JP2006058789A - 凹面立体映像提示スクリーン及びそれを用いた凹面立体映像提示システム - Google Patents

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Abstract

【課題】高い分離度を維持したまま、相互反射によるハレーションを低減する。
【解決手段】この凹面立体映像提示システムは、左目用映写機20及び右目用映写機21に、それぞれ異なる偏光方向を有する左目用偏光フィルタ22及び右目用偏光フィルタ23を取り付けるとともに、凹面スクリーン(凹面立体映像提示スクリーン)4において、観察者と対向する凹面40に凹凸を有している。左目用映写機20(右目用映写機21)は、左目用映像生成装置10(右目用映像生成装置11)からの映像データを、左目用偏光フィルタ22(右目用偏光フィルタ23)を介して偏光として凹面40に投影する。凹面スクリーン4は、2つの異なる偏光面を有する複数の偏光を凹面40で鏡面反射させ、偏光メガネ3を装着した観察者に対して、左目用の映像を左目に、右目用の映像を右目に認識させることで、立体映像を表示する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、映像鑑賞、展示、プレゼンテーション、研究開発等で活用される映像を広視野で立体的に表示するために用いられる凹面立体映像提示スクリーン及びそれを用いた凹面立体映像提示システムに関するものである。
人間及び動物は、離れている左右の目の各網膜に写った像の違い(以下、「両眼視差」という)を脳内で処理することにより、奥行きを知覚することができると考えられている。特に、近距離において、両眼視差は、奥行きを知覚するための最も重要な要因となる。他にも、例えば、近くを見るほど、より目になるように、両眼で一点を注視したときの、注視点において両眼の視線がなす角度である両眼輻輳角、眼球の水晶体の厚みを調節して焦点を合わせる焦点調節、物体と観察者との相対運動により網膜像の大きさ及び形状が変化する単眼(片目のみ)の運動視差等も、奥行きを知覚する要因となっている。
上記両眼視差を活用した立体映像提示システム(立体映像提示装置)は、観察者に奥行きを知覚させる立体映像を表示する場合に、観察者に対して、左目用の映像を左目に、右目用の映像を右目に見せることが重要である。上記の動作を実現する手段として、2眼分離メガネ方式、裸眼方式がある。さらに、2眼分離メガネ方式には、偏光方式、時分割シャッター方式、2色分離方式がある。
この中で、偏光方式を用いた立体映像提示システムでは、異なる偏光面を有する直線偏光又は円偏光を透過する偏光フィルタを、それぞれ左目用及び右目用の映写機(例えば、プロジェクタ、フィルム映写機等)に取り付け、各映写機からの映像を、上記偏光フィルタを介してスクリーンに投影する。観察者は、偏光メガネを装着し、スクリーンを見る。具体的な一例として、左目用映写機には、偏光方向を垂直方向に有する直線偏光フィルタを取り付け、右目用映写機には、偏光方向を水平方向に有する直線偏光フィルタを取り付けている。偏光メガネは、各映写機に取り付けた偏光フィルタと同じ偏光方向を有する偏光フィルタを左目部分及び右目部分に取り付けている。つまり、左目部分には、偏光方向を垂直方向に有する直線偏光フィルタを取り付け、右目部分には、偏光方向を水平方向に有する直線偏光フィルタを取り付けている。これにより、偏光メガネは、左目用映写機から投影された映像を左目部分に透過し、右目用映写機から投影された映像を右目部分に透過する。これにより、観察者は、左目用の映像を左目で、右目用の映像を右目で見ることができる。
また、偏光方式では、各映写機から出力された偏光の偏光面を維持したまま偏光メガネを透過しなければならないので、スクリーンは、偏光に対して反射時に偏光性を破壊しないように偏光反射させることが要求される。よって、上記スクリーンとして、例えばシルバー塗料等が塗装されている鏡面反射スクリーン(図5(a)参照)が用いられる。一般的に、鏡面反射とは、光源から物体表面に入射した光が、入射した角度と同じ角度の反射角方向に強く反射することである。鏡面反射により、強く反射した光の先に視点があるとき、その視点から見ると、光が反射した場所は回りの場所と比べて極端に光り、いわゆるハイライトになる。
これに対して、例えば、ホワイトマット、ビーズ、パール塗料等が塗装されている拡散反射スクリーンは、偏光の偏光面が拡散層内で回転し反射するので、偏光性を破壊する(図5(b)参照)。拡散反射とは、光源から物体表面に入射した光が、上記表面から全ての方向に反射することである。これにより、観察者は、偏光メガネを装着してスクリーンを見たとしても、左目用及び右目用の映像が両目に同時に入ってくるので、映像が二重に見え、立体映像(立体視)として認識することができない。
鏡面反射スクリーンを用いた偏光方式の立体映像提示システムでは、立体映像の映像品質に分離度(消光比)が考慮される。分離度とは、映写機から偏光フィルタを介して投影された偏光が偏光メガネの各偏光フィルタを透過したときの明暗差を示す度合(数値)である。分離度が高ければ、同じ偏光方向を有する偏光フィルタを透過した映像は明るく見え、異なる偏光方向を有する偏光フィルタを透過した映像は暗く見える。つまり、分離度が高ければ、左目用映写機から投影された映像に対して、左目では明るく見え、右目では暗く見える。逆に、右目用映写機から投影された映像に対して、右目では明るく見え、左目では暗く見える。これにより、観察者は、映像が二重に見えたり、ぼやけて見えたりすることなく、立体映像の映像品質を向上させることができる。なお、分離度は輝度比と相関がある。輝度比の測定方法は、片側の映写機から全白映像を投影し、鏡面反射スクリーンで反射し、偏光メガネの左目用偏光フィルタ及び右目用偏光フィルタをそれぞれ透過する光の輝度を輝度計で測定し、その比率を求める。輝度比が3:1以上であると、観察者はきれいな立体映像を見ることができる。
さらに、鏡面反射スクリーンであるとともに、観察者と対向する凹面(例えば、曲面、球、球の一部、円柱の一部(アーチ型)、多面体等)を有している凹面スクリーン(凹面立体映像提示スクリーン)を用いることで、平面スクリーンと比較して、観察者の視界を効果的に覆うことができる。凹面立体映像提示スクリーンを用いた凹面立体映像提示システムにおいて、広視野の映像を凹面立体映像提示スクリーンに表示すると、より臨場感の高い映像空間を観察者に提供することができる。
しかし、各映写機からの映像を凹面立体映像提示スクリーンに投影する場合、映写機からの直射光によって照射される面で反射する2次反射以上の反射である相互反射により、凹面立体映像提示スクリーンの端部側への映像は、対面する凹面立体映像提示スクリーンの一部に照射する。これにより、凹面立体映像提示スクリーン全体に靄がかかったように白く見えるハレーションが発生する。上記相互反射によるハレーション発生の度合は、映写機の輝度、コントラスト比、凹面立体映像提示スクリーンの形状によって変化する。特に、半球又は半円型の凹面立体映像提示スクリーンは、相互反射によるハレーションが発生しやすい。
上記より、凹面立体映像提示スクリーンを使用した立体映像提示システムでは、分離度を向上させ、相互反射によるハレーションを抑えることが映像品質を向上させる重要な要素となる。
なお、特許文献1及び特許文献2には、凹面立体映像提示スクリーンを用いた偏光方式の凹面立体映像提示システムが開示されている。これらの特許文献は、視界を覆う効果を有する凹面スクリーンに広視野の立体映像を投影し、観察者に臨場感豊かな映像空間を提供している。さらに、特許文献1は、立体映像提示システムを廉価に実現し、特許文献2は、歪み補正技術で半球ドーム型の凹面スクリーンに投影される映像に変形を与えることにより、観察者から見て歪みのない映像を提供している。
特許第3452880号公報(第3頁−第9頁、及び、第2図) 特許第3387487号公報(第3頁−第7頁、及び、第2図)
しかしながら、上記従来の凹面立体映像提示スクリーン及びそれを用いた凹面立体映像提示システム等は、高い分離度を維持したまま、相互反射によるハレーションを低減することができないという問題があった。なお、拡散反射スクリーンでは、相互反射によるハレーションは低減するが、偏光が破壊され分離度が劣化してしまう。また、拡散反射効果を有する塗料(例えば、ホワイト塗料等)を、鏡面反射効果を有する塗料(例えば、シルバー塗料等)に調合して、凹面立体映像提示スクリーンに塗装した場合も、相互反射によるハレーションを抑えることができるが、偏光が破壊され分離度が劣化してしまう。よって、分離度を維持するためには、拡散反射効果を有する塗料を調合せず、鏡面反射効果を有する塗料のみで偏光性を破壊しない効果を施す必要がある。
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、高い分離度を維持したまま、相互反射によるハレーションを低減することができる凹面立体映像提示スクリーン及びそれを用いた凹面立体映像提示システムを提供することにある。
請求項1に記載の発明は、観察者と対向する凹面を備え、その凹面に、それぞれ異なる偏光面を有する複数の偏光を鏡面反射させて立体映像を表示する凹面立体映像提示スクリーンであって、前記凹面上に凹凸を有することを特徴とする。
この構成では、高い分離度を維持したまま、相互反射によるハレーションを低減することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記凹面の算術平均粗さを20μm以上60μm以下とすることを特徴とする。この構成では、高い分離度、及び相互反射によるハレーションの低減を、さらに向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の凹面立体映像提示スクリーンと、その凹面立体映像提示スクリーンに、それぞれ異なる偏光面を有する偏光を投影する複数の投影手段とを備えることを特徴とする。
この構成では、高い分離度を維持したまま、相互反射によるハレーションを低減することができる。
本発明によれば、高い分離度を維持したまま、相互反射によるハレーションを低減することができる。
(実施形態1)
先ず、実施形態1の基本的な構成について図1〜3を用いて説明する。実施形態1の凹面立体映像提示システムは、両眼視差を活用し、偏光方式で構成され、観察者に立体映像を見せるものであり、図1に示すように、映像生成部1、投影部2、偏光メガネ3、凹面スクリーン(凹面立体映像提示スクリーン)4を備えている。
映像生成部1は、2つの映像生成装置10,11、同期装置12を備えている。各映像生成装置10,11は、例えばパソコン(PC)等であり、LAN(Local Area Network)等のネットワークにより、同期装置12と接続している。また、2つの映像生成装置10,11は、左目用映像生成装置10及び右目用映像生成装置11である。左目用映像生成装置10(右目用映像生成装置11)は、後述する左目用映写機20(右目用映写機21)と接続し、同期装置12から再生信号を受信すると、左目用(右目用)に生成された映像を同期再生し、左目用映写機20(右目用映写機21)に映像データを送信する。なお、左目用映像生成装置10(右目用映像生成装置11)は、歪み補正ソフトを内蔵し、上記歪み補正ソフトを用いて、凹面スクリーン4に歪みや折れ曲がりの少ない映像を表示するために予め映像データに歪みを与えている。
同期装置12は、例えばパソコン等であり、LAN等のネットワークにより、左目用映像生成装置10及び右目用映像生成装置11と接続している。同期装置12は、再生信号を左目用映像生成装置10及び右目用映像生成装置11に送信することにより、左目用映像生成装置10及び右目用映像生成装置11を同期操作している。また、同期装置12は、ネットワーク上の他の機器(図示せず)との連携、バーチャル空間編集のユーザインタフェースの提供、操作デバイス(例えば、マウス、キーボード、ジョイスティック等)(図示せず)との接続を行っている。上記操作デバイスにより、観察者は自由に動き様々な視点位置から凹面スクリーン4の映像を見ることができる。
投影部2は、2つの映写機20,21、2つの偏光フィルタ22,23を備えている。2つの映写機20,21は、左目用映写機20及び右目用映写機21である。左目用映写機20(右目用映写機21)は、例えば、プロジェクタ、フィルム映写機等であり、左目用映像生成装置10(右目用映像生成装置11)と接続し、例えば凹面スクリーン4の上方に設置されている。左目用映写機20及び右目用映写機21は、レンズ部20a,21bから偏光フィルタ22,23を介して、左目用及び右目用の映像データをそれぞれ異なる偏光面を有する偏光として、凹面スクリーン4に投影する。このとき、観察者側方向に出力された偏光を、平面鏡(図示せず)で反射させて凹面スクリーン4に投影している。このようにすると、左目用映写機20及び右目用映写機21を観察者の後方に設置し、観察者側から凹面スクリーン4に向かって投影する場合と比較して、左目用映写機20及び右目用映写機21を容易に設置することができるとともに、設置スペースを小さくすることができる。また、左目用映写機20及び右目用映写機21を観察者の後方に設置した場合、観察者による影が凹面スクリーン4にできてしまうが、凹面スクリーン4の上方に設置すると観察者による影ができにくくなる。
偏光フィルタ22,23は、それぞれ異なる偏光方向を有する左目用偏光フィルタ22及び右目用偏光フィルタ23である。実施形態1では、左目用偏光フィルタ22を垂直方向の偏光方向を有する偏光フィルタであり、右目用偏光フィルタ23を水平方向の偏光方向を有する偏光フィルタである。左目用偏光フィルタ22(右目用偏光フィルタ23)は、左目用映写機20(右目用映写機21)のレンズ部20a(21a)に取り付けられ、直線偏光を透過させる。なお、偏光面は、偏光が進行する軸、及び上記軸から偏光に向かう電波ベクトルとを含む面をいう。
偏光メガネ3は、左目用偏光フィルタ22(右目用偏光フィルタ23)と同じ偏光方向を有する偏光フィルタ30(31)を左目部分(右目部分)に取り付けて、直線偏光を透過する。具体的には、左目部分に垂直方向の偏光フィルタ、右目部分に水平方向の偏光フィルタを取り付けている。
凹面スクリーン4は、例えば半球ドーム型シルバースクリーン等であり、観察者の視界の全部又は一部を覆うようにして設置されている。また、凹面スクリーン4は、観察者と対向する凹面40を備えている。凹面40は、例えば、曲面、球、球の一部、円柱の一部(アーチ型)、多面体等であり、具体的には、水平方向及び垂直方向の両方向に曲率を有する球面状である。また、凹面スクリーン4は、鏡面反射効果を有する塗料(例えば、シルバー塗料等)を凹面40に塗装した鏡面反射スクリーンであり、それぞれ異なる偏光面を有する複数の偏光を凹面40に鏡面反射させて立体映像を表示する。実施形態1では、凹面スクリーン4の大きさは直径1.8mであり、それにより、水平方向140°以上、垂直方向90°以上の視野角を実現し、観察者の視野を覆うほどの広視野の映像を表示する。実施形態1では、視野角は、観察者の位置と、凹面スクリーン4の水平方向の両端部とを結ぶ角度としている。なお、凹面スクリーン4の大きさは限定されるものではなく、用途に応じて適宜設定することができる。例えば、複数の観察者が同時に観察するために、直径を10mとしてもよい。また、視野角は限定されるものではないが、120°以上が望ましい。
また、図2に示すように、凹面40は凹凸を有している。上記凹凸の形状は、図3に示すように、例えば、球面状(図3(a)参照)、多角形状(図3(b)参照)、多角錘状(図3(c)参照)又はこれらの混合等である。また、上記凹凸の形状は、例えば、レーザ顕微鏡等で測定する。凹面40において、表面粗さを大きくし凹凸の起伏を大きくすると、分離度は高い状態で維持したまま、相互反射によるハレーションが低減する。特に、算術平均粗さRaを20μm以上にすると、相互反射によるハレーションの低減が大きくなり、算術平均粗さRaを60μm以下とすると、凹凸の凹部に影がほとんどできない。よって、算術平均粗さRaを20μm以上60μm以下とすることで、高い分離度、及び相互反射によるハレーションの低減を向上させる。なお、相互反射によるハレーションは、例えばカラーパターンで判断している。
凹面40に凹凸を加工する手法として、例えば、鏡面反射効果を有する塗料に研磨剤を含み、その塗料を凹面40上に塗装するという手法がある。また、他の例として、接着剤を凹面40上に塗装し、研磨剤を接着剤上にエアーにより均等に散布し接着した後、鏡面反射効果を有する塗料を凹面40上に塗装するという手法がある。さらに、例えばサンドペーパー等、予め決められた粗さを有する素材を凹面40に貼り付け、鏡面反射効果を有する塗料を上記素材上に塗装するという手法、細かい研磨剤又は砂を凹面40上に高圧力で吹き付け(ショット)を行うという手法がある。上記のような手法において、凹凸の大きさは、研磨剤又は砂の粒径を変えることにより制御されている。なお、上記ショットは、例えば、墓石の名前を彫る方法として一般的に用いられている。
上記のようにして形成された凹面スクリーン4の表面粗さを表1に示す。上記表面粗さは、研磨剤又は素材を凹面40上に形成した後、鏡面反射効果を有する塗料を塗装する前の状態、すなわち、研磨剤又は素材を凹面40上に形成した後の状態のものをレーザ顕微鏡で測定した。これは、鏡面反射効果を有する塗料を塗装したものは、反射が大きく、レーザ顕微鏡では正確な測定が行うことができない場合があるためである。算術平均粗さRaは、基準長さにおいて、平均線から絶対値偏差の平均値である。最大高さRyは、基準長さにおいて、最も低い凹部から最も高い凸部までの高さである。十点平均粗さRzは、基準長さにおいて、凸部の高いほうから5点、凹部の低いほうから5点を選び、その平均高さである。
Figure 2006058789
表1より、試料Iでは、算術平均粗さRaは、2回の測定結果にバラツキが少なく、両方とも25μm前後である。最大高さRyは、2回目の測定結果のほうが168μmと小さい。そのときの十点平均粗さRzは、167μmであり、最大高さRyと差がないので、粗さのバラツキはないと考えられる。試料IIでは、算術平均粗さRaは、1回目の測定結果のほうが59μmと大きい。最大高さRyは、1回目の測定結果のほうが366μmと大きい。そのときの十点平均粗さRzは、365μmであり、最大高さRyとの差がないので、粗さのバラツキはないと考えられる。
このようにして形成した図1に示す凹面立体映像提示システムにおいて、分離度と相関がある輝度比を測定する。輝度比の測定方法は、片側の映写機から全白映像を投影し、凹面スクリーン4で反射し、偏光メガネ3の左目用偏光フィルタ30及び右目用偏光フィルタ31をそれぞれ透過する光の輝度を輝度計(図示せず)で測定し、その比率を求める。測定の結果、実施形態1の凹面立体映像提示システムは、輝度比が3:1以上であり、観察者はきれいな立体映像を見ることができる。
次に、実施形態1の凹面立体映像提示システムにおいて、観察者が立体映像を見るときの動作について図4を用いて説明する。先ず、同期装置12(図1参照)で再生操作を実行する(図4のS1)。これにより、左目用映像生成装置10及び右目用映像生成装置11(ともに図1参照)は、同期して再生を実行し、左目用映像生成装置10(右目用映像生成装置11)は、左目用(右目用)に製作された映像を左目用映写機20(右目用映写機21)に出力する(S2)。左目用映写機20(右目用映写機21)(ともに図1参照)は、左目用偏光フィルタ22(右目用偏光フィルタ23)(ともに図1参照)によって特定の偏光性を有しながら、上記映像を投影する(S3)。左目用映写機20及び右目用映写機21から投影された映像は、凹面スクリーン4(図1参照)に表示される(S4)。観察者は、凹面スクリーン4に表示された映像を、偏光メガネ3(図1参照)を通して見ることで(S5)、左目用の映像を左目に、右目用の映像を右目に認識し、立体映像を知覚する(S6)。同期装置12において停止操作を実行しない限り、再生を繰り返し、停止操作を実行すると、再生を終了する(S7)。
上記より、凹面スクリーン4では、図2に示すように、左目用映写機20及び右目用映写機21(ともに図1参照)からの偏光が凹面40の凹凸で鏡面反射するので、反射した光は偏光が破壊されず高い分離度を維持する。また、凹凸に偏光があたることで、反射した光はある程度の角度に分割されて拡散効果が発生するので、相互反射によるハレーションを低減させることができる。
以上、実施形態1によれば、鏡面反射効果を有する塗料に特殊な調合をすることなく、凹面スクリーン4の凹面40に凹凸を形成することで、偏光性を破壊することなく、拡散反射性の効果を有することができ、これにより、分離度を維持したまま、相互反射によるハレーションを低減することができる。特に、凹面40の算術平均粗さRaを20μm以上60μm以下とすることにより、高い分離度、及び相互反射によるハレーションの低減を、さらに向上させることができる。
(実施形態2)
実施形態2は、図1に示すように、映像生成部1、投影部2、偏光メガネ3、凹面スクリーン4を備える点で実施形態1と同様であるが、実施形態1にはない以下に記載の特徴部分がある。実施形態2の凹面スクリーン4は、実施形態1の凹面スクリーン4と異なる点として、端部の算術平均粗さRaが中央部の算術平均粗さRaより大きくなるように凹凸を有する凹面を備えている。上記凹凸は、例えば、中央部から端部に向かって算術平均粗さRaが段階的に大きくなるようなもの、中央部から端部に向かって線形的に大きくなるようなもの等がある。なお、実施形態2において、凹凸の算術平均粗さRaは、限定されるものではなく、用途に応じて適宜設定することができる。
以上、実施形態2によれば、凹面の端部の算術平均粗さRaが大きいので、分離度を維持したまま、効率的に相互反射によるハレーションを低減することができる。
(実施形態3)
実施形態3は、図1に示すように、映像生成部1、投影部2、偏光メガネ3、凹面スクリーン4を備える点で実施形態1と同様であるが、実施形態1にはない以下に記載の特徴部分がある。実施形態3の凹面スクリーン4は、実施形態1の凹面スクリーン4と異なる点として、端部側のみに凹凸を有する凹面を備えている。なお、実施形態3において、凹凸の算術平均粗さRaは、限定されるものではなく、用途に応じて適宜設定することができる。
以上、実施形態3によれば、分離度を維持したまま、効率的に相互反射によるハレーションを低減することができる。また、凹面の端部のみに凹凸を形成すればよいので、低コスト及び作製の簡略化を実現することができる。
なお、実施形態1〜3のいずれかの変形例として、左目用偏光フィルタ(右目用偏光フィルタ)は、左目用映写機(右目用映写機)に内蔵されてもよい。このような構成でも、直線偏光を透過させることができる。
また、実施形態1〜3のいずれかにおける他の変形例として、直線偏光に代わって楕円偏光でもよい。このような場合では、偏光面は、偏光が進行する軸、及び上記軸から偏光に向かう電波ベクトルとを含む面をいう。このような構成にしても、分離度を維持したまま、相互反射によるハレーションを低減することができる。
さらに、実施形態1〜3のいずれかにおける他の変形例として、左目用映写機及び右目用映写機をそれぞれ複数備えてもよい。このような場合では、各映写機毎に映像生成装置を割り当てて接続してもよいし、いくつかの映写機毎に1つの映像生成装置を割り当てて接続してもよい。このような構成にすると、凹面スクリーンが大きい場合であっても、分割して投影することができる。
本発明による実施形態1〜3の凹面立体映像提示システムの構成図である。 同上の凹面スクリーンでの偏光の反射を表す図である。 同上の凹面スクリーンの凹面であって、凸部が、(a)は球状である図、(b)は多角形状である図、(c)は多角錘状である図である。 同上の凹面立体映像提示システムにおいて、立体映像を表示する動作を表すフローチャートである。 従来の凹面スクリーンであって、(a)は鏡面反射スクリーンでの偏光の反射を表す図、(b)は拡散反射スクリーンでの偏光の反射を表す図である。
符号の説明
10 左目用映像生成装置
11 右目用映像生成装置
20 左目用映写機
21 右目用映写機
22 左目用偏光フィルタ
23 右目用偏光フィルタ
3 偏光メガネ
4 凹面スクリーン
40 凹面

Claims (3)

  1. 観察者と対向する凹面を備え、その凹面に、それぞれ異なる偏光面を有する複数の偏光を鏡面反射させて立体映像を表示する凹面立体映像提示スクリーンであって、
    前記凹面上に凹凸を有することを特徴とする凹面立体映像提示スクリーン。
  2. 前記凹面の算術平均粗さを20μm以上60μm以下とすることを特徴とする請求項1記載の凹面立体映像提示スクリーン。
  3. 請求項1又は2記載の凹面立体映像提示スクリーンと、
    その凹面立体映像提示スクリーンに、それぞれ異なる偏光面を有する偏光を投影する複数の投影手段と
    を備えることを特徴とする凹面立体映像提示システム。
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