JP2006059426A - レンズ保持機構、光ピックアップ装置及び光ディスク装置 - Google Patents

レンズ保持機構、光ピックアップ装置及び光ディスク装置 Download PDF

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Abstract

【課題】精度良く対物レンズを駆動するのを可能とする。
【解決手段】対物レンズ60を保持するレンズ保持部材81に、ラジアル方向に関して所定の距離だけ離れて、ラジアル方向に伸びる一対の突起部(96a、96b)を設けるとともに、その一対の突起部を保持して可動部の振動を減衰させる減衰部材98を設ける。そこで、駆動手段により可動部がラジアル方向及び対物レンズの光軸方向にそれぞれ駆動されたときに、それに伴って可動部の振動が発生しても、その振動は減衰部材により直ちに減衰される。従って、精度良く対物レンズを駆動することが可能となる。
【選択図】図7

Description

本発明はレンズ保持機構、光ピックアップ装置及び光ディスク装置に係り、さらに詳しくは、光ディスクの記録面に光を集光する対物レンズを保持するためのレンズ保持機構、該レンズ保持機構を備えた光ピックアップ装置及び該光ピックアップ装置を備えた光ディスク装置に関する。
近年、デジタル技術の急激な進歩及びパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」と略述する)や映像機器などの情報機器の性能向上に伴って、情報機器が取り扱う情報量(データ量)が急増している。そのために、情報記録媒体としてCD(Compact Disc)や、CDの約7倍相当のデータをCDと同じ直径のディスクに記録可能としたDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスクが注目されるようになり、その低価格化とともに、光ディスクにアクセスするドライブ装置としての光ディスク装置が普及するようになった。
光ディスク装置では、スパイラル状又は同心円状のトラックが形成された光ディスクの記録面にレーザ光を照射して情報の記録、消去及び再生を行っている。この光ディスク装置は、光ディスクの記録面にレーザ光の光スポットを形成するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置として、光ピックアップ装置を備えている。
通常、光ピックアップ装置は、対物レンズを含み、光源から出射される光束を光ディスクの記録面に導くとともに、記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系、前記受光位置に配置された光検出器、及び対物レンズをその光軸方向(以下「フォーカス方向」ともいう)や、トラックの接線方向に直交する方向(以下「トラッキング方向」ともいう)に駆動するためのレンズ駆動装置などを備えている。光検出器からは、記録面に記録されているデータの再生情報だけでなく、対物レンズの位置制御に必要な情報(サーボ情報)を含む信号が出力される。
そして、光ディスク装置では、光検出器からのサーボ情報を含む信号に基づいて、フォーカスエラー信号及びトラックエラー信号を検出し、光スポットにフォーカスずれがある場合には、レンズ駆動装置を介して対物レンズをフォーカス方向にシフトさせフォーカスずれを補正(フォーカス制御)している。また、光スポットにトラックずれがある場合には、レンズ駆動装置を介して対物レンズをトラッキング方向にシフトさせトラックずれを補正(トラッキング制御)している。
しかしながら、対物レンズをシフトする際に、レンズ駆動装置における駆動力(推力)のばらつきによってトルクが発生し、対物レンズの光軸方向と記録面に垂直な方向とにずれ(以下「メディアチルト」ともいう)が生じる場合がある。なお、トラックの接線方向に関するメディアチルトはタンジェンシャルチルト、トラックの接線方向に直交する方向に関するメディアチルトはラジアルチルトとも呼ばれている。
ところで、光ディスクの記録容量の増加要求に伴い記録密度の高密度化が図られてきた。記録密度を高くするには記録面に形成される光スポットのスポット径を小さくする必要があり、開口数の大きな対物レンズが用いられる傾向にある。しかしながら、対物レンズの開口数が大きくなると、メディアチルトの許容範囲が狭くなり、光検出器から出力される信号の品質が低下するおそれがある。
そこで、フォーカス制御及びトラッキング制御に伴うメディアチルトを抑制する装置が提案された(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に開示されている対物レンズ支持装置では、フォーカス制御やトラッキング制御時の、対物レンズを含む可動部の高周波振動変位に伴う寄生チルト(以下「高周波振動変位寄生チルト」ともいう)を低レベルに抑えることは困難であり、今後更に促進される記録密度の高密度化に対応できないおそれがある。
特許第2679018号公報
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、精度良く対物レンズを駆動することを可能とするレンズ保持機構を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、形状品質に優れた光スポットを光ディスクの記録面に形成することができる光ピックアップ装置を提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、光ディスクへのアクセスを精度良く安定して行なうことができる光ディスク装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、スパイラル状又は同心円状のトラックが形成された光ディスクの記録面に光を集光する対物レンズを保持するレンズ保持機構であって、前記トラックの接線方向に直交するラジアル方向に関して所定の距離だけ離れ、前記ラジアル方向に伸びる一対の突起部を有し、前記対物レンズを保持するレンズ保持部材と;前記一対の突起部を保持し、前記レンズ保持部材の振動を減衰させる減衰部材と;前記レンズ保持部材にその一端が接続され、前記トラックの接線方向であるタンジェンシャル方向に延びる複数の弾性部材を有し、前記レンズ保持部材を支持する支持機構と;を備えるレンズ保持機構である。
これによれば、対物レンズを保持するレンズ保持部材が、ラジアル方向に関して所定の距離だけ離れて、ラジアル方向に伸びる一対の突起部を有しており、その一対の突起部が減衰部材によりレンズ保持部材の振動が減衰されるように保持されている。この場合に、レンズ保持部材がラジアル方向及び対物レンズの光軸方向にそれぞれ駆動されたときに、それに伴ってレンズ保持部材が振動しても、その振動は減衰部材により直ちに減衰される。従って、精度良く対物レンズを駆動することが可能となる。
この場合において、請求項2に記載のレンズ保持機構の如く、前記減衰部材が、前記タンジェンシャル方向を軸とする前記レンズ保持部材を含む可動部の回転における一次共振倍率を減少させることとすることができる。
上記請求項1及び2に記載の各レンズ保持機構において、請求項3に記載のレンズ保持機構の如く、前記減衰部材が粘弾性体であることとすることができる。
上記請求項1〜3に記載の各レンズ保持機構において、請求項4に記載のレンズ保持機構の如く、前記ラジアル方向に関して、前記一対の突起部における突起部間の距離は、前記弾性部材間の距離よりも長いこととすることができる。
上記請求項1〜4に記載の各レンズ保持機構において、請求項5に記載のレンズ保持機構の如く、前記一対の突起部が、互いに前記タンジェンシャル方向に関して同じ位置に設けられていることとすることができる。
この場合において、請求項6に記載のレンズ保持機構の如く、前記一対の突起部が、互いに前記タンジェンシャル方向を軸とする前記レンズ保持部材を含む可動部の回転中心に対して対称となる位置に設けられていることとすることができる。
この場合において、請求項7に記載のレンズ保持機構の如く、前記一対の突起部が、前記弾性部材を前記レンズ保持部材に接続する際の前記レンズ保持部材の位置決め用部材を兼用することとすることができる。
上記請求項1〜7に記載の各レンズ保持機構において、請求項8に記載のレンズ保持機構の如く、前記一対の突起部が、給電用の中継基板を前記レンズ保持部材に取り付ける際の前記中継基板の位置決め用部材を兼用することとすることができる。
請求項9に記載の発明は、光ディスクの記録面にレーザ光を照射し、前記記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置であって、前記レーザ光を出射する光源と;前記光源から出射されるレーザ光を前記記録面に集光する対物レンズを含み、前記記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置に導く光学系と;前記対物レンズを保持する請求項1〜8のいずれか一項に記載のレンズ保持機構と;前記レンズ保持機構を構成するレンズ保持部材を、前記光ディスクのトラックの接線方向に直交するラジアル方向及び前記対物レンズの光軸方向にそれぞれ駆動する駆動手段と;前記受光位置に配置された光検出器と;を備える光ピックアップ装置である。
これによれば、請求項1〜8のいずれか一項に記載のレンズ保持機構を備えているため、精度良く対物レンズを駆動することができる。その結果、形状品質に優れた光スポットを形成することが可能となる。
この場合において、請求項10に記載の光ピックアップ装置の如く、前記駆動手段が、前記レンズ保持部材を更に前記光ディスクのトラックの接線方向であるタンジェンシャル方向を軸とする回転方向に回動させることとすることができる。
請求項11に記載の発明は、光ディスクに対して情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を行なう光ディスク装置であって、請求項9又は10に記載の光ピックアップ装置と;前記ピックアップ装置の出力信号に基づいて前記ピックアップ装置の駆動手段を制御するとともに、前記光ピックアップ装置の出力信号を用いて、情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置である。
これによれば、処理装置により、光ピックアップ装置の出力信号に基づいて請求項9又は10に記載の光ピックアップ装置の駆動手段が制御され、精度良く対物レンズが駆動されるため、形状品質に優れた光スポットを光ディスクに形成することができる。その結果、光ディスクへの記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を含むアクセスを精度良く安定して行なうことが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図12に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る光ディスク装置20の概略構成が示されている。
この図1に示される光ディスク装置20は、光ディスク15を回転駆動するためのスピンドルモータ22、光ピックアップ装置23、該光ピックアップ装置23をスレッジ方向に駆動するためのシークモータ21、レーザ制御回路24、エンコーダ25、駆動制御回路26、再生信号処理回路28、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、フラッシュメモリ39、CPU40及びRAM41などを備えている。なお、図1における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。また、本実施形態では、一例としてDVDの規格に準拠した情報記録媒体が光ディスク15に用いられるものとする。
前記光ピックアップ装置23は、スパイラル状又は同心円状のトラックが形成された光ディスク15の記録面にレーザ光を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置である。この光ピックアップ装置23の詳細については後述する。
前記再生信号処理回路28は、I/Vアンプ28a、サーボ信号検出回路28b、ウォブル信号検出回路28c、RF信号検出回路28d、デコーダ28e及びホールド回路28fなどから構成されている。I/Vアンプ28aは、光ピックアップ装置23の出力信号を電圧信号に変換するとともに、所定のゲインで増幅する。サーボ信号検出回路28bは、I/Vアンプ28aの出力信号に基づいてフォーカスエラー信号及びトラックエラー信号などのサーボ信号を検出する。ここで検出されたサーボ信号は駆動制御回路26に出力される。ウォブル信号検出回路28cは、I/Vアンプ28aの出力信号に基づいてウォブル信号を検出する。RF信号検出回路28dは、I/Vアンプ28aの出力信号に基づいてRF信号を検出する。デコーダ28eはウォブル信号からアドレス情報及び同期信号などを抽出する。ここで抽出されたアドレス情報はCPU40に出力され、同期信号はエンコーダ25や駆動制御回路26などに出力される。また、デコーダ28eはRF信号に対して復号処理及び誤り検出処理などを行い、誤りが検出されたときには誤り訂正処理を行った後、再生データとして前記バッファマネージャ37を介して前記バッファRAM34に格納する。ホールド回路28fは、RF信号のピークレベル及びボトムレベルを検出する。ここでの検出結果はCPU40に通知され、RF信号の評価に用いられる。
前記駆動制御回路26は、アクチュエータ制御回路26a及びモータ制御回路26bを有している。アクチュエータ制御回路26aは、前記フォーカスエラー信号に基づいてフォーカスずれを補正するための駆動信号(「フォーカス用駆動電流」ともいう)を光ピックアップ装置23に出力するとともに、前記トラックエラー信号に基づいてトラックずれを補正するための駆動信号(「トラッキング用駆動電流」ともいう)を光ピックアップ装置23に出力する。さらに、アクチュエータ制御回路26aは、CPU40からのラジアルチルト制御信号に基づいてラジアルチルトを補正するための駆動信号(「ラジアルチルト用駆動電流」ともいう)を光ピックアップ装置23に出力する。モータ制御回路26bは、CPU40の指示に基づいてシークモータ21を駆動するための駆動信号を生成する。ここで生成された駆動信号はシークモータ21に出力される。また、モータ制御回路26bは、CPU40の指示に基づいてスピンドルモータ22を駆動するための駆動信号を生成する。ここで生成された駆動信号はスピンドルモータ22に出力される。
前記バッファRAM34には、光ディスク15に記録するデータ(記録用データ)、及び光ディスク15から再生したデータ(再生データ)などが一時的に格納される。このバッファRAM34へのデータの入出力は、前記バッファマネージャ37によって管理されている。
前記エンコーダ25は、CPU40の指示に基づいてバッファRAM34に格納されている記録用データをバッファマネージャ37を介して取り出し、データの変調及びエラー訂正コードの付加などを行ない、光ディスク15への書き込み信号を生成する。ここで生成された書き込み信号はレーザ制御回路24に出力される。
前記レーザ制御回路24は、光ピックアップ装置23から出射されるレーザ光のパワーを制御する。例えば記録の際には、レーザ制御回路24は、前記書き込み信号、記録条件、及び光ピックアップ装置23を構成する後述する半導体レーザの発光特性などに基づいて、半導体レーザの駆動信号を生成する。
前記インターフェース38は、上位装置90(例えば、パソコン)との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)、SCSI(Small Computer System Interface)、及びUSB(Universal Serial Bus)などの標準インターフェースに準拠している。再生時には、バッファRAM34に格納されている再生データは、セクタ毎にインターフェース38を介して上位装置90に出力される。また、記録時には、上位装置90から記録用データがインターフェース38を介して入力され、バッファマネージャ37を介してバッファRAM34に蓄積される。
前記フラッシュメモリ39には、CPU40にて解読可能なコードで記述された各種プログラム、記録条件及び半導体レーザの発光特性などが格納されている。
前記CPU40は、フラッシュメモリ39に格納されているプログラムに従って前記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータなどをRAM41及びバッファRAM34に保存する。
ここで、前記光ピックアップ装置23について説明する。この光ピックアップ装置23は、一例として図2に示されるように、X軸方向に延びる2本のシークレール102で保持されている。これら2本のシークレール102の一方はシークモータ21(図2では不図示)によって回転駆動され、その回転によって光ピックアップ装置23を構成するハウジング71がスレッジ方向に移動するようになっている。なお、ここでは、X軸方向がラジアル方向、トラッキング方向(光ディスク15におけるトラックの接線方向に直交する方向)、及びスレッジ方向、Y軸方向がタンジェンシャル方向(光ディスク15におけるトラックの接線方向)、Z軸方向がフォーカス方向となるように、スピンドルモータ22及び光ピックアップ装置23が配置されている。
そして、光ピックアップ装置23は、対物レンズ60と、ハウジング71と、光束を出射する光束出射系12と、この光束出射系12からの光束を光ディスク15の記録面に集光する対物レンズ60と、該対物レンズ60を駆動するレンズ駆動系11と、光ディスク15からの戻り光束を受光する検出系13とを含んで構成されている。前記光束出射系12及び検出系13は、それぞれハウジング71の内部に格納されている。
前記光束出射系12は、一例として図3に示されるように、光源51、コリメートレンズ52、ビームスプリッタ54、及び立ち上げミラー56などを備えている。光源51は、波長が約660nmの光束を出射する半導体レーザ(図示省略)を備えている。この光源51は、光源51から出射される光束の最大強度出射方向が+X方向となるようにハウジング71に固定されている。コリメートレンズ52は、光源51の+X側に配置され、光源51から出射された光束を略平行光とする。ビームスプリッタ54は、コリメートレンズ52の+X側に配置され、コリメートレンズ52からの光束をそのまま透過させ、かつ光ディスク15の記録面からの反射光(戻り光束)を−Y方向に分岐する。立ち上げミラー56は、ビームスプリッタ54の+X側に配置され、ビームスプリッタ54を透過した光束の光路を+Z方向に曲げる。この立ち上げミラー56で曲げられた光束は、ハウジング71に設けられた開口部53を介して前記レンズ駆動系11に入射する。
前記検出系13は、一例として図3に示されるように、検出レンズ58、シリンドリカルレンズ57及び受光器59などを備えている。検出レンズ58は、ビームスプリッタ54の−Y側に配置され、ビームスプリッタ54で−Y方向に分岐された戻り光束を受光器59の受光面に集光する。シリンドリカルレンズ57は、検出レンズ58と受光器59との間に配置され、受光器59の受光面に集光される光束に所定の非点収差を付与する。受光器59の受光領域は通常の光ディスク装置と同様に4つの部分受光領域に分割されており、部分受光領域毎に受光量に応じた信号(光電変換信号)をそれぞれ生成する。ここで生成された各信号はそれぞれ前記再生信号処理回路28に出力される。
前記レンズ駆動系11は、一例として図4〜図8に示されるように、レンズ保持部材としてのレンズホルダ81、一対のフォーカス用コイル(82a,82b)、一対のトラッキング用コイル(83a,83b)、一対のチルト用コイル(88a、88b)、ベース板85、2つのヨーク(86a,86b)、2つの永久磁石(91a,91b)、固定ブロック87、導電性を有する6本の線ばね(92a1,92a2,92a3,92b1,92b2,92b3とする)、2つの可動側中継基板(89a,89b)、固定側中継基板93、及び一対のダンパブロック(97a,97b)などから構成されている。すなわち、本実施形態に係る光ピックアップ装置は、いわゆる3軸駆動型の光ピックアップ装置である。
上記ベース板85は、外形が長方形の板状部材であり、その中央より若干+Y側の部分には、ハウジング71に設けられた前記開口部53とほぼ同形状の開口部95(図6参照)が設けられている。このベース板85は、その長手方向がY軸方向とほぼ一致するとともに、その開口部95がハウジング71に設けられた開口部53とほぼ重なるように、ハウジング71上に固定されている。なお、ベース板85は磁気回路を形成するためのヨークとしての役割も有している。このベース板85には、前記2つのヨーク(86a,86b)、前記固定ブロック87、及び前記一対のダンパブロック(97a,97b)が所定の位置関係で固定されている。
前記ヨーク86a及びヨーク86bは、それぞれほぼ同形状の板状部材であり、各板面がY軸方向に関して対峙するような位置関係を有してベース板85上に固定されている。ここでは、ヨーク86aは開口部95の+Y側に配置され、ヨーク86bは開口部95の−Y側に配置されている。
前記固定ブロック87はヨーク86bの−Y側に配置されている。この固定ブロック87にはY軸方向に延びる貫通孔が、X軸方向に関する両端部近傍にそれぞれ形成されている。
前記ダンパブロック97a及びダンパブロック97bは、X軸方向に関して対峙するような位置関係を有してベース板85上に固定されている。ダンパブロック97aにおける+X側の面の+Z側端部には凹部が形成されている。また、ダンパブロック97bにおける−X側の面の+Z側端部には凹部が形成されている。
前記永久磁石91a及び91bは、それぞれほぼ同じ磁気特性を有する、ほぼ同形状のブロック状の永久磁石である。永久磁石91aはヨーク86aの−Y側の面に固着され、永久磁石91bはヨーク86bの+Y側の面に固着されている。すなわち、ベース板85と各ヨークと各永久磁石とによって磁気回路が構成され、永久磁石91aの−Y側の面と永久磁石91bの+Y側の面との間に磁気ギャップが形成される。
前記固定側中継基板93は、固定ブロック87の−Y側の面に固定されている。この固定側中継基板93は複数の入力端子及び出力端子を有している。そして、各入力端子には、前記アクチュエータ制御回路26aからの信号線がそれぞれ接続されている。
前記レンズホルダ81は、永久磁石91aと永久磁石91bとの間、すなわち磁気ギャップ内に配置されている。また、図4のA−A線断面図である図6に示されるように、レンズホルダ81には光束出射系12からの光束の光路となるZ軸方向に延びる貫通孔83が形成されている。この貫通孔83の+Z側の端部には、前記対物レンズ60がその光軸と貫通孔83の中心軸とがほぼ一致するように固定されている。
レンズホルダ81には、前記一対のフォーカス用コイル(82a,82b)、一対のトラッキング用コイル(83a,83b)、及び一対のチルト用コイル(88a,88b)が所定の位置関係で固定されている。なお、対物レンズ60、レンズホルダ81、各フォーカス用コイル、各トラッキング用コイル、及び各チルト用コイルは、それぞれ一体となって移動するので、以下では便宜上、これらが一体化したものを「可動部」と呼ぶこととする。
また、レンズホルダ81の±X側の面の+Y側端部には、それぞれ棒状の突起部(96a,96b)が形成されている。すなわち、ラジアル方向に関して所定の距離だけ離れ、ラジアル方向に伸びる一対の突起部が設けられている。ここでは、一例として、各突起部は、互いにタンジェンシャル方向及びフォーカス方向に関して同じ位置に設けられている。そして、図4のB−B線断面図である図7に示されるように、突起部96aはダンパブロック97aの凹部に挿入され、突起部96bはダンパブロック97bの凹部に挿入されている。各ダンパブロックの凹部には、それぞれダンパ材としてダンパゲル材98が充填されている。ここでは、一例として図8に示されるように、ダンパ作用半径(rdとする)は、線ばね(ここでは、6本の線ばねから構成されている線ばね系)の弾性作用半径(rsとする)及び可動部の慣性半径(riとする)に対して、次の(1)式及び(2)式で示される関係にある。
rd > rs ……(1)
rd >> ri ……(2)
レンズホルダ81の−X側には可動側中継基板89aが配置され、+X側には可動側中継基板89bが配置されている。可動側中継基板89aには3つの端子(Ta1、Ta2、Ta3とする)が設けられ、可動側中継基板89bには3つの端子(Tb1、Tb2、Tb3とする)が設けられている。そして、端子Ta1には線ばね92a1の一端が接続され、端子Ta2には線ばね92a2の一端が接続され、端子Ta3には線ばね92a3の一端が接続され、端子Tb1には線ばね92b1の一端が接続され、端子Tb2には線ばね92b2の一端が接続され、端子Tb3には線ばね92b3の一端が接続されている。
各線ばねはそれぞれY軸方向に延びている。そして、各線ばねの他端は固定ブロック87に設けられた前記貫通孔を介して固定側中継基板93の出力端子に、はんだ付け等によってそれぞれ接続されている。従って、可動部は線ばねを介して固定ブロック87に弾性的に支持されている。また、端子Ta1及びTa2は前記一対のフォーカス用コイル(82a,82b)と接続され、端子Tb1及びTb2は前記一対のトラッキング用コイル(83a,83b)と接続され、端子Ta3及びTb3は前記一対のチルト用コイル(88a,88b)と接続され、ている。すなわち、各線ばねは、各フォーカス用コイル、各トラッキング用コイル、及び各チルト用コイルへの給電媒体としての役割も有している。
各フォーカス用コイルに駆動電流が供給されると、永久磁石との相互作用により、Z軸方向のローレンツ力が発生する。これにより、可動部はZ軸方向に駆動される。可動部の駆動量は、駆動電流の大きさによって決まり、可動部の駆動方向(+Z方向又は−Z方向)は駆動電流の向きによって決まる。
各トラッキング用コイルに駆動電流が供給されると、永久磁石との相互作用により、X軸方向のローレンツ力が発生する。これにより、可動部はX軸方向に駆動される。可動部の駆動量は、駆動電流の大きさによって決まり、可動部の駆動方向(+X方向又は−X方向)は駆動電流の向きによって決まる。
チルト用コイル88aに駆動電流が供給されると、永久磁石91aとの相互作用により、+Z軸方向(又は−Z軸方向)のローレンツ力が発生する。チルト用コイル88bに駆動電流が供給されると、永久磁石91bとの相互作用により、−Z軸方向(又は+Z軸方向)のローレンツ力が発生する。すなわち、回転トルクが発生する。これにより、可動部はY軸方向(タンジェンシャル方向)の軸回りに回動される。可動部の回動量は、駆動電流の大きさによって決まり、可動部の回動方向(時計回り又は反時計回り)は駆動電流の向きによって決まる。
なお、CPU40は、光ディスク15がセットされると、一例として図9に示されるように、光ディスク15の回転中心からの距離が予め設定されている複数の距離(r1、r2、・・・、r5)に対応する各位置において、前記ホールド回路28fの出力信号をモニタしつつ可動部を回動させ、ピークレベルとボトムレベルの絶対値が互いに等しくなるときのラジアルチルト制御信号(s1、s2、・・・、s5)を求める。ここで得られたラジアルチルト制御信号は、位置情報に対応付けてRAM41に格納される。この場合には、回転中心からの距離Rが、r1≦R<r2のときはラジアルチルト制御信号s1が選択され、r2≦R<r3のときはラジアルチルト制御信号s2が選択され、r3≦R<r4のときはラジアルチルト制御信号s3が選択され、r4≦R<r5のときはラジアルチルト制御信号s4が選択され、r5≦Rのときはラジアルチルト制御信号s5が選択される。
ところで、一例として図10に示されるように、可動部がX軸方向あるいはZ軸方向に並進駆動されるとき(並進系)の一次共振周波数fo(Hz)、一次共振倍率Q、及び低周波感度S(m・A-1)は、次の(3)式〜(5)式で示される。
Figure 2006059426
ここで、mは可動部の質量(kg)、Kfは(並進の駆動力/駆動電流)で示される推力定数(N・A-1)、ksは線ばね(ここでは6本の線ばねから構成される線ばね系)のばね定数(N・m-1)、Cは振動の減衰係数(kg・s-1)である。これらは、並進系の設計ファクタとも呼ばれている。
また、一例として図11に示されるように、可動部がタンジェンシャル方向の軸回りに回動するとき(回転系)の一次共振周波数fr(Hz)、一次共振倍率Qr、及び低周波感度Sr(rad・A-1)は、次の(6)式〜(8)式で示される。
Figure 2006059426
ここで、Jは可動部の慣性モーメント(kg・m2)、Ktは(回転トルク/駆動電流)で示されるトルク定数(N・m・A-1)、krは線ばね(ここでは6本の線ばねから構成される線ばね系)のねじりばね定数(N・m・rad-1)、Crは振動の減衰係数(kg・m2・s-1)である。これらは、回転系の設計ファクタとも呼ばれている。
並進系の設計ファクタと回転系の設計ファクタとの間には、次の(9)式〜(11)式で示されるような従属性がある。
J≒m・ri2 ……(9)
kr≒ks・rs2 ……(10)
Cr≒a・C・rd2 ……(11)
ここで、riは可動部の慣性半径(m)、rsは線ばね(ここでは6本の線ばねから構成される線ばね系)の弾性作用半径(m)、rdはダンパの作用半径(m)、aは一例として図12に示されるように、ダンパ材の持つ周波数依存性を示す係数である。
そこで、上記(6)式は次の(12)式に、上記(7)式は次の(13)式に、上記(8)式は次の(14)式に、それぞれ変形できる。
Figure 2006059426
通常、線ばねは、組み立て時の作業性や可動部のねじり剛性を高めるため、rs>riという関係にある。そこで、上記(12)式からfr>foとなる。
また、一般的に使用されているダンパ材(例えば、シリコーン系のゲル状物質)は、0<a<1という物性を有しており、フォーカス制御やトラッキング制御に伴って発生するラジアルチルト(以下「寄生チルト」ともいう)の一次共振倍率Qrが高くなることを示している。
従来のレンズ保持機構では、各線ばねの根元にダンパ材を充填しているため、rs≒rdとなり、上記(13)式は、次の(15)式に変形できる。
Figure 2006059426
すなわち、従来のレンズ保持機構では、ダンパ材の材質(素材)を決定した時点で並進系の一次共振倍率Qと回転系の一次共振倍率Qrとが一対一で決定付けられることがわかる。
なお、ダンパ材の材料特性及び振動系自体の損失原理から、ダンパ材による振動の減衰特性に周波数依存性がある。すなわち、周波数が高くなるほど振動の減衰係数Crが減少するため、周波数が高くなるほど一次共振倍率Qrが高くなるという傾向にある(上記(7)式参照)。これは、従来のレンズ保持機構では、光ディスクの回転速度が高速化すると、ダンパ材による寄生チルトの抑制効果が低下することを示している。
寄生チルトの感度は、チルトの周波数が回転系の一次共振周波数frと一致するときに最大となるので、寄生チルトを抑制するには回転系の一次共振倍率Qrを小さくする必要がある。
もちろん、ダンパ材の材質を選定して回転系の一次共振倍率Qrを低減することも可能であるが、この場合には、並進系において過減衰となり、並進方向のアクティブ駆動時の低周波応答における位相遅れが大きくなりすぎるという不都合がある。
また、上記(15)式から、線ばねの作用半径rsを大きくすれば、回転系の一次共振倍率Qrのみを低減できることがわかるが、上記(14)式からわかるように、低周波感度Srが低下し、ラジアルチルトを補正する際の消費電力が急増するという不都合がある。
本実施形態では、ダンパの作用半径rdのみを大きく(rd > rs)しているため、可動部の並進特性に影響を与えることなく、回転系の一次共振倍率Qrを小さくすることが可能となり、寄生チルトを効果的に抑制することができる。
ところで、光ディスクの回転速度が高速化すると、サーボ誤差を減らすため、一般的に可動部に対する線ばねの支持剛性を上げることが行われる。これにより、フォーカス制御及びトラッキング制御における(すなわち、並進系での)可動部の一次共振周波数が50Hz以上となることも珍しくない。この場合には、可動部のラジアルチルトにおける一次共振周波数は100Hz以上となり、光ディスクの回転周波数と一致するおそれが高くなる。しかしながら、本実施形態では、可動部のラジアルチルトにおける一次共振倍率が小さいため、光ディスクの回転速度が高速化しても、寄生チルトを抑制することができる。
次に、光ディスク装置20における対物レンズ60の位置制御について説明する。
《フォーカス制御》
1.再生信号処理回路28は、受光器59の出力信号をI/Vアンプ28aで電圧信号に変換した後、サーボ信号検出回路28bにてフォーカスエラー信号を検出し、アクチュエータ制御回路26aに出力する。
2.アクチュエータ制御回路26aは、フォーカスエラー信号に対応したフォーカス用駆動電流を光ピックアップ装置23に出力する。
3.光ピックアップ装置23では、アクチュエータ制御回路26aからのフォーカス用駆動電流は、固定側中継基板93の所定の入力端子に入力され、線ばね92a1及び線ばね92a2、可動側中継基板89aを介して各フォーカス用コイルに供給される。
4.各フォーカス用コイルにフォーカス用駆動電流が流れると、前述したように、駆動電流の大きさ及び駆動電流の向きに応じた駆動力(推力)が発生し、それによって可動部がフォーカス方向に駆動される。その結果、対物レンズ60がフォーカス方向にシフトし、フォーカスずれが補正される。
《トラッキング制御》
1.再生信号処理回路28は、受光器59の出力信号をI/Vアンプ28aで電圧信号に変換した後、サーボ信号検出回路28bにてトラックエラー信号を検出し、アクチュエータ制御回路26aに出力する。
2.アクチュエータ制御回路26aは、トラックエラー信号に対応したトラッキング用駆動電流を光ピックアップ装置23に出力する。
3.光ピックアップ装置23では、アクチュエータ制御回路26aからのトラッキング用駆動電流は、固定側中継基板93の所定の入力端子に入力され、線ばね92b1及び線ばね92b2、可動側中継基板89bを介して各トラッキング用コイルに供給される。
4.各トラッキング用コイルにトラッキング用駆動電流が流れると、前述したように、駆動電流の大きさ及び駆動電流の向きに応じた駆動力(推力)が発生し、それによって可動部がトラッキング方向に駆動される。その結果、対物レンズ60がトラッキング方向にシフトし、トラックずれが補正される。
《チルト制御》
1.CPU40は、デコーダ28eからのアドレス情報に基づいて、光ディスク15の回転中心からの距離に応じたラジアルチルト制御信号を選択し、アクチュエータ制御回路26aに出力する。
2.アクチュエータ制御回路26aは、ラジアルチルト制御信号に対応したチルト用駆動電流を光ピックアップ装置23に出力する。
3.光ピックアップ装置23では、アクチュエータ制御回路26aからのチルト用駆動電流は、固定側中継基板93の所定の入力端子に入力され、線ばね92a3及び線ばね92b3、各可動側中継基板を介して各チルト用コイルに供給される。
4.各チルト用コイルにチルト用駆動電流が流れると、前述したように、駆動電流の大きさ及び駆動電流の向きに応じた回転トルクが発生し、それによって可動部がタンジェンシャル方向の軸を回転軸として回動する。その結果、対物レンズ60が傾斜し、ラジアルチルトが補正される。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光ピックアップ装置では、レンズ駆動系11に、レンズ保持機構が設けられている。
また、本実施形態に係る光ディスク装置では、駆動制御回路26と再生信号処理回路28とCPU40及び該CPU40によって実行されるプログラムとによって、処理装置が実現されている。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではないことは勿論である。すなわち、上記実施形態は一例に過ぎず、CPU40によるプログラムに従う処理の少なくとも一部をハードウェアによって構成しても良いし、あるいは全てをハードウェアによって構成することとしても良い。
以上説明したように、本実施形態に係る光ピックアップ装置23によると、レンズホルダ(レンズ保持部材)81は、ラジアル方向に関して所定の距離だけ離れ、ラジアル方向に伸びる一対の突起部(96a、96b)を有し、各突起部がそれぞれダンパ材98中に埋設されている。これにより、各線ばねの配置を従来と変えることなく、タンジェンシャル方向を軸とする可動部の回転における一次共振倍率を小さくすることができるため、ラジアルチルトにおける一次共振周波数での振動損失を大きくすることが可能となる。そこで、光ディスクの回転速度が高速化しても、フォーカス制御及びトラッキング制御に伴う高周波振動変位寄生チルトを低レベルに抑えることが可能となる。従って、精度良く対物レンズ60を駆動することが可能となる。その結果として、高コスト化を招くことなく、形状品質に優れた光スポットを光ディスク15の記録面に形成することができる。
そして、剛体モードの共振周波数において最も振幅が大きい場所でダンピング効果を得ることができる。また、ダンパの作用半径が線ばねの作用半径よりも大きくなるように設定されているため、タンジェンシャル方向を軸とする回転振動に対するダンピング効果を更に向上させることができる。
また、本実施形態に係る光ディスク装置20によると、メディアチルトの発生を抑制しつつ、フォーカス制御及びトラッキング制御を行なうことができるため、形状品質に優れた光スポットを光ディスクの所定位置に精度良く形成することができる。その結果、光ディスクへの記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を含むアクセスを精度良く安定して行なうことが可能となる。
また、ラジアルチルトを精度良く補正することが可能なため、形状品質に優れた光スポットを光ディスクの所定位置に精度良く形成することができる。その結果、光ディスクへの記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を含むアクセスを精度良く安定して行なうことが可能となる。
なお、上記実施形態では、一対の突起部(96a,96b)が、可動側中継基板(89a、89b)と関係なく設けられる場合について説明したが、例えば図13〜図15に示されるように、突起部が可動側中継基板に形成された開口部を貫通するようにしても良い。これにより、一例として図15に示されるように、可動側中継基板89aを可動部に取り付ける際に、突起部96aと位置決め用部材101aとで、可動側中継基板89aを位置決めすることができる。すなわち、可動側中継基板を可動部に取り付けるには、2つの位置決め用部材が必要であるが、そのうちの一つを突起部が兼用することができる。これにより、可動部の構造が複雑化するのを防止することができる。
また、上記実施形態では、一対の突起部(96a,96b)が、レンズホルダ81の+Y側端部に設けられる場合について説明したが、これに限らず、一例として図16に示されるように、Y軸方向に関して、レンズホルダ81の中央に設けられても良い。この場合には、各突起部は、互いにタンジェンシャル方向を軸とする可動部の回転中心に対して対称となる位置に設けられることとなる。これにより、突起部(96a,96b)をガイドにしてレンズホルダ81の位置決めを行い、各線ばねをレンズホルダ81に接続することができる。
ところで、線ばねの組み付け工程は、非常にデリケートな工程であり、レンズホルダ81の+X側に接続される線ばね(92b1,92b2,92b3)の長さとレンズホルダ81の−X側に接続される線ばね(92a1,92a2,92a3)の長さとに0.1mmの差が生じただけでも、レンズホルダ81の+X側と−X側とでばね定数にかなりの違いが発生し、フォーカス制御及びトラッキング制御時に寄生チルトを生じることとなる。これを抑制するには、レンズホルダ81の+X側と−X側とで線ばねの長さを等しくする必要があり、これには、可動部の回転位置を正確に決定しなければならない。通常、図17(B)に示されるように、レンズホルダ81の一部に切り欠き部を設け、該切り欠き部をガイドにして、線ばねを組み付けている。例えば、回転位置の位置決め誤差をΔpとすると、図17(B)のようにして、線ばねを組み付ける場合の線ばねの長さの差ΔL1は、次の(16)式で示される。ここで、rは可動部の中心から切り欠き部までの距離である。(rs/r)>1であるため、位置決め誤差Δpが増幅されることとなる。
ΔL1=(rs/r)×Δp ……(16)
一方、図17(A)に示されるように、突起部(96a,96b)をガイドにして、線ばねを組み付ける場合の線ばねの長さの差ΔL2は、次の(17)式で示される。(rs/rd)<1であるため、位置決め誤差Δpが縮小されることとなる。
ΔL2=(rs/rd)×Δp ……(17)
従って、更に寄生チルトを抑制することが可能となる。また、組立工程及び検査工程の簡素化を図ることができるため、コストを削減することが可能となる。
また、上記実施形態では、光ピックアップ装置として3軸駆動型の光ピックアップ装置を用いる場合について説明したが、これに限らず、一例として図18及び図19に示されるように、2軸駆動型の光ピックアップ装置でも良い。
また、上記実施形態では、6本の線ばねが設けられる場合について説明したが、これに限らず、例えば、4本の線ばねが設けられても良い。この場合には、減らされた2本の線ばねの代わりに撚り線などが給電用に用いられる。
また、上記実施形態では、RF信号からラジアルチルト量を推定する場合について説明したが、ラジアルチルト量を計測するためのチルトセンサを設けても良い。
また、上記実施形態では、可動部を弾性的に支持するために線ばねが用いられる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば板ばねが用いられても良い。
また、上記実施形態では、線ばねが導電性を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。また、各線ばねと各中継基板との接続がはんだ付けによって行われる場合について説明したが、これに限らず、例えば、接着やインサート成型などで接続しても良い。但し、これらの場合には、各コイルに給電するための配線が別途必要となる。
また、上記実施形態では、各突起部が、互いにタンジェンシャル方向に関して同じ位置に設けられている場合について説明したが、これに限らず、例えば、互いにタンジェンシャル方向に関しても、所定の距離だけ離れていても良い。
また、上記実施形態では、各突起部が、互いにフォーカス方向に関して同じ位置に設けられている場合について説明したが、これに限らず、例えば、互いにフォーカス方向に関しても、所定の距離だけ離れていても良い。
また、上記実施形態では、DVDの規格に準拠した情報記録媒体が光ディスク15として用いられる場合について説明したが、これに限らず、例えばCDの規格に準拠した情報記録媒体や波長が約405nmの光束に対応した次世代の情報記録媒体であっても良い。
また、上記実施形態では、光源が1つの場合について説明したが、これに限らず、複数の光源を備えていても良い。この場合に、例えば波長が約405nmの光束を出射する光源、波長が約660nmの光束を出射する光源及び波長が約780nmの光束を出射する光源の少なくともいずれかを含む複数の光源を備えていても良い。
また、上記実施形態では、情報の記録及び再生が可能な光ディスク装置について説明したが、これに限らず、情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生が可能な光ディスク装置であれば良い。
以上説明したように、本発明のレンズ保持機構によれば、精度良く対物レンズを駆動するのに適している。また、本発明の光ピックアップ装置によれば、形状品質に優れた光スポットを光ディスクの記録面に形成するのに適している。また、本発明の光ディスク装置によれば、光ディスクへのアクセスを精度良く安定して行なうのに適している。
本発明の一実施形態に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 図1における光ピックアップ装置の構成を説明するための図である。 図2における光束出射系及び検出系の詳細構成を説明するための図である。 図2におけるレンズ駆動系の詳細構成を説明するための図である。 図2におけるレンズ駆動系の斜視図である。 図4のA−A線断面図である。 図4のB−B線断面図である。 ダンパ作用半径、線ばねの弾性作用半径、及び可動部の慣性半径を説明するための図である。 ラジアルチルト制御信号を説明するための図である。 並進系における一次共振周波数、一次共振倍率、及び低周波感度を説明するための図である。 回転系における一次共振周波数、一次共振倍率、及び低周波感度を説明するための図である。 ダンパ材の減衰係数の周波数依存性を説明するための図である。 突起部の位置の変形例1を説明するための図である。 図13におけるレンズ駆動系の斜視図である。 可動側中継基板をレンズホルダに取り付ける際の可動側中継基板の位置決めを説明するための図である。 突起部の位置の変形例2を説明するための図である。 図17(A)及び図17(B)は、それぞれ線ばねの組み付け誤差を説明するための図である。 2軸駆動型のピックアップ装置におけるレンズ駆動系の詳細構成を説明するための図である。 図18のレンズ駆動系の斜視図である。
符号の説明
15…光ディスク、20…光ディスク装置、23…光ピックアップ装置、26…駆動制御回路(処理装置の一部)、28…再生信号処理回路(処理装置の一部)、40…CPU(処理装置の一部)、59…受光器(光検出器)、60…対物レンズ、81…レンズホルダ(レンズ保持部材)、92a1,92a2,92a3,92b1,92b2,92b3…線ばね(弾性部材)、96a…突起部(一対の突起部の一方)、96b…突起部(一対の突起部の他方)、98…ダンパゲル材(減衰部材)。

Claims (11)

  1. スパイラル状又は同心円状のトラックが形成された光ディスクの記録面に光を集光する対物レンズを保持するレンズ保持機構であって、
    前記トラックの接線方向に直交するラジアル方向に関して所定の距離だけ離れ、前記ラジアル方向に伸びる一対の突起部を有し、前記対物レンズを保持するレンズ保持部材と;
    前記一対の突起部を保持し、前記レンズ保持部材の振動を減衰させる減衰部材と;
    前記レンズ保持部材にその一端が接続され、前記トラックの接線方向であるタンジェンシャル方向に延びる複数の弾性部材を有し、前記レンズ保持部材を支持する支持機構と;を備えるレンズ保持機構。
  2. 前記減衰部材が、前記タンジェンシャル方向を軸とする前記レンズ保持部材を含む可動部の回転における一次共振倍率を減少させることを特徴とする請求項1に記載のレンズ保持機構。
  3. 前記減衰部材が粘弾性体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ保持機構。
  4. 前記ラジアル方向に関して、前記一対の突起部における突起部間の距離は、前記弾性部材間の距離よりも長いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のレンズ保持機構。
  5. 前記一対の突起部が、互いに前記タンジェンシャル方向に関して同じ位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のレンズ保持機構。
  6. 前記一対の突起部が、互いに前記タンジェンシャル方向を軸とする前記レンズ保持部材を含む可動部の回転中心に対して対称となる位置に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のレンズ保持機構。
  7. 前記一対の突起部が、前記弾性部材を前記レンズ保持部材に接続する際の前記レンズ保持部材の位置決め用部材を兼用することを特徴とする請求項6に記載のレンズ保持機構。
  8. 前記一対の突起部が、給電用の中継基板を前記レンズ保持部材に取り付ける際の前記中継基板の位置決め用部材を兼用することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のレンズ保持機構。
  9. 光ディスクの記録面にレーザ光を照射し、前記記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置であって、
    前記レーザ光を出射する光源と;前記光源から出射されるレーザ光を前記記録面に集光する対物レンズを含み、前記記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置に導く光学系と;
    前記対物レンズを保持する請求項1〜8のいずれか一項に記載のレンズ保持機構と;
    前記レンズ保持機構を構成するレンズ保持部材を、前記光ディスクのトラックの接線方向に直交するラジアル方向及び前記対物レンズの光軸方向にそれぞれ駆動する駆動手段と;
    前記受光位置に配置された光検出器と;を備える光ピックアップ装置。
  10. 前記駆動手段が、前記レンズ保持部材を更に前記光ディスクのトラックの接線方向であるタンジェンシャル方向を軸とする回転方向に回動させることを特徴とする請求項9に記載の光ピックアップ装置。
  11. 光ディスクに対して情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を行なう光ディスク装置であって、
    請求項9又は10に記載の光ピックアップ装置と;
    前記ピックアップ装置の出力信号に基づいて前記ピックアップ装置の駆動手段を制御するとともに、前記光ピックアップ装置の出力信号を用いて、情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置。
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