JP2006058959A - 類似画像判定方法、プログラム及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 主要被写体のポーズが異なる等の互いに類似した画像を判定することができ、しかも、演算量を少なくできること。
【解決手段】 第1の画像及び第2の画像の対応する各画素同士について輝度の差分を算出し(S112)、算出した輝度の差分について頻度分布を表す差分ヒストグラムを作成し(S114)、頻度分布に基づいて第1の画像及び第2の画像が類似するか否かを判定する(S116、S118、S122)。具体的には、輝度の差分が所定の閾値以下である頻度分布の面積と、輝度の差分が所定の閾値を超える頻度分布における輝度の差分の相乗平均と相加平均との比に基づいて判定を行い、判定の結果を出力する(S130)。
【選択図】 図5
【解決手段】 第1の画像及び第2の画像の対応する各画素同士について輝度の差分を算出し(S112)、算出した輝度の差分について頻度分布を表す差分ヒストグラムを作成し(S114)、頻度分布に基づいて第1の画像及び第2の画像が類似するか否かを判定する(S116、S118、S122)。具体的には、輝度の差分が所定の閾値以下である頻度分布の面積と、輝度の差分が所定の閾値を超える頻度分布における輝度の差分の相乗平均と相加平均との比に基づいて判定を行い、判定の結果を出力する(S130)。
【選択図】 図5
Description
本発明は複数の画像間の類似を判定する類似画像判定方法、プログラム及び装置に関する。
デジタルカメラやカメラ付き携帯電話の普及に伴ってデジタルデータの画像を誰でも手軽に取得できるようになった。インターネットを介したデジタルデータの画像の取得もさかんに行われている。フイルムや写真プリントに記録された画像を読み取ってデジタルデータの画像を取得することもできる。また、ハードディスク、光ディスク、メモリカードなどの記憶手段の大容量化及び低価格化に伴って、デジタルデータの画像の蓄積も容易に行えるようになった。
一方で、蓄積された多数の画像の中から、類似する画像を素早く検索したいという要求がある。具体的には、例えば、互いに類似する画像だけをまとめて閲覧したい、互いに類似する画像だけをまとめて抽出したい、あるいは、互いに類似する画像を一覧してその中で不要な画像は削除したい等である。
ところで、重要区域への入退室管理等を行うために、指紋や網膜の画像の照合を行うものが知られている。例えば、特許文献1には、2つの画像間でフーリエ位相相関演算とフーリエ振幅相関演算とを行って画像を照合するようにしたものが記載されている。特許文献2には、2つの画像に対してそれぞれフーリエ変換を施して得られる振幅成分及び位相成分のうちで、位相成分のみを取り出して、位相成分の差分に基づいて画像間の相関を判定するようにしたものが記載されている。特許文献3には、輝度閾値に基づいて背景とみなされる部分を画像から分離した後に、フーリエ変換を用いて、画像の照合を行うようにしたものが記載されている。
また、特許文献4には、所定の時間間隔(例えば1秒間隔)で取り込んだ撮影画像から差画像(すなわち「動いている部分」の画像)を生成し、差画像と予め記憶された「人間テンプレート」画像とを、フーリエ変換を用いて比較することにより、人間の部分が撮影画像に含まれるか否かを判定するようにしたものが記載されている。特許文献5には、フーリエ変換を用いて、2つの画像間の相違点や移動パターンを抽出するようにしたものが記載されている。特許文献6には、フーリエ変換を用いて、2つの画像間の位置ずれ量を算出するようにしたものが記載されている。
特開平11−3423号公報
特開2001−175864号公報
特開2001−22924号公報
特開2003−122394号公報
WO98/20454号公報
特開2003−99787号公報
従来の指紋や網膜などによる画像照合技術は、第3者の不正侵入を防止する目的を有し、人物の完全一致を認識するようになっており、一般に、自由に蓄積した様々な画像の中から互いに類似する画像をまとめて検索するといった用途には向かない。具体的には、従来の画像照合技術を用いた場合、基準画像と比較して画像内の構造が略同一の画像は一致画像と判定されて検索できても、人物のポーズが異なるような不一致成分が混在した画像は、一般に、不一致画像と判定されて排除されてしまう確率が高く、結局、類似画像を検索できないことになる。
ところが、例えば、愛らしい我が子を撮影する際、様々なポーズの子供を自由に撮影するのが一般的であり、このような自由に撮影した被写体のポーズが異なる類似画像同士を後日まとめて検索したくても、不一致画像と判定されて排除されてしまえば、結局、検索できないことになる。
また、従来の画像照合技術は、照合の精度は向上したものの、フーリエ変換演算に起因して演算量が多く、このような従来の画像照合技術を応用して類似画像の判定を行おうとすると、比較すべき画像の枚数が多い場合には、検索終了までの待ち時間が長くなってしまうという課題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、被写体のポーズが異なる等により不一致成分が混在していても類似画像を判定することができ、しかも、少ない演算量で類似画像の判定を行うことができる類似画像判定方法、プログラム及び装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、第1の画像及び第2の画像の対応する各画素同士について画素の値の差分を算出するステップと、前記画素の値の差分について頻度分布を表すヒストグラムを作成するステップと、前記ヒストグラムに基づいて前記第1の画像及び前記第2の画像が類似するか否かを判定する判定ステップと、前記判定の結果を出力するステップを含む構成になっている。
この構成によって、第1の画像及び第2の画像の対応する各画素同士について画素の値の差分が算出され、算出された画素の値の差分について頻度分布を表すヒストグラムが作成され、作成されたヒストグラムに基づいて第1の画像及び第2の画像が類似するか否かが判定されて、その判定の結果が出力されるので、フーリエ変換を用いる必要がなく、少ない演算量で類似画像の判定を行うことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記判定ステップは、前記ヒストグラムに表された頻度分布の面積に基づいて前記判定を行う構成になっている。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記判定ステップは、前記ヒストグラムに表された頻度分布のなめらかさの程度に基づいて前記判定を行う構成になっている。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記判定ステップは、前記画素の値の差分が所定の閾値以下である頻度分布の面積と、前記画素の値の差分が所定の閾値を超える頻度分布のなめらかさの程度とに基づいて前記判定を行う構成になっている。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の発明において、前記判定ステップは、前記なめらかさの程度として、前記画素の値の差分の相乗平均と相加平均との比を用いて前記判定を行う構成になっている。
請求項6に記載の発明は、第1の画像及び第2の画像の対応する各画素同士について画素の値の差分を算出するステップと、前記画素の値の差分の相乗平均と相加平均との比に基づいて前記第1の画像及び前記第2の画像が類似するか否かを判定する判定ステップと、前記判定の結果を出力するステップを含む構成になっている。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において、前記画素の値は、輝度である構成になっている。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の類似画像判定方法の各ステップをコンピュータに実行させるプログラムである。
請求項9に記載の発明は、第1の画像及び第2の画像の対応する各画素同士について画素の値の差分を算出する差分算出手段と、前記画素の値の差分について頻度分布を表すヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段と、前記ヒストグラムに基づいて前記第1の画像及び前記第2の画像が類似するか否かを判定する判定手段と、前記判定の結果を出力する出力手段を備えた構成になっている。
請求項10に記載の発明は、第1の画像及び第2の画像の対応する各画素同士について画素の値の差分を算出する差分算出手段と、前記画素の値の差分の相乗平均と相加平均との比に基づいて前記第1の画像及び前記第2の画像が類似するか否かを判定する判定手段と、前記判定の結果を出力する出力手段を備えた構成になっている。
本発明によれば、被写体のポーズが異なる等により不一致成分が混在していても類似画像を判定することができ、しかも、少ない演算量で類似画像の判定を行うことができる。
以下、添付図面に従って、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る一実施形態の類似画像判定装置1の概念的な構成を示すブロック図である。
図1において、類似画像判定装置1は、主として、画像取得部11、データベース12、表示部13、操作部14、差分算出部15、ヒストグラム作成部16、評価値算出部17、判定部18、及び、制御部20によって構成されている。
画像取得部11は、被写体が撮影された画像を取得する。画像の取得態様は、特に限定されない。例えば、第1に、フイルムや写真プリントに記録された画像を読み取りデジタルデータの画像を取得する態様がある。第2に、デジタルカメラやカメラ付き携帯電話等の撮影装置によりデジタルデータの画像が記録されたメモリカードその他の記録媒体から読み出す態様がある。第3に、インターネットその他のネットワークを介してデジタルデータの画像を受信する態様がある。第4に、撮影装置と直接的に無線又は有線で通信してデジタルデータの画像を取得する態様がある。
データベース12は、例えばハードディスクからなり、被写体が撮影された複数の画像を記憶する。データベース12は、光ディスク、メモリカードなどにより構成してもよい。
表示部13は、例えば液晶表示装置(LCD)からなり、操作画面の表示、画像の表示、判定結果の表示、その他の表示を行う。なお、本実施形態は、画像や判定結果を表示部13に表示する場合を例に説明するが、本発明において、画像や判定結果の出力は、表示部13への表示に限るものではなく、プリント媒体への記録や、ネットワークへの出力等、他の出力形態としてもよい。
操作部14は、例えばキーボード及びマウスからなり、画像の選択操作、その他の操作に用いられる。
差分算出部15は、基準画像及び比較画像の対応する各画素同士について画素の値の差分を算出する。本実施形態では、差分算出部15は、対応する各画素同士の輝度の差分を算出する。
ヒストグラム作成部16は、差分算出部15により算出された画素の値の差分について、頻度分布を表す差分ヒストグラムを作成する。本実施形態において、差分ヒストグラムは、2次元であり、一方の軸を輝度の差分、他方の軸を輝度の差分の頻度として、輝度の差分の頻度分布を表している。
評価値算出部17は、比較対象の画像同士の類似の程度を示す評価値を算出する。本実施形態において、第1に、ヒストグラム上で輝度の差分が所定の閾値(t0)以下である頻度分布の面積を示す第1の評価値を算出する。第2に、ヒストグラム上で輝度の差分が所定の閾値(t0)を超える頻度分布において、対応する各画素同士の輝度の差分の相乗平均と相加平均との比を、第2の評価値として、算出する。この第2の評価値は、閾値(t0)を超える頻度分布のなめらかさの程度を示している。なお、相乗平均は幾何平均ともいい、相加平均は算術平均ともいう。
判定部18は、評価値算出部17によって算出された評価値に基づいて、基準画像及び比較画像が、一致、類似、及び、不一致のいずれであるかを判定する。本実施形態では、後述する一致画像、類似画像、及び、不一致画像のいずれであるかを判定する。
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)からなり、類似画像判定装置1の各部を統括して制御する。
なお、本実施形態では、制御部20の制御を受ける差分算出部15、ヒストグラム作成部16、評価値算出部17及び判定部18も、CPUにより構成している。
ここで、「一致画像」、「類似画像」、及び、「不一致画像」について、図2を用いて説明しておく。
「一致画像」は、基準画像と比較して、画像内の構造(構図)が一致している比較画像である。すなわち、主要被写体及び背景が基準画像と同一である。図2において、第1の比較画像51は、基準画像50に対して、経年変化等により色あせした画像である。したがって、第1の比較画像51及び基準画像50の対応する各画素同士は色において相違する。また、第2の比較画像52は、基準画像50に対して、画像上の位置が全体的に一方向(図2の左下方向)に平行移動した画像である。したがって、第2の比較画像52は、基準画像50と位相において相違する。このように、「一致画像」は、基準画像と完全一致する画像のみでなく、基準画像と画像上の構造が同一であって、基準画像に対して色あいが異なる画像及び位相が異なる画像が含まれる。
「類似画像」は、基準画像と比較して、画像内の構造(構図)に違いがあるが類似している比較画像である。例えば、第3の比較画像53や第4の比較画像54のように、基準画像と主要被写体が同一体(例えば同一人物)であるが、その主要被写体のポーズが異なるものが含まれる。第3の比較画像53及び第4の比較画像54では、基準画像50と比較して、主要被写体である人物の腕の位置が異なっており、また、主要被写体の背景に存在する人物のポーズも異なっている。また、第4の比較画像54では、基準画像50と比較して、主要被写体の背景に存在する人物の数も異なっている。
「不一致画像」は、「一致画像」及び「類似画像」のいずれでもない画像である。具体的には、第5の比較画像55や第6の比較画像56のように、主要被写体が異体(例えば別人物)であるものや、背景が全く異なるものが含まれる。
図3は、表示部13に表示される画像検索画面60を示す。
図3において、一覧表示ウインドウ61は、データベース12に記憶された画像の一覧をサムネイルで表示するウインドウである。すなわち、基準画像と、基準画像以外の比較画像が一覧表示される。基準画像表示ウインドウ62は、基準画像をサムネイルに対して拡大して表示するウインドウである。比較画像表示ウインドウ63は、比較画像をサムネイルに対して拡大して表示するウインドウである。一致画像表示ウインドウ64は、一致画像をサムネイルで一覧表示するウインドウである。類似画像表示ウインドウ65は、類似画像をサムネイルで一覧表示するウインドウである。不一致画像表示ウインドウ66は、不一致画像をサムネイルで一覧表示するウインドウである。検索開始ボタン67は、一致画像及び類似画像の検索の開始を指示するボタンである。ステータス表示ウインドウ68は、画像検索中、画像検索終了、その他のステータス表示を行うウインドウである。
次に、図3に示す画像検索画面60を介して操作する場合の画像検索処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。この画像検索処理は、データベース12に記憶された複数の画像の中から、特定の基準画像に対する一致画像及び類似画像を検索して表示部13に表示する処理であり、制御部20により所定のプログラムに従って実行される。
まず、検索範囲であるフォルダの指定を受け付ける(S1)。例えば、データベース12内のフォルダの一覧を表示部13に表示した後、所望のフォルダをマウスでクリックさせる。フォルダが指定されると、そのフォルダ内に格納されていた複数の画像の一覧を、図3の一覧表示ウインドウ61にサムネイルで表示する(S2)。
次に、基準画像の指定を受け付ける(S3)。具体的には、一覧表示ウインドウ61にサムネイルで表示された画像の中から基準画像とする所望の画像をマウスでクリックさせる。基準画像が指定されると、その基準画像を図3の基準画像表示ウインドウ62に表示する(S4)。
図3の検索開始ボタン67がマウスでクリックされると(S5)、ステータス表示ウインドウ68に画像検索中であることを示す表示を行って(S6)、指定されたフォルダ内にある基準画像以外の各画像(比較画像である)を基準画像と順次比較して、一致画像、類似画像、及び、不一致画像のいずれであるかを判定する(S10)。判定結果に応じて分岐し(S21)、比較画像が一致画像と判定された場合には図3の一致画像表示ウインドウ64にサムネイルで表示し(S22)、類似画像と判定された場合には図3の類似画像表示ウインドウ65にサムネイルで表示し(S23)、不一致画像と判定された場合には図3の不一致画像表示ウインドウ66にサムネイルで表示する(S24)。そして、指定されたフォルダ内の全ての比較画像について比較が終了するまで、基準画像と比較画像との比較及び判定結果の表示を繰り返し(S10、S21、S22、S23、S24、S25)、全ての比較画像について比較が終了すると、ステータス表示ウインドウ68に画像検索終了を示す表示を行う(S26)。なお、一致画像表示ウインドウ64、類似画像表示ウインドウ65、及び、不一致画像表示ウインドウ66にサムネイルで表示された比較画像をマウスでクリックすると、サムネイルに対して拡大された比較画像が比較画像表示ウインドウ63に表示される。
図5は、基準画像と比較画像とを比較して一致画像、類似画像及び不一致画像のいずれであるかを判定するステップ(図4のS10)の詳細を示すフローチャートである。図5に示す処理の各ステップは、制御部20により所定のプログラムに従って実行される。
図5において、まず、基準画像における各画素の輝度、及び、比較画像における各画素の輝度を求める(S102)。
次に、基準画像及び比較画像について周知の相関演算を行い(S104)、比較画像が一致画像であるか否かを判定する(S106)。一般に、画像の形状に関する情報(例えば輪郭画像)に基づいて一致画像か否かを判定する。画像の構造が同一であって、経年変化等により色あせただけの画像や、全体的に位置が平行移動しただけの画像は、一致画像と判定される。一致画像であると判定された場合、判定結果を示す変数に一致画像を示す値「1」を設定する(S108)。一方で、比較画像が一致画像でないと判定された場合には、以下に説明する類似画像の判定を行う。
まず、基準画像及び比較画像の対応する各画素同士について輝度の差分を算出し(S112)、対応する各画素同士の輝度の差分について、頻度分布を表す差分ヒストグラムを作成する(S114)。
作成された差分ヒストグラムの例を図6(a)及び(b)に示す。ここで、図6(a)は、比較画像が基準画像に類似する場合の差分ヒストグラムの例を示す、図6(b)は、比較画像が基準画像と全く異なる場合の差分ヒストグラムの例を示す。図6(a)に示す差分ヒストグラムは、図6(b)に示す差分ヒストグラムと比較して、頻度分布の面積が小さく、また、頻度分布の波形が単調であり、その波形に出現するピークの数は少ない。一方で、図6(b)に示すヒストグラムは、頻度分布の波形が複雑であり、その波形に大小様々なピークが多数出現している。
なお、基準画像と比較画像とで画像のサイズが異なる場合には、画像のサイズを同じにした後、輝度の差分を算出して差分ヒストグラムを作成する。例えば、比較画像がNドット×Mドットであり、基準画像が2Nドット×2Mドットであれば、同じサイズ(例えばNドット×Mドット)に画像を変換した後に、2次元座標上で座標が同一の各画素同士について輝度の差分を算出して、差分ヒストグラムを作成する。
次に、差分ヒストグラム上で輝度の差分が所定の閾値t0以下である頻度分布の面積を示す第1の評価値を算出する(S116)。図6(a)及び(b)では、閾値t0以下である頻度分布の面積を斜線で示している。例えば、図6(a)及び(b)において点線で示す四角形内の領域を100%とした斜線部の割合(%)を第1の評価値として算出する。
次に、差分ヒストグラム上で輝度の差分が所定の閾値t0を超える頻度分布について第2の評価値を、数式1により、算出する(S118)。
(数式1)
第2の評価値=輝度の差分の相乗平均/輝度の差分の相加平均
例えば、輝度の範囲が「0」乃至「255」であって、閾値t0が「80」であれば、輝度の差分が「81」乃至「255」である頻度について、相乗平均と相加平均とを求め、これらの比を第2の評価値とする。
(数式1)
第2の評価値=輝度の差分の相乗平均/輝度の差分の相加平均
例えば、輝度の範囲が「0」乃至「255」であって、閾値t0が「80」であれば、輝度の差分が「81」乃至「255」である頻度について、相乗平均と相加平均とを求め、これらの比を第2の評価値とする。
そして、第1の評価値及び第2の評価値に基づいて、比較画像が類似画像であるか否かを判定する(S122)。
例えば、第1の評価値と比較する第1の評価閾値t1と第2の評価値と比較する第2の評価閾値t2とを予め決めておき、第1の評価値とt1とを比較するとともに、第2の評価値とt2とを比較する。具体的には、第1の評価値がt1以下であり、かつ、第2の評価値がt2より大きければ、比較画像が類似画像であると判定する。一方で、第1の評価値がt1より大きい場合、又は、第2の評価値がt2以下である場合には、比較画像が類似画像でないと判定する。
判定結果によって分岐し(S124)、類似画像であると判定された場合には判定結果を示す変数に類似画像を示す値「2」を設定する(S126)。一方で、類似画像でないと判定された場合には判定結果を示す変数に不一致画像を示す値「0」を設定する(S128)。
なお、判定結果を示す変数は図5に示す処理(画像判定処理)の呼び出し元に対して出力される(S130)。
類似画像の例を図7及び図8に示し、不一致画像の例を図9に示す。
図7において、比較画像81は、基準画像80と比較して、主要被写体である人(赤ちゃん)のポーズと、一緒に写された人形の向きが異なっている。すなわち、比較画像81は、基準画像80と画像構成が異なっているので、一致画像ではないと判定される。一方で、差分ヒストグラム91に基づいて、第1の評価値が第1の評価閾値t1より小さく、かつ、第2の評価値が第2の評価閾値t2より大きいので、比較画像81は類似画像であると判定される。
図8において、比較画像82は、基準画像80と比較して、主要被写体である人(赤ちゃん)のポーズが異なっているとともに、基準画像80で写されていた人形が元の位置にない。すなわち、比較画像82は、基準画像80と画像構成が異なっているので、一致画像ではないと判定される。一方で、差分ヒストグラム92に基づいて、第1の評価値が第1の評価閾値t1より小さく、かつ、第2の評価値が第2の評価閾値t2より大きいので、比較画像82は類似画像であると判定される。
図9において、比較画像83は、基準画像80と比較して、基準画像80と画像の構成が異なっているので、一致画像でないと判定される。また、差分ヒストグラム93に基づいて、第1の評価値が第1の評価閾値t1より大きく、第2の評価値が第2の評価閾値t2より小さいので、比較画像83は類似画像でないと判定される。すなわち、一致画像でも類似画像でもなく、不一致画像であると判定される。
なお、図7乃至図9に示す画像80、81、82、83において、輝度の範囲は「0」乃至「255」であり、t0を「80」にした。第1の評価値は、輝度の差分がt0以下である頻度分布の面積を比で表し、第1の評価閾値t1を「60%」にして判定した。第2の評価値は、輝度の差分がt0を超える輝度の差分についての相乗平均/相加平均であり、第2の評価閾値t2を「0.02」にして判定した。
以上の説明において、図3の画像検索画面を用いて図4に示す画像検索処理を行う場合を例に本発明を説明したが、本発明はこのような場合に限定されるものではない。図3とは異なる画面を用いてもよいし、図4とは異なる処理から図5に示すような画像判定処理を呼び出してもよい。また、判定結果の出力は、図3に示すように表示部13に表示する場合に限らず、プリント出力する場合、ネットワークを介して送信する場合など、他の出力態様で判定結果を出力してもよい。図5に示すような画像判定処理の呼び出し元に対して判定結果を通知する場合を含む。
また、判定結果の出力は、類似画像であるか否かを出力する場合に限られず、類似の度合いを示す類似度を出力するようにしてもよいことは言うまでもない。
本実施形態では、図3の画像検索画面60の類似画像表示ウインドウ65において、第1の評価値及び第2の評価値に基づいて、基準画像に対して類似の度合いの高い順に類似画像を表示するようになっている。
また、頻度分布の面積を示す第1の評価値と、頻度分布のなめらかさを示す第2の評価値とに基づいて類似画像か否かを判定する場合を例に説明したが、本発明は、第1の評価値及び第2の評価値のいずれか一方のみに基づいて判定する場合を含む。また、本発明は、前述の第1の評価値及び第2の評価値以外の情報をも参照して判定する場合を排除するものではない。
また、図5を用いて一致画像であるか否かを判定した後に類似画像であるか否かを判定する場合を例に説明したが、一致画像の判定を行わないで類似画像の判定を行ってもよい。このような場合、基準画像(例えば図2の50)に対して、色合いのみ異なる画像(例えば図2の51)や、全体的に平行移動した画像(例えば図2の52)は、類似画像であると判定される。
また、対応する各画素同士の輝度の差分について評価値を求める場合を例に説明したが、本発明は輝度以外の画素の値を用いる場合を含む。例えば、各画素がR,G,Bの各色毎の画素値を有する場合、Rのみの画素値の差分について差分ヒストグラムを作成し、類似画像の判定を行ってもよい。また、例えば、画素の値として、色相を用いる。この場合、評価値として、例えば色相環上の角度(色相角)の差分についてヒストグラムを作成し、類似画像の判定を行ってもよい。また、色相及び彩度の両方を用いてもよい。
その他、本発明は、図面やその説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、設計変更や改良を適宜行ってよいことはいうまでもない。
11…画像取得部、12…データベース、13…表示部、14…操作部、15…差分算出部、16…ヒストグラム作成部、17…評価値算出部、18…判定部、20…制御部
Claims (10)
- 第1の画像及び第2の画像の対応する各画素同士について画素の値の差分を算出するステップと、
前記画素の値の差分について頻度分布を表すヒストグラムを作成するステップと、
前記ヒストグラムに基づいて前記第1の画像及び前記第2の画像が類似するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定の結果を出力するステップと、
を含むことを特徴とする類似画像判定方法。 - 前記判定ステップは、前記ヒストグラムに表された頻度分布の面積に基づいて前記判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の類似画像判定方法。
- 前記判定ステップは、前記ヒストグラムに表された頻度分布のなめらかさの程度に基づいて前記判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の類似画像判定方法。
- 前記判定ステップは、前記画素の値の差分が所定の閾値以下である頻度分布の面積と、前記画素の値の差分が所定の閾値を超える頻度分布のなめらかさの程度とに基づいて前記判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の類似画像判定方法。
- 前記判定ステップは、前記なめらかさの程度として、前記画素の値の差分の相乗平均と相加平均との比を用いて前記判定を行うことを特徴とする請求項3又は4に記載の類似画像判定方法。
- 第1の画像及び第2の画像の対応する各画素同士について画素の値の差分を算出するステップと、
前記画素の値の差分の相乗平均と相加平均との比に基づいて前記第1の画像及び前記第2の画像が類似するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定の結果を出力するステップと、
を含むことを特徴とする類似画像判定方法。 - 前記画素の値は、輝度であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の類似画像判定方法。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の類似画像判定方法の各ステップをコンピュータに実行させるプログラム。
- 第1の画像及び第2の画像の対応する各画素同士について画素の値の差分を算出する差分算出手段と、
前記画素の値の差分について頻度分布を表すヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段と、
前記ヒストグラムに基づいて前記第1の画像及び前記第2の画像が類似するか否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする類似画像判定装置。 - 第1の画像及び第2の画像の対応する各画素同士について画素の値の差分を算出する差分算出手段と、
前記画素の値の差分の相乗平均と相加平均との比に基づいて前記第1の画像及び前記第2の画像が類似するか否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする類似画像判定装置。
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