JP2006056218A - 樹脂シートの製造方法 - Google Patents

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武和 山本
Yasuyuki Hara
康之 原
Takuhiro Hayashi
卓弘 林
Ryuichi Katsumoto
隆一 勝本
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Abstract

【課題】成形時の幅方向の厚さ分布が大きい樹脂シートを製造した際に、所望の断面形状を得ることができ、特に、各種表示装置の背面に配される導光板や各種光学素子に使用するのに好適な樹脂シートの製造方法を提供する。
【解決手段】開口部の断面形状が樹脂シートの設計断面形状に近づくようにスリット幅分布をもって形成された異形ダイ12より押し出したシート状の樹脂材料14を、樹脂材料の押し出し速度と略同速度で移動する転写型板26と、転写型板に対向配置され同速度で移動するバック板28とで挟圧し、転写型板表面の凹凸形状を樹脂材料に転写する。
【選択図】 図1

Description

本発明は樹脂シートの製造方法に係り、特に、各種表示装置の背面に配される導光板や各種光学素子に使用するのに好適な樹脂シートの製造方法に関する。
各種光学素子に使用される樹脂シートとして、フレネルレンズやレンチキュラーレンズ等が様々な分野で使用されている。このような樹脂シートの表面には、規則的な凹凸形状が形成されており、この凹凸形状により、フレネルレンズやレンチキュラーレンズとしての光学的性能を発揮している。
このような樹脂シートを製造する方法として、これまでに各種の提案がなされている(特許文献1〜4参照)。これらの提案においては、いずれも、生産性向上の観点よりローラ成形方式が採用されている。
たとえば、特許文献1は、樹脂シートをローラから剥離するまでの間の冷却手段に工夫を施すことにより、転写性の向上を図っている。特許文献2は、ローラに金型を巻き付けてフレネルレンズを製造する方法を開示している。
特許文献3は、成形ローラの内部に熱緩衝部材を配して、生産性及び転写性の向上を図っている。特許文献4は、コロナ放電処理を採用することにより、転写性の向上、欠陥の低減を図っている。
これら従来技術の代表的なローラ成形方式は、図6に示される構成のようになっている。この装置構成は、押出し機(図示略)によって溶融された樹脂材料1をシート状に賦形するためのシート用のダイ2と、表面に凹凸形状が形成されたスタンパーローラ3と、スタンパーローラ3に対向配置される鏡面ローラ4と、スタンパーローラ3に対向するとともに、鏡面ローラ4の反対側に配置される剥離用鏡面ローラ5よりなる。
そして、ダイ2より押し出したシート状の樹脂材料1を、スタンパーローラ3と鏡面ローラ4とで挟圧し、スタンパーローラ3表面の凹凸形状を樹脂材料1に転写し、樹脂材料1を剥離用鏡面ローラ5に巻き掛けることによりスタンパーローラ3より剥離する。
特開平8−31025号公報 特開平7−314567号公報 特開2003−53834号公報 特開平8−287530号公報
しかしながら、上記従来の提案は、いずれも、比較的薄肉の樹脂シートを製造する方法に関するものであり、比較的厚肉の樹脂シートの製造には適していない。特に、成形時の幅方向の厚さ分布が大きい樹脂シートを製造した場合には、所望の断面形状を得るのが非常に困難である。
たとえば、PMMA(ポリメチルメタクリレート樹脂)を押し出し後にローラ成形する際に、幅方向に厚さ分布を付け、最厚肉部と最薄肉部との厚さの差を1mm以上とした場合、表面又は裏面に凹凸(樹脂の硬化時の収縮による引け)を生じたり、全体的に表面形状転写率が低下したり、シャープエッジ形状が転写できなかったり、各種の問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、成形時の幅方向の厚さ分布が大きい樹脂シートを製造した際に、所望の断面形状を得ることができ、特に、各種表示装置の背面に配される導光板や各種光学素子に使用するのに好適な樹脂シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、開口部の断面形状が樹脂シートの所望の断面形状に近づくようにスリット幅分布をもって形成された異形ダイより押し出したシート状の樹脂材料を、該樹脂材料の押し出し速度と略同速度で移動する転写型板と、該転写型板に対向配置され同速度で移動するバック板とで挟圧し、該転写型板表面の凹凸形状を前記樹脂材料に転写することを特徴とする樹脂シートの製造方法を提供する。
本発明によれば、スリット幅分布をもって形成された異形ダイより押し出したシート状の樹脂材料を転写型板とバック板とで挟圧し、転写型板表面の凹凸形状を樹脂材料に転写する。このように、異形ダイより押し出した断面形状が樹脂シートの設計断面形状に近づくようにすることにより、成形時の幅方向の厚さ分布が大きい樹脂シートであっても、徐々に設計形状に近づけることにより、所望の断面形状を得ることができる。
本発明において、前記転写型板と前記バック板とを複数セット設け、前記異形ダイ下流側の所定位置より前記転写型板と前記バック板とで前記樹脂材料を挟圧し、所定距離走行後に前記樹脂材料の挟圧を解除することが好ましい。転写型板とバック板との1セットでも所定の効果は得られるが、このように複数セット設けて段階的に加工することにより、より本発明の効果が得られる。
また、本発明は、開口部の断面形状が樹脂シートの所望の断面形状に近づくようにスリット幅分布をもって形成された異形ダイより押し出したシート状の樹脂材料を型ローラと該型ローラに対向配置されるニップローラとで挟圧し、該型ローラ表面の凹凸形状を前記樹脂材料に転写し、転写後の前記樹脂材料を該型ローラに対向配置される剥離ローラに巻き掛けることにより該型ローラより剥離し、剥離後の前記樹脂材料を該樹脂材料の走行速度と略同速度で移動する転写型板と、該転写型板に対向配置され同速度で移動するバック板とで挟圧し、該転写型板表面の凹凸形状を前記樹脂材料に転写することを特徴とする樹脂シートの製造方法を提供する。
本発明によれば、スリット幅分布をもって形成された異形ダイより押し出したシート状の樹脂材料を型ローラとニップローラとで挟圧し、型ローラ表面の凹凸形状を前記樹脂材料に転写し、次いで、転写型板とバック板とで挟圧し、転写型板表面の凹凸形状を転写する。このように、異形ダイより押し出した断面形状が樹脂シートの設計断面形状に近づくようにし、また、複数段の転写をすることにより、成形時の幅方向の厚さ分布が大きい樹脂シートであっても、徐々に設計形状に近づけることにより、所望の断面形状を得ることができる。
本発明において、前記転写型板と前記バック板とを複数セット設け、前記剥離ローラ下流側の所定位置より前記転写型板と前記バック板とで前記樹脂材料を挟圧し、所定距離走行後に前記樹脂材料の挟圧を解除することが好ましい。転写型板とバック板との1セットでも所定の効果は得られるが、このように複数セット設けて段階的に加工することにより、より本発明の効果が得られる。
また、本発明において、前記樹脂材料に転写される凹凸形状により、該樹脂材料の幅方向における最厚肉部と最薄肉部との厚さの差が1mm以上となることが好ましい。また、本発明において、前記樹脂材料の最薄肉部の厚さが5mm以下であることが好ましい。このように、従来、成形が困難であった、断面形状の樹脂材料の成形において、本発明の効果が発揮できる。
以上説明したように、本発明によれば、成形時の幅方向の厚さ分布が大きい樹脂シートであっても、所望の断面形状を得ることができる。
以下、添付図面に従って、本発明に係る樹脂シートの製造方法の好ましい実施の形態(第1実施形態)について詳説する。図1は、本発明に係る樹脂シートの製造方法が適用される、樹脂シートの製造ラインの例を示す構成図である。
この樹脂シートの製造ライン10は、押出し機(図示略)によって溶融された樹脂材料14をシート状に賦形するためのシート用のダイ12と、ダイ12の下流に配される複数の転写型板26、26…と、転写型板26に対向配置される複数のバック板28、28…とより構成される。
ダイ12は、開口部(スリット)の断面形状が樹脂シート(樹脂材料14)の設計断面形状に近づくように、図3(a)に示されるようなスリット幅分布をもって形成された異形ダイである。このスリットの断面形状については、後述する。
ダイ12のスリット長さは、成形された溶融樹脂材料14の幅が転写型板26の幅よりも広くなるように形成され、また、このダイ12から押し出される溶融樹脂材料14が転写型板26とバック板28との間に押し出されるように配置されている。
転写型板26、26…の表面(図1では下面)には、規則的な凹凸形状が形成されている。この規則的な凹凸形状は、たとえば、図2に示される成形後の樹脂材料14の反転形状とすることができる。この図2は、成形後の樹脂材料14の端面14Aを直線上に切り取った状態の斜視図である。
すなわち、樹脂材料14の裏面は平面であり、樹脂材料14の表面に矢印に平行な直線状の凹凸パターンが形成されている。この矢印は、樹脂材料14の走行方向を示す。したがって、ダイ12の開口部(スリット)の断面形状を、端面14Aのように形成すればよく、また、各転写型板26の表面には、端面14Aの反転形状の凹凸形状を形成すればよい。
ただし、ダイ12の開口部をこのように形成しても、樹脂材料14がこの形状に倣うことは困難な場合が多く、また、樹脂材料14がこの形状に倣ったところで、樹脂材料14が高粘度の状態にあることより、ダイ12の直後で鋭角部に丸みを生じる等、この形状から外れてしまう。
図3は、成形の各段階における樹脂材料14の断面図である。このうち、(a)は、ダイ12直後の樹脂材料14の断面であり、(d)は、製品の設計形状の断面である。この中間の(b)及び(c)は、樹脂材料14が段階的に設計形状に近づいて行く過程の断面である。
したがって、ダイ12の開口部(スリット)の断面形状を、図3(a)のように形成すればよく、各転写型板26にも、図3(d)のような形状の反転形状の凹凸形状を形成すればよい。なお、(a)〜(c)における想像線(二点鎖線)は、製品の設計形状の断面を示す。
なお、樹脂材料14表面の凹凸パターン形状の詳細については後述する。
転写型板26の表面に用いられる材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料の表面にゴムライニングしたもの、これらの金属材料にHCrメッキ、Cuメッキ、Niメッキ等のメッキを施したもの、セラミックス、及び各種の複合材料が採用できる。
転写型板26の表面の凹凸パターン形成方法としては、凹凸パターン(ピッチ、深さ、等)や転写型板26の表面の材質にもよるが、一般的にはNC工作機械(マシニングセンタが代表的)による切削加工と仕上げバフ加工との組み合わせが好ましく採用できる。また、他の公知の加工方法(研削加工、超音波加工、放電加工、等)も採用できる。
転写型板26表面の表面粗さは、Raで0.5μm以下とするのが好ましく、0.2μm以下とするのがより好ましい。
転写型板26には、温度調節手段が施されている。このような温度調節手段が設けられることにより、高温状態の樹脂材料14による転写型板26の温度上昇や急激な温度低下を抑制すべく制御できる。このような温度調節手段としては、転写型板26の内部に温度調節したオイルを循環させる構成が好ましく採用できる。
バック板28は、転写型板26に対向するように搬送され、転写型板26とにより樹脂材料14とを挟圧するための板状部材である。
バック板28の表面(図1では上面)は鏡面状に加工されていることが好ましい。このような表面とすることにより、成形後の樹脂材料14の裏面を良好な状態にできる。そして、バック板28表面の表面粗さは、Raで0.5μm以下とするのが好ましく、0.2μm以下とするのがより好ましい。
なお、バック板28の裏面にパターニングを施し、樹脂材料14の表裏面にパターンを形成することもできる。このような裏面の凹凸パターン形状の例としては、特開平7−314567号公報に開示の微細パターン、プリズム形状(10〜200μmピッチ、頂角45〜100°のもの)、レンチキュラーレンズ、フレネルレンズ、シボ・エンボス(光拡散パターン)等が挙げられる。
バック板28の材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料の表面にゴムライニングしたもの、これらの金属材料にHCrメッキ、Cuメッキ、Niメッキ等のメッキを施したもの、セラミックス、及び各種の複合材料が採用できる。
バック板28には、温度調節手段が施されている。そして、バック板28の温度を最適状態に設定することにより、樹脂材料14の表面の凹凸パターン形状を良好にできる。
すなわち、バック板28の設定温度を低くし過ぎると、樹脂材料14を急冷することとなり、樹脂材料14内部に歪みを発生させるので好ましくなく、バック板28の設定温度を高くし過ぎると、樹脂材料14が転写型板26から剥離され、樹脂材料14の表面が自由表面状態となった後に凹凸パターン形状が崩れるので好ましくない。
バック板28の設定温度は、樹脂材料14の材質、樹脂材料14の溶融時(たとえば、ダイ12のスリット出口)の温度、樹脂材料14の搬送速度、転写型板26の凹凸パターン形状等によって最適な値を選択すべきである。
バック板28の温度調節手段としては、バック板28の内部に温度調節したオイルを循環させる構成が好ましく採用できる。
バック板28及び転写型板26の他の温度調節手段としては、たとえば、バック板28又は転写型板26の内部にシースヒータを埋め込む構成、バック板28の近傍に誘電加熱手段を配する構成等、公知の各種手段が採用できる。
転写型板26及びバック板28は、図示しない駆動手段により、所定の速度で図1の矢印方向に搬送されるようになっている。すなわち、転写型板26とバック板28とは、複数セット設けられており、図1に示されるように、剥離ローラ24下流側の所定位置A点より転写型板26とバック板28とで樹脂材料14を挟圧し、所定距離走行後に所定位置B点で樹脂材料14の挟圧を解除するように搬送されるようになっている。
この駆動手段としては、スプロケットに巻き掛けられて駆動されるチェーン部材で転写型板26とバック板28のそれぞれの両側面(図1では、紙面の表面側及び背面側に相当)を支持する構成、各種リンク機構を採用する構成等、公知の各種構成が採用できる。この駆動手段により、転写型板26及びバック板28は循環搬送される。
転写型板26とバック板28には、図示しない加圧手段が設けられており、転写型板26とバック板28との間の樹脂材料14を所定の圧力で挟圧できるようになっている。この加圧手段としては、転写型板26とバック板28とのそれぞれの背面(転写型板26の上面、及びバック板28の下面)に設けられ、転写型板26及びバック板28のそれぞれの背面方向の動きを規制するガイド部材が採用できる。
また、このようなガイド部材を設けるとともに、転写型板26とバック板28のうち、いずれかを上下の2部材で構成し、この上下の2部材の間にエア加圧手段を設ける構成も好ましく採用できる。
以上に説明した各転写型板26、各バック板28、及び、樹脂材料14の各箇所の表面温度がモニターできるように、表面温度測定手段(図示略)を設けることが好ましい。このような表面温度測定手段としては、赤外線温度計、放射式温度計等の公知の各種測定手段が採用できる。
このような表面温度測定手段による測定箇所としては、たとえば、ダイ12とA点との間の樹脂材料14の幅方向の複数点、各位置における転写型板26及びバック板28の裏面、B点の直後の樹脂材料14の幅方向の複数点、等が考えられる。
また、このような表面温度測定手段のモニター結果を各転写型板26及びバック板28の温度調節手段やダイ12等にフィードバックして各転写型板26及びバック板28等の温度制御に反映させることもできる。なお、表面温度測定手段を設けずに、フィードフォワード制御により運転することも可能である。
図1の樹脂シートの製造ライン10又はその下流に、樹脂材料14の張力を検出するテンション検出手段を設けたり、樹脂材料14の板厚を検出する板厚検出手段(厚さセンサ)を設けたりすることも、好ましく採用できる。また、このような検出手段による検出結果を設定値と比較し、後述するドロー制御にフィードバックすることもできる。
更に、図1の樹脂シートの製造ライン10において、冷却装置を設けることも可能である。たとえば、エアノズルを設け、各バック板28に温度及び噴出量を制御したエアを吹き付け、各バック板28の温度制御の補助としたり、エアノズルを設け、B点の下流の樹脂材料14の裏面に温度及び噴出量を制御したエアを吹き付け、樹脂材料14の温度制御の補助としたりできる。
このような冷却装置を設ける場合、冷却装置のエア温度及びエア供給量(吹き付け流量)は、樹脂材料14の材質、樹脂材料14の溶融時(たとえば、ダイ12のスリット出口)の温度、樹脂材料14の搬送速度、各転写型板26のサイズ、各転写型板26の凹凸パターン形状、各バック板28の設定温度等によって最適な値を選択すべきである。
また、図1の樹脂シートの製造ライン10の下流に徐冷ゾーン(又はアニーリングゾーン)を設けることもできる。このような徐冷ゾーンは、樹脂シートの製造ライン10の下流における樹脂材料14の急激な温度変化を防止するために設けるものである。樹脂材料14に急激な温度変化を生じた場合、たとえば、樹脂材料14の表面近傍が弾性状態になっているのに、樹脂材料14の内部が塑性状態であり、この部分の硬化による収縮で樹脂材料14の表面形状が悪化する。また、樹脂材料14の表裏面に温度差を生じ、樹脂材料14に反りを生じる不具合もある。
徐冷ゾーン(又はアニーリングゾーン)としては、水平方向のトンネル形状とし、トンネル内部に温度調節手段を設け、樹脂材料14の冷却温度プロファイルを制御できる構成が採用できる。温度調節手段としては、複数のノズルより温度制御されたエア(温風又は冷風)を樹脂材料14に向けて噴出させる構成、加熱手段(ニクロム線ヒータ、赤外線ヒータ、誘電加熱手段等)により、樹脂材料14の表裏面をそれぞれ加熱する構成等、公知の各種手段が採用できる。
図1の樹脂シートの製造ライン10の下流(徐冷ゾーンの下流)には、洗浄装置(洗浄ゾーン)、欠陥検査装置(検査ゾーン)、ラミネート装置、サイドカッター、クロスカッター、集積部が順に設けられる。
このうち、ラミネート装置は、樹脂材料14の表裏面に保護フィルム(ポリエチレン等のフィルム)を貼り付ける装置であり、サイドカッターは、樹脂材料14の幅方向両端部分(捨て部分)を切除する装置であり、クロスカッターは、樹脂材料14を所定長さに切り揃える装置である。
上記装置のうち、用途に応じて、いくつかを省略することもできる。
次に、図1に示される樹脂シートの製造ライン10による樹脂シートの製造方法について説明する。
本発明に適用される樹脂材料14としては、熱可塑性樹脂を用いることができ、たとえば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、MS樹脂、AS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー、又はこれらの共重合体、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。
ダイ12より水平方向に押し出したシート状の樹脂材料14を、ダイ12の下流側の所定位置A点より、樹脂材料14の押し出し速度と略同速度で移動する転写型板26とバック板28とで挟圧し、転写型板26表面の凹凸形状を樹脂材料14に転写し、所定距離走行後に所定位置B点で樹脂材料14の挟圧を解除する。すなわち、図1の構成では、転写型板26とバック板28の4セットにより、樹脂材料14に凹凸形状の転写が行われている。
必要に応じて、図示しない徐冷ゾーン(又はアニーリングゾーン)を通過することにより徐冷し、歪みが除去された状態で、下流の製品取り部において所定長さに切断し、樹脂シートの製品として収容する。
この樹脂シートの製造において、ダイ12よりの樹脂材料14の押し出し速度は、0.1〜50m/分、好ましくは0.3〜30m/分の値が採用できる。したがって、転写型板26とバック板28の搬送速度も略これに一致させる。
この各転写型板26(バック板28も)の搬送速度は、一定とする必要がある。すなわち、樹脂材料14を挟圧中の各転写型板26及びバック板28は、図1に示されるように、それぞれの間に隙間なく隣接して搬送されているが、もし下流の転写型板26(バック板28も)の搬送速度を上流の転写型板26(バック板28も)の搬送速度より増加させる、いわゆるドロー制御の運転方法を採用すると、それぞれの間に隙間を生じ、その部分の樹脂材料14に継ぎ目形状を生じてしまい、好ましくない。
なお、転写型板26及びバック板28の搬送方向の長さを樹脂材料14の製品長さに略一致させるのであれば、このような継ぎ目形状を生じても問題はなく、この場合には、ドロー制御の運転方法を採用することもできる。
このドロー制御の運転方法とする場合には、これら転写型板26の間のドロー値は、0〜3%とするのが好ましく、0〜1%とするのがより好ましい。
なお、転写型板26(バック板28も)の速度ムラは、設定値に対して1%以内になるように制御することが好ましい。
転写型板26とバック板28とによる樹脂材料14の挟圧力は、面圧で0〜20MPa(0〜200kgf/cm2 )とするのが好ましく、2.5〜10MPa(25〜100kgf/cm2 )とするのがより好ましい。
また、転写型板26とバック板28とによる樹脂材料14の挟圧力を、A点よりB点までの移動中に変化させることもできる。たとえば、A点よりB点行くにしたがって、徐々に挟圧力を増大させるように制御できる。
また、転写型板26とバック板28とによる樹脂材料14の挟圧力を既述の加圧手段(エア加圧手段等)により制御せずに、転写型板26とバック板28とのクリアランスを変えることにより制御することもできる。
転写型板26、及びバック板28の温度制御は、A点における転写型板26及びバック板28から、B点における転写型板26及びバック板28の順で温度を下げることができるように、個々の部材毎に設定することが好ましい。
そして、A点における樹脂材料14が樹脂の軟化点Ta以上の温度になっていることが好ましく、B点における樹脂材料14が樹脂の軟化点Ta以下の温度になっていることが好ましい。この際、樹脂材料14にポリメチルメタクリレート樹脂を採用した場合、A点における転写型板26及びバック板28の設定温度は、110〜250°Cとでき、B点における転写型板26及びバック板28の設定温度は、50〜110°Cとできる。
次に、樹脂材料14表面の凹凸パターン形状の詳細について説明する。図2は、既述したように、成形後の樹脂材料14の端面14Aを直線上に切り取った状態の斜視図である。樹脂材料14の裏面は平面である。
樹脂材料14の表面の凹凸パターン形状は、長手方向(図の矢印方向)の直線状の凹凸パターンである。このパターンは、樹脂材料14の最厚肉部14Bに形成されるV溝50と、このV溝50の両縁より樹脂材料14の最薄肉部14Cに向かって直線状に板厚が減少していくテーパ部52、52が繰り返される形状である。すなわち、V溝50の中心線に対して線対象となる、V溝50及び両側のテーパ部52、52を1単位(1ピッチ)とした連続形状である。
図2において、樹脂材料14の最薄肉部14Cの厚さは、5mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましい。樹脂材料14の最厚肉部14Bと最薄肉部14Cとの厚さの差は、1mm以上であることが好ましく、2.5mm以上であることがより好ましい。このような寸法とすることにより、各種表示装置の背面に配される導光板や各種光学素子に好適に使用できる。
成形後の樹脂材料14を導光板に使用する場合には、V溝50の内部に円柱状の冷陰極管が配され、この冷陰極管より照射される光線が、V溝50の表面より樹脂材料14の内部に入射し、テーパ部52、52で反射し、樹脂材料14の裏面より面状に照射されることとなる。
このように成形後の樹脂材料14を導光板に使用する場合には、V溝50の幅pを2mm以上にすることが好ましく、V溝50の頂角θ1を40〜80度にするのが好ましい。また、V溝50の深さΔtは1mm以上にすることが好ましく、2.5mm以上にするのがより好ましい。テーパ部52、52の傾斜角度θ2は3〜20度にするのが好ましい。また、テーパ部52、52の幅p2は5mm以上にすることが好ましく、10mm以上にするのがより好ましい。
次に、樹脂材料14表面の他の凹凸パターン形状について説明する。図4は、成形後の樹脂材料14の端面14Aを直線上に切り取った状態の斜視図である。樹脂材料14の裏面は平面である。
樹脂材料14の表面の凹凸パターン形状は、長手方向(図の矢印方向)の直線状の凹凸パターンである。この断面が鋸刃状パターンは、樹脂材料14の最厚肉部14Bと最薄肉部14Cとを繋ぐ鉛直壁54と、この鉛直壁54の上縁(最厚肉部14B)より樹脂材料14の最薄肉部14Cに向かって直線状に板厚が減少していくテーパ部56が繰り返される形状である。
図4において、樹脂材料14の最薄肉部14Cの厚さは、5mm以下であることが好ましく、2mm以上であることがより好ましい。樹脂材料14の最厚肉部14Bと最薄肉部14Cとの厚さの差は、1mm以上であることが好ましく、2.5mm以上であることがより好ましい。このような寸法とすることにより、各種表示装置の背面に配される導光板や各種光学素子に好適に使用できる。
成形後の樹脂材料14を導光板に使用する場合には、鉛直壁54の側面に円柱状の冷陰極管が配され、この冷陰極管より照射される光線が、鉛直壁54の表面(側面)より樹脂材料14の内部に入射し、テーパ部56で反射し、樹脂材料14の裏面より面状に照射されることとなる。
このように成形後の樹脂材料14を導光板に使用する場合には、テーパ部56傾斜角度θ3を3〜20度とするのが好ましい。
なお、成形後の樹脂材料14を導光板に使用する場合、これら以外の形状を採用することもできる。たとえば、図2の樹脂材料14のV溝50の断面形状はV字状となっているが、これ以外の形状、たとえば、矩形状、台形状、円弧状、放物線状等の断面形状も、光学的特性、成形性等を満足できれば採用できる。
また、転写型板26表面の凹凸形状も、図2又は図4の樹脂材料14表面の反転形状である必要はなく、樹脂材料14の収縮代等を考慮して、樹脂材料14の製品形状が図2又は図4の形状となるように、この形状よりオフセットした形状とすることもできる。
次に、本発明に係る樹脂シートの製造方法の他の実施の形態(第2実施形態)について詳説する。図5は、本発明に係る樹脂シートの製造方法が適用される、樹脂シートの製造ライン10’を示す構成図である。なお、図1に示される第1実施形態と同一、類似の部材については、同様の符号を附し、その説明を省略する。
この樹脂シートの製造ライン10’は、押出し機(図示略)によって溶融された樹脂材料14をシート状に賦形するためのシート用のダイ12と、表面に凹凸形状が形成された型ローラ16と、型ローラ16に対向配置されるニップローラ18と、型ローラ16に対向配置される剥離ローラ24と、剥離ローラ24の下流に配される複数の転写型板26、26…と、転写型板26に対向配置される複数のバック板28、28…とより構成される。
すなわち、A点以降の構成は、第1実施形態と同一である。
第1実施形態と相違する点は、ダイ12よりシート状の樹脂材料14が鉛直下方向に押し出される点、及び、A点の前段において、樹脂材料14が型ローラ16と型ローラ16に対向配置されるニップローラ18とで挟圧され、型ローラ16表面の凹凸形状が樹脂材料16に転写され、次いで、樹脂材料14が型ローラ16に対向配置される剥離ローラ24に巻き掛けられることにより型ローラ16より剥離されるように構成されている点である。
ダイ12は、姿勢が異なる点で第1実施形態と相違するが、他の構成(特に、開口部の断面形状)は第1実施形態と同一である。
型ローラ16の表面には、規則的な凹凸形状が形成されている。この規則的な凹凸形状は、たとえば、既述した図2に示される成形後の樹脂材料14の反転形状とすることができる。
型ローラ16の材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として、表面にゴムライニングしたもの、これらの金属材料にHCrメッキ、Cuメッキ、Niメッキ等のメッキを施したもの、セラミックス、及び各種の複合材料が採用できる。
型ローラ16表面の凹凸パターン形成方法としては、凹凸パターン(ピッチ、深さ、等)や型ローラ16表面の材質にもよるが、一般的にはNC旋盤による切削加工と仕上げバフ加工との組み合わせが好ましく採用できる。また、他の公知の加工方法(研削加工、超音波加工、放電加工、等)も採用できる。
型ローラ16表面の表面粗さは、Raで0.5μm以下とするのが好ましく、0.2μm以下とするのがより好ましい。
型ローラ16は、図示しない駆動手段により、所定の周速度で図5の矢印方向に回転駆動されるようになっている。また、型ローラ16には、温度調節手段が施されている。このような温度調節手段が設けられることにより、高温状態の樹脂材料14による型ローラ16の温度上昇や急激な温度低下を抑制すべく制御できる。温度調節手段の構成については後述する。
ニップローラは、型ローラ16に対向配置され、型ローラ16とにより樹脂材料14とを挟圧するためのローラである。ニップローラ18の表面は鏡面状に加工されていることが好ましい。このような表面とすることにより、成形後の樹脂材料14の裏面を良好な状態にできる。そして、ニップローラ18表面の表面粗さは、Raで0.5μm以下とするのが好ましく、0.2μm以下とするのがより好ましい。
ニップローラ18の材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として、表面にゴムライニングしたもの、これらの金属材料にHCrメッキ、Cuメッキ、Niメッキ等のメッキを施したもの、セラミックス、及び各種の複合材料が採用できる。
ニップローラ18は、図示しない駆動手段により、所定の周速度で図1の矢印方向に回転駆動されるようになっている。なお、ニップローラ18に駆動手段を設けない構成も可能であるが、樹脂材料14の裏面を良好な状態にできる点より、駆動手段を設けることが好ましい。
ニップローラ18には、図示しない加圧手段が設けられており、型ローラ16との間の樹脂材料14を所定の圧力で挟圧できるようになっている。この加圧手段は、ニップローラ18と型ローラ16との接触点における法線方向に圧力を印加する構成のもので、モータ駆動手段、エアシリンダ、油圧シリンダ等の公知の各種手段が採用できる。
ニップローラ18には、挟圧力の反力による撓みが生じにくくなるような構成を採用することもできる。このような構成としては、ニップローラ18の背面側(型ローラ16の反対側)にバックアップローラを設ける構成、クラウン形状(中高形状とする)を採用する構成、ローラの軸方向中央部の剛性が大きくなるような強度分布を付けたローラの構成、及びこれらを組み合わせた構成等が採用できる。
ニップローラ18には、温度調節手段が施されている。そして、適正値に設定することにより、樹脂材料14の表面の凹凸パターン形状を良好にできる。
すなわち、ニップローラ18の設定温度を低くし過ぎると、溶融状態にある樹脂材料14を急冷することとなり、樹脂材料14内部に歪みを発生させるので好ましくなく、ニップローラ18の設定温度を高くし過ぎると、樹脂材料14が型ローラ16から剥離され、樹脂材料14の表面が自由表面状態となった後に凹凸パターン形状が崩れるので好ましくない。
また、ニップローラ18の設定温度を低くし過ぎた状態でも、樹脂材料14の粘度が上昇して、剥離ローラ24に巻き掛けできなくなり好ましくない。温度調節手段の構成については後述する。
ニップローラ18のローラ設定温度は、樹脂材料14の材質、樹脂材料14の溶融時(たとえば、ダイ12のスリット出口)の温度、樹脂材料14の搬送速度、型ローラ16の外径、型ローラ16の凹凸パターン形状等によって最適な値を選択すべきである。
また、図5の樹脂シートの製造ライン10’において、冷却装置を設けることができ、ニップローラ18及び剥離ローラ24の温度調節手段を補助する構成ともできる。
冷却装置としてエアノズルが採用できる。たとえば、このエアノズルを、ニップローラ18と剥離ローラ24との隙間より、搬送中の樹脂材料14にエアが吹き付けられるように配したり、エアノズルを、剥離ローラ24にエアが吹き付けられるように配したりして、直接樹脂材料14の温度を制御したり、剥離ローラ24を介して樹脂材料14の温度を制御できるようしてもよい。
このような冷却装置のエア温度及びエア供給量(吹き付け流量)は、樹脂材料14の材質、樹脂材料14の溶融時(たとえば、ダイ12のスリット出口)の温度、樹脂材料14の搬送速度、型ローラ16の外径、型ローラ16の凹凸パターン形状、ニップローラ18の設定温度等によって最適な値を選択すべきである。
剥離ローラ24は、型ローラ16に対向配置され、樹脂材料14を巻き掛けることにより樹脂材料14を型ローラ16より剥離するためのローラで、型ローラ16を挟んでニップローラ18の180度下流側に配置されている。
剥離ローラ24の表面は鏡面状に加工されていることが好ましい。このような表面とすることにより、成形後の樹脂材料14の裏面を良好な状態にできる。そして、剥離ローラ24表面の表面粗さは、Raで0.5μm以下とするのが好ましく、0.2μm以下とするのがより好ましい。
剥離ローラ24の材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として、表面にゴムライニングしたもの、これらの金属材料にHCrメッキ、Cuメッキ、Niメッキ等のメッキを施したもの、セラミックス、及び各種の複合材料が採用できる。
剥離ローラ24は、図示しない駆動手段により、所定の周速度で図1の矢印方向に回転駆動されるようになっている。なお、剥離ローラ24に駆動手段を設けない構成も可能であるが、樹脂材料14の裏面を良好な状態にできる点より、駆動手段を設けることが好ましい。
剥離ローラ24には、温度調節手段が施されている。そして、適正な設定温度にすることにより、樹脂材料14の表面の凹凸パターン形状を良好にできる。
型ローラ16、ニップローラ18、及び剥離ローラ24のそれぞれのローラ温度調節手段としては、ローラ内部に温度調節したオイルを循環させる構成が好ましく採用できる。このオイルの供給と排出は、ローラの端部にロータリージョイントを設ける構成により実現できる。図5の樹脂シートの製造ライン10’においては、この温度調節手段が採用されている。
他の温度調節手段としては、たとえば、ローラの内部にシースヒータを埋め込む構成、ローラの近傍に誘電加熱手段を配する構成等、公知の各種手段が採用できる。
型ローラ16、ニップローラ18、剥離ローラ24及び転写型板26(バック板28も)に駆動手段を設ける場合に、それぞれの駆動速度を可変とする構成が好ましく採用できる。これにより、たとえば、剥離ローラ24、転写型板26(バック板28も)の順に、型ローラ16及びニップローラ18の周速より徐々に増速(せいぜい数%以内の範囲で)させる運転方法が採用できる。
以上に説明した各ローラ、及び、樹脂材料14の各箇所の表面温度がモニターできるように、既述したような表面温度測定手段(図示略)を設けることが好ましい。このような表面温度測定手段による測定箇所としては、たとえば、ダイ12と型ローラ16との間の樹脂材料14の幅方向の複数点、剥離ローラ24の直後の樹脂材料14の幅方向の複数点、等が考えられる。
また、このような表面温度測定手段のモニター結果を各ローラの温度調節手段やダイ12等にフィードバックして各ローラ等の温度制御に反映させることもできる。なお、表面温度測定手段を設けずに、フィードフォワード制御により運転することも可能である。
次に、図5に示される樹脂シートの製造ライン10’による樹脂シートの製造方法について説明する。
ダイ12より押し出したシート状の樹脂材料14を、型ローラ16と型ローラ16に対向配置されるニップローラ18とで挟圧し、型ローラ16表面の凹凸形状を樹脂材料14に転写し、樹脂材料14を型ローラ16に対向配置される剥離ローラ24に巻き掛けることにより型ローラ16より剥離する。
型ローラ16より剥離した樹脂材料14を、水平方向に搬送し、剥離ローラ24下流側の所定位置A点より、樹脂材料14の走行速度と略同速度で移動する転写型板26とバック板28とで樹脂材料14を挟圧し、転写型板26表面の凹凸形状を樹脂材料14に転写し、所定距離走行後に所定位置B点で樹脂材料14の挟圧を解除する。すなわち、図5の構成では、転写型板26とバック板28の4セットにより、樹脂材料14に凹凸形状の転写が行われている。
次いで、必要に応じて、徐冷ゾーン(又はアニーリングゾーン)を通過することにより徐冷し、歪みが除去された状態で、下流の製品取り部において所定長さに切断し、樹脂シートの製品として収容する。 この樹脂シートの製造において、ダイ12よりの樹脂材料14の押し出し速度は、0.1〜50m/分、好ましくは0.3〜30m/分の値が採用できる。したがって、型ローラ16及びニップローラ18の周速も略これに一致させる。
一方、以降の剥離ローラ24及び転写型板26(バック板28も)の駆動は、剥離ローラ24、転写型板26(バック板28も)の順に、型ローラ16及びニップローラ18の周速より徐々に増速させる、いわゆるドロー制御の運転方法とする。これら型ローラ及びニップローラの各ローラ間のドロー値は、0〜3%とするのが好ましく、0〜1%とするのがより好ましい。
なお、各ローラ及び転写型板26(バック板28も)の速度ムラは、設定値に対して1%以内になるように制御することが好ましい。
ニップローラ18及び剥離ローラ24の型ローラ16への押し付け圧は、線圧換算(ニップローラ等の弾性変形による面接触を線接触と仮定して換算した値)で、0〜200kN/m(0〜200kgf/cm)とするのが好ましく、0〜100kN/m(0〜100kgf/cm)とするのがより好ましい。
なお、樹脂材料14の製品状態での規定の厚さが得られるように、ニップロー及び剥離ローラ24の押し付け圧を適正に制御するのみならず、ニップローラ18及び剥離ローラ24と型ローラ16とのクリアランスを適正に制御することも好ましく採用できる。
以上に説明した本発明に係る樹脂シートの各製造方法によれば、成形時の幅方向の厚さ分布が大きい樹脂シートであっても、所望の断面形状を得ることができる。
以上、本発明に係る樹脂シートの製造方法の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、転写型板26及びバック板28の個数及び配置は、同様の機能が得られるのであれば、本実施形態以外の各種の態様が採り得る。
本発明が適用される樹脂シートの製造ラインの例を示す構成図 成形後の樹脂材料の端面を直線上に切り取った状態の斜視図 成形の各段階における樹脂材料の断面図 成形後の樹脂材料の端面を直線上に切り取った状態の斜視図 本発明が適用される樹脂シートの製造ラインの他の例を示す構成図 従来例の樹脂シートの製造ラインを示す構成図
符号の説明
10…樹脂シートの製造ライン、12…ダイ、14…樹脂材料、16…型ローラ、18…ニップローラ、24…剥離ローラ、26…転写型板、28…バック板

Claims (6)

  1. 開口部の断面形状が樹脂シートの所望の断面形状に近づくようにスリット幅分布をもって形成された異形ダイより押し出したシート状の樹脂材料を、
    該樹脂材料の押し出し速度と略同速度で移動する転写型板と、該転写型板に対向配置され同速度で移動するバック板とで挟圧し、
    該転写型板表面の凹凸形状を前記樹脂材料に転写することを特徴とする樹脂シートの製造方法。
  2. 前記転写型板と前記バック板とを複数セット設け、
    前記異形ダイ下流側の所定位置より前記転写型板と前記バック板とで前記樹脂材料を挟圧し、
    所定距離走行後に前記樹脂材料の挟圧を解除することを特徴とする請求項1に記載の樹脂シートの製造方法。
  3. 開口部の断面形状が樹脂シートの所望の断面形状に近づくようにスリット幅分布をもって形成された異形ダイより押し出したシート状の樹脂材料を型ローラと該型ローラに対向配置されるニップローラとで挟圧し、
    該型ローラ表面の凹凸形状を前記樹脂材料に転写し、
    転写後の前記樹脂材料を該型ローラに対向配置される剥離ローラに巻き掛けることにより該型ローラより剥離し、
    剥離後の前記樹脂材料を該樹脂材料の走行速度と略同速度で移動する転写型板と、該転写型板に対向配置され同速度で移動するバック板とで挟圧し、
    該転写型板表面の凹凸形状を前記樹脂材料に転写することを特徴とする樹脂シートの製造方法。
  4. 前記転写型板と前記バック板とを複数セット設け、
    前記剥離ローラ下流側の所定位置より前記転写型板と前記バック板とで前記樹脂材料を挟圧し、
    所定距離走行後に前記樹脂材料の挟圧を解除することを特徴とする請求項3に記載の樹脂シートの製造方法。
  5. 前記樹脂材料に転写される凹凸形状により、該樹脂材料の幅方向における最厚肉部と最薄肉部との厚さの差が1mm以上となることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂シートの製造方法。
  6. 前記樹脂材料の最薄肉部の厚さが5mm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂シートの製造方法。

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