JP2006065383A - 耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
処理装置に障害が発生しても何らかの対処方法を出力することが出来る、障害発生に強い、耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
第1の処理装置は、データ入力装置からデータを受信する入力データ受信部と、ベイジアンネットワークによる演算処理を実行する1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部と、その処理結果を第2の処理装置に送信する1次装置側出力部と、を有しており、第2の処理装置は、第1の処理装置からその処理結果を受信する第1データ受信部と、データ入力装置からデータを受信する第2データ受信部と、ベイジアンネットワークによる演算処理を実行する2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部と、その処理結果をデータ出力対象装置に送信する2次装置側出力部と、を有する耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置である。
【選択図】 図1
処理装置に障害が発生しても何らかの対処方法を出力することが出来る、障害発生に強い、耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
第1の処理装置は、データ入力装置からデータを受信する入力データ受信部と、ベイジアンネットワークによる演算処理を実行する1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部と、その処理結果を第2の処理装置に送信する1次装置側出力部と、を有しており、第2の処理装置は、第1の処理装置からその処理結果を受信する第1データ受信部と、データ入力装置からデータを受信する第2データ受信部と、ベイジアンネットワークによる演算処理を実行する2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部と、その処理結果をデータ出力対象装置に送信する2次装置側出力部と、を有する耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ある事象が発生した場合に、ベイジアンネットワークによる処理を用いて、その対処方法等を出力するベイジアンネットワーク演算処理装置であって、その処理装置に障害が発生しても何らかの対処方法等を出力することが出来る、障害発生に強い、耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置に関する。
機械、装置、システム等に発生する様々な事象に対する対処方法を出力し、対処する為に、ベイジアンネットワークと呼ばれる分析方法を用いることがある。ベイジアンネットワークとは、確率変数をノードで表し、因果関係や相関関係のような依存関係を示す変数の間にリンクを張ったグラフ構造による確率モデルであって、このリンクが因果関係の方向に有向性を有し、そのリンクを辿ったパスが循環しない非循環有向グラフで表されるモデルである(ベイジアンネットワークは下記の非特許文献1に詳しい)。
本村陽一、"確率ネットワークと知識情報処理への応用"、[online]、平成13年1月24日、インターネット<URL: http://staff.aist.go.jp/y.motomura/DS/DS.html>
このように、事象に対する対処方法の分析にベイジアンネットワークを用いることによって、曖昧な事象や診断結果であってもその事象の原因の予測、対処方法の出力を行うことが出来る点で、ベイジアンネットワークを用いた演算処理装置(以下、ベイジアンネットワーク演算処理装置)は有効である。
しかし、従来のベイジアンネットワーク演算処理装置では、そこに入力すべきデータが全て用意されていないと、ベイジアンネットワークによる演算を行うことが出来なかった。その為、通信ネットワークを用いて複数の機器等を接続する場合、一部の機器の故障やネットワーク障害によって、ベイジアンネットワーク演算処理装置で入力待ち状態となって、当該ベイジアンネットワーク演算処理装置を含む全体の処理が停止或いは大幅に遅延してしまう問題点があった。
そこで本発明者は、全部の機器や装置からのデータを入力することによってベイジアンネットワークによる演算処理を実行する第1のベイジアンネットワーク演算処理装置と、一部の機器や装置からのデータ入力に基づいてベイジアンネットワークによる演算処理を実行する第2のベイジアンネットワーク演算処理装置とを備える耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置を発明した。
第1の発明は、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置と第2のベイジアンネットワーク演算処理装置とを有する耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置であって、前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置は、前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置の下位に属する処理対象となるデータ入力装置からデータを受信する入力データ受信部と、前記受信したデータに基づいて、前記入力データ受信部で受信するデータとその場合に出力する結果との関係を確率分布で示した1次装置側確率テーブルを参照することにより、ベイジアンネットワークによる演算処理を実行する1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部と、前記1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部による処理結果を、前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置に送信する1次装置側出力部と、を有しており、前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置は、前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置からその処理結果を受信する第1データ受信部と、前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置の下位に属する処理対象となるデータ入力装置からデータを受信する第2データ受信部と、前記第1データ受信部及び前記第2データ受信部で受信したデータ、或いは前記第2データ受信部で受信したデータに基づいて、前記第2データ受信部で受信するデータとその場合に出力する結果との関係を確率分布で示した2次装置側確率テーブルを参照することによりベイジアンネットワークによる演算処理を実行する2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部と、前記2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部による処理結果を、前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置の下位に属するデータ出力対象装置に送信する2次装置側出力部と、を有する耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置である。
このように、データ入力装置及びデータ出力対象装置に対して、2階層からなるベイジアンネットワーク演算処理装置(第1のベイジアンネットワーク演算処理装置、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置の2階層)を設けることによって、障害の発生に強いシステム構成とすることが出来る。
第1の発明に於いて、前記2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部は、前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置からその処理結果を前記第1データ受信部で受信していない場合、所定の方法により定められた暫定値と前記第2データ受信部で受信したデータとに基づいて、前記2次装置側確率テーブルを参照することにより、ベイジアンネットワークによる演算処理を実行し、前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置からその処理結果を前記第1データ受信部で受信した場合、該処理結果と前記第2データ受信部で受信したデータとに基づいて、前記2次装置側確率テーブルを参照することによりベイジアンネットワークによる演算処理を実行する、耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置とすると良い。
又、上述の発明は以下のように構成しても良い。第1のベイジアンネットワーク演算処理装置と第2のベイジアンネットワーク演算処理装置とを有する耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置であって、前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置は、前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置の下位に属する処理対象となるデータ入力装置から送信されたデータを受信し、そのデータに基づいて確率テーブルを参照することによりベイジアンネットワークによる演算処理を実行し、その処理結果を前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置に送信し、前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置は、前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置の下位に属する処理対象となるデータ入力装置から送信されたデータと所定の方法により定められた暫定値とに基づいて確率テーブルを参照することによりベイジアンネットワークによる演算処理を実行し、その処理結果を自らの下位に属する処理対象となるデータ出力対象装置に送信し、前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置の下位に属する処理対象となるデータ入力装置から送信されたデータと前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置から送信された処理結果のデータとを受信し、それらのデータに基づいて確率テーブルを参照することによりベイジアンネットワークによる演算処理を実行し、その処理結果を前記自らの下位に属する処理対象となるデータ出力対象装置に送信する、耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置である。
このようにデータ入力装置から送信されたデータを受信することによって、先に第2のベイジアンネットワーク演算処理装置に於いて暫定値を用いてベイジアンネットワークによる演算処理を実行し、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置から処理結果を受信後、再度第2のベイジアンネットワーク演算処理装置に於いて処理結果を用いてベイジアンネットワークによる演算処理を実行することによって、全体処理の応答時間を短縮することが出来る。
即ち、このような2階層構造のベイジアンネットワーク演算処理装置とした場合、ベイジアンネットワーク演算処理装置は、全ての入力対象となるデータが存在しないとその演算処理を実行できないが、先に暫定値を用いて第2のベイジアンネットワーク演算処理装置で実行することによって、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置による演算処理中に、データ出力対象装置に暫定のデータを送信することが出来る。これによって、従来よりも早い段階での処理が可能となる。そしてその後、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置での処理結果を用いて第2のベイジアンネットワーク演算処理装置で再度演算処理を実行することによって、データ出力対象装置に送信した暫定のデータの修正を図ることが出来る。
従ってこのように構成することによって、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置が停止、或いはその通信ネットワークによる障害があった場合にも、全体処理の停止や大幅な遅延が生じることもなく、局所的に各々で処理を実行することが可能となる。又、暫定値を用いたベイジアンネットワーク演算処理を実行することによって、従来よりも早い応答時間を可能とし、更に暫定で送信したデータを修正することによって処理の正確性も維持することが出来る。
第1の発明に於いて、前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置は、前記第2データ受信部が前記その下位に属するデータ入力装置からデータを受信すると計時を開始する計時部を更に有しており、前記2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部は、前記計時部で計時開始後、所定時間内に前記第1データ受信部が前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置からその処理結果を受信した場合、該処理結果と前記第2データ受信部で受信したデータとに基づいて、前記2次装置側確率テーブルを参照することにより、ベイジアンネットワークによる演算処理を実行し、前記計時部で計時開始後、所定時間内に前記第1データ受信部が前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置からその処理結果を受信しなかった場合、所定の方法により定められた暫定値と前記第2データ受信部で受信したデータとに基づいて、前記2次装置側確率テーブルを参照することによりベイジアンネットワークによる演算処理を実行する、耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置とすると良い。
又、上述の発明は以下のように構成しても良い。第1のベイジアンネットワーク演算処理装置と第2のベイジアンネットワーク演算処理装置とを有する耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置であって、前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置は、前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置の下位に属する処理対象となるデータ入力装置から送信されたデータを受信し、そのデータに基づいて確率テーブルを参照することによりベイジアンネットワークによる演算処理を実行し、その処理結果を前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置に送信し、前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置は、前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置の下位に属する処理対象となるデータ入力装置から送信されたデータを受信し、その受信時から所定時間内に前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置の処理結果のデータを受信した場合には、前記データ入力装置からのデータ及び前記処理結果のデータとに基づいて確率テーブルを参照することによりベイジアンネットワークによる演算処理を実行し、その処理結果を自らの下位に属する処理対象となるデータ出力対象装置に送信し、その受信時から所定時間内に前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置の処理結果のデータを受信しなかった場合には、前記データ入力装置からのデータと所定の方法により定められた暫定値とに基づいて確率テーブルを参照することによりベイジアンネットワークによる演算処理を実行し、その処理結果を自らの下位に属する処理対象となるデータ出力対象装置に送信する、耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置である。
上述のように、先に第2のベイジアンネットワーク演算処理装置で暫定値を用いたベイジアンネットワークによる演算処理を実行した場合、再度第1のベイジアンネットワーク演算処理装置の処理結果に基づいて2回目の演算処理を実行する必要がある。即ち、1回データ入力装置からデータが送信されると、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置では2回の演算処理を実行することとなる。これは、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置に負荷を生じさせることとなる。
そこで本発明のように、第2データ受信部からデータを受信後、所定時間内に第1のベイジアンネットワーク演算処理装置から処理結果を受信できなければ、第2データ受信部で受信したデータと暫定値を用いることにより、局所的に各々で処理を実行することが可能となる。これによって全体処理の停止或いは大幅な遅延を防ぐことが可能となる。又、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置でのベイジアンネットワークによる演算処理は1回で済む為、著しい負荷も生じない。
上述の発明に於いて、前記所定の方法により定められた暫定値は、予め定められた値、前回第1データ受信部で受信した値、或いは所定回数前から前回までに前記第1データ受信部で受信した値の平均値、前記第1データ受信部で受信した値を所定の補間方法により算出した値のいずれかの方法により定められている、耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置とすると良い。
暫定値は、一例としてこのように定めることが出来る。
本発明のように構成することによって、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置が動作しなくても、或いは通信ネットワークに障害が発生しても、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置で処理を実行することが出来、全体処理の停止或いは大幅な遅延を防ぐことが可能となり、大きな障害を避けることが出来る。
本発明の耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1は、処理対象となる全部の機器や装置(以下、機器、装置、端末等を総称して装置とする)からのデータに対してベイジアンネットワークによる演算処理を実行する第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2と、自らの下位に属する装置からのデータに対してベイジアンネットワークによる演算処理を実行する第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3とからなる。図1に耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1のシステム構成の一例を示す。従って、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2は、その下位に属する第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3の上位であることから、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3の下位に属する全てのデータ入力装置4、データ出力対象装置5は、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2の下位に属することともなる。
耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1は、処理対象となる全部のデータ入力装置4からデータを受信し、そのデータに基づいてベイジアンネットワークにより演算を行い、その処理結果を第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3に出力する第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2と、処理対象となる一部のデータ入力装置4であって、その第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3の下位に属するデータ入力装置4からデータを受信し、そのデータ及び第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2に於ける処理結果とに基づいてベイジアンネットワークにより演算を行い、その処理結果をその第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3の下位に属するデータ出力対象装置5に出力する第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3とからなる。
図1では一つの第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2と、その下位に属する二つの第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3とからなる耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1を示すが、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3はいくつであっても良い。又、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2は、内部的に複数のベイジアンネットワーク演算処理装置を有していても良い。
図1では、第1のデータ入力装置4aと第2のデータ入力装置4bとからデータ入力が行われ、第1のデータ出力対象装置5aと第2のデータ出力対象装置5bとに処理結果を出力する場合を示している。又、第1のデータ入力装置4aと第1のデータ出力対象装置5aは第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Aの下位に属しており、第2のデータ入力装置4bと第2のデータ出力対象装置5bは、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bの下位に属している。
本発明の耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1の第1の実施例のシステム構成を図2のシステム構成図を用いて説明する。
本実施例では、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2とその下位に属する2つの第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3とが設けられている。
第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2は、入力データ受信部10と1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部11と1次装置側確率テーブル12と1次装置側出力部13とからなる。
入力データ受信部10は、処理対象となる全部のデータ入力装置4(図2の場合、第1のデータ入力装置4a、第2のデータ入力装置4b)からデータ入力を受信する手段である。図2では2つのデータ入力装置4がある場合を示しているが、3以上あっても良い。又、データ入力装置4には、キーボードやマウス等の入力装置の他、センサー等の検出装置も該当する。
1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部11は、入力データ受信部10で受信したデータに基づいて1次装置側確率テーブル12に記憶している確率テーブルを参照することにより、ベイジアンネットワークによる演算処理を行い、その結果を1次装置側出力部13から出力する手段である。
1次装置側確率テーブル12は、入力データ受信部10で受信するデータとその場合に出力する結果との関係を確率分布で示したテーブルである。尚、この確率テーブルは、固定値であっても良いし、状況に応じて確率値が変化したり、耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1の外部から入力を受け付け可能にすることによって、書き換えられるように構成しても良い。
1次装置側出力部13は、1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部11で出力した処理結果を、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3に送信する手段である。
第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3は、第1データ受信部15と第2データ受信部14と2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16と2次装置側確率テーブル17と2次装置側出力部18とからなる。
第1データ受信部15は、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2の1次装置出力部から、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2での処理結果を受信する手段である。
第2データ受信部14は、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3がその下位に属するデータ入力装置4からデータ入力を受信する手段である。ここでは第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Aには、第1のデータ入力装置4aが下位に属しているので、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Aの第2データ受信部14は、第1のデータ入力装置4aからデータを受信することとなり、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bには、第2のデータ入力装置4bが下位に属しているので、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bの第2データ受信部14は、第2のデータ入力装置4bからデータを受信することとなる。
2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、第1データ受信部15、第2データ受信部14で受信したデータに基づいて2次装置側確率テーブル17に記憶している確率テーブルを参照することにより、ベイジアンネットワークによる演算処理を行い、その結果を2次装置側出力部18から出力する手段である。
2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、第1データ受信部15で第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2での処理結果を受信し、更にその結果に基づいて2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16でベイジアンネットワークの演算処理を行う。又、第2データ受信部14が第1のデータ入力装置4aから受信したデータに基づいて、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16でベイジアンネットワークの演算処理を行う。即ち、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、第2データ受信部14で受信したデータに基づく、局所的なデータによるベイジアンネットワーク演算処理と、第1受信部で受信したデータに基づく、全体的なデータによるベイジアンネットワーク演算処理とを実行することとなる。
このように局所的なデータと、全体的なデータに基づいて処理を行うことによって、仮に第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2や通信ネットワークに障害が発生したとしても、局所的なデータに基づいてベイジアンネットワークによる処理を行えるので、全体処理の停止や大幅な遅延を防ぐことが出来る。
2次装置側確率テーブル17は、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3の下位に属するデータ入力装置4から受信する値(第2データ受信部14で受信するデータ)とその場合に出力する結果との関係を確率分布で示したテーブルである。尚、この確率テーブルは、固定値であっても良いし、状況に応じて確率値が変化したり、耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1の外部から入力を受け付け可能にすることによって、書き換えられるように構成しても良い。
2次装置側出力部18は、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16で出力した結果を、その第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3の下位に属するデータ出力対象装置5に対して出力する手段である。この出力結果に基づいて各データ出力対象装置5は動作する。
データ出力対象装置5は、各データ入力装置4により入力されたデータに対して、耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1で処理した結果に基づいて制御等を行う装置である。ここでデータ出力対象装置5には、モーターや警報のような各種の制御装置の他、モニターのような表示装置、スピーカーのような再生装置等であっても良い。
次に図2に示すシステム構成の場合の耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1の処理プロセスの流れを図3のフローチャートを用いて説明する。尚、ここで説明する具体例としては、図4に示すように、貯水槽に水が貯水されており、所定の水位を超過した場合にモーターで排水し、水位が異常に高い場合と各センサーからの水位データに大きな差がある場合には警報ブザーを鳴動させる場合を示す。
従って、図2のデータ入力装置4が水位センサーであり、データ出力対象装置5として、警報ブザーとモーターを備えた排水ポンプである場合を説明する。尚、ここでは各第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3が同一のデータ出力対象装置5(排水ポンプ)である場合を説明したが、水位を一定に保つ場合には、排水を行う排水ポンプと給水を行う給水ポンプのように異なるデータ出力対象装置5としても良い。
データ入力装置4は共に水位センサーとしたが、各々異なる装置、或いは入力するデータが異なるものであっても良い。例えばデータ属性、データ精度、データ送信方法等が異なっていても良い。又、データ入力装置4は、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2と第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3とに送信するデータ、そのデータ属性、データ精度、データ送信方法を変えて送信しても良い。
尚、本実施例では水位センサーをデータ入力装置4とし、警報ブザーとモーターを備えた排水ポンプをデータ出力対象装置5とする場合を説明するが、それ以外の装置であっても同様に実現できる。例えばデータ入力装置4が複数の温度センサー、データ出力対象装置5がスプリンクラーであり、それらをベイジアンネットワークにより処理する耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1としても良いし、データ入力装置4が複数の温度センサー、データ出力対象装置5が空調であり、それらをベイジアンネットワークにより処理する耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1としても良いし、データ入力装置4が複数の店舗の販売データ、データ出力対象装置5が購買指示・製造指示・出荷指示を行うコンピュータ端末であり、それらをベイジアンネットワークにより処理する耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1としても良いし、データ入力装置4がロボットのセンサー、データ出力対象装置5がロボットのモーターであり、ベイジアンネットワークによりロボットの制御を行う耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1としても良いし、データ入力装置4が車両の各種センサー、データ出力対象装置5がエンジン・サスペンション等の制御装置であり、ベイジアンネットワークにより車両の制御を行う耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1としても良い。勿論ここに例示した以外にも、本発明を用いることが出来る。
水位センサー(データ入力装置4)は水位のデータを4値(水位0、水位1、水位2、水位3)として取得し、それを第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3に送信する。
排水ポンプ(データ出力対象装置5)の警報ブザーは0又は1の2値で示され、0は警報ブザーを鳴動させない、1は警報ブザーを鳴動させる、を意味する。従って排水ポンプは、2次装置側出力部18から「警報ブザー=0」のデータを受信した場合には、警報ブザーを鳴動させず、「警報ブザー=1」を受信した場合は警報ブザーを鳴動させる。
排水ポンプ(データ出力対象装置5)のモーターは0又は1の2値で示され、0はモーターを稼動させない、1はモーターを稼動させ、排水を行う、ことを意味する。従って、排水ポンプは、2次装置側出力部18から「モーター=0」のデータを受信した場合は、モータを稼動させず、「モーター=1」を受信した場合には、排水ポンプのモーターを稼動させ、排水を開始する。
尚、図4では図示をしていないが、各排水ポンプには第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3が設けられており、その上位に第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2が設けられている。このシステム構成を図1及び図2に則って示したものが図5である。
第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2に於ける1次装置側確率テーブル12に記憶する確率テーブルの一例を図6に、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3に於ける2次装置側確率テーブル17に記憶する確率テーブルの一例を図7に示す。ここでは2次装置側確率テーブル17に記憶する確率テーブルが同一の場合を説明するが、異なる確率テーブルであっても良いことは言うまでもない。
まず、水位センサーA(第1のデータ入力装置4a)の検出した水位が1、水位センサーB(第2のデータ入力装置4b)の検出した水位が0である場合を説明する。
水位センサーA(第1のデータ入力装置4a)は水位を1として検出しているので、それを第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2と第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3とに送信する。一方、水位センサーB(第2のデータ入力装置4b)は水位を0として検出しているので、それを第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2と第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3とに送信する。
第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bの第2データ受信部14は、各水位センサー(第1のデータ入力装置4a、第2のデータ入力装置4b)から水位のデータを受信し(S100)、これを2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16にデータを渡す。
ここで第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bは、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2から、その処理結果を第1データ受信部15で受信していないので、先に第2データ受信部14で受信した水位のデータに基づいてベイジアンネットワーク演算処理を実行する(S110)。
第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Aの2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16では、水位データとして1を受信しているが、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2からの処理結果を受信していない。そのままでは2次装置側確率テーブル17に参照するのに必要な値の全てが存在しないこととなるので、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2の処理結果となる部分を所定の暫定値を用いてベイジアンネットワークによる演算を行う。
ここでは暫定値として所定値(「警報ブザー=0」、「モーター=0」)とするが、一つ前に第1データ受信部15で受信した値、或いは所定回数前(例えば5回)から前回までに第1データ受信部15で受信した値の平均値、第1データ受信部15で受信した値を一次補間等の所定の補間方法により算出した値等を用いることも出来る。
そうすると2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側確率テーブル17(図7)を参照すると、「水位センサー=1」、「第1の処理装置の警報ブザー=0」、「第1の処理装置のモーター=0」となる処理結果は、「警報ブザー=0」、「モーター=1」となる。そうすると、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側出力部18に「警報ブザー=0」、「モーター=1」となる処理結果を出力し、2次装置側出力部18は、排水ポンプA(第1のデータ出力対象装置5a)の警報ブザーに値0のデータ、排水ポンプA(第1のデータ出力対象装置5a)のモーターに値1のデータを送信する(S120)。
それらを受信した排水ポンプA(第1のデータ出力対象装置5a)は、警報ブザーについては鳴動をさせず、モーターを稼動し、排水を開始する。
上述の処理と並行して、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bの2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16では、水位データとして0を受信しているが、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Aと同様に、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2からの処理結果を受信していない。そのままでは2次装置側確率テーブル17に参照するのに必要な値の全てが存在しないこととなるので、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2の処理結果となる部分を所定の暫定値を用いてベイジアンネットワークによる演算を行う。尚、ここでは第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Aと第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bで用いる暫定値を同一の場合として説明するが、同一でなくても良い。
そうすると2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側確率テーブル17(図7)を参照すると、「水位センサー=0」、「第1の処理装置の警報ブザー=0」、「第1の処理装置のモーター=0」となる処理結果は、「警報ブザー=0」、「モーター=0」となる。そうすると、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側出力部18に「警報ブザー=0」、「モーター=0」となる処理結果を出力し、2次装置側出力部18は、排水ポンプB(第2のデータ出力対象装置5b)の警報ブザーに値0のデータ、排水ポンプB(第2のデータ出力対象装置5b)のモーターに値0のデータを送信する(S120)。
それらを受信した排水ポンプB(第2のデータ出力対象装置5b)は、警報ブザーについては鳴動をさせず、モーターも稼動をさせない。
更に、水位センサーA(第1のデータ入力装置4a)と水位センサーB(第2のデータ入力装置4b)とから「水位センサーA=1、水位センサーB=0」のデータを入力データ受信部10で受信した第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2は、その値を1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部11に渡し、1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部11は、1次装置側確率テーブル12(図6)を参照することにより、ベイジアンネットワークによる処理を実行する(S130)。
そうすると、「水位センサーA=1、水位センサーB=0」となるのは、「排水ポンプAの警報ブザー=0、モーター=0.8」、「排水ポンプBの警報ブザー=0、モーター=0.2」が処理結果となる。そして1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部11は、1次装置側出力部13にその処理結果を送信し、1次装置側出力部13は、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bに各々の処理結果を送信する。
即ち、1次装置側出力部13は、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Aには「警報ブザー=0、モーター=0.8」を送信し、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bには「警報ブザー=0、モーター=0.2」を送信する。
この処理結果を第1データ受信部15で受信した第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bは、その結果に基づいて、再度2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16でベイジアンネットワークによる演算処理を実行する(S140)。
第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Aは、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2から処理結果として「警報ブザー=0、モーター=0.8」を第1データ受信部15で受信するので、第2データ受信部14で受信した「水位センサー=1」という処理結果と共に、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16で2次装置側確率テーブル17を参照してベイジアンネットワークによる処理を実行する。
即ち、「モーター=0.8」より、「水位センサー=1、第1の処理装置の処理結果の警報ブザー=0、第1の処理装置の処理結果のモーター=0」の確率が0.2(=1−0.8)、「水位センサー=1、第1の処理装置の処理結果の警報ブザー=0、第1の処理装置の処理結果のモーター=1」の確率が0.8であるので、2次装置側確率テーブル17より確率値による加重平均を取ると、
警報ブザー=0×0.2+0×0.8=0
モーター=1×0.2+1×0.8=1
となる。
警報ブザー=0×0.2+0×0.8=0
モーター=1×0.2+1×0.8=1
となる。
従って2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側出力部18に「警報ブザー=0、モーター=1」を送信し、それを受信した2次装置側出力部18は、排水ポンプA(第1のデータ出力対象装置5a)に「警報ブザー=0、モーター=1」を送信する(S150)。
それを受信した排水ポンプA(第1のデータ出力対象装置5a)は、警報ブザーについては鳴動をさせず、モーターの稼動を行い、排水を実行する。
一方、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bは、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2から処理結果として「警報ブザー=0、モーター=0.2」を第1データ受信部15で受信するので、第2データ受信部14で受信した「水位センサー=0」という処理結果と共に、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16で2次装置側確率テーブル17を参照してベイジアンネットワークによる処理を実行する。
即ち、「モーター=0.2」より、「水位センサー=0、第1の処理装置の処理結果の警報ブザー=0、第1の処理装置の処理結果のモーター=0」の確率が0.8(=1−0.2)、「水位センサー=0、第1の処理装置の処理結果の警報ブザー=0、第1の処理装置の処理結果のモーター=1」の確率が0.2であるので、2次装置側確率テーブル17より確率値による加重平均を取ると、
警報ブザー=0×0.8+0×0.2=0
モーター=1×0.8+1×0.2=0.2
となる。
警報ブザー=0×0.8+0×0.2=0
モーター=1×0.8+1×0.2=0.2
となる。
従って2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側出力部18に「警報ブザー=0、モーター=0.2」を送信し、それを受信した2次装置側出力部18は、排水ポンプB(第2のデータ出力対象装置5b)に「警報ブザー=0、モーター=0.2」を送信する(S150)。
それを受信した排水ポンプB(第2のデータ出力対象装置5b)は、警報ブザーについては鳴動をさせず、モーターの確率値が0.5未満であるので稼動を行わない。尚、本実施例では、モーターが2値であり、「0を未稼動、1を稼動」として設定しているので、その確率値が0.5未満の場合には未稼動としているが、モーターが10値であり、その値によってモーターの稼動出力を10段階で制御できる場合には、0.2のレベルでモーターを稼動させることとしても良い。
次に、水位センサーA(第1のデータ入力装置4a)の検出した水位が0、水位センサーB(第2のデータ入力装置4b)の検出した水位が2である場合を説明する。
水位センサーA(第1のデータ入力装置4a)は水位を0として検出しているので、それを第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2と第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3とに送信する。一方、水位センサーB(第2のデータ入力装置4b)は水位を2として検出しているので、それを第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2と第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3とに送信する。
第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bの第2データ受信部14は、各水位センサー(第1のデータ入力装置4a、第2のデータ入力装置4b)から水位のデータを受信し(S100)、これを2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16にデータを渡す。
ここで第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bは、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2から、その処理結果を第1データ受信部15で受信していないので、先に第2データ受信部14で受信した水位のデータに基づいてベイジアンネットワーク演算処理を実行する(S110)。
第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Aの2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16では、水位データとして0を受信しているが、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2からの処理結果を受信していない。そのままでは2次装置側確率テーブル17に参照するのに必要な値の全てが存在しないこととなるので、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2の処理結果となる部分を所定の暫定値を用いてベイジアンネットワークによる演算を行う。
そうすると2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側確率テーブル17(図7)を参照すると、「水位センサー=0」、「第1の処理装置の警報ブザー=0」、「第1の処理装置のモーター=0」となる処理結果は、「警報ブザー=0」、「モーター=0」となる。そうすると、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側出力部18に「警報ブザー=0」、「モーター=0」となる処理結果を出力し、2次装置側出力部18は、排水ポンプA(第1のデータ出力対象装置5a)の警報ブザーに値0のデータ、排水ポンプA(第1のデータ出力対象装置5a)のモーターに値0のデータを送信する(S120)。
それらを受信した排水ポンプA(第1のデータ出力対象装置5a)は、警報ブザーについては鳴動をさせず、モーターも稼動させず、排水も実行しない。
上述の処理と並行して、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bの2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16では、水位データとして2を受信しているが、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Aと同様に、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2からの処理結果を受信していない。そのままでは2次装置側確率テーブル17に参照するのに必要な値の全てが存在しないこととなるので、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2の処理結果となる部分を所定の暫定値を用いてベイジアンネットワークによる演算を行う。
そうすると2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側確率テーブル17(図7)を参照すると、「水位センサー=2」、「第1の処理装置の警報ブザー=0」、「第1の処理装置のモーター=0」となる処理結果は、「警報ブザー=0.2」、「モーター=1」となる。そうすると、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側出力部18に「警報ブザー=0.2」、「モーター=1」となる処理結果を出力し、2次装置側出力部18は、排水ポンプB(第2のデータ出力対象装置5b)の警報ブザーに値0.2のデータ、排水ポンプB(第2のデータ出力対象装置5b)のモーターに値1のデータを送信する(S120)。
それらを受信した排水ポンプBは、警報ブザーについては鳴動をさせず(値が0.5未満であるので)、モーターの稼動を開始し、排水を開始する。本実施例では警報ブザーが2値であり、「0を未稼動、1を稼動」として設定しているので、その確率値が0.5未満の場合には未稼動としているが、警報ブザーが10値であり、その値によって警報ブザーの出力を10段階で制御できる場合には、0.2のレベルで警報ブザーを鳴動させることが出来る。
更に、水位センサーA(第1のデータ入力装置4a)と水位センサーB(第2のデータ入力装置4b)とから「水位センサーA=0、水位センサーB=2」のデータを入力データ受信部10で受信した第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2は、その値を1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部11に渡し、1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部11は、1次装置側確率テーブル12(図6)を参照することにより、ベイジアンネットワークによる処理を実行する(S130)。
そうすると、「水位センサーA=0、水位センサーB=2」となるのは、「排水ポンプAの警報ブザー=1、モーター=1」、「排水ポンプBの警報ブザー=1、モーター=1」が処理結果となる。そして1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部11は、1次装置側出力部13にその処理結果を送信し、1次装置側出力部13は、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bに各々の処理結果を送信する。
即ち、1次装置側出力部13は、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Aには「警報ブザー=1、モーター=1」を送信し、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bには「警報ブザー=1、モーター=1」を送信する。
この処理結果を第1データ受信部15で受信した第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bは、その結果に基づいて、再度2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16でベイジアンネットワークによる演算処理を実行する(S140)。
第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Aは、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2から処理結果として「警報ブザー=1、モーター=1」を第1データ受信部15で受信するので、第2データ受信部14で受信した「水位センサー=0」という処理結果と共に、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16で2次装置側確率テーブル17を参照してベイジアンネットワークによる処理を実行する。
そうすると、「水位センサー=0、第1の処理装置の出力の警報ブザー=1、第1の処理装置の出力のモーター=1」となるのは、2次装置側確率テーブル17(図7)より「排水ポンプAの警報ブザー=1、モーター=1」であるので、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側出力部18に「警報ブザー=1、モーター=1」を送信し、それを受信した2次装置側出力部18は、排水ポンプA(第1のデータ出力対象装置5a)に「警報ブザー=1、モーター=1」を送信する(S150)。
それを受信した排水ポンプA(第1のデータ出力対象装置5a)は、警報ブザーを鳴動させ、モーターの稼動を開始し、排水を開始する。
一方、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bは、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2から処理結果として「警報ブザー=1、モーター=1」を第1データ受信部15で受信するので、第2データ受信部14で受信した「水位センサー=2」という処理結果と共に、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16で2次装置側確率テーブル17を参照してベイジアンネットワークによる処理を実行する。
そうすると、「水位センサー=2、第1の処理装置の出力の警報ブザー=1、第1の処理装置の出力のモーター=1」となるのは、2次装置側確率テーブル17(図7)より「排水ポンプBの警報ブザー=1、モーター=1」であるので、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側出力部18に「警報ブザー=1、モーター=1」を送信し、それを受信した2次装置側出力部18は、排水ポンプB(第2のデータ出力対象装置5b)に「警報ブザー=1、モーター=1」を送信する(S150)。
それを受信した排水ポンプB(第2のデータ出力対象装置5b)は、警報ブザーを鳴動させ、モーターの稼動を実行し、排水を実行する。
次に、水位センサーA(第1のデータ入力装置4a)の検出した水位が0、水位センサーB(第2のデータ入力装置4b)の検出した水位が3であり、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2が停止している場合を説明する。
水位センサーA(第1のデータ入力装置4a)は水位を0として検出しているので、それを第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2と第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3とに送信する。一方、水位センサーB(第2のデータ入力装置4b)は水位を2として検出しているので、それを第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2と第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3とに送信する。しかしここで第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2は停止しているので、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2では各水位センサー(第1のデータ入力装置4a、第2のデータ入力装置4b)からのデータは受信できない。
第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bの第2データ受信部14は、各水位センサー(第1のデータ入力装置4a、第2のデータ入力装置4b)から水位のデータを受信し(S100)、これを2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16にデータを渡す。
ここで第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bは、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2が停止していることから、その処理結果を第1データ受信部15で受信出来ないので、第2データ受信部14で受信した水位のデータに基づいてベイジアンネットワーク演算処理を実行する(S110)。
第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Aの2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16では、水位データとして0を受信しているが、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2からの処理結果を受信していない。そのままでは2次装置側確率テーブル17に参照するのに必要な値の全てが存在しないこととなるので、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2の処理結果となる部分を所定の暫定値を用いてベイジアンネットワークによる演算を行う。
そうすると2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側確率テーブル17(図7)を参照すると、「水位センサー=0」、「第1の処理装置の警報ブザー=0」、「第1の処理装置のモーター=0」となる処理結果は、「警報ブザー=0」、「モーター=0」となる。そうすると、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側出力部18に「警報ブザー=0」、「モーター=0」となる処理結果を出力し、2次装置側出力部18は、排水ポンプA(第1のデータ出力対象装置5a)の警報ブザーに値0のデータ、排水ポンプA(第1のデータ出力対象装置5a)のモーターに値0のデータを送信する(S120)。
それらを受信した排水ポンプA(第1のデータ出力対象装置5a)は、警報ブザーについては鳴動をさせず、モータも稼動させない。
上述の処理と並行して、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bの2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16では、水位データとして3を受信しているが、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Aと同様に、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2からの処理結果を受信出来ない。そのままでは2次装置側確率テーブル17に参照するのに必要な値の全てが存在しないこととなるので、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2の処理結果となる部分を所定の暫定値を用いてベイジアンネットワークによる演算を行う。
そうすると2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側確率テーブル17(図7)を参照すると、「水位センサー=3」、「第1の処理装置の警報ブザー=0」、「第1の処理装置のモーター=0」となる処理結果は、「警報ブザー=1」、「モーター=1」となる。そうすると、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側出力部18に「警報ブザー=1」、「モーター=1」となる処理結果を出力し、2次装置側出力部18は、排水ポンプB(第2のデータ出力対象装置5b)の警報ブザーに値1のデータ、排水ポンプB(第2のデータ出力対象装置5b)のモーターに値1のデータを送信する(S120)。
それらを受信した排水ポンプB(第2のデータ出力対象装置5b)は、警報ブザーを鳴動をさせ、モーターの稼動を開始し、排水を開始する。
そしてS130からS150の第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2による処理及びその処理結果に基づく第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3による再度の処理は、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2が停止していることから行われない。
このような場合、従来であれば第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2で処理が行えないことから、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3に第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2での処理結果が送信されないので、排水ポンプA及び排水ポンプB(第1のデータ出力対象装置5a、第2のデータ出力対象装置5b)を稼動させることは出来ない。
しかし本実施例のように、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3のみを各々稼動させることによって、排水ポンプA及び排水ポンプBを連携した動作を行うことは出来ないが、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3内で各々排水ポンプの動作を行うことが出来る。
上述の実施例1では、各データ入力装置4のデータを第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3で受信し、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2に於けるベイジアンネットワークによる処理と、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3に於ける第2データ受信部14で受信したデータによるベイジアンネットワークによる処理とを並列して実行し、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2の処理結果に基づいて再度第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3で第1データ受信部15と第2データ受信部14とで受信したデータに基づいて、ベイジアンネットワークによる処理を実行する場合を説明したが、この場合、先に第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3の下位に属するデータ入力装置4からの局所的なデータによる処理を実行後、再度全体のデータによる処理を実行している。
その為、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3は、データ入力装置4から1つのデータを1回受信することによって、ベイジアンネットワークによる処理を2回実行することとなる。従って第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3に、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2の2倍の負荷がかかることとなる。
そこで本実施例では、第2のベイジアンネットワーク処理装置が第2データ受信部14でデータ入力装置4からデータを受信しても、すぐには局所的なデータによるベイジアンネットワークによる処理を実行せずに、所定時間内に第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2からの処理結果を受信できなかった場合に、局所的なデータによるベイジアンネットワークによる処理を実行する場合を説明する。
この場合のシステム構成の一例を図8に示す。図8のシステム構成では、図2のシステム構成(実施例1)の場合に加えて更に計時部19を設けている。
計時部19は、データ入力装置4から第2データ受信部14がデータを受信してからの時間を計時する手段である。即ち、データ入力装置4から第2データ受信部14がデータを受信することによって計時を開始し、計時部19で計時する所定時間内に第1データ受信部15が第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2から処理結果を受信しない場合に、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、第2データ受信部14で受信した結果と上述の暫定値(ここでは暫定値を実施例1と同様とするが、それ以外であっても良い)とに基づいてベイジアンネットワークによる処理を実行する。
このように計時部19を設けることによって、実施例1とは異なり、第2データ受信部14がデータ入力装置4からデータを受信後、すぐに受信した値と暫定値とに基づいて、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16でベイジアンネットワークによる処理を実行するのではなく、第2データ受信部14がデータ入力装置4からデータを受信後、所定時間内に第1データ受信部15が第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2からデータを受信できなかった場合のみ、第2データ受信部14で受信したデータと暫定値とに基づいて2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16でベイジアンネットワークによる処理を実行することとなる。
その為、データ入力装置4から入力された1回のデータに対して、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3は、実施例1では2回のベイジアンネットワークによる処理を実行していたが、本実施例では1回のベイジアンネットワークによる処理で済み、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3の処理負担を増大させない。
更に、計時手段で所定時間を計時している為、全体処理の遅延も当該所定時間内で済むこととなり、大幅な遅延を防ぐことが出来る。
次に本実施例の場合の処理プロセスの流れの一例を図9のフローチャート及び図8のシステム構成図を用いて説明する。
まず、水位センサーA(第1のデータ入力装置4a)の検出した水位が1、水位センサーB(第2のデータ入力装置4b)の検出した水位が0であり、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3は、所定時間内に第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2からデータを受信する場合を説明する。
水位センサーA(第1のデータ入力装置4a)は水位を1として検出しているので、それを第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2と第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3とに送信する。一方、水位センサーB(第2のデータ入力装置4b)は水位を0として検出しているので、それを第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2と第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3とに送信する。
送信されたデータは、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2の入力データ受信部10、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3の第2データ受信部14で受信する(S200)。
第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bの第2データ受信部14が各水位センサー(第1のデータ入力装置4a、第2のデータ入力装置4b)から水位のデータを受信したことによって、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bの計時部19は計時を開始する(S210)。
水位センサーA(第1のデータ入力装置4a)と水位センサーB(第2のデータ入力装置4b)とから「水位センサーA=1、水位センサーB=0」のデータを入力データ受信部10で受信した第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2は、その値を1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部11に渡し、1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部11は、1次装置側確率テーブル12(図6)を参照することにより、ベイジアンネットワークによる処理を実行する(S220)。
そうすると、「水位センサーA=1、水位センサーB=0」となるのは、「排水ポンプAの警報ブザー=0、モーター=0.8」、「排水ポンプBの警報ブザー=0、モーター=0.2」が処理結果となる。そして1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部11は、1次装置側出力部13にその処理結果を送信し、1次装置側出力部13は、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bに各々の処理結果を送信する。
即ち、1次装置側出力部13は、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Aには「警報ブザー=0、モーター=0.8」を送信し、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bには「警報ブザー=0、モーター=0.2」を送信する。
第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bの第1データ受信部15は、計時部19で計時開始時から所定時間内にデータを受信しているので(S230)、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bは、その結果に基づいて、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16でベイジアンネットワークによる演算処理を実行する(S240)。
第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Aは、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2から処理結果として「警報ブザー=0、モーター=0.8」を第1データ受信部15で受信するので、S200に於いて第2データ受信部14で受信した「水位センサー=1」という処理結果と共に、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16で2次装置側確率テーブル17を参照してベイジアンネットワークによる処理を実行する。
即ち、「モーター=0.8」より、「水位センサー=1、第1の処理装置の処理結果の警報ブザー=0、第1の処理装置の処理結果のモーター=0」の確率が0.2(=1−0.8)、「水位センサー=1、第1の処理装置の処理結果の警報ブザー=0、第1の処理装置の処理結果のモーター=1」の確率が0.8であるので、2次装置側確率テーブル17より確率値による加重平均を取ると、
警報ブザー=0×0.2+0×0.8=0
モーター=1×0.2+1×0.8=1
となる。
警報ブザー=0×0.2+0×0.8=0
モーター=1×0.2+1×0.8=1
となる。
従って2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側出力部18に「警報ブザー=0、モーター=1」を送信し、それを受信した2次装置側出力部18は、排水ポンプA(第1のデータ出力対象装置5a)に「警報ブザー=0、モーター=1」を送信する(S260)。
それを受信した排水ポンプA(第1のデータ出力対象装置5a)は、警報ブザーについては鳴動をさせず、モーターの稼動を実行し、排水を実行する。
一方、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bは、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2から処理結果として「警報ブザー=0、モーター=0.2」を第1データ受信部15で受信するので、S200に於いて第2データ受信部14で受信した「水位センサー=0」という処理結果と共に、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16で2次装置側確率テーブル17を参照してベイジアンネットワークによる処理を実行する。
即ち、「モーター=0.2」より、「水位センサー=0、第1の処理装置の処理結果の警報ブザー=0、第1の処理装置の処理結果のモーター=0」の確率が0.8(=1−0.2)、「水位センサー=0、第1の処理装置の処理結果の警報ブザー=0、第1の処理装置の処理結果のモーター=1」の確率が0.2であるので、2次装置側確率テーブル17よりそれぞれの出力を得て確率値による加重平均を取ると、
警報ブザー=0×0.8+0×0.2=0
モーター=1×0.8+1×0.2=0.2
となる。
警報ブザー=0×0.8+0×0.2=0
モーター=1×0.8+1×0.2=0.2
となる。
従って2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側出力部18に「警報ブザー=0、モーター=0.2」を送信し、それを受信した2次装置側出力部18は、排水ポンプB(第2のデータ出力対象装置5b)に「警報ブザー=0、モーター=0.2」を送信する(S260)。
それを受信した排水ポンプB(第2のデータ出力対象装置5b)は、警報ブザーについては鳴動をさせず、モーターの確率値が0.5未満であるので稼動を行わない。又、この場合、S230で所定時間内に第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2から処理結果を受信し、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3でベイジアンネットワークによる処理を実行できているので、局所的なデータによる処理(S250)は行われない。
次に、水位センサーA(第1のデータ入力装置4a)の検出した水位が0、水位センサーB(第2のデータ入力装置4b)の検出した水位が2であり、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2は正常に稼動しているが、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2と第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bとの間の通信ネットワークの障害により、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bでは所定時間内に第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2からデータを受信できない場合を説明する。
水位センサーA(第1のデータ入力装置4a)は水位を0として検出しているので、それを第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2と第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3とに送信する。一方、水位センサーB(第2のデータ入力装置4b)は水位を2として検出しているので、それを第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2と第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3とに送信する。
送信されたデータは、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2の入力データ受信部10、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3の第2データ受信部14で受信する(S200)。
第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bの第2データ受信部14は、各水位センサー(第1のデータ入力装置4a、第2のデータ入力装置4b)から水位のデータを受信したことによって、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bの計時部19は計時を開始する(S210)。
水位センサーA(第1のデータ入力装置4a)と水位センサーB(第2のデータ入力装置4b)とから「水位センサーA=0、水位センサーB=2」のデータを入力データ受信部10で受信した第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2は、その値を1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部11に渡し、1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部11は、1次装置側確率テーブル12(図6)を参照することにより、ベイジアンネットワークによる処理を実行する(S220)。
そうすると、「水位センサーA=0、水位センサーB=2」となるのは、「排水ポンプAの警報ブザー=1、モーター=1」、「排水ポンプBの警報ブザー=1、モーター=1」が処理結果となる。そして1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部11は、1次装置側出力部13にその処理結果を送信し、1次装置側出力部13は、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bに各々の処理結果を送信する。
即ち、1次装置側出力部13は、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Aには「警報ブザー=1、モーター=1」を送信し、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bには「警報ブザー=1、モーター=1」を送信する。
第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Aの第1データ受信部15は、計時部19で計時開始時から所定時間内にデータを受信しているので(S230)、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Aは、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2の処理結果に基づいて、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16でベイジアンネットワークによる演算処理を実行する(S240)。
即ち、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Aは、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2から処理結果として「警報ブザー=1、モーター=1」を第1データ受信部15で受信するので、S200に於いて第2データ受信部14で受信した「水位センサー=0」という処理結果と共に、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16で2次装置側確率テーブル17を参照してベイジアンネットワークによる処理を実行する。
そうすると、「水位センサー=0、第1の処理装置の出力の警報ブザー=1、第1の処理装置の出力のモーター=1」となるのは、2次装置側確率テーブル17(図7)より「排水ポンプAの警報ブザー=1、モーター=1」であるので、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側出力部18に「警報ブザー=1、モーター=1」を送信し、それを受信した2次装置側出力部18は、排水ポンプA(第1のデータ出力対象装置5a)に「警報ブザー=1、モーター=1」を送信する(S260)。
それを受信した排水ポンプA(第1のデータ入力装置4a)は、警報ブザーを鳴動させ、モーターの稼動を実行し、排水を実行する。
一方、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bの第1データ受信部15は、上述のように、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2と第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bとの間の通信ネットワークの障害によって、計時部19で計時開始時から所定時間内にデータを受信出来ない(S230)。
そうすると、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bの2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、計時部19で所定時間経過後、第2データ受信部14で受信したデータ(水位データ=2)と暫定値(「第1の処理装置の警報ブザー=0」、「第1の処理装置のモーター=0」)を用いて2次装置側確率テーブル17(図7)を参照することにより、ベイジアンネットワークによる演算を実行する(S250)。
そうすると2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側確率テーブル17(図7)を参照すると、「水位センサー=2」、「第1の処理装置の警報ブザー=0」、「第1の処理装置のモーター=0」となる処理結果は、「警報ブザー=0.2」、「モーター=1」となる。そうすると、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側出力部18に「警報ブザー=0.2」、「モーター=1」となる処理結果を出力し、2次装置側出力部18は、排水ポンプB(第2のデータ出力対象装置5b)の警報ブザーに値0.2のデータ、排水ポンプB(第2のデータ出力対象装置5b)のモーターに値1のデータを送信する(S260)。
それらを受信した排水ポンプBは、警報ブザーについては鳴動をさせず(値が0.5未満であるので)、モーターの稼動を実行し、排水を実行する。
次に、水位センサーA(第1のデータ入力装置4a)の検出した水位が0、水位センサーB(第2のデータ入力装置4b)の検出した水位が3であり、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2が停止している場合を説明する。従って第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bは、所定時間内に第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2からその処理結果を受信できない。
水位センサーA(第1のデータ入力装置4a)は水位を0として検出しているので、それを第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2と第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3とに送信する。一方、水位センサーB(第2のデータ入力装置4b)は水位を2として検出しているので、それを第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2と第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3とに送信する。
送信されたデータは、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3の第2データ受信部14で受信する(S200)。第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2は、上述のように処理が停止しているので、各水位センサー(第1のデータ入力装置4a、第2のデータ入力装置4b)から水位データを入力データ受信部10で受信できない、或いは受信しても1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部11で処理を実行できない。即ち、S220は実行されない。
第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bの第2データ受信部14は、各水位センサー(第1のデータ入力装置4a、第2のデータ入力装置4b)から水位データを受信したことによって、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bの計時部19は計時を開始する(S210)。
第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bは、計時部19で計時し開始時から所定時間内に第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2から処理結果を受信できない(S230)。
そこで第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3A及び第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bの2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、第2データ受信部14で受信した水位データと暫定値とに基づいて、2次装置側確率テーブル17(図7)を参照することにより、ベイジアンネットワークによる処理を実行する(S250)。
第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Aの2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16では、水位データとして0を受信しているが、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2からの処理結果を受信していない。そのままでは2次装置側確率テーブル17に参照するのに必要な値の全てが存在しないこととなるので、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2の処理結果となる部分を所定の暫定値を用いてベイジアンネットワークによる演算を行う。
そうすると2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側確率テーブル17(図7)を参照すると、「水位センサー=0」、「第1の処理装置の警報ブザー=0」、「第1の処理装置のモーター=0」となる処理結果は、「警報ブザー=0」、「モーター=0」となる。そうすると、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側出力部18に「警報ブザー=0」、「モーター=0」となる処理結果を出力し、2次装置側出力部18は、排水ポンプA(第1のデータ出力対象装置5a)の警報ブザーに値0のデータ、排水ポンプA(第1のデータ出力対象装置5a)のモーターに値0のデータを送信する(S260)。
それらを受信した排水ポンプA(第1のデータ出力対象装置5a)は、警報ブザーについては鳴動をさせず、モータも稼動させない。
上述の処理と並行して、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Bの2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16では、水位データとして3を受信しているが、第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3Aと同様に、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2からの処理結果を受信出来ない。そのままでは2次装置側確率テーブル17に参照するのに必要な値の全てが存在しないこととなるので、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2の処理結果となる部分を所定の暫定値を用いてベイジアンネットワークによる演算を行う。
そうすると2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側確率テーブル17(図7)を参照すると、「水位センサー=3」、「第1の処理装置の警報ブザー=0」、「第1の処理装置のモーター=0」となる処理結果は、「警報ブザー=1」、「モーター=1」となる。そうすると、2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部16は、2次装置側出力部18に「警報ブザー=1」、「モーター=1」となる処理結果を出力し、2次装置側出力部18は、排水ポンプB(第2のデータ出力対象装置5b)の警報ブザーに値1のデータ、排水ポンプB(第2のデータ出力対象装置5b)のモーターに値1のデータを送信する(S120)。
それらを受信した排水ポンプB(第2のデータ出力対象装置5b)は、警報ブザーを鳴動をさせ、モーターの稼動を実行し、排水を実行する。
実施例1では第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3は、1回のデータ入力に対して2回のベイジアンネットワークによる処理を実行していたが、本実施例のように計時部19を設けることによって第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3は1回のデータ入力に対して1回のベイジアンネットワークによる処理で済むこととなり、その処理負担が軽減される。
又、所定時間内に第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2から処理結果を受信できない場合でも、所定時間経過後に、自らの下位に属するデータ入力装置4から受信したデータと暫定値とに基づいてベイジアンネットワークによる処理を実行する為、全体処理の停止或いは大幅な遅延を防ぐことが出来る。
更に実施例1及び実施例2のいずれかの構成を有する耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1に於いて、耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1が直接データ入力装置4、データ出力対象装置5と接続するのではなく、更に他の耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1を介しても良い。即ち耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1を階層的に設けても良い。この場合のシステム構成の一例を図10に示す。
図10に示す耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1のシステム構成の場合、最上位には第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2が設けられており、その下位に第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2と第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3とからなる2つの耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1が設けられている。
そしてこの下位に属する2つの耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1は、更にその下位に2つのデータ入力装置4(第1のデータ入力装置4aと第2のデータ入力装置4b)と2つのデータ出力対象装置5(第1のデータ出力対象装置5aと第2のデータ出力対象装置5b)が存在している。
即ち、各データ入力装置4から入力されたデータは、最初に下位の2つの耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1と、最上位の第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2に入力される。そして実施例1の処理プロセスで行う場合には、最初に、下位の2つの耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1で、自らの下位に属するデータ入力装置4から受信したデータと暫定値とを用いてベイジアンネットワークによる処理を実行し、その処理結果を、下位のデータ出力対象装置5に送信する。
それと並列して最上位の第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2は、全部のデータ入力装置4から受信したデータに基づいて、ベイジアンネットワークによる処理を実行し、その処理結果を下位の2つの耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1に送信する。下位の2つの耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1では、受信した最上位の第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2からの処理結果と下位のデータ入力装置4から受信したデータに基づいて、再度ベイジアンネットワークによる処理を実行し、その処理結果を下位のデータ出力対象装置5に送信する。
一方、実施例2の処理プロセスで行う場合には、まず最上位の第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2は、全部のデータ入力装置4から受信したデータに基づいて、ベイジアンネットワークによる処理を実行し、その処理結果を下位の2つの耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1に送信する。下位の2つの耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1では、受信した最上位の処理装置からの処理結果と下位のデータ入力装置4から受信したデータに基づいて、再度ベイジアンネットワークによる処理を実行し、その処理結果を下位のデータ出力対象装置5に送信する。一方、所定時間内に最上位の処理装置から処理結果を受信しなかった場合、下位の2つの耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1は、自らの下位のデータ入力装置4から受信したデータと暫定値とを用いてベイジアンネットワークによる処理を実行し、その処理結果を、下位のデータ出力対象装置5に送信する。
このように耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1の上位に第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2を階層的に設けることも出来る。又、耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1の上位に設けた第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2の上位に更に複数の第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2を設けても良い。従って最上位の第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2とデータ入力装置4、データ出力対象装置5以外の中間に設けられた各処理装置は、各々その上下関係に於いてデータ入力装置4、データ出力対象装置5と見なすことによって、上述の実施例1及び実施例2と同様の処理を実行することで実現できる。
更に、一つの耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置1に於いて、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2とその下位に属する第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3の2階層にするのではなく、3階層以上にしても良い。即ち、第3の或いは第4のベイジアンネットワーク演算処理装置を設けても良い。この場合、実施例1及び実施例2と同様に処理を実行することが出来る。
本発明に於ける各装置、各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。
尚、本発明を実施するにあたり本実施態様の機能を実現するソフトウェアのプログラムを記録した記憶媒体をシステムに供給し、そのシステムのコンピュータが記憶媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによって実現されることは当然である。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラム自体が前記した実施態様の機能を実現することとなり、そのプログラムを記憶した記憶媒体は本発明を当然のことながら構成することになる。このプログラムを、ネットワーク上のサーバからダウンロードできるようにしても良い。
プログラムを供給する為の記憶媒体としては、例えば磁気ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等を使用することができる。
又、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、上述した実施態様の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステムなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前記した実施態様の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる不揮発性あるいは揮発性の記憶手段に書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、機能拡張ボードあるいは機能拡張ユニットに備わる演算処理装置などが実際の処理の一部あるいは全部を行い、その処理により前記した実施態様の機能が実現される場合も含まれることは当然である。
本発明のように構成することによって、第1のベイジアンネットワーク演算処理装置2が動作しなくても、或いは通信ネットワークに障害が発生しても、局所的なデータ入力に基づいて第2のベイジアンネットワーク演算処理装置3でベイジアンネットワークによる処理を実行することが出来る。これによって、全体処理の停止或いは遅延を防ぐことが可能となり大きな障害を避けることが出来る。
1:耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置
2:第1のベイジアンネットワーク演算処理装置
3:第2のベイジアンネットワーク演算処理装置
4:データ入力装置
4a:第1のデータ入力装置
4b:第2のデータ入力装置
5:データ出力対象装置
5a:第1のデータ出力対象装置
5b:第2のデータ出力対象装置
10:入力データ受信部
11:1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部
12:1次装置側確率テーブル
13:1次装置側出力部
14:第2データ受信部
15:第1データ受信部
16:2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部
17:2次装置側確率テーブル
18:2次装置側出力部
19:計時部
2:第1のベイジアンネットワーク演算処理装置
3:第2のベイジアンネットワーク演算処理装置
4:データ入力装置
4a:第1のデータ入力装置
4b:第2のデータ入力装置
5:データ出力対象装置
5a:第1のデータ出力対象装置
5b:第2のデータ出力対象装置
10:入力データ受信部
11:1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部
12:1次装置側確率テーブル
13:1次装置側出力部
14:第2データ受信部
15:第1データ受信部
16:2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部
17:2次装置側確率テーブル
18:2次装置側出力部
19:計時部
Claims (6)
- 第1のベイジアンネットワーク演算処理装置と第2のベイジアンネットワーク演算処理装置とを有する耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置であって、
前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置は、
前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置の下位に属する処理対象となるデータ入力装置からデータを受信する入力データ受信部と、
前記受信したデータに基づいて、前記入力データ受信部で受信するデータとその場合に出力する結果との関係を確率分布で示した1次装置側確率テーブルを参照することにより、ベイジアンネットワークによる演算処理を実行する1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部と、
前記1次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部による処理結果を、前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置に送信する1次装置側出力部と、を有しており、
前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置は、
前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置からその処理結果を受信する第1データ受信部と、
前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置の下位に属する処理対象となるデータ入力装置からデータを受信する第2データ受信部と、
前記第1データ受信部及び前記第2データ受信部で受信したデータ、或いは前記第2データ受信部で受信したデータに基づいて、前記第2データ受信部で受信するデータとその場合に出力する結果との関係を確率分布で示した2次装置側確率テーブルを参照することによりベイジアンネットワークによる演算処理を実行する2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部と、
前記2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部による処理結果を、前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置の下位に属するデータ出力対象装置に送信する2次装置側出力部と、
を有することを特徴とする耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置。 - 前記2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部は、
前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置からその処理結果を前記第1データ受信部で受信していない場合、所定の方法により定められた暫定値と前記第2データ受信部で受信したデータとに基づいて、前記2次装置側確率テーブルを参照することにより、ベイジアンネットワークによる演算処理を実行し、
前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置からその処理結果を前記第1データ受信部で受信した場合、該処理結果と前記第2データ受信部で受信したデータとに基づいて、前記2次装置側確率テーブルを参照することによりベイジアンネットワークによる演算処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置。 - 前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置は、
前記第2データ受信部が前記その下位に属するデータ入力装置からデータを受信すると計時を開始する計時部を更に有しており、
前記2次装置側ベイジアンネットワーク演算処理部は、
前記計時部で計時開始後、所定時間内に前記第1データ受信部が前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置からその処理結果を受信した場合、該処理結果と前記第2データ受信部で受信したデータとに基づいて、前記2次装置側確率テーブルを参照することにより、ベイジアンネットワークによる演算処理を実行し、
前記計時部で計時開始後、所定時間内に前記第1データ受信部が前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置からその処理結果を受信しなかった場合、所定の方法により定められた暫定値と前記第2データ受信部で受信したデータとに基づいて、前記2次装置側確率テーブルを参照することによりベイジアンネットワークによる演算処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置。 - 前記所定の方法により定められた暫定値は、
予め定められた値、前回第1データ受信部で受信した値、或いは所定回数前から前回までに前記第1データ受信部で受信した値の平均値、前記第1データ受信部で受信した値を所定の補間方法により算出した値のいずれかの方法により定められている、
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置。 - 第1のベイジアンネットワーク演算処理装置と第2のベイジアンネットワーク演算処理装置とを有する耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置であって、
前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置は、
前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置の下位に属する処理対象となるデータ入力装置から送信されたデータを受信し、そのデータに基づいて確率テーブルを参照することによりベイジアンネットワークによる演算処理を実行し、その処理結果を前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置に送信し、
前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置は、
前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置の下位に属する処理対象となるデータ入力装置から送信されたデータと所定の方法により定められた暫定値とに基づいて確率テーブルを参照することによりベイジアンネットワークによる演算処理を実行し、その処理結果を自らの下位に属する処理対象となるデータ出力対象装置に送信し、
前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置の下位に属する処理対象となるデータ入力装置から送信されたデータと前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置から送信された処理結果のデータとを受信し、それらのデータに基づいて確率テーブルを参照することによりベイジアンネットワークによる演算処理を実行し、その処理結果を前記自らの下位に属する処理対象となるデータ出力対象装置に送信する、
ことを特徴とする耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置。 - 第1のベイジアンネットワーク演算処理装置と第2のベイジアンネットワーク演算処理装置とを有する耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置であって、
前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置は、
前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置の下位に属する処理対象となるデータ入力装置から送信されたデータを受信し、そのデータに基づいて確率テーブルを参照することによりベイジアンネットワークによる演算処理を実行し、その処理結果を前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置に送信し、
前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置は、
前記第2のベイジアンネットワーク演算処理装置の下位に属する処理対象となるデータ入力装置から送信されたデータを受信し、
その受信時から所定時間内に前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置の処理結果のデータを受信した場合には、前記データ入力装置からのデータ及び前記処理結果のデータとに基づいて確率テーブルを参照することによりベイジアンネットワークによる演算処理を実行し、その処理結果を自らの下位に属する処理対象となるデータ出力対象装置に送信し、
その受信時から所定時間内に前記第1のベイジアンネットワーク演算処理装置の処理結果のデータを受信しなかった場合には、前記データ入力装置からのデータと所定の方法により定められた暫定値とに基づいて確率テーブルを参照することによりベイジアンネットワークによる演算処理を実行し、その処理結果を自らの下位に属する処理対象となるデータ出力対象装置に送信する、
ことを特徴とする耐障害型ベイジアンネットワーク演算処理装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008176703A (ja) * | 2007-01-22 | 2008-07-31 | Fuji Xerox Co Ltd | 故障診断システム及び故障診断プログラム |
JP2012510648A (ja) * | 2008-12-03 | 2012-05-10 | オセ−テクノロジーズ・ベー・ヴエー | 複写システム |
CN111207484A (zh) * | 2019-12-13 | 2020-05-29 | 浙江大学 | 基于面向对象贝叶斯网络的中央空调系统故障诊断方法 |
CN113051530A (zh) * | 2021-04-02 | 2021-06-29 | 西安建筑科技大学 | 一种基于kde-fa的冷水机组故障特征刻画方法 |
-
2004
- 2004-08-24 JP JP2004243691A patent/JP2006065383A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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