JP2006069773A - 記録媒体搬送装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な構成で先端合わせとスキュー補正とを行うことができ、且つ、この先端合わせとスキュー補正に関与する機構が搬送機構での記録用紙の搬送に対して無用な干渉を及ぼさず、記録用紙の搬送速度が一定していて信頼性が高く、且つ、制御や駆動に関する機構部についても簡素化を計ることのできるこの種の記録媒体搬送装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】 所定の回動範囲で相互に転接する第1転接体91と第2転接体92とで記録用紙2を挟んで送るゲートローラ機構90を構成し、第1転接体91は、記録用紙2がゲートローラ機構90のニップ部に突き当たって先端合わせ及びスキュー補正を受ける第1の位置から搬送ベルトの搬送面に到達して保持される第2の位置に到るまでの距離dと所定の対応関係を有する外周長(ローラ断面の周縁部の円弧についての円弧長)の有効搬送周面95を持つように成形されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、記録媒体を印刷処理乃至転写処理等の所定の処理が施される処理位置へと搬送する搬送機構を備えた記録媒体搬送装置およびこの記録媒体搬送装置を備えた画像形成装置に関し、特に、適用する記録媒体に対しその搬送端縁の位置を正規の位置に調整する先端合わせと搬送方向を正規の方向に整えるスキュー補正とを効果的に行うことができる記録媒体搬送装置およびこの記録媒体搬送装置を備えた画像形成装置に関する。
インクジェットプリンタやその他の画像形成装置において、適用する記録媒体を例えば給紙カセット等に装填されたその待機位置から次段の操作を施すべく位置や姿勢を整える供給位置まで繰出し、この繰出された記録媒体を搬送機構によって画像形成処理等の所定の処理が施される処理位置へと搬送するに際しては、該記録媒体の繰出方向先端部(搬送端縁)の位置を正規のものとする先端合わせと、搬送方向を正規の方向に整えるスキュー補正とが必要とされる。
図7は、この種の一般的な画像形成装置において、記録媒体の先端合わせを行う必要があることを説明するための概念図である。記録媒体としての記録用紙200は図中右手方向から左手方向に向けて搬送されるが、この搬送における適宜のタイミングで画像形成処理(例えばインクジェットヘッド等による画像形成処理)が施される。この場合、図7において二点鎖線で囲まれ網掛けが施された領域(搬送位置に関する位相)が、本来の画像形成処理が行われるために記録用紙200が位置しているべき画像形成領域201である。
記録用紙200に対して正規のレイアウトで画像形成処理が施されるためには、記録用紙200(その現在位置)と上述の画像形成領域201との両者の位置が少なくとも画像形成処理が実行されるタイミングでは合致している必要がある。しかし、図示のように、記録用紙200が画像形成領域201より行き過ぎてしまうと(即ち、搬送の位相が進み過ぎると)記録用紙200の先端部で画像形成処理が施されない領域(余白)が拡大してしまうため記録用紙200の後端部では画像形成領域201が紙面からはみ出してしまう。
一方、記録用紙200が画像形成領域201に達しないと(即ち、搬送の位相が遅れると)記録用紙200の先端部では画像形成領域201が紙面から上方にはみ出してしまい、記録用紙200の後端部では画像形成処理が施されない領域(余白)が拡大してしまう。従って、上述したような不具合が発生しないようにするために、記録媒体の繰出方向先端部(搬送端縁)の位置を正規のものとする先端合わせが必要となる。
図8は、この種の一般的な画像形成装置において、記録媒体のスキュー補正が必要とされることを説明するための概念図である。記録媒体としての記録用紙200は図中右手方向から左手方向に向けて搬送され、この搬送における適宜のタイミングで画像形成処理が施される点は図7を参照して説明したところと同様である。図8において二点鎖線で囲まれ網掛けが施された領域の位置(姿勢)が、本来の画像形成処理が行われるために記録用紙200が位置しているべき画像形成領域201である。給紙に際して方形の記録用紙200の先端縁が搬送方向に直交する方向からずれてしまうと(記録用紙200から見て自己の搬送方向がずれてしまうと)、図示のように、記録用紙200が画像形成領域201から逸脱し、正規のレイアウトでの印刷ができず、記録用紙に対して画像形成処理の対象とされる領域が傾いてしまうという不具合を生じることになる。
図9は、記録用紙の搬送系に上述の先端合わせとスキュー補正とを施すためのゲートローラを配設した従来の技術を表す図である。図示されない適宜の給紙機構から供給された記録用紙2は、図9の(a)部に示されたゲートローラ機構900の相互に転接する第1転接体910と第2転接体920とのニップ部に同図ではローラの背後に隠れた方向からその端縁が突き当てられる。
このようにニップ部に端縁が突き当てられることによって、記録用紙2に先端合わせとスキュー補正とが施される。先端合わせとスキュー補正とが施された記録用紙2は、図9の(b)部に示されたようにゲートローラ機構900の第1転接体910と第2転接体920とのニップ部に挟持されて送り出され、搬送ベルト130へと受け渡され、画像形成処理が施されるべき所定位置へと搬送される。図9を参照して説明した従来の技術は、簡単な構成によって先端合わせとスキュー補正とを行わんとするものであるが、次に述べるような問題を残している。
図10は、図9の技術によって記録用紙に対する先端合わせとスキュー補正とを行う場合の問題点を説明するための図である。ゲートローラ機構900(その第1転接体910と第2転接体と920とのニップ部)で記録用紙2を挟持しつつ両ローラ910,920が回転することによって同記録用紙2を搬送ベルト130へと送り出すが、このとき図10の(a)部に示されたように、既に記録ヘッド部160の下に相応する位置(画像形成処理が実行される位置)に到った記録用紙2の部分に対しては画像形成処理が施される。
図10の(a)部を参照して明らかな通り、この段階では、記録用紙2に対して搬送ベルト130による搬送が行われているが、その一方では、ゲートローラ機構900による送り出しの動作も未だ継続している。記録用紙2の搬送が更に進むと図10の(b)部に示されたように、搬送動作は専ら搬送ベルト130によって行われ、記録用紙2はゲートローラ機構900には拘束されない位置に到っている。
従来のこの種の技術では、図10の(a)部の段階を不可避的に経ねばならないが、この段階にあるときには、同じ記録用紙2の一部に対しては搬送ベルト130による搬送力が作用し、同時に、他部に対してはゲートローラ機構900による送り出しの動作が行われる。従って、搬送ベルト130による搬送とゲートローラ機構900による送り出しとが厳密に同期していないと、記録用紙2の搬送速度に変動が生じ、これに起因して印刷にスジや濃度ムラが発生し、画質の品位低下を招来してしまう。
図11は、図10を参照して説明した問題を解決する従来の方法について説明するための図である。図11の方法は、記録用紙2が搬送ベルト130によって搬送される位置に到達したときには、ゲートローラ機構900の第1転接体910と第2転接体と920とを離隔させて(図示の例では、第1転接体910を第2転接体と920に平行に上方に変位させて)両者のニップを解放させるというものである。このようにすれば、搬送ベルト130による搬送とゲートローラ機構900による送り出しとが厳密に同期していなくとも、搬送ベルト130とゲートローラ機構900との両者による搬送が同時に行われて相互に干渉が起こる虞がないため、図10で説明した問題については一応回避される。
図12は、図11を参照して説明した方法における問題を説明するための図である。図11の方法を採る場合には、ゲートローラ機構900の第1転接体910又は第2転接体920の何れか一方或いは双方を、両者が接する位置と離隔する位置との間で変位可能に支持する機構が必要となる。しかしながら、高速で次々に搬送される記録用紙に対して十分に対応可能な速い速度で接離可能で、且つ、高精度で信頼性の高い可動支持機構を構成することは技術的にも難度が高くコストも嵩む。所要の精度や信頼性が確保できないと、図12において説明の便宜のために誇張して表されたように、ゲートローラ機構900の第1転接体910と第2転接体920は、両者の一部が既に接触して十分なニップが得られる位置にあるときに、他部は未だ離間したままでニップが出ないような状況を呈してしまうことになる。
図13は、図12のようなゲートローラを適用した場合の問題点を説明するための図である。ゲートローラ機構900の第1転接体910と第2転接体920は、両者の一部が既に接触して十分なニップが得られる位置にあるときに、他部は未だ離間したままでニップが出ないような状況を呈してしまっているため、図示されない給紙機構から記録用紙2が給紙されると、記録用紙は未だ離間したままの状態にある第1転接体910と第2転接体920との間から、既述の先端合わせもスキュー補正も施されることなく不適切な向きのままで通過し、そのまま搬送ベルト130に到達してしまうことになる。このような状態では正規の画像形成処理が行われないことは言うまでもない。
上述のような問題を解決するために、記録用紙搬送経路を形成する記録用紙通路中に、記録用紙を画像形成位置まで搬送する一対の搬送ローラと、この一対の搬送ローラの下流側に、記録用紙通路に進出して記録用紙の先端と干渉するスキュー補正位置と、記録用紙通路から退避した開放位置とに移動自在に設けられた記録用紙先端規制手段と、前記一対の搬送ローラを所定量回転させて記録用紙を搬送し、スキュー補正位置にある前記記録用紙先端規制手段によって記録用紙先端位置を補正させた後、前記記録用紙先端規制手段を開放位置に移動させると共に、前記一対の搬送ローラによって記録用紙を一旦所定量だけ逆送させ、その後記録用紙が画像形成位置に至るまで前記一対の搬送ローラを駆動する制御手段とを備えた用紙先端位置補正装置なる技術が既に提案されている。
この提案による装置では、記録用紙は一対の搬送ローラで駆動されて記録用紙通路に進出した状態の記録用紙先端規制手段に当接し、位置決め(記録用紙の先端合わせ)が行なわれると共に、記録用紙が斜めの状態で送られていれば当接した部分を支点にして記録用紙が回転し、記録用紙先端の全部が記録用紙先端規制手段に当接する(スキュー補正される)。その後、制御手段は、記録用紙先端規制手段を記録用紙通路から退避した開放位置に移動させると共に、一対の搬送ローラによって記録用紙を一旦所定量だけ逆送させ、その後記録用紙が画像形成位置に至るまで一対の搬送ローラを駆動する(例えば特許文献1参照)。
また、記録用紙ホッパから記録用紙をピックするピックローラと、該ピックローラによって繰り出された記録用紙を搬送する搬送ローラと、該搬送ローラによって搬送されてきた記録用紙先端を当接させて当該記録用紙のスキューを矯正するとともに印刷タイミングに同期させて前記記録用紙を画像転写部へ送り込むタイミングローラとを備えた記録用紙搬送装置において、前記タイミングローラの記録用紙ニップ圧を可変させる手段を備え、記録用紙が感光体ドラム及び転写ベルト間に挟み込まれる(即ち、記録用紙が画像転写部へ送り込まれる)タイミングで、タイミングローラのニップ圧を解除もしくは弱め、これにより、感光体ドラムと転写ベルトとのニップ部における記録用紙送り速度とタイミングローラでの記録用紙送り速度とに差が生じても、タイミングローラの規制を受けないようにして転写位置での画像かすれを防止することも既に提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開平05−085645号公報(段落0006〜0008、図2) 特開2000−025989号公報(段落0006〜0013、図1)
上述した従来の技術は次に述べるような種々の課題を残している。
即ち、特許文献1に開示された技術では、上述の記録用紙先端規制手段をそのスキュー補正位置と開放位置との間で変位させ得る可動支持機構や駆動源が必要となる。高速の給紙にも対応可能にするためには、これら可動支持機構や駆動源も相応の規模、精度、そして信頼性を備えたものが要求され、装置全体として複雑化し大型化が避けられない。またコストも嵩むことになる。更に、高速で給紙を行った場合、記録用紙先端規制手段によって記録用紙の先端が変形してしまい、次段のローラへの受け渡しが行えずに紙詰まり(所謂、紙ジャム)を生じてしまう虞がある。
一方、特許文献2に開示の技術では、タイミングローラにおけるニップ圧調整のために、図11を参照して既述のようなタイミングローラの各軸の回転速度を同期させ且つ接離動作を同期させての変位を可能にする可動支持機構が必要となる。この場合に生じる問題については、図12、図13を参照して前述したとおりである。このような問題を生じないようにするためには、相応の規模、精度、そして信頼性を備えた機構が要求され、装置全体として複雑化し大型化が避けられない。
特に、図13を参照して既述のように、タイミングローラの左右でニップ圧に差が生じてしまう虞を回避するためにはタイミングローラの軸の左右両端を完全に同期させて高精度に上下変位させなくてはならないが、要求精度を完全に満たす可動支持機構を製作することは極めて困難である。更に、高速での給紙にも対応可能にするためには、ニップの開放と形成とを短い周期で繰り返し得るだけの動作速度が要求され、この要求速度を満たせないと、記録用紙が不用意にタイミングローラを通過してしまう(図13について既述の現象と同様)。このため、余り高速化には適しない。また、仮に、高速動作が可能で且つ高信頼性の機構が実現されたとしても、大型化や、運転中の騒音や振動が大きくなるといった問題を惹起する虞がある。
本発明は、上述したような従来技術における課題に着目してなされたものであり、複雑な機構を必要とせず簡単な構成で先端合わせとスキュー補正とを行うことができ、且つ、この先端合わせとスキュー補正に関与する機構が搬送機構での記録用紙の搬送に対して無用な干渉を及ぼさず、記録用紙の搬送速度が一定していて信頼性が高く、且つ、制御や駆動に関する機構部についても簡素化を計ることのできるこの種の記録媒体搬送装置およびこの記録媒体搬送装置を備えた画像形成装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するべく、本願では次に列記するような技術を提案する。
(1)記録媒体を所定の待機位置から供給位置まで繰り出す記録媒体供給機構と、該記録媒体供給機構によって前記供給位置に繰り出された前記記録媒体の先端を受けて先端調整を行ってから当該記録媒体を挟持して後段に送り出すゲートローラ機構と、該ゲートローラ機構によって送り出された記録媒体を保持して所定の処理が施される処理位置に搬送する搬送機構とを備え、
前記ゲートローラ機構は、少なくとも1部が互いに接触してニップを形成し、前記記録媒体を前記ニップにより挟持して搬送可能な第1転接体及び第2転接体を有し、該第1転接体及び第2転接体は、両者が接触しニップ形成した状態で前記記録媒体の先端調整を行う停止位置から、当該第1転接体及び第2転接体の少なくとも一方を回動駆動させたときに、前記記録媒体を挟持して搬送可能なニップ形成状態からニップ開放に到るまでの有効搬送周長が、前記先端調整を行った前記記録媒体の先端が前記搬送機構の搬送力が作用する位置に達するまでの必要搬送距離以下に設定されていることを特徴とする記録媒体搬送装置。
上記(1)の装置では、ゲートローラ機構は、その停止位置において、記録媒体に対し先端合わせ及びスキュー補正等の先端調整を行い、次いで、第1転接体及び第2転接体の協働により記録媒体を搬送機構の搬送力が作用する位置に向けて搬送する。この搬送力が作用する位置に到達したタイミングでは第1転接体及び第2転接体の有効搬送周長は尽きて、記録媒体は先端合わせ及びスキュー補正が施された状態で搬送機構側で支配的に保持される。このため、複雑な機構を必要とせず簡単な構成で先端合わせとスキュー補正とを行うことができ、且つ、この先端合わせとスキュー補正に関与する機構部が搬送機構による搬送に対して無用な干渉を及ぼさず、記録用紙の搬送速度が一定した安定した搬送を行うことができる。
(2)前記第1転接体及び第2転接体の何れか一方が、その有効搬送周長を前記必要搬送距離以下に設定した断面扇状に形成されていることを特徴とする(1)の記録媒体搬送装置。
上記(2)の装置では、上記(1)の装置による作用に加えて、可動支持機構が必要とされず、構成が簡素化され、小型化や信頼性の向上が図られる。
(3)前記第1転接体及び第2転接体の何れか一方が、円周方向に大径部と小径部とを連接させて構成され、前記大径部はその有効搬送周長が前記必要搬送距離以下に設定されていることを特徴とする(1)の記録媒体搬送装置。
上記(3)の装置では、上記(1)の装置による作用に加えて、可動支持機構が必要とされず、構成が簡素化され、小型化や信頼性の向上が図られる。
(4)前記第1転接体及び前記第2転接体の何れか一方は、少なくとも外周部が弾性体で形成され、且つ前記第1転接体及び前記第2転接体の他方と接触するその有効搬送周長が前記必要搬送距離以下に設定された偏心ローラで構成されていることを特徴とする(1)の記録媒体搬送装置。
上記(4)の装置では、上記(1)の装置による作用に加えて、可動支持機構が必要とされず、構成が簡素化され、小型化や信頼性の向上が図られる。
(5)前記第1転接体及び第2転接体の何れか他方は、円形断面を有し中心軸で軸支されたローラで構成されていることを特徴とする(2)〜(4)の何れか一の記録媒体搬送装置。
上記(5)の装置では、上記(2)〜(4)の装置による作用に加えて、一層構成が簡素化される。
(6) 前記第1転接体及び第2転接体の双方が、少なくとも外周部が弾性体で形成された偏心ローラで構成され、両偏心ローラの互いに接触して記録媒体を挟持するそれらの有効搬送周長が前記必要搬送距離以下に設定されていることを特徴とする(1)の記録媒体搬送装置。
上記(6)の装置では、上記(1)の装置による作用に加えて、可動支持機構が必要とされず、構成が簡素化され、小型化や信頼性の向上が図られる。
(7)前記第1転接体及び前記第2転接体の何れか一方が、その複数回の回転による前記記録媒体に対する搬送距離の総和が前記有効搬送周長に相応するように成形されていることを特徴とする(1)の記録媒体搬送装置。
上記(7)の装置では、上記(1)の装置による作用に加えて、一層小型化が図られ、可動支持機構が必要とされず、構成が簡素化される。
(8)上記(1)〜(7)の何れかに記載の記録媒体搬送装置を使用して前記記録媒体を、液滴を吐出する液滴吐出ヘッド下に搬送し、搬送機構の送りに従ってインク滴を滴下して当該記録媒体に画像を形成するようにしたことを特徴とする画像形成装置。
上記(8)の装置では、上記(1)〜(7)の何れかに記載の装置による作用に加えて、搬送速度変動が無く、一定速度での記録媒体搬送が可能となるため、搬送速度変化によるインク滴着弾位置ズレが無い高品位の画像を形成することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。尚、以下に参照する各図においては、便宜上、説明の主題となる要部が適宜誇張して描かれている。
図1は本発明を適用した画像形成装置(本例ではインクジェット記録装置)の概要を示す側面図である。図中、1は箱型のケース体であって、このケース体1内の底部に記録媒体としての記録用紙2を多数枚収納する給紙カセット3が着脱自在に装着されている。この給紙カセット3の給紙側には、記録用紙2を1枚ずつ給紙する給紙コロ4が配設され、この給紙コロ4によって給紙される記録用紙2が上方に湾曲しながら延長し、中途部に搬送ローラ5を有する搬送経路6で案内されてケース体1の上下方向の中央部側まで搬送されるようになされている。
搬送経路6の上端には手差し用の給紙カセット7の給紙ローラ8から給紙される記録用紙2の給紙口が配設され、搬送経路6又は給紙カセット7から給紙される記録用紙2が所定の回動範囲で同記録用紙を挟んで少なくとも一部が相互に転接可能な第1転接体91と第2転接体92とを含んでなるゲートローラ機構90に向けて繰出される。
このゲートローラ機構90は、給紙カセット3又は給紙カセット7から給紙された記録用紙2の先端が自己のニップ部に当接することによってその先端合わせ及びスキュー補正が行われるが、これら先端合わせ及びスキュー補正が行われるタイミングでは所定の姿勢及び位置で実質的に静止した停止位置にあり(即ち、図示のような姿勢及び位置にあり)、記録用紙2の先端が接触してから一対のローラの何れか一方を図示しない電動機等で回転駆動することにより、記録用紙2の先端を搬送方向と直交する方向に一致させて記録用紙2を整列させて後段の搬送機構10へ受け渡す。
ゲートローラ機構90の手前側には、供給され移送される記録用紙2の先端を例えば光学的に検出する用紙通過センサ31が配設され、この用紙通過センサ31の検出出力を一つの条件として、後に図6を参照して説明するように、ゲートローラ機構90の動作が制御される。
この搬送機構10は、所定間隔を保って互いに平行に配設された駆動ローラ11及び従動ローラ12と、これら駆動ローラ11及び従動ローラ12間に張設され、その形状は幅広帯状で多数の透孔が形成され自己の外周面が搬送面として機能する搬送ベルト13と、この搬送ベルト13の張力を調整するテンションローラ14とを含んで構成されている。ここで、駆動ローラ11は図示しない電動機によって回転駆動され、従動ローラ12は記録用紙2の給紙側即ちゲートローラ機構90側に配設されている。
また、搬送機構10は、駆動ローラ11及び従動ローラ12間で搬送ベルト13の内側位置における駆動ローラ11及び従動ローラ12の中間部領域に亘って、空気を吸引する例えばサクションファンを内部に備えた空気吸引機構15がその空気吸引面を搬送ベルト13の内表面に接触するように配設され、この空気吸引機構15でその上方側の搬送ベルト13の透孔を通じて空気を吸引することにより、搬送ベルト13上に載置された記録用紙2を搬送ベルト13の上面に吸着保持して搬送する。ゲートローラ機構90によって搬出されて搬送ベルト13上に到達した記録用紙2は空気吸引機構15の吸引作用により、搬送ベルト13の上面に拘束される。
また、搬送機構10の空気吸引機構15に搬送ベルト13を介して対向する位置に、搬送ベルト13で吸着保持されて搬送される記録用紙2に僅かな間隔(例えば1mm前後)を保って対向する画像形成処理装置としての記録ヘッド部(インクジェットヘッド)16が固定配置されている。この記録ヘッド部16は、記録用紙2に対してブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタのインク液滴を吐出する6つのライン型の記録ヘッド16K、16C、16M、16Y、16LC、16LMが記録用紙2の搬送方向に所定間隔を保って配設されている。
各記録ヘッド16K〜16LMの夫々は、記録用紙2の搬送方向と直交する幅方向にインク液滴を吐出するノズルを微小間隔で多数配置した記録領域が形成され、ブラックの記録ヘッド16Kを除く残りの記録ヘッド16C〜16LMで吐出したインク液滴を記録用紙2上で重畳させることにより、カラー印刷を行うことができる。記録ヘッド16K〜16LMにはインクタンク17K〜17LMからブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタのインクが供給され、これらインクタンク17K〜17LMにおけるインクの交換は例えばケース体1の上面を開閉することにより行う。上述のような画像形成処理装置に対応する位置が、所定の処理たる記録用紙への画像形成処理(インクジェットプリント)が施される処理位置である。
さらに、搬送機構10の搬送ベルト13によって搬送された記録用紙2は駆動ローラ11側に達すると、駆動ローラ11より記録用紙2の搬送方向で、ケース体1の外側に配設された排紙スタッカ18に受け渡される。給紙コロ4、搬送ローラ5、ゲートローラ機構90、搬送機構10及び記録ヘッド16K〜16LMの各部の動作タイミングは、図示しないコントローラによって統括的に適切に制御される。
以上において、給紙コロ4、搬送ローラ5、搬送経路6、給紙ローラ8、及び、上述のコントローラの該当する機能部等によって、適用する記録媒体(記録用紙2)を所定の待機位置(給紙カセット3又は給紙カセット7に装填されている位置)から供給位置(ゲートローラ機構90の入り口側の位置)まで繰出す記録媒体供給機構が構成される。
図2は図1の装置におけるゲートローラ機構90の作用を説明するための要部拡大図である。図2の(a)部は記録用紙2の繰出方向先端部がゲートローラ機構90のニップ部に当接することによって同記録用紙2の先端合わせ及びスキュー補正が行われるタイミングでの様子を表し、図2の(b)部は上記タイミングよりも後の時点での様子を表している。次に、この図2をも適宜参照しつつゲートローラ機構90について更に詳述する。
即ち、ゲートローラ機構90は、所定の回動範囲で記録媒体を挟んで少なくとも一部が相互に転接する第1転接体91と第2転接体92とを含んでなり、これら第1転接体及び第2転接体のうちの少なくとも一のもの(図示の例では第1転接体91であるが、第2転接体92であってもよい)は記録用紙2の搬送方向先端部が既述の先端合わせ及びスキュー補正を受ける第1の位置から搬送ベルト13の搬送面に到達して保持され搬送機構10の搬送力が作用する第2の位置に到るまでの第1及び第2の位置間の必要搬送距離dと所定の対応関係を有する外周長(ローラ断面の周縁部の円弧についての円弧長)の有効搬送周面95を持つように成形されている。
茲に、所定の対応関係とは、有効搬送周面95の搬送方向に沿った外周長が上述の必要搬送距離dに略相応する(但しd以下の)長さであるときには、有効搬送周面95の部分を1回用いて搬送すれば、それによって記録用紙2を搬送可能な有効搬送周長が略必要搬送距離dに当たり、記録用紙2を第2の位置まで搬出し切ることができるため、略1対1の関係になる。また、有効搬送周面95の搬送方向に沿った外周長が上述の必要搬送距離dよりもずっと短く、有効搬送周面95をその回動によって複数n回用いて搬送したときに毎回の搬送の総和によって記録用紙2を搬送可能な有効搬送周長が略必要搬送距離dに当たるように第1転接体91が形成されているときには、略n対1の関係になる。但し、第1転接体91が既述の停止位置にあるときに、そのタイミングからでは直ちには記録用紙の搬送に寄与しないような図において時計方向に進んだ領域にまで搬送周面が拡大されて形成されている二点鎖線図示のような構成をとる場合には、上述の関係は略n対1とはならず、nよりも小さい適切な正の数値をmとするとき、略m対1となる。
図2の(a)部より容易に理解される通り、第1転接体及び第2転接体のうちの少なくとも一のもの(図示の例では第1転接体91)は図示しない例えば電動機のような適宜の駆動手段によって回転駆動され、その有効搬送周面95に対応する一の回動範囲(図示の例では概略52度程度の範囲)で自己に対応する第2転接体92(又は、上記一のものが第2転接体92である構成をとる場合には第1転接体91)と相互に記録用紙2を挟持しつつ転接する。また、上記一の回動範囲を超えた他の回動範囲では図2の(b)部より容易に理解される通り、当該転接が解除されるように成形されている。第1転接体91が図示のように時計方向に回転を持続すると、その有効搬送周面95が第2転接体92の周面との協働によって間歇的に記録用紙2を搬送する。尚、第1転接体及び第2転接体の何れか他方(図示の例では第2転接体92であるが、第1転接体91であってもよい)は、円形断面を有しその回転中心を軸94で軸支されたローラで構成されている。
以上の構成を有する実施形態の装置では、ゲートローラ機構90によって、記録用紙2に対しそれが既述の第1の位置にあるときに先端合わせ及びスキュー補正を行い、次いで、この記録媒体を、ゲートローラ機構90の第1転接体91及び第2転接体92において前記有効搬送周面95の回動範囲を1回以上用いて、搬送機構10の搬送面に到達して保持される第2の位置に到るまで搬送し、この搬送後のタイミングで第1転接体91及び第2転接体92のニップを解除して、記録用紙2を先端合わせ及びスキュー補正が施された状態で前記搬送機構10側で支配的に保持させる。
このため、複雑な機構を必要とせず簡単な構成で先端合わせとスキュー補正とを行うことができ、且つ、この先端合わせとスキュー補正に関与する機構部が搬送機構での記録用紙2の搬送に対して無用な干渉を及ぼさず、記録用紙の搬送速度が一定していて信頼性が高く、更に、ゲートローラ機構は一方向のみに回転すればよく、制御や駆動に関する機構部についても簡素化が図られたこの種の装置が具現される。
尚、ゲートローラ機構90は、第1転接体91及び第2転接体92が、軸心に交差する方向には変位しない夫々の軸93,94の周りに回動変位しつつ有効搬送周面95の範囲で所定のニップを形成しつつ相互に記録用紙2を挟んで転接するように構成されている。このため、可動支持機構が必要とされず、構成が簡素化され、小型化や信頼性の向上が図られる。
図3は、図2のゲートローラ機構90中、第1転接体91の各部の寸法関係について説明するための図である。図示の第1転接体91は、その軸93に直交する平面での断面が概略扇状をなし、その扇状の要に軸93が位置して、この例ではその広がりが概略52度である。その有効搬送周面95に相応する部分については、半径Rの円弧状をなし、その円弧長(従って、有効搬送周面95の搬送方向に沿った外周長)Lが既述の必要搬送距離dと略等しく(但しd以下)なるように成形されている。
図より容易に理解される通り、第1転接体91が、自己の軸93の周りの第1の角度範囲(既述の概略52度の範囲)が有効搬送周面95をなすように相対的に大径(半径R)の大径部として形成され、同軸93周りのこの第1の角度範囲を除く第2の角度範囲(概略308度の範囲)が相対的に小径(半径r)の小径部96として形成されている。
図4は、他の実施形態の要部を表す図である。この実施形態では、図示の要部、即ち第1転接体91a、以外の部分については、図1乃至図3を参照して説明した実施形態と同様である。図2、図3の実施形態の第1転接体91がその軸93に直交する平面での断面が概略扇状をなすものであるのに対し、この図4のものは、同断面が、一部の周縁部が切り欠かれた円形をなしている。その円形の中心に同心に軸93aが位置して、この例ではその大径部の広がりが概略280度である。
その有効搬送周面95aに相応する部分は半径Rの円弧状をなし、その外周長(従って、有効搬送周面95aの搬送方向に沿った外周長)Lが既述の必要搬送距離dと等しくなるように成形されている。図より容易に理解される通り、第1転接体91aが、自己の軸93aの周りの第1の角度範囲(既述の概略280度の範囲)が有効搬送周面95aをなすように相対的に大径(半径R)の大径部として形成され、同軸93周りのこの第1の角度範囲を除く第2の角度範囲(概略80度の範囲)が相対的に小径(半径r)の小径部96として形成されている。即ち、この例における第1転接体91aは、円周方向に大径部と小径部とを連接させて構成され、前記大径部はその有効搬送周長が前記必要搬送距離以下に設定されている。
この図4の実施形態でも、第1転接体91aは有効搬送周面95aに対応する一の回動範囲(既述の概略280度の範囲)で、この図では図示省略された第2転接体と相互に記録用紙2を挟持しつつ転接する。また、上記一の回動範囲を超えた他の回動範囲(概略80度の範囲)では当該転接が解除される。第1転接体91aが図示のように時計方向に回転を持続すると、その有効搬送周面95aが第2転接体の周面との協働によって周期的に乃至は間歇的に記録用紙2を搬送する。
図5は、更に他の実施形態を表す図である。この実施形態についても、図示の要部、即ち、第1転接体91b部以外の部分については、図1乃至図3を参照して説明した実施形態と同様である。図2、図3の実施形態の第1転接体91がその軸93に直交する平面での断面が概略扇状をなすものであるのに対し、この図5のものは、第1転接体91bが、少なくとも自己の軸93b周りの第1の角度範囲の周面は弾性体で形成された有効搬送周面95bをなし、第2転接体92bの対応する周面部と相互に当該記録媒体を挟んでニップを形成しつつ転接するように偏心して軸93bに軸支されている。即ち、この実施形態では、第1転接体及び前記第2転接体の何れか一方は、少なくとも外周部が弾性体で形成され、且つ前記第1転接体及び前記第2転接体の他方と接触するその有効搬送周長が前記必要搬送距離以下に設定された偏心ローラで構成されている。尚、図示の例では第2転接体92bは偏心せず、その円形断面中心位置で軸94bに軸支されたローラで構成されている。
図5の(a)部に表された状態は、第1転接体91bと第2転接体92bとが弾性変形による相対的に大きなニップ部をもって転接した(或いは、この姿勢及び位置で静止した)タイミングにおけるものであり、この状態で記録用紙2を搬送する(或いは、静止状態で、記録用紙2の繰出方向先端部がこのニップ部に当接することによってその先端合わせ及びスキュー補正が行われる)。
図5の(b)部は、ローラの回転位相が進んで第1転接体91bと第2転接体92bとがニップを解除する状態に到るタイミングを表している。図5の(c)部は、ローラの回転位相が、更に進んで、第1転接体91bと第2転接体92bとが大きく離間した状態に到ったタイミングを表している。
図5の(a)〜(c)の動作の推移から理解される通り、第1転接体91bと第2転接体92bとは(a)の状態(タイミング)でローラの弾性変形が最大となって上述のニップ部の周方向の幅は最大となり、この前後のタイミングでは、弾性変形は漸減してニップ部はこれより次第に幅狭となる傾向を呈するようになる。即ち、ローラはその弾性変形量の推移に応じてニップ圧力が徐々に変化しながら転接するが、この転接が保たれる回動区間に相応する第1転接体91bの周面が本例における有効搬送周面95bに略該当している。
尚、図示は省略するが、図5の実施形態におけるように、第1転接体及び前記第2転接体の何れか一方を偏心ローラで構成し、且つ、これに対応する他方の転接体をその回転中心が軸支された偏心していないローラで構成するに替えて、第1転接体及び前記第2転接体の双方ともを偏心ローラで構成してもよい。即ち、第1転接体及び第2転接体の双方が、少なくとも外周部が弾性体で形成された偏心ローラで構成され、両偏心ローラの互いに接触して記録媒体を挟持するそれらの有効搬送周長が前記必要搬送距離以下に設定されているような実施形態とすることも可能である。このような実施形態においても、図5を参照して説明した実施形態と略同様の作用効果を奏する。
ゲートローラ機構90を図2、図4、又は、図5のように構成することにより、装置としての構成は極めて簡素化され、耐久性、信頼性が向上する。また、これら、図2、図4、又は、図5のものと相似的な形状を有しながらその大きさを適宜のものとなるように成形して、第1転接体の有効搬送周面の外周長のk(kは1より大きい数)倍が前記第1及び第2の位置間の距離dに略等しい(但しd以下の)関係にあるようにすれば、既述の利点に加えて、更に、小型化について顕著な特徴を持つものとなる。
図6は実施形態の装置における動作を表すフローチャートである。動作の当初に、ゲートローラ機構90の両ローラが、図1、又は、その要部拡大図である図2(a)に表されたような位置、即ち、ゲートローラ機構90の両ローラが接触してニップが形成される停止位置にあるか否かが図示されない適宜の検出手段乃至認識手段によって弁別される(s1)。ここで、両ローラが上述の停止位置に到らずニップが未だ開放状態にあると弁別されたときには、ゲートローラ機構90の両ローラをそれらが接触してニップが形成される停止位置まで回転させる(s2)。
ステップS1でゲートローラ機構90の両ローラが接触してニップが形成されていると弁別されたときには、図1を参照して説明した用紙通過センサ31の検出出力が“ON”になるのを待機する(s3)。ステップS3で用紙通過センサ31の検出出力が“ON”になったタイミング後、記録用紙2がゲートローラ機構90に到達するまでの時間T1の間、ゲートローラ機構90は現状を維持して待機する(s4)。
ステップS4での待機中、図1を参照して説明した給紙カセット3から給紙する場合には搬送ローラ5が、また一方、手差し用の給紙カセット7から給紙する場合には給紙ローラ8が回転を継続して、記録用紙を繰出し続ける(s5)。従って、繰出された記録用紙2はその先端縁がゲートローラ機構90のニップ部に突き当たり、このようにして突き当たった第1の位置で先端合わせとスキュー補正とを受けることになる。ステップS4で時間T1の計時が満了すると搬送ローラ5(又は給紙ローラ8)はニップを開放しその繰出し動作を停止する(s6)。
ステップS6のタイミングに次いで、ゲートローラ機構90が回転を始め、図2乃至図5を参照して説明したローラの有効搬送周面によって記録用紙2を搬送機構10の搬送ベルト13に向けて搬送する(s7)。この搬送は、専らゲートローラ機構90によって、記録用紙2が搬送ベルト13に到達して保持される既述の第2の位置に到るまで継続される(s8)。
記録用紙2が当該第2の位置に到達するタイミングでは、ゲートローラ機構90はニップを開放し既述の有効搬送周面によって記録用紙2を搬送する動作を停止する(s9)。即ち、記録用紙2が搬送ベルト13に到達して保持される位置まで搬送されてしまえば、ゲートローラ機構90は記録用紙2を拘束しない状態に到っているため、ゲートローラ機構90のローラによる搬送速度と搬送ベルト13による搬送速度とを合わせる必要がなく、制御回路が簡素化される。ステップS9の後、用紙通過センサ31の検出出力が“OFF”(記録用紙通過完了)になるのを待機する(s10)。
ステップS10で用紙通過センサ31の検出出力が“OFF”になったことが弁別されてから記録用紙2が実際にゲートローラ機構90を通過し終わるまでの時間T2経過後、このタイミングでゲートローラ機構90を再度その両ローラが接触してニップが形成される回動位置まで回転させる(s11)。ステップS11の後、適宜の画像形成処理枚数認識手段によって予定の画像形成処理枚数の処理が終了したか否かが弁別され、処理が終了している場合にはこれで装置としての動作を終了し、他方、終了していないと弁別されたときにはステップS3に戻る(s12)。
以上を総じて、本願にて提案の技術は、この種の記録媒体搬送装置を組み込んだ各種のプリンタ、コピー機、ファクシミリ機等の種々の機器に適用して有効である。
本発明を適用した画像形成装置(本例ではインクジェット記録装置)の概要を示す側面図である。 図1の装置におけるゲートローラ機構の作用を説明するための要部拡大図である。 図2のゲートローラ機構中、第1転接体の各部の寸法関係について説明するための図である。 本発明の他の実施形態の要部を表す図である。 本発明の更に他の実施形態を表す図である。 実施形態の装置における動作を表すフローチャートである。 一般的な画像形成装置において、記録媒体の先端合わせを行う必要があることを説明するための概念図である。 一般的な画像形成装置において、記録媒体のスキュー補正が必要とされることを説明するための概念図である。 記録用紙の搬送系に先端合わせとスキュー補正とを施すためのゲートローラを配設した従来の技術を表す図である。 図9の技術によって記録用紙に対する先端合わせとスキュー補正とを行う場合の問題点を説明するための図である。 図10を参照して説明した問題を解決する従来の方法について説明するための図である。 図11を参照して説明した方法における問題を説明するための図である。 図12のようなゲートローラを適用した場合の問題点を説明するための図である。
符号の説明
1…ケース体、2…記録用紙、3…給紙カセット、4…給紙コロ、5…搬送ローラ、6…搬送経路、7…給紙カセット、8…給紙ローラ、10…搬送機構、11…駆動ローラ、12…従動ローラ、13…搬送ベルト、14…テンションローラ、15…空気吸引機構、16…記録ヘッド部(インクジェットヘッド)、31…用紙通過センサ、90…ゲートローラ機構、91…第1転接体、92…第2転接体、93…軸、94…軸、95…有効搬送周面

Claims (8)

  1. 記録媒体を所定の待機位置から供給位置まで繰り出す記録媒体供給機構と、該記録媒体供給機構によって前記供給位置に繰り出された前記記録媒体の先端を受けて先端調整を行ってから当該記録媒体を挟持して後段に送り出すゲートローラ機構と、該ゲートローラ機構によって送り出された記録媒体を保持して所定の処理が施される処理位置に搬送する搬送機構とを備え、
    前記ゲートローラ機構は、少なくとも1部が互いに接触してニップを形成し、前記記録媒体を前記ニップにより挟持して搬送可能な第1転接体及び第2転接体を有し、該第1転接体及び第2転接体は、両者が接触しニップ形成した状態で前記記録媒体の先端調整を行う停止位置から、当該第1転接体及び第2転接体の少なくとも一方を回動駆動させたときに、前記記録媒体を挟持して搬送可能なニップ形成状態からニップ開放に到るまでの有効搬送周長が、前記先端調整を行った前記記録媒体の先端が前記搬送機構の搬送力が作用する位置に達するまでの必要搬送距離以下に設定されていることを特徴とする記録媒体搬送装置。
  2. 前記第1転接体及び第2転接体の何れか一方が、その有効搬送周長を前記必要搬送距離以下に設定した断面扇状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体搬送装置。
  3. 前記第1転接体及び第2転接体の何れか一方が、円周方向に大径部と小径部とを連接させて構成され、前記大径部はその有効搬送周長が前記必要搬送距離以下に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体搬送装置。
  4. 前記第1転接体及び前記第2転接体の何れか一方は、少なくとも外周部が弾性体で形成され、且つ前記第1転接体及び前記第2転接体の他方と接触するその有効搬送周長が前記必要搬送距離以下に設定された偏心ローラで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体搬送装置。
  5. 前記第1転接体及び第2転接体の何れか他方は、円形断面を有し中心軸で軸支されたローラで構成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1つに記載の記録媒体搬送装置。
  6. 前記第1転接体及び第2転接体の双方が、少なくとも外周部が弾性体で形成された偏心ローラで構成され、両偏心ローラの互いに接触して記録媒体を挟持するそれらの有効搬送周長が前記必要搬送距離以下に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体搬送装置。
  7. 前記第1転接体及び前記第2転接体の何れか一方が、その複数回の回転による前記記録媒体に対する搬送距離の総和が前記有効搬送周長に相応するように成形されていることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体搬送装置。
  8. 前記請求項1乃至7の何れかに記載の記録媒体搬送装置を使用して前記記録媒体を、液滴を吐出する液滴吐出ヘッド下に搬送し、搬送機構の送りに従ってインク滴を滴下して当該記録媒体に画像を形成するようにしたことを特徴とする画像形成装置。
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