JP2006057888A - 装てんパイプ - Google Patents
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Abstract
【課題】 流動性を有するスラリー状の爆薬を装てん機を用いて装てんする場合で、その爆薬の起爆のための親ダイを切羽から離れて発破孔に装てんする際に、装てんパイプ先端に親ダイを装着できるスペースを確実に確保し、かつ装薬時には、親ダイ周辺にスラリー状の爆薬を確実に廻り込ませることのできる装てんパイプの提供。
【解決手段】 発破孔に親ダイおよび増ダイを装てんするための、外パイプと内パイプの二重管からなる発破用装てんパイプであって、外径が穿孔された発破孔の内径より小さくかつ内径が親ダイの外径より大きい外パイプと、外径が外パイプの内径よりも小さくかつ内径が装てんされる増ダイの径よりも大きい内パイプより構成され、外パイプが内パイプに対して長手方向にスライドすることを特徴とする装てんパイプ。
【選択図】 図1
【解決手段】 発破孔に親ダイおよび増ダイを装てんするための、外パイプと内パイプの二重管からなる発破用装てんパイプであって、外径が穿孔された発破孔の内径より小さくかつ内径が親ダイの外径より大きい外パイプと、外径が外パイプの内径よりも小さくかつ内径が装てんされる増ダイの径よりも大きい内パイプより構成され、外パイプが内パイプに対して長手方向にスライドすることを特徴とする装てんパイプ。
【選択図】 図1
Description
本発明は、流動性を有するスラリー状の爆薬を機械装てんする場合であって、その爆薬の起爆のための親ダイを切羽から離れて発破孔に装薬する際に用いる装てんパイプに関する。
これまで、トンネル掘削工事を発破で行なう場合、親ダイ及び増しダイの発破孔への装てんは、込め棒と呼ばれる装てん具を用いて手作業で行なうのが一般的であり、常に崩落の危険性がある切羽に近づいて人力で行なう必要があった。
近年、このような作業の安全確保を目的として、特許文献1に記載されるスラリー爆薬組成物や非特許文献1に記載されるバルクエマルション爆薬など(以下、スラリー状の爆薬と記す。)を装てん機およびそれに装着されたホースあるいはパイプを介して発破孔に直接装てんする方法が開発され、装てん作業時における切羽と作業員の距離および作業員の切羽への近接時間を減らそうとする努力がなされている。
特開2003−146789号公報
田口琢也他、バルク装填エマルション爆薬、社団法人火薬学会1999年度年会講演要旨集、社団法人火薬学会、1999年5月13日、通巻第50号、p.165−166
近年、このような作業の安全確保を目的として、特許文献1に記載されるスラリー爆薬組成物や非特許文献1に記載されるバルクエマルション爆薬など(以下、スラリー状の爆薬と記す。)を装てん機およびそれに装着されたホースあるいはパイプを介して発破孔に直接装てんする方法が開発され、装てん作業時における切羽と作業員の距離および作業員の切羽への近接時間を減らそうとする努力がなされている。
本発明は、流動性を有するスラリー状の爆薬及び親ダイを、装てん機を用いて切羽から離れて発破孔に装てんする際に、装てんパイプ先端に親ダイを装着できるスペースを確実に確保し、かつ、親ダイ周辺にスラリー状の爆薬を確実に廻り込ませることのできる装てんパイプを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、外パイプの外径が穿孔された発破孔の内径より小さく、かつ外パイプの内径が親ダイの外径より大きい外パイプと、内パイプの外径が外パイプの内径よりも小さくかつ内パイプの内径が装てんされる増ダイの径よりも大きい内パイプより構成される二重パイプであり、その外パイプが内パイプに対して長手方向にスライドできる構造のものがその目的に適合しうることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
(1)発破孔に親ダイおよび増ダイを装てんするための、外パイプと内パイプの二重管からなる発破用装てんパイプであって、外パイプの外径が穿孔された発破孔の内径より小さく、かつ外パイプの内径が親ダイの外径より大きい外パイプと、内パイプの外径が外パイプの内径よりも小さく、かつ内パイプの内径が装てんされる増ダイの外径よりも大きい内パイプより構成され、外パイプが内パイプに対して長手方向にスライドすることを特徴とする発破用装てんパイプ。
(2)外パイプ及び内パイプが透明性を有する樹脂製であることを特徴とする(1)に記載の装てんパイプ。
(3)外パイプ及び内パイプがポリカーボネート樹脂製であることを特徴とする(1)または(2)に記載の装てんパイプ。
(4)外パイプ及び内パイプの厚みが1mm以上2mm以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の装てんパイプ。
(1)発破孔に親ダイおよび増ダイを装てんするための、外パイプと内パイプの二重管からなる発破用装てんパイプであって、外パイプの外径が穿孔された発破孔の内径より小さく、かつ外パイプの内径が親ダイの外径より大きい外パイプと、内パイプの外径が外パイプの内径よりも小さく、かつ内パイプの内径が装てんされる増ダイの外径よりも大きい内パイプより構成され、外パイプが内パイプに対して長手方向にスライドすることを特徴とする発破用装てんパイプ。
(2)外パイプ及び内パイプが透明性を有する樹脂製であることを特徴とする(1)に記載の装てんパイプ。
(3)外パイプ及び内パイプがポリカーボネート樹脂製であることを特徴とする(1)または(2)に記載の装てんパイプ。
(4)外パイプ及び内パイプの厚みが1mm以上2mm以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の装てんパイプ。
本発明の装てんパイプを用いてスラリー状の爆薬および親ダイを装てんする場合に、装てんパイプ先端からスラリー状の爆薬がはみ出してこぼれ落ちることなく確実に親ダイを差し込むことのできるスペースを確保することができる。また、親ダイと発破孔の間に存在する空隙にスラリー状の爆薬を確実に廻り込ませ、孔尻の発破効果を向上させることができる。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明の装てんパイプは、外径が穿孔された発破孔の内径より小さくかつ内径が親ダイの外径より大きい外パイプと、外径が外パイプの内径よりも小さくかつ内径が装てんされる増ダイの径よりも大きい内パイプより構成される。
外パイプは、発破孔にスムーズに挿入できる必要がある。発破孔は、岩盤の状態によって壁面が荒れていたり、さく岩機の性能によっては孔口から孔尻に向かって曲がっていたりすることがある。トンネル発破における発破孔は一般的に35mmから50mmであり、外パイプの外径は、発破孔に比べて5mm〜15mm小さいことが好ましい。さらに好ましくは、発破孔に比べて10mmから15mm小さいものが望ましい。
本発明の装てんパイプは、外径が穿孔された発破孔の内径より小さくかつ内径が親ダイの外径より大きい外パイプと、外径が外パイプの内径よりも小さくかつ内径が装てんされる増ダイの径よりも大きい内パイプより構成される。
外パイプは、発破孔にスムーズに挿入できる必要がある。発破孔は、岩盤の状態によって壁面が荒れていたり、さく岩機の性能によっては孔口から孔尻に向かって曲がっていたりすることがある。トンネル発破における発破孔は一般的に35mmから50mmであり、外パイプの外径は、発破孔に比べて5mm〜15mm小さいことが好ましい。さらに好ましくは、発破孔に比べて10mmから15mm小さいものが望ましい。
外パイプの内径は、親ダイをスムーズに差し込むことのできるものである必要がある。親ダイは様々な外径のものが市販されているが、一般的には20mmから35mmである。このような親ダイをスムーズに差し込むことのできる外パイプの内径としては、親ダイ外径よりも1mmから10mm大きなものが好ましく、さらに好ましくは3mmから8mmが望ましい。また外パイプの内径は、内パイプの外径よりも大きく、内パイプに対して外パイプがスムーズにスライドできる必要がある。一般的には外パイプの内径に対して内パイプの外径は0.5mmから5mm小さいものが好ましく、さらに好ましくは、1mmから3mm小さいものが望ましい。
外パイプ及び内パイプの材質としては、透明性のある樹脂で、内部に流れるスラリー状の爆薬の状態が視認できることが好ましい。これを満足する材料としては、ポリカーボネート樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂がある。発破孔内は粗く削られやすいこと、装てん作業を行なう切羽での作業では装てんパイプが煩雑に取り扱われ高所から落下したりすることがあることなどを考えると、少なくとも外パイプについては、耐摩耗性、耐衝撃性に優れるポリカーボネート樹脂が最も望ましい。
外パイプ及び内パイプから構成される本発明の装てんパイプは、切羽から離れた位置から装てんパイプの根元を持って発破孔をねらって親ダイを挿入できる硬さと、発破孔内では孔曲がりに従って曲がる柔軟性を兼ね備える必要がある。また、楽に作業ができるようにできるだけ軽いことが望ましい。このためには、外パイプ及び内パイプの厚みをできる限り薄くすることが好ましく、具体的には0.5mmから3mmが好ましい。さらに好ましくは1mmから2mmが望ましい。
外パイプ及び内パイプから構成される本発明の装てんパイプは、切羽から離れた位置から装てんパイプの根元を持って発破孔をねらって親ダイを挿入できる硬さと、発破孔内では孔曲がりに従って曲がる柔軟性を兼ね備える必要がある。また、楽に作業ができるようにできるだけ軽いことが望ましい。このためには、外パイプ及び内パイプの厚みをできる限り薄くすることが好ましく、具体的には0.5mmから3mmが好ましい。さらに好ましくは1mmから2mmが望ましい。
外パイプと内パイプのスライドをさらにスムーズにするために、外パイプと内パイプの間にスペーサーを配しても良い。スペーサーは、外パイプの内面あるいは内パイプの外面に固定することが好ましい。固定位置は装てんパイプの根元部あるいは先端部が好ましく、さらに好ましくはその両端に取り付けることが望ましい。スペーサーを取り付けた外パイプの内径は、内パイプの外径に比べて0mmから1mm大きいことが好ましく0.1mmから0.5mm大きいことがさらに好ましい。また、スペーサーを取り付けた内パイプの外径は、外パイプの内径に比べて0mmから1mm小さいことが好ましく、0.1mmから0.5mm小さいことがさらに好ましい。
スペーサーの材質は熱収縮チューブ、樹脂、フェルトなどが好ましい。熱収縮チューブは、収縮前の内径が内パイプよりも大きく、収縮後の内径が内パイプより小さく、収縮後の厚みの2倍に内パイプの外径を加えたものが外パイプの内径よりも小さいことが好ましい。材質は、耐油性に優れるエチレンプロピレンゴムが好ましい。樹脂では、滑りがよく、適度な柔らかさのあるポリオレフィン系樹脂が望ましい。
内パイプに対する外パイプの長手方向のスライド幅は、親ダイの装着が可能な幅であることが好ましい。親ダイの長さはその薬量によって異なるが、一般的には100mmから300mmである。親ダイを確実に保持できるスライド幅としては、親ダイ長さの1/3〜1倍が好ましい。さらに好ましくは、親ダイ長さの1/2から2/3倍が望ましい。このスライド幅を確実にするために、上記のスペーサーを外パイプの内面および内パイプの外面の両者にこのスライド幅だけずらして固定しても良い。
装てんパイプの先端部では、外パイプと内パイプの空隙にスラリー状の爆薬が侵入するおそれがある。これを避けるために、装てんパイプ先端にスペーサーを配置することが好ましい。さらに好ましくはシール材を配置することが望ましい。シール材としては、外パイプスライド時の滑りを損なわず、シール性にも優れるOリングが最適である。Oリングは、装てんパイプの外面に直接とりつける場合には、そのOリングの線径の2倍に内パイプの外径を加えたものが外パイプの内径よりも0.1mmから1mm大きいものが好ましく、さらに好ましくは、0.3mmから0.6mm大きいものが望ましい。
装てんパイプの長さは、装てん作業者と切羽の離れによって決まるが、装てん作業者の安全確保の観点からすると、1m以上が好ましい。さらに好ましくは1.5mから2.5mが望ましい。
装てんパイプの長さは、装てん作業者と切羽の離れによって決まるが、装てん作業者の安全確保の観点からすると、1m以上が好ましい。さらに好ましくは1.5mから2.5mが望ましい。
本発明を実施例に基づいて説明する。
[実施例1]
直径45mmの発破孔に切羽から約1.5m離れてスラリー状の爆薬および親ダイを装てんするための装てんパイプを製作した。なお、親ダイは、外径25mm、長さ180mmの含水爆薬(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名、サンベックスえのき)に電気雷管(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名、サンジェット)を装着したものを対象とした。
外パイプとして、外径32mm、内径29mm(厚み1.5mm)、長さ1930mmのポリカーボネート樹脂製、内パイプとして、外径26mm、内径24mm(厚み1.0mm)、長さ2000mmのポリカーボネート樹脂製を使用した。
[実施例1]
直径45mmの発破孔に切羽から約1.5m離れてスラリー状の爆薬および親ダイを装てんするための装てんパイプを製作した。なお、親ダイは、外径25mm、長さ180mmの含水爆薬(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名、サンベックスえのき)に電気雷管(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名、サンジェット)を装着したものを対象とした。
外パイプとして、外径32mm、内径29mm(厚み1.5mm)、長さ1930mmのポリカーボネート樹脂製、内パイプとして、外径26mm、内径24mm(厚み1.0mm)、長さ2000mmのポリカーボネート樹脂製を使用した。
スペーサーとして、収縮前内径30mm、収縮後内径15mm、収縮後厚さ2mmの熱収縮チューブ(西日本電線株式会社製、商品名、ニシチューブNPR30−15−2)を使用し、熱収縮させることにより内パイプ外面に固定した。
先端のシール材として、線径1.78mm、内径25.12mmのOリング(規格番号AS568−022)を熱収縮チューブで挟み込むことにより固定し使用した。
外パイプのスライド幅を固定するため、外パイプ手元側の内面に外径29mm、内径27mmのポリプロピレン製のパイプを接着剤で固定した。図1に示す。
先端のシール材として、線径1.78mm、内径25.12mmのOリング(規格番号AS568−022)を熱収縮チューブで挟み込むことにより固定し使用した。
外パイプのスライド幅を固定するため、外パイプ手元側の内面に外径29mm、内径27mmのポリプロピレン製のパイプを接着剤で固定した。図1に示す。
本発明の装てんパイプは、流動性を有するスラリー状の爆薬を装てん機を用いて装てんする場合で、その爆薬の起爆のための親ダイを切羽から離れて発破孔に装てんする際に、装てんパイプ先端に親ダイを装着できるスペースを確実に確保し、かつ装てん時には、親ダイ周辺にスラリー状の爆薬を確実に廻り込ませる際に好適に用いられる。
1 ポリカーボネートパイプ
2 熱収縮チューブ
3 Oリング
4 ポリプロピレンパイプ
5 ホース
2 熱収縮チューブ
3 Oリング
4 ポリプロピレンパイプ
5 ホース
Claims (4)
- 発破孔に親ダイおよび増ダイを装てんするための、外パイプと内パイプの二重管からなる発破用装てんパイプであって、外パイプの外径が穿孔された発破孔の内径より小さく、かつ外パイプの内径が親ダイの外径より大きい外パイプと、内パイプの外径が外パイプの内径よりも小さく、かつ内パイプの内径が装てんされる増ダイの外径よりも大きい内パイプより構成され、外パイプが内パイプに対して長手方向にスライドすることを特徴とする発破用装てんパイプ。
- 外パイプ及び内パイプが透明性を有する樹脂製であることを特徴とする請求項1に記載の装てんパイプ。
- 外パイプ及び内パイプがポリカーボネート樹脂製であることを特徴とする請求項1または2に記載の装てんパイプ。
- 外パイプ及び内パイプの厚みが1mm以上2mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の装てんパイプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004238700A JP2006057888A (ja) | 2004-08-18 | 2004-08-18 | 装てんパイプ |
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JP2006057888A true JP2006057888A (ja) | 2006-03-02 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN112880496A (zh) * | 2021-01-20 | 2021-06-01 | 中国矿业大学(北京) | 一种研究水耦合爆破驱动裂纹扩展规律的试件结构及方法 |
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2004
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