〔ネットワークシステムおよび情報処理装置の基本的構成〕
図1は、この発明のネットワークシステムの一例を示し、ネットワーク9を介して複数の情報処理装置1、2、3、4が接続されたものである。
(情報処理装置および情報処理コントローラ)
情報処理装置1について示すと、情報処理装置1は、コンピュータ機能部として情報処理コントローラ11を備える。情報処理コントローラ11は、メインプロセッサ21−1、サブプロセッサ23−1,23−2,23−3、DMAC(ダイレクトメモリアクセスコントローラ)25−1およびDC(ディスクコントローラ)27−1を有する。
メインプロセッサ21−1は、サブプロセッサ23−1,23−2,23−3によるプログラム実行(データ処理)のスケジュール管理と、情報処理コントローラ11(情報処理装置1)の全般的な管理とを行う。ただし、メインプロセッサ21−1内で管理のためのプログラム以外のプログラムが動作するように構成することもできる。その場合には、メインプロセッサ21−1はサブプロセッサとしても機能することになる。メインプロセッサ21−1は、LS(ローカルストレージ)22−1を有する。
サブプロセッサは、1つでもよいが、望ましくは複数とする。この例は、複数の場合である。
各サブプロセッサ23−1,23−2,23−3は、メインプロセッサ21−1の制御によって並列的かつ独立に、プログラムを実行し、データを処理する。さらに、場合によってメインプロセッサ21−1内のプログラムがサブプロセッサ23−1,23−2,23−3内のプログラムと連携して動作するように構成することもできる。後述する機能プログラムもメインプロセッサ21−1内で動作するプログラムである。各サブプロセッサ23−1,23−2,23−3も、LS(ローカルストレージ)24−1,24−2,24−3を有する。
DMAC25−1は、情報処理コントローラ11に接続されたDRAM(ダイナミックRAM)などからなるメインメモリ26−1に格納されているプログラムおよびデータにアクセスするものであり、DC27−1は、情報処理コントローラ11に接続された外部記録部28−1,28−2にアクセスするものである。
外部記録部28−1,28−2は、固定ディスク(ハードディスク)でも、リムーバブルディスクでもよく、また、MO,CD±RW,DVD±RWなどの光ディスク、メモリディスク、SRAM(スタティックRAM)、ROMなど、各種のものを用いることができる。したがって、DC27−1は、ディスクコントローラと称するが、外部記録部コントローラである。
図1の例のように、情報処理コントローラ11に対して外部記録部28を複数接続できるように、情報処理コントローラ11を構成することができる。
メインプロセッサ21−1、各サブプロセッサ23−1,23−2,23−3、DMAC25−1およびDC27−1は、バス29−1によって接続される。
情報処理コントローラ11には、当該の情報処理コントローラ11を備える情報処理装置1をネットワーク全体を通して一意的に識別できる識別子が、情報処理装置IDとして割り当てられる。
メインプロセッサ21−1および各サブプロセッサ23−1,23−2,23−3に対しても同様に、それぞれを特定できる識別子が、メインプロセッサIDおよびサブプロセッサIDとして割り当てられる。
情報処理コントローラ11は、ワンチップIC(集積回路)として構成することが望ましい。
他の情報処理装置2、3、4も、同様に構成される。ここで、親番号が同一であるユニットは枝番号が異なっていても、特に断りがない限り同じ働きをするものとする。また、以下の説明において枝番号が省略されている場合には、枝番号の違いにいる差異を生じないものとする。
(各サブプロセッサからメインメモリへのアクセス)
上述したように、1つの情報処理コントローラ内の各サブプロセッサ23は、独立にプログラムを実行し、データを処理するが、異なるサブプロセッサがメインメモリ26内の同一領域に対して同時に読み出しまたは書き込みを行った場合には、データの不整合を生じ得る。そこで、サブプロセッサ23からメインメモリ26へのアクセスは、以下のような手順によって行う。
図2(A)に示すように、メインメモリ26は、複数のアドレスを指定できるメモリロケーションによって構成される。各メモリロケーションに対しては、データの状態を示す情報を格納するための追加セグメントが割り振られる。追加セグメントは、F/Eビット、サブプロセッサIDおよびLSアドレス(ローカルストレージアドレス)を含むものとされる。また、各メモリロケーションには、後述のアクセスキーも割り振られる。F/Eビットは、以下のように定義される。
F/Eビット=0は、サブプロセッサ23によって読み出されている処理中のデータ、または空き状態であるため最新データではない無効データであり、読み出し不可であることを示す。また、F/Eビット=0は、当該メモリロケーションにデータ書き込み可能であることを示し、書き込み後に1に設定される。
F/Eビット=1は、当該メモリロケーションのデータがサブプロセッサ23によって読み出されておらず、未処理の最新データであることを示す。当該メモリロケーションのデータは読み出し可能であり、サブプロセッサ23によって読み出された後に0に設定される。また、F/Eビット=1は、当該メモリロケーションがデータ書き込み不可であることを示す。
さらに、上記F/Eビット=0(読み出し不可/書き込み可)の状態において、当該メモリロケーションについて読み出し予約を設定することは可能である。F/Eビット=0のメモリロケーションに対して読み出し予約を行う場合には、サブプロセッサ23は、読み出し予約を行うメモリロケーションの追加セグメントに、読み出し予約情報として当該サブプロセッサ23のサブプロセッサIDおよびLSアドレスを書き込む。
その後、データ書き込み側のサブプロセッサ23によって、読み出し予約されたメモリロケーションにデータが書き込まれ、F/Eビット=1(読み出し可/書き込み不可)に設定されたとき、あらかじめ読み出し予約情報として追加セグメントに書き込まれたサブプロセッサIDおよびLSアドレスに読み出される。
複数のサブプロセッサによってデータを多段階に処理する必要がある場合、このように各メモリロケーションのデータの読み出し/書き込みを制御することによって、前段階の処理を行うサブプロセッサ23が、処理済みのデータをメインメモリ26上の所定のアドレスに書き込んだ後に即座に、後段階の処理を行う別のサブプロセッサ23が前処理後のデータを読み出すことが可能となる。
図2(B)に示すように、各サブプロセッサ23内のLS24も、複数のアドレスを指定できるメモリロケーションによって構成される。各メモリロケーションに対しては、同様に追加セグメントが割り振られる。追加セグメントは、ビジービットを含むものとされる。
サブプロセッサ23がメインメモリ26内のデータを自身のLS24のメモリロケーションに読み出すときには、対応するビジービットを1に設定して予約する。ビジービットが1であるメモリロケーションには、他のデータは格納することができない。LS24のメモリロケーションに読み出し後、ビジービットは0になり、任意の目的に使用できるようになる。
図2(A)に示すように、さらに、各情報処理コントローラと接続されたメインメモリ26には、複数のサンドボックスが含まれる。サンドボックスは、メインメモリ26内の領域を画定するものであり、各サンドボックスは、各サブプロセッサ23に割り当てられ、そのサブプロセッサが排他的に使用することができる。すなわち、各々のサブプロセッサ23は、自身に割り当てられたサンドボックスを使用できるが、この領域を超えてデータのアクセスを行うことはできない。
メインメモリ26は、複数のメモリロケーションから構成されるが、サンドボックスは、これらのメモリロケーションの集合である。
さらに、メインメモリ26の排他的な制御を実現するために、図2(C)に示すようなキー管理テーブルが用いられる。キー管理テーブルは、情報処理コントローラ内のSRAMのような比較的高速のメモリに格納され、DMAC25と関連付けられる。キー管理テーブル内の各エントリには、サブプロセッサID、サブプロセッサキーおよびキーマスクが含まれる。
サブプロセッサ23がメインメモリ26を使用する際のプロセスは、以下のとおりである。まず、サブプロセッサ23はDMAC25に、読み出しまたは書き込みのコマンドを出力する。このコマンドには、自身のサブプロセッサIDと、使用要求先であるメインメモリ26のアドレスが含まれる。
DMAC25は、このコマンドを実行する前に、キー管理テーブルを参照して、使用要求元のサブプロセッサのサブプロセッサキーを調べる。次に、DMAC25は、調べた使用要求元のサブプロセッサキーと、使用要求先であるメインメモリ26内の図2(A)に示したメモリロケーションに割り振られたアクセスキーとを比較して、2つのキーが一致した場合にのみ、上記のコマンドを実行する。
図2(C)に示したキー管理テーブル上のキーマスクは、その任意のビットが1になることによって、そのキーマスクに関連付けられたサブプロセッサキーの対応するビットが0または1になることができる。
例えば、サブプロセッサキーが1010であるとする。通常、このサブプロセッサキーによって1010のアクセスキーを持つサンドボックスへのアクセスだけが可能になる。しかし、このサブプロセッサキーと関連付けられたキーマスクが0001に設定されている場合には、キーマスクのビットが1に設定された桁のみにつき、サブプロセッサキーとアクセスキーとの一致判定がマスクされ、このサブプロセッサキー1010によってアクセスキーが1010または1011のいずれかであるアクセスキーを持つサンドボックスへのアクセスが可能となる。
以上のようにして、メインメモリ26のサンドボックスの排他性が実現される。すなわち、1つの情報処理コントローラ内の複数のサブプロセッサによってデータを多段階に処理する必要がある場合、以上のように構成することによって、前段階の処理を行うサブプロセッサと、後段階の処理を行うサブプロセッサのみが、メインメモリ26の所定アドレスにアクセスできるようになり、データを保護することができる。
例えば、以下のように使用することが考えられる。まず、情報処理装置の起動直後においては、キーマスクの値は全てゼロである。メインプロセッサ内のプログラムが実行され、サブプロセッサ内のプログラムと連携動作するものとする。第1のサブプロセッサにより出力された処理結果データを一旦メインメモリに格納し、第2のサブプロセッサに入力したいときには、該当するメインメモリ領域は、当然どちらのサブプロセッサからもアクセス可能である必要がある。そのような場合に、メインプロセッサ内のプログラムは、キーマスクの値を適切に変更し、複数のサブプロセッサからアクセスできるメインメモリ領域を設けることにより、サブプロセッサによる多段階的の処理を可能にする。
より具体的には、他の情報処理装置からのデータ→第1のサブプロセッサによる処理→第1のメインメモリ領域→第2のサブプロセッサによる処理→第2のメインメモリ領域、という手順で多段階処理が行われるときには、
第1のサブプロセッサのサブプロセッサキー:0100、
第1のメインメモリ領域のアクセスキー :0100、
第2のサブプロセッサのサブプロセッサキー:0101、
第2のメインメモリ領域のアクセスキー :0101
のような設定のままだと、第2のサブプロセッサは第1のメインメモリ領域にアクセスすることができない。そこで、第2のサブプロセッサのキーマスクを0001にすることにより、第2のサブプロセッサによる第1のメインメモリ領域へのアクセスを可能にすることができる。
(ソフトウェアセルの生成および構成)
図1のネットワークシステムでは、情報処理装置1、2、3、4間での分散処理のために、情報処理装置1、2、3、4間でソフトウェアセルが伝送される。すなわち、ある情報処理装置内の情報処理コントローラに含まれるメインプロセッサ21は、コマンド、プログラムおよびデータを含むソフトウェアセルを生成し、ネットワーク9を介して他の情報処理装置に送信することによって、処理を分散することができる。
図3に、ソフトウェアセルの構成の一例を示す。この例のソフトウェアセルは、全体として、送信元ID、送信先ID、応答先ID、セルインターフェース、DMAコマンド、プログラム、およびデータによって構成される。
送信元IDには、ソフトウェアセルの送信元である情報処理装置のネットワークアドレスおよび当該装置内の情報処理コントローラの情報処理装置ID、さらに、その情報処理装置内の情報処理コントローラが備えるメインプロセッサ21および各サブプロセッサ23の識別子(メインプロセッサIDおよびサブプロセッサID)が含まれる。
送信先IDおよび応答先IDには、それぞれ、ソフトウェアセルの送信先である情報処理装置、およびソフトウェアセルの実行結果の応答先である情報処理装置についての、同じ情報が含まれる。
セルインターフェースは、ソフトウェアセルの利用に必要な情報であり、グローバルID、必要なサブプロセッサの情報、サンドボックスサイズ、および前回のソフトウェアセルIDから構成される。
グローバルIDは、ネットワーク全体を通して当該のソフトウェアセルを一意的に識別できるものであり、送信元ID、およびソフトウェアセルの作成または送信の日時(日付および時刻)に基づいて作成される。
必要なサブプロセッサの情報は、当該ソフトウェアセルの実行に必要なサブプロセッサの数が設定される。サンドボックスサイズは、当該ソフトウェアセルの実行に必要なメインメモリ26内およびサブプロセッサ23のLS24内のメモリ量が設定される。
前回のソフトウェアセルIDは、ストリーミングデータなどのシーケンシャルな実行を要求する1グループのソフトウェアセル内の、前回のソフトウェアセルの識別子である。
ソフトウェアセルの実行セクションは、DMAコマンド、プログラムおよびデータから構成される。DMAコマンドには、プログラムの起動に必要な一連のDMAコマンドが含まれ、プログラムには、サブプロセッサ23によって実行されるサブプロセッサプログラムが含まれる。ここでのデータは、このサブプロセッサプログラムを含むプログラムによって処理されるデータである。
さらに、DMAコマンドには、ロードコマンド、キックコマンド、機能プログラム実行コマンド、ステータス要求コマンド、およびステータス返信コマンドが含まれる。
ロードコマンドは、メインメモリ26内の情報をサブプロセッサ23内のLS24にロードするコマンドであり、ロードコマンド自体のほかに、メインメモリアドレス、サブプロセッサIDおよびLSアドレスを含む。メインメモリアドレスは、情報のロード元であるメインメモリ26内の所定領域のアドレスを示す。サブプロセッサIDおよびLSアドレスは、情報のロード先であるサブプロセッサ23の識別子およびLS24のアドレスを示す。
キックコマンドは、プログラムの実行を開始するコマンドであり、キックコマンド自体のほかに、サブプロセッサIDおよびプログラムカウンタを含む。サブプロセッサIDは、キック対象のサブプロセッサ23を識別し、プログラムカウンタは、プログラム実行用プログラムカウンタのためのアドレスを与える。
機能プログラム実行コマンドは、後述のように、ある情報処理装置が他の情報処理装置に対して、機能プログラムの実行を要求するコマンドである。機能プログラム実行コマンドを受信した情報処理装置内の情報処理コントローラは、後述の機能プログラムIDによって、起動すべき機能プログラムを識別する。機能プログラムについては後述されているが、図6に示される情報処理装置のメインメモリが記憶するソフトウェアの構成図において、機能プログラムのカテゴリに属するプログラムである。機能プログラムはメインメモリにロードされ、メインプロセッサにより実行される。
ステータス要求コマンドは、送信先IDで示される情報処理装置の現在の動作状態(状況)に関する装置情報を、応答先IDで示される情報処理装置宛に送信要求するコマンドである。機能プログラムについては後述するが、図6に示す情報処理コントローラのメインメモリ26が記憶するソフトウェアの構成図において機能プログラムにカテゴライズされるプログラムである。機能プログラムは、メインメモリ26にロードされ、メインプロセッサ21により実行される。
ステータス返信コマンドは、上記のステータス要求コマンドを受信した情報処理装置が、自身の装置情報を当該ステータス要求コマンドに含まれる応答先IDで示される情報処理装置に応答するコマンドである。ステータス返信コマンドは、実行セクションのデータ領域に装置情報を格納する。
図4に、DMAコマンドがステータス返信コマンドである場合におけるソフトウェアセルのデータ領域の構造を示す。
情報処理装置IDは、情報処理コントローラを備える情報処理装置を識別するための識別子であり、ステータス返信コマンドを送信する情報処理装置のIDを示す。情報処理装置IDは、電源投入時、その情報処理装置内の情報処理コントローラに含まれるメインプロセッサ21によって、電源投入時の日時、情報処理装置のネットワークアドレスおよび情報処理装置内の情報処理コントローラに含まれるサブプロセッサ23の数などに基づいて生成される。
情報処理装置種別IDには、当該の情報処理装置の特徴を表す値が含まれる。情報処理装置の特徴とは、例えば、ハードディスクレコーダ、PDA(Personal Digital Assistants)、ポータブルCD(Compact Disc)プレーヤ、PC(Personal Computer)などである。また、情報処理装置種別IDは、映像音声記録、映像音声再生など、情報処理装置の機能を表すものであってもよい。情報処理装置の特徴や機能を表す値は予め決定されているものとし、情報処理装置種別IDを読み出すことにより、当該情報処理装置の特徴や機能を把握することが可能である。
MS(マスター/スレーブ)ステータスは、後述のように情報処理装置がマスター装置またはスレーブ装置のいずれで動作しているかを表すもので、これが0に設定されている場合にはマスター装置として動作していることを示し、1に設定されている場合にはスレーブ装置として動作していることを示す。
メインプロセッサ動作周波数は、情報処理コントローラ内のメインプロセッサ21の動作周波数を表す。メインプロセッサ使用率は、メインプロセッサ21で現在動作している全てのプログラムについての、メインプロセッサ21での使用率を表す。メインプロセッサ使用率は、対象メインプロセッサの全処理能力に対する使用中の処理能力の比率を表した値で、例えばプロセッサ処理能力評価のための単位であるMIPSを単位として算出され、または単位時間あたりのプロセッサ使用時間に基づいて算出される。後述のサブプロセッサ使用率についても同様である。
サブプロセッサ数は、当該の情報処理コントローラが備えるサブプロセッサ23の数を表す。サブプロセッサIDは、当該の情報処理コントローラ内の各サブプロセッサ23を識別するための識別子である。
サブプロセッサステータスは、各サブプロセッサ23の状態を表すものであり、unused,reserved,busyなどの状態がある。unusedは、当該のサブプロセッサが現在使用されてなく、使用の予約もされていないことを示す。reservedは、現在は使用されていないが、予約されている状態を示す。busyは、現在使用中であることを示す。
サブプロセッサ使用率は、当該のサブプロセッサで現在実行している、または当該のサブプロセッサに実行が予約されているプログラムについての、当該サブプロセッサでの使用率を表す。すなわち、サブプロセッサ使用率は、サブプロセッサステータスがbusyである場合には、現在の使用率を示し、サブプロセッサステータスがreservedである場合には、後に使用される予定の推定使用率を示す。
サブプロセッサID、サブプロセッサステータスおよびサブプロセッサ使用率は、1つのサブプロセッサ23に対して一組設定され、1つの情報処理コントローラ内のサブプロセッサ23に対応する組数が設定される。
メインメモリ総容量およびメインメモリ使用量は、それぞれ、当該の情報処理コントローラに接続されているメインメモリ26の総容量および現在使用中の容量を表す。
外部記録部数は、当該の情報処理コントローラに接続されている外部記録部28の数を表す。外部記録部IDは、当該の情報処理コントローラに接続されている外部記録部28を一意的に識別する情報である。外部記録部種別IDは、当該の外部記録部の種類(例えば、ハードディスク、CD±RW、DVD±RW、メモリディスク、SRAM、ROMなど)を表す。
外部記録部総容量および外部記録部使用量は、それぞれ、外部記録部IDによって識別される外部記録部28の総容量および現在使用中の容量を表す。
外部記録部ID、外部記録部種別ID、外部記録部総容量および外部記録部使用量は、1つの外部記録部28に対して一組設定されるものであり、当該の情報処理コントローラに接続されている外部記録部28の数の組数だけ設定される。すなわち、1つの情報処理コントローラに複数の外部記録部が接続されている場合、各々の外部記録部には異なる外部記録部IDが割り当てられ、外部記録部種別ID、外部記録部総容量および外部記録部使用量も別々に管理される。
地域IDは、放送局の放送番組が地域によって異なることを前提として、情報処理装置が所在する地域を識別するための番号である。
(ソフトウェアセルの実行)
ある情報処理装置内の情報処理コントローラに含まれるメインプロセッサ21は、以上のような構成のソフトウェアセルを生成し、ネットワーク9を介して他の情報処理装置および当該装置内の情報処理コントローラに送信する。送信元の情報処理装置、送信先の情報処理装置、応答先の情報処理装置、および各装置内の情報処理コントローラは、それぞれ、上記の送信元ID、送信先IDおよび応答先IDによって識別される。
ソフトウェアセルを受信した情報処理装置内の情報処理コントローラに含まれるメインプロセッサ21は、そのソフトウェアセルをメインメモリ26に格納する。さらに、送信先のメインプロセッサ21は、ソフトウェアセルを読み出し、それに含まれるDMAコマンドを処理する。
具体的に、送信先のメインプロセッサ21は、まず、ロードコマンドを実行する。これによって、ロードコマンドで指示されたメインメモリアドレスから、ロードコマンドに含まれるサブプロセッサIDおよびLSアドレスで特定されるサブプロセッサ内のLS24の所定領域に、情報がロードされる。ここでロードされる情報は、受信したソフトウェアセルに含まれるサブプロセッサプログラムまたはデータ、あるいはその他の指示されたデータである。
次に、メインプロセッサ21は、キックコマンドを、これに含まれるサブプロセッサIDで指示されたサブプロセッサに、同様にキックコマンドに含まれるプログラムカウンタと共に出力する。
指示されたサブプロセッサは、そのキックコマンドおよびプログラムカウンタに従って、サブプロセッサプログラムを実行する。そして、実行結果をメインメモリ26に格納した後、実行を完了したことをメインプロセッサ21に通知する。
なお、送信先の情報処理装置内の情報処理コントローラにおいてソフトウェアセルを実行するプロセッサはサブプロセッサ23に限定されるものではなく、メインプロセッサ21がソフトウェアセルに含まれる機能プログラムなどのメインメモリ用プログラムを実行するように指定することも可能である。
この場合には、送信元の情報処理装置は、送信先の情報処理装置宛に、サブプロセッサプログラムの代わりに、メインメモリ用プログラムおよびそのメインメモリ用プログラムによって処理されるデータを含み、DMAコマンドがロードコマンドであるソフトウェアセルを送信し、メインメモリ26にメインメモリ用プログラムおよびそれによって処理されるデータを記憶させる。次に、送信元の情報処理装置は、送信先の情報処理装置宛に、送信先の情報処理装置内の情報処理コントローラについてのメインプロセッサID、メインメモリアドレス、メインメモリ用プログラムを識別するための後述の機能プログラムIDなどの識別子、およびプログラムカウンタを含み、DMAコマンドがキックコマンドまたは機能プログラム実行コマンドであるソフトウェアセルを送信して、メインプロセッサ21に当該メインメモリ用プログラムを実行させる。
以上のように、この発明のネットワークシステムでは、送信元の情報処理装置は、サブプロセッサプログラムまたはメインメモリ用プログラムをソフトウェアセルによって送信先の情報処理装置に送信するとともに、当該サブプロセッサプログラムを送信先の情報処理装置内の情報処理コントローラに含まれるサブプロセッサ23にロードさせ、当該サブプロセッサプログラムまたは当該メインメモリ用プログラムを送信先の情報処理装置に実行させることができる。
送信先の情報処理装置内の情報処理コントローラでは、受信したソフトウェアセルに含まれるプログラムがサブプロセッサプログラムである場合には、当該サブプロセッサプログラムを指定されたサブプロセッサにロードさせる。そして、ソフトウェアセルに含まれるサブプロセッサプログラムまたはメインメモリ用プログラムを実行させる。
したがって、ユーザが送信先の情報処理装置を操作しなくても自動的に、当該サブプロセッサプログラムまたは当該メインメモリ用プログラムを送信先の情報処理装置内の情報処理コントローラに実行させることができる。
このようにして情報処理装置は、自装置内の情報処理コントローラがサブプロセッサプログラムまたは機能プログラムなどのメインメモリ用プログラムを有していない場合には、ネットワークに接続された他の情報処理装置からそれらを取得することができる。さらに、各サブプロセッサ間ではDMA方式によりデータ転送を行い、また上述したサンドボックスを使用することによって、1つの情報処理コントローラ内でデータを多段階に処理する必要がある場合でも、高速かつ高セキュリティに処理を実行することができる。
〔ネットワークシステムとしての分散処理〕
ソフトウェアセルの使用による分散処理の結果、図5の上段に示すようにネットワーク9に接続されている複数の情報処理装置1、2、3、4は、図5の下段に示すように、仮想的な1台の情報処理装置7として動作する。ただし、そのためには、以下のような構成によって、以下のような処理が実行される必要がある。
(システムのソフトウェア構成とプログラムのロード)
図6に、個々の情報処理コントローラのメインメモリ26が記憶するソフトウェアの構成を示す。これらのソフトウェア(プログラム)は、情報処理装置に電源が投入される前においては、当該の情報処理コントローラに接続される外部記録部28に記録されているものである。
各プログラムは、機能または特徴によって、制御プログラム、機能プログラムおよびデバイスドライバにカテゴライズされる。
制御プログラムは、各情報処理コントローラが同じものを備え、各情報処理コントローラのメインプロセッサ21が実行するもので、後述のMS(マスター/スレーブ)マネージャおよび能力交換プログラムを含む。
機能プログラムは、メインプロセッサ21が実行するもので、記録用、再生用、素材検索用など、情報処理コントローラごとに情報処理装置に応じたものが備えられる。
デバイスドライバは、情報処理コントローラ(情報処理装置)の入出力(送受信)用で、放送受信、モニタ出力、ビットストリーム入出力、ネットワーク入出力など、情報処理コントローラごとに情報処理装置に応じたものが備えられる。
ケーブルの差し込みなどによって情報処理装置が物理的にネットワーク9に接続された状態で、情報処理装置に主電源が投入され、情報処理装置が電気的・機能的にもネットワーク9に接続されると、その情報処理装置の情報処理コントローラのメインプロセッサ21は、制御プログラムに属する各プログラム、およびデバイスドライバに属する各プログラムを、メインメモリ26にロードする。
ロード手順としては、メインプロセッサ21は、まず、DC27に読み出し命令を実行させることによって、外部記録部28からプログラムを読み出し、次に、DMAC25に書き込み命令を実行させることによって、そのプログラムをメインメモリ26に書き込む。
機能プログラムに属する各プログラムについては、必要なときに必要なプログラムだけをロードするように構成してもよく、または、他のカテゴリに属するプログラムと同様に、主電源投入直後に各プログラムをロードするように構成してもよい。
ここで、機能プログラムに属する各プログラムは、ネットワークに接続された全ての情報処理装置の外部記録部28に記録されている必要はなく、いずれか1つの情報処理装置の外部記録部28に記録されていれば、前述の方法によって他の情報処理装置からロードすることができるので、結果的に図5の下段に示すように、仮想的な1台の情報処理装置7として機能プログラムを実行することができる。
ここで前述したようにメインプロセッサ21によって処理される機能プログラムは、サブプロセッサ23によって処理されるサブプロセッサプログラムと連携動作する場合がある。そこでメインプロセッサ21が外部記録部28から機能プログラムを読み出し、メインメモリ26に書き込む際に対象となる機能プログラムと連携動作するサブプロセッサプログラムが存在する場合には、当該サブプロセッサプログラムも併せて同じメインメモリ26に書き込むものとする。この場合、連携動作するサブプロセッサプログラムは1個である場合もあるし、複数個であることもあり得る。複数個である場合には、全ての連携動作するサブプロセッサプログラムをメインメモリ26に書き込むことになる。メインメモリ26に書き込まれたサブプロセッサプログラムはその後、サブプロセッサ23内のLS24に書き込まれ、メインプロセッサ21によって処理される機能プログラムと連携動作する。
図3のソフトウェアセルに示したように、機能プログラムには、プログラムごとにプログラムを一意的に識別できる識別子が、機能プログラムIDとして割り当てられる。機能プログラムIDは、機能プログラムの作成の段階で、作成日時や情報処理装置IDなどから決定される。
そしてサブプロセッサプログラムにもサブプロセッサプログラムIDが割り当てられ、これによりサブプロセッサプログラムを一意的に識別可能である。割り当てられるサブプロセッサプログラムIDは、連携動作する相手となる機能プログラムの機能プログラムIDと関連性のある識別子、例えば機能プログラムIDを親番号とした上で最後尾に枝番号を付加させたもの等であることもあり得るし、連携動作する相手となる機能プログラムの機能プログラムIDとは関連性のない識別子であってもよい。いずれにしても機能プログラムとサブプロセッサプログラムが連携動作する場合には、両者とも相手の識別子であるプログラムIDを自プログラム内に互いに記憶しておく必要がある。機能プログラムが複数個のサブプロセッサプログラムと連携動作する場合にも、当該機能プログラムは複数個ある全てのサブプロセッサプログラムのサブプロセッサプログラムIDを記憶しておくことになる。
メインプロセッサ21は、自身が動作する情報処理装置の装置情報(動作状態に関する情報)を格納するための領域をメインメモリ26に確保し、当該情報を自装置の装置情報テーブルとして記録する。ここでの装置情報は、図4に示した情報処理装置ID以下の各情報である。
(システムにおけるマスター/スレーブの決定)
上述したネットワークシステムでは、ある情報処理装置への主電源投入時、その情報処理装置の情報処理コントローラのメインプロセッサ21は、マスター/スレーブマネージャ(以下、MSマネージャ)をメインメモリ26にロードし、実行する。
MSマネージャは、自身が動作する情報処理装置がネットワーク9に接続されていることを検知すると、同じネットワーク9に接続されている他の情報処理装置の存在を確認する。ここでの「接続」または「存在」は、上述したように、情報処理装置が物理的にネットワーク9に接続されているだけでなく、電気的・機能的にもネットワーク9に接続されていることを示す。
また、自身が動作する情報処理装置を自装置、他の情報処理装置を他装置と称する。当該装置も、当該情報処理装置を示すものとする。
MSマネージャが同じネットワーク9に接続されている他の情報処理装置の存在を確認する方法を以下に示す。
MSマネージャは、DMAコマンドがステータス要求コマンドであり、送信元IDおよび応答先IDが当該情報処理装置で、送信先IDを特定しないソフトウェアセルを生成して、当該情報処理装置が接続されたネットワーク上に送信して、ネットワーク接続確認用のタイマーを設定する。タイマーのタイムアウト時間は、例えば10分とされる。
当該ネットワークシステム上に他の情報処理装置が接続されている場合、その他装置は、上記ステータス要求コマンドのソフトウェアセルを受信し、上記応答先IDで特定されるステータス要求コマンドを発行した情報処理装置に対して、DMAコマンドがステータス返信コマンドで、かつデータとして自身(その他装置)の装置情報を含むソフトウェアセルを送信する。このステータス返信コマンドのソフトウェアセルには、少なくとも当該他装置を特定する情報(情報処理装置ID、メインプロセッサに関する情報、サブプロセッサに関する情報など)および当該他装置のMSステータスが含まれる。
ステータス要求コマンドを発行した情報処理装置のMSマネージャは、上記ネットワーク接続確認用のタイマーがタイムアウトするまで、当該ネットワーク上の他装置から送信されるステータス返信コマンドのソフトウェアセルの受信を監視する。その結果、MSステータス=0(マスター装置)を示すステータス返信コマンドが受信された場合には、自装置の装置情報テーブルにおけるMSステータスを1に設定する。これによって、当該装置は、スレーブ装置となる。
一方、上記ネットワーク接続確認用のタイマーがタイムアウトするまでの間にステータス返信コマンドが全く受信されなかった場合、またはMSステータス=0(マスター装置)を示すステータス返信コマンドが受信されなかった場合には、自装置の装置情報テーブルにおけるMSステータスを0に設定する。これによって、当該装置は、マスター装置となる。
すなわち、いずれの装置もネットワーク9に接続されていない状態、またはネットワーク9上にマスター装置が存在しない状態において、新たな情報処理装置がネットワーク9に接続されると、当該装置は自動的にマスター装置として設定される。一方、ネットワーク9上に既にマスター装置が存在する状態において、新たな情報処理装置がネットワーク9に接続されると、当該装置は自動的にスレーブ装置として設定される。
マスター装置およびスレーブ装置のいずれについても、MSマネージャは、定期的にステータス要求コマンドをネットワーク9上の他装置に送信してステータス情報を照会することにより、他装置の状況を監視する。その結果、ネットワーク9に接続されている情報処理装置の主電源が遮断され、またはネットワーク9から情報処理装置が切り離されることにより、あらかじめ判定用に設定された所定期間内に特定の他装置からステータス返信コマンドが返信されなかった場合や、ネットワーク9に新たな情報処理装置が接続された場合など、ネットワーク9の接続状態に変化があった場合には、その情報を後述の能力交換プログラムに通知する。
(マスター装置およびスレーブ装置における装置情報の取得)
メインプロセッサ21は、MSマネージャから、ネットワーク9上の他装置の照会および自装置のMSステータスの設定完了の通知を受けると、能力交換プログラムを実行する。
能力交換プログラムは、自装置がマスター装置である場合には、ネットワーク9に接続されている全ての他装置の装置情報、すなわち各スレーブ装置の装置情報を取得する。
他装置の装置情報の取得は、上述したように、DMAコマンドがステータス要求コマンドであるソフトウェアセルを生成して他装置に送信し、その後、DMAコマンドがステータス返信コマンドで、かつデータとして他装置の装置情報を含むソフトウェアセルを他装置から受信することによって可能である。
能力交換プログラムは、マスター装置である自装置の装置情報テーブルと同様に、ネットワーク9に接続されている全ての他装置(各スレーブ装置)の装置情報を格納するための領域を自装置のメインメモリ26に確保し、これら情報を他装置(スレーブ装置)の装置情報テーブルとして記録する。
すなわち、マスター装置のメインメモリ26には、自装置を含むネットワーク9に接続されている全ての情報処理装置の装置情報が、装置情報テーブルとして記録される。
一方、能力交換プログラムは、自装置がスレーブ装置である場合には、ネットワーク9に接続されている全ての他装置の装置情報、すなわちマスター装置および自装置以外の各スレーブ装置の装置情報を取得し、これら装置情報に含まれる情報処理装置IDおよびMSステータスを、自装置のメインメモリ26に記録する。
すなわち、スレーブ装置のメインメモリ26には、自装置の装置情報が、装置情報テーブルとして記録されるとともに、自装置以外のネットワーク9に接続されているマスター装置および各スレーブ装置についての情報処理装置IDおよびMSステータスが、別の装置情報テーブルとして記録される。
また、マスター装置およびスレーブ装置のいずれについても、能力交換プログラムは、上記のようにMSマネージャから、新たにネットワーク9に情報処理装置が接続されたことが通知されたときには、その情報処理装置の装置情報を取得し、上述したようにメインメモリ26に記録する。
なお、MSマネージャおよび能力交換プログラムは、メインプロセッサ21で実行されることに限らず、いずれかのサブプロセッサ23で実行されてもよい。また、MSマネージャおよび能力交換プログラムは、情報処理装置の主電源が投入されている間は常時動作する常駐プログラムであることが望ましい。
(情報処理装置がネットワークから切断された場合)
マスター装置およびスレーブ装置のいずれについても、能力交換プログラムは、上記のようにMSマネージャから、ネットワーク9に接続されている情報処理装置の主電源が遮断され、またはネットワーク9から情報処理装置が切り離されたことが通知されたときには、その情報処理装置の装置情報テーブルを自装置のメインメモリ26から削除する。
さらに、このようにネットワーク9から切断された情報処理装置がマスター装置である場合には、以下のような方法によって、新たにマスター装置が決定される。
具体的に、例えば、ネットワーク9から切断されていない情報処理装置は、それぞれ、自装置および他装置の情報処理装置IDを数値に置き換えて、自装置の情報処理装置IDを他装置の情報処理装置IDと比較し、自装置の情報処理装置IDがネットワーク9から切断されていない情報処理装置中で最小である場合、そのスレーブ装置は、マスター装置に移行して、MSステータスを0に設定し、マスター装置として、上述したように、ネットワーク9に接続されている全ての他装置(各スレーブ装置)の装置情報を取得して、メインメモリ26に記録する。
(装置情報に基づく分散処理)
図5の下段に示したようにネットワーク9に接続されている複数の情報処理装置1、2、3、4を仮想的な1台の情報処理装置7として動作させるためには、マスター装置がユーザの操作およびスレーブ装置の動作状態を把握する必要がある。
図7に、4台の情報処理装置が仮想的な1台の情報処理装置7として動作する様子を示す。情報処理装置1がマスター装置、情報処理装置2、3、4がスレーブ装置A、B、Cとして、動作しているものとする。
ユーザがネットワーク9に接続されている情報処理装置を操作した場合、操作対象がマスター装置1であれば、その操作情報は、マスター装置1において直接把握され、操作対象がスレーブ装置であれば、その操作情報は、操作されたスレーブ装置からマスター装置1に送信される。すなわち、ユーザの操作対象がマスター装置1とスレーブ装置のいずれであるかにかかわらず、その操作情報は常にマスター装置1において把握される。操作情報の送信は、例えば、DMAコマンドが操作情報送信コマンドであるソフトウェアセルによって行われる。
そして、マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、その操作情報に従って、実行する機能プログラムを選択する。その際、必要であれば、マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、上記の方法によって自装置の外部記録部28−1、28−2からメインメモリ26−1に機能プログラムをロードするが、他の情報処理装置(スレーブ装置)がマスター装置1に機能プログラムを送信してもよい。
機能プログラムには、その実行単位ごとに必要となる、図4に示した各情報として表される情報処理装置種別ID、メインプロセッサまたはサブプロセッサの処理能力、メインメモリ使用量、外部記録部に関する条件などの、装置に関する要求スペックが規定されている。
マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、各機能プログラムについて必要となる上記要求スペックを読み出す。また、あらかじめ能力交換プログラムによってメインメモリ26−1に記録された装置情報テーブルを参照し、各情報処理装置の装置情報を読み出す。ここでの装置情報は、図4に示した情報処理装置ID以下の各情報を示し、メインプロセッサ、サブプロセッサ、メインメモリおよび外部記録部に関する情報である。
マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、ネットワーク9上に接続された各情報処理装置の上記装置情報と、機能プログラム実行に必要となる上記要求スペックとを順次比較する。
そして、例えば、機能プログラムが録画機能を必要とする場合には、情報処理装置種別IDに基づいて、録画機能を有する情報処理装置のみを特定して抽出する。さらに、機能プログラムを実行するために必要なメインプロセッサまたはサブプロセッサの処理能力、メインメモリ使用量、外部記録部に関する条件を確保できるスレーブ装置を、実行要求候補装置として特定する。ここで、複数の実行要求候補装置が特定された場合には、当該候補装置から1つの実行要求候補装置を特定して選択する。
実行要求するスレーブ装置が特定されたら、マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、その特定されたスレーブ装置について、自装置内の情報処理コントローラ11に含まれるメインメモリ26−1に記録されている当該スレーブ装置の装置情報テーブルを更新する。
さらに、マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、DMAコマンドが機能プログラム実行コマンドであるソフトウェアセルを生成し、当該ソフトウェアセルのセルインターフェースに、当該機能プログラムに関する必要なサブプロセッサの情報およびサンドボックスサイズ(図3参照)を設定して、上記実行要求されるスレーブ装置に対して送信する。
機能プログラムの実行を要求されたスレーブ装置は、その機能プログラムを実行するとともに、自装置の装置情報テーブルを更新する。その際、必要であれば、スレーブ装置内の情報処理コントローラに含まれるメインプロセッサ21は、上記の方法によって自装置の外部記録部28からメインメモリ26に機能プログラムをロードする。
機能プログラムの実行を要求されたスレーブ装置の外部記録部28に、必要な機能プログラムが記録されていない場合には、他の情報処理装置が上記のメインメモリ用プログラムとして当該の機能プログラムを、その機能プログラム実行要求先スレーブ装置に送信するように、システムを構成すればよい。
さらに、メインメモリ用プログラムと同様に、サブプロセッサプログラムも、必要であれば、ソフトウェアセルによって他の情報処理装置に送信して、他の情報処理装置のサブプロセッサ23にロードさせ、他の情報処理装置に実行させることができる。
機能プログラムの実行終了後、機能プログラムを実行したスレーブ装置内の情報処理コントローラに含まれるメインプロセッサ21は、終了通知をマスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1に送信するとともに、自装置の装置情報テーブルを更新する。マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、その終了通知を受信して、機能プログラムを実行したスレーブ装置の装置情報テーブルを更新する。
マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、自装置および他装置の装置情報テーブルの参照結果から、当該の機能プログラムを実行することができる情報処理装置として、自身を選択する場合もあり得る。その場合には、マスター装置1が当該の機能プログラムを実行する。
図7の例で、ユーザがスレーブ装置A(情報処理装置2)を操作し、当該操作に応じた機能プログラムを別のスレーブ装置B(情報処理装置3)が実行する場合につき、図8に以上の分散処理の例を示す。
図8の例では、ユーザがスレーブ装置Aを操作することによって、スレーブ装置Aを含むネットワークシステム全体の分散処理が開始して、まず、スレーブ装置Aは、ステップ41で、その操作情報をマスター装置1に送信する。
マスター装置1は、ステップ72で、その操作情報を受信し、さらにステップ73に進んで、自装置のメインメモリ26−1に記録されている自装置および他装置の装置情報テーブルから、各情報処理装置の動作状態を調べて、受信した操作情報に応じた機能プログラムを実行することができる情報処理装置を選択する。この例は、スレーブ装置Bが選択される場合である。
次に、マスター装置1は、ステップ74で、その選択したスレーブ装置Bに対して機能プログラムの実行を要求する。
スレーブ装置Bは、ステップ95で、その実行要求を受信し、さらにステップ96に進んで、実行要求された機能プログラムを実行する。
以上のように、ユーザは、1台の情報処理装置のみを操作することによって、他の情報処理装置を操作することなく、複数の情報処理装置1、2、3、4を仮想的な1台の情報処理装置7として動作させることができる。
[報知音を生成するシステム]
次に、ネットワーク9に接続された各情報処理装置の報知音を生成するシステムについて説明する。
図9は、この報知音生成システムの構成を示すブロック図である。
この報知音生成システムは、たとえば、ネットワークシステム上のマスター装置において稼動状態となり、スレーブ装置で休止状態となる。
同図に示すように、この報知音生成システムは、既存の報知音のデータを取得する入力部41、既存の報知音に対して聴覚判別が容易な新たな報知音を生成する処理を行う報知音生成処理部42と、報知音生成処理部42にて生成された新たな報知音を出力する出力部43とを備える。
入力部41は、ネットワーク9を経由して他の情報処理装置の既存の報知音のデータを取得するネットワーク部44、他の情報処理装置が発する報知音や暗騒音などをマイクロフォンなどにより直接取り込むセンサー入力部45、ユーザが明示的に報知音のパラメータを指定したり、逆に割り当てを禁止するパラメータの範囲などを指定したりするために用いられるキーボードやマウスなどのユーザ入力部46などを含む。ネットワーク9には新しく情報処理装置が追加されたり削除されたりする場合があるので、ネットワーク部44による既存の報知音データのt取得は定期的あるいはネットワーク9に対する情報処理装置の追加または削除が発生するごとに行われる。
報知音生成処理部42は、記憶部47、解析部48、マッピング部49、割り当て部50、報知音生成部51、音像定位情報生成部52、音量制御部53を含む。
記憶部47には、入力部41にて得られた他の情報処理装置の既存の報知音のデータ、プリセットされた報知音のデータ、入力部41のセンサー入力部45にて得られた暗騒音のレベルなど報知音以外のデータ、他の情報処理装置の機種名、ID、メーカ名と報知音データとを関連付けて記憶したデータベースなどが保存される。
情報処理装置の間でやりとりされる報知音のデータは、波形データ(音色)、パラメータ、もしくはその両方で表現される。パラメータには、周波数(音の高低)、音の大きさ、リズム(音のオン/オフの周期)、時間パターン(音のオン/オフの回数とオン/オフそれぞれの時間との組み合わせ)、波形のウェーブレット解析結果、波形のフーリエ解析結果、MIDI(musical instrument digital interface)データ、定位角度、三次元の定位角度、三軸の定位角度、球面座標を用いた定位角度、人間の主観評価によるスコア、人間の聴覚モデルに基づく評価によるスコアなどがある。報知音の人間の主観評価によるスコアとは、その報知音を実際に何人かの人間に聞かせ、聞き取りやすさ、聞き分けやすさ、緊迫感、終了感などの観点で評価を行わせて、その評価結果を統計的に処理して得られた値である。人間の聴覚モデルに基づく評価によるスコアとは、上記の人間の主観評価をコンピュータとソフトウェアを用いて模擬するシステムによる報知音の評価結果である。
上記時間パターンのパラメータについて例をあげて示す。図10は報知音の様々な時間パターンの例である。各々の時間パターンにはネットワークに接続された各情報処理装置で取り決められたパラメータの値が割り当てられている。たとえば、0.3秒のオンと0.5秒のオフが繰り返される報知音の時間パターンに対するパラメータの値には"0003"が割り当てられ、0.3秒のオンと0.5秒のオフが3回繰り返され、その後に0.8秒のオンがくる時間パターンに対するパラメータの値には"1201"が割り当てられている。
解析部48は、記憶部47に記憶された既存の報知音を解析し、その報知音のマッピング処理に必要なパラメータを生成する手段である。解析部48は、たとえば、報知音の波形データからマッピング用のパラメータを生成したり、報知音の元々のパラメータからマッピング用の別のパラメータを生成したりする。報知音の波形データからマッピング用のパラメータを生成する場合、取得した既存の報知音のデータがパラメータのみからなる場合であってもマッピング用のパラメータを生成できるようにするために、パラメータから波形データを生成することのできる信号生成装置54が用意されている。また、報知音の元々のパラメータからマッピング用の別のパラメータを生成する場合、取得した既存の報知音が波形データのみからなる場合であってもマッピング用のパラメータを生成できるようにするために、波形データからフーリエ変換やウェーブレット変換などにより周波数や時間パターンなどのパラメータを推定することのできる信号解析装置55が用意されている。
マッピング部49は、上記の解析部48による既存の報知音の解析結果に基づいて、既存の報知音を、その特徴を表現する1以上の指標に従って位置付け可能な空間内にマッピングする手段である。ここで、報知音の特徴を表現する個々の指標には、上記の報知音のパラメータのいずれかを採用することができる。
割り当て部50は、マッピング部49により既存の報知音がマッピングされた空間内で、その既存の報知音の位置に対して異なる位置を判定し、これを新たに生成する報知音の位置として割り当てる。ここで、新たに生成する報知音に対して割り当て可能な範囲の制限を情報処理装置ごとに設定することで、情報処理装置ごとに統一感のある複数の報知音を生成したり、その割り当て可能な範囲の制限を意味ごとに設定することで、意味ごとに統一感のある複数の報知音を生成したりすることができる。さらに、新たに生成する報知音に対して割り当て不可範囲を設定することで、ユーザの好みを新たな報知音の生成に反映させることができる。
報知音生成部51は、割り当て部50により新たに生成する報知音に対して割り当てられた空間内の位置を基に、情報処理装置が実際にその報知音を出力することのできる形式の報知音のデータを生成する手段である。
音像定位情報生成部52は、報知音生成部51によって情報処理装置が出力可能な形式に変換された報知音のデータに音像定位情報を付加する手段である。この音像定位情報の付加により、報知音の発生元である情報処理装置の方向をユーザが判別できるようにしたり、特定のユーザ向けの報知音を生成したり、報知音に意図する意味を持たせることができる。この音像定位情報のパラメータには、頭部伝達関数(Head Related Transfer Function)とクロストーク・キャンセラを用いて生成されたパラメータ、波面再構成技術を用いて生成されたパラメータ、インテンシティステレオのためのパラメータなどを用いることができる。
音量制御部53は、暗騒音レベル、人間の聴覚モデルなどを基に報知音の音量を最適化する手段である。もちろん、ユーザからの指定通りに音量の調整を行うことも可能である。
出力部43は、スピーカ55を駆動して実際に報知音を出力したり、他の情報処理装置にネットワーク9を通じて報知音のデータを出力したりする手段である。
次に、この報知音生成システムの具体的な動作の例を説明する。
図11は、この報知音生成システムの1つの動作例を示すフローチャートである。
まず、マスター装置である情報処理装置の報知音生成システムは、入力部41のネットワーク部44にて、スレーブ装置である他の情報処理装置に対し報知音のデータの問い合わせを行う。スレーブ装置である他の情報処理装置は、この問い合わせに対して、自身に現在採用されている全ての報知音のデータを応答する。この報知音のデータは波形データ、パラメータ、もしくはその両方で表現される。
この報知音のデータの送信には、図12に示されるように、報知音のデータを含む報知音送信コマンドとしてのソフトウェアセルを送信する。この報知音送信コマンドとしてのソフトウェアセルは、送信先の情報処理装置ID、送信元の情報処理装置ID、情報処理装置ID、DMAコマンドとしての報知音送信コマンド、プログラム(サブプログラム)、そして報知音データで構成される。
マスター装置である情報処理装置の報知音生成システムは、入力部41のネットワーク部44にてスレーブ装置である情報処理装置から各報知音のデータを受信し(ステップ1001)、報知音生成処理部42の記憶部47に格納する。
次に、解析部48が起動される。解析部48は記憶部47から既存の報知音のデータを取り出し、その解析を行う(ステップ1002)。ここでは、報知音のデータが波形データである場合を想定する。この場合、解析部48は、その波形データを信号解析装置55にて周波数や時間パターンなどの複数のパラメータの値に変換して、これを解析結果とする。このようにして記憶部47に格納された全ての既存の報知音についての解析結果を得る(ステップ1003のYES)。
続いてマッピング部49が起動される。マッピング部49は、全ての既存の報知音を、その特徴を表現する指標である、たとえば周波数、時間パターンなどのパラメータの値に従って位置付け可能な空間にマッピングする(ステップ1004)。この際、報知音の重複をチェックして、重複がある場合には、その旨を報知音データの取得元である情報処理装置に通知する(ステップ1005)。
次に、割り当て部50は、既存の報知音がマッピングされた空間内で、その既存の報知音の位置に対して異なる位置を判定し、これを新たに生成する報知音の位置として割り当てる(ステップ1006)。
図13は、周波数と時間パターンの各パラメータの値を軸とする二次元空間に既存の報知音K1−K8をマッピングし、この二次元空間内で新たな報知音の位置を判定する例を示している。たとえば、その候補としてN個(この例では5個)の位置M1−M5をランダムに決定し、それぞれの候補位置M1−M5と既存の報知音K1−K8との距離をそれぞれ求め、既存の報知音K1−K8との最小距離が最も大きい候補位置(この例ではM3)を新たな報知音の位置として判定する方法などが考えられる。
さらに、新たに作成する報知音を情報処理装置のどんな動作状態に適用するかがあらかじめ分かっている場合には、動作状態に適した緊迫感や終了感のある報知音が作成されるように、N個の候補位置を選定する空間内の範囲を絞り込むようにすればよい。
たとえば、図10に示した各々の報知音の時間パターン(a)−(e)が人間に与える緊迫感や終了感の程度は、図14に示す傾向を呈するものとされている。これは、0の基点より右側に行くほど終了感が高くなり、左側に行くほど緊迫感が高くなる1次元空間である。そこで、図15に示すように、緊迫感の高いものから終了感の高いものまでの各時間パターン(a)−(e)のパラメータ値の並びを、報知音をマッピングする二次元空間の一方の座標軸の値に割り当てておくことで、動作状態に適した緊迫感や終了感のある報知音の候補位置を選定する二次元空間内の範囲を絞り込むことができる。図15は緊迫感の高い報知音を作成する場合を示しており、結果的に、N個(この例では5個)の候補位置M1−M5の中から位置M4の候補位置が新たな報知音の位置として判定される。
続いて、報知音生成部51にて、割り当て部50により新たに生成する報知音に対して割り当てられた空間内の位置を基に、情報処理装置が実際にその報知音を出力することのできる形式の報知音のデータを生成し(ステップ1007)、これを記憶部47に保存する。ここで、予めどのような音像定位情報を報知音に付加するかが指定されている場合には(ステップ1008のYES)、その指定内容に従って、記憶部47に保存された報知音のデータに対して、音像定位情報生成部52にて音像定位情報が付加される(ステップ1009)。
次に、音量制御部53にて報知音の音量として最適な値が設定される(ステップ1010)。この際、センサー入力部45にて検出された暗騒音レベルを基に音量を制御する方法と、ユーザによる指定に基づいて音量を制御する方法などがある。
センサー入力部45にて検出された暗騒音レベルの応用として、検出された暗騒音レベルに応じて、聴覚判別がより容易な報知音、すなわち、より聞き取りやすく、聞き分けやすい時間パターンや音色などの報知音を生成するようにしてもよい。
この後、報知音のデータは出力部43によってスピーカ55を通して可聴音として出力される(ステップ1011)。このとき、出力された報知音をユーザが実際に聞いて確認し、情報処理装置の動作状態、たとえばコンテンツを再生するプレーヤの「停止」「再生」「一時停止」「警告」といった状態と関連付けることで、その動作状態に対する報知音として登録することができる。
たとえば、2台の情報処理装置A、Bがネットワーク9に接続されている場合で、一方の情報処理装置Aには、オーディオプレーヤの報知音として、それぞれ鉄琴音で、停止時には「キーン」、再生時には「コーン」、一時停止時には「ピン」という音が採用されている場合、他方の情報処理装置Aには、同じオーディオプレーヤの報知音として、それぞれ木琴音で、停止時には「ピーン」、再生時には「ポーン」、一時停止時には「ポン」という音が割り当てられる。この際、それぞれの報知音の停止音らしさ、再生音らしさ、一時停止音らしさといった、人間がその報知音を聞いた際の心理的な意味が変わらないようにする。
また、この報知音生成システムにより生成された報知音は、ネットワーク9に接続された他の情報処理装置(スレーブ装置)用の報知音として、その情報処理装置(スレーブ装置)にネットワーク部57によって転送することができる。
なお、本発明は、上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態では、他の情報処理装置で採用されている既存の報知音のデータをネットワーク9を通じて取得する場合を説明したが、他の情報処理装置のスピーカから出力される報知音をマイクロフォンなどによってセンサー入力部45で直接検出して取得することも可能である。
また、他の情報処理装置の報知音のデータを取得する別の方法として、情報処理装置の機種名、ID、メーカ名などの情報処理装置を特定する情報と、その情報処理装置で採用されている報知音のデータとが登録されているデータベースを用意しておき、ネットワーク部44にて他の情報処理装置に対して機種名、ID、メーカ名などを問い合わせ、その応答内容からデータベースを検索して既存の報知音のデータを取得する方法がある。
上記実施形態では、全ての既存の報知音を、周波数、時間パターンなどの複数の物理パラメータの指標に従って位置付け可能な多次元空間にマッピングする場合を説明したが、聞き取りやすさ、聞き分けやすさ、緊迫感、終了感などの心理パラメータの指標に従って位置付け可能な多次元空間に既存の報知音をマッピングしてもよい。あるいは、物理パラメータと心理パラメータの各指標に従って位置付け可能な多次元空間に既存の報知音をマッピングしてもよい。
また、上記実施形態では、他の情報処理装置の報知音に対して異なる報知音を生成する場合を説明したが、自身の情報処理装置に既に採用されている報知音に対して異なる報知音を生成する場合も同様である。
一つの情報処理装置を複数のユーザが使う場合、どのユーザへの報知音であるのか認識しやすいように報知音を割り当てるようにしてもよい。たとえば、情報処理装置が予めユーザ毎の報知音をパスワードやID等のユーザ識別情報と関連付けて記憶部47へ記憶しておき、各ユーザが当該情報処理装置の使用を開始する際にパスワード等を入力して、当該パスワードに基づいてユーザ毎の報知音を切り替えるようにすればよい。その際、ユーザごとの複数の報知音は、同じ情報処理装置からの報知音であることが認識できるように、パラメータを近い値にする。
二つ以上の情報処理装置をあたかも一つの装置のように扱う場合、これら複数の情報処理装置から発させられる共通の動作状態を示す報知音も共通性を持たせるようにする。例えば、マスター機器装置としての情報処理装置が、自機が有する報知音を上記ソフトウェアセルによりスレーブ装置としての情報処理装置へ送信することにより、複数の情報処理装置で同一の報知音を発することができる。この場合、各情報処理装置の報知音はまったく同じでもよいし、特定のパラメータのみを同じにするだけでもよい。また、これらの報知音にユーザごとの特徴を付与するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、ネットワークシステムに情報処理装置が追加されたとき、その追加された情報処理装置で採用する報知音を、既存の報知音と重複しないように割り当てる動作を説明したが、情報処理装置が追加されたときに、ネットワークに接続されたすべての情報処理装置の報知音の割り当てを再構築するようにしてもよい。この再構築に際しては、一旦既存の報知音の割り当てを全てリセットして、改めて割り当てを行うようにしてもよいし、再構築後にユーザが混乱しないように、各々の情報処理装置で採用されている既存の報知音の特徴、たとえば特定のパラメータの値をできる限り変更しないように引き継いだ音を割り当てるようにしても構わない。
さらに、上記の実施形態では、センサー入力部45にて検出された暗騒音レベルを基に音量を制御することとしたが、検出した一日の間での暗騒音レベルの変化を記録しておき、時刻に応じて最適な音量で報知音が出力されるように、報知音のデータに時刻ごとの音量制御情報を付加したものを作成するようにしてもよい。また、同様に報知音の周波数や時間パターンなどのパラメータが時刻に応じて変化するような報知音データを作成してもよい。時刻に応じてパラメータを変更する場合には、ユーザによる報知音の聴覚判別性が損なわれないように、特定のパラメータの値のみを固定した中で他のパラメータを変更することが好ましい。一日の暗騒音レベルの変化の測定は常時あるいは定期的に行い、測定結果の一定期間の累積値を報知音の音量やパラメータを決定するための材料とする。これにより、時間の経過とともに、騒音環境に追従して動的に変化する報知音が得られる。