JP2006052884A - エマルジョンの燃焼処理方法 - Google Patents

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和洋 塩谷
Kazufumi Isobe
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Abstract

【課題】
既存廃液燃焼設備の効率的な能力アップのために解決すべき、燃焼性の改善と炉内温度の冷却およびコントロールをすることができるエマルジョンの燃焼処理方法を提供する。
【解決手段】
少なくとも水と油を含む液体をエマルジョンにして燃焼処理する際、この液体に水を添加したのちエマルジョン化し、このエマルジョンを燃料として供給することにより燃焼炉内壁温度を1200〜1700℃に制御して燃焼させることを特徴とするエマルジョンの燃焼処理方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、エマルジョン燃焼技術を用いて液体燃料を燃焼処理する方法であって、更に詳細には液体燃料に水を添加して燃焼炉内壁温度を制御することにより、既設廃液燃焼処理設備を簡単な改良によって有効に利用できるエマルジョンの燃焼処理方法に関するものであり、特に廃液の燃焼処理に有効なものである。
エマルジョン燃焼技術は燃料油に廃液水または水を添加する手法が広く知られている。
エマルジョン燃焼技術は油と水を混合しエマルジョン燃料として燃焼する技術であり、エマルジョン燃料を製造する方法としては超音波分散法と流体機械的分散法とがある。流体機械的分散法は装置が簡単でかつ微細粒径の水粒子が均一に分散したエマルジョンを作ることができるので、この方法が主流である。代表的なエマルジョン製造装置としてはとしてタービン等の回転子を用いたホモミキサ、油中に水を噴射し乱流混合させる圧力噴射式ミキサ、パイプライン内に固定羽根を設けたスタティックミキサがある。
エマルジョン燃料は油中水滴型(water in oil型またはW/O型)の場合、数ミクロンの水の粒子を多数含んでおり、この油滴が高温雰囲気で加熱されると表面から蒸発して燃焼を始めるとともに、内部の水が加熱され熱水または過熱蒸気の状態で急激に吹き出し、水粒子を取り巻く油を吹き飛ばして油滴を微粒化する。これは油単体の燃焼では見られない現象でミクロ爆発(micro explosion)といわれるものである。油滴が再微粒化すると空気との接触面積が増加し、かつ空気との混合がよくなるため、燃焼が促進する。また火炎中に水が存在することから水の蒸発潜熱により火炎温度が低下し窒素酸化物の発生を抑える。また火炎中の遊離炭素と水蒸気との水性ガス反応(C + H2O → CO + H2)および水蒸気の触媒作用によるCOの燃焼促進などの効果があることも提言されている(非特許文献1参照)。
最近では、灯油と廃液水を1:1で混合し、火炎温度960℃の条件下でエマルジョン燃焼を行い、ミクロ爆発による微粒化および水性ガス化反応による酸素供給により理論空気量以下で均一完全燃焼できる装置が報告されている。この装置では均一完全燃焼が可能なため、窒素酸化物および一酸化炭素等の有害排気ガスを低減できる。更に過剰空気が不要なため火炎温度の低下が防止され燃費を低減できる(特許文献1参照)。
またA重油に各種廃液水を混合したものを、炉温900〜1000℃の条件下でエマルジョン燃焼することで、ダイオキシン類の発生を防止する廃液の焼却処理方法が知られている。本法では同時に窒素酸化物や煤塵量を抑制することも可能である(特許文献2参照)。
特開2000−319673号公報 特開2003−240220号公報 熊倉孝尚、「エマルジョン燃焼」、エネルギー・資源、 vol.2(NO.5)、p.444−449(1981)
既設の廃液燃焼設備で燃焼能力をアップするには、空気比(=供給空気量/理論空気量)を変えない場合、供給空気量を増加することになるのでエアブロワ、燃焼炉、燃焼ガス冷却装置、排ガススクラバ、電気集塵機および脱硝設備等の関連設備を増強する必要があり、多大な設備費が必要となる。一方、空気比を低下させるすなわち供給空気量を増加させずに燃焼量をアップする場合は、設備の増強は不要であるが未燃分の増加、炉内温度上昇をまねき、燃焼性の悪化や炉の劣化などにつながる。
従来の技術では、エマルジョン燃焼を用いた窒素酸化物、一酸化炭素、煤塵およびダイオキシン類の有害物質の低減および過剰空気の抑制による省エネ推進において効果があるが、既存廃液燃焼設備の能力アップ手段としてのエマルジョン燃焼技術の活用という点においては不十分である。
すなわち本発明は、少なくとも水と油を含む液体をエマルジョンにして燃焼処理する際、この液体に水を添加したのちエマルジョン化し、このエマルジョンを燃料として供給することにより燃焼炉内壁温度を1200〜1700℃に制御して燃焼させるエマルジョンの燃焼処理方法である。
このようにエマルジョン燃焼を行うことにより、ミクロ爆発による油滴の再微粒化が起こり、空気との接触面積の増加および空気との混合性の良化により燃焼が促進される。また水を添加することで炉内温度を冷却させることができ、加えて添加水量で炉内温度をコントロールすることも可能である。
本発明を採用した場合、空気比を低減した運転条件に移行できるため、水添加ラインの設置等の安価な設備投資で既設廃液燃焼設備の能力アップを行うことができる。
エマルジョン燃焼技術とは、油と水とを混合しエマルジョン化したエマルジョン燃料を燃焼する技術のことであり、燃料油に廃液水を混合して燃焼することが一般的であるが、廃液油の処理にも有効である。エマルジョン燃料は、タービン等の回転子を用いたホモミキサ、油中に水を噴射し乱流混合させる圧力噴射式ミキサ、パイプライン内に固定羽根を設けたスタティックミキサなどの装置を用いて、水滴径1〜10μm程度のエマルジョンを製造することで得られる。エマルジョン燃焼は廃液水の燃焼処理ができるばかりでなく、ミクロ爆発効果による燃焼性の改善で窒素酸化物、一酸化炭素、煤塵およびダイオキシン類の有害物質の低減および過剰空気の抑制による省エネ推進に利用されている。
本発明では、燃焼炉内壁温度1200〜1700℃の範囲において水を添加した液体をエマルジョン化して燃焼させることが重要である。ここで燃焼炉内壁温度とは、燃焼炉出口付近の炉内壁を測定した温度のことであり、通常放射温度計や熱電対を用いて測定する。本発明は、燃焼炉内壁温度1200〜1700℃の範囲において水を添加した液体を燃焼させることで有効であるが、好ましくは1400〜1500℃の範囲において行う。
1200℃未満ではミクロ爆発効果が小さく燃焼処理の効率が上がりにくく、また1700℃を超えると炉内壁の材質を特殊にする必要があり、実用性が小さい。
こうすることでミクロ爆発効果による燃焼性の改善ができ、かつ水を添加することで燃焼炉内壁温度を冷却させることができる。加えて添加水量で燃焼炉内壁温度をコントロールすることもでき、既存廃液燃焼設備の能力アップをはかることができる。
また本発明では理論空気量に対する供給空気量の比である空気比が1.3未満の低空気比領域で特に有効であり、好ましくは空気比1.0〜1.3の範囲で実施するのが好ましく、低空気比燃焼でありがちな未燃分の増加、燃焼炉内壁温度上昇による燃焼性の悪化や炉の劣化などを防止することができる。また空気比のコントロール方法としては、エマルジョン燃料燃焼量および供給空気量を個別にコントロールする方法もあるが、好ましくはエマルジョン燃料燃焼量に対して常に一定空気比となるように供給空気量をコントロールすることが好ましい。
また液体に対する水の添加比率が10〜60vol%、好ましくは30〜40vol%において本発明の効果が大きい。水を添加する方法としては、ホモミキサ、圧力噴射式ミキサ、スタティックミキサなどのエマルジョン燃料製造装置を用いてエマルジョン燃料を製造した後、これを燃焼する方法もあるが、カスケードポンプを用いてエマルジョン燃料を製造した後、これを燃焼する方法が好ましい。また燃焼炉内壁温度をコントロールする必要があるケースにおいては、液体に対する水の添加比率を変えることで燃焼炉内壁温度をコントロールできるため、本発明が極めて有効である。
また燃焼する液体に関しては、燃料油に廃液水を混合したエマルジョン燃料にも廃液油に水を混合したエマルジョン燃料にでも本発明は有効である。特にクロル系有機物を含む液体において有効であって、更に詳細には塩化ニトロシルを用いたカプロラクタム製造設備のシクロヘキサノンオキシム製造のための光反応槽において副生するクロルシクロヘキサンを主成分とする未反応シクロヘキサンの蒸留残渣、芳香族塩素化反応プロセスにおける蒸留残さおよび塩素化芳香族の異性化、吸着分離プロセスにおける蒸留残渣の燃焼処理において極めて有効である。
以下に実施例および比較例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
塩化ニトロシルを用いたカプロラクタム製造設備のシクロヘキサノンオキシム製造のための光反応槽において副生するクロルシクロヘキサンを主成分とする未反応シクロヘキサンの蒸留残渣を、定格800L/Hの内部混合型オイルバーナを装着した内容積3.0mの燃焼炉2基を持つ廃液燃焼設備(図1)を用いて、炉内壁の温度を1400〜1500℃に制御して蒸留残渣520L/H・基に水185L/H・基を添加しカスケードポンプ内でエマルジョン燃料化したものを燃焼した。この時、供給空気量は4600Nm/H・基、空気比1.23の条件で燃焼した。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、蒸留残渣480L/H・基、水添加なしとし、空気比1.34の条件で燃焼したこと以外は実施例1と同様である。結果を表1に示す。
Figure 2006052884
表1において比較例1と実施例1とを比較すると、実施例1では空気比低下にも関わらず未燃分が減少している。また燃焼炉内壁温度も比較例1の温度以下であり、エマルジョン燃焼の効果を確認できた。
また実施例1の条件で7ヶ月連続運転した後、燃焼炉の開放点検を実施した結果、炉壁損傷速度は比較例1の条件で連続運転した場合と変わらず良好な状態であることが確認できた。
結論として、本発明により既設廃液燃焼設備の8%増能力(蒸留残渣燃焼量480→520L/H・基)を達成した。
本発明を採用した場合、空気比を低減した運転条件に移行できるため、水添加ラインの設置等の安価な設備投資で既設廃液燃焼設備の能力アップを行うことができ、特に各種化学工場の廃液燃焼処理に利用することができる。
実施例1および比較例1で用いた廃液燃焼設備のフローを示す図である。
符号の説明
1:燃焼炉、2:放射温度計、3:オイルバーナ、4:濃縮缶、5:蒸留残渣、6:添加水、7:カスケードポンプ、8:空気、9:エアブロワ、10:燃焼排ガス、11:希硫酸、12:濃縮硫酸

Claims (5)

  1. 少なくとも水と油を含む液体をエマルジョンにして燃焼処理する際、この液体に水を添加したのちエマルジョン化し、このエマルジョンを燃料として供給することにより燃焼炉内壁温度を1200〜1700℃に制御して燃焼させることを特徴とするエマルジョンの燃焼処理方法。
  2. 燃焼の際の、理論空気量に対する供給空気の比が1.3未満であることを特徴とする請求項1記載のエマルジョンの燃焼処理方法。
  3. 液体に対する水添加比率が10〜60vol%であることを特徴とする請求項1または2記載のエマルジョンの燃焼処理方法。
  4. クロル系有機物を含む液体を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のエマルジョンの燃焼処理方法。
  5. カスケードポンプを用いて液体をエマルジョン化することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のエマルジョンの燃焼処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008029898A1 (fr) * 2006-09-01 2008-03-13 Nanomizer Inc. Procédé de production de carburant en émulsion et appareil de production du carburant
JP2008081740A (ja) * 2006-09-01 2008-04-10 Sg Engineering Kk 水と可燃性油を微粒子状態で混合してエマルジョン燃料を製造する方法及び同エマルジョン燃料の製造装置並びにエマルジョン燃料
JP2016069569A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 Jx金属株式会社 廃油または再生油の処理方法および処理装置ならびに、廃棄物処理炉の操業方法

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