JP2006057442A - 落石防止柵 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数本の支柱に落石阻止部材を装架した柵において、施工域に所定間隔でパイプ材か形鋼材を縦に埋設して基礎とし、このパイプ材か形鋼材に支柱を連結して建て込んだ。
【選択図】図3
Description
すなわち、従来方式では、大きな体積のコンクリート基礎を構築しなければならないので、急峻な斜面の中腹、斜面上方(奥地)に施工しようとすると、コンクリートを多量に輸送して打設なければならず、これが作業上非常に困難であり、法面中腹に設置されても、施工時に法面をいためるので、コンクリート基礎の背面に雨水を溜め込んだり、雨水で洗堀されたりすることにより、基礎の転倒が懸念されていた。
パイプ材に対する支柱の連結形態の例としては、パイプ材が天端にベースを有し、支柱の下部と結合した上部ベースが重合固定されている。
これによれば、安定した支柱の立設を簡単に行えるとともに、補強効果を得ることができる。
これによれば、いわゆる多重管構造や多重構造になるため、強度を向上することができ、しかもそれを現場で容易に行える利点がある。この場合、内挿材と支柱は共通のベースでつながっていてもよい。これによれば、部材数が少なく、またボルト締め作業も要さずに施工できる。
さらに前記2態様において、パイプ材内に水硬性可塑材が充填される。これによれば、パイプ材が型枠となり、内部に隙間のない中実杭体になるので強度が向上し、また、内挿材を使用する形式においては、パイプ材と内挿材が一体化されるので、強固な基礎を形成することができる。
パイプ材は外面にリブを有しているものを含んでいる。
これによれば、補強効果が大きく、見掛け上のパイプ材径が大きくなるので、杭としての耐力を上げることができる。
さらに、本発明は杭体として、パイプ材と形鋼材を併用する態様を含んでいる。これによれば、強度が非常に高いものとなり、安定した強固な落石防止柵を得ることができる。
具体的には、施工場所に埋設されるパイプ材と、下端部にベースを結合した支柱と、パイプ材よりも断面が小さい形鋼材の天端にベースが結合されている内挿材とを備え、内挿材がパイプ材に挿入される。この場合、支柱と内挿材のベースが共通であるものを含み、かつ、パイプ材内に水硬性可塑材が充填される場合を含んでいる。
この構成によれば、柵下部からの比較的小さな遊離物たとえば小石の抜けを防止することができる。
この構成によれば、柵下部からの比較的小さな遊離物の抜けを防止することができ、また、雨水の溜め込み,土砂の流出、洗掘による基礎の転倒を避けることができる。柱状部材が間伐材である場合、間伐材の有効利用を図ることができるとともに、安価に実施できる利点がある。
図2ないし図7は本発明による落石防止柵の第1実施例を示しており、Nは落石防止柵を設置した法面、1は所定の間隔を置いて法面Nに鉛直状に埋め込まれた杭体としてのパイプ材であり、鋼管が好適であるが、FRP管、コンクリート管なども用い得る。
2は前記パイプ材1に連結されて建て込まれた端末支柱、2´は前記パイプ材1に連結されて建て込まれた中間支柱であり、それぞれH形鋼などの形鋼材あるいはパイプ材で構成されている。
前記支柱2,2´のパイプ材1に対する連結形態を説明すると、この実施例においては、前記支柱2,2´は、図5と図7のように下部にベースを有している。すなわち、支柱2,2´の下端部側面にブラケットを溶接し、そのブラケットをベース2aに溶接等で結合している。
一方、補強部材としてパイプ材1よりも断面積の小さい内挿材2bが用意され、その内挿材2bの天端にはベース2a´が溶接等で結合されている。内挿材2bはこの例ではパイプ材であるが、鉄筋,異形棒鋼、他の鋼材加工品などでもよい。
そして、前記ベースプ2a、2a´は重合され、それらに設けられている穴を用いてボルトナット2dで強固に定着されている。
4は各柵部材3の間隔を一定に保つとともに共動させるために、支柱間に、索延長直角方向に配された間隔保持材であり、断面コ字状にして強度を持たせ、柵部材の間隔と合わせたスリットを設け、柵部材をせん断破断させないように接触面をゴムなどで覆っている。
なお、図示しないが、パイプ材1の天端部にベースを溶接などで結合しておき、このベースと内挿材天端のベース2a´と支柱下端のベース2aを3枚重ねて連結してもよい。これによれば、いっそう安定性がよく、強度の高い基礎を形成できる。
この構造によれば、図9(b)のようにパイプ材1に内挿材2bを挿入することで支柱が建て込まれるので、ボルト締め作業を省略することができる。
なお、ボルト締めは必要となるが、強度と安定性を高めるため、パイプ材1の天端部にベースを溶接などで結合しておき、これに共通部材のベース2aを重合固定してもよい。
この構造によれば、パイプ材の強度が高くなるとともに、見掛け上のパイプ材径が大きくなるので、杭としての耐力を増加できる利点がある。
なお、このパイプ材構造は、第1実施例に示した支柱との連結方式の場合に限らず、後述する各種の支柱との連結方式の場合にも適用されることは勿論である。パイプ材は、内面にリブを有していてもよい。
(1)パイプ材1と支柱2,2´との連結は図示するものに限らず、種々の形態をとり得る。いくつかの例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
1)図11(a)のように、支柱2,2´の所要長さ200を直接パイプ材1内に挿入し、コンクリートなどの水硬性可塑材2cを流し込んで埋め込み固定する。この場合、支柱2,2´の埋め込み長さ上端外周にプレートを溶接しておき、パイプ材1の天端に当接させてもよい。
この形態は、部材が少ないので施工が簡単で、コストも安価にすることができる。
この形態は、パイプ材と支柱の連結を安定化し、またパイプ材を補強できる利点がある。
3)図11(c)のように、2)の形態に加えて、パイプ材内に水硬性可塑材2cを充填する。
この形態は、パイプ材内が中実となるので、杭としての強度が増す利点がある。
なお、この場合の支柱とパイプ材の連結形式は、図5、図11((b)(c)などのいずれでもよい。
しかし、簡便には図4のように、金網5の延長部分5aを支柱下部で反転して法面Nに沿わせ、アンカー50で固定してもよい。
あるいは、図13(a)、(b)のように、間伐材などの柱状部材7を適宜の間隔をおいて縦に埋設し、これの背後に柱状部材7´を横架させてもよい。
このような態様とすることで、柵下部からの小石の抜け、雨水の溜め込み,土砂の流出、洗掘による基礎の転倒を避けることができ、また、コンクリート面の露出が抑えられるので景観性を高めることができる。また、間伐材の有効活用も可能になる。
この実施例においては、杭体がパイプ材ではなく、H形鋼などの形鋼材1´である。かかる形鋼材1´は法面Nに直接かまたは穿孔してから打ち込まれる。水硬性可塑材を併用することも当然ありえる。たとえば、穿孔穴に水硬性可塑材を充填して形鋼材1´を挿入したり、穿孔穴に形鋼材1´を押し入れた状態で水硬性可塑材を充填するなどしてもよい。
形鋼材1´と支柱2,2´との連結は、当て板などをして支柱と直接溶接などで連結してもよいし、図15で例示するように、形鋼材1´の天端部にベース1aを溶接などで結合し、支柱側は下端部にベース2aを溶接などで結合し、それらベースを重合してボルトナットなどで連結してもよい。
この実施例は、杭体として、パイプ材1と形鋼材1´を併用した複合タイプを示している。
図16の態様においては、地盤に埋め込まれるパイプ材1と、内挿材2bと支柱2(2´)からなり、内挿材2bは断面寸法がパイプ材1の内径と同等以下のH形鋼で代表される形鋼材が用いられ、天端にベース2a´が溶接などで結合されている。支柱2(2´)は下端部がブラケットを介してベース2aに溶接などで結合されている。
前記内挿材2bは、図17と図18のように予め埋設されているパイプ材1に挿入され、好ましくはパイプ内に充填されている水硬性可塑材2cにより3者が結合される。そして、内挿材2bの天端のベース2a´に支柱のベース2a´が載置され、ボルトナットなどにより連結される。
この実施例も、杭体が多重構造となるので強度が高くなる。
この構造によれば、図19(b)のようにパイプ材1に内挿材2bを挿入することで支柱が建て込まれるので、ボルト締め作業を省略することができる。
なお、ボルト締めは必要となるが、強度と安定性を高めるため、パイプ材1の天端部にベースを溶接などで結合しておき、これに共通部材のベース2aを重合固定してもよい。
他の構成は図2〜図3、図8、図10、図12、図13などに示すところと同様であるから、説明は省略する。
1´ 形鋼材
2、2´ 支柱
2a、2a´、1a ベース
2b 内挿材
2c 水硬性可塑材
3 柵構成部材
5 金網
5a 延長部分
50 アンカー
7、7´ 柱状部材
Claims (16)
- 複数本の支柱に落石阻止部材を装架した柵において、施工域に所定間隔で杭体を縦に埋設して基礎とし、この杭体に支柱を連結して建て込んだことを特徴とする落石防止柵。
- 杭体がパイプ材である請求項1に記載の落石防止柵。
- パイプ材に対する支柱の連結が、支柱の下端部にベースを設け、これをパイプ材の天端に設けたベースに重合固定する形態である請求項2に記載の落石防止柵。
- パイプ材に対する支柱の連結が、支柱の下端部にベースを結合し、一方、パイプ材よりも断面積が小さく天端にベースが結合されている内挿材が使用され、その内挿材がパイプ材に挿入される形態である請求項2に記載の落石防止柵。
- 支柱と内挿材のベースが共通であるものを含む請求項4に記載の落石防止柵。
- パイプ材内に水硬性可塑材が充填される請求項3ないし5のいずれかに記載の落石防止柵。
- パイプ材が外側にリブを有しているものを含む請求項2ないし6に記載の落石防止柵。
- 杭体が形鋼材である請求項1に記載の落石防止柵。
- 形鋼材に対する支柱の連結が、支柱の下端部にベースを結合し、これを形鋼材の天端に結合したベースに重合固定する形態である請求項8に記載の落石防止柵。
- 杭体がパイプ材と形鋼材を併用したものである請求項1に記載の落石防止柵。
- 施工場所に埋設されるパイプ材と、下端部にベースを結合した支柱と、パイプ材よりも断面が小さい形鋼材の天端にベースが結合されている内挿材とを備え、内挿材がパイプ材に挿入される請求項10に記載の落石防止柵。
- 支柱と内挿材のベースが共通であるものを含む請求項11に記載の落石防止柵。
- パイプ材内に水硬性可塑材が充填される請求項10ないし12のいずれかに記載の落石防止柵。
- 端末支柱間に端末が連結された多段の柵構成部材とこれに張設された金網を有し、前記金網が延長部分を有し、該延長部分が支柱下部付近で反転されて山側の法面に沿わされ、アンカーで固定されている請求項1ないし13のいずれかに記載の落石防止柵。
- 支柱間の地盤に柱状部材が適宜の間隔をおいて縦に埋設され、これの背後に柱状部材を横架させている請求項1ないし14のいずれかに記載の落石防止柵。
- 柱状部材が間伐材である場合を含む請求項15に記載の落石防止柵。
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