JP2006052319A - 透明ゲル状洗浄料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、優れた洗浄力、起泡性を有する透明ゲル状洗浄料を提供することにある。
【解決手段】 アクリル酸系増粘剤と、
アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインと、
モノ脂肪酸ポリグリセリルと、
を含むことを特徴とする透明ゲル状洗浄料

【選択図】 なし

Description

本発明は透明ゲル状洗浄料、特にゲル安定性の改良に関する。
清浄感、扱いやすさなどの観点から、透明ゲル状洗浄料が市場において高く評価されており、またメーク落とし用洗浄剤として用いる場合にはメークの落とし具合を目視で確認可能なため、特に強く要望されている。
特開2003−73255 特開2004−75566 特開平11−172296 特開2003−27086
しかしながら、安定な透明ゲルの形成と、洗浄力、起泡性など、洗浄剤としての基本的機能を両立させることはきわめて困難であった。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は優れた洗浄力、起泡性を有する透明ゲル状洗浄料を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明者らが鋭意検討を行った結果、アクリル酸系増粘剤により増粘し、洗浄主剤としてアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン及びモノ脂肪酸ポリグリセリルを用いることにより、透明ゲル状を維持しつつ、優れた洗浄性、起泡性を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる透明ゲル状洗浄剤は、
アクリル酸系増粘剤と、
アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインと、
モノ脂肪酸ポリグリセリルと、
を含むことを特徴とする。
また、前記洗浄料において、アクリル酸系増粘剤は、カルボキシビニルポリマー、及びアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体から選択され、組成物中0.1〜1.5質量%配合されることが好適である。
また、前記洗浄料において、さらにアクリル酸系増粘剤はテトラキス(2-ヒドロキシアルキル)エチレンジアミン及び/又はアラニンにより中和・増粘されていることが好適である。
また、前記洗浄料において、テトラキス(2−ヒドロキシアルキル)エチレンジアミンは、テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン及びテトラキス(2−ヒドロキシブチル)エチレンジアミンから選択され、組成物中0.5〜2.0質量%配合されることが好適である。
また、前記洗浄料において、モノ脂肪酸ポリグリセリルは、モノラウリン酸デカグリセリルであり、組成物中5〜40質量%配合されることが好適である。
また、前記洗浄料において、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインは、組成物中2〜15質量%配合されることが好適である。
また、本発明にかかる洗浄料をメーク落し用に用いる場合には、さらにシリコーン系界面活性剤を含むことが好適である。
また、前記メーク落し用洗浄料において、シリコーン系界面活性剤はポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体であり、組成物中1〜15質量%配合されることが好適である。
以上説明したように、本発明かかる洗浄料によれば、アクリル酸系増粘剤で透明ゲルを形成し、この透明ゲルとアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン及びモノ脂肪酸ポリグリセリルを組み合わせることにより、高い安定性とともに、優れた起泡性、洗浄性を有する。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
なお、以下の実施形態において、試験例の評価は以下のように行った。
外観 :目視観察により行った。
使用性、起泡性、洗浄性、メーク洗浄性:20〜40才の女性10名が通常の洗浄料と同様の使用テストを実施し、以下の4段階により評価を行った。
◎:各特性が良好であると感じた人が8名以上
○:各特性が良好であると感じた人が5〜7名
△:各特性が良好であると感じた人が3〜4名
×:各特性が良好であると感じた人が0〜2名
まず、本発明者らは各種増粘ゲル化剤の、洗浄剤適正について検討を行った。結果を表1に示す。
(表1)
試験例 1 2 3 4 5 6 7 8
ポリビニルアルコール 1.0 - - - - - - -
アルギン酸ナトリウム - 1.0 - - - - - -
カラギーナン - - 1.0 - - - - -
アクリル酸系増粘剤 - - - 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0
水酸化ナトリウム - - - 0.1 - - - -
トリエタノールアミン - - - - 1.0 - - -
テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)
エチレンジアミン - - - - - 1.24 - 0.5
アラニン - - - - - - 0.7 1.25
モノラウリン酸
ポリグリセリル 35.0 35.0 35.0 35.0 35.0 35.0 35.0 35.0
ラウリルジメチル
アミノ酢酸ベタイン 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0
外観(製造直後) 白濁 白濁 白濁 透明 透明 透明 透明 透明
外観(1ヵ月後) - - - 黄変 黄変 透明 透明 透明
粘度 - - - 48000 42000 45000 27900 32000
pH - - - 9.0 6.2 6.5 4.8 5.1
使用性 - - - △ ○ ○ ○ ○
起泡性 - - - ○ ○ ◎ ◎ ◎
洗浄性 - - - ○ ○ ◎ ○ ◎
アクリル酸系増粘剤:カルボキシビニルポリマー(和光純薬工業製シンタレンK)
なお、ゲル状洗浄料において、好適な粘度は3000〜50000mpa・Sであるが、本試験例においては10000〜50000mpa・s程度に各種増粘剤で調整し、その性状を調査した。この結果、化粧料等に汎用されるポリビニルアルコール(試験例1)、アルギン酸ナトリウム(試験例2)、カラギーナン(試験例3)を用いた場合には、外観が白濁してしまう。
これに対し、カルボキシビニルポリマーを用いた場合には、透明ゲルが形成される。しかし、アクリル酸系増粘剤はそのカルボキシル基をアルカリ剤により中和することで増粘するが、水酸化ナトリウムで中和した場合には組成物のpHがアルカリ性となり皮膚洗浄料としての適性にやや劣り、またトリエタノールアミンで中和した場合には経時により若干黄変した。これに対し、テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンないしアラニンを中和剤として用いた場合には、ゲル形成能、安定性ともに良好であり、しかも洗浄性も良好であった。
なお、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体をアクリル酸系増粘剤として用い、他を同一とした場合にも、略同様の結果が得られた。
次に本発明者らはアクリル酸系増粘剤とテトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンで形成した透明ゲルの特性に影響を与えにくく、しかも洗浄性、起泡性の良好な界面活性剤について検討を行った。結果を次の表2に示す。
(表2)
試験例 9 10 11 12 13 14 15
カルボキシビニルポリマー 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0
テトラ(2−ヒドロキシプロピル)
エチレンジアミン 1.24 1.24 1.24 1.24 1.24 1.24 1.24
モノラウリン酸
ポリグリセリル 35.0 - - - 25.0 25.0 25.0
ラウリルジメチル
アミノ酢酸ベタイン - 35.0 - - 10.0 - 10.0
ポリオキシプロピレン(9)
ジグリセリルエーテル - - 35.0 - - - 10.0
ポリオキシエチレン(14)
ポリオキシプロピレン(7)- - - 35.0 - 10.0 -
ポリオキシアルキレン変性
ポリシロキサン - - - - - - 5.0
外観(製造直後) 透明 白濁 半透明 半透明 透明 透明 透明
粘度 30000 52000 32000 28000 43000 38000 42000
pH 5.0 5.6 5.0 5.0 5.5 5.0 5.4
使用性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
起泡性 ○ ○ ○ ○ ◎ ○ ◎
洗浄性 ○ ○ ○ ○ ◎ ○ ◎
メーク洗浄性 △ △ △ △ △ △ ◎
表2より明らかなように、モノラウリン酸ポリグリセリルのみでも洗浄性、起泡性を有するが、モノラウリン酸グリセリルとともにラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインを併用した場合にはより優れた起泡性、洗浄性を発揮することができる。一方、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインのような両性界面活性剤、或いはノニオン系界面活性剤でもポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレン(14)ポリオキシプロピレン(7)などは、大量に用いると透明感を損なう場合がある。従って、モノ脂肪酸ポリグリセリルを洗浄主剤として、これに他の界面活性剤の特性を調整することが好ましい。
さらに、シリコーン系界面活性剤を併用することにより、メーク落とし効果を一層向上させることができる。
以下、本発明の各構成要件についてさらに詳細に説明する。
<アクリル酸系増粘剤>
本発明において好適に用いられるアクリル酸系増粘剤は、そのカルボキシル基を中和することにより増粘するものであり、特にカルボキシビニルポリマー、ないしはアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体から選択されることが好適であり、これらは混合して用いてもよい。アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体を用いる場合には、アルキル基はC10〜C30、アクリル酸残基は80〜99.9モル%であることが好適である。
配合量は粘度は、洗浄料の粘度が3000〜50000mpa・Sとなるように調整することが好ましく、具体的には重合度により異なるが、通常0.1〜1.5質量%が好ましい。
<中和剤>
本発明において、テトラキス(2−ヒドロキシアルキル)エチレンジアミン及びアラニンは前記アクリル酸系増粘剤のカルボキシル基を中和し、増粘させる機能を有し、特に前者は洗浄、起泡作用をも有するものであり、しかもアクリル酸系増粘剤の増粘安定性もきわめて良好である。
本発明において用いられるテトラキス(2−ヒドロキシアルキル)エチレンジアミンは、下記構造を有するものである。
なお、式中、R〜Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。
特に、テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンないしテトラキス(2−ヒドロキシブチル)エチレンジアミンが好適である。
配合量は、アクリル酸系増粘剤を中和する量以上であることが必要であるが、通常は0.1〜5質量%、好ましくは0.5〜2.0質量%である。
<モノ脂肪酸ポリグリセリル>
本発明において、モノ脂肪酸ポリグリセリルは洗浄力、起泡性に優れ、しかもアクリル酸系増粘剤とテトラキス(2−ヒドロキシアルキル)エチレンジアミンとで形成された透明ゲルの安定性に与える影響がほとんどないという利点を有する。
本発明において好適に用いられるモノ脂肪酸ポリグリセリルとしては、炭素数12〜18の脂肪酸残基を有するものが好適であり、ポリグリセリン部分のグリセリンの重合度は2〜15、特に平均10前後のものが耐水性の観点から好ましい。
具体的にはイソステアリン酸ジグリセリル、オレイン酸ジグリセリル、特に好ましくはモノラウリン酸ポリグリセリルが例示される。
配合量は、5〜40質量%、特に20〜30質量%が好ましい。
<アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン>
本発明のアルキルジメチルアミノ酢酸ベタインとしては、炭素数8〜18のアルキル基を有するものが例示され、特に好ましくはラウリルベタイン(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)である。
配合量は2〜15質量%が好適である。
<ポリオキシアルキレン変性ポリシロキサン>
本発明において好適に用いられるポリオキシアルキレン変性ポリシロキサンは、下記構造を有するものである。
ポリオキシアルキレン変性ポリシロキサンは、主としてメークアップ化粧料(特にファンデーション)をなじませて落とすものである。
上記一般式において、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であり、アルキル基の場合には直鎖状でも分岐状でもよく、好ましい炭素数は1〜3である。mは1〜60の整数であり、好ましくは5〜30の整数である。nは1〜60の整数であり、好ましくは1〜10の整数である。aは好ましくは1〜10の整数であり、好ましくは1〜5の整数である。bは1〜30の整数であり、好ましくは1〜15の整数である。cは0〜30の整数であり、好ましくは0〜15の整数である。
このようなポリオキシアルキレン変性ポリシロキサンとしては、例えばジメチルポリシロキサンとポリエチレングリコールとの共重合体、ジメチルポリシロキサンとポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとの共重合体などが挙げられる。
上記ポリオキシアルキレン変性ポリシロキサンは、そのHLBが3〜20、特に4〜18であることが好ましい。HLBが3未満であると、透明性や泡立ちが劣るおそれがあり、20を超えるとメークアップ化粧料を落とす効果が不十分となるおそれがある。
上記のポリオキシアルキレン変性ポリシロキサンは、単独で使用しても、あるいは2種以上を併用してもよい。
本発明においては、上記のポリオキシアルキレン変性ポリシロキサンの中でも、親水性の点からポリオキシエチレン変性ポリシロキサン(c=0)が好適に使用され、その具体例としては例えば、シリコーンKF6011(Rはメチル基、mは5〜10、nは4〜6、aは3、bは9〜13;信越化学製)、シリコーンSC9450(Rは水素原子、mは50〜60、nは2〜5、aは3、bは8〜10;信越化学製)、シリコーン945(Rは水素原子、mは20〜30、nは2〜5、aは3、bは2〜5;信越化学製)、シリコーンSC1014M(Rはメチル基、mは5〜10、nは4〜6、aは3、bは9〜12)などが挙げられる。
本発明の洗浄料において、前記ポリオキシアルキレン変性ポリシロキサンの含有量は1〜15重量%、特に2〜10重量%が好ましい。1質量%未満であるメークアップ化粧料を落す効果が不十分になる場合がある。また、15質量%を超えると、泡立ちが悪くなるおそれがある。
<その他の成分>
本発明にかかる洗浄剤には、透明性、起泡性、洗浄性を損なわない範囲で各種成分を配合することができる。例えば、トリクロロカルバニリド、ヒノキチオール、硫黄等の殺菌剤、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ポリオキシエチレンアルキルグルコシドエーテルなどの保湿剤、油分、香料、色素、エデト酸3ナトリウム2水和物などのキレート剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、グリチルリチン酸ジカリウム、オオバコエキス、レシチン、サポニン、アロエ、オオバク、カミツレ等の天然抽出物、非イオン性、カチオン性あるいはアニオン性の水溶性高分子、乳酸エステルなどの使用性向上剤、アルキルエーテルカルボン酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸ジナトリウム、アルキルイセチオン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、アシルメチルタウリン、アシルグルタミン酸ナトリウム、アシルサルコシン酸ナトリウムなどの起泡性向上剤などである。
以下、本発明の具体的実施例を説明する。
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.3
テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン 0.5
アラニン 0.4
モノラウリン酸ポリグリセリル 20.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 7.0
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 5.0
ポリオキシプロピレン(9)ジグリセリルエーテル 3.0
イオン交換水 残余
カルボキシビニルポリマー 1.0
テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン 1.24
モノラウリン酸ポリグリセリル 25.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 8.0
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 5.0
グリセリン 5.0
尿素 0.05
イオン交換水 残余

Claims (8)

  1. アクリル酸系増粘剤と、
    アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインと、
    モノ脂肪酸ポリグリセリルと、
    を含むことを特徴とする透明ゲル状洗浄料
  2. 請求項1記載の洗浄料において、アクリル酸系増粘剤は、カルボキシビニルポリマー、及びアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体から選択され、組成物中0.1〜1.5質量%配合されることを特徴とする透明ゲル状洗浄剤。
  3. 請求項1又は2記載の洗浄料において、さらにアクリル酸系増粘剤はテトラキス(2-ヒドロキシアルキル)エチレンジアミン及び/又はアラニンにより中和・増粘されていることを特徴とする透明ゲル状洗浄料。
  4. 請求項3記載の洗浄料において、テトラキス(2−ヒドロキシアルキル)エチレンジアミンは、テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン及びテトラキス(2−ヒドロキシブチル)エチレンジアミンから選択され、組成物中0.5〜2.0質量%配合されることを特徴とする透明ゲル状洗浄料。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄料において、モノ脂肪酸ポリグリセリルは、モノラウリン酸デカグリセリルであり、組成物中5〜40質量%配合されることを特徴とする透明ゲル状洗浄料。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄料において、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインは、組成物中2〜15質量%配合されることを特徴とする透明ゲル状洗浄料。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の洗浄料において、さらにシリコーン系界面活性剤を含むことを特徴とするメーク落とし用透明ゲル状洗浄料。
  8. 請求項7記載の洗浄料において、シリコーン系界面活性剤はポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体であり、組成物中1〜15質量%配合されることを特徴とするメーク落とし用透明ゲル状洗浄料。
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