JP2006062155A - 繊維強化プラスチック成型品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 多数の接合部を有する複雑な3次元構造を有するファン等の羽根車などをクローズドモールドで生産することを可能とし、しかも接合部の強度を確保でき、製品間のばらつきが少ない製造方法、接合強度の高い3次元成型品を提供する。
【解決手段】 最終製品形状に相当する形状を有する強化繊維製プリフォームを金型内にセットし、閉型する工程;該金型内に、マトリックス樹脂を充填し、硬化する工程を含む製造方法。当該方法で成型されるFRP成型品は、複数枚の強化繊維シートを組合わせてなる3次元形状の強化繊維プリフォームにマトリックス樹脂が含浸された繊維強化プラスチック製成形品であって、第1の強化繊維シートと第2の強化繊維シートとの接合部分で、両者のマトリックス樹脂が渾然一体化している。
【選択図】 図9
Description
本発明は、腐食性薬剤の輸液に用いられるポンプのロータやファン等の羽根車をはじめとする、断面T型構造やH型構造又は矩形構造を組み合わせた複雑な三次元形状を有する繊維強化プラスチック製成型品の製造方法、及び接合強度、耐久性に優れた繊維強化プラスチック成型品に関する。
腐食性薬剤の輸液に用いられるポンプのロータやファン等の羽根車には、耐蝕性、機械的強度に優れた繊維強化プラスチック製のものが一般に用いられている。
ファンやポンプのロータ等の羽根車は、図1に示すように、主板1と複数の羽根パーツ2と側板3とが、断面H型部分の集合体のように組合わされた三次元形状をしている。このような構造を有する繊維強化プラスチック製羽根車は、図2に示すように、ハンドレイアップ法により各羽根パーツ2、主板1、側板3を個別に成型し、各羽根パーツ2と主板1及び側板3の接合端をマトリックス樹脂を用いて接合していた。このような方法では、各羽根パーツ2を一枚づつ主板及び側板に接着して組み立てていく必要がある。このため、組み立て部品数、接合箇所が多くなって生産性が悪い。また、接合部分と各パーツのマトリックス樹脂とが一体化せず、積層構造となっているので、接合部分と接合以外の部分で凹凸があったり、積層の過不足等による品質のばらつきを生じやすいという欠点があった。
このような欠点を解消するために、生産性を向上させ、品質のばらつきをおさえる方法として、特許文献1(特公昭57−36437号)に、図3に示すような連続一体状の羽根体をまず成形し、この羽根車に主板及び側板を接着一体化する方法が開示されている。
また、特許文献2(特公昭58−4198号)には、図4に示すように、主板1(又は側板3)上に、各羽根パーツ2を所定配置のもとに仮着した後、これら両者を、一方羽根の一側面、該一側面の一端に連なる他方羽根パーツの他側面を一単位として、各単位ごとにその全面を覆うように、断面コ字型の繊維強化プラスチック接合剤4,5を用いて接合一体化する方法が開示されている。このような断面コ字型の繊維強化プラスチック接合材を用いて羽根車と主板1及び側板3とを接合しているので、接合部のみ接着剤を用いたときのような凹凸がなくなるとともに、広い接合面積の向上を図るものである。
しかしながら、上記いずれの方法も、羽根車部分と主板及び側板部分は、別体として構成されているものを接着剤で接合一体化しているにすぎないため、接合部における強度、耐久性について、更なる改良が求められている。また、別体に構成された部品を接着剤で順次一体化していくために、各部品における寸法精度が高度に要求される。
さらに、上記いずれの方法も、オープンモールドで成型するしかないが、マトリックス樹脂の溶剤や重合性モノマーは揮発性であるため、作業環境面からはクローズドモールドで成型できるようにすることが望まれている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、多数の接合部を有する複雑な3次元構造を有するファン、ポンプ等の羽根車などをクローズドモールドで生産することを可能とし、しかも接合部の強度を確保でき、製品間のばらつきが少ない製造方法を提供することにある。
本発明の繊維強化プラスチック製成型品の製造方法は、最終製品形状に相当する形状を有する強化繊維製プリフォームを金型内にセットし、閉型する工程;該金型内に、マトリックス樹脂を充填し、硬化する工程を含む方法である。
前記プリフォームは断面H型構造又は矩形を組合わせた形状を有している場合に好適であり、特に前記成型品は、ポンプのロータやファン等の羽根車の場合に好適である。
前記プリフォームは、強化繊維からなるシートを複数枚組合わせてなるものであって、第1のシートと第2のシートは、ニードルステッチにより接合されていることが好ましい。
本発明の繊維強化プラスチック成型品は、複数枚の強化繊維シートを組合わせてなる3次元形状の強化繊維プリフォームにマトリックス樹脂が含浸された繊維強化プラスチック製成形品であって、第1の強化繊維シートと第2の強化繊維シートとの接合部分で、該第1の強化繊維シートのマトリックス樹脂と該第2の強化繊維シートのマトリックス樹脂とが、渾然一体化している。
前記プリフォームにおけるシート接合部では、一側のシートの繊維の一部が他側シートに内に打込まれていることが好ましい。
本発明の繊維強化プラスチック製成型品の製造方法は、最終製品形状に相当する形状のプリフォームを用いて成型するので、クローズドモールディングで成型することができて、作業環境性がよく、生産性が高く、しかも製品間の寸法のバラツキが少なくて済む。
本発明の繊維強化プラスチック製成型品は、第1の強化繊維シートと第2の強化繊維シートとの接合部分で、該第1の強化繊維シートのマトリックス樹脂と該第2の強化繊維シートのマトリックス樹脂とが、渾然一体化しているので、従来の接着剤による接合や積層による接合と比べて、2枚の強化繊維シートの接合部分における接合強度が高く、耐久性に優れている。
本発明の繊維強化プラスチック製成型品の製造方法は、最終製品形状に相当する形状を有する強化繊維製プリフォームを金型内にセットし、閉型する工程;及び該金型内に、マトリックス樹脂を充填し、硬化する工程を含む。
はじめに、本発明の方法で使用するプリフォームについて説明する。
本発明で用いられるプリフォームは、強化繊維を最終製品形状に作製したものである。最終製品形状の骨格を有する三次元プリフォームを使用することで、プリフォームの時点で寸法精度を管理することが可能となるので、各製品におけるパーツ間の寸法管理、製品間の寸法のばらつきを少なくできる。
本発明で用いられるプリフォームは、強化繊維を最終製品形状に作製したものである。最終製品形状の骨格を有する三次元プリフォームを使用することで、プリフォームの時点で寸法精度を管理することが可能となるので、各製品におけるパーツ間の寸法管理、製品間の寸法のばらつきを少なくできる。
このようなプリフォームは、切断したロービングを空気中に分散させ、製品形状のスクリーンに吸引し、型がくずれないように少量のバインダーを吹きつけ、加熱して固着する方法によって作成してもよいし、強化繊維シートを最終製品形状に組み立てることによって作製してもよい。ファンのように、断面H型構造、矩形構造が複雑に組み合わせたような製品のプリフォームでは、強化繊維シートを適宜組合わせていくことにより、プリフォームを作製する方法が好ましく用いられる。
本発明で用いられる強化繊維としては、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維などの高強度、高弾性率の繊維が用いられる。強化繊維シートとしては、上記強化繊維を製織して布帛としたガラスクロス等の織布、編成により布帛とした編布、繊維を絡み合わせて布帛状態としたガラスマット等の不織布などを用いることができる。
織布としては、平織り、綾織り、朱子織りなど、織り方は特に限定しない。不織布としては、その製造方法は、特に限定することなく、ニードルパンチ、ウォータージェットやエアージェットなどの流体によるパンチングなどの機械的交絡法によるもの、抄紙法によるもの、メルトブローン法による化学的接着によるもの、又はこれらを組合わせることによって製造したものであってもよい。
このような強化繊維シートを順次接合して、最終製品形状に組み立てる方法として、シートを縫製により組み立てていく方法、ニードルステッチによりシートを接合して組み立てていく方法などが挙げられる。これらのうち、ニードルステッチにより接合し、組み立てて行く方法が好ましく用いられる。
ニードルステッチとは、糸を用いないで縫製する方法で、例えば、図5に示すような鈎部を有する針を用いて、2枚のシートの重ね合わせ部分をステッチする方法で、鈎部が繊維を引っかけた状態で上下動することにより、重ね合わせた上側の強化繊維シートから下側の強化繊維シートを貫通する際に、上側の強化繊維シートの繊維を鈎6に引っかけ、針の上下動により鈎6に引っかけられた繊維が下側の強化繊維シートにまで運ばれ、強化繊維シートを貫通して、接合一体化する。このようなニードルステッチによる接合部分は、図6に示すように、2枚のシートの接合部10において、上側の強化繊維シート11の構成繊維の一部14が、下側の強化繊維シート12に楔を打ったようになっている。このように接合部10が強化繊維の絡み合いによって一体化した状態となっているので、従来より接合部10の強度をアップすることができる。また、糸や接着剤を用いないので、最終的に得られる成型品は、マトリックス樹脂と強化繊維製プリフォームだけであるから、接合部と接合部以外の部分で、環境変化、例えば薬品や温度などの影響の受け方が変わるというようなことがなくて済む。また、接着剤などで接合部が固められていないので、成形時にマトリックス樹脂を注入すると、マトリックス樹脂がプリフォーム内に接合部と接合部でない部分に等しく含浸されることができる。また、第1の強化繊維シートと第2の強化繊維シートとの接合部分で、該第1の強化繊維シートのマトリックス樹脂と該第2の強化繊維シートのマトリックス樹脂とが渾然一体化することにより、一体性が高くなっているので、従来の接着剤や糸を用いるよりも、接合部の強度アップを図ることができる。またさらに、ニードルステッチによるプリフォームの作製は、一方のシートを構成する繊維が他方の強化繊維シートに楔のように打ち込まれることにより接合しているので、接合部分を所定の力で上側(又は)下側の強化繊維シートを引き剥がすと、打ち込まれていた繊維が抜け、ほとんど損傷していない元の別々の2枚の強化繊維シートとすることができる。適度な外力を加えることで、双方のシートを傷めることなく、接合位置をずらすことができるということは、作製したプリフォームを成形型におしつける際に、成形型とプリフォームに若干のずれがあったとしても、適度に力を加えてプリフォームを型に沿わせることができることを意味する。従って、ニードルステッチにより仮着させてプリフォームを形成すると、寸法を調整しながら、プリフォームを作製することができ、さらに金型にセットする際に若干の寸法修正が可能なので、寸法精度の高い成型品を得ることができる。
強化繊維シートを組合わせて、図1に示すようなファン形状のプリフォームの作製にあたっては、繊維シートを重ね合わせて、H型単位を形成し組合わせていく方法に限らず、図7に示すように、中子15を用いて上側シート16で中子15の周囲を巻回して(図7(a))、先端部を下側シート17とステッチ18して、矩形を作製し(図7(b))、矩形単位を組合わせて羽根体を形成してもよい。図7中、19は、上側シート16と下側シート17との接合の為の縫製又はニードルステッチを示している。
以上のようにして作製されたプリフォームを型内にセットし、閉型した後、マトリックス樹脂を型内に注入する。
本発明で使用する金型は、最終品形状に該当するキャビティを有するもので、雄型、雌型の一対合わせ型から構成され、樹脂注入口(ゲート)が開口されたものであればよい。注入口の位置は特に限定されないが、図1に示すようなファンの場合、主板1又は側板1の中央部に開設されていることが好ましい。図1に示すようなファンの場合、中空部分及び羽根パーツ2間の空間部に中子をセットしておき、上部中心から樹脂を注入することで、毛細管現象により強化繊維シート全体にひろがっていくことができる。
このようにして、金型に、上記プリフォームをセットした後、閉型する。
このようにして、金型に、上記プリフォームをセットした後、閉型する。
本発明の方法で使用できるマトリックス材料としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、フラン樹脂など、液状で金型内に注入させることができ、硬化剤との反応により、あるいは重合性モノマーとの反応重合により、硬化する硬化型樹脂が用いられ、具体的には、最終製品に求められる特性(耐薬品性など)に応じて適宜選択すればよい。
樹脂の注入圧力は、加圧タイプの場合、2〜5kgf/cm2(19.6×104〜49×104Pa)程度である。このような圧力で液状マトリックス樹脂を注入することにより、仮接着状態のプリフォームの接合部が注入圧力でずれたりすることなく、樹脂がプリフォーム内に含浸することができ、さらにプリフォーム表面をマトリックス樹脂で覆うことができる。
樹脂注入は、金型内を減圧しながら行なってもよい。型内の空気を排除し続けることによって、樹脂溜から、負圧により金型キャビティ内に液状樹脂が吸引されていく。
また、必要に応じて、樹脂注入前に金型を予備加熱してもよい。
所定量のマトリックス樹脂を注入後、反応硬化させる。熱硬化型樹脂の場合には金型を加熱する。金型温度、硬化時間は、マトリックス樹脂、硬化剤の選択によって、適宜設定される。
所定量のマトリックス樹脂を注入後、反応硬化させる。熱硬化型樹脂の場合には金型を加熱する。金型温度、硬化時間は、マトリックス樹脂、硬化剤の選択によって、適宜設定される。
硬化後、離型し、中子を用いていた場合には、中子を除去する。中子の除去方法は、中子の種類に応じて適宜選択する。
以上のようにして製造される繊維強化プラスチック成型品は、最終製品を一度に成型することができるので、従来のハンドレイアップ法と比べて生産性がよいだけでなく、接合部で凹凸があったり、接着剤層とマトリックス樹脂層といった樹脂層が二層以上に積層された状態となる部分となることはない。つまり、本発明の方法で製造される成型品は、接合される2枚の強化繊維板が一体化した状態となっている。従って、繊維強化シートの積層部分、パーツの接合部分の強度、耐久性に優れている。この点、従来のように強化繊維シートに樹脂を含浸させてなる繊維強化板(FRP板)同士を接着剤で貼り合せたものでは、接合部分の強度が劣り、接合部分の強度低下により、FRP板同士がはがれていく、すなわち接合面でへき開していくため、耐久性の点で劣っていたが、本発明の方法で製造される成型品ではこのような劈開はおこりにくい。
また、最終形状を型どった金型を用いているので、パーツ間、製品間の寸法のばらつきが少ない寸法精度の高い完成成型品を得ることができる。特にニードルステッチによる接合で形成したプリフォームを用いた場合には、接合部分で一側のシートの繊維の一部が他側シートに内に打込まれているので、当該プリフォームを型にセットする際に若干の修正が可能である。よって、糸を用いた縫製、接着剤による接合と比べてプリフォームの寸法管理が容易で、しかも最終製品の寸法精度が高い。
〔実施例1〕
厚み1.0mmのガラス繊維不織布(日東紡績(株)製のMCE450A−104SS)を、4枚一組として、図8に示すように、2組づつ重ね合わせ、重ね合わせ部分を縫製によって接合してH型プリフォームを作製した。図8中、縫製部分を点線で示す。
厚み1.0mmのガラス繊維不織布(日東紡績(株)製のMCE450A−104SS)を、4枚一組として、図8に示すように、2組づつ重ね合わせ、重ね合わせ部分を縫製によって接合してH型プリフォームを作製した。図8中、縫製部分を点線で示す。
尚、縫製については、ポリエステル製縫製糸(#10、0009480Z)を用いて、ブラザー工業株式会社製の工業用ミシン(DB2−B755−3)を用いて行なった。
作製したプリフォームを金型にセットし、マトリックス樹脂として室温硬化型のビニルエステル樹脂(昭和高分子(株)R806B)、硬化剤としてメチルエチルケトンパーオキサイド(濃度6%)を、型内に注入した。
樹脂量は、成形品の体積と所定の繊維体積割合Vfから概算した樹脂量にゲートの量を加味した量とした。
真空ポンプで型内を減圧することにより、マトリックス樹脂を型内に注入した。型内の減圧は注入終了まで続けた。
樹脂注入終了後、1.5時間、室温で硬化させた後、離型して、成形品を取り出した。
成形品を切断して、接合部分の断面を撮影したところ、いずれも接合部分が一体化した状態にあった。
真空ポンプで型内を減圧することにより、マトリックス樹脂を型内に注入した。型内の減圧は注入終了まで続けた。
樹脂注入終了後、1.5時間、室温で硬化させた後、離型して、成形品を取り出した。
成形品を切断して、接合部分の断面を撮影したところ、いずれも接合部分が一体化した状態にあった。
〔実施例2〕
縫製に代えて、ニードルステッチによって接合した。ニードルステッチは、図5に示す針が取り付けられたタナカアンドカンパニーリミテッド株式会社製のニードル刺繍ミシン(NPI−36S)を用いて行なった。
縫製に代えて、ニードルステッチによって接合した。ニードルステッチは、図5に示す針が取り付けられたタナカアンドカンパニーリミテッド株式会社製のニードル刺繍ミシン(NPI−36S)を用いて行なった。
他は、実施例1と同様にして、成型した。得られた成型品を取り出し、切断して、接合部分の断面を撮影したところ、図9の写真を得た。接合部分が一体化した状態にあり、実質的に接合面を判別することができなかった。
〔比較例〕
厚み1.0mmのガラス繊維不織布3枚を一組にして、ハンドレイアップ法で樹脂を含浸させ、硬化させて、1枚のFRP板を得た。また、強化繊維シートをコ字状に折り曲げた状態で、ハンドレイアップ法で樹脂を含浸させ、硬化させて、コ字状のFRP板を得た。図10に示すように、2枚の平板状のFRP板20、21と、コ字状FRP板22を作製し、コ字状FRP板22の側辺22a、22bに、それぞれ平板状FRP板20,21を重ね合わせ、接着剤23で貼り合せた。
厚み1.0mmのガラス繊維不織布3枚を一組にして、ハンドレイアップ法で樹脂を含浸させ、硬化させて、1枚のFRP板を得た。また、強化繊維シートをコ字状に折り曲げた状態で、ハンドレイアップ法で樹脂を含浸させ、硬化させて、コ字状のFRP板を得た。図10に示すように、2枚の平板状のFRP板20、21と、コ字状FRP板22を作製し、コ字状FRP板22の側辺22a、22bに、それぞれ平板状FRP板20,21を重ね合わせ、接着剤23で貼り合せた。
作製した成形品を切断して、2枚のFRP板が接合されている部分の断面を撮影したところ、図11のような写真を得た。貼り合せ部分では、FRP板間の境界部分に、接着剤としての樹脂層が黒線となって判別できるようになっていた。尚、ハンドレイアップ法で形成された粗面同士の接合であることから、貼りあわせ部分である樹脂層の黒線は一直線とはなっていない。
本発明の繊維強化プラスチック製成型品の製造方法によれば、複雑な3次元形状による成型品であっても、強化繊維シートを組合わせて最終製品形状に相当する形状を有するプリフォームを作製するだけで、レジントランスファーモールドによる成型を適用できる。
従って、従来よりハンドレイアップ法で製造していたような複雑形状な三次元形状の繊維強化プラスチック成型品の製造に適用できる。
従って、従来よりハンドレイアップ法で製造していたような複雑形状な三次元形状の繊維強化プラスチック成型品の製造に適用できる。
また、本発明の方法により製造されるFRP成型品は、H型、矩形を形成するだめの接合部分でマトリックス樹脂が一体化していて接合強度が高く、耐久性に優れているので、耐食性、機械的強度、耐久性が求められる成型品として好適である。
1 主板
2 羽根パーツ
3 側板
4 繊維
6 鈎
10 接合部
11,12 強化繊維シート
14 強化繊維
16,17 強化繊維シート
18 ステッチ
2 羽根パーツ
3 側板
4 繊維
6 鈎
10 接合部
11,12 強化繊維シート
14 強化繊維
16,17 強化繊維シート
18 ステッチ
Claims (6)
- 最終製品形状に相当する形状を有する強化繊維製プリフォームを金型内にセットし、閉型する工程;及び
該金型内に、マトリックス樹脂を充填し、硬化する工程
を含む繊維強化プラスチック製成型品の製造方法。 - 前記プリフォームは断面H型構造又は矩形を組合わせた形状を有している請求項1に記載の繊維強化プラスチック製成型品の製造方法。
- 前記成型品は、ファン、ポンプのロータ等の羽根車である請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記プリフォームは、強化繊維からなるシートを複数枚組合わせてなるものであって、第1のシートと第2のシートは、ニードルステッチにより接合されている請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 複数枚の強化繊維シートを組合わせてなる3次元形状の強化繊維プリフォームにマトリックス樹脂が含浸された繊維強化プラスチック製成形品であって、
第1の強化繊維シートと第2の強化繊維シートとの接合部分で、該第1の強化繊維シートのマトリックス樹脂と該第2の強化繊維シートのマトリックス樹脂とが、渾然一体化している繊維強化プラスチック成型品。 - 前記プリフォームにおけるシート接合部では、一側のシートの繊維の一部が他側シートに内に打込まれている請求項5に記載の繊維強化プラスチック成型品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004246080A JP2006062155A (ja) | 2004-08-26 | 2004-08-26 | 繊維強化プラスチック成型品の製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011214452A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Housetec Inc | 水力変換装置とその製造方法 |
JP2019104138A (ja) * | 2017-12-11 | 2019-06-27 | 旭化成株式会社 | 射出インサート成形方法 |
KR102400035B1 (ko) * | 2021-08-04 | 2022-05-20 | 국방과학연구소 | 치구를 이용한 탄소 복합재의 제조방법 |
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2004
- 2004-08-26 JP JP2004246080A patent/JP2006062155A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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