JP2006050723A - ロバストディジタル制御器の設計装置 - Google Patents

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Koji Higuchi
幸治 樋口
Kazuji Nakano
和司 中野
Tatsuyoshi Kajikawa
竜義 梶川
Eiji Takegami
栄治 竹上
Kazufumi Watanabe
一史 渡辺
Satoshi Tomioka
聡 富岡
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Abstract

【課題】 近似度が高く、しかも制御入力の大きさを考慮する必要のないロバストディジタル制御器の設計装置を提供する。
【解決手段】 制御補償手段70Aは、目標値rと制御量yとの間の離散化した伝達関数Wry(z)を、より近似性の高い二次近似したモデル伝達関数Wm(z)に定め、このモデル伝達関数Wm(z)に基づいて、ディジタル制御器70の内部で演算処理できる積分形制御系として構築されている。また設計装置は、ここにあるパラメータを自動的に算出する。そのため、従来の一次近似モデルを実現する近似的なディジタル制御系に比べてより近似度が高く、出力ノイズに強いディジタル制御器70を実現できる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、例えばスイッチング電源装置のようなPWM電力増幅器などに組み込まれ、負荷に供給する出力電圧が指令信号に比例するようにフィードバック制御を行なうロバストディジタル制御器に関し、とりわけ広域な負荷変動や電源電圧変動に対しても、単独の構成で対応できるロバストディジタル制御器の設計装置に関する。
電力変換回路としてパルス幅変調(PWM)スイッチング回路を用いると共に、ノイズ除去のために電力変換回路と負荷との間にLCフィルタを挿入し、更に負荷に供給する出力電圧が指令信号に比例するようフィードバック制御系を構成したPWM電力増幅器が、例えば電源としてあるいはアンプとして用いられている。このとき負荷の特性はキャパシティブからインダクティブと広く、大きさもゼロから最大定格までと大幅に変動する。そこで、このような広範な負荷変動に対しても、また直流電源の電圧変動に対しても、1個の制御器で対応できるいわゆるロバストなPWM電力増幅器が必要とされる。
こうしたロバストなPWM電力増幅器におけるアナログ制御器の設計方法は、例えば非特許文献1や非特許文献2に開示されているが、この方法では制御器にキャリアノイズ等の乗っている電流フィードバック及び電圧フィードバックを用いている。しかし、制御器へのノイズの影響を小さくするにはフィードバック信号が少ない方が好ましく、また電流検知センサは一般に高価であるため、電圧フィードバックのみを用いた制御器を得ることが望ましい。このときアナログ制御器の構成は、電流フィードバックを用いないため複雑になり実現が困難になるが、ディジタル制御器の場合はDSP(Digital Signal Processor)を用いることによって実現が容易になる。
そこで、上記要求を満たすPWM電力増幅器におけるロバストディジタル制御器の設計方法が、別な非特許文献3に提案されている。
ディジタルフィードバック制御系は、アナログフィードバック制御系よりも大きな入力無駄時間が生じる。この入力無駄時間は主にDSPの演算時間遅れや、アナログからディジタル(AD)への変換時間およびディジタルからアナログ(DA)への変換時間や、三角波比較部の遅れ等によるものである。この点に着目し、上記非特許文献3では、入力無駄時間と電流フィードバックの電圧フィードバックへの変換を考慮して、制御対象(PWM信号発生部と電力変換回路とLCフィルタ)を連続時間系より次数が2次高い離散時間系で表現し、これに対して与えられた目標特性を達成する状態フィードバック系の構成を提示している。またここでは、当該状態フィードバック系を電圧のみ用いた出力フィードバック系に等価変換した上で、この出力フィードバック系を近似して得られるロバスト補償器を結合すると、近似的2自由度のディジタルロバスト制御系が構成できると共に、このディジタルロバスト制御系を等価変換することで、電圧フィードバックのみを用いたディジタル積分形制御器が得られることを提示している。
K.Higuchi, K.Nakano, K.Araki, and F.Chino, "The robust design of PWM power amplifier by the approximate 2-degree-of-freedom integral type servo system", Proc. IEEE IECON-2000, pp.2297-2302, 2000 樋口幸治,中野和司,荒木邦彌,茅野文穂,"近似的2自由度ディジタル積分形制御によるロバストPWM電力増幅器の設計",電学論,Vol.122,No.2,pp.96-103,2002 樋口幸治,中野和司,荒木邦彌,茅野文穂,"電圧フィードバックのみを用いた近似的2自由度ディジタル積分形制御によるロバストPWM電力増幅器の設計",電子情報通信学会論文誌,Vol.J-85-C,No.10,pp.1-11(2002.10)
上記文献では、一次近似モデルを実現する近似的な2自由度ロバストディジタル制御系の構成法を文献に示したが、こうした制御系を組み入れたロバストディジタル制御器では、近似度を上げると同時に制御入力を抑えるのが困難であった。そこで、誰でも容易に高近似で制御入力の大きさの考慮の必要のないロバストディジタル制御器の設計装置を提供する必要があった。
また、上記文献で提案した2自由度ロバストディジタル制御系に関し、ロバストディジタル制御器の近似度を上げる明確なパラメータの決定手段は示されていない。そのためパラメータの決定には多大な思考錯誤を必要とし、非常に手間がかかった。そこで誰でも容易に設計できる明確なパラメータの決定手段を示す必要があった。
本発明は上述した問題点を解決するもので、近似度が高く、しかも制御入力の大きさを考慮する必要のない新規な2自由度ロバストディジタル制御系を組み込んだロバストディジタル制御器の設計装置を提供することをその第1の目的とする。
また本発明の第2の目的は、一次近似モデルを実現する近似的な2自由度ロバストディジタル制御系の構成に対し、容易な設計を可能にしたロバストディジタル制御器の設計装置を提供することにある。
請求項1記載の発明では、所望の特性が得られる各パラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,ki,kiz,kinの値を、複雑な処理手順を行なうことなく設計装置101によって簡単に得ることができる。また、こうした各パラメータ値を組み込んだディジタル制御器は、目標値rと制御量yとの間の離散化した伝達関数Wry(z)を、より近似性の高い二次近似したモデル伝達関数Wm(z)に定め、このモデル伝達関数Wm(z)に基づいて、内部で演算処理できる積分形制御系を構築している。そのため、従来の一次近似モデルを実現する近似的なディジタル制御系に比べてより近似度が高く、出力ノイズに強いディジタル制御器を実現できると共に、当該ディジタル制御器のロバストな設計が、制御入力の大きさを殆ど考慮することなく容易にできる。
さらに、ここでのディジタル制御器は、後述する第1〜第3のフィードフォワード手段を必要としないため、フィードフォワードの処理構成を最小限に止めることで、ディジタル制御器としての演算能力を高めることができると共に、設計装置も、こうしたフィードフォワードのパラメータを算出する必要がないので、処理時間を早めることができる。
請求項2記載の発明では、フィードフォワードの処理構成をディジタル制御器の積分形制御系として付加することで、ディジタル制御器はさらに高精度な制御を実現することができるが、こうしたディジタル制御器に対応して、設計装置も当該フィードフォワードに関連するパラメータを含む各パラメータ値を算出することが可能になる。
請求項3記載の発明では、所望の特性が得られる各パラメータk1,k2,k3,k4,ki1,ki2の値を、複雑な処理手順を行なうことなく設計装置201によって簡単に得ることができる。また、こうした各パラメータ値を組み込んだディジタル制御器は、目標値rと制御量yとの間の離散化した伝達関数Wry(z)を、処理構成の比較的単純な一次近似したモデル伝達関数Wm(z)に定め、このモデル伝達関数Wm(z)に基づいて、内部で演算処理できる積分形制御系として構築される。そのため、ここにある新規な設計装置を併用することで、一次近似モデルを実現する近似的な2自由度ロバストディジタル制御系の構成に対し、ロバストな設計を簡単に行なうことができる。
さらに、ここでのディジタル制御器は、後述する第1および第2のフィードフォワード手段を必要としないため、フィードフォワードの処理構成を最小限に止めることで、ディジタル制御器としての演算能力を高めることができると共に、設計装置も、こうしたフィードフォワードのパラメータを算出する必要がないので、処理時間を早めることができる。
請求項4記載の発明では、フィードフォワードの処理構成をディジタル制御器の積分形制御系として付加することで、ディジタル制御器はさらに高精度な制御を実現することができるが、こうしたディジタル制御器に対応して、設計装置も当該フィードフォワードに関連するパラメータを含む各パラメータ値を算出することが可能になる。
請求項5記載の発明では、制御器パラメータ決定手段で算出した各パラメータ値が、直接ディジタル制御器に出力されるので、ディジタル制御器にいちいちパラメータ値を入力する手間を省くことができる。
請求項6記載の発明では、所望の特性が得られる各パラメータ値が制御器パラメータ決定手段で自動的に算出されるので、制御器パラメータ決定手段で算出した最終的な各パラメータ値を利用して、ディジタル制御器のロバストな設計を確実に行なうことができる。
請求項7記載の発明では、所望の特性が得られる各パラメータ値だけが、直接ディジタル制御器に出力され、ディジタル制御器のロバストな設計を簡単且つより確実に行なうことができる。
請求項1の発明によれば、設計装置で得られた各パラメータの値を利用することで、誰でも容易に高近似で制御入力の大きさの考慮の必要のないロバストディジタル制御器を提供できる。また、フィードフォワードのパラメータを算出する必要がない分、設計装置としての処理時間を早めることができる。
請求項2の発明によれば、フィードフォワードに関連するパラメータを含む各パラメータ値を設計装置で算出することが可能になる。
請求項3の発明によれば、一次近似モデルを実現する近似的な2自由度ロバストディジタル制御系の構成に対し、容易な設計が可能になる。
請求項4の発明によれば、フィードフォワードに関連するパラメータを含む各パラメータ値を設計装置で算出することが可能になる。
請求項5の発明によれば、ディジタル制御器にいちいちパラメータ値を入力する手間を省くことができる。
請求項6の発明によれば、ディジタル制御器のロバストな設計を確実に行なうことができる。
請求項7の発明によれば、ディジタル制御器のロバストな設計を簡単且つより確実に行なうことができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施例における好適なロバストディジタル制御器とその設計装置について詳しく説明する。
図1は、本実施例に適用するロバストディジタル制御器を含むPWM電力増幅器の回路構成を示したものである。同図において、1は直流電源、2は電力変換回路である例えばフォワード型のコンバータ部2で、コンバータ部2の一次側回路を構成するトランス3の一次巻線3Aとスイッチング素子5との直列回路を、前記直流電源1の両端間に接続すると共に、スイッチング素子5をスイッチング動作させることにより、直流電源1からの入力電圧Viがトランス3の一次巻線3Aに電圧E1として断続的に印加される。また、コンバータ部2の二次側回路は、前記一次巻線3Aと電気的に絶縁したトランス3の二次巻線3Bと、整流素子である整流ダイオード6と、転流素子である転流ダイオード7とにより構成され、このコンバータ部2の二次側回路と負荷8との間には、チョークコイル10および平滑コンデンサ11からなるLCフィルタ回路12が挿入接続される。そして、前記スイッチング素子5のスイッチング動作に伴い二次巻線3Bに誘起した電圧E2が、整流ダイオード6と転流ダイオード7とにより整流され、LCフィルタ回路12によってノイズ成分を除去した後、負荷8に出力電圧Voとして供給されるようになっている。
一方、15は前記出力電圧Voの安定化を図るために設けられたフィードバック制御系を実現するためのフィードバック回路で、これは出力電圧Voと同レベルの電圧フィードバック信号のノイズ成分を遮断する第1の低域フィルタ16と、所定の振幅Cmとキャリア周波数を有する三角波状または鋸波状のキャリア波を生成する発振器17と、発振器17から出力するキャリア波のノイズ成分を遮断する第2の低域フィルタ18と、前記電流フィードバック信号と前記キャリア波との各電圧レベルを比較し、その比較結果に応じたオン時間を有するPWM(パルス幅変調)スイッチング信号を出力するディジタル制御器たるDSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)19と、前記DSP19からのPWMスイッチング信号を電気的に絶縁して伝送する絶縁トランス20と、当該PWMスイッチング信号を増幅してスイッチング素子5の制御端子に供給するドライバ回路21とにより構成される。
DSP19の構成をさらに詳しく説明すると、ここには第1の低域フィルタ16からの電圧フィードバック信号をディジタル変換する第1のAD変換器23と、第2の低域フィルタ18からのアナログキャリア波をディジタル変換する第2のAD変換器24と、離散化された電圧フィードバック信号およびキャリア波の各電圧レベルを比較して、PWMスイッチング信号のオン時間幅を決定する実質的なディジタル処理部に当たるコントローラ25と、当該コントローラ25で得られたオン時間幅に基づくPWMスイッチング信号を生成するPWM信号発生部としてのPWMジェネレータ26とをそれぞれ内蔵している。なお、図1に示すDSP19は発振器17と別々に設けられているが、DSP19に発振器17としての機能を内蔵させてもよい。本実施例におけるDSP19は、コントローラ25に組み込まれる機能構成に新規な特徴を有している。
本実施例では、(1)入力電圧Viが48V、出力電圧Voが3.3Vであること、(2)起動時の過渡応答特性が、抵抗負荷及び抵抗とコンデンサからなる並列負荷において殆ど同じであること(但し、抵抗値RLとコンデンサのキャパシタンスCLは、0.165≦RL≦∞(Ω),0≦CL≦200(μF)の範囲内である)、(3)起動時の過渡応答立上がり時間が100(μSec)よりも小さいこと、(4)全ての負荷に対して、起動時の過渡応答に際してオーバーシュートを生じないこと、(5)動的な負荷応答が、負荷電流を10(A)変動するのに対して50(mV)よりも小さいこと、(6)入力電圧Viが±20%変動しても、上記(2)〜(5)の特性を満足すること、以上の仕様を満たすPWM電力増幅器の設計・製作を行なうものとする。
ここで、図2に示すキャリア波とPWMスイッチング信号(PWM出力)の各波形図から、LCフィルタ回路12を含むコンバータ部2のゲインKを算出する。同図において、上段はキャリア波,下段はPWMスイッチング信号の各波形を示しており、Cはキャリア波のマイナスピーク電圧,uは電圧フィードバック信号の電圧レベルを示している。また、T,TONはPWMスイッチング信号の周期とオン時間をそれぞれ示している。
この場合、第1の低域フィルタ16に入力される電圧フィードバック信号の電圧Vinは、次の数11にて表せる。
一例として、入力電圧Vi=48V,トランス3の一次巻線3Aの巻数N1と二次巻線3Bの巻数N2の比N1:N2=8:2,マイナスピーク電圧C=−66Vとすると、Vin=−0.18・(u−66)となり、コンバータ部2のゲインKは次のように算出される。
前記LCフィルタ回路12を構成するチョークコイル10のインダクタンスL1 と、平滑コンデンサ11のキャパシタンスC1 の各値は、キャリア波やスイッチングに同期したノイズを減らすと同時に、フィードバック制御系がより低感度になるように決定される。DSP19への入力電圧uとなる電圧フィードバック信号の周波数が、発振器17からのキャリア波の周波数よりも十分小さいならば、LCフィルタ回路12を含むコンバータ部2の等価モデル回路を示した図3において、制御対象となるPWM電力増幅器の状態方程式は、次の数13における線形近似式のように表せる。
なお、上記数式および図3の等価回路図において、31は前記図1に示す直流電源1の入力電圧Viとトランス3の巻数比N2/N1とを考慮した等価的な電源、6A,7Aはそれぞれ前記整流ダイオード6および転流ダイオード7と同等の機能を発揮する整流用FETおよび転流用FETで、これらの各FET6A,7Aのゲートには、スイッチング素子5に同期した互いに反転するスイッチングパルスが与えられる。また、32はチョークコイル10のコイル抵抗や各FET6A,7Aのオン抵抗などの合成抵抗である。ここでは、合成抵抗32の抵抗値をR1 とし、チョークコイル10を流れるコイル電流をiL1とし、負荷8の抵抗値をRo としている。
フィードバック制御系に組み込まれるディジタル制御器を上記DSP19によって実現する場合は、DSP19自身の演算時間やADおよびDAの変換時間があるために、サンプリングの開始時点から操作量を出力するまでの遅れ時間が存在する。また、図2に示す三角波状のキャリア波も、比較部(コントローラ25)への入力の際に階段波状にディジタル変換されるため、アナログ制御器の比較部に比べて大きな遅れ時間を生じる。ここで、DSP19のサンプリング周期をTとし、遅れ時間の総和をLとすると、遅れ時間L(≦T)は制御対象に存在する入力無駄時間と等価であると考えられる。さらにここでは、負荷電流を検出して得られる電流フィードバックを電圧フィードバックに変換するために、1周期の遅れ要素を結合して、図4に示すようなディジタル制御系を構成し、これを新たな制御対象として考える。
同図において、33は上記数13の状態方程式が適用される伝達要素で、入力uは前記電圧フィードバック信号の電圧レベルで、出力yは出力電圧Voである。また、34は遅れ時間Lの総和に対応した伝達要素であり、35は電流フィードバックから電圧フィードバックへの変換に対応した入力vの伝達要素である。伝達要素34の遅れはξ(=u)であり、伝達要素35の遅れはξである。なお、36はサンプリングをあらわす等価スイッチ素子、37はサンプリング期間中一定の値を保持するゼロ次ホールドブロックである。図4では、制御対象(PWMジェネレータ26,電力変換回路2,LCフィルタ回路12)を連続時間系より次数が2次高い離散時間系で表現している。
こうした図4に示すディジタル制御系の遅れξ,ξを考慮しつつ、前記状態方程式を離散化して書き直すと、当該状態方程式は次のように表現される。なお、Tは転置行列を示す。
制御対象の負荷8が変わること及び直流電源1の電圧変動は、前記非特許文献1,2にも示されているように、制御対象のパラメータ変動や次数変化と見なすことができる。このような制御対象のパラメータ変動や次数変化は、離散時間系の場合も上記数14より、図5に示す等価外乱q,qに置き換えることができる。また、入力uに飽和が生じたり、入力uの周波数がキャリア波の周波数に比べてそれほど小さくない場合は、制御対象が非線形系に変化する。こうした特性変化も、図5に示す等価外乱q,qに置き換えることができる。したがって、これらのパラメータ変動である負荷変動や、直流電源変動や、非線形系への変化の影響を抑えて、ディジタル制御器のロバスト化を図るには、等価外乱q,qから出力yへのパルス伝達関数がなるべく小さくなるような制御系を構成すればよい。以下、目標特性を保持したままで、これらの等価外乱q,qの影響を抑制できるディジタル制御系の構成及び設計方法について説明する。
前述の図5は、上記数14の状態方程式に基づき構成された、負荷変動(パラメータ変動)の等価外乱と状態フィードバックによるモデルマッチング系を示したものである。同図において、41A〜41Dは離散時間の制御対象40に対するフィードバック要素、42A,42Bは制御対象40に対するフィードフォワード要素であって、次の数15に示される状態フィードバック則と、数16に示されるフィードフォワード則をそれぞれ適用している。
各フィードバック要素41A〜41Dとフィードフォワード要素42Aは、等価外乱qと共に加え合わせ点43Aに入力され、その出力が前記図4に示す入力vとなる。制御対象40は前記図4に示すブロック線図の構成に、電圧(x)フィードバック(フィードバック要素41A)と、電流(x)フィードバック(フィードバック要素41B)と、等価外乱qとをそれぞれ考慮したもので、ここでは次数1/zによる要素44A〜44Dと、行列AdおよびBdの各要素(添え字は行と列を示す)による要素45A〜45F,46A〜46Bと、加え合せ点43B〜43Eとの組み合わせにより示される。なお、z=exp(jωt) である。
この図5に示すモデルマッチング系から、ステップ応答においてオーバーシュートを生じさせないために、目標値rと制御量yとの間の伝達関数Wry(z) を次のように指定する。
ここでは、図5における制御対象40に、数15の状態フィードバック則と、数16のフィードフォワード則を適用したときに、伝達関数Wry(z) が上記数17を満たすように、F=[F(1,1) F(1,2) F(1,3) F(1,4)]とGを決める。なお、上記n1 ,n2 は数14の状態方程式の零点、H〜Hは極である。
ここで、高価な電流センサの使用やノイズの影響を軽減するために、電流フィードバックを用いずに、目標値rと制御量yとの間の伝達関数Wry(z)を変えないまま、電圧フィードバックのみを用いた系に等価変換する。図6は、電圧(出力)フィードバックのみを用いたモデルマッチング系のブロック線図をあらわしているが、ここでは図5に示すブロック線図に結合,変換法則を適用して、電流フィードバックの存在しない構成に置き換えられている。より具体的には、フィードバック要素51A,51Bは制御量yを入力とし、フィードバック要素51Cは状態方程式の要素54からの遅れ出力ξ1を入力とし、フィードバック要素51Dは次数1/zの要素44Aからの遅れ出力ξ2を入力とし、フィードフォワード要素42B,53は目標値rを入力としている。そして、第1のフィードバック要素51A,51C,51Dと第1のフィードフォワード要素53からの各出力が、等価外乱qと共に加え合わせ点43Aに入力され、この加え合わせ点43Aからの出力vが、次数1/zの要素44Aに入力される一方で、第2のフィードバック要素52からの出力が、第2のフィードフォワード要素42Bからの出力と、次数1/zの要素44Aからの遅れ出力ξ2と共に、別の加え合せ点43Bに入力される。この加え合せ点43Bからの入力ηを受ける要素54は、前記数14に等価外乱qが入ったものと見なした状態方程式を満たすものとして構成される。すなわちこの状態方程式の要素54は、DSP19で構成されるディジタル制御器を除く電力変換回路2やLCフィルタ12に相当する。
次に、ディジタル制御器としての近似度を高めるために、H,H>>Hと指定して、実際に実現する目標特性を、次の数18に示すように前記パルス伝達関数Wry(z)を二次近似したモデルWm(z)に定める。この二次近似モデルの伝達関数は、非特許文献3にも示されていない新規な概念である。
また、図6に示す系の等価外乱Qを数19のように定義し、この等価外乱Qと制御量yとの間の伝達関数WQy(z)を、数20のように定義する。
続いて、前記図4に示すモデルマッチング系を、DSP19に組み込める構成とするために、前記二次近似モデルの伝達関数Wry(z)の逆システム(逆関数)Wm(z)-1と、この逆システムを近似的に実現するためのフィルタK(z)を導入して、図7に示すような系を構成する。因みに当該フィルタK(z)は、逆システムWm(z)-1だけでは近似的に実現できない系となることを避けるのに導入されたもので、次の数21にて示される。
図7において、61は等価外乱Qを考慮した伝達関数Wry(z),WQy(z)を含むシステムの伝達要素、62は逆システムWm(z)-1の伝達要素、63はフィルタK(z)を含むロバスト補償器としての伝達要素で、伝達要素61の出力である制御量yが、引き出し点64で引き出されて伝達要素62の入力に印加され、伝達要素63の出力と目標値rとを加算する加え合せ点65からの出力は、引き出し点66によって別な加え合せ点67に加算されると共に、伝達要素61に入力される。また加え合せ点67は、引き出し点66で分岐した加え合せ点65からの出力と、伝達要素62の出力との偏差(減算値)を、伝達要素63に入力するものである。
図8は、本実施例において、図7に示す系をDSP19として実現できる積分型制御系の構成に等価変換したブロック線図である。このブロック線図における各部の構成を説明すると、54は、行列xの各要素をなす出力電流に相当するコイル電流iL1と出力電圧Voに関し、入力h,制御量y,第1の等価外乱q,遅れξがそれぞれ与えられた時に、次の数22の状態方程式を満足する制御対象要素で、これは具体的にはコンバータ部2やLCフィルタ回路12に相当する。第1の等価外乱qは、加え合せ点43Eによって制御対象要素54からの出力に加算され、その加算結果が制御量yとして出力される。
一方、前記制御対象要素54と加え合せ点43Eを除く部分が、別な第2の等価外乱qを受けるディジタル制御器70としての積分型制御系の構成で、これは具体的にはDSP19により実現できる。当該ディジタル制御器70は、k1,k2,k3,k4,k5,k6,k1r,k2r,k3r,ki,kiz,kin の各パラメータを有する伝達要素71〜82と、1サンプル遅れに相当する次数1/z(但し、z=exp(jωt))の要素44A,44Fと、積分器となる次数1/z−1の要素83と、加え合せ点43A,43B,84,85との組み合わせにより構成される。また、図8に示すように、目標値rを入力として、パラメータk1r,k2r,k3rのフィードフォワード要素77,78,79が接続され、制御量yを入力として、パラメータk1,k2,k6の各フィードバック要素71,72,76が接続され、ディジタル制御器70内部における演算遅れ出力ξを入力として、パラメータk3のフィードバック要素73が接続されると共に、目標値rと基準値yとの偏差が第1の加え合せ点84から次数1/z−1の要素83に入力され、次数1/z−1の要素83からの遅れ出力ξがパラメータkinの要素82に入力され、パラメータkinの要素82からの出力と、パラメータk5,k6の各フィードバック要素75,76からの出力と、パラメータk3rのフィードフォワード要素79からの出力が、第2の加え合せ点85で夫々加算され、この第2の加え合せ点85で加算した出力が次数1/zの第1要素44Fに入力され、次数1/zの第1要素44Fからの遅れ出力ξが、パラメータk5のフィードバック要素75と、パラメータki,kizの要素80,81に夫々入力され、パラメータkiの要素80からの出力と、パラメータk1,k3,k4の各フィードバック要素71,73,74からの出力と、パラメータk2rのフィードフォワード要素78からの出力と、第2の等価外乱qが、第3の加え合せ点43Aで夫々加算され、この第3の加え合せ点43Aで加算した出力vが、次数1/zの第2要素44Aに入力され、次数1/zの第2要素44Aからの遅れ出力ξと、パラメータkのフィードバック要素72からの出力と、パラメータk1rのフィードフォワード要素77からの出力と、パラメータkizの要素81からの出力が、第4の加え合せ点43Bで夫々加算され、前記次数1/zの第2要素44Aからの遅れ出力ξが、パラメータk4のフィードバック要素74に入力され、そして第4の加え合せ点43Bで加算した出力が、前記入力hとして制御対象要素54に与えられるように、ディジタル制御器70の制御補償手段70Aが構成される。
上記各パラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,k1r,k2r,k3r,ki,kiz,kinは、次のような役割を持ち、数23にて表せる。
k1,k2:電流フィードバックを電圧フィードバックと制御入力フィードバックに等価的に置き換えて、目標特性のモデルマッチング系を実現する電圧フィードバック係数。
k3:電流フィードバックを電圧フィードバックと制御入力フィードバックに等価的に置き換えて、DSP19の演算時間とAD変換時間による遅れを補償する電圧フィードバック係数。
k4:電流フィードバックを電圧フィードバックと制御入力フィードバックに等価的に置き換えるために導入された動的補償器(フィルタ63)の極。
k5:近似度を上げるために二次近似モデルWm(z)に追加された零点。
k6:近似度を上げるために二次近似モデルWm(z)に追加された零点を補償するための電圧フィードバック係数。
ki,kiz:目標特性のモデルマッチング系の一部を消去するための係数。
kin:等価外乱Qと制御量yとの間の伝達関数WQy(z)の極と二次近似モデルWm(z)に追加された零点の効果を表す係数。
k1r,k2r:目標特性のモデルマッチング系を実現するためにその分子多項式を設定する目標値rからのフィードフォワード係数。
k3r:目標特性から等価外乱Qと制御量yとの間の伝達関数WQy(z)の極を近似的に消去するための目標値rからのフィードフォワード係数。
前記図8に示すディジタル積分形制御系の構成では、目標値rと制御量yとの間の伝達特性が、次の数24のようにあらわせる。
ここで、W(z)は次の数25のようにあらわせる。
また、等価外乱Qと制御量yとの間の伝達特性は、次の数26のようにあらわせる。
ここで、WQy(z)は次の数27のようにあらわせる。
このとき、上記数25に示すW(z)が、次の数28のように1に近ければ、上記数24,数26に示す各伝達特性は、数29,数30のように近似される。
理想的には、数29の括弧内に示すように、目標値rと制御量yとの間の伝達関数が必要な周波数帯域で1となり、数30の括弧内に示すように、等価外乱Qと制御量yとの間の伝達関数が必要な周波数帯域で0となるディジタル制御器70を組み込めばよい。
上記数29と数30によれば、図8に示す新規な系は、目標値rと制御量yとの間の特性が極H,Hによって決められる一方で、等価外乱Qと制御量yとの間の特性がkによって決められる近似的2自由度系となる。これらの間の特性に関し、その近似度を上げるためには、広い周波数範囲に渡って数28の式が成り立つようにすればよい。そのためにはHをなるべく小さく設定することと、nを零点の一つになるべく近づけることである。nを零点の一つに近づけたときの近似度の様子を、図9の周波数−ゲイン特性図及び図10の周波数−位相特性に示す。同図において、nを零点の一つに近づけていくと、近似モデルが数17の式に近づいていき近似度がよくなることがわかる。このnは逆システムWm(z)-1の極となり、kを大きくするとどんどん零点の一つに近づいていく。もし零点の一つに近づき過ぎると制御入力に急速な振動が発生し、実行できない恐れが出てくる。そこで、nを零点の一つに近づけさせ過ぎないように、予め与えられたkに対する移動後のnの値を設定しておく必要がある。
具体的には、上記数24と数26において、次の数31で示すような分母多項式=0となる数式の根の一つが、kを大きくするにつれて移動するnの極であるから、この移動極が予め設定した値になるように、nとHを夫々決めておけばよい。
この数31にある式は、次の数32のように書き表せる。
上記数32に含まれる未定の値nおよびHを決めるために、この数32の根を、次の数33のように指定する。
上記数32と数33の係数等価式は、次の数34〜数36にて書き表せる。
一例として、上記数34〜数36にてp,p,pの指定値とn,n,kを次の数37のように設定する。
上記数37の条件を数34〜数36に代入すると、次の数38に示すような、3本の連立方程式であらわせる。
とHは何れも実数であるので、−n,H数38の式に代入すると、次の数39が得られる。
これらは双曲線の方程式であり、各双曲線の交点が数39の連立方程式の解を与える。これらの双曲線を描くと図11のようになる。
この交点より、n=−x=−0.4,H=y=0.3が得られる。nとHをこのように設定すると、k=0.6のときにnは設定されたp=−0.67まで移動することなる。これらより、前記図8に示すディジタル制御器70の各パラメータは、次の数40のようにDSP19として実現できるものに定められる。
なお、他のフィードフォワードパラメータk1r,k2r,k3rはかならずしも必要ないので零とおいた。
次に、本手法によってn=−0.4,H=0.3と設定して得た上記数40の各パラメータを用いて、先に求めた数26の等価外乱qと制御量yとの間の伝達関数のゲイン特性を図12に示す。同図において、nを零点の一つに近づけていくと、数26が数30の右辺に近づいていき近似度がよくなることがわかる。
図13は、起動時における出力電圧,入力電圧,出力電流の各応答特性を示している。なお、同図における抵抗値(Ω)とキャパシタンス(μF)は、前記負荷8と平滑コンデンサ11の各値に相当する。このように、負荷8が変動しても目標の二次近似モデルの応答からほとんどずれることなく応答しており、非常に低感度でロバストなディジタル制御系が得られていることがわかる。
図14は、負荷急変時の動的な負荷応答を示す。負荷電流(コイル電流)は10(A)から20(A)に急に変化させたが、出力電圧Voの変動は50(mV)以下に抑えられており、十分実用に値するものとなっている。
次に、本実施例における2次近似モデルの設計手順を説明する。まず、指定された帯域幅または立ち上がり時間を満たすように、次の数41のように極H,H(実定数)を設定する。
次に、各パラメータp,p,pとパラメータkを、次の数42,数43のように指定する。
これらのパラメータp、p、p,kを指定したら、上記数34〜数36の係数等価式に、各パラメータp、p、p,kを代入する(n,nは制御対象の離散時間変換時の零点である)。nとHは何れも実数であるので、−n=x,H=yとおいて、数34〜数36の連立方程式を満足するnとHを求める。このnとHの算出には、関数表示用のソフトウェアを利用してもよい。
そして、上記数23を利用して、図8のディジタル制御器70を構成する各パラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,k1r,k2r,k3r,ki,kiz,kinを決定する。このパラメータの算出の過程では、状態フィードバックF=[F(1,1) F(1,2) F(1,3) F(1,4)]とフィードフォワードGの各値を求める必要があるが、これらの値はPWM電力増幅器の既知の回路定数(チョークコイル10のインダクタンスL1,平滑コンデンサのキャパシタンスC1,負荷8の抵抗値Ro,合成抵抗32の抵抗値R1)や、サンプリング周期Tや、遅れ時間の総和Lや、制御対象54のゲインKpや、極H,H,Hにより算出可能である。
なお、シミュレーションなどにより、PWM電力増幅器として望ましい仕様を満たすかを確認したときに、仕様を満たさないときは、数43によるパラメータkの値を若干変更して、再度それ以降の手順を繰り返す。それでも仕様を満たさないときは、数42によるパラメータp,p,pの値を若干変更して、それ以降の手順を繰り返せばよい。
図15は、図8に示すディジタル積分型制御系の制御補償手段70Aを組み込んだディジタル制御器70に関し、上記設計手順に従って、数23に示す各パラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,k1r,k2r,k3r,ki,kiz,kinの値を決定することができる設計装置の構成を示している。同図において、当該設計装置101は、必要なゲインが得られる帯域幅と立ち上がり時間とを満足すると予測される極H,Hの値を指定すると共に、離散時間における制御対象54の零点n,nの値と、パラメータp,p,p,kの値を指定するパラメータ指定手段102と、数34〜数36の連立方程式を利用して、nとHの各未定値を算出する未定値算出手段103と、未定値算出手段103で算出されたnとHの各値を利用して、ディジタル制御器70の各パラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,ki,kiz,kinを算出すると共に、好ましくはフィードフォワードのパラメータk1r,k2r,k3rをも算出する制御器パラメータ決定手段104と、当該制御器パラメータ決定手段104が上記パラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,k1r,k2r,k3r,ki,kiz,kinの各値を算出する際に必要な、回路定数L1,C1,Ro,R1や、サンプリング周期Tや、遅れ時間の総和Lや、制御対象54のゲインKpを入力する既定値入力手段105とを備えて構成される。
また好ましい例として、設計装置101は、制御器パラメータ決定手段104が算出したパラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,k1r,k2r,k3r,ki,kiz,kinの各値を、ディジタル制御器70の制御補償手段70Aに組み込んだと想定し、このディジタル制御器70により制御対象54を制御した場合に望ましい特性が得られるか否かをシミュレーション判定する特性判定手段106と、特性判定手段106が判定した場合に、そのパラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,k1r,k2r,k3r,ki,kiz,kinの各値を実際にディジタル制御器70の制御補償手段70Aに組み込む制御器パラメータ出力手段107と、望ましい特性が得られないと特性判定手段106が判定した場合に、パラメータ指定手段102に別なパラメータp,p,p,kの値を指定させて、再度パラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,k1r,k2r,k3r,ki,kiz,kinの各値を算出させるパラメータ再指定手段108とをさらに備えている。
この設計装置101は、ディジタル制御器70と別体であっても、一体に組み込まれてもよい。ディジタル制御器70と一体の場合は、制御器パラメータ決定手段104が算出したパラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,k1r,k2r,k3r,ki,kiz,kinの各値を、ディジタル制御器70の制御補償手段70Aに組み込んで、実際にディジタル制御器70により制御対象54を制御し、そのときの各部の測定値から、特性判定手段106が望ましい特性になっているか否かを判定するようにしてもよい。その際、望ましい特性でなければ、前記パラメータ再指定手段108により再度パラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,k1r,k2r,k3r,ki,kiz,kinの各値を算出させ、その値を特性判定手段106が制御補償手段70Aに組み込ませるようにすればよい。また、上記特性判定手段106やパラメータ再指定手段108を備えず、単に制御器パラメータ決定手段104が算出したパラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,k1r,k2r,k3r,ki,kiz,kinの各値を、制御器パラメータ出力手段107によりそのままディジタル制御器70の制御補償手段70Aに組み込むように構成してもよい。
次に、上記構成の設計装置101について、その作用を図16のフローチャートで説明する。設計装置101を起動した後、図16のステップS1に示すように、既定値入力手段105を利用して、回路定数L1,C1,Ro,R1や、サンプリング周期Tや、遅れ時間の総和Lや、制御対象54のゲインKpを、それぞれ入力する。これらの規定値は、予め設計装置101に記憶保存されていて、必要な時にのみ変更できるようになっていてもよい。上記必要な規定値が全て入力されると、パラメータ指定手段102は、必要なゲインが得られる帯域幅と立ち上がり時間とを満足すると予測される極H,Hの値と、離散時間における制御対象54の零点n,nの値と、パラメータp,p,p,kの値を指定して、これを未定値算出手段103に出力する(ステップS2)。これらの値は、例えば数41〜数43に示すように、予めパラメータ指定手段102に記憶されたものを利用してもよいし、あるいは複数のキーからなる入力手段によりその都度入力指定してもよい。未定値算出手段103は、前記数34〜数36の連立方程式を解くための演算プログラムが組み込まれており、パラメータ指定手段102から極H,Hの値と、離散時間における制御対象54の零点n,nの値と、パラメータp、p、p,kの値を受け取ると、nとHの各未定値を算出する(ステップS3)。
上述のように、nとHの各値が算出されると、次のステップS4において、制御器パラメータ決定手段104は、図8に示す2次近似モデルを実現するディジタル積分形制御系の各パラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,k1r,k2r,k3r,ki,kiz,kinの各値を算出する。特性判定手段106やパラメータ再指定手段108が組み込まれていない設計装置101の場合は、制御器パラメータ出力手段107を利用して、これらの各パラメータ値をそのままディジタル制御器70の制御補償手段70Aに出力するが、これらの特性判定手段106やパラメータ再指定手段108が組み込まれている場合は、得られた各パラメータ値により望ましい特性(周波数−ゲイン特性や、周波数−位相特性)が得られるか否かを、当該特性判定手段106によりシミュレーション判定する(ステップS5)。ここでの判定条件は、予め特性判定手段106に記憶されているが、必要に応じて書き替え更新できるようにしてもよい。
制御器パラメータ決定手段104からの各パラメータ値によって、望ましい特性が得られると上記特性判定手段106が判定した場合は、設計装置101に接続されたディジタル制御器70に対し、当該各パラメータ値が出力され、所望の制御特性を持ったディジタル制御器70が得られる(ステップS6)。一方、制御器パラメータ決定手段104からの各パラメータ値では、望ましい特性が得られないと判定した場合は、ステップS7において、パラメータ再指定手段108によって、別なパラメータp,p,p,kの値を指定させ、再度ステップS3以降の手順に戻って、パラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,k1r,k2r,k3r,ki,kiz,kinの各値を算出させる。ここでは、特性判定手段106の判定回数を極力減らすために、例えば最初にパラメータkの値だけを、前に指定した値を基準として若干増減させ、それでも望ましい特性が得られないと特性判定手段106が判定した場合は、パラメータp、p、pの各値を、同様に前に指定した値を基準として若干増減させるのが望ましい。
このようにして得られたディジタル制御器70は、数18に示すような二次近似モデルの伝達関数を実現するものであるため、出力電圧の観測においてノイズに強いPWM電力増幅器を構築できる。また、2次近似モデルを実現できるのでスイッチング電源以外の他の種々の制御対象に、本実施例のディジタル制御器70を適用できる。しかも、上記設計方法に従えば、近似的2自由度ディジタル制御器のロバストな設計が、制御入力の大きさをほとんど考慮することなく容易にできる。ここに示す近似的2自由度ディジタル制御器70は、従来の積分形制御器なので、種々用いられている積分形制御器のロバスト化が簡単にできる。
以上のように本実施例のディジタル制御器70は、入力h,制御量y,第1の等価外乱q,第2の等価外乱q,遅れξがそれぞれ与えられた時に、上記数22の状態方程式を満足する制御対象すなわち制御対象要素54に接続され、この制御対象要素54に数15に示される状態フィードバック則と、数16に示されるフィードフォワード則を適用したときの目標値rと前記制御量yとの伝達関数Wry(z)を、数17に示すような4次の離散時間系から、数18に示すような二次近似したモデル伝達関数Wm(z)に定めて、このモデル伝達関数Wm(z)と、当該モデル伝達関数Wm(z)の逆関数Wm(z)-1と、当該逆関数Wm(z)-1を実現するための動的補償器たるフィルタ63とを結合した系を図7に示すように構成し、この系を等価変換して得た図8に示すような積分形制御系を実現する制御補償手段70Aを備えている。
また、制御補償手段70Aの構成が、制御量yとパラメータk1との積を出力する第1のフィードバック手段たるフィードバック要素71と、制御量yとパラメータk2との積を出力する第2のフィードバック手段たるフィードバック要素72と、第1の遅れ出力ξとパラメータk3との積を出力する第3のフィードバック手段たるフィードバック要素73と、第2の遅れ出力ξとパラメータk4との積を出力する第4のフィードバック手段たるフィードバック要素74と、第3の遅れ出力ξとパラメータk5との積を出力する第5のフィードバック手段たるフィードバック要素75と、制御量yとパラメータk6との積を出力する第6のフィードバック手段たるフィードバック要素76と、制御量yと目標値rとの偏差を算出する第1の演算手段たる第1の加え合せ点84と、第1の加え合せ点84からの演算値を積分して第4の遅れ出力ξに変換する積分手段たる要素83と、要素83からの第4の遅れ出力ξとパラメータkinとの積を出力する第1の積算手段たる要素82と、要素82からの出力,フィードバック要素75からの出力,およびフィードバック要素75からの出力を加算する第1の加算手段たる第2の加え合せ点85と、第2の加え合せ点85からの加算結果を、サンプリング遅れさせた前記第3の遅れ出力ξとする第1の遅延手段たる次数1/zの第1要素44Fと、前記第3の遅れ出力ξとパラメータkiとの積を出力する第2の積算手段たる要素80と、第3の遅れ出力ξとパラメータkizとの積を出力する第3の積算手段たる要素81と、第2の等価外乱q,要素80からの出力,フィードバック要素71からの出力,フィードバック要素73からの出力,およびフィードバック要素74からの出力を加算する第2の加算手段たる第3の加え合せ点43と、第3の加え合せ点43からの加算結果を、サンプリング遅れさせた前記第2の遅れ出力ξとする第2の遅延手段としての次数1/zの第2要素44Aと、第2要素44Aからの出力,要素81からの出力,およびフィードバック要素72からの出力を加算し、前記制御対象要素54に対する入力hを生成する第3の加算手段としての第4の加え合せ点43Bとにより構成される。
しかもこのような構成のディジタル制御器70に対し、本実施例では、極H,Hの値を指定すると共に、離散時間における前記制御対象の零点n,nの値と、パラメータp,p,p,kの値を指定するパラメータ指定手段102と、このパラメータ指定手段102で指定した各値を利用して、数数34〜数36に示す関係式から、零点nと極Hの各未定値を算出する未定値算出手段103と、この未定値算出手段103からの零点nと極Hの各未定値を利用して、前記積分形制御系を構成する各パラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,ki,kiz,kinの値を算出する制御器パラメータ決定手段104と、からなる設計装置101を備えている。
この場合、所望の特性が得られる各パラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,ki,kiz,kinの値を、複雑な処理手順を行なうことなく設計装置101によって簡単に得ることができる。
また、こうした各パラメータ値を組み込んだディジタル制御器70の制御補償手段70Aは、目標値rと制御量yとの間の離散化した伝達関数Wry(z)を、より近似性の高い二次近似したモデル伝達関数Wm(z)に定め、このモデル伝達関数Wm(z)に基づいて、内部で演算処理できる積分形制御系として構築されている。そのため、従来の一次近似モデルを実現する近似的なディジタル制御系に比べてより近似度が高く、出力ノイズに強いディジタル制御器70を実現できると共に、当該ディジタル制御器70のロバストな設計が、制御入力の大きさを殆ど考慮することなく容易にできる。
さらに、ここでのディジタル制御器70は、後述する第1〜第3のフィードフォワード手段たるフィードフォワード要素77,78,79を必要としないため、フィードフォワードの処理構成を最小限に止めることで、ディジタル制御器70としての演算能力を高めることができると共に、設計装置101も、こうしたフィードフォワードのパラメータを算出する必要がないので、処理時間を早めることができる。
また好ましくは、ここでのロバストディジタル制御器70に組み込まれる積分形制御系が、目標値rとパラメータk1rとの積を出力する第1のフィードフォワード手段たるフィードフォワード要素77と、目標値rとパラメータk2rとの積を出力する第2のフィードフォワード手段たるフィードフォワード要素78と、目標値rとパラメータk3rとの積を出力する第3のフィードフォワード手段たるフィードフォワード要素79とをさらに備え、フィードフォワード要素79の出力が第2の加え合せ点85でさらに加算され、フィードフォワード要素78の出力が第3の加え合せ点43Aでさらに加算され、フィードフォワード要素77の出力が第4の加え合せ点43Bでさらに加算されるように構成されるときに、制御器パラメータ決定手段104が、未定値算出手段103からの零点nと極Hの各未定値を利用して、前記各パラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,k1r,k2r,k3r,ki,kiz,kin の値を算出するように構成されている。
このように、フィードフォワードの処理構成をディジタル制御器70の積分形制御系として制御補償手段70Aに付加することで、ディジタル制御器70はさらに高精度な制御を実現することができるが、こうしたディジタル制御器70に対応して、設計装置101も、当該フィードフォワードに関連するパラメータを含む各パラメータ値を算出することが可能になる。
また、特性判定手段106やパラメータ再指定手段108が組み込まれていない設計装置101において、前記制御器パラメータ決定手段104で算出したパラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,k1r,k2r,k3r,ki,kiz,kinの各値を、設計装置101に接続したディジタル制御器70に出力する制御器パラメータ出力手段107を備えてもよい。
こうすると、制御器パラメータ決定手段104で算出した各パラメータ値が、直接ディジタル制御器70に出力されるので、このディジタル制御器70にいちいちパラメータ値を入力する手間を省くことができる。
また、本実施例の設計装置101は、制御器パラメータ決定手段104で算出したパラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,k1r,k2r,k3r,ki,kiz,kinの各値をディジタル制御器70に組み込んだと想定し、このディジタル制御器70により制御対象54を制御した場合に望ましい特性が得られるか否かを判定する特性判定手段106と、望ましい特性が得られないと特性判定手段106が判定した場合に、パラメータ指定手段102に別なパラメータp,p,p,kの値を指定させて、制御器パラメータ決定手段104で再度パラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,k1r,k2r,k3r,ki,kiz,kinの各値を算出させるパラメータ再指定手段108とをさらに備えている。
こうすると、所望の特性が得られる各パラメータ値が制御器パラメータ決定手段104で自動的に算出されるので、制御器パラメータ決定手段104で算出した最終的な各パラメータ値を利用して、ディジタル制御器70のロバストな設計を確実に行なうことができる。
また、望ましい特性が得られたと特性判定手段106が判定した場合にのみ、制御器パラメータ決定手段104で算出したパラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,k1r,k2r,k3r,ki,kiz,kinの各値をディジタル制御器70に出力する制御器パラメータ出力手段107をさらに備えることで、所望の特性が得られる各パラメータ値だけが、直接ディジタル制御器70に出力され、ディジタル制御器70のロバストな設計を簡単且つより確実に行なうことができる。
次に、本発明の第2実施例について、図17〜図26を参照しながら説明する。本実施例における含むPWM電力増幅器の回路構成は、第1実施例で示した図1と共通している。これらの共通点を含め、第1実施例と共通する箇所には共通の符号を付し、重複する部分は極力省略して説明する。
本実施例では、前記第1実施例の数18のようなパラメータH,Hを含む二次近似モデルに代わり、次の数44のようなパラメータHを含む一次近似モデルWm(z)を、実際に実現する目標特性として採用する。なお、この数44に示す一次近似モデルWm(z)は、非特許文献3にも提案されているもので、パラメータの個数が第1実施例のものに比べて少ない分、制御器の処理手順を簡単にできる利点がある。
上記数44は、H>>H,Hと指定して、第1実施例における数17の伝達関数Wry(z)を近似化したもので、図5および図6における各モデルマッチング系は、第1実施例のものと共通している。
上記一次近似モデルWm(z)の逆システムWm(z)-1と、この逆システムを近似的に実現するためのフィルタK(z)を導入して、図7に示すような系を構成する。フィルタK(z)は、前記数21にて示される。本実施例のような一次近似モデルWm(z)を採用したものにおいて、図7に示す系をDSP19として実現できる積分型制御系の構成に等価変換すると、図17に示すようなブロック線図になる。
この図17において、54は、行列xの各原素をなす出力電流に相当するコイル電流iL1と出力電圧Voに関し、入力η,制御量y,第1の等価外乱q,遅れそれぞれ与えられた時に、次の数45の状態方程式を満足する制御対象要素で、これは具体的にはコンバータ部2やLCフィルタ回路12に相当する。第1の等価外乱qは、加え合せ点43Eによって制御対象要素54からの出力に加算され、その加算結果が制御量yとして出力される。
一方、前記制御対象要素54と加え合せ点43Eを除く部分が、別な第2の等価外乱qを受けるディジタル制御器90としての積分型制御系の構成で、これは具体的にはDSP19により実現できる。ここでのディジタル制御器90は、−k1,−k2,−k3,−k4,1/g,kr1,kr2,ki1,ki2の各パラメータを有する伝達要素91〜99と、1サンプル遅れに相当する次数1/z(但し、z=exp(jωt))の要素44Aと、積分器に相当する次数1/z−1の要素83と、加え合せ点43A,43B,87との組み合わせにより構成される。また、図17に示すように、目標値rを入力として、パラメータkr1,kr2のフィードフォワード要素96,97が接続され、制御量yを入力として、パラメータ−k1,−k2,1/g(gは目標値rと基準値yとの間に導入された定常ゲイン)の各フィードバック要素91,92,95が接続され、制御対象要素54からの遅れ出力ξを入力として、パラメータ−k3のフィードバック要素93が接続されると共に、目標値rと1/gのフィードバック要素95の出力との偏差が第1の加え合せ点87から次数1/z−1の要素83に入力され、次数1/z−1の要素83からの出力がパラメータki1,ki2の各要素98,99に入力され、パラメータki2の要素99からの出力と、パラメータ−k1,−k3,−k4の各フィードバック要素91,93,94からの出力と、パラメータkr2のフィードフォワード要素97からの出力と、第2の等価外乱qが、第2の加え合せ点43Aで夫々加算され、この第2の加え合せ点43Aで加算した出力vが、次数1/zの要素44Aに入力され、次数1/zの要素44Aからの遅れ出力ξと、パラメータ−kのフィードバック要素92からの出力と、パラメータkr1のフィードフォワード要素96からの出力と、パラメータki1の要素98からの出力が、第3の加え合せ点43Bで夫々加算され、次数1/zの第2要素44Aからの遅れ出力ξが、パラメータ−k4のフィードバック要素94に入力され、そして第3の加え合せ点43Bで加算した出力が、前記入力ηとして制御対象要素54に与えられるように、ディジタル制御器90の制御補償手段90Aが構成される。
上記各パラメータk1,k2,k3,k4,kr1,kr2,ki1,ki2は、次のような役割を持ち、数46にて表せる。
k1,k2:電流フィードバックを電圧フィードバックと制御入力フィードバックに等価的に置き換えて、目標特性のモデルマッチング系を実現する電圧フィードバック係数。
k3:電流フィードバックを電圧フィードバックと制御入力フィードバックに等価的に置き換えて、DSP19の演算時間とAD変換時間による遅れを補償する電圧フィードバック係数。
k4:電流フィードバックを電圧フィードバックと制御入力フィードバックに等価的に置き換えるために導入された動的補償器の極。
ki1,ki2:目標特性のモデルマッチング系の一部を消去するための係数。
kr1,kr2:目標特性のモデルマッチング系を実現するためにその分子多項式を設定する目標値rからのフィードフォワード係数。
前記図17に示すディジタル積分形制御系の構成では、目標値rと制御量yとの間の伝達特性が、次の数47のようにあらわせる。
ここで、W(z)は次の数48のようにあらわせる。
また、等価外乱Qと制御量yとの間の伝達特性は、次の数49のようにあらわせる。
ここで、WQy(z)は次の数50のようにあらわせる。
このとき、次の数51,数52を満たすようにすれば、上記数47,数49に示す各伝達特性は、数53,数54のように夫々近似される。
上記数53と数54によれば、図17に示す系は、目標値rと制御量yとの間の特性がHによって決められる一方で、等価外乱Qと制御量yとの間の特性がkによって決められる近似的2自由度系となる。これらの間の特性に関し、その近似度を上げるためには、広い周波数範囲に渡って数51と数52の式が成り立つようにすればよい。そのためには、kを設定した後に、数51と数52の式の分母多項式が0、すなわち、次の根が指定した値になるように、H,Hを決めればよい。
等価外乱qと制御量yとの間の伝達関数Wqyy(z)を小さくして低感度にするには、前記パラメータkを大きくすればよい。しかし、図17から明らかなようにkは制御入力に直接に入力されているので大きな影響を与え、大きくし過ぎると制御入力が過度になり実行できなくなる。そこで、適当な大きさにとり、さらに等価外乱qと制御量yとの間の伝達関数Wqyy(z)を小さくするには、広い周波数範囲に渡って数52の式が成り立つようにすると共に、当該伝達関数Wqyy(z)を小さくすればよい。以下、伝達関数Wqyy(z)を小さくする一つの手法と、広い周波数範囲に渡って数51と数52の式を成り立たせる手法を説明する。
ここでは、伝達関数Wqyy(z)を小さくする手法の一例として、当該伝達関数の定常値Wqyy(1)を小さくする手法を提案する。伝達関数Wqyy(z)の定常値Wqyy(1)は、次の数56のように表される。
なお、上記のW(1)とW(2)は、次の数57のように表される。
上記数56の式に、例えば下記の数58のように指定したH,Hと、LCフィルタ回路12を構成するチョークコイル10のインダクタンスL(H)および平滑コンデンサ11の静電容量C(F)と、ディジタル制御器90のサンプリング周期T(sec)とを夫々代入すると、数56における定常値Wqyy(1)は数59のように表わすことができる。
ここで、H,Hを実数として、H=x,H=yとおき、上記数59に代入すると、次の数60が得られる。
これを、定常値Wqyy(1)に関するグラフとして描くと、図18に示すような立体的な曲線として表せる。
次に、H,Hを複素数として、H=x+yi,H=x−yiとおき、上記数59に代入すると、次の数61が得られる。
これを、定常値Wqyy(1)に関するグラフとして描くと、図19に示すような立体的な曲線として表せる。
図18と図19の各グラフを比較すると、H,Hを複素数とした方が、定常値Wqyy(1)が小さくなる範囲は広い。そこで、H,Hを複素数として、上述のようにH=x+yi,H=x−yiとおき、図19に示す定常値Wqyy(1)の小さい範囲から、望ましいxとyの値を夫々選ぶことにする。
次に、広い周波数範囲に渡って(8)、(9)式を成り立たせる手法を提案する。ここでは、パラメータkを設定した後で、数55すなわち次の数62に示す式の根の実部ができるだけ小さくなるように、H,Hを設定すればよい。
ここで、数62における根を次の数63のように指定する。
このとき、数62および数63の係数等価式は、次の数64〜数66にて書き表せる。
ここで、上述のようにH=x+yi,H=x−yiとおき、数64〜数66の係数等価式に夫々代入すると、次の数67〜数69が得られる。
一例として、p,p,pの指定値とn,n,kを次の数70のように設定する。
これらの各値を、上記数67〜数69に代入すると、数71のような3本の連立方程式であらわせる。
これらは円の方程式であり、夫々の円の交点が上記3本の連立方程式の解を与える。これらの円を描くと図20のグラフ図に示すようになる。なお、同図において、式(1)〜式(3)は上記数71の各式に対応している。これらの連立方程式の交点から、x=−0.1,y=0.6が得られる。したがって、H=−0.1+0.6i,H=−0.1−0.6iと設定すれば、数55の根は指定された値となる。こうして、H,Hを含めた全ての極が求まることにより、状態フィードバックF=[F(1,1) F(1,2) F(1,3) F(1,4)]やGが定まり、図17におけるディジタル制御器90のパラメータを、次の数72のように定めることができる。
第1実施例と同様に、他のフィードフォワードパラメータkr1,kr2はかならずしも必要ないので零とおいた。
次に、上述したように、H=−0.1+0.6i,H=−0.1−0.6iと設定して数72の各パラメータを定めたときに、これらのパラメータを用いて数49で求めた等価外乱qと制御量yとの間の伝達関数のゲイン特性と、H=−0.1,H=−0.2と適当に設定して数72の各パラメータを定めたときに、これらのパラメータを用いて数49で求めた等価外乱qと制御量yとの間の伝達関数のゲイン特性を、夫々図21のグラフに示す。同図において、「複素数近似値」とは、H=−0.1+0.6i,H=−0.1−0.6iと設定し、数49で求めたゲイン特性の近似値で、「複素数真値」は極H,Hを同じ複素数に設定したときのゲイン特性の真値である。同様に、「実数近似値」とは、H=−0.1,H=−0.2と設定し、数49で求めたゲイン特性の近似値で、「実数真値」は極H,Hを同じ実数に設定したときのゲイン特性の真値である。この図21からも明らかなように、本手法で得られた複素数による極H,Hを設定した方が、定常値Wqyy(1)が小さく、真値自身が小さくなっている。また、極H,Hが実数である場合に比べて、ゲイン特性の近似値がより小さいことがわかる。
図22は、上記の手法に基づいて極H,Hを設定したときの、種々の負荷時のスタートアップ応答を示す。なお、同図における抵抗値(Ω)とキャパシタンス(μF)は、前記負荷8と平滑コンデンサ11の各値に相当する。この図からも明らかなように、負荷8が変動しても目標の一次近似モデルの応答からほとんどずれることなく応答しており、非常に低感度でロバストなディジタル制御系が得られていることがわかる。
図23は、前記極H,Hを適当な実数に設定したときのスタートアップ応答を示す。なお、同図における抵抗値(Ω)とキャパシタンス(μF)は、前記負荷8と平滑コンデンサ11の各値に相当する。特に容量負荷時におけるスタートアップ応答が、目標の一次近似モデルから大きく離れており、ロバスト性が劣っていることがわかる。
図24は、負荷急変時の動的な負荷応答を示す。負荷電流(コイル電流)は10(A)から20(A)に急に変化させたが、出力電圧Voの変動は50(mV)以下に抑えられており、十分実用に値するものとなっている。
図25は、図17に示すディジタル積分型制御系の制御補償手段90Aを組み込んだディジタル制御器90に関し、上記設計手順に従って、数46に示す各パラメータk1,k2,k3,k4,kr1,kr2,ki1,ki2の値を決定することができる設計装置の構成を示している。同図において、当該設計装置201は、必要なゲインが得られる帯域幅と立ち上がり時間とを満足すると予測される極H,Hの値を指定すると共に、零点n,nの値と、パラメータp,p,p,kの値を指定するパラメータ指定手段202と、数67〜数69の連立方程式を利用して、極HとHの各未定値を算出する未定値算出手段203と、未定値算出手段203で算出されたHとHの各値を利用して、ディジタル制御器90の各パラメータk1,k2,k3,k4,ki1,ki2を算出すると共に、好ましくはフィードフォワードのパラメータkr1,kr2をも算出する制御器パラメータ決定手段204と、未定値算出手段203が極HとHの各未定値を算出する際と、制御器パラメータ決定手段204が上記パラメータk1,k2,k3,k4,kr1,kr2,ki1,ki2の各値を算出する際に必要な、回路定数L1,C1,Ro,R1や、サンプリング周期Tや、遅れ時間の総和Lや、制御対象54のゲインKpを入力する既定値入力手段205とを備えて構成される。
また好ましい例として、設計装置201は、制御器パラメータ決定手段204が算出したパラメータk1,k2,k3,k4,kr1,kr2,ki1,ki2の各値を、ディジタル制御器90の制御補償手段90Aに組み込んだと想定し、このディジタル制御器90により制御対象54を制御した場合に望ましい特性が得られるか否かをシミュレーション判定する特性判定手段206と、特性判定手段206が判定した場合に、そのパラメータk1,k2,k3,k4,kr1,kr2,ki1,ki2の各値を実際にディジタル制御器90の制御補償手段90Aに組み込む制御器パラメータ出力手段207と、望ましい特性が得られないと特性判定手段206が判定した場合に、パラメータ指定手段202に別な零点n,nの値や、パラメータp,p,p,kの値を指定させて、再度パラメータk1,k2,k3,k4,kr1,kr2,ki1,ki2の各値を算出させるパラメータ再指定手段208とをさらに備えている。
この設計装置201は、ディジタル制御器90と別体であっても、一体に組み込まれてもよい。ディジタル制御器90と一体の場合は、制御器パラメータ決定手段204が算出したパラメータk1,k2,k3,k4,kr1,kr2,ki1,ki2の各値を、ディジタル制御器90の制御補償手段90Aに組み込んで、実際にディジタル制御器90により制御対象54を制御し、そのときの各部の測定値から、特性判定手段206が望ましい特性になっているか否かを判定するようにしてもよい。その際、望ましい特性でなければ、前記パラメータ再指定手段208により再度パラメータk1,k2,k3,k4,kr1,kr2,ki1,ki2の各値を算出させ、その値を特性判定手段206が制御補償手段90Aに組み込ませるようにすればよい。また、上記特性判定手段206やパラメータ再指定手段208を備えず、単に制御器パラメータ決定手段204が算出したパラメータk1,k2,k3,k4,kr1,kr2,ki1,ki2の各値を、制御器パラメータ出力手段207によりそのままディジタル制御器90の制御補償手段90Aに組み込むように構成してもよい。
次に、上記構成の設計装置201について、その作用を図26のフローチャートで説明する。設計装置201を起動した後、図26のステップS11に示すように、既定値入力手段205を利用して、回路定数L1,C1,Ro,R1や、サンプリング周期Tや、遅れ時間の総和Lや、制御対象54のゲインKpを、それぞれ入力する。これらの規定値は、予め設計装置201に記憶保存されていて、必要な時にのみ変更できるようになっていてもよい。上記必要な規定値が全て入力されると、パラメータ指定手段202は、必要なゲインが得られる帯域幅と立ち上がり時間とを満足すると予測される極H,Hの値と、離散時間における制御対象54の零点n,nの値と、パラメータp,p,p,kの値を指定して、これを未定値算出手段203に出力する(ステップS12)。これらの値の一例は、数58や数70にも示されているが、予めパラメータ指定手段202に記憶されたものを利用してもよいし、あるいは複数のキーからなる入力手段によりその都度入力指定してもよい。未定値算出手段203は、パラメータ指定手段202から極H,Hの値と、零点n,nの値と、パラメータp、p、p,kの値を受け取ると、HとHの各未定値を算出する(ステップS13)。これらの未定値HとHは、例えば数60のように実数として算出してもよいが、好ましくは近似度を高めるために、H=x+yi,H=x−yiとなる共役複素数として算出するのが好ましい。そのために、未定値算出手段203には、前記数67〜数69の連立方程式を解くための演算プログラムが組み込まれている。
上述のように、HとHの各値が算出されると、次のステップS14において、制御器パラメータ決定手段204は、図17に示す一次近似モデルを実現するディジタル積分形制御系の各パラメータk1,k2,k3,k4,kr1,kr2,ki1,ki2の各値を算出する。特性判定手段206やパラメータ再指定手段208が組み込まれていない設計装置201の場合は、制御器パラメータ出力手段207を利用して、これらの各パラメータ値をそのままディジタル制御器90の制御補償手段90Aに出力するが、これらの特性判定手段206やパラメータ再指定手段208が組み込まれている場合は、得られた各パラメータ値により望ましい特性(周波数−ゲイン特性や、周波数−位相特性)が得られるか否かを、当該特性判定手段206によりシミュレーション判定する(ステップS15)。ここでの判定条件は、予め特性判定手段206に記憶されているが、必要に応じて書き替え更新できるようにしてもよい。
制御器パラメータ決定手段204からの各パラメータ値によって、望ましい特性が得られると上記特性判定手段206が判定した場合は、設計装置201に接続されたディジタル制御器90に対し、当該各パラメータ値が出力され、所望の制御特性を持ったディジタル制御器90が得られる(ステップS16)。一方、制御器パラメータ決定手段204からの各パラメータ値では、望ましい特性が得られないと判定した場合は、ステップS17において、パラメータ再指定手段208によって、別なパラメータp,p,p,kの値を指定させ、再度ステップS13以降の手順に戻って、パラメータk1,k2,k3,k4,kr1,kr2,ki1,ki2の各値を算出させる。
このようにして得られたディジタル制御器90は、数44に示すような一次近似モデルの伝達関数を実現するものであるため、ディジタル制御器90としての構造が最も簡単なものとなって、近似的2自由度ディジタル制御器のロバストな設計が容易にできる。また、ここに示す近似的2自由度ディジタル制御器90は、従来の積分形制御器なので、種々用いられている積分形制御器のロバスト化が簡単にできる。
以上のように本実施例のディジタル制御器90は、入力h,制御量y,第1の等価外乱q,第2の等価外乱q,遅れξがそれぞれ与えられた時に、上記数22の状態方程式を満足する制御対象すなわち制御対象要素54に接続され、この制御対象要素54に数15に示される状態フィードバック則と、数16に示されるフィードフォワード則を適用したときの目標値rと前記制御量yとの伝達関数Wry(z)を、数17に示すような4次の離散時間系から、数44に示すような一次近似したモデル伝達関数Wm(z)に定めて、このモデル伝達関数Wm(z)と、当該モデル伝達関数Wm(z)の逆関数Wm(z)-1と、当該逆関数Wm(z)-1を実現するための動的補償器たるフィルタ63とを結合した系を図7に示すように構成し、この系を等価変換して得た図17に示すような積分形制御系を実現する制御補償手段90Aを備えている。
また、制御補償手段90Aの構成が、制御量yとパラメータ−k1との積を出力する第1のフィードバック手段たるフィードバック要素91と、制御量yとパラメータ−k2との積を出力する第2のフィードバック手段たるフィードバック要素92と、第1の遅れ出力ξとパラメータ−k3との積を出力する第3のフィードバック手段たるフィードバック要素93と、第2の遅れ出力ξとパラメータ−k4との積を出力する第4のフィードバック手段たるフィードバック要素94と、前記制御量yと1/gとの積を出力する第5のフィードバック手段たるフィードバック要素95と、制御量yとフィードバック要素95の出力との偏差を算出する第1の演算手段たる第1の加え合せ点87と、第1の加え合せ点87からの演算値を積分した出力に変換する積分手段たる要素83と、要素83からの出力とパラメータki1との積を出力する第1の積算手段たる要素98と、要素83からの出力とパラメータki2との積を出力する第2の積算手段たる要素99と、第2の等価外乱q,要素99からの出力,フィードバック要素91からの出力,フィードバック要素93からの出力,およびフィードバック要素94からの出力を加算する第1の加算手段たる第2の加え合せ点43Aと、第2の加え合せ点43Aからの加算結果を、サンプリング遅れさせた前記第2の遅れ出力ξとする遅延手段としての次数1/zの要素44Aと、要素44Aからの出力,要素98からの出力,およびフィードバック要素92からの出力を加算し、前記制御対象要素54に対する入力ηを生成する第2の加算手段としての第3の加え合せ点43Bとにより構成される。
しかもこのような構成のディジタル制御器90に対し、本実施例では、極H,Hの値を指定すると共に、離散時間における前記制御対象の零点n,nの値と、パラメータp,p,p,kの値を指定するパラメータ指定手段202と、このパラメータ指定手段202で指定した各値を利用して、数67〜数69に示す関係式から、極H,Hの各未定値を算出する未定値算出手段203と、この未定値算出手段203からの極H,Hの各未定値を利用して、前記積分形制御系を構成する各パラメータk1,k2,k3,k4,ki1,ki2の値を算出する制御器パラメータ決定手段204と、からなる設計装置201を備えている。
この場合、所望の特性が得られる各パラメータk1,k2,k3,k4,ki1,ki2の値を、複雑な処理手順を行なうことなく設計装置201によって簡単に得ることができる。
また、こうした各パラメータ値を組み込んだディジタル制御器90の制御補償手段90Aは、目標値rと制御量yとの間の離散化した伝達関数Wry(z)を、処理構成の比較的単純な一次近似したモデル伝達関数Wm(z)に定め、このモデル伝達関数Wm(z)に基づいて、内部で演算処理できる積分形制御系として構築されている。そのため、上述の設計装置202を併用することで、一次近似モデルを実現する近似的な2自由度ロバストディジタル制御系の構成に対し、ロバストな設計を簡単に行なうことができる。
さらに、ここでのディジタル制御器90は、後述する第1および第2のフィードフォワード手段たるフィードフォワード要素96,97を必要としないため、フィードフォワードの処理構成を最小限に止めることで、ディジタル制御器90としての演算能力を高めることができると共に、設計装置201も、こうしたフィードフォワードのパラメータを算出する必要がないので、処理時間を早めることができる。
また好ましくは、ここでのロバストディジタル制御器90に組み込まれる積分形制御系が、目標値rとパラメータkr1との積を出力する第1のフィードフォワード手段たるフィードフォワード要素96と、目標値rとパラメータkr2との積を出力する第2のフィードフォワード手段たるフィードフォワード要素97とを備え、フィードフォワード要素97の出力が第2の加え合せ点43Aでさらに加算され、フィードフォワード要素96の出力が第3の加え合せ点43Bでさらに加算されるように構成されるときに、制御器パラメータ決定手段204が、未定値算出手段203からの極H,Hの各未定値を利用して、前記各パラメータk1,k2,k3,k4,kr1,kr2,ki1,ki2の値を算出するように構成されている。
このように、フィードフォワードの処理構成をディジタル制御器90の積分形制御系として制御補償手段90Aに付加することで、ディジタル制御器90はさらに高精度な制御を実現することができるが、こうしたディジタル制御器90に対応して、設計装置201も、当該フィードフォワードに関連するパラメータを含む各パラメータ値を算出することが可能になる。
また、特性判定手段206やパラメータ再指定手段208が組み込まれていない設計装置201において、前記制御器パラメータ決定手段204で算出したパラメータk1,k2,k3,k4,kr1,kr2,ki1,ki2の各値を、設計装置201に接続したディジタル制御器90に出力する制御器パラメータ出力手段207を備えてもよい。
こうすると、制御器パラメータ決定手段204で算出した各パラメータ値が、直接ディジタル制御器90に出力されるので、このディジタル制御器90にいちいちパラメータ値を入力する手間を省くことができる。
また、本実施例の設計装置201は、制御器パラメータ決定手段204で算出したパラメータk1,k2,k3,k4,kr1,kr2,ki1,ki2の各値をディジタル制御器90に組み込んだと想定し、このディジタル制御器90により制御対象54を制御した場合に望ましい特性が得られるか否かを判定する特性判定手段206と、望ましい特性が得られないと特性判定手段206が判定した場合に、パラメータ指定手段202に別なパラメータp,p,p,kの値を指定させて、制御器パラメータ決定手段104で再度パラメータk1,k2,k3,k4,kr1,kr2,ki1,ki2の各値を算出させるパラメータ再指定手段208とをさらに備えている。
こうすると、所望の特性が得られる各パラメータ値が制御器パラメータ決定手段204で自動的に算出されるので、制御器パラメータ決定手段204で算出した最終的な各パラメータ値を利用して、ディジタル制御器90のロバストな設計を確実に行なうことができる。
また、望ましい特性が得られたと特性判定手段206が判定した場合にのみ、制御器パラメータ決定手段204で算出したパラメータk1,k2,k3,k4,kr1,kr2,ki1,ki2の各値をディジタル制御器90に出力する制御器パラメータ出力手段207をさらに備えることで、所望の特性が得られる各パラメータ値だけが、直接ディジタル制御器90に出力され、ディジタル制御器90のロバストな設計を簡単且つより確実に行なうことができる。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実施が可能であることはいうまでもない。例えば、図1に示す制御対象となるコンバータ部2の構成はトランス3を用いない非絶縁型コンバータや、複数のスイッチング素子を有するコンバータ(例えば、ハーフブリッジコンバータやフルブリッジコンバータ)など、様々な形式のものが適用できる。さらに本実施例のロバストディジタル制御器は、フィードバック制御を行なうあらゆる機器に適用が可能である。
本発明の第1実施例におけるロバストディジタル制御器を含むPWM電力増幅器の回路図である。 同上、キャリア波とPWM出力の波形図である。 同上、図1におけるLCフィルタ回路を含むコンバータ部の等価回路図である。 同上、入力無駄時間と1周期遅れ要素を持つ制御対象をあらわしたブロック線図である。 同上、負荷変動の等価外乱と状態フィードバックによるモデルマッチング系を示したブロック線図である。 同上、電圧(出力)フィードバックのみを用いたモデルマッチング系を示したブロック線図である。 同上、伝達関数Wry(z),WQy(z)を含むシステムに、逆システムとフィルタを結合した実現可能な系のブロック線図である。 同上、図7に示す系を等価変換して得られた近似的2自由度ディジタル積分型制御系のブロック線図である。 同上、図8に示す系において、nを零点の一つに近づけたときの周波数−ゲイン特性図である。 同上、図8に示す系において、nを零点の一つに近づけたときの周波数−位相特性図である。 同上、−n=x,H=yとおいたときの双曲線を示すx−yのグラフである。 同上、等価外乱qと制御量yとの間の伝達関数の周波数−ゲイン特性図である。 同上、起動時における出力電圧,入力電圧,出力電流の各応答特性を示す波形図である。 同上、負荷急変時の動的な負荷応答を示す負荷電流と出力電圧の各波形図である。 同上、設計装置の構成を示すブロック図である。 同上、設計装置の動作手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施例における近似的2自由度ディジタル積分型制御系のブロック線図である。 同上、H=x,H=yとおいたときの定常値Wqyy(1)に関するグラフである。 同上、H=x+yi,H=x−yiとおいたときの定常値Wqyy(1)に関するグラフである。 同上、H=x+yi,H=x−yiとおいたときの円の方程式を示すx−yのグラフである。 同上、等価外乱qと制御量yとの間の伝達関数の周波数−ゲイン特性図である。 同上、極H,Hを複素数に設定した時に、起動時における出力電圧,入力電圧,出力電流の各応答特性を示す波形図である。 同上、極H,Hを適当な実数に設定した時に、起動時における出力電圧,入力電圧,出力電流の各応答特性を示す波形図である。 同上、負荷急変時の動的な負荷応答を示す負荷電流と出力電圧の各波形図である。 同上、設計装置の構成を示すブロック図である。 同上、設計装置の動作手順を示すフローチャートである。
符号の説明
43A 第2の加え合せ点,第3の加え合せ点(第1の加算手段,第2の加算手段)
43B 第3の加え合せ点,第4の加え合せ点(第2の加算手段,第3の加算手段)
44A 第2要素(第2の遅延手段)
44F 第1要素(第1の遅延手段,遅延手段)
54 制御対象要素(制御対象)
63 フィルタ(動的補償器)
71 フィードバック要素(第1のフィードバック手段)
72 フィードバック要素(第2のフィードバック手段)
73 フィードバック要素(第3のフィードバック手段)
74 フィードバック要素(第4のフィードバック手段)
75 フィードバック要素(第5のフィードバック手段)
76 フィードバック要素(第6のフィードバック手段)
77 フィードフォワード要素(第1のフィードフォワード手段)
78 フィードフォワード要素(第2のフィードフォワード手段)
79 フィードフォワード要素(第3のフィードフォワード手段)
80 要素(第2の積算手段)
82 要素(第1の積算手段)
83 要素(積分手段)
84 第1の加え合せ点(第1の演算手段)
85 第2の加え合せ点(第1の加算手段)
87 第1の加え合せ点(第1の演算手段)
91 フィードバック要素(第1のフィードバック手段)
92 フィードバック要素(第2のフィードバック手段)
93 フィードバック要素(第3のフィードバック手段)
94 フィードバック要素(第4のフィードバック手段)
95 フィードバック要素(第5のフィードバック手段)
96 フィードフォワード要素(第1のフィードフォワード手段)
97 フィードフォワード要素(第2のフィードフォワード手段)
98 要素(第1の積算手段)
99 要素(第2の積算手段)
102,202 パラメータ指定手段
103,203 未定値算出手段
104,204 制御器パラメータ決定手段
106,206 特性判定手段
107,207 制御器パラメータ出力手段
108,208 パラメータ再指定手段

Claims (7)

  1. 入力h,制御量y,第1の等価外乱q,第2の等価外乱q,遅れξがそれぞれ与えられた時に、次の数1の状態方程式を満足する制御対象に接続され、

    前記制御対象に状態フィードバック則とフィードフォワード則を適用したときの目標値rと前記制御量yとの伝達関数Wry(z)を、次の数2に示す二次近似したモデル伝達関数Wm(z)に定めて、

    (但し、z=exp(jωt)、n,n1,n2は零点、H,H,H,Hは極である)
    このモデル伝達関数Wm(z)と、当該モデル伝達関数Wm(z)の逆関数Wm(z)-1と、当該逆関数Wm(z)-1を実現するための数3に示す特性の動的補償器K(z)とを結合した系を構成し、

    この系を等価変換して得た積分形制御系を実現すると共に、
    前記積分形制御系は、
    前記制御量yとパラメータk1との積を出力する第1のフィードバック手段と、
    前記制御量yとパラメータk2との積を出力する第2のフィードバック手段と、
    第1の遅れ出力ξとパラメータk3との積を出力する第3のフィードバック手段と、
    第2の遅れ出力ξとパラメータk4との積を出力する第4のフィードバック手段と、
    第3の遅れ出力ξとパラメータk5との積を出力する第5のフィードバック手段と、
    前記制御量yとパラメータk6との積を出力する第6のフィードバック手段と、
    前記制御量yと前記目標値rとの偏差を算出する第1の演算手段と、
    前記第1の演算手段からの演算値を積分して第4の遅れ出力ξに変換する積分手段と、
    前記積分手段からの第4の遅れ出力ξとパラメータkinとの積を出力する第1の積算手段と、
    前記第1の積算手段からの出力,前記第5のフィードバック手段からの出力,および前記第6のフィードバック手段からの出力を加算する第1の加算手段と、
    前記第1の加算手段からの加算結果をサンプリング遅れさせた前記第3の遅れ出力ξとする第1の遅延手段と、
    前記第3の遅れ出力ξとパラメータkiとの積を出力する第2の積算手段と、
    前記第3の遅れ出力ξとパラメータkizとの積を出力する第3の積算手段と、
    前記第2の等価外乱q,前記第2の積算手段からの出力,前記第1のフィードバック手段からの出力,前記第3のフィードバック手段からの出力,および前記第4のフィードバック手段からの出力を加算する第2の加算手段と、
    前記第2の加算手段からの加算結果をサンプリング遅れさせた前記第2の遅れ出力ξとする第2の遅延手段と、
    前記第2の遅延手段からの出力,前記第3の積算手段からの出力,および前記第2のフィードバック手段からの出力を加算し、前記制御対象に対する入力hを生成する第3の加算手段とからなり、
    前記各パラメータは、前記状態フィードバック則F=[F(1,1) F(1,2) F(1,3) F(1,4)]と、前記フィードフォワード則Gを適用したときに次の数4で表わせるように構成したロバストディジタル制御器の設計装置であって、

    極H,Hの値を指定すると共に、離散時間における前記制御対象の零点n,nの値と、パラメータp,p,p,kの値を指定するパラメータ指定手段と、
    前記パラメータ指定手段で指定した各値を利用して、次の数5に示す関係式から、零点nと極Hの各未定値を算出する未定値算出手段と、

    前記未定値算出手段からの各未定値を利用して、前記積分形制御系を構成する各パラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,ki,kiz,kinの値を算出する制御器パラメータ決定手段と、
    を備えたことを特徴とするロバストディジタル制御器の設計装置。
  2. 前記ロバストディジタル制御器に組み込まれる積分形制御系が、
    前記目標値rとパラメータk1rとの積を出力する第1のフィードフォワード手段と、
    前記目標値rとパラメータk2rとの積を出力する第2のフィードフォワード手段と、
    前記目標値rとパラメータk3rとの積を出力する第3のフィードフォワード手段とをさらに備え、
    前記第3のフィードフォワード手段の出力が第1の加算手段でさらに加算され、
    前記第2のフィードフォワード手段の出力が第2の加算手段でさらに加算され、
    前記第1のフィードフォワード手段の出力が第3の加算手段でさらに加算され、
    前記パラメータが、k1r=G,k2r=GH+GF,k3r=kとなるように構成されるときに、
    前記制御器パラメータ決定手段は、前記未定値算出手段からの各未定値を利用して、前記各パラメータk1,k2,k3,k4,k5,k6,k1r,k2r,k3r,ki,kiz,kin の値を算出するものであることを特徴とする請求項1記載のロバストディジタル制御器の設計装置。
  3. 入力η,制御量y,第1の等価外乱q,第2の等価外乱q,遅れξがそれぞれ与えられた時に、次の数6の状態方程式を満足する制御対象に接続され、


    前記制御対象に状態フィードバック則とフィードフォワード則を適用したときの目標値rと前記制御量yとの伝達関数Wry(z)を、次の数7に示す二次近似したモデル伝達関数Wm(z)に定めて、

    (但し、z=exp(jωt)、n1,n2は零点、H,H,H,Hは極である)
    このモデル伝達関数Wm(z)と、当該モデル伝達関数Wm(z)の逆関数Wm(z)-1と、当該逆関数Wm(z)-1を実現するための数8に示す特性の動的補償器K(z)とを結合した系を構成し、

    この系を等価変換して得た積分形制御系を実現すると共に、
    前記積分形制御系は、
    前記制御量yとパラメータ−k1との積を出力する第1のフィードバック手段と、
    前記制御量yとパラメータ−k2との積を出力する第2のフィードバック手段と、
    第1の遅れ出力ξとパラメータ−k3との積を出力する第3のフィードバック手段と、
    第2の遅れ出力ξとパラメータ−k4との積を出力する第4のフィードバック手段と、
    前記制御量yと1/g(gは目標値rと基準値yとの間に導入された定常ゲイン)との積を出力する第5のフィードバック手段と、
    前記制御量yと前記第5のフィードバック手段の出力との偏差を算出する第1の演算手段と、
    前記第1の演算手段からの演算値を積分した出力に変換する積分手段と、
    前記積分手段からの出力とパラメータki1との積を出力する第1の積算手段と、
    前記積分手段からの出力とパラメータki2との積を出力する第2の積算手段と、
    前記第2の等価外乱q,前記第2の積算手段からの出力,前記第1のフィードバック手段からの出力,前記第3のフィードバック手段からの出力,および前記第4のフィードバック手段からの出力を加算する第1の加算手段と、
    前記第1の加算手段からの加算結果をサンプリング遅れさせた前記第2の遅れ出力ξとする遅延手段と、
    前記遅延手段からの出力,前記第1の積算手段からの出力,および前記第2のフィードバック手段からの出力を加算し、前記制御対象に対する入力ηを生成する第2の加算手段とからなり、
    前記各パラメータは、前記状態フィードバック則F=[F(1,1) F(1,2) F(1,3) F(1,4)]と、前記フィードフォワード則Gを適用したときに次の数9で表わせるように構成したロバストディジタル制御器の設計装置であって、

    極H,Hの値を指定すると共に、離散時間における前記制御対象の零点n,nの値と、パラメータp,p,p,kの値を指定するパラメータ指定手段と、
    前記パラメータ指定手段で指定した各値を利用して、次の数10に示す関係式から、極H=x+yi,H=x−yiの各未定値を算出する未定値算出手段と、

    前記未定値算出手段からの各未定値を利用して、前記積分形制御系を構成する各パラメータk1,k2,k3,k4,ki1,ki2の値を算出する制御器パラメータ決定手段と、
    を備えたことを特徴とするロバストディジタル制御器の設計装置。
  4. 前記ロバストディジタル制御器に組み込まれる積分形制御系が、
    前記目標値rとパラメータkr1との積を出力する第1のフィードフォワード手段と、
    前記目標値rとパラメータkr2との積を出力する第2のフィードフォワード手段とをさらに備え、
    前記第2のフィードフォワード手段の出力が第1の加算手段でさらに加算され、
    前記第1のフィードフォワード手段の出力が第2の加算手段でさらに加算され、
    前記パラメータが、kr1=gG,kr2=g(GH+G(−F(1,4)+F(1,2)B(1,1)/A(1,2)))となるように構成されるときに、
    前記制御器パラメータ決定手段は、前記未定値算出手段からの各未定値を利用して、前記各パラメータk1,k2,k3,k4,kr1,kr2,ki1,ki2の値を算出するものであることを特徴とする請求項3記載のロバストディジタル制御器の設計装置。
  5. 前記制御器パラメータ決定手段で算出した各パラメータ値を前記ロバストディジタル制御器に出力する制御器パラメータ出力手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のロバストディジタル制御器の設計装置。
  6. 前記制御器パラメータ決定手段で算出した各パラメータ値を前記ロバストディジタル制御器に組み込んだと想定し、このロバストディジタル制御器により前記制御対象を制御した場合に望ましい特性が得られるか否かを判定する特性判定手段と、
    望ましい特性が得られないと前記特性判定手段が判定した場合に、前記パラメータ指定手段に別なパラメータp,p,p,kの値を指定させて、前記制御器パラメータ決定手段で再度パラメータ値を算出させるパラメータ再指定手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のロバストディジタル制御器の設計装置。
  7. 望ましい特性が得られたと前記特性判定手段が判定した場合に、前記制御器パラメータ決定手段で算出した各パラメータ値を前記ロバストディジタル制御器に出力する制御器パラメータ出力手段をさらに備えたことを特徴とする請求項6記載のロバストディジタル制御器の設計装置。
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