JP2006068647A - 粉粒体の磁気分離装置 - Google Patents

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原 英 治 藤
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Abstract

【課題】特にサイズ1mm、あるいはそれ以下のクラスの粉粒体であって、しかも磁化率10−2〜10−4、あるいはそれ以下のクラスの常磁性体の粉粒体の磁気分離を、水溶することなく乾式で、機械的運動部分の無い簡単な構造で、しかも連続的な運転を可能にする粉粒体の磁気分離装置を提供する。
【解決手段】一方の磁極面が垂直に配置された磁石と、前記磁極面から離れて平行に配置された管状の粉粒体分離部と、前記管状の粉粒体分離部の上側に配置された粉粒体供給部と、前記管状の粉粒体分離部の下側に配置され、分離壁を備えた粉粒体回収部とからなり、前記分離壁の上端は前記管状の粉粒体分離部の管壁の、前記磁極面に面する側の下端に連接され、前記管状の粉粒体分離部の管壁は、前記磁石の、下端に面する部分又は中心部に面する部分を含む開口部を有し、前記磁石は好ましくは超電導バルク磁石であることを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、粉粒体の磁気分離装置に係り、特に常磁性体粉粒の連続乾式分離を可能にする粉粒体の磁気分離装置に関するものである。
磁気分離技術は、磁化率の異なる2種類の対象物の混合物がある場合に、外部の磁場発生源から磁場を印加して、対象物の磁化率の違いを利用して、特定の種類の対象物に他の種類の対象物と異なる磁気力を与えることにより、前者を後者から分離する技術であり、乾式と湿式がある。
乾式分離法は、廃車スクラップからの鉄屑回収の場合のように、対象物の混合物を空気中で直接分離するもので、大型の対象物の場合、重力を打ち消す位強力な磁気力が得られる強磁性体(鉄屑)を、磁気力が全くあるいは殆ど得られない、プラスチック、非鉄金属などからなる対象物から分離する。
これに対して、粉粒体と呼ばれる、サイズの小さい対象物の混合物の場合は、対象物の空気中での拡散による再混合が問題になる。
拡散による再混合の程度は、特にサイズの小さい、1mm以下の粉体と呼ばれる対象物の場合に甚だしい。
ここで、対象物とする粉粒体が強磁性体(磁化率1〜10)であるならば、ある程度の強磁場を印加すると、拡散による混合を打ち消す位強力な磁気力が得られるので、同じ強磁場において磁気力が全くあるいは殆ど得られない粉粒体から分離できる。
しかし、対象物とする粉粒体、特に粉体であって、例えば磁化率10−2〜10−4の常磁性体の場合、通常得られる強磁場下においては、磁気力が拡散に打ち勝てないので、磁化率10−5以下の常磁性体もしくは磁化率が負値を示す反磁性体からなる他の粉粒体からの分離が困難である。
以下本発明では、便宜上、「磁性粉」「非磁性粉」とは、これら「磁化率10−4〜10−2の常磁性体」の粉粒体、「磁化率10−5以下の常磁性体、もしくは磁化率が負値を示す反磁性体」の粉粒体を各々指すものとする。
図1を参照して、このような従来技術により、磁性粉を非磁性粉から磁気分離する場合を説明する。
従来の粉粒体の磁気分離装置では、磁石60は永久磁石、電磁石、又は超電導コイル磁石であって、脚部69上に載置された駆動系・冷却系などを含む磁石運転系68の一部をなして、その端部に、垂直な磁極面61に接して配置され、磁極面から直角に磁束密度線12を発生する。
このような磁石60の磁束密度は、図3において曲線(C)で示すように、周縁部を除いて磁極面全体で略一様であり、その結果、図1に示すように磁束密度線12が磁極面から略等間隔で水平方向に発生し、磁極面から遠ざかるにつれて上下方向に拡がりながら粉粒体分離部を貫通する。
粉粒体供給部20は漏斗状をなし、磁性粉1と非磁性粉2の混合物を収容し、下方に備えた開口部に接続された粉粒体分離部に前記混合物を供給する。
粉粒体分離部は、粉粒体供給部20に接続され、略、磁石60の上端の高さまで下方に延伸された管と、その下方の、磁極面に面する開放空間からなり、管の管壁は、磁極面に近い部分31と遠い部分32を含む。
粉粒体回収部40は、分離壁42と、分離壁で仕切られた磁性粉回収部43及び非磁性粉回収部44とからなり、分離壁は管壁31の略、直下に配置され、分離壁の上端は略、磁石60の下端の高さまで延伸されている。
粉粒体供給部20内の磁性粉1と非磁性粉2は共に重力により、鉛直方向に落下すると同時に、空気中での拡散により水平方向に分散し、さらに磁性粉は磁束線に沿って働く磁力により、概ね磁極面に向かって引き付けられる。
このような状態で装置を動作させると、磁性粉1の内、管壁32に近いものの一部は磁性粉1bのように非磁性粉回収部44に混入する可能性がある。
他方、非磁性粉2の内、管壁31に近いものの一部は必ず拡散により非磁性粉2bのように磁性粉回収部43に混入する。
磁性粉1bの混入を防ぐためには、管壁32側から出発した磁性粉が、拡散力に抗して分離壁の上端で磁性粉回収部43側に来るように十分強い磁力を与える必要があるが、管壁31側から出発した磁性粉は一般にそれより強い磁力を受け、磁性粉1aのように加速されて磁極面にぶつかり磁着を起こすので、混入(1b)も磁着(1a)も生じない条件を見出すのは困難である。
他方、磁性粉2bの混入を防ぐためには、分離壁42の位置を管壁31よりも磁極面の近くに移動する必要があるが、そうすると、磁性粉の混入を防ぐ条件を見出すのが一層困難になる。
そこで、このような場合には湿式が用いられる場合がある。
湿式では、対象物の混合物を水などの溶液に溶解又は懸濁させて、高勾配の磁場中で磁性金属フィルタを通して、常磁性体(磁化率の比較的高い対象物)を、非磁性体(磁化率の比較的低い、又は実質的にゼロの対象物)から分離する。
しかし、湿式は、水分、湿気を嫌う粉粒体(例えば、医薬品、ホウ化物原料、窒化物原料)の場合には、適用できない。
また、適用できる場合でも、磁性フィルタという閉鎖空間には、分離した粉粒体(の集合)が徐々に蓄積して目詰まりを起こすので、連続運転ができない。
特許文献1には、粉粒体のサイズを予め分級器(ふるい)7により、大小に2分して一方をベルトコンベヤ8で移送して別々の磁気分離装置1、1にかけ、各々を開放空間で落下させ、その際各々最適の磁場を印加する技術が開示されている。
しかし、この技術によれば、分級器、ベルトコンベヤ、複数の磁気分離装置などの複数の装置が必要になり、特に、ベルトコンベヤという運動装置が必要になる上、それでも上記のような拡散による混入を防ぎきれない、という問題がある。
また特許文献2には、ベルトコンベヤの一方の回転軸の駆動輪として環状の磁石12を配し、混合物21をベルトコンベヤの上部に供給して移送し、駆動輪に沿って下降させ、ベルトコンベヤの向きが垂直になった所で、(非)磁性粉粒22を落下させ、駆動輪の下部で、(弱)磁性粉粒23を分離落下させる技術が開示されている。
しかし、この技術によれば、ベルトコンベヤという機械的運動装置が必要になる上に、駆動輪として、側面方向に強磁場を発生するため複雑な構造を必要とし、しかも駆動輪としての強度を有する磁石が必要になる、という問題がある。
さらに、ベルトコンベヤに磁着した磁性粉粒を再び剥ぎ取って集めることは必ずしも容易ではない。
特開平09−075774号公報 特開2003−062483号公報
従って本発明は、粉粒体の磁気分離における上記の諸問題を解決するためになされたものであり、特に従来困難であった、比較的小さい、サイズ1mm、あるいはそれ以下のクラスの粉粒体、即ち粉体であって、しかも磁化率10−2〜10−4、あるいはそれ以下のクラスの常磁性体の粉粒体の磁気分離を、水溶することなく乾式で、機械的運動部分の無い簡単な構造で、しかも連続的な運転を可能にする粉粒体の磁気分離装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による粉粒体の磁気分離装置は請求項1に記載のとおり、一方の磁極面が垂直に配置された磁石と、前記磁極面から離れて平行に配置された管状の粉粒体分離部と、前記管状の粉粒体分離部の上側に配置された粉粒体供給部と、前記管状の粉粒体分離部の下側に配置され、分離壁を備えた粉粒体回収部とからなり、前記分離壁の上端は前記管状の粉粒体分離部の管壁の、前記磁極面に面する側の下端に連接され、前記管状の粉粒体分離部の管壁は、前記磁石の下端に面する部分を含む開口部を有することを特徴とする。
また上記目的を達成するため、本発明による粉粒体の磁気分離装置は請求項2に記載のとおり、一方の磁極面が垂直に配置された磁石と、前記磁極面から離れて平行に配置された管状の粉粒体分離部と、前記管状の粉粒体分離部の上側に配置された粉粒体供給部と、前記管状の粉粒体分離部の下側に配置され、分離壁を備えた粉粒体回収部とからなり、前記分離壁の上端は前記管状の粉粒体分離部の管壁の、前記磁石の磁極面に面する部分の下端に連接され、前記管状の粉粒体分離部の管壁は、前記磁極面の中心に面する部分を含む開口部を有することを特徴とする。
また、請求項3に記載のとおり、前記管状の粉粒体分離部は、前記管壁の開口部の上端から延伸され、前記磁石の磁極面に沿って下降する磁着防止壁を有することを特徴とする。
また、請求項4に記載のとおり、前記磁石は単数または複数の超電導バルク磁石からなることを特徴とする。
本発明による粉粒体の磁気分離装置によれば、水溶することなく乾式で、機械的運動部分の無い簡単な構造で、しかも連続的な運転が可能な形で、サイズ1mm、あるいはそれ以下のクラスの粉粒体の集合の中で、磁性粉(磁化率10−2〜10−4、あるいはそれ以下のクラスの常磁性体の粉粒体)を、非磁性粉(磁化率10−5以下の常磁性体、もしくは磁化率が負値を示す反磁性体の粉粒体)から分離することができる。
以下、本発明に係る実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図2を参照すると、本発明の実施例1では、磁石60は永久磁石、電磁石、又は超電導コイル磁石であって、脚部69上に載置された駆動系・冷却系などを含む磁石運転系68の一部をなして、その端部に、垂直な磁極面61に接して配置され、磁極面から直角に磁束密度線12を発生する。
このような磁石60の磁束密度Bの分布は、図3において曲線(C)で示すように、周縁部を除いて磁極面全体で略一様であり、その結果、図2に示すように磁束密度線12が磁極面から略、等しい間隔で水平方向に発生し、磁極面から遠ざかるにつれて上下方向に拡がりながら管状の粉粒体分離部を貫通する。
粉粒体供給部20は漏斗状をなし、磁性粉1と非磁性粉2の混合物を収容し、下方に備えた開口部に接続された管状の粉粒体分離部に前記混合物を供給する。
管状の粉粒体分離部は、粉粒体供給部20に接続され、磁極面11から離れて平行に配置され、磁極面の下端を越えて下方に延伸された管からなり、管の管壁は、磁極面に近い部分31と遠い部分32を含み、さらに管壁31は開口部34を備える。
管壁の内側は粉粒の衝突に対して非弾性的であり、かつ磁性粉の衝突に対して磁着し難い材質からなる。
開口部34は磁石60の下端に面する部分を含む、即ち、開口部の上端と下端は磁石60の下端より各々上方、下方にある。
粉粒体回収部40は、分離壁42と、分離壁で仕切られた磁性粉回収部43及び非磁性粉回収部44とからなり、分離壁は管壁31の略、直下に配置され、分離壁の上端は管壁31の開口部の下端の高さまで延伸されて、管壁31に連接されている。
また、管壁31の開口部の上端からは、管壁と同じく、非弾性的で、かつ磁性粉の衝突に対して磁着し難い材質からなる磁着防止壁33、35が磁極面を覆うように斜め下方に延伸されている。
粉粒体供給部20内の磁性粉1と非磁性粉2は共に重力により、鉛直方向に落下すると同時に、空気中での拡散により水平方向に分散し、さらに磁性粉は磁束線に沿って働く磁力により、概ね磁極面に向かって引き付けられる。
より詳しくは、磁性粉に働く磁力の大きさは、磁性粉の瞬間的位置ごとに、磁性粉の磁化率kと、磁束密度の最大変化方向に沿って測った勾配dB/dsと、磁場強度H、即ち磁束密度B、との積、k・B・dB/dsに比例し、磁性粉に働く磁力の方向はその位置での磁束密度の最大変化方向になる。
従って、磁力は、磁束密度が一様な、磁極面の中央部よりも、磁束密度と磁束線の方向が急激に変化する、磁極面の周縁部の方が大きい。
管の内部では、磁性粉、非磁性粉共に水平方向の運動は、管壁との非弾性衝突により、反発することなく抑制され、磁性粉の磁着も殆どないので、磁性粉、非磁性粉共に重力により、概ね垂直下方に運動する、即ち、落下する。
磁性粉、非磁性粉が開口部34に到達すると、磁性粉は磁極面に向かう磁力成分により、開口部から管の外部に出て分離壁42の磁性粉回収部43側に落下する。
開口部の寸法は、開口部の上端の高さで管壁32側から出発した磁性粉でも、磁力により加速されて開口部の下端、即ち分離壁の上端に到達できるように取る。
非磁性粉も開口部において、拡散により磁性粉回収部に若干混入するが、開口部の寸法は磁極面全体に比べて小さいので、混入を最小限に抑えることができる。
磁着防止壁33、35により、開口部の上端の高さで管壁31側から出発した磁性粉が磁極面に磁着する恐れがないので、このような開口部の設計はさらに容易になる。
図4を参照すると、本発明の実施例2では、磁石は超電導バルク磁石10であって冷却ステージ15に密着され、冷却ステージと、冷却ステージに連接する冷却伝熱体17と共に真空容器16に収容され、脚部19上に載置された冷凍機18に結合されている。
超電導バルク磁石10は真空容器の端部に、垂直な磁極面11に接して配置されており、真空・超低温下で、別途の手段により着磁され、磁極面から直角に磁束密度線12を発生する。
図4において、磁石以外の部分の構成は、上記実施例1の場合と同じである。
ただし、非磁性粉の混入を防止するため、分離壁42の位置は、管壁31の直下ではなく、磁極面に近づけてある。
超電導バルク磁石10の磁束密度Bの分布は、図3において曲線(S)で示すように、中心部(半径r〜0)で大きく、周縁部(半径r→R)に向かって減少している。
その結果、図4に示すように磁束密度線12が磁極面11の中心部で密に、周縁部ほど疎に水平方向に発生し、磁極面から遠ざかるにつれて上下方向に拡がる。上下方向への拡がりの程度は、磁極面での磁束密度分布が均等な従来の磁石の場合よりも、急激である。
また、磁束密度Bの大きさは周縁部を除き、従来の磁石の場合より大きく、従来の磁石では、例えば永久磁石の場合0.3テスラ、電磁石の場合、最大2テスラ程度であるのに対して、超電導バルク体の場合、ピーク値Bpeakを磁極面上では3テスラ以上に上げることができる。
しかし、超電導バルク体の場合、ピーク値Bpeakは磁極面を離れると急激に減衰する。
磁性粉に働く磁力の大きさは、磁性粉の磁化率kと、磁束密度の磁束線に沿って測った勾配dB/dsと、磁場強度H、即ち磁束密度B、との積、k・B・dB/dsに比例するので、本実施例における磁力は、磁極面上では磁極面の中心線から少し離れたところで最大になり、磁極面から離れるにつれて、磁力の最大になる箇所は磁極面の中心線から離れて磁極面の周縁部へ移っていく。
従って、磁性粉が管の内部及び開口部で受ける磁力の総和(積分値)は、管壁と磁極面との距離などに依存するが、一般に上記実施例1の場合よりも大きい。
これは、同じサイズのクラスの粉粒体であれば、より効率的に磁性粉を非磁性粉から分離でき、実施例1の場合では分離が困難な小さいサイズのクラスの粉粒体の分離が可能になる、ことを意味する。
図5を参照すると、本発明の実施例3は上記実施例2の変形であって、開口部34は、管壁31だけではなく管壁32を含む管壁の全体に及ぶ。
即ち、管状の粉粒体分離部の管壁が磁石10の下端より低くない箇所で切断されており、その下方は、分離壁42の上端に至るまで開放空間をなしている。
なお本実施例では上記実施例2と異なり磁着防止壁33、35を省いてある。
本発明の分離効果を実証する実験結果の一例を本実施例の場合について示す。
実験に用いた粉粒体及び磁気分離装置の詳細は表1の通りである。
Figure 2006068647
表1に示すように、磁極面と磁極面に近い側の管壁との距離d、及び磁極面と分離壁の距離Lを実験変数として分離効果を実測した結果は表2の通りである。
Figure 2006068647
実験1、2によれば、管の位置と分離壁の位置が同じ(d=L)場合は、それらを磁極面に近づけることにより、磁性粉の非磁性粉回収部への混入を激減できることが実証された。
実験2、3によれば、管の位置より分離壁の位置を磁極面に近づけることにより、非磁性粉の磁性粉回収部への混入を激減できることが実証された。
図6を参照すると、本発明の実施例4では、磁石は上記実施例2、3と同じく超電導バルク磁石10であって、冷却ステージ15に密着され、冷却ステージと、冷却ステージに連接する冷却伝熱体17と共に真空容器16に収容され、脚部19上に載置された冷凍機18に結合されている。
超電導バルク磁石10は真空容器の端部に、垂直な磁極面11に接して配置されており、真空・超低温下で、別途の手段により着磁され、磁極面から直角に磁束密度線12を発生する。
粉粒体供給部20は漏斗状をなし、磁性粉1と非磁性粉2の混合物を収容し、下方に備えた開口部に接続された管状の粉粒体分離部に前記混合物を供給する。
管状の粉粒体分離部は、粉粒体供給部20に接続され、磁極面11から離れて平行に配置され、磁極面の下端を越えて下方に延伸された管からなり、管の管壁は、磁極面に近い部分31と遠い部分32を含み、さらに管壁31は開口部34を備える。
管壁の内側は粉粒の衝突に対して非弾性的であり、かつ磁性粉の衝突に対して磁着し難い材質からなる。
開口部34は磁極面11の中心に面する部分を含む、即ち、開口部の上端と下端は磁極面11の中心を挟んで各々上方、下方にある。
粉粒体回収部40は、分離壁42と、分離壁で仕切られた磁性粉回収部43及び非磁性粉回収部44とからなり、分離壁は管壁31の直下よりも磁極面に近い位置に配置され、分離壁の上端は管壁31の開口部の下端の高さまで延伸されて、管壁31に連接されている。
また、管壁31の開口部の上端からは、管壁と同じく、非弾性的で、かつ磁性粉の衝突に対して磁着し難い材質からなる磁着防止壁33、35が磁極面を覆うように斜め下方に延伸されている。
粉粒体供給部20内の磁性粉1と非磁性粉2は共に重力により、鉛直方向に落下すると同時に、空気中での拡散により水平方向に分散し、さらに磁性粉は磁束線に沿って働く磁力により、概ね磁極面に向かって引き付けられる。
より正確にいうと、磁性粉に働く磁力の大きさは、磁性粉の瞬間的位置ごとに、磁性粉の磁化率kと、磁束密度の磁束線に沿って測った勾配dB/dsと、磁場強度H、即ち磁束密度B、との積に比例するので、本実施例における磁力は垂直方向に関して、磁極面に近いところでは磁極面の中心線から少し離れたところで最大になり、しかもこの部分では磁束密度Bが磁極面から離れるにつれて急激に減衰するので、水平方向(磁極面に向かう方向)の勾配dB/ds、従って水平方向の磁力も大きい。
管の内部では、磁性粉、非磁性粉共に水平方向の運動は、管壁との非弾性衝突により、反発することなく抑制され、磁性粉の磁着も殆どないので、磁性粉、非磁性粉共に重力により、概ね垂直下方に運動する、即ち、落下する。
磁性粉、非磁性粉が開口部34に到達すると、磁性粉は磁極面に向かう磁力により、開口部から管の外部に出て分離壁42の磁性粉回収部43側に落下する。
非磁性粉も開口部において、拡散により磁極面に向かうものがあるが、開口部の寸法は磁極面全体に比べて小さいので、この拡散距離は僅かである。
しかも、分離壁34の位置を磁極面に近づけてあるので、混入を殆ど無くすることができる。
開口部34の寸法は、開口部の上端の高さで管壁32側から出発した磁性粉でも、磁力により加速されて開口部の下端、即ち分離壁の上端に到達できるように取る。
本実施例の場合、開口部34は超電導バルク体の磁極面の中央部に面しているので、上記のように磁束密度、磁束密度の勾配ともに大きく、両者の相乗効果により開口部で磁性粉に対して働く磁力は上記実施例2の場合よりも大きく、磁着防止壁33、35により、開口部の上端の高さで管壁31側から出発した磁性粉が磁極面に衝突、磁着する恐れがないので、このような開口部の設計はさらに容易になり、磁性粉の分離精度はさらに向上できる。
本発明による粉粒体の磁気分離装置によれば、水溶することなく乾式で、機械的運動部分の無い簡単な構造で、しかも連続的な運転が可能な形で、サイズ1mm、あるいはそれ以下のクラスの粉粒体の集合の中で、磁性粉(磁化率10−2〜10−4、あるいはそれ以下のクラスの常磁性体の粉粒体)を、非磁性粉(磁化率10−5以下の常磁性体、もしくは磁化率が負値を示す反磁性体の粉粒体)から分離することができる。
従って、上記のシリカ粉粒からのヘマタイト粉粒の分離に限られず、鉱業原材料からの有用成分採取から、工業上の所要成分精製、産業廃棄物からの有用品回収に至るまで、産業のあらゆる分野において活用が期待できる。
従来技術による粉粒体の磁気分離装置を示す図である。 本発明の実施例1による粉粒体の磁気分離装置を示す図である。 本発明で利用する超電導バルク磁石と従来技術による磁石との、磁束密度分布特性の対比図である。 本発明の実施例2による粉粒体の磁気分離装置を示す図である。 本発明の実施例3による粉粒体の磁気分離装置を示す図である。 本発明の実施例4による粉粒体の磁気分離装置を示す図である。
符号の説明
1、1a、1b 磁性粉
2、2b 非磁性粉
10 超電導バルク磁石
11 磁極面
12 磁束密度線
15 冷却ステージ
16 真空容器
17 冷却伝熱体
18 冷凍機
19、69 脚部
20 粉粒体供給部
31、32 管状の粉粒体分離部の管壁
33、35 磁着防止壁
34 (管壁の)開口部
40 粉粒体回収部
42 分離壁
43 磁性粉回収部
46 非磁性粉回収部
60 (通常の)磁石
61 磁極面
68 磁石運転系

Claims (4)

  1. 一方の磁極面が垂直に配置された磁石と、前記磁極面から離れて平行に配置された管状の粉粒体分離部と、前記管状の粉粒体分離部の上側に配置された粉粒体供給部と、前記管状の粉粒体分離部の下側に配置され、分離壁を備えた粉粒体回収部とからなり、前記分離壁の上端は前記管状の粉粒体分離部の管壁の、前記磁極面に面する側の下端に連接され、前記管状の粉粒体分離部の管壁は、前記磁石の下端に面する部分を含む開口部を有することを特徴とする粉粒体の磁気分離装置。
  2. 一方の磁極面が垂直に配置された磁石と、前記磁極面から離れて平行に配置された管状の粉粒体分離部と、前記管状の粉粒体分離部の上側に配置された粉粒体供給部と、前記管状の粉粒体分離部の下側に配置され、分離壁を備えた粉粒体回収部とからなり、前記分離壁の上端は前記管状の粉粒体分離部の管壁の、前記磁石の磁極面に面する側の下端に連接され、前記管状の粉粒体分離部の管壁は、前記磁極面の中心に面する部分を含む開口部を有することを特徴とする粉粒体の磁気分離装置。
  3. 前記管状の粉粒体分離部は、前記管壁の開口部の上端から延伸され、前記磁石の磁極面に沿って下降する磁着防止壁を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の粉粒体の磁気分離装置。
  4. 前記磁石は単数または複数の超電導バルク磁石からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の粉粒体の磁気分離装置。
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