JP2006058983A - プロセスデータ収集装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 異常検知ロジックの検証データとして実プラントで発生したデータを利用することで検証精度を向上させることが可能なプロセスデータ収集装置を実現する。
【解決手段】 プロセスデータを収集し、収集したデータをリアルタイムデータとしてOPCクライアントに提供するOPCサーバと、前記リアルタイムデータの所定期間にわたる過去データであるヒストリカルデータを保持するヒストリアンとを備えたプロセスデータ収集装置において、
前記ヒストリアンよりヒストリカルデータを取得し、これを定周期で読み出し仮想リアルタイムデータとして前記OPCクライアントに渡すリプレイサーバを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プロセスデータをリアルタイムデータとしてOPCクライアントに提供するOPCサーバと、リアルタイムデータの過去データを保持するヒストリアンとを備えたプロセスデータ収集装置に関する。さらに詳しくは、プロセスデータをOPC(OLE for Process Control)Foundationが仕様策定する標準インターフェースで収集し、収集したデータをリアルタイムデータとしてOPCクライアントに提供するOPCサーバと、リアルタイムデータの所定期間にわたる過去データであるヒストリカルデータを保持するヒストリアンとを備えたプロセスデータ収集装置に関する。
プラントをより安定・安全に運転するためには、プロセス・装置の異常を早期に発見することが不可欠である。異常を早期に発見する方法として以下のように大きく2つに分類される。
(1)プラントのハード設計に基づいたしきい値を設定してその値を監視する。
(2)過去の経験をもとにして作成した異常検知ロジックを利用する。
分散型制御システムでは、プロセスデータを収集処理する様々な運転支援パッケージがあり、運転員(オペレータ)は制御システムと運転支援パッケージを運転にうまく組み合わせて最善のオペレーションを遂行している。
本発明は、プロセスデータをOPCサーバを介して収集して運転支援パッケージとして機能するOPCクライアント内に、前記(2)項の異常検知ロジックを作成・運用する環境を構築する場合の、異常検知ロジックの検証精度を向上させることを主題としている。
図4は、従来の異常検知ロジックの検証プロセスを示す遷移図である。まず、異常が発生した事象についてヒストリカルデータやイベント履歴を用いて解析して異常検知ロジックを作成し、シミュレータ等で仮想環境を構築し、この仮想環境下で異常検知ロジックの検証を行い、実プラントへ組み込んでいた。
図5は、分散型制御システムに接続されたOPCクライアント内で異常検知ロジックを作成・検証・運用する環境を構築する場合の、従来のデータ収集装置の一例を示す機能ブロック図である。
1は分散型制御システムの上位装置であり、制御バス2に接続されている。3は制御装置であり、制御バス2を介して上位装置1と通信すると共に、I/Oバス4を介してプロセス側のフィールド機器5の制御を行う。
6は制御バス2に接続されたOPCサーバである。このOPCサーバは、制御装置3を経由して制御バス2に与えられるプロセスデータを、OPC標準インターフェースであるOPC DA(Data Access)で収集し、収集したデータをリアルタイムデータとしてOPCクライアントに提供する。7はヒストリアンであり、OPCサーバ6が収集したプロセスデータの所定期間にわたる過去データであるヒストリカルデータを保持する。
8はイーサネット(登録商標)で代表される汎用通信バスであり、上位装置1、OPCサーバ6及びOPCクライアント9が接続されている。OPCクライアント9は、この汎用通信バス8を経由してOPC DAインターフェースを介してOPCサーバ6よりリアルタイムデータを取得する。
OPCクライアント9において、91は全体管理を担当するデータ処理手段であり、OPCサーバ6よりリアルタイムデータを入力し、操作指令をOPCサーバ6を経由して制御装置3及びフィールド機器5に出力する。
92はビルダ機能を用いてユーザにより操作される異常検知ロジック作成手段である。93は仮想環境生成手段であり、シミュレータ等で異常状態データを仮想的に構築する。94はロジック検証手段であり、作成された異常検知ロジックに対して仮想環境生成手段93からの異常データを与えて所定の異常検知が実行されるか否かを検証する。
95は評価修正手段であり、検証結果を評価して必要であれば作成された異常検知ロジックを修正する。修正されたロジックは再度検証され、評価されるルーチンを回してブラッシュアップされる。
96は監視操作手段であり、作成された異常検知ロジックに基づいてデータ処理手段91より与えられるリアルタイムデータを監視し、ロジックの条件に合致した異常が検出された場合には、データ処理手段91に通知し、データ処理手段91より異常に対応する操作指令がプロセス側に出力される。
97は表示手段であり、データ処理手段91の操作画面、監視操作手段96における異常検知ロジックの表示を行う。図6は監視操作手段96における異常検知ロジックの表示画面97aの例である。
特許文献1には、PLCとの通信をOPCサーバ経由で汎用的に行えるようにしたOPC通信システムが記載されている。
特開2004−221852号公報
従来のプロセスデータ収集装置においては、実プラントで発生した異常事象等を再現するには、ヒストリアン7に保持されているヒストリカルデータをオフラインで解析し、発生時の条件を再現した仮想環境を構築する必要がある。この仮想環境下で作成した異常検知ロジックを検証し、既存のロジックに問題があれば改良したりしてプラントに組み込んでいた。
従来の異常検知ロジックの検証は、オフラインで解析した結果をもとに推測した事象に対する検証であり、実プラントでもそのまま通用するという保証は完全ではなく、検証の信頼性には限界があった。
従って本発明が解決しようとする課題は、異常検知ロジックの検証データとして実プラントで発生したデータを利用することで検証精度を向上させることが可能なプロセスデータ収集装置を実現することにある。
このような課題を達成するために、本発明の構成は次の通りである。
(1)プロセスデータを収集し、収集したデータをリアルタイムデータとしてOPCクライアントに提供するOPCサーバと、前記リアルタイムデータの所定期間にわたる過去データであるヒストリカルデータを保持するヒストリアンとを備えたプロセスデータ収集装置において、
前記ヒストリアンよりヒストリカルデータを取得し、これを定周期で読み出し仮想リアルタイムデータとして前記OPCクライアントに渡すリプレイサーバを備えたことを特徴とするプロセスデータ収集装置。
(2)前記OPCクライアントは、前記OPCサーバからのリアルタイムデータと前記リプレイサーバからの仮想リアルタイムデータを選択的に参照する切り替え手段を備えることを特徴とする(1)に記載のプロセスデータ収集装置。
(3)前記OPCクライアントは、前記リプレイサーバより取得する仮想リアルタイムデータデータに基づいて、あらかじめ作成された異常検知ロジックを検証するロジック検証手段を備えたことを特徴とする(1)又は(2)に記載のプロセスデータ収集装置。
(4)前記OPCクライアントは、前記異常検知ロジックにより前記リアルタイムデータを監視すると共に異常に対する操作指令を前記OPCサーバを経由してプラント側に発信する操作監視手段を備えたことを特徴とする(4)に記載のプロセスデータ収集装置。
(5)前記ヒストリアンより前記リプレイサーバに渡されるヒストリカルデータは、OPC HDAインターフェースに準拠していることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載のプロセスデータ収集装置。
(6)前記OPCサーバ及び前記リプレイサーバより前記OPCクライアントへ渡されるデータは、OPC DAインターフェースに準拠していることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載のプロセスデータ収集装置。
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次のような効果がある。
(1)ヒストリカルデータが、そのまま発生時の瞬時値として汎用的なOPC DAインターフェース準拠のOPCクライアントで参照できる環境を実現できる。
(2)仮想環境を利用することなく、実プラントのヒストリカルデータをそのまま異常検知ロジックの検証に利用することで、検証精度を向上せしめることが可能となる。
(3)ヒストリカルデータを反復してリプレイ参照できることで、頻度の低い事象でも再現することが容易である。又、シミュレータを使う必要もなくなり、より短期間で確度の高い異常検知ロジックを作成することができる。
(4)OPC HDAインターフェースにて提供されるヒストリカルデータが、OPC DA準拠の汎用的なインターフェースより仮想リアルタイムデータとして提供されることで、利用できるシステムの範囲が広がる。
(5)プラント運転時の瞬時値を参照するか、ヒストリカルデータを参照するかは、参照先のOPC DA準拠のサーバからのデータを単純に切り替えるだけでよく、ロジックの検証環境をシンプルにすることができる。
以下、本発明を図面により詳細に説明する。図1は本発明を適用したプロセスデータ収集装置の一実施形態を示す機能ブロック図である。図5で説明した従来装置と同一要素には同一符号を付し、説明を省略する。以下、本発明の特徴部につき説明する。
図1において、100は制御バス2と汎用通信バス8間に接続されたヒストリアンであり、保存しているヒストリカルデータをOPC HDA(Historical Data Access)インターフェースで汎用通信バス8に提供する。
200はリプレイサーバであり、ヒストリアン100と同じく制御バス2と汎用通信バス8間に接続されており、ヒストリアン100からのヒストリカルデータをOPC HDAインターフェースで取得し、このヒストリカルデータを定周期で読み出して仮想リアルタイムデータとしてOPC DAインターフェースで汎用通信バス8を介してOPCクライアント300に提供する。
図2は、リプレイサーバ200におけるデータ変換動作を説明する模式図である。時系列的に保存されているヒストリカルデータを定周期で読み出し、これを仮想リアルタイムデータとしてOPCクライアントに提供するデータ変換機能を備えている。
読み出しの始点と終点は外部から指定可能であり、図示の例では異常の発生から終点までとなっているが、正常範囲のデータを指定することも可能である、更に、同一範囲を何回でも反復して読み出すリプレイ動作も可能である。
OPCクライアント300において、データ処理手段301,異常検知ロジック作成手段302,ロジック検証手段304,評価修正手段305,監視操作手段306,表示手段307の機能は、図5の従来装置におけるOPCクライアント9の要素91,92,94,95,96,97と同一機能を有する。
本発明のOPCクライアント300と従来のOPCクライアント9との構成上の相違点は、本発明のOPCクライアント300では従来のOPCクライアント9が備えている仮想環境生成手段93に相当する機能を持たず、新設構成要素としてトグルスイッチ機能を持つ切り替え手段308を備えている点にある。
切り替え手段308は、定常の監視操作モードでは、OPCサーバ6からのリアルタイムデータを参照してデータ処理手段301に供給し、監視操作手段306の異常検知ロジックにより監視操作する。この監視操作機能は、従来装置と同一である。
切り替え手段308は、異常検知ロジックの検証モードでは、データ処理手段301からの指令で切り替え操作され、リプレイサーバ200からの仮想リアルタイムデータを参照してデータ処理手段301に入力し、このデータがロジック検証手段304に供給されて、異常検知ロジックの検証が実行される。
図3は、図4と対比して示した本発明の異常検知ロジックの検証プロセスを示す遷移図である。本発明の特徴点は、従来の仮想環境でのロジック検証ではなく、実プラントで発生した事象をそのまま保持したヒストリカルデータを利用したロジック検証であり、従来装置のようなロジック検証用の仮想環境を作成する必要がない。
本発明のOPCクライアントにおける切り替え手段308は、プラント運転を監視するためのリアルタイムデータをOPC DAインターフェースのOPCサーバ6より取得し、ロジック検証のためのヒストリカルデータを元にした仮想リアルタイムデータを同じくOPC DAインターフェースのリプレイサーバ200から取得するために、データの切り替えに必要な処理は、単純な切り替え操作のみで完結する。
即ち、OPCクライアントは、同一のOPC DAインターフェースを介して取得するリアルタイムデータ及びヒストリカルデータの差を意識する必要がないシームレスな切り替え環境を実現することが可能であり、切り替えによるロジック自体の修正も発生しない。
本発明では、リプレイサーバ200はヒストリアンからOPC HDAインターフェースで提供されたヒストリカルデータを、任意の開始点を起点とした瞬時値としてOPC DAインターフェースでOPCクライアント300に提供する。この場合、同一の開始点を起点とすることで、OPCクライアント300は何度でもリプレイ参照することができる。
又、リプレイサーバ200は、時系列に対して速度可変で仮想リアルタイムデータをOPCクライアント300提供することも可能である。このようなデータ提供機能を利用してOPCクライアント側では、異常検知ロジックの作成シミュレータとして、ロジック作成作業にも利用することが可能である。
図1に示した実施形態では、OPCサーバ6,ヒストリアン100,リプレイサーバ200を夫々独立の機能ブロックで示したが、OPCサーバ6とヒストリアン100を同一パソコン環境で実現することも可能である。
更にこれら3者を一体のパソコン環境で実現することも可能である。この場合はリアルタイムデータに対するOPC DAインターフェースと、仮想リアルタイムデータに対するOPC DAインターフェースを個別に形成する必要がある。
本発明を適用したプロセスデータ収集装置の一実施形態を示す機能ブロック図である。 リプレイサーバのデータ変換動作を説明する模式図である。 本発明装置の異常検知ロジックの検証プロセスを示す遷移図である。 従来装置の異常検知ロジックの検証プロセスを示す遷移図である。 従来のプロセスデータ収集装置の一例を示す機能ブロック図である。 監視操作手段における異常検知ロジックの表示画面例である。
符号の説明
1 上位装置
2 制御バス
3 制御装置
4 I/Oバス
5 フィールド機器
6 OPCサーバ
8 汎用通信バス
100 ヒストリアン
200 リプレイサーバ
300 OPCクライアント
301 データ処理手段
302 異常ロジック作成手段
304 ロジック検証手段
305 評価修正手段
306 監視操作手段
307 表示手段
308 切り替え手段

Claims (6)

  1. プロセスデータを収集し、収集したデータをリアルタイムデータとしてOPCクライアントに提供するOPCサーバと、前記リアルタイムデータの所定期間にわたる過去データであるヒストリカルデータを保持するヒストリアンとを備えたプロセスデータ収集装置において、
    前記ヒストリアンよりヒストリカルデータを取得し、これを定周期で読み出し仮想リアルタイムデータとして前記OPCクライアントに渡すリプレイサーバを備えたことを特徴とするプロセスデータ収集装置。
  2. 前記OPCクライアントは、前記OPCサーバからのリアルタイムデータと前記リプレイサーバからの仮想リアルタイムデータを選択的に参照する切り替え手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のプロセスデータ収集装置。
  3. 前記OPCクライアントは、前記リプレイサーバより取得する仮想リアルタイムデータデータに基づいて、あらかじめ作成された異常検知ロジックを検証するロジック検証手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のプロセスデータ収集装置。
  4. 前記OPCクライアントは、前記異常検知ロジックにより前記リアルタイムデータを監視すると共に異常に対する操作指令を前記OPCサーバを経由してプラント側に発信する操作監視手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載のプロセスデータ収集装置。
  5. 前記ヒストリアンより前記リプレイサーバに渡されるヒストリカルデータは、OPC HDAインターフェースに準拠していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプロセスデータ収集装置。
  6. 前記OPCサーバ及び前記リプレイサーバより前記OPCクライアントへ渡されるデータは、OPC DAインターフェースに準拠していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプロセスデータ収集装置。
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