバルブリフト特性を可変可能な構成となっている。排気弁クランキング用カムは、図3に示すように、排気弁25を開閉させないカムプロフィールとなっている。
尚、筒内ガス未燃焼膨張実施手段は、制御システムがソフトウエア的に備えるものである。
図4は、この第1実施形態におけるエンジン始動時のクランキング中の制御の流れを示すフローチャートである。
S1では、スタータモータ23を起動してクランキングを開始し、燃料噴射弁10から燃料を噴射すると共に、吸気弁側動弁機構を吸気弁通常用カムとして混合気を筒内に導入し、S2へ進む。つまり、クランキング直後の最初に筒内に混合気が導入されるまでは、吸気弁側動弁機構において吸気弁通常用カムが選択されている。
S2では、排気弁側動弁機構を排気弁クランキング用カムとし、吸気弁側の動弁機構を吸気弁クランキング用カムに切り換えて、クランキングによるピストン往復動により、燃焼を伴わない未燃焼膨張が実施される未燃焼膨張実施サイクルに移行する。具体的には、燃焼前の筒内ガスに対して圧縮−膨張−圧縮を実施する。換言すれば、圧縮に引き続き燃焼を伴わない未燃焼膨張を1回実施する。このとき、吸気弁24は、吸気弁側の動弁機構の吸気弁クランキング用カムの作用により、筒内ガスが未燃焼膨張している未燃焼膨張行程の下死点付近で、所定期間だけ開弁する。詳述すると、未燃焼膨張行程において、筒内圧力が大気圧以下となるタイミングで、吸気弁24が開弁する。尚、未燃焼膨張行程で吸気弁24を開弁するタイミングでは、燃料噴射弁10は燃料噴射を行わない。
そして、S3では、未燃焼膨張行程後の圧縮行程の上死点付近で、点火プラグ12により筒内ガスに着火し、S4へ進む。
S4では、吸気弁側の動弁機構を吸気弁通常用カムに切り換え、かつ排気弁側の動弁機構を排気弁通常用カムに切り換えて、通常サイクル(吸気−圧縮−膨張−排気)に以降する。つまり、初爆後は通常サイクルに戻り、以降、筒内ガスの未燃焼膨張を行われない。
図5に示すタイミングチャートは、上述した第1実施形態のクランキング中の筒内圧力及び筒内温度と、上述した第1実施形態において未燃焼膨張行程の下死点付近で吸気弁を開弁しない比較例のクランキング中の筒内圧力及び筒内温度(筒内ガス温度)と、を示している。
比較例のように、クランキング中に、筒内を密閉(吸気弁及び排気弁を開かない)した状態で、燃焼前の筒内ガスに対して圧縮と膨張(未燃焼膨張)を繰り返すと、圧縮によって上昇した筒内ガスの熱が圧縮−膨張の過程で筒内壁に奪われ、未燃焼膨張行程の下死点付近で筒内圧力(筒内ガスの圧力)が大気圧よりも低くなってしまう。つまり、未燃焼膨張行程に引き続く圧縮行程(圧縮2)開始時の筒内圧力は、直前(前回)の圧縮行程(圧縮1)開始時よりも筒内圧力が低く、筒内壁及び筒内ガスの温度を上昇させるポテンシャルが相対的に低下している。そのため、比較例においては、未燃焼膨張行程に引き続く圧縮行程において、筒内壁及び筒内温度を効率良く上昇させることができない。
一方、上述した第1実施形態においては、未燃焼膨張行程の下死点付近で吸気弁24を開き、筒内に空気を吸入することで、筒内圧力を増大させているので、未燃焼膨張行程に引き続く圧縮行程(圧縮2)において、筒内壁及び筒内温度を効率良く上昇させることができる。つまり、圧縮することによって燃焼前の筒内ガスに発生した熱を十分に筒内壁及び筒内ガス温度の上昇に用いることができ、初爆から燃料の気化・着火性の向上を得て、十分な始動性を確保することができる。
そして、初爆時の点火時期は、圧縮上死点付近、すなわち圧縮−膨張を繰り返す過程で筒内温度が極大となった付近なので、筒内ガス中に気化燃料が多く存在し、着火性が相対的に良い。また、初爆後、通常の燃焼サイクルに戻るのは、筒内ガスが燃焼すれば筒内温度が一気に上昇するからであり、無駄時間を削減しているのである。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。尚、この第2実施形態の前提となる構成は上述した第1実施形態と略同一であるので、重複する構成については同一の符号を付して説明を省略する。
この第2実施形態おいては、クランキング開始時の筒内温度が低いほど上述した未燃焼膨張を行う回数が多くなり、クランキング開始時の筒内温度が高いほど上述した未燃焼膨張を行う回数が少なくなる。筒内温度は、図6に示すマップを用い吸気温度とエンジン水温から推定される。そして、図6におけるA領域では、未燃焼膨張を行う回数を0回、B領域では1回、C領域では2回、というように、吸気温度とエンジン水温が低くなるほど未燃焼膨張を行う回数を多くする。図7は、一例として、未燃焼膨張を2回行った時の吸気弁と排気弁の挙動を示したタイミングチャートである。
このような第2実施形態においては、燃焼前の筒内ガスに行う未燃焼膨張の回数を可変設定することができるので、筒内壁温度及び筒内ガス温度を十分に上昇させることができ、始動性の一層の向上を図ることができる。また、初回の燃料噴射のみで確実に燃焼させることができるので、いわゆるプラグかぶりやくすぶりを回避することができる。
次に本発明に第3実施形態について説明する。尚、この第3実施形態の前提となる構成は上述した第1実施形態と略同一であるので、重複する構成については同一の符号を付して説明を省略する。
この第3実施形態は、筒内温度が予め設定された所定値に達するまで燃焼前の筒内ガスに対して圧縮と膨張(未燃焼膨張)を繰り返し実施するものである。
図8は、この第3実施形態におけるエンジン始動時のクランキング中の制御の流れを示すフローチャートである。
S11では、スタータモータ23を起動してクランキングを開始し、吸気弁側動弁機構を吸気弁通常用カムとして混合気を筒内に導入し、S12へ進む。つまり、クランキング直後の最初に筒内に混合気が導入されるまでは、吸気弁側動弁機構において吸気弁通常用カムが選択されている。
S12では、排気弁側動弁機構を排気弁クランキング用カムとし、吸気弁側の動弁機構を吸気弁クランキング用カムに切り換えて、クランキングによるピストン往復動により、燃焼前の筒内ガスに対して未燃焼膨張を行う未燃焼膨張実施サイクルに移行する。このとき、吸気弁24は、吸気弁側の動弁機構の吸気弁クランキング用カムの作用により、筒内ガスが未燃焼膨張している未燃焼膨張行程の下死点付近で、所定期間だけ開弁する。詳述すると、未燃焼膨張行程において、筒内圧力が大気圧以下となるタイミングで、吸気弁24が開弁する。尚、未燃焼膨張行程で吸気弁24を開弁するタイミングでは、燃料噴射弁10は燃料噴射を行わない。
S13では、エアフローメータ8で検知された吸気温度と水温センサで検知されたエンジン水温と、を用い、ECU7内に予め記憶させてある筒内ガス温度推定マップ(図示せず)から筒内ガス温度を推定する。
S14では、S13で推定された筒内ガス温度が予め設定された所定値以上であるか否かを判定し、所定値以上であればS15へ進み、所定値未満であれば筒内ガス温度及び筒内壁温度が十分に暖められていないと判断してS16へ進む。尚、このS14における所定値は、予め実験適合等によって決定された値である。
S16では、未燃焼膨張実施サイクルを継続し、S13へ戻る。尚、S14からS16経てS13に進んだ場合には、前回筒内ガス温度を推定してから少なくとも一回以上筒内ガスの未燃焼膨張が行われた状態で筒内ガス温度を推定するものとする。
S15では、未燃焼膨張行程後の圧縮行程の上死点付近で、点火プラグ12により筒内ガスに着火してS17へ進む。
S17では、吸気弁側の動弁機構を吸気弁通常用カムに切り換え、かつ排気弁側の動弁機構を排気弁通常用カムに切り換えて、通常サイクル(吸気−圧縮−膨張−排気)に以降する。つまり、初爆後は通常サイクルに戻り、以降、筒内ガスの未燃焼膨張を行われない。
このような第3実施形態においては、筒内壁温度及び筒内ガス温度を十分に、かつ精度良く上昇させることができ、始動性の安定した向上を図ることができる。
尚、上述した各実施形態においては、未燃焼膨張行程の下死点前で吸気弁が開き、未燃焼膨張行程の下死点で吸気弁が閉じられるように吸気弁側の動弁機構のクランキング用カムのカムプロフィールを設定すれば、未燃焼膨張行程に引き続く圧縮行程で、筒内ガスの圧縮による筒内壁及び筒内ガスの温度を上昇させるポテンシャルを最大限に活用でき、一層効果的に、筒内壁及び筒内ガスの温度上昇を促進させることができる。
また、吸気弁及び排気弁の動弁機構としては、吸気弁及び排気弁の開閉時期及びバルブリフト量を連続的に可変可能な可変動弁機構や、電磁力により吸・排気弁を進退駆動する電磁駆動式動弁機構を用いることも可能であり、この場合には、筒内圧力を検知する筒内圧力検出センサ等を設けておくことが望ましい。
そして、筒内ガス温度の推定は、吸気温度のみ、あるいはエンジン水温のみから推定することも可能である。さらに、筒内ガス温度を直接検知するセンサを燃焼室内に設けるようにしてもよい。
上記実施形態から把握し得る本発明の技術的思想について、その効果とともに列記する。
(1) 内燃機関の始動制御装置は、内燃機関始動時に、クランキングによるピストン往復動により、燃焼前の筒内ガスに対して圧縮に引き続き燃焼を伴わない未燃焼膨張を少なくとも1回以上実施する筒内ガス未燃焼膨張実施手段と、筒内ガスが未燃焼膨張している未燃焼膨張行程の下死点付近で吸気弁を所定期間だけ開弁させる開弁制御手段と、を備えている。未燃焼膨張行程の下死点付近で吸気弁を開き、筒内に空気を吸入することで、未燃焼膨張行程の終了時に、筒内圧力が大気圧以下とはならない。これによって、未燃焼膨張行程に引き続く圧縮行程において、筒内壁及び筒内温度を効率良く上昇させることができる。
(2) 上記(1)に記載の内燃機関の始動制御装置は、より具体的には、開弁制御手段により、未燃焼膨張行程中に筒内圧力が大気圧以下となるタイミングで吸気弁を開弁する。
(3) 上記(1)または(2)に記載の内燃機関の始動制御装置において、開弁制御手段は、未燃焼膨張行程の下死点で吸気弁を閉弁させる。これによって、未燃焼膨張行程に引き続く圧縮行程で、筒内ガスの圧縮による筒内壁及び筒内ガスの温度を上昇させるポテンシャルを最大限に活用でき、一層効果的に、筒内壁及び筒内ガスの温度上昇を促進させることができる。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかに記載の内燃機関の始動制御装置は、筒内ガスの温度を検知する筒内ガス温度検知手段を有し、筒内ガス未燃焼膨張実施手段は、筒内ガス温度検知手段で検知された燃焼前の筒内ガスの温度が低いほど燃焼前の筒内ガスに対して圧縮と未燃焼膨張を数多く繰り返し実施する。これによって、燃焼前の筒内ガスに行う未燃焼膨張の回数を可変設定することができるので、筒内壁温度及び筒内ガス温度を十分に上昇させることができ、始動性の一層の向上を図ることができる。また、初回の燃料噴射のみで確実に燃焼させることができるので、いわゆるプラグかぶりやくすぶりを回避することができる。
(5) 上記(1)〜(3)のいずれかに記載の内燃機関の始動制御装置において、未燃焼膨張行程実施手段は、燃焼前の筒内ガスの温度が、予め設定された所定温度に達するまで、燃焼前の筒内ガスに対して圧縮と未燃焼膨張を繰り返し実施する。これによって、筒内壁温度及び筒内ガス温度を十分に、かつ精度良く上昇させることができ、始動性の安定した向上を図ることができる。
(6) 上記(4)または(5)に記載の内燃機関の始動制御装置は、より具体的には、筒内ガス温度検知手段は、エンジン水温もしくは吸気温の少なくとも一方を用いて筒内ガス温度を検知する。
(7) 上記(1)〜(6)のいずれかに記載の内燃機関の始動制御装置は、初爆後は、筒内ガス未燃焼膨張実施手段による筒内ガスの未燃焼膨張を実施せず、通常の燃焼サイクルに戻す。筒内ガスが燃焼すれば筒内温度が一気に上昇することになるため、無駄時間を削減することができる。
7…エンジンコントロールユニット(ECU)
24…吸気弁
25…排気弁
24…吸気弁
25…排気弁
Claims (7)
- 内燃機関始動時に、クランキングによるピストン往復動により、燃焼前の筒内ガスに対して圧縮に引き続き燃焼を伴わない未燃焼膨張を少なくとも1回以上実施する筒内ガス未燃焼膨張実施手段と、
筒内ガスが未燃焼膨張している未燃焼膨張行程の下死点付近で吸気弁を所定期間だけ開弁させる開弁制御手段と、を備えたことを特徴とする内燃機関の始動制御装置。 - 開弁制御手段は、未燃焼膨張行程中に筒内圧力が大気圧以下となるタイミングで吸気弁を開弁することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の始動制御装置。
- 開弁制御手段は、未燃焼膨張行程の下死点で吸気弁を閉弁させることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の始動制御装置。
- 筒内ガスの温度を検知する筒内ガス温度検知手段を有し、
筒内ガス未燃焼膨張実施手段は、筒内ガス温度検知手段で検知された燃焼前の筒内ガスの温度が低いほど燃焼前の筒内ガスに対して圧縮と未燃焼膨張を数多く繰り返し実施することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の始動制御装置。 - 未燃焼膨張行程実施手段は、燃焼前の筒内ガスの温度が、予め設定された所定温度に達するまで、燃焼前の筒内ガスに対して圧縮と未燃焼膨張を繰り返し実施することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の始動制御装置。
- 筒内ガス温度検知手段は、エンジン水温もしくは吸気温の少なくとも一方を用いて筒内ガス温度を検知することを特徴とする請求項4または5に記載の内燃機関の始動制御装置。
- 初爆後は、筒内ガス未燃焼膨張実施手段による筒内ガスの未燃焼膨張を実施せず、通常の燃焼サイクルに戻すことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関の始動制御装置。
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