JP2006058264A - 無線式赤外線センサシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】 センサが赤外線によって人体などの被検知対象を検知し、前記被検知対象が検知されたことを受信機へ無線で報知するようにした無線式赤外線センサシステムにおいて、センサの電池を小型化および/または長寿命化する。
【解決手段】 人体検知センサモジュール1は、電池16を電源とするにあたって、被検知対象の検知を焦電式の赤外線センサ11によって行うとともに、被検知対象が検知されたことを無線で報知するために、インパルス方式のUWB(ウルトラワイドバンド)による無線通信を用い、そしてさらに、前記赤外線センサ11が被検知対象を検知した信号を出力したときのみ、制御回路12が能動化するとともに、前記インパルス式UWBによる通信を実現するクロック信号発振回路13および無線信号送信装置14も能動化させ、所定のデータを送信させる。
【選択図】 図1
【解決手段】 人体検知センサモジュール1は、電池16を電源とするにあたって、被検知対象の検知を焦電式の赤外線センサ11によって行うとともに、被検知対象が検知されたことを無線で報知するために、インパルス方式のUWB(ウルトラワイドバンド)による無線通信を用い、そしてさらに、前記赤外線センサ11が被検知対象を検知した信号を出力したときのみ、制御回路12が能動化するとともに、前記インパルス式UWBによる通信を実現するクロック信号発振回路13および無線信号送信装置14も能動化させ、所定のデータを送信させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、センサが赤外線によって人体や動物などの被検知対象を検知し、受信機へ無線で検知結果を報知するようにしたセンサシステムに関する。
空調や照明の制御および不審者の侵入検知などのために、従来から、赤外線センサによって人体などを検知し、受信機へ検知結果を報知するようにしたセンサシステムが用いられている。そのようなセンサシステムにおいて、煩雑な信号線の引き回しが不要な無線によるシステムも用いられるようになっている。しかしながら、そのような無線式のセンサシステムの多くでは、各センサには電源は確保されている。したがって、受信機への検知結果を送信する前記信号線の長大な引き回しは不要になっているものの、電源線が残っているために、取付け箇所に制約を生じたり、特に後付けの場合に前記電源線が美観を損ね、意匠面で好ましくないという問題がある。また、商用電源を降圧する電源回路を搭載するために、大型化し、前記意匠面で好ましくなく、また不審者に気付かれてしまうという問題もある。
そこで、このような問題を解決するために、たとえば特許文献1や2が提案されている。特許文献1は、非警戒モードであることをセンサへ伝え、前記検知結果の送信を止めさせることで、省電力にしたワイヤレスセンサシステムである。また、特許文献2は、焦電素子から出力される電流信号を電圧信号にI/V変換・増幅し、その出力が所定閾値レベルを超えると、各回路に流す電流を大きくすることで、待機時の省電力を実現するようにした赤外線検出装置である。これらの従来技術を用いることで、無線式のセンサの電源として電池を採用することで、上述のような問題が解消されている。
特開2003−16555号公報
特開2002−156281号公報
上述の従来技術では、無線通信が特定小電力無線を用いて行われる。したがって、上述のように省電力化が図られていても、消費電力が大きく、たとえば1年以上に亘るような長期間動作させようとすると、大きな電池を使用する必要がある。また、特許文献1では、センサが非警戒モードであることを受信するための受信機を搭載する必要があり、またその受信機への通電が必要であり、省電力効果に乏しい。
本発明の目的は、電池を小型化および/または長寿命化することができる無線式赤外線センサシステムを提供することである。
本発明の無線式赤外線センサシステムは、センサが赤外線によって被検知対象を検知し、前記被検知対象が検知されたことを受信機へ無線で報知するようにした無線式赤外線センサシステムにおいて、前記センサは、電池と、前記電池からの電力によって能動化され、被検知対象を検知する焦電式の赤外線センサと、インパルス式UWBによる無線信号送信装置と、クロック信号を発振するクロック信号発振回路と、前記赤外線センサからの前記被検知対象の検知出力に応答し、前記電池からの電力によって前記クロック信号発振回路を能動化してクロック信号を発振させ、前記電池からの電力によって前記無線信号送信装置を能動化して前記クロック信号を用いて前記インパルス式UWBによる送信信号を作成させる制御回路とを含み、前記受信機は、前記インパルス式UWBによる信号を受信して前記被検知対象の検知を判定することを特徴とする。
上記の構成によれば、センサが赤外線によって人体などの被検知対象を検知し、前記被検知対象が検知されたことを受信機へ無線で報知するようにした無線式赤外線センサシステムにおいて、前記センサは、電池を電源とするにあたって、被検知対象の検知を焦電式の赤外線センサによって行うとともに、被検知対象が検知されたことを無線で報知するために、インパルス方式のUWB(ウルトラワイドバンド)による無線通信を用いる。
前記焦電式の赤外線センサは、前記電池からの電力によって能動化され、赤外線の変化量を検知して、その情報を出力するパッシブ型の赤外線センサであり、赤外線量に変化がなければ、消費電力は殆ど0である。また、前記UWBは、データを、たとえば3GHzから5GHzという非常に広い周波数帯域に拡散して、かつ送信出力は電子機器の放射電磁雑音よりも低く抑えて通信を行なう無線通信方式である。前記UWBは、その他の無線通信方式とは異なり、搬送波を用いない極めて省電力な無線通信方式であり、所定のパルス幅(たとえば250psec)のインパルス列を所定のパルス周期(たとえば20nsec)で繰返し送信することで送信する情報を構成するものであり、前記赤外線センサによる被検知対象の検知を報知する程度のデータレートには充分な伝送速度を有する。
そしてさらに、制御回路は、前記赤外線センサが被検知対象を検知した信号を出力したときのみ、能動化するとともに、前記インパルス式UWBによる通信を実現するクロック信号発振回路および無線信号送信装置も能動化させ、所定のデータを送信させる。
したがって、待ち受け時の消費電流が少ない(数十μA以下)パッシブ型の赤外線センサ以外は、センサ出力が変化しない期間は停止しており、また無線通信方式も消費電力が少ないインパルス式UWBを使用するので、さらなる省電力化を実現し、たとえばボタン電池等の小型の電池を用いても長期間の動作が可能となり、その結果センサの小型化が可能となり、様々な場所に設置できるようになる。
また、本発明の無線式赤外線センサシステムでは、前記無線信号送信装置は、UWBパルスの有無によってデータを表現するオン・オフ・キーイングとマンチェスター符号とによって送信用データの符号化を行い、前記受信機は、UWBパルスそのものではなく、複数のUWBパルスを積算した積分パルスを元にマンチェスター符号を構成することを特徴とする。
上記の構成によれば、1つのUWBパルスではなく、複数のUWBパルスを積算した積分パルスの値を読み取ることでデータを表現するので、そのうちの幾つかのパルスがノイズで壊されたとしても元のデータを復元することができ、S/Nを向上することができる。また、符号化の手法としては、マンチェスター符号以外にも、擬似乱数による符号拡散等の手法もあるが、マンチェスター符号を復号化するための復号化回路は、擬似乱数による拡散符号を復号化する相関器よりも単純な回路構成で実現することができる。
さらにまた、本発明の無線式赤外線センサシステムでは、前記インパルス式UWBによるデータ信号はデータフレームを構成しており、前記データフレームの先頭部分にはパルス信号同期用のパターンを含み、前記パルス信号同期用のパターンを用いて前記受信機がUWBパルスの位置を判定して受信を行うことを特徴とする。
上記の構成によれば、妨害波の影響を低減することができ、受信機が受信対象にしているセンサ以外からの信号の影響を減らすことができるとともに、受信対象のセンサからの信号の場合でも、複数の経路を経て到着した信号を受信して悪影響を被るマルチパス問題を回避することができる。
また、本発明の無線式赤外線センサシステムは、前記データフレームのパルス信号同期用のパターンの後に、マンチェスター符号のビット同期用パターンを有することを特徴とする。
上記の構成によれば、データ受信の前にマンチェスター符号のビット同期を確実に取ることが可能になり、マンチェスター符号の復号化の信頼性を向上することができる。
さらにまた、本発明の無線式赤外線センサシステムは、1または複数のセンサおよびそれに対応する受信機から成る構成を複数組備え、前記データフレームのビット同期用パターンの後に、それ以前のビット同期用パターンとそれ以降のデータ本体とを区別し、かつ前記のセンサおよび受信機から成る各構成を識別するためのユニークワードを有することを特徴とする。
上記の構成によれば、1または複数のセンサおよびそれに対応する受信機から成る構成を複数組備えて無線式赤外線センサシステムを構成するにあたって、前記無線信号送信装置には、書換え可能式ROMやディップスイッチなどで前記のセンサおよび受信機から成る各構成を識別するためのユニークワードが設定されており、前記データフレームのビット同期用パターンに続いて送信される。これに対応して受信機では、そのユニークワードを境界にして同期用のパターンとデータ本体のパターンとを区別できるとともに、システムが複数のセンサを備えて成る場合、および同様のUWB方式の無線通信システムを使用した他のシステムが存在する場合に、自グループ内のどのセンサが発信したデータフレームかを識別することができ、また自グループに属していないセンサが発信したデータフレームを区別して排除することが可能となる。
また、本発明の無線式赤外線センサシステムは、1または複数のセンサおよびそれに対応する受信機から成る構成を複数組備え、前記制御回路は、前記無線信号送信装置に前記データフレームを複数回送信させ、かつその送信間隔および/または送信回数が各センサ間で相互に異なることを特徴とする。
上記の構成によれば、1または複数のセンサおよびそれに対応する受信機から成る構成を複数組備えて無線式赤外線センサシステムを構成するにあたって、各センサは、無線信号送信装置は備えているが、無線信号受信装置は備えていないので、無線チャンネルのキャリアセンスができず、無線チャンネルの状況に関わらずデータフレームを送信してしまう。そこで、被検知対象が検知されたことを表すデータフレームを複数回繰返し連送するとともに、そのように連送するにあたって、各センサ間でデータの送信間隔と送信回数との少なくとも一方を異なるようにする。
したがって、各センサが無線チャンネルの状況に拘わらずデータフレームを送信してしまう状況であっても、少なくとも1つのデータフレームは他のセンサから送信されたデータフレームと衝突を起こすことなく、正常に無線信号受信装置に伝送させることが可能となる。
本発明の無線式赤外線センサシステムは、以上のように、センサが赤外線によって人体などの被検知対象を検知し、前記被検知対象が検知されたことを受信機へ無線で報知するようにした無線式赤外線センサシステムにおいて、前記センサが、電池を電源とするにあたって、被検知対象の検知を焦電式の赤外線センサによって行うとともに、被検知対象が検知されたことを無線で報知するために、インパルス方式のUWB(ウルトラワイドバンド)による無線通信を用い、そしてさらに、前記赤外線センサが被検知対象を検知した信号を出力したときのみ、制御回路が能動化するとともに、前記インパルス式UWBによる通信を実現するクロック信号発振回路および無線信号送信装置も能動化させ、所定のデータを送信させる。
それゆえ、待ち受け時の消費電流が少ない(数十μA以下)パッシブ型の赤外線センサ以外は、センサ出力が変化しない期間は停止しており、また無線通信方式も消費電力が少ないインパルス式UWBを使用するので、さらなる省電力化を実現し、たとえばボタン電池等の小型の電池を用いても長期間の動作が可能となり、その結果センサの小型化が可能となり、様々な場所に設置できるようになる。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の第1の形態に係る無線式赤外線センサシステムの電気的構成を示すブロック図である。この無線式赤外線センサシステムは、任意の場所に電気配線無しで設置され、センサである電池駆動式の人体検知センサモジュール1に、受信機である対応するセンサ出力監視装置2を備えて構成される。
図1は、本発明の実施の第1の形態に係る無線式赤外線センサシステムの電気的構成を示すブロック図である。この無線式赤外線センサシステムは、任意の場所に電気配線無しで設置され、センサである電池駆動式の人体検知センサモジュール1に、受信機である対応するセンサ出力監視装置2を備えて構成される。
人体検知センサモジュール1は、焦電式の赤外線センサ11と、制御回路12と、クロック信号発振回路13と、無線信号送信装置14と、アンテナ15と、電池16とを備えて構成される。赤外線センサ11は制御回路12に接続され、この制御回路12はクロック信号発振回路13および無線信号送信装置14に対して制御信号を出力する。前記クロック信号発振回路13からのクロック信号は、前記制御回路12および無線信号送信装置14に与えられる。無線信号送信装置14は、アンテナ15を通して無線信号を送信する。アンテナ15を除く構成要素は、電池16からの電力によって駆動される。
前記無線信号送信装置14は、入力信号の変化に同期して、送信信号TXとなるインパルス方式のUWB(ウルトラワイドバンド)による幅の短いパルスを生成するパルス生成器17および前記パルス生成器17への入力信号を生成するANDゲート18を備えて構成される。図2は、この無線信号送信装置14の動作を説明するための波形図である。この無線信号送信装置14への入力信号は、前記制御回路12で符号化されたデータ信号であるDATAと、前記クロック信号発振回路13で作成されたクロック信号CLKとであり、CLKは、たとえば20nsec周期のクロック信号である。ANDゲート18によって、DATAが‘1’の時に、パルス生成器17にはCLKが入力され、この信号の立下りエッジのタイミングに同期して、たとえば250psecと幅が短いパルスが出力される。こうして、前記インパルス方式のUWBによる送信信号TXが作成され、アンテナ15からセンサ出力監視装置2へ送信される。前記制御回路12は、前記送信信号TXが、後述するようなUWBパルスの有無によってデータを表現するオン・オフ・キーイングとマンチェスター符号とによって表現されるように、前記制御信号DATAの符号化を行っている。
また、図3は、前記制御回路12の動作を説明するための波形図である。この制御回路12には、前記赤外線センサ11の出力が、送信動作を開始させるトリガ信号TRIGGERとして入力される。これに応答して、該制御回路12は能動化し、クロック信号発信回路13および無線信号送信装置14を駆動(能動化)するための制御信号POWERONを出力し、クロック信号発信回路13からクロック信号CLKを入力として受け取る。これを用いて、該制御回路12内に記憶されている制御コードから、前記無線信号送信装置14を動作させるための制御信号である前記DATAを出力する。具体的には、赤外線センサ11の出力TRIGGERが‘0’から‘1’に変化すると、該制御回路12は、POWERONを‘0’から‘1’に変化させ、クロック信号発信回路13の動作を開始させる。その後クロック信号CLKが動作を始めるまでその状態を保持し、クロック信号CLKが動作し始めると次のDATA信号出力の動作に移る。DATA信号は、予め定められた手順に従って値を変化させ、一連の手順が完了した後、制御回路12は、前記POWERONを‘0’に変化させてクロック信号CLKの発振を停止させ、再びTRIGGERが‘0’から‘1’に変化するまでその状態を保つ。
図4は、上述のように構成される人体検知センサモジュール1の全体構成の動作を説明するための波形図である。先ず、赤外線センサ11が人体の接近などによって赤外線の変化を検知すると、センサ出力TRIGGERが‘0’から‘1’に変化する。このセンサ出力TRIGGERの変化によって、制御回路12がクロック信号発振回路13に制御信号POWERONを出力してクロック発振を開始させる。クロック信号CLKの発振が始まると、それを元に制御回路12が更に次の段階の動作に移り、無線信号送信装置14に制御信号DATAを出力して送信信号TXを送信させる。所定のデータの送信が完了すると、制御回路12は、制御信号POWERONによってクロック信号CLKの発振を停止させ、さらに制御信号DATAの出力を停止することで、自身と無線信号送信装置14との動作を停止して、次にセンサ出力TRIGGERが変化するまで待ち受け状態になる。
一方、前記センサ出力監視装置2では、前記送信信号TXが、オン・オフ・キーイングとマンチェスター符号とによって符号化が行われるのに対応して、アンテナ21と、無線受信回路22と、積分回路23と、マンチェスター符号復号回路24とを備えて構成される。アンテナ21で受信した前記インパルス方式のUWBによる送信信号TXは、無線受信回路22に入力され、UWB受信パルスが得られる。そのUWB受信パルスは、積分回路23に入力され、複数のUWB受信パルスの電圧を積算して積分パルスが生成され、マンチェスター符号復号回路24に入力され、復号化されて、前記人体を検知したことを表す受信データが得られる。マンチェスター符号復号回路24では、マンチェスター符号の区切りのタイミングと、符号1サイクルの前半と後半とで値が変わっていることを確認し、正しい符号が入力されているかどうかを確認している。
図5は、前記センサ出力監視装置2の動作を説明するための波形図である。前記アンテナ21から無線受信回路22で得られたUWB受信パルスは、図5(a)で示すようなもので、たとえば1nsecの幅のパルスが、前記20nsecの周期で現れるパルス列である。前記積分回路23において、このUWBパルスを複数個、たとえば図5(b)で示すように10個集めて積分パルスと呼ぶパルスを生成し、この積分パルスを元に、マンチェスター符号復号回路24は、図5(c)で示すようなマンチェスター符号を復号化して、送信データを表現する。前記制御回路12は、このようなマンチェスター符号が再現されるように、前記制御信号DATAを作成する。
前記マンチェスター符号は、前記図5(c)に示すように、表現するデータが‘1’の場合は符号1サイクルの前半を‘1’、後半を‘0’とし、表現するデータが‘0’の場合は符号1サイクルの前半を‘0’、後半を‘1’とする符号であり、本実施の形態では、前述のように複数の積分パルスを用いて、このようなマンチェスター符号の半サイクルにおける‘1’を表現する。このマンチェスター符号はマンチェスター符号復号回路24で解読され、図5(d)で示すように、元の送信データが受信データとして取り出される。
以上のように、本発明の人体検知センサモジュール1は、電池16を電源とするにあたって、人体の検知を焦電式の赤外線センサ11によって行うとともに、人体が検知されたことを無線で報知するために、インパルス方式のUWBによる無線通信を用いる。ここで、前記焦電式の赤外線センサ11は、前記電池16からの電力によって能動化され、赤外線の変化量を検知して、その情報を出力するパッシブ型の赤外線センサであり、赤外線量に変化がなければ、消費電力は殆ど0である。また、前記UWBは、データを、たとえば3GHzから5GHzという非常に広い周波数帯域に拡散して、かつ送信出力は電子機器の放射電磁雑音よりも低く抑えて通信を行なう無線通信方式であり、前記赤外線センサ11による人体の検知を報知する程度のデータレートには充分であり、かつ極めて省電力である。そしてさらに、前記制御回路12は、前記赤外線センサ11が人体を検知した出力TRIGGERを出力したときにのみ、能動化するとともに、前記インパルス式UWBによる通信を実現するクロック信号発振回路13および無線信号送信装置14も能動化させ、所定のデータを送信させる。
したがって、待ち受け時の消費電流が少ない(数十μA以下)パッシブ型の赤外線センサ以外は、センサ出力が変化しない期間は停止しており、また無線通信方式も消費電力が少ないインパルス式UWBを使用するので、さらなる省電力化を実現し、前記電池16に、たとえばボタン電池等の小型の電池を用いても長期間の動作が可能となり、その結果、該人体検知センサモジュール1の小型化が可能となり、様々な場所に設置できるようになる。
また、前記制御回路12は、UWBパルスの有無によってデータを表現するオン・オフ・キーイングとマンチェスター符号とによって送信信号TXの符号化を行い、前記センサ出力監視装置2は、UWBパルスそのものではなく、複数のUWBパルスを積算した積分パルスを元にマンチェスター符号を復号化するので、UWBパルスの幾つかがノイズで壊されたとしても元のデータを復元することができ、S/Nを向上することができる。また、符号化の手法としては、マンチェスター符号以外にも、擬似乱数による符号拡散等の手法もあるが、マンチェスター符号を復号化するための復号化回路は、擬似乱数による拡散符号を復号化する相関器よりも単純な回路構成で実現することができる。
[実施の形態2]
図6は、本発明の実施の第2の形態に係る無線式赤外線センサシステムにおけるセンサ出力監視装置の受信動作を説明するための波形図である。このセンサ出力監視装置は、前述のセンサ出力監視装置2に類似しているけれども、注目すべきは、前記インパルス式UWBによるデータ信号を受信するにあたって、積分回路を常に動作させて受信データを取り込むのではなく、UWBパルスの1周期期間中で、UWB受信パルスが存在する近辺の期間のみ積分器を動作させて受信データを取り込み、残余の期間は前記積分回路の入力にマスクを行うことである。
図6は、本発明の実施の第2の形態に係る無線式赤外線センサシステムにおけるセンサ出力監視装置の受信動作を説明するための波形図である。このセンサ出力監視装置は、前述のセンサ出力監視装置2に類似しているけれども、注目すべきは、前記インパルス式UWBによるデータ信号を受信するにあたって、積分回路を常に動作させて受信データを取り込むのではなく、UWBパルスの1周期期間中で、UWB受信パルスが存在する近辺の期間のみ積分器を動作させて受信データを取り込み、残余の期間は前記積分回路の入力にマスクを行うことである。
このため、前記積分回路には、予め定める期間だけ該積分回路にパルスを受信可能とし、残余の期間は前記積分回路の入力をマスクする図6で示すようなウィンドウ信号が入力される。そして、このウィンドウ信号によって設定されるウィンドウ期間内でパルスが検出されると、以後は前記UWBパルスの周期でウィンドウ期間が設定されたウィンドウ信号が入力される。すなわち、ウィンドウが開く期間をUWBパルスの1周期期間中で変化させて、パルスの存在を検知できるタイミングを探索し、同期を行う。
また、これに対応して、人体検知センサモジュールで作成される送信信号TXaは、図7で示すようにデータフレームを構成しており、そのデータフレームの先頭部分には、前記UWBパルスが存在するタイミングを検知できるように、パルスが連送されるパルス信号同期用のパターンD1が設けられている。この同期用のパターンD1を検知することで、前記ウィンドウ信号の周期およびウィンドウのタイミングを正しく設定することができる。前記同期用のパターンD1に続いて人体が検知されたことを表す本体データD2が送信される。
このようにウィンドウ信号のタイミングを設定することで、妨害波の影響を低減することができ、受信側のセンサ出力監視装置が受信対象にしている人体検知センサモジュール以外からの信号の影響を減らすことができるとともに、受信対象の人体検知センサモジュールからの信号の場合でも、複数の経路を経て到着した信号を受信して悪影響を被るマルチパス問題を回避することができる。
[実施の形態3]
図8は、本発明の実施の第3の形態に係る無線式赤外線センサシステムにおける送信信号TXbのデータフレームの構成を示す図である。この送信信号TXbは、前述の図7で示す送信信号TXaに類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、この送信信号TXbでは、前記パルス信号同期用のパターンD1の後に、マンチェスター符号のビット同期用パターンD3を有することである。
図8は、本発明の実施の第3の形態に係る無線式赤外線センサシステムにおける送信信号TXbのデータフレームの構成を示す図である。この送信信号TXbは、前述の図7で示す送信信号TXaに類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、この送信信号TXbでは、前記パルス信号同期用のパターンD1の後に、マンチェスター符号のビット同期用パターンD3を有することである。
ここで、前記マンチェスター符号は、前述の図5(c)で示すようなパルス列で、パルスの1周期期間の境界のタイミングを特定する必要がある。このタイミングは前述のマンチェスター符号復号回路24で得ることができるが、符号複号を行うためには、図5(c)に示したように、符号の前半に‘1’が現れるのか‘0’が現れるのかが定まっていない任意のデータ列ではなく、図8で示すように、符号の前半に必ず‘1’または‘0’の一方が現れる(図8では前半に‘1’)定まったデータ列を入力する必要がある。
そこでこの図8に示すように、前記パルス同期用のパターンD1の後に、マンチェスター符号の1周期期間の境界のタイミングを検出する(ビット同期をとる)ために、符号の前半に必ず‘1’が現れる、マンチェスター符号化する前のベースバンド信号では連続して‘1’を表現したビット同期用のパターンD3を追加する。図8では‘1’が5回連続するよう図示したが、実際にはこの数は5に限ったものではなく、ビット同期を取るために必要な回数だけベースバンド信号の‘1’を繰り返し送信する。
このように構成することで、データ受信の前にマンチェスター符号のビット同期を確実に取ることが可能になり、マンチェスター符号の復号化の信頼性を向上することができる。
[実施の形態4]
図9および図10は、本発明の実施の第4の形態に係る無線式赤外線センサシステムにおける人体検知センサモジュール1a,1bの電気的構成を示すブロック図である。これらの人体検知センサモジュール1a,1bは、前述の図1で示す人体検知センサモジュール1に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、これらの人体検知センサモジュール1a,1bは、その1または複数と、対応するセンサ出力監視装置とから成る構成を複数グループ備えて無線式赤外線センサシステムを構成していることである。
図9および図10は、本発明の実施の第4の形態に係る無線式赤外線センサシステムにおける人体検知センサモジュール1a,1bの電気的構成を示すブロック図である。これらの人体検知センサモジュール1a,1bは、前述の図1で示す人体検知センサモジュール1に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、これらの人体検知センサモジュール1a,1bは、その1または複数と、対応するセンサ出力監視装置とから成る構成を複数グループ備えて無線式赤外線センサシステムを構成していることである。
このため、人体検知センサモジュール1aには書き換え可能式のROM31が設けられており、人体検知センサモジュール1bにはディップスイッチ32が設けられている。そして、前記ROM31およびディップスイッチ32では、これらの人体検知センサモジュール1a,1bのグループ認識が可能なように、IDデータが設定される。制御回路12aは、前記無線信号送信装置14からの送信信号TXcに、図11で示すように、前記IDデータから成るユニークワードD4を有するように制御信号DATAを作成する。
前記ユニークワードD4は、図11で示すように、前記パルス同期用パターンD1および前記ビット同期用パターンD2の後ろに配置される。これによって、そのユニークワードD4を境界にして、プリアンブル期間の同期用パターンD1,D3と本体データD2のパターンとを区別できるようになっている。前記ビット同期用パターンD3以降のパルス列は、マンチェスター符号化されたもので、前記ビット同期用パターンD3は符号化される前のベースバンド信号では‘1’が連続したデータである。そこで、ユニークワードD4は、‘1’の連続以外のパターン(図11では“01101100”)と定めておき、受信手順としては、ビット同期確立後に復号化して得たベースバンド信号の値が‘1’の連続であることを確認し、その後に‘1’以外の値が現れた場合、それ以降連続してベースバンド信号の値を観測することで、ユニークワードD4を解読することができる。解読したデータ列が同じグループの人体検知センサモジュール1aまたは1bからのものであるか否かを判断して、同じグループの人体検知センサモジュールからのものである場合、以降のデータ列を本体データD2とみなして処理し、同じグループの人体検知センサモジュールからのものでない場合、以降のデータを受信しないようにすればよい。
前記ユニークワードD4は、同一のグループに属する人体検知センサモジュールおよびセンサ出力監視装置のシステムの間では同じパターンに定める必要があるが、別のシステムでは別のパターンを設定してもよい。このように構成することで、たとえば人体検知センサで構成するシステムと、同様のUWB無線通信システムを持つ火災報知器で構成するシステムとで、ユニークワードを違ったものに設定しておけば、異なるシステムのデータフレームを受信することはない。また人体検知センサで構成するシステムでも、通信するセンサモジュールの範囲を明確に区別したい場合は、異なるグループで別のユニークワードを設定すれば、自グループ以外のセンサモジュールからのデータフレームを受信することはなくなる。
なお、同一グループ内での人体検知センサモジュール1aと1bとの識別が必要な場合は、たとえば本体データD2にアドレスデータを含めることなどで対応することができる。
また、前記書き換え可能式ROM31とディップスイッチ32とは、共にIDデータを任意に再設定可能にするものであるけれども、実装面積およびコストが小さいROM31と、設定が容易なディップスイッチ32とは、適宜選択されて設けられればよい。
[実施の形態5]
図12は、本発明の実施の第5の形態に係る無線式赤外線センサシステムにおける送信信号TX1,TX2の送信動作を説明するための図である。これらの送信信号TX1,TX2は、前述の図11で示す送信信号TXcと同様に、ユニークワードD4を含むデータフレーム構成である。注目すべきは、本実施の形態は、1または複数の人体検知センサモジュールおよびそれに対応するセンサ出力監視装置とから成る構成が複数組設けられていたり、他のシステムが設けられていたりする場合、同じデータフレームを複数回送信し、かつその送信間隔および/または送信回数が各センサ間で相互に異なることである(図12では、送信間隔をW1とW2とに異ならせている)。
図12は、本発明の実施の第5の形態に係る無線式赤外線センサシステムにおける送信信号TX1,TX2の送信動作を説明するための図である。これらの送信信号TX1,TX2は、前述の図11で示す送信信号TXcと同様に、ユニークワードD4を含むデータフレーム構成である。注目すべきは、本実施の形態は、1または複数の人体検知センサモジュールおよびそれに対応するセンサ出力監視装置とから成る構成が複数組設けられていたり、他のシステムが設けられていたりする場合、同じデータフレームを複数回送信し、かつその送信間隔および/または送信回数が各センサ間で相互に異なることである(図12では、送信間隔をW1とW2とに異ならせている)。
図12を詳しく説明すると、この図12は2つの人体検知装置で構成される人体検知システムの例を示し、2つの人体検知装置は予めアドレスが与えられ、それぞれのアドレスに対応してデータフレームの送信回数や、1度データフレームを送信した後の待ち時間を設定することができるようになっている。複数回数のデータフレーム送信の一連の手順を、連送データフレームと呼ぶことにする。図12の例では1つのデータフレーム送信に要する時間は1msecとしている。
アドレス1を与えられた人体検知装置(端末1)の連送データフレームは、1msecのデータフレーム送信、1.5msecの待ち時間、1msecのデータフレーム送信、6.5msecの待ち時間の10msecの期間の一連の手順である。一方、端末2の連送データフレームは、1msecのデータフレーム送信、4msecの待ち時間、1msecのデータフレーム送信、4msecの待ち時間の10msecの期間の一連の手順である。
このように構成することで、端末1と端末2との連送データフレームのデータ送信開始タイミングがたまたま一致してしまい、それぞれの1回目の送信データに衝突が発生しても、2回目のデータフレームの送信タイミングが異なり、データの衝突が発生することなく、対応するセンサ出力監視装置はそれぞれのデータフレームを受信することができる。また、端末1と端末2との連送データフレームの送信開始のタイミングがずれており、送信途中で一致するようになっても、それぞれの連送データフレーム中の複数のデータフレームの少なくとも1個はデータの衝突を起こすことはなく、正常に受信される。
こうして、複数の人体検知装置(端末)を設けるにあたって、それらが無線信号受信装置を備えておらず、キャリアセンスができずに、無線チャンネルの状況に関わらずデータフレームを送信してしまっても、少なくとも1つのデータフレームは他の人体検知装置(端末)から送信されたデータフレームと衝突を起こすことなく、正常にセンサ出力監視装置に伝送させることが可能となる。
1;1a,1b 人体検知センサモジュール
2 センサ出力監視装置
11 赤外線センサ
12 制御回路
13 クロック信号発振回路
14 無線信号送信装置
15,21 アンテナ
16 電池
17 パルス生成器
18 ANDゲート
22 無線受信回路
23 積分回路
24 マンチェスター符号復号回路
31 ROM
32 ディップスイッチ
2 センサ出力監視装置
11 赤外線センサ
12 制御回路
13 クロック信号発振回路
14 無線信号送信装置
15,21 アンテナ
16 電池
17 パルス生成器
18 ANDゲート
22 無線受信回路
23 積分回路
24 マンチェスター符号復号回路
31 ROM
32 ディップスイッチ
Claims (6)
- センサが赤外線によって被検知対象を検知し、前記被検知対象が検知されたことを受信機へ無線で報知するようにした無線式赤外線センサシステムにおいて、
前記センサは、
電池と、
前記電池からの電力によって能動化され、被検知対象を検知する焦電式の赤外線センサと、
インパルス式UWBによる無線信号送信装置と、
クロック信号を発振するクロック信号発振回路と、
前記赤外線センサからの前記被検知対象の検知出力に応答し、前記電池からの電力によって前記クロック信号発振回路を能動化してクロック信号を発振させ、前記電池からの電力によって前記無線信号送信装置を能動化して前記クロック信号を用いて前記インパルス式UWBによる送信信号を作成させる制御回路とを含み、
前記受信機は、前記インパルス式UWBによる信号を受信して前記被検知対象の検知を判定することを特徴とする無線式赤外線センサシステム。 - 前記無線信号送信装置は、UWBパルスの有無によってデータを表現するオン・オフ・キーイングとマンチェスター符号とによって送信用データの符号化を行い、
前記受信機は、複数のUWBパルスを積算した積分パルスを元にマンチェスター符号を構成することを特徴とする請求項1記載の無線式赤外線センサシステム。 - 前記インパルス式UWBによるデータ信号はデータフレームを構成しており、前記データフレームの先頭部分にはパルス信号同期用のパターンを含み、前記パルス信号同期用のパターンを用いて前記受信機がUWBパルスの位置を判定して受信を行うことを特徴とする請求項1または2記載の無線式赤外線センサシステム。
- 前記データフレームのパルス信号同期用のパターンの後に、マンチェスター符号のビット同期用パターンを有することを特徴とする請求項3記載の無線式赤外線センサシステム。
- 1または複数のセンサおよびそれに対応する受信機から成る構成を複数組備え、前記データフレームのビット同期用パターンの後に、それ以前のビット同期用パターンとそれ以降のデータ本体とを区別し、かつ前記のセンサおよび受信機から成る各構成を識別するためのユニークワードを有することを特徴とする請求項4記載の無線式赤外線センサシステム。
- 1または複数のセンサおよびそれに対応する受信機から成る構成を複数組備え、前記制御回路は、前記無線信号送信装置に前記データフレームを複数回送信させ、かつその送信間隔および/または送信回数が各センサ間で相互に異なることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の無線式赤外線センサシステム。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2004-08-24 JP JP2004243285A patent/JP2006058264A/ja active Pending
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