JP2006056741A - 水素化炭素膜の改質方法および水素化炭素膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】 改質後の透光性を改善することができる水素化炭素膜の改質方法およびその方法により得られた水素化炭素膜を提供する。
【解決手段】 水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、酸素および硫黄の群から選択された少なくとも1種類の元素を含むガスの雰囲気中で、水素化炭素膜にエネルギビームを照射する水素化炭素膜の改質方法である。また、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、酸素および硫黄の群から選択された少なくとも1種類の元素を含む材料を水素化炭素膜の表面に設置した状態で、水素化炭素膜にエネルギビームを照射する水素化炭素膜の改質方法である。また、炭素および水素以外の第3の元素を含む水素化炭素膜にエネルギビームを照射する水素化炭素膜の改質方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は水素化炭素膜の改質方法および水素化炭素膜に関し、特に改質後の透光性を改善することができる水素化炭素膜の改質方法およびその方法により得られた水素化炭素膜に関する。
従来、水素化炭素膜は、その機械的特性および化学的安定性を利用して、たとえば工具、金型、機械部品、電気部品または光学部品などの被覆材料として主に用いられていた。しかしながら、近年、水素化炭素膜の応用分野は多岐にわたっており、それぞれの応用分野に応じて、様々な物性を有する水素化炭素膜の開発が進められている。
たとえば、特許文献1には、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)からなる水素化炭素膜の一部にイオンビーム、電子線、陽子線、α線、中性子線、光線、X線またはγ線などのエネルギビームを照射することによって水素化炭素膜の一部を改質した偏光子を作製する方法が開示されている。この偏光子を作製する方法は以下のようにして行なわれる。
まず、図10の模式的断面図に示すように、DLCからなる水素化炭素膜11の表面上に屈折率分布のパターンを転写したマスク12を設置する。次いで、図11の模式的断面図に示すように、このマスク12の斜め上方からたとえばヘリウムイオンまたはアルゴンイオンなどのイオンビーム13を照射する。すると、図12の模式的断面図に示すように、水素化炭素膜11のうちイオンビーム13の照射部分14においては水素化炭素膜が改質して屈折率が高くなる。一方、イオンビーム13の非照射部分15においては水素化炭素膜が改質せず屈折率は変化しない。このように水素化炭素膜11中に屈折率の分布を形成することによって偏光子を作製することが可能となる(特許文献1の段落[0070]〜[0079]参照)。
また、特許文献2には、DLCからなる水素化炭素膜の一部にエネルギビームを照射し、水素化炭素膜の一部を改質することによって光導波路を作製する方法が開示されている。この光導波路を作製する方法は以下のようにして行なわれる。まず、図13の模式的断面図に示すように、石英ガラスの基板16上にDLCからなる水素化炭素膜11を形成する。そして、図14の模式的断面図に示すように、この水素化炭素膜11の所定領域に粒子線としてたとえばイオンビーム13を照射することによって照射部分14を改質し、照射部分14の屈折率を他の部分よりも高くする。このように水素化炭素膜11中に高い屈折率を有する部分を形成することによって光導波路を作製することが可能となる(特許文献2の段落[0021]〜[0025]参照)。
特開2003−248193号公報 特開2004−20783号公報
しかしながら、上記のように水素化炭素膜にイオンビームなどのエネルギビームを照射して偏光子や光導波路などを形成した場合には、水素化炭素膜の屈折率の変化と同時に消衰係数(光の吸収係数)も大きくなってしまうため水素化炭素膜の透光性が不十分になってしまうという問題があった。
そこで、本発明の目的は、改質後の透光性を改善することができる水素化炭素膜の改質方法およびその方法により得られた水素化炭素膜を提供することにある。
本発明は、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、酸素および硫黄の群から選択された少なくとも1種類の元素を含むガスの雰囲気中で、水素化炭素膜にエネルギビームを照射する水素化炭素膜の改質方法である。
また、本発明は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、酸素および硫黄の群から選択された少なくとも1種類の元素を含む材料を水素化炭素膜の表面に設置した状態で、水素化炭素膜にエネルギビームを照射する水素化炭素膜の改質方法である。
また、本発明は、炭素と、水素と、炭素および水素以外の少なくとも1種類の第3の元素と、を含む水素化炭素膜にエネルギビームを照射する水素化炭素膜の改質方法である。ここで、第3の元素は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、酸素および硫黄の群から選択された少なくとも1種類であることが好ましい。
また、本発明の水素化炭素膜の改質方法においては、水素化炭素膜の表面と平行な方向に、水素化炭素膜に照射されるエネルギビームの照射量を変化させることができる。
また、本発明は、膜の表面と平行な方向に、炭素と水素とを主要成分とする領域と、炭素と水素と炭素および水素以外の少なくとも1種類の第3の元素とを主要成分とする領域と、を含む水素化炭素膜である。
また、本発明は、炭素と水素と炭素および水素以外の少なくとも1種類の第3の元素とを主要成分として含み、膜の表面と平行な方向に、相対的に水素量が多い領域と、相対的に水素量が少ない領域と、を含む水素化炭素膜である。ここで、第3の元素は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、酸素および硫黄の群から選択された少なくとも1種類であることが好ましい。
本発明によれば、改質後の透光性を改善することができる水素化炭素膜の改質方法およびその方法により得られた水素化炭素膜を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本願の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
図1に、本発明の水素化炭素膜の改質方法の好ましい一例を図解するための模式的な断面図を示す。ここで、基板16上に形成された水素化炭素膜11は、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、酸素および硫黄の群から選択された少なくとも1種類の元素を含むガスの雰囲気17中に設置されている。そして、この水素化炭素膜11にたとえばシンクロトロン放射光、紫外線ランプ光または紫外線レーザ光などの電磁波、電子ビーム、イオンビームまたは中性子ビームなどのエネルギビーム13を照射することによって、水素化炭素膜11の改質が行なわれる。
上述したように、水素化炭素膜11にエネルギビーム13を照射すると水素化炭素膜11の屈折率が上昇するが、それと同時に消衰係数も大きくなってしまう。これは、エネルギビーム13の照射によって水素化炭素膜11中の結合が切断されて、ダングリングボンドの形成に伴う欠陥準位が形成されるためと考えられる。
そこで、水素化炭素膜11に対するエネルギビーム13の照射を、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、酸素および硫黄の群から選択された少なくとも1種類の元素を含むガスの雰囲気17中で行なうことによって、水素化炭素膜11が改質されてダングリングボンドが形成されるとともに、エネルギビーム13の照射により上記のガスの少なくとも一部が解離して水素化炭素膜11中に拡散する。そして、水素化炭素膜11中に拡散した元素などがダングリングボンドと結合してダングリングボンドを終端したり、複数のダングリングボンド同士を橋かけ結合したりすることなどによって、改質後の水素化炭素膜11中のダングリングボンド量を低減させる。これにより、改質後の水素化炭素膜11中の欠陥準位が低減することから、改質後の水素化炭素膜11の消衰係数の上昇を抑制することができ、透光性を改善することができる。
ここで、光などの電磁波からなるエネルギビームを照射する場合には上記のガスを含む雰囲気中の圧力は特に限定されず、大気圧、減圧または加圧下のいずれであってもよい。一方、電子ビーム、イオンビームまたは中性子ビームなどのエネルギビームを照射する場合には上記のガスを含む雰囲気中の圧力は電子源、イオン源または中性子源からの粒子が雰囲気中のガスと衝突してエネルギを失ったり、散乱したりすることを防ぐ観点から1×10-2Paよりも小さい圧力であることが好ましい。ただし、装置によっては、大気圧下での照射も可能である。
また、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、酸素および硫黄の群から選択された少なくとも1種類の元素を含むガスとしては、たとえば水素(H2)ガス、フッ素(F2)ガス、塩素(Cl2)ガス、臭素(Br2)ガス、ヨウ素(I2)ガス、酸素(O2)ガス、フッ化水素(HF)ガス、塩化水素(HCl)ガス、硫化水素(H2S)ガスまたはアンモニア(NH3)ガスなどがある。
ここで、水素化炭素膜とは、水素と炭素とを主成分とする膜のことである。このような水素化炭素膜は、気相合成で得られる膜や樹脂材料からなる膜を用いることができる。前者の気相合成で得られる膜は、たとえば高周波プラズマCVD法を用いて作製することができる。ここで、原料としては、たとえばメタン(CH4)、エタン(C26)プロパン(C38)、ブタン(C410)、ヘキサン(C614)、オクタン(C818)、アセチレン(C22)、ベンゼン(C66)およびシクロヘキサン(C612)などの炭化水素ガスのうち少なくとも1種を用いることができる。そして、高周波プラズマCVD装置内の高周波電極に室温(25℃)〜300℃の温度の基板を設置し、この基板に高周波電力を印加した状態で高周波プラズマCVD装置内に上記の炭化水素ガスを導入することによって、基板上に水素化炭素膜を形成することができる。高周波プラズマCVD法の代わりに、カソードアークイオンプレーティング法またはスパッタリング法などの気相合成法によっても水素化炭素膜を形成することができる。後者の樹脂材料からなる膜は、スピンコート、ディッピング法またはスプレーコート法などにより基板上に堆積された樹脂被膜や、基板を有さない自立したフィルムなどを用いることができる。
また、基板としては、たとえば石英、シリコン、硫化亜鉛または樹脂などからなる基板が用いられる。
図2に、本発明の水素化炭素膜の改質方法の好ましい他の一例を図解するための模式的な断面図を示す。ここで、基板16上に形成された水素化炭素膜11の上面には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、酸素および硫黄の群から選択された少なくとも1種類の元素を含む材料18が設置されている。このような状態で、エネルギビーム13を材料18および水素化炭素膜11に照射する。
これにより、水素化炭素膜11が改質されてダングリングボンドが形成されるとともに、エネルギビーム13の照射により材料18を構成する元素などが解離して水素化炭素膜11中に拡散する。そして、水素化炭素膜11中に拡散した元素などがダングリングボンドと結合してダングリングボンドを終端したり、ダングリングボンド同士を橋かけ結合することなどによって、改質後の水素化炭素膜11中のダングリングボンド量を低減させる。したがって、改質後の水素化炭素膜11中の欠陥準位が低減することから、改質後の水素化炭素膜11の消衰係数の上昇を抑制することができ、透光性を改善することができる。
なお、図2においては、水素化炭素膜11の上面に材料18が設置されているが、材料18は水素化炭素膜11の下面に設置されてもよく、水素化炭素膜11の上面および下面の双方に設置されてもよい。また、材料18の形態は、膜状であってもよいし、基板そのものであってもよい。また、材料18が膜の場合には、その設置方法については、特に限定されず、たとえばスパッタ法、プラズマCVD法または真空蒸着法などの気相法、スピンコート、ディッピング法またはスプレーコート法などの湿式法などによって設置することができる。
図3に、本発明の水素化炭素膜の改質方法の好ましい他の一例を図解するための模式的な断面図を示す。ここで、基板16上に形成された水素化炭素膜11中には、水素化炭素膜11を構成する炭素と、水素と、炭素および水素以外の少なくとも1種類の第3の元素と、が含有されている。このような第3の元素を含有する水素化炭素膜11に対して、エネルギビーム13を上方から照射する。
これにより、水素化炭素膜11が改質されてダングリングボンドが形成されるが、水素化炭素膜11中の第3の元素がダングリングボンドを終端したり、ダングリングボンド同士を橋かけ結合することなどによって、改質後の水素化炭素膜11中のダングリングボンド量を低減させる。したがって、改質後の水素化炭素膜11中の欠陥準位が低減することから、改質後の水素化炭素膜11の消衰係数の上昇を抑制することができ、透光性を改善することができる。
ここで、上記の第3の元素は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、酸素および硫黄の群から選択された少なくとも1種類であることが好ましい。水素化炭素膜11中の水素は一旦結合が切断されるとすぐに移動してガスになりやすいが、フッ素、塩素および臭素は水素ほど移動しやすくなく、ダングリングボンドと再結合しやすい傾向にある。また、酸素および硫黄は反応性が高く、ダングリングボンド同士を橋かけ結合しやすいため、ダングリングボンドの低減に有効である。
また、上記の第3の元素は、たとえばプラズマCVD法やスパッタ法などで水素化炭素膜を合成する際に、第3の元素を含むガスを原料として供給する方法や、第3の元素を含む固体原料をスパッタ蒸発源に含ませこれを気化して供給する方法などによって水素化炭素膜中に含有させることができる。また、第3の元素を含む樹脂材料をスパッタ源としてスパッタ法で合成したり、スピンコート、ディッピング法またはスプレーコート法などで合成することもできる。ここで、第3の元素の添加量は20原子%未満であることが好ましい。これよりも第3の元素の添加量が多い場合には透光性が逆に低下する傾向にあるためである。
なお、図1から図3において、エネルギビームは水素化炭素膜の表面に対して垂直方向に照射されているが、本発明においては水素化炭素膜の表面に対して斜め方向に照射されてもよい。また、図1から図3において、エネルギビームは水素化炭素膜の上方から照射されているが、本発明においては水素化炭素膜の下方から照射されてもよく、水素化炭素膜の上方および下方の双方から照射されてもよい。
また、本発明においては、水素化炭素膜などの表面の一部にマスクを設置したり、エネルギビームを絞った後に走査することなどによって、水素化炭素膜の表面と平行な方向にエネルギビームの照射量を変化させることができる。これにより、水素化炭素膜の一部が改質されて、その組成や結合状態の変調構造が形成され、改質後の水素化炭素膜は回折光学素子などに好適に利用される。
図4に、本発明において、水素化炭素膜の一部のみを改質をする方法を図解するための模式的な断面図を示す。ここで、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、酸素および硫黄の群から選択された少なくとも1種類の元素を含むガスの雰囲気17中で、水素化炭素膜11の表面の一部にはたとえばCr(クロム)またはAu(金)などからなるマスク12が設置されている。そして、この水素化炭素膜11にエネルギビーム13を照射することによって、水素化炭素膜11におけるエネルギビームの照射部分が改質される。
図5に、図4に示す方法によって一部が改質された水素化炭素膜の好ましい一例の模式的な断面図を示す。ここで、基板16上に形成された水素化炭素膜は、エネルギビームの照射部分14と非照射部分15とを有している。ここで、エネルギビームの照射部分14は、炭素と、水素と、炭素および水素以外の少なくとも1種類の第3の元素と、を主要成分とする領域であって、非照射部分15は炭素と水素とを主要成分とする領域である。そして、エネルギビームの照射部分14は非照射部分15と比べて屈折率が高くなるため、この水素化炭素膜は屈折率変調型の回折光学素子として機能し得る。
図6において、膜の表面と平行な方向に屈折率分布を有する図5に示す水素化炭素膜を用いた屈折率変調型の回折光学素子を波長合分岐器として使用する場合における波長分岐作用を模式的な断面図で図解している。図6に表わされているように、たとえば複数の波長λ1、λ2、λ3、λ4を含む単一の入射光をこの回折光学素子に入射させれば、その回折光学素子を通過する入射光の回折角は波長に依存して互いに異なる。その結果、複数波長を含む単一の入射光が、波長ごとに進行方向の異なる複数の回折光に分離され得るのである。なお、図6中の矢印で示された入射光と回折光との向きを逆にすれば、図6の回折光学素子が合波器として利用され得る。
図7は、図5に示す回折光学素子を光カプラ(パワー分岐装置)として使用する場合におけるパワー分岐作用を模式的な断面図で図解している。すなわち、パワーPを有する単一波長の入射光を回折光学素子に入射させれば、その回折光学素子を通過する入射光の回折角は回折次数に依存して互いに異なる。その結果、単一波長の入射光が、それぞれP/4のパワーを有する複数の回折光に分離され得るのである。
図8は、図5に示す回折光学素子を偏光合分岐器として使用する場合における偏光分岐作用を模式的な断面図で図解している。すなわち、TE成分とTM成分とを含むTEM波をこの回折光学素子に入射させれば、TE波とTM波とはその偏光の相違に依存して互いに異なる回折角で回折される。したがって、TE波とTM波との分岐が可能になる。
本発明を用いて、水素化炭素膜の一部の改質を行なうことにより、上記のような回折光学素子だけでなく、光導波路なども作製することが可能になる。光導波路は、図9の模式的断面図に示すように、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、酸素および硫黄の群から選択された少なくとも1種類の元素を含むガスの雰囲気17中における水素化炭素膜11の表面上に、光導波路を形成する位置に対応する部分が除去されたマスク12が設置された状態で、マスク12の上方からエネルギビーム13を照射して照射部分14の屈折率を上昇させた後にマスク12を除去することによって得ることができる。エネルギビーム13の照射部分14は非照射部分15に比べて屈折率が高いことから、この照射部分14に入射した光は照射部分14を導波路として進行することになる。
また、本発明においては、水素化炭素膜の表面にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、酸素および硫黄の群から選択された少なくとも1種類の元素を含む材料を設置し、この材料の表面の一部にマスクを設置した状態でエネルギビームを照射して水素化炭素膜の一部を改質することもできる。また、本発明においては、炭素と、水素と、炭素および水素以外の少なくとも1種類の第3の元素と、を含む水素化炭素膜の表面の一部にマスクを設置した状態でエネルギビームを照射して水素化炭素膜の一部を改質することもできる。
(実験例1)
シクロヘキサンを原料としてプラズマCVD法により石英からなる基板上に非晶質の水素化炭素膜(表1のサンプルNo.0)を作製した。この水素化炭素膜の屈折率および消衰係数をそれぞれ透過スペクトルからの光学シミュレーションによって導出したところ、表1に示すように、この水素化炭素膜の屈折率は1.55であって、消衰係数は9.1×10-5であった。
この水素化炭素膜を18サンプル用意し、これらのサンプルのそれぞれに対して表1に示す種類のエネルギビームを表1に示す条件(ガス雰囲気、圧力および照射量)で水素化炭素膜の上方から照射することによって、表1に示すサンプルNo.1〜No.18の水素化炭素膜を得た。そして、サンプルNo.1〜No.18の水素化炭素膜の屈折率および消衰係数をそれぞれ透過スペクトルからの光学シミュレーションによって導出した。その結果を表1に示す。
Figure 2006056741
表1に示すように、表1に示すエネルギビームの照射によって得られたサンプルNo.1〜No.18の水素化炭素膜は、エネルギビームが照射されていないサンプルNo.0の水素化炭素膜と比べて屈折率が上昇していた。
また、表1に示すように、フッ化水素(HF)ガス雰囲気下でシンクロトロン放射光が照射されたサンプルNo.2の水素化炭素膜および酸素(O2)ガス雰囲気下でシンクロトロン放射光が照射されたサンプルNo.3の水素化炭素膜は、ガス雰囲気下ではない超高真空下でシンクロトロン放射光が照射されたサンプルNo.1の水素化炭素膜と比べて消衰係数が低くなる傾向にあった。ここで、シンクロトロン放射光を構成する光子のエネルギは50eV〜2000eVの範囲であった。
また、表1に示すように、塩化水素(HCl)ガス雰囲気下で紫外線ランプ光が照射されたサンプルNo.5の水素化炭素膜および酸素(O2)ガス雰囲気下で紫外線ランプ光が照射されたサンプルNo.6の水素化炭素膜は、ガス雰囲気下ではない超高真空下で紫外線ランプ光が照射されたサンプルNo.4の水素化炭素膜と比べて消衰係数が低くなる傾向にあった。ここで、紫外線ランプ光は低圧水銀ランプ光であり、波長184.9nmおよび253.7nmの紫外光が含まれていた。
また、表1に示すように、10体積%の水素(H2)ガスと90%アルゴン(Ar)ガスとの混合ガス雰囲気下で波長248nmの紫外線レーザ光が照射されたサンプルNo.8の水素化炭素膜および酸素(O2)ガス雰囲気下で波長248nmの紫外線レーザ光が照射されたサンプルNo.9の水素化炭素膜は、ガス雰囲気下ではない超高真空下で波長248nmの紫外線レーザ光が照射されたサンプルNo.7の水素化炭素膜と比べて消衰係数が低くなる傾向にあった。
また、表1に示すように、硫化水素(H2S)ガス雰囲気下で300keVのエネルギを有するヘリウム(He)イオンからなるイオンビームが照射されたサンプルNo.11の水素化炭素膜および臭素(Br2)ガス雰囲気下で300keVのエネルギを有するHeイオンからなるイオンビームが照射されたサンプルNo.12の水素化炭素膜は、ガス雰囲気下ではない超高真空下で300keVのエネルギを有するHeイオンからなるイオンビームが照射されたサンプルNo.10の水素化炭素膜と比べて消衰係数が低くなる傾向にあった。
また、表1に示すように、ヨウ素(I2)ガス雰囲気下で15keVのエネルギを有する電子からなる電子ビームが照射されたサンプルNo.14の水素化炭素膜および酸素(O2)ガス雰囲気下で15keVのエネルギを有する電子からなる電子ビームが照射されたサンプルNo.15の水素化炭素膜は、ガス雰囲気下ではない超高真空下で15keVのエネルギを有する電子からなる電子ビームが照射されたサンプルNo.13の水素化炭素膜と比べて消衰係数が低くなる傾向にあった。
また、表1に示すように、塩化水素(HCl)ガス雰囲気下で3MeVのエネルギを有する中性子からなる中性子ビームが照射されたサンプルNo.17の水素化炭素膜およびアンモニア(NH3)ガス雰囲気下で3MeVのエネルギを有する中性子からなる中性子ビームが照射されたサンプルNo.18の水素化炭素膜は、ガス雰囲気下ではない超高真空下で3MeVのエネルギを有する中性子からなる中性子ビームが照射されたサンプルNo.16の水素化炭素膜と比べて消衰係数が低くなる傾向にあった。
(実験例2)
石英からなる基板上に、実験例1と同様にして水素化炭素膜を形成した。そして、この水素化炭素膜上にスプレーコート法によりPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)膜を設置し、PTFE膜の上方から50eV〜2000eVのエネルギを有する光子からなるシンクロトロン放射光を50mA・min/mm2の照射量で照射して、表2に示すサンプルNo.19の水素化炭素膜を得た。このサンプルNo.19の水素化炭素膜の屈折率および消衰係数を実験例1と同様にして測定した。その結果を表2に示す。
また、石英からなる基板上に二酸化チタン(TiO2)膜を真空蒸着法にて形成した後に、実験例1と同様にして、この二酸化チタン膜上に水素化炭素膜を形成した。その後、石英からなる基板側から波長184.9nmおよび波長253.7nmの紫外光を含む紫外線ランプ光を60mW・hr/mm2の照射量で照射して、表2に示すサンプルNo.20の水素化炭素膜を得た。このサンプルNo.20の水素化炭素膜の屈折率および消衰係数を実験例1と同様にして測定した。その結果を表2に示す。
また、石英からなる基板上に塩化ビニルをスパッタ源としてスパッタリング法により塩化ビニル膜を設置し、さらに実験例1と同様にして、この塩化ビニル膜上に水素化炭素膜を形成した。その後、石英からなる基板側から波長248nmの紫外線レーザ光を15mW・hr/mm2の照射量で照射して、表2に示すサンプルNo.21の水素化炭素膜を得た。このサンプルNo.21の水素化炭素膜の屈折率および消衰係数を実験例1と同様にして測定した。その結果を表2に示す。
さらに、石英からなる基板上に実験例1と同様にして水素化炭素膜を形成した。そして、この水素化炭素膜上に真空蒸着法によりZnS(硫化亜鉛)膜を設置し、ZnS膜の上方から300keVのエネルギを有するHeイオンからなるイオンビームを2×1016ions/cm2の照射量で照射して、表2に示すサンプルNo.22の水素化炭素膜を得た。このサンプルNo.22の水素化炭素膜の屈折率および消衰係数を実験例1と同様にして測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2006056741
表2に示すように、サンプルNo.19〜サンプルNo.22の水素化炭素膜の屈折率は、表1に示すサンプルNo.0の水素化炭素膜の屈折率1.55よりも上昇していることが確認された。なお、消衰係数も上昇したが、その消衰係数はサンプルNo.19〜サンプルNo.22のように水素化炭素膜の上面あるいは下面に上記の膜を形成せずにエネルギビームを照射した後の消衰係数8.5×10-3〜2.8×10-2と比べてかなり低いことが確認された。
(実験例3)
シクロヘキサンと四フッ化炭素とを原料として、プラズマCVD法により、石英からなる基板上にフッ素を含む水素化炭素膜を形成した。そして、この水素化炭素膜の上方から50eV〜3000eVのエネルギを有する光子からなるシンクロトロン放射光を65mA・min/mm2の照射量で照射して、表3に示すサンプルNo.23の水素化炭素膜を得た。このサンプルNo.23の水素化炭素膜の屈折率および消衰係数を実験例1と同様にして測定した。その結果を表3に示す。
メタンと酸素とを原料として、プラズマCVD法により、石英からなる基板上に酸素を含む水素化炭素膜を形成した。そして、この水素化炭素膜の上方から波長184.9nmおよび波長253.7nmの紫外光を含む紫外線ランプ光を70mW・hr/mm2の照射量で照射して、表3に示すサンプルNo.24の水素化炭素膜を得た。このサンプルNo.24の水素化炭素膜の屈折率および消衰係数を実験例1と同様にして測定した。その結果を表3に示す。
シクロヘキサンと四塩化炭素とを原料として、プラズマCVD法により、石英からなる基板上に塩素を含む水素化炭素膜を形成した。そして、この水素化炭素膜の上方から波長248nmの紫外線レーザ光を20mW・hr/mm2の照射量で照射して、表3に示すサンプルNo.25の水素化炭素膜を得た。このサンプルNo.25の水素化炭素膜の屈折率および消衰係数を実験例1と同様にして測定した。その結果を表3に示す。
プロパンと硫化水素とを原料として、プラズマCVD法により、石英からなる基板上に硫黄を含む水素化炭素膜を形成した。そして、この水素化炭素膜の上方から300keVのエネルギを有するHeイオンのビームを5×1016ions/cm2の照射量で照射して、表3に示すサンプルNo.26の水素化炭素膜を得た。このサンプルNo.26の水素化炭素膜の屈折率および消衰係数を実験例1と同様にして測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2006056741
表3に示すように、サンプルNo.23〜サンプルNo.26の水素化炭素膜の屈折率は、表1に示すサンプルNo.0の水素化炭素膜の屈折率1.55よりも上昇していることが確認された。なお、消衰係数も上昇したが、その消衰係数はサンプルNo.23〜サンプルNo.26のように水素化炭素膜中に炭素と水素以外の第3の元素を含有させずにエネルギビームを照射した後の消衰係数8.8×10-3〜3.9×10-2と比べてかなり低いことが確認された。
(実験例4)
55原子%の水素を含有する水素化炭素膜に酸素ガス雰囲気中で波長184.9nmおよび波長253.7nmの紫外光を含む紫外線ランプ光を40mW・hr/mm2の照射量で照射した。そして、紫外線ランプ光の照射後の水素化炭素膜の組成をRBS(Rutherford Back Scattering)/ERDA(Elastic Recoil Detection Analysis)により分析したところ、紫外線ランプ光の照射前には酸素は含有されていなかったのに対し、紫外線ランプ光の照射後には6原子%の酸素が含有されており、水素の含有量は39原子%まで減少していた。
また、紫外線ランプ光の照射によって、水素化炭素膜の屈折率は1.55から1.76まで上昇し、消衰係数は9.8×10-5から1.2×10-3まで上昇した。
また、上記の55原子%の水素を含有する水素化炭素膜の表面上に複数のライン状のCrからなるマスクを設置した。ここで、マスクされた領域とマスクされていない領域との面積比は1:1であった。そして、このマスクの上方から上記の紫外線ランプ光を上記と同じ条件で照射した後にマスクを除去した。マスク除去後の水素化炭素膜を電子顕微鏡に付帯したEDX(エネルギ分散型蛍光X線分析)で観察したところ、マスクが設置された部分からは酸素が検出されず、マスクが設置されていない部分からは酸素が検出された。また、酸素が検出された領域の平均組成をRBS/ERDAで分析したところ、酸素の含有量は約3原子%であり、水素の含有量は約20原子%であった。この改質後の水素化炭素膜は、屈折率変調型の回折光学素子として機能した。
(実験例5)
55原子%の水素を含有する水素化炭素膜に塩化水素ガス雰囲気中で50eV〜2000eVのエネルギを有する光子からなるシンクロトロン放射光を70mA・min/mm2の照射量で照射した。そして、シンクロトロン放射光の照射後の水素化炭素膜の組成をRBS/ERDAにより分析したところ、シンクロトロン放射光の照射前には塩素が含有されていなかったのに対し、シンクロトロン放射光の照射後には4原子%の塩素が含有されており、水素の含有量は31原子%まで減少していた。
また、シンクロトロン放射光の照射によって、水素化炭素膜の屈折率は1.55から1.84まで上昇し、消衰係数は9.8×10-5から3.2×10-3まで上昇した。
また、上記の55原子%の水素を含有する水素化炭素膜の表面上に複数のライン状のAuからなるマスクを設置した。ここで、マスクされた領域とマスクされていない領域との面積比は1:1であった。そして、このマスクの上方から上記のシンクロトロン放射光を上記と同じ条件で照射した後にマスクを除去した。マスク除去後の水素化炭素膜を電子顕微鏡に付帯したEDX(エネルギ分散型蛍光X線分析)で観察したところ、マスクが設置された部分からは塩素が検出されず、マスクが設置されていない部分からは塩素が検出された。また、塩素が検出された領域の平均組成をRBS/ERDAで分析したところ、塩素の含有量は約2原子%であり、水素の含有量は約15原子%であった。この改質後の水素化炭素膜は、屈折率変調型の回折光学素子として機能した。
(実験例6)
メタンと酸素とを原料として、プラズマCVD法により作製された48原子%の水素および8原子%の酸素を含有する水素化炭素膜に波長248nmの紫外線レーザ光を20mA・min/mm2の照射量で照射した。そして、紫外線レーザ光の照射後の水素化炭素膜の組成をRBS/ERDAにより分析したところ、紫外線レーザ光の照射後には水素の含有量は35原子%まで減少し、酸素の含有量は10原子%に増加していた。
また、紫外線レーザ光の照射によって、水素化炭素膜の屈折率は1.55から1.81まで上昇し、消衰係数は9.8×10-5から2.0×10-3まで上昇した。
また、上記の48原子%の水素および8原子%の酸素を含有する水素化炭素膜の表面上に、導波路を形成する位置に対応する部分が除去されたCrからなるマスクを設置し、このマスクの上方から上記の紫外線レーザ光を上記と同じ条件で照射した後にマスクを除去した。マスクが設置された水素化炭素膜の部分の酸素の含有量は8原子%であり、水素の含有量は47原子%であった。また、マスクが設置されなかった水素化炭素膜の部分の酸素の含有量は10原子%であり、水素の含有量は36原子%であった。このマスクを除去した後の水素化炭素膜は、光導波路として機能した。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、酸素および硫黄の群から選択された少なくとも1種類の元素を含むガスの雰囲気中で水素化炭素膜にエネルギビームを照射することなどによって、エネルギビームの照射によって水素化炭素膜に形成されたダングリングボンドを終端し、改質後の水素化炭素膜の透光性を改善することができる。
本発明の水素化炭素膜の改質方法の好ましい一例を図解するための模式的な断面図である。 本発明の水素化炭素膜の改質方法の好ましい他の一例を図解するための模式的な断面図である。 本発明の水素化炭素膜の改質方法の好ましい他の一例を図解するための模式的な断面図である。 本発明において、水素化炭素膜の一部のみを改質をする方法を図解するための模式的な断面図である。 図4に示す方法によって一部が改質された水素化炭素膜の好ましい一例の模式的な断面図である。 図5に示す水素化炭素膜を用いた屈折率変調型の回折光学素子を波長合分岐器として使用する場合における波長分岐作用を図解するための模式的な断面図である。 図5に示す回折光学素子を光カプラ(パワー分岐装置)として使用する場合におけるパワー分岐作用を図解するための模式的な断面図である。 図5に示す回折光学素子を偏光合分岐器として使用する場合における偏光分岐作用を図解するための模式的な断面図である。 本発明において、水素化炭素膜の一部のみを改質して、光導波路を形成する方法を図解するための模式的な断面図である。 従来において、屈折率分布のパターンが転写されたマスクを設置した後の水素化炭素膜の一例の模式的な断面図である。 従来において、マスクの斜め上方からイオンビームを照射しているときの水素化炭素膜の一例の模式的な断面図である。 従来において、イオンビームの照射後の水素化炭素膜の一例の模式的な断面図である。 従来において、基板上に形成された水素化炭素膜の一例の模式的な断面図である。 従来において、イオンビームの照射後の水素化炭素膜の一例の模式的な断面図である。
符号の説明
11 水素化炭素膜、12 マスク、13 エネルギビーム、14 照射部分、15 非照射部分、16 基板、17 雰囲気、18 材料。

Claims (8)

  1. 水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、酸素および硫黄の群から選択された少なくとも1種類の元素を含むガスの雰囲気中で、水素化炭素膜にエネルギビームを照射することを特徴とする、水素化炭素膜の改質方法。
  2. フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、酸素および硫黄の群から選択された少なくとも1種類の元素を含む材料を水素化炭素膜の表面に設置した状態で、前記水素化炭素膜にエネルギビームを照射することを特徴とする、水素化炭素膜の改質方法。
  3. 炭素と、水素と、炭素および水素以外の少なくとも1種類の第3の元素と、を含む水素化炭素膜にエネルギビームを照射することを特徴とする、水素化炭素膜の改質方法。
  4. 前記第3の元素が、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、酸素および硫黄の群から選択された少なくとも1種類であることを特徴とする、請求項3に記載の水素化炭素膜の改質方法。
  5. 前記水素化炭素膜の表面と平行な方向に、前記水素化炭素膜に照射される前記エネルギビームの照射量を変化させることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の水素化炭素膜の改質方法。
  6. 膜の表面と平行な方向に、炭素と水素とを主要成分とする領域と、炭素と水素と炭素および水素以外の少なくとも1種類の第3の元素とを主要成分とする領域と、を含むことを特徴とする、水素化炭素膜。
  7. 炭素と水素と炭素および水素以外の少なくとも1種類の第3の元素とを主要成分として含み、膜の表面と平行な方向に、相対的に水素量が多い領域と、相対的に水素量が少ない領域と、を含むことを特徴とする、水素化炭素膜。
  8. 前記第3の元素が、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、酸素および硫黄の群から選択された少なくとも1種類であることを特徴とする、請求項6または7に記載の水素化炭素膜。
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