JP2006066282A - バックライトユニット及びこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

バックライトユニット及びこれを用いた液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 高指向性と低指向性の光を任意に出射できるバックライトユニットにおいて、構成部品の点数を増加させることなく、光指向性を迅速に切り換えられるようにする。また、ユニット厚さを薄くする。
【解決手段】 傾斜面2aと傾斜面2bとを有する複数の突条2を、導光板1の、光出射面5と対向する面の内側に所定間隔で形成する。そして出射光が傾斜面2a及び傾斜面2bにそれぞれ当射するように、導光板1の外周に光源3a及び光源3bを設ける。傾斜面2aの傾斜角度は光出射面に垂直な面に対して20°〜87.5°の範囲とし、傾斜面2bには凹凸を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、表示画面を広視野角と狭視野角とに切り換え可能な液晶表示装置及びこれに用いられるバックライトユニットに関するものである。
液晶表示装置は一般に、時計や電卓などの数値セグメント型表示装置に用いられ、近年では液晶表示装置作製技術の発達とともにその用途も広がり、パソコン用ディスプレイや携帯電話用ディスプレイなどにも応用されている。液晶表示装置の一部を構成する液晶表示パネルの透光性基板には、薄膜トランジスタなどの能動素子が、液晶に電圧を印加する画素電極を選択するスイッチング手段として形成されている。更に、カラー表示の場合には、赤色、緑色、青色などのカラーフィルター層がカラー表示手段として設けられている。
このような従来の液晶表示装置では、一般的に、液晶分子の持つ旋光性または複屈折性により、ツイスト角度と視野角の相対的な角度によって、視野角依存性が大きい。このため、表示画面の見る角度によって白浮き、黒沈み、白黒反転現象など様々な弊害が起こる。この点に関し、輝度、色相及びコントラスト比について視野角依存性の少ない液晶表示装置の開発が様々な方法でなされた結果、現在では視野角依存性のほとんどない液晶表示装置が作製されてきている。
ところで、液晶表示装置のますますの進展により、液晶表示装置が様々な機器の一部として使用される頻度が増加し、大量の画像やデータが氾濫するようになることが予測される。また薄型であることから携帯性に優れた機器に組み込まれ、公衆の面前での使用が多くなることから、画面表示される画像やデータに関する個人のプライバシーの保護が重要になってくると考えられる。
しかしながら、前記のような視野角依存性のない液晶表示装置では、例えば図8(a)に示すように、使用者以外の外部観察者にも画面表示される画像やデータが見えてしまい、個人のプライバシーの観点から好ましくない状況が生じていた。
そこでこの問題を解決するために、使用者だけが認識できる状態(同図(b))と、使用者の周り外部観察者にも認識できる状態(同図(a))とに、画面表示の視野角特性を切り換え可能とした表示装置がこれまでにいくつか提案されている。例えば特許文献1では、表示用TN液晶セルに光シャッター用TN液晶セルを付加し、使用差以外の観察者に画像が認識されるのをスイッチ操作で防止する技術が提案されている。また特許文献2では、ローラーを用いた置き替え手段によってバックライトユニット上部に配置するレンズシートを光学特性の異なるレンズに置き替え、視角特性を変化させる技術が提案されている。さらに特許文献3では、下方から入射する光はそのまま透過させ、側方から入射する光は散乱させて上方に出射させる導光板を用い、下方及び側方に配置した光源を切り替えることによって画面表示の視角特性を変化させる技術が提案されている。
特開平5−108023号公報(特許請求の範囲、(0016)段〜(0023)段、図1〜図5) 特開平11−84357号公報(特許請求の範囲、(0013)段〜(0025)段、図1〜図11) 特開平10-97199号公報(特許請求の範囲、(0028)段〜(0046)段、図1〜図7)
しかしながら特許文献1の提案技術では、液晶セルが2枚必要となることに加えて、偏光子を合計3枚使用しなければならず、従来のTN液晶表示装置やSTN液晶表示装置と比較して、液晶パネルの製造プロセスが増えるという問題がある。また、液晶セルを2枚、偏光子を3枚使用するため、光の損失が大きく利用効率が低くなるという問題もある。
特許文献2の提案技術では、レンズがローラーで移動するため、切り替えスイッチに対する応答が遅いという問題がある。また、切り替えを繰り返すことによってレンズに応力が加わりレンズが劣化するおそれがある。
特許文献3の提案技術では、下方から出射される高指向性の面状光を作るためにもう一つバックライトユニットが必要となり、全体の厚さが厚くなると共に使用部材が多くなるという問題がある。
本発明はこのような従来技術の問題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、表示画面を広視野角と狭視野角とに迅速に切り換えることができ、しかも従来の液晶表示装置の製造プロセスを何ら変更することなく製造でき、また構成部品点数の大幅な増加もなく、厚さの薄い液晶表示装置及びこれに用いるバックライトユニットを提供することにある。
本発明によれば、第1傾斜面と第2傾斜面とを有する複数の突条が、光出射面と対向する面の内側に所定間隔で形成された導光板と、この導光板の外周に配設された第1光源と第2光源とを備え、第1光源及び第2光源は、その出射光が第1傾斜面及び第2傾斜面にそれぞれ当射するように配設され、第1傾斜面の傾斜角度が光出射面に垂直な面に対して20°〜87.5°の範囲で、且つ第2傾斜面に凹凸が形成され、前記光源が切り替わることによって光出射面からの出射光が高指向性と低指向性とに切り換わることを特徴とするバックライトユニットが提供される。
また本発明によれば、第1傾斜面と第2傾斜面とを有する複数の突条が、光出射面の内側に所定間隔で形成された導光板と、この導光板の外周に配設された第1光源と第2光源と、導光板の光出射面と対向する面の外側に形成された反射層とを備え、第1光源及び第2光源は、その出射光が第1傾斜面及び第2傾斜面にそれぞれ当射するように配設され、
第1傾斜面の傾斜角度が光出射面に垂直な面に対して20°〜87.5°の範囲で、且つ第2傾斜面に凹凸が形成され、前記光源が切り替わることによって光出射面からの出射光が高指向性と低指向性とに切り換わることを特徴とするバックライトユニットが提供される。
ここで、第1光源が線状の光源である場合には、突条は第1光源の軸方向と平行に所定間隔で複数形成され、第1光源が点状の光源である場合には、突条は第1光源を中心として同心円状に所定間隔で複数形成される。
また本発明によれば、液晶表示パネルの表示用光源として前記記載のバックライトユニットを用いたことを特徴とする液晶表示装置が提供される。
本発明に係るバックライトユニットでは、第1光源から出射した光は突条の第1傾斜面で反射して導光板の光出射面から所定範囲の角度で出射する一方、第2光源から出射した光は突条の第2傾斜面で乱反射して導光板の光出射面からあらゆる方向に出射するので、点灯させる光源を切り替えることによって光出射面から出射する光の指向性を迅速に切り換えることができる。また従来の液晶表示装置の製造プロセスを何ら変更することなく製造でき、さらに構成部品点数の大幅な増加もなく、厚さも薄くできる。
また屋外でも使用する機器の表示装置の一部として、本発明に係るバックライトユニットを使用する場合、低指向性表示用光源を点灯させただけでは充分な正面輝度が得られず表示視認性が悪いときには、高指向性表示用光源に切り替えることによって正面輝度が高くなり、表示視認性を向上させることができる。さらには、高指向性表示用光源に切り替えてもまだ視認性がよくないときには、低指向性表示用光源と高指向性表示用光源の両方を点灯することによってより表示視認性をさらに向上させることができる。
第1光源として線状の光源を用い、突条を第1光源の軸方向と平行に所定間隔で複数形成すると、面内均一性の高い広視野角の表示画面にできる。また第1光源として点状の光源を用い、突条を第1光源を中心として同心円状に所定間隔で複数形成すると、指向性の高い狭視野角の表示画面にできる。
本発明の液晶表示装置では前記のバックライトユニットを用いるので、光源を切り替えることにより表示画面の視野角特性を迅速に切り替えられる。これにより、画面表示を使用者だけが認識できる状態と、使用者の周り外部観察者にも認識できる状態とに簡単に切り換えられ、また装置の厚さも薄くできる。
以下に、本発明の実施形態を説明する。なお本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。第1の発明に係るバックライトユニットの一例を示す斜視図を図1に、そして垂直断面図を図2にそれぞれ示す。図1及び図2のバックライトユニットUは、導光板1と、導光板1の両側部に取り付けられた光源(第1光源)3aと光源(第2光源)3bと、光源を切り替える切替手段4(図2に図示)とを備える。そして導光板1の底面内側には、傾斜面(第1傾斜面)2aと傾斜面(第2傾斜面)2bとを有する断面三角形状の突条2が所定間隔で複数形成され、導光板1の底面外側には、アルミニウムなどの高反射材料からなる反射層7が蒸着法やスパッタリング法などによって形成されている。
導光板1は、透光性部材からなる厚さ数mm程度の直方体形状をしてなる。空気との屈折率差によって光出射面からの光の出射角度が決まることから、導光板1の材料は、屈折率が高く、成形加工性に優れたものが好ましい。このような材料としては例えばアクリル樹脂などが挙げられる。第1の発明において反射層7は必須の構成ではないが、導光板1の下方に出射された光を再度導光板に入射させて光利用効率を向上させ、また突条2の傾斜面2aの傾斜角度が小さい場合に光源3aからの光が傾斜面2aで反射せずに突条2を透過するのを防止する観点から形成するのが望ましい。また突条2の内部は空洞構造であっても充填構造であってもよい。
このような構造のバックライトユニットUにおいて光源3aを点灯すると、光源3aからの光は導光板1の光入射面6a(図2に図示)から導光板1に入射し内部を進む。そして光の一部は突条2の傾斜面2aに当たる。傾斜面2aに当たった光はそこで反射し、導光板1の光出射面5から外方へ出射する。このときの様子を図3に示す。図3は光源3aからの光が傾斜面2aに水平に入射した場合の模式図である。そして図4は、光源3aからの光が傾斜面2aに水平に入射した場合の、傾斜面2aの傾斜角度θと光出射面5からの光の出射角度φとの関係を計算し図示したものである。なお、導光板1の屈折率を1.4、空気中の屈折率を1.0として計算した。
図4から理解されるように、光出射面5の内側面で光が全反射せず外方へ出射するようにするためには、傾斜面2aの傾斜角度を20°〜70°の範囲にする必要がある。そこで例えば、傾斜面2aの傾斜角度を40°〜50°の範囲とすると、導光板1の光出射面から出射する光の角度φはおおよそ−15〜+15°の範囲となり、液晶表示装置のパネル面に対して垂直方向の指向性の高い光が出射し、図8(b)で示すようなパネル面を正面から見ている人しか画面表示が見えない状態になる。また傾斜面2aの傾斜角度を30°程度にすると、光出射面からの光の出射角度φは−50°程度となり図8における3人の観察者の左側の者だけが表示画面を見ることができる状態となる。反対に傾斜面2aを60°程度にすると、光出射面からの光の出射角度φは+50°程度となり図8における3人の観察者の右側の者だけが表示画面を見ることができる状態となる。このように、光源からの光を突条2の傾斜面2aで反射させて導光板から出射させることによって高指向性の光とすることができ、さらに傾斜面2aの傾斜角度を調整することによって出射角度φを調整でき、高指向性の光を任意の方向に出射させることができる。
また、光出射面に対してほぼ平行に光を出射させる場合は、突条2に一度当射するだけで光出射面から光を出射させるのではなく、光出射の面内均一性を高める目的で、何回か導光板内部で全反射を繰り返させる事も考えられる。その場合、より突条を傾ける必要があり、導光板内部で全反射回数が2桁まで達せずに全反射角を越えて光出射面から出射させるためには、突条の傾き角が87.5°とする必要がある。
一方、図5に示すように、切換手段4(図2に図示)によって光源3b(図2に図示)を点灯させると、光源3bからの光は導光板1の光入射面6b(図2に図示)から入射し内部を進み、光の一部は突条2の傾斜面2bに当たる。傾斜面2bの表面には微小な凹凸が形成されているため、傾斜面2bに当たった光はこの凹凸で散乱する。そして散乱した光の一部は光出射面5から外方へ広角に出射される。したがって光出射面5から出射した光は低指向性を有し、このときの液晶表示装置の画面表示は、図8(a)に示すようにパネル面の正面のみならず斜め方向からも見ることができる。
傾斜面2bに形成する凹凸は、傾斜面2bに当たった光を散乱させる粗さであればよく、図6に示すように、傾斜面2bの表面粗さRa/平均山谷間隔Smが27〜288μm/mmの範囲が好ましい。広視野角表示の場合、観察者に対して最低±30°の視野角は必要である。図7に示すように、傾斜面2bに形成された凹凸が正弦曲線で、傾斜面2bの傾斜角度が45°であるとすると、出射面に傾向に入射した光を効率よく散乱させるためには、正弦曲線の最大斜度を9.8°とする必要がある。そのときRa/Smは27.6μm/mmとなる。一方、正弦曲線の平均斜度が45°を超えると、凹凸内を2回以上反射してしまい出射効率が極端に減少するため、正弦曲線の平均斜度は45°以下にする必要があり、この場合Ra/Smは288μm/mm以下となる。
突条2の高さや幅などの形状は、導光板1の屈折率や光出射角度などから適宜決定すればよい。また突条2は導光板1と一体成形するのが好ましい。成形方法としては射出成型法や注型法など従来公知の方法を用いることができる。
なお、図1及び図2に示すバックライトユニットで用いている光源3a,3bはいずれも線状の光源である。このような線状の光源としては蛍光管の他、線状導光体を用いたLEDをも用いることができる。もちろん線状の光源以外に点状の光源を用いても構わない。
図1及び図2のバックライトユニットで使用する光源3aに関しては、光入射面6aと光出射面5の両面に平行な方向(図1のX軸方向)への光散乱度合の大きくないものが好ましい。つまり、この導光板1の構造上、光源3aからY軸正の方向に光が入射した場合、光出射面5から出射される光の、光入射面6aに対し垂直な方向(図1のY軸方向)の指向性を高くすることはできるものの、光入射面6aと光出射面5と両面に平行な方向(図1のX軸方向)の指向性を高くすることはできない。したがって、X軸方向とY軸方向の両方向に高指向性の光を光出射面5から出射させるためには、X軸方向の指向性の高い光源を使用し、光源から導光板1に光が入射した時点でX軸方向の指向性が高いようにしておく必要がある。このようにすることにより、使用者が画面を見る角度以外の角度からは表示画面が見にくくなり、プライバシー保護に優れた表示装置となる。また、このようなXY軸両方向の指向性を高めることによって表示画面の輝度が高くなるという効果も得られる。
他方、装置の用途によっては、一方向(例えば図1のY軸方向)への指向性は必要であるが、もう一方向(例えば図3のX軸方向)への指向性は不要で、むしろ視角依存性のあることが問題視される場合もある。このような場合は光源の指向性を高める必要はなく、一般的な光源を用いればよい。
以上のような構成によれば、一方の光源3aを点灯させたときは、光出射面5から指向性の高い光が出射され、もう一方の光源3bを点灯させたときは、指向性の低い光が出射されるようになる。したがってこのバックライトユニットを用いた液晶表示装置では、光源を切り換えることにより狭視野角の画面表示と広視野角の画面表示とに切り換えることができる。
(実施形態2)
図9は、本発明に係るバックライトユニットの他の実施形態を示す斜視図であり、図10はその平面図である。
この実施形態のバックライトユニットが前述のバックライトユニットと異なる点は、平面視において四角形状の導光板1の対角線上に点状の光源3c,3dが配設されている点と、光を反射する傾斜面2aと、微小な凹凸が表面に形成され光を乱反射する傾斜面2bとを有する突条2が、光源3cを中心として同心円状に所定間隔で複数形成されている点である。
このバックライトユニットの光源3cは点状の光源であるため、光源3cからの光は光源3cを中心として球状に放射される。そして、突条2の傾斜面2aに当たった光はそこで反射し、導光板1の光出射面5から外方へ出射する。このときの様子は前述の実施形態の場合と同じである(図3参照)。したがって、光源3cを点灯させた場合、導光板1の光出射面5から出射する光は高い指向性を有し、液晶表示装置の表示画面の視野角は狭くなる。
一方、光源3dも点状の光源であるため、光源3dからの光は光源3dを中心として球状に放射される。放射された光の一部は突条2の傾斜面2bに当たる。傾斜面2bの表面には微小な凹凸が形成されているため、傾斜面2bに当たった光はそこで乱反射し、その一部は導光板1の光出射面5から外方へ出射する。このため光出射面5から出射する光の指向性は低くなり、液晶表示装置の表示画面の視野角は広くなる。
このような構成によれば、点状の光源を用いた場合であっても前述の実施形態と同様に、使用する光源を切り換えることによって指向性の高い光と低い光とに切り換えることができる。また点状の光源から放射された光を光出射面から出射させるため、非常に高い指向性の光を得ることができる。
(実施形態3)
図11は、本発明に係るバックライトユニットのさらに他の実施形態を示す斜視図であり、図12はその平面図である。この実施形態のバックライトユニットの実施形態2のそれと異なる点は、第2光源として線状の光源3bを用いている点である。このように線状の光源と点状の光源とを組み合わせて使用することも可能である。ただし、それぞれの光源からの出射光が傾斜面2a又は傾斜面2bに当射するように光源3c、光源3bを配置する必要がある。この実施形態のバックライトユニットであっても前記の実施形態と同様に、使用する光源を切り換えることによって指向性の高い光と低い光とに切り換えることができる。また点状の光源から放射された光を光出射面から出射させるため、非常に高い指向性の光を得ることができる。
光源の種類および設置位置に関する他の実施形態例を図13にまとめて示す。図13はバックライトユニットの平面図である。これらの実施形態では点状の光源3cを導光板1の一方側端の中央に配置し、同図(a)では、導光板1のもう一方の側端の中央に光源3cに向かい合うように点状の光源3dを配置し、同図(b)では、導光板1のもう一方の側端に線状の光源3bを配置している。これらの実施形態のバックライトユニットでも前記の実施形態と同様に、使用する光源を切り換えることによって指向性の高い光と低い光とに切り換えることができる。
(実施形態4)
図14は、第1の発明に係るバックライトユニットのさらに他の実施形態を示す斜視図であり、図15はその垂直断面図である。この実施形態のバックライトユニットでは、光源3aからの光が光出射面5とほぼ平行に出射するように、突条2の傾斜面2aの傾斜角度θ(図3に図示)を90°に近くにする共に、断面三角形の突条が上面に複数形成された光学部材(例えば3M社製の「ビキュイティ」BEF輝度上昇フィルムなど)10が、光出射面5と対向するように配置されている。
このような構造のバックライトユニットUにおいて光源3aを点灯すると、光源3aからの光は導光板1の光入射面6a(図15に図示)から導光板1に入射し内部を進む。そして光の一部は突条2の傾斜面2aに当たる。傾斜面2aに当たった光はそこで反射し、導光板1の光出射面5から光出射面5とほぼ平行に出射する。そして、光出射面5から出射した光は光学部材10の下面から入射して光学部材10内を進み、突条11から、光出射面5に対して略垂直方向に高指向性の光として出射する。なお、光学部材10からの高指向性を有する光の出射方向は、光学部材10の突条11の傾斜角度を調整することによって任意の出射方向とすることができる。
一方、切換手段4(図15に図示)によって光源3b(図15に図示)を点灯させると、光源3bからの光は導光板1の光入射面6b(図15に図示)から入射し内部を進み、光の一部は突条2の傾斜面2bに当たる。傾斜面2bの表面には微小な凹凸が形成されているため、傾斜面2bに当たった光はこの凹凸で散乱する。そして散乱した光の一部は光出射面5から外方へ広角に出射される。光出射面5から出射された光は光学部材10の下面から入射して光学部材10内を進み、光学部材10の突条11から外方にさらに広角に出射される。
以上のような構成によれば、前記の実施形態と同様に、一方の光源3aを点灯させたときは指向性の高い光が得られ、もう一方の光源3bを点灯させたときは、指向性の低い光が得られるようになる。特に、本実施形態のバックライトユニットでは、光出射面5からこの面にほぼ平行に出射された光を、光学部材10によってほぼ垂直に出射させるようにするので、より強い高指向性の光が得られる。
次に、第2の発明に係るバックライトユニットについて説明する。図16は、第2の発明に係るバックライトユニットの一実施形態を示す斜視図であり、図17はその垂直断面図である。
第2の発明に係るバックライトユニットが、図1に示した第1の発明に係るバックライトユニットと異なる点は、光を反射する傾斜面2a’と、微小な凹凸が表面に形成され光を乱反射する傾斜面2b’とを有する突条2’が、導光板1の光出射面5の内側に形成されている点と、導光板1の光出射面5と対向する面の外側に反射層7が形成されている点である。
図17に示す構造のバックライトユニットUにおいて光源3aを点灯すると、光源3aからの光は導光板1の光入射面6aから導光板1に入射し内部を進む。そして光の一部は突条2’の傾斜面2a’に当たる。傾斜面2aに当たった光はそこで一旦導光板1の内方に反射する。そして、反射した光は導光板1の底外面に設けられた反射層7で再び反射して、光出射面5から外方へ出射する。したがって、光出射面5から出射される光は高い指向性を有する。
一方、切換手段4によって光源3bを点灯させると、光源3bからの光は導光板1の光入射面6bから入射し内部を進み、光の一部は突条2’の傾斜面2b’に当たる。傾斜面2b’の表面には微小な凹凸が形成されているため、傾斜面2b’に当たった光はこの凹凸で散乱する。そして散乱した光は導光板1の内方へ反射し、導光板1の底外面に設けられた反射層7で反射して、光出射面5から外方へ出射する。このため、光出射面5から出射される光は低指向性を有する。また、光出射面5から出射される光は反射層7で反射した後、突条2’を再び透過するため低指向性が一層強められる。
このように第2の発明に係るバックライトユニットにおいても、光源を切り換えることによって、光出射面から出射する光の指向性を高指向性と低指向性とに切り換えることができる。なお、突条2’の高さや幅などの形状及び傾斜面2b’に形成する凹凸は、第1の発明のものがここでも例示される。
次に本発明に係る液晶表示装置について説明する。本発明の液晶表示装置の大きな特徴は液晶表示パネルの表示用光源として、先に説明したバックライトユニットを用いることにある。図18は、本発明の液晶表示装置の一例を示す断面図を示す。この図の液晶表示装置では、液晶表示パネル8の光が入射する面側と出射する面側とに偏光板9a,9bが配置されている。そして、液晶表示パネル8の背面側にバックライトユニットUが配置されている。
このような構造の液晶表示装置において、バックライトユニットUの光源3aを点灯させると、光源3aから放射された光は、導光板1を通ってその一部が突条2の傾斜面2aで反射し、例えば出射角度φ±15°という高指向性の光となって光出射面5から出射する。導光板1から出射した光は偏光板9aを通過し、液晶表示パネル8及び偏光板9bを透過して狭視野角の画像表示をなす。
一方、バックライトユニットUの光源3bを点灯させると、光源3bから放射された光は、導光板1を通ってその一部が突条2の傾斜面2bで乱反射し、低指向性の光となって光出射面5から出射する。そして導光板1から出射した光は偏光板9a、液晶表示パネル8、偏光板9bを透過し、広視野角の画像表示をなす。
本発明で使用する液晶表示パネルの表示方法は視野角依存性のない表示方法が好ましい。バックライトユニットで散乱光を出射した場合に、液晶表示パネルに視野角依存性があって視認性が悪い角度があると、本発明のバックライトユニットの効果が充分に奏されないからである。表示方法としては、例えばインプレーンスイッチングモード(IPS方式)、バーティカルアラインメントモード(VA方式)などの広視野角表示方法が好ましい。
第1の発明に係るバックライトユニットの一例を示す斜視図である。 図1のバックライトユニットの垂直断面図である。 傾斜面2aに当射した光の進行を説明する図である。 傾斜面の傾斜角度と光の出射角度との関係を示す図である。 傾斜面2bに当射した光の進行を説明する図である。 傾斜面2bに形成された凹凸を示す図である。 傾斜面2bに形成された凹凸での光の反射を説明する図である。 液晶表示装置の視野角を説明するための図である。 第1の発明に係るバックライトユニットの他の例を示す斜視図である。 図7のバックライトユニットの平面図である。 第1の発明に係るバックライトユニットの他の例を示す斜視図である。 図9のバックライトユニットの平面図である。 本発明に係るバックライトユニットの他の例を示す平面図である。 第1の発明に係るバックライトユニットの他の例を示す斜視図である。 図14のバックライトユニットの垂直断面図である。 第2の発明に係るバックライトユニットの一例を示す斜視図である。 図16のバックライトユニットの垂直断面図である。 本発明に係る液晶表示装置の一例を示す垂直断面図である。
符号の説明
1 導光板
2,2’ 突条
2a,2a’ 傾斜面(第1傾斜面)
2b,2b’ 傾斜面(第2傾斜面)
3a,3c 光源(第1光源)
3b,3d 光源(第2光源)
4 切換手段
5 光出射面
7 反射層
8 液晶表示パネル
10 光学部材
U バックライトユニット

Claims (5)

  1. 第1傾斜面と第2傾斜面とを有する複数の突条が、光出射面と対向する面の内側に所定間隔で形成された導光板と、この導光板の外周に配設された第1光源と第2光源とを備え、
    第1光源及び第2光源は、その出射光が第1傾斜面及び第2傾斜面にそれぞれ当射するように配設され、
    第1傾斜面の傾斜角度が光出射面に垂直な面に対して20°〜87.5°の範囲で、且つ第2傾斜面に凹凸が形成され、
    前記光源が切り替わることによって光出射面からの出射光が高指向性と低指向性とに切り換わることを特徴とするバックライトユニット。
  2. 第1傾斜面と第2傾斜面とを有する複数の突条が、光出射面の内側に所定間隔で形成された導光板と、この導光板の外周に配設された第1光源と第2光源と、導光板の光出射面と対向する面の外側に形成された反射層とを備え、
    第1光源及び第2光源は、その出射光が第1傾斜面及び第2傾斜面にそれぞれ当射するように配設され、
    第1傾斜面の傾斜角度が光出射面に垂直な面に対して20°〜87.5°の範囲で、且つ第2傾斜面に凹凸が形成され、
    前記光源が切り替わることによって光出射面からの出射光が高指向性と低指向性とに切り換わることを特徴とするバックライトユニット。
  3. 前記第1光源が線状の光源であり、前記突条が第1光源の軸方向と平行に所定間隔で複数形成されている請求項1又は2記載のバックライトユニット。
  4. 前記第1光源が点状の光源であり、前記突条が第1光源を中心として同心円状に所定間隔で複数形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のバックライトユニット。
  5. 液晶表示パネルの表示用光源として請求項1〜4のいずれかに記載のバックライトユニットを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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