JP2006050521A - 機器制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】無線タグを利用してトイレ用機器の制御システムを構築する場合において、消費電力の節減・機器のコストダウン及び長寿命化を図る。
【解決手段】人体検知手段Sが人体検知信号を出力していないとき検出装置10は停止状態又は待機状態(質問信号のデューティー比が小さい状態)に保持され消費電力は低く抑えられる。人体検知手段Sが人体検知信号を出力すると、検出装置10が動作状態(質問信号のデューティー比が大きい状態)へ移行し、リモコンRや着座センサーQと交信可能となる。便座22に使用者が着座すると着座センサーQがONになり温水洗浄装置を動作可能状態へ移行する。リモコンRの所要スイッチ3を押すと応答信号が返信され、検出装置10が検知信号を制御装置20へ出力し、制御装置20が選択された機器に所要動作を実行させる。使用者が退出すれば、検出装置10は停止又は待機状態へ移行する。
【選択図】 図3
【解決手段】人体検知手段Sが人体検知信号を出力していないとき検出装置10は停止状態又は待機状態(質問信号のデューティー比が小さい状態)に保持され消費電力は低く抑えられる。人体検知手段Sが人体検知信号を出力すると、検出装置10が動作状態(質問信号のデューティー比が大きい状態)へ移行し、リモコンRや着座センサーQと交信可能となる。便座22に使用者が着座すると着座センサーQがONになり温水洗浄装置を動作可能状態へ移行する。リモコンRの所要スイッチ3を押すと応答信号が返信され、検出装置10が検知信号を制御装置20へ出力し、制御装置20が選択された機器に所要動作を実行させる。使用者が退出すれば、検出装置10は停止又は待機状態へ移行する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、無線タグを利用して各種機器の動作を制御するためのシステムに関し、詳しくは、無線タグと交信する検出装置の動作電力の節減を図ることを目的とする。
トイレの便器に温水洗浄装置や脱臭装置を装備した場合において、温水洗浄装置等の動作をリモコンで制御することは従来採用されている。例えば特許文献1に、トイレ室の壁面に設置したリモコンによって、便器に備えられる温水洗浄装置・乾燥装置・便座ヒータ等の動作を制御するトイレ装置が記載されており、トイレ装置の主制御手段とリモコンとは、電波や赤外線、超音波等で交信するとされている。また、使用者が便座に着座しないときは温水洗浄装置を動作させず、使用者が便座に着座したことを検知すると温水洗浄装置を使用可能にする制御機構も従来採用されており、例えば特許文献2に、圧力センサや加速度センサ等よりなる着座センサを便座に設け、これで人が着座しているか否かを検知することにより、温水洗浄装置の誤動作を防止することが記載されている。
ところで特許文献1のトイレ装置にあっては、電波信号出力用の電源がリモコンに必要であるため、リモコンに別途配線工事を施すか、または電池を内蔵させることが必要であった。また特許文献2の着座センサは、信号検出部や駆動回路と、配線により接続されているため、便座ヒータから発生するノイズの悪影響を受け、温水洗浄装置等が誤動作を引き起こすおそれがあった。
そこで、上記リモコンや着座センサを無線タグを利用して構成し、配線作業や内蔵電池を省略する試みが本発明者らによって提案されている。すなわち、機器の動作を制御する制御装置と、電波の送受信機能を備える検出装置とを設け、検出装置から無線タグへ質問信号を送信し、これに応答して無線タグから返信される応答信号を受信することにより、検出装置が検知信号を制御装置へ出力し、制御装置が機器に所定の動作を実行させるというものである。
特開2000−14601公報
実開平07−9197号公報
無線タグを利用して温水洗浄装置のリモコンや便座に配置される着座センサーを構成する場合、無線タグと交信する検出装置は、常時、質問信号を出力するように設定されていた。このため、使用者が不存在のときも検出装置は質問動作を継続的に送信するので、消費電力が大きくなるという問題があった。
前記従来の問題点を解決するために採用した本発明に係る機器制御システムの構成は、図1に示す如く、機器の動作を制御する制御装置と、電波の送受信機能を備え前記制御装置に検知信号を出力する検出装置と、前記検出装置から送信される質問信号に応答して当該検出装置へ応答信号を返信する機能を持つ無線タグと、前記検出装置を起動させる起動手段とを備え、前記無線タグに応答信号の送信機能を有効又は無効にするスイッチが設けられ、初期状態では前記検出装置が停止状態又は待機状態に維持され、前記起動手段の動作により前記検出装置が動作状態へ移行するように設定されていることを特徴とする。
前記無線タグとスイッチとは、機器の動作を操作又は制御するシステムにおけるリモコン部分あるいはセンサー部分を構築するのに用いられる。無線タグは、検出装置から送信される電波を利用して電力を生起させ、記憶部に保持した情報に基づき受信電波を変調し応答信号を生成して送信する機能を有するものである。通常、応答信号には、無線タグを識別するための個体情報のほか、用途情報・位置情報などが含まれる。
無線タグに設けられるスイッチは、外力や環境変化に基づいて回路を開閉するものである。例を挙げると、バネで常時開又は常時閉に付勢された開閉器,押圧力の作用により電気抵抗が変化する感圧導電体、バイメタルにより動作する開閉器等が考えられる。なおスイッチの無線タグに対する組込み位置は、タグアンテナの回路途中のほか、ICチップの回路内の場合も考えられる。無線タグに設けたスイッチが動作すると、無線タグの信号送信機能が有効になり、応答信号の返信が開始される。検出装置は、この応答信号の開始を検知することにより、検知信号を制御装置へ出力し、機器に所定動作の実行を開始させるか、又は、機器を動作可能な状態に移行させる。なお状況によっては、スイッチ動作により、無線タグの信号送信機能が無効になり、応答信号の返信が中止されるよう設定することも可能である。
検出装置は、無線タグリーダーとも呼ばれるものであって、無線タグに対し質問信号を送信し、無線タグから返信される応答信号を受信して、応答信号の保持情報に基づいた検知信号を制御装置へ出力する機能を有している。無線タグとの交信は電波で行うが、制御装置への信号伝達は、電気配線によっても、電波や赤外線等で無線で行うものでもよい。なお検出装置の動作状態とは、質問信号を連続的又は断続的に送信している状態を指し、停止状態とは通電されていない状態を指し、待機状態とは通電されていても質問信号の送信を実行していない状態を指すものとする。
制御装置は、検出装置から出力される検知信号に基づいて、各種機器の動作を制御する機能を有するものであって、CPU等の演算装置や、機器制御に必要な各種データを格納する記憶装置や、信号の入出力装置などから成るものである。
ところで、起動手段が何らかの理由で故障を起こした場合、前記制御システムが正常に動作できなくなるおそれがある。そこで本発明は、このような事態に備え、以下のような構成の機器制御システムを提案する。すなわち、機器の動作を制御する制御装置と、電波の送受信機能を備え前記制御装置に検知信号を出力する検出装置と、前記検出装置から送信される質問信号に応答して当該検出装置へ応答信号を返信する機能を持つ無線タグと、前記検出装置を起動させる起動手段とを備え、前記無線タグに前記応答信号の送信機能を有効又は無効にするスイッチが設けられ、初期状態では前記検出装置から送信される質問信号のデューティー比が小さい状態に維持し、前記起動手段の動作又は前記無線タグからの応答信号により、前記検出装置から送信される質問信号のデューティー比を増大させるか又は質問信号を連続的に送信する状態へ移行させるように設定したことを特徴とする機器制御システムである。
前記において、質問信号のデューティー比とは、総時間に対する、質問信号が出力されている時間の比率である。また検出装置の初期状態と動作状態とで、質問信号のデューティー比を小さい状態と大きい状態とに切り替えるが、それぞれの状態下における各デューティー比の値は一定にするのが通常である。但し必要ならば、デューティー比を連続的又は段階的に変化させるよう設定することも可能であり、さらに例えば、デューティー比を大きい状態から小さい状態へ戻すときにデューティー比を漸減させたり、反対に、デューティー比を小さい状態から大きい状態へ切り替えるときにデューティー比を漸増させたりする態様も考えられる。
前記機器制御システムにおいては、前記検出装置から送信される質問信号のデューティー比を増大させたのち又は質問信号を連続的に送信する状態へ移行させたのち、前記起動手段の動作又は前記無線タグからの応答信号が所定時間以上無かった場合には、前記質問信号のデューティー比を小さくするように設定することが可能である。
本発明における起動手段は、例えば人体検知手段で構成することが可能であり、当該人体検知手段から出力される人体検知信号に基づき、前記検出装置を動作状態へ移行させるか、あるいは、質問信号のデューティー比を増大させた状態又は質問信号を連続的に送信する状態へ移行させるように設定することが考えられる。人体検知手段としては、人体に照射した赤外線の反射を検知する赤外線センサー、超音波の反射を検知する超音波センサー、床等に加わる荷重の変化を検知する荷重センサー、静電容量の変化を検知する静電センサーなどが考えられる。そのほか、照明装置を点灯させる照明スイッチの操作と検出装置の起動とを連動させて起動手段とする構成も考えられる。起動手段から出力される起動信号については、検出装置へ直接入力させる態様(図1に破線で示す)のほかに、制御装置へ一旦入力させ、制御装置がこの起動信号に基づき検出装置へ起動命令を出力する態様(図1に実線で示す)を採用することが可能である。
前述した機器制御システムにおいて、前記無線タグとスイッチとで機器の動作を操作するリモコンを構成する場合は、当該無線タグを互いに異なる保持情報を持った複数のICチップを備えるものとすると共に、各ICチップの信号送信機能を個別に有効又は無効にできる複数のスイッチを設ければよい。
なお本発明は、トイレに設置される温水洗浄装置の制御システムに適用することができる。
請求項1に係る本発明の機器制御システムによれば、無線タグによる機器の制御が必要なときにのみ検出装置を起動手段で動作状態へ移行させ、必要時以外は検出装置を停止状態又は待機状態の低消費電力状態に維持するので、検出装置の電力消費量を節減することができる。また、検出装置の実働時間が短縮されるから、検出装置を構成する回路その他の部品について、連続駆動能力の要求レベルを下げることができる。その結果、検出装置のコストダウンを図れると共に、製品の長寿命化が得られる。
請求項2に係る機器制御システムによれば、初期状態では、検出装置から送信される質問信号のデューティー比を小さい状態に維持し、起動手段が動作すると質問信号のデューティー比を増大させるか又は連続的な送信状態へ移行するように設定されているから、必要時以外は検出装置を低消費電力状態に維持して、省電力化を図れる。しかも、検出装置は待機状態で完全に停止するのではなく、デューティー比の小さい間欠的な質問信号の送信を行い、起動手段の動作が無くとも、無線タグからの応答信号が有ったときには正規の動作状態へ移行するよう設定されているので、万一、起動手段が故障したとしても、無線タグからの応答信号に基づく機器の制御を確実に実行することが可能である。
なお請求項3に記載の如く、起動手段の動作又は無線タグからの応答信号が所定時間以上無かった場合に、検出装置から送信される質問信号のデューティー比を小さくするよう設定した場合は、検出装置の不要な電力消費を抑えることができる。
請求項4に記載の如く、起動手段を例えば人体検知手段とした場合は、使用者の有無に基づいて、検出装置の動作状態を制御することが可能となる。
請求項5に記載の如く、機器の動作を操作するリモコンを複数のICチップと複数のスイッチとを有する無線タグで構成した場合は、電池の不要なリモコンを提供することが可能となる。
請求項6に記載の如く、本発明の制御対象を、トイレに設置される温水洗浄装置とした場合は、安価で消費電力の少ない製品を提供できる。
[第1の実施形態]
図2は、本発明を、便器21に設置した温水洗浄装置等(図示せず)の各種機器を操作する制御システムに適用した一実施形態を示す斜視図、図3は同制御システムの概略構成を示すブロック図である。本例では、トイレの壁面に無線タグTを用いて構成されたリモコンRが配置され、便座22に無線タグTを用いて構成した着座センサーQを配した。リモコンRによって、温水洗浄装置・温風乾燥装置・暖房便座ヒータ・脱臭ファン等の動作を制御する。また着座センサーQは、便座22に使用者が着座していないときには、温水洗浄装置や温風乾燥装置を動作させないようにする安全装置の役割を果たすものである。
図2は、本発明を、便器21に設置した温水洗浄装置等(図示せず)の各種機器を操作する制御システムに適用した一実施形態を示す斜視図、図3は同制御システムの概略構成を示すブロック図である。本例では、トイレの壁面に無線タグTを用いて構成されたリモコンRが配置され、便座22に無線タグTを用いて構成した着座センサーQを配した。リモコンRによって、温水洗浄装置・温風乾燥装置・暖房便座ヒータ・脱臭ファン等の動作を制御する。また着座センサーQは、便座22に使用者が着座していないときには、温水洗浄装置や温風乾燥装置を動作させないようにする安全装置の役割を果たすものである。
前記無線タグTと電波信号を介して交信する検出装置10、検出装置10に接続され電波信号の送受信を行う検出アンテナ11、及び、各種機器の動作制御用の回路基板を主体とする制御装置20は、洗浄水タンク等を収納するケース23内に配置した。検出アンテナ11については、ケース23の内表面に配設するか又はケース23の壁部内に組み込む構成が可能である。本例の如く、ケース23内に、検出装置10、検出アンテナ11及び制御装置20を配置することにより、これらの設置スペースをトイレ内に別途確保する必要が無くなり、また、美観性も損なわれることがないという利点が得られる。
本例では、便器21に接近する人体を検出するための人体検知手段Sをケース23に配置した。この人体検知手段Sは、例えば赤外線センサー・超音波センサーなどから成り、便器21に接近した人体を検知して、便蓋開閉装置・音楽再生装置・換気装置等を起動させると共に、検出装置10を起動させて動作状態へ移行させるように設定されている。人体検知手段Sの配置は、図示するようなケース23表面に限定されるものではなく、便器21を設置したトイレ室内であればどこでもよい。例えば検知距離の長い赤外線センサーや超音波センサーは天井に配置することができ、静電センサーや焦電センサーであれば便器21近くの壁面に配置すればよく、荷重センサーであれば床面に設けることが可能である。なお、人体検知手段Sから出力される人体検知信号は、検出装置10へ直接入力させても、制御装置20を介して入力させてもよい。
本例の機器制御システムに使用するリモコンRは、図4に示すように、複数のICチップ1、タグアンテナ2、及び、各ICチップ1ごとに設けたスイッチ3を備える無線タグTで構成される。各ICチップ1は、機器に所定の動作を行わせるのに必要とされる情報をそれぞれ保持している。初期状態では、スイッチ3により、ICチップ1とタグアンテナ2との接続がOFFであるように設定され、従って検出装置11からの質問信号に対する応答はなされない。スイッチ3を操作すると、ICチップ1とタグアンテナ2との接続がONになり、応答信号の返信が可能となる。
リモコンRにはICチップ1とスイッチ3との複数組が配置されるが、その組数は、リモコンRで操作しようとする項目数に合わせて設定される。また本例では、図4に示すとおり、ICチップ1とスイッチ3との各組を1つのタグアンテナ2に対し並列に接続する構成を採用した。各ICチップ1の保持情報を異ならせておくことにより、タグアンテナ2を共通化しても、どのスイッチ操作を行ったかの識別が可能である。なお、ICチップ1・タグアンテナ2・スイッチ3各一個ずつから成る独立したタグユニットを複数配置してリモコンRを構成することも可能である。
図5(A)に示すように、便座22に配置されて着座センサーQを構成する無線タグTは、ICチップ1・タグアンテナ2・着座スイッチ3から成る。着座スイッチ3は、便座22に使用者が着座したときの荷重を検知して、無線タグTのアンテナ回路をON(又はOFF)にするものである。これには、バネで付勢した常時開(又は常時閉)の開閉器を用いることができる。あるいは図5(B)に示すように、タグアンテナ2の端部に接合した電極33,34で感圧導電体32を挟持した構造の感圧スイッチ31を用いてもよい。この感圧スイッチ31は、便座22に人が着座すると、便器21に受圧端子35が当接して押圧されることにより、受圧端子35を介し押圧力を受けた感圧導電体32が電気抵抗値を低下させる。その結果、感圧導電体32の両面に配置した電極33,34間で電気が導通可能となるので、タグアンテナ2の回路が閉じられ、無線タグTと検出装置10との間で交信可能となる。
前記着座スイッチ3は、人体と接触して体温によりON(又はOFF)動作する温度スイッチで構成することも考えられる。温度スイッチの具体例としては、サーミスタやサーマルリードスイッチのほか、バイメタルを用いた構造などを挙げることができる。
無線タグTのタグアンテナ2及び検出装置10の検出アンテナ11は、電波を効率よく受信するため、平面内においてコイル状に巻回した面ループ状形態が採用される。しかし各アンテナ2,11の形態は、交信に使用する電波の周波数や強度等に基づき変更することが可能であり、例えば棒状・パッチ状(素子状)・複合パッチ状・面状・スロット状・螺旋状・パターン状等、状況に応じ適宜採用することが可能である。なお無線タグTの全体形状についても、板状・棒状・円盤状・直方体状などの様々な形態が可能である。
図6は、無線タグTにおけるICチップ1の構造を概略的に示すものである。ICチップ1は、例えば、無線通信インターフェースを介してアンテナ回路2と接続される受信部及び送信部、受信電波により電力を発生させる電源生成部、電波の復調・変調を制御するMPU等から成る制御部、当該無線タグの識別情報その他の情報を保持する不揮発性メモリ等から成る記憶部などより構成される。上記無線通信インターフェース・受信部・送信部は、一体に構成される場合もある。また、記憶部を読み取り専用のメモリで構成してもよいが、所望により保持情報の更新又は変更等の書換を可能とする場合は、基板に外部通信用インターフェースを備えることが望ましい。
次に、前述の如く構成した機器制御システムの動作を、主として図3及び図7を参照して説明する。なお本例の制御システムにおいて、リモコンRで操作する機器は、温水洗浄装置・温風乾燥装置・暖房便座・脱臭装置であり、これらは便器21内又はケース23内に収納されている。その他に、人体検知により動作する機器として、便蓋開閉装置・音楽再生装置・換気装置が配備されているものとする。
トイレが無人の状態のとき、すなわち人体検知手段Sが人体検知信号を出力していないとき、検出装置10は、通電されていない停止状態あるいは通電されていても質問信号を送信していない待機状態に保持される。それ故、検出装置10の消費電力は低く抑えられている。また便蓋開閉装置・音楽再生装置・換気装置も同様に停止状態にある。
使用者がトイレに入室するか又は便器21に近づくと、人体検知手段Sが人体の存在を検知し、人体検知信号を検出装置10へ出力する。あるいは人体検知信号を制御装置20へ出力し、制御装置20が検出装置10に起動命令を出力する。これにより検出装置10が動作状態(ON状態)へ移行して、質問信号の連続的又は断続的な送信を開始すると同時に、無線タグTで構成したリモコンRあるいは着座センサーQから返信される応答信号の受信が可能な状態となる。また所望に応じ、人体検知信号の出力により、便蓋開閉装置が便蓋の開き上げ動作を行い、音楽再生装置があらかじめ用意された音楽を再生し、換気装置が始動するよう設定することができる。
使用者がトイレに入室して検出装置10が動作を開始したとしても、便座22に使用者が着座していない初期状態では、着座センサーQのスイッチ3はOFFであり応答信号を出力しない。そのため制御装置20は、温水洗浄装置や温風乾燥装置を、使用者が誤ってスイッチ操作しても決して起動しない状態に保持する。便座22に使用者が着座すると、着座センサーQのスイッチ3がONになり、検出装置10と交信可能になる。つまり、着座センサーQが応答信号を検出装置10へ返信する、これにより、検出装置10が制御装置20へ検知信号を出力する結果、制御装置20は、温水洗浄装置や温風乾燥装置等を動作可能な状態に移行させる。また同時に、脱臭ファンが設けられている場合はこれを起動させるようにしてもよい。
しかるのち、使用者がリモコンR(図4参照)における所要のスイッチ3を押すと、このスイッチ3に対応したICチップ1の記憶情報に基づく応答信号が返信され、これを受けた検出装置10が所定の検知信号を制御装置20へ出力する。そして制御装置20が、検知信号に従い、上記スイッチ操作で選択した機器に所要動作を実行させる。具体的には温水洗浄装置における洗浄水の吐出・停止操作及び水勢の調節、温風乾燥装置における温風供給・停止操作及び風量の調節、暖房便座ヒータの温度調節などである。
なお、前記態様とは反対に、使用者の着座時に着座スイッチ3がOFFとなり、無線タグTからの応答信号が途絶したことを検知することによって、検出装置10が検知信号を制御装置20へ出力し、制御装置20が所定の制御動作を実行するように設定することも妨げない。
やがて使用者が便器21から離れるか又はトイレから退出したならば、人体検知手段Sから出力される人体検知信号が途絶える。制御装置20はこれを検知して、使用者の不存在と判断し、検出装置10を停止させるか又は待機状態へ移行させる。同時に、便蓋開閉装置に便蓋の閉め降ろしを実行させ、音楽再生装置・換気装置を停止させる。このようにして、検出装置10その他の消費電力を低減させるので、電気代の節約、機器のコストダウン及び長寿命化を図ることができる。
[第2の実施形態]
本発明に係る機器制御システムは、図8に示すような動作態様を採用することも可能である。本例にあっては、人体検知手段Sが人体検知信号を出力していない初期状態のときには、検出装置10から送信する質問信号を、図9(A)に例示するような、1パルス当たりの持続時間が短く且つパルス間隔を比較的長く設定した間欠的波形で出力する。従って、検出装置10から送信される質問信号のデューティー比は小さいので、待機時の消費電力を小さく抑えられる。
本発明に係る機器制御システムは、図8に示すような動作態様を採用することも可能である。本例にあっては、人体検知手段Sが人体検知信号を出力していない初期状態のときには、検出装置10から送信する質問信号を、図9(A)に例示するような、1パルス当たりの持続時間が短く且つパルス間隔を比較的長く設定した間欠的波形で出力する。従って、検出装置10から送信される質問信号のデューティー比は小さいので、待機時の消費電力を小さく抑えられる。
人体検知手段Sが人体の存在を検知して、人体検知信号を検出装置10あるいは制御装置20へ出力したならば、検出装置10から送信される質問信号の出力波形を図9(B)に例示するような1パルス当たりの持続時間を長くした波形または同図(C)に例示するようなパルス間隔を短くした波形に変化させて、質問信号のデューティー比を増大させた状態へ移行させる。あるいは、パルス出力に代えて、連続的送信状態としてもよい。その結果、検出装置10が正規の動作状態、すなわち、無線タグTへ質問信号を連続的又はごく短い間隔で断続的に出力する状態へ移行する。
かかる状態において、検出装置10は、無線タグTから応答信号を受けると、制御装置20へ検知信号を出力し、これに基づき制御装置20が所定の機器に制御信号を出力して所要の動作を実行させる。具体的には、前述の温水洗浄装置の場合、着座センサーQからの応答信号を受けると、温水洗浄装置や温風乾燥装置等を動作可能な状態へ移行させ、脱臭ファンが設けられている場合は同時にこれを起動させる。またリモコンRのスイッチ3を押すと、このスイッチ3に対応した応答信号が返信され、上記スイッチ操作で選択した機器、例えば温水洗浄装置、温風乾燥装置、暖房便座ヒータ等に所要動作を実行させる。
しかるのち、使用者が不在となり、人体検知手段Sから出力される人体検知信号が途絶えたならば、タイマー等で設定した所定時間の経過後、検出装置10から送信される質問信号の出力波形を図9(A)に示すような波形に戻し、デューティー比の小さい間欠送信状態へ移行させる。これにより、検出装置10その他機器の省電力化、コストダウン及び長寿命化を図れる。
ところで本例では、初期状態において、検出装置10からの質問信号の送信を完全に停止させるのではなく、デューティー比の小さい間欠送信を実行させているから、万一、人体検知手段が故障した場合でも、検出装置10を正規の動作状態へ移行させることができるという効果を発揮する。すなわち、質問信号の送信状態がデューティー比が小さく設定された間欠送信状態であっても、人体検知信号が出力されていない状態下において、無線タグからの応答信号が有ったとき(例えば着座センサーがON動作しているとき、リモコンのスイッチを長押ししたときなど)には、制御装置20へ検知信号を出力し、これに基づき制御装置20が所定の機器に制御信号を出力して所要の動作を実行させることが可能である。また同時に、検出装置10から送信される質問信号の出力波形を図9(B)又は(C)のように変化させてデューティー比を増大させ、正規の検知動作状態とすることができる。それ故、人体検知手段とは無関係に、無線タグによる各種機器の動作制御を行うことが可能である。
本発明に係る機器制御システムは、トイレ用機器以外に、浴室に設置されるジェットバス装置をリモコンで操作するシステムなどにも適用可能である。
Q…着座センサー R…リモコン S…人体検知手段 T…無線タグ 1…ICチップ 2…タグアンテナ 3…着座スイッチ 10…検出装置 11…検出アンテナ 20…制御装置 21…便器 22…便座 23…ケース
Claims (6)
- 機器の動作を制御する制御装置と、電波の送受信機能を備え前記制御装置に検知信号を出力する検出装置と、前記検出装置から送信される質問信号に応答して当該検出装置へ応答信号を返信する機能を持つ無線タグと、前記検出装置を起動させる起動手段とを備え、前記無線タグに前記応答信号の送信機能を有効又は無効にするスイッチが設けられた機器制御システムにおいて、初期状態では前記検出装置が停止状態又は待機状態に維持され、前記起動手段の動作により前記検出装置が動作状態へ移行するように設定されていることを特徴とする機器制御システム。
- 機器の動作を制御する制御装置と、電波の送受信機能を備え前記制御装置に検知信号を出力する検出装置と、前記検出装置から送信される質問信号に応答して当該検出装置へ応答信号を返信する機能を持つ無線タグと、前記検出装置を起動させる起動手段とを備え、前記無線タグに前記応答信号の送信機能を有効又は無効にするスイッチが設けられた機器制御システムにおいて、初期状態では前記検出装置から送信される質問信号のデューティー比が小さい状態に維持され、前記起動手段の動作又は前記無線タグからの応答信号により、前記検出装置から送信される質問信号のデューティー比を増大させるか又は質問信号を連続的に送信する状態へ移行させるように設定されていることを特徴とする機器制御システム。
- 前記検出装置から送信される質問信号のデューティー比を増大させたのち又は質問信号を連続的に送信する状態へ移行させたのち、前記起動手段の動作又は前記無線タグからの応答信号が所定時間以上無かった場合、前記質問信号のデューティー比を小さくするように設定されている請求項2に記載の機器制御システム。
- 前記起動手段が人体検知手段である請求項1乃至3のいずれかに記載の機器制御システム。
- 前記機器の動作を操作するリモコンが前記無線タグで構成され、当該無線タグは、異なる保持情報を持った複数のICチップと、各ICチップの信号送信機能を個別に有効又は無効にできる複数のスイッチとを有している請求項1乃至4のいずれかに記載の機器制御システム。
- 前記機器がトイレに設置される温水洗浄装置である請求項1乃至5のいずれかに記載の機器制御システム。
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---|---|---|---|
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008011279A (ja) * | 2006-06-29 | 2008-01-17 | Inax Corp | 無線リモートスイッチ、この無線リモートスイッチを備えた住宅設備操作システム及びシステムリモコンユニット |
JP2010507136A (ja) * | 2006-10-12 | 2010-03-04 | セダーデル リミテッド | セキュリティモジュール |
EP2317487A1 (en) * | 2009-11-02 | 2011-05-04 | Hitachi Consumer Electronics Co., Ltd. | Wireless video transmission device and wireless video reception device |
JP2018040222A (ja) * | 2016-09-09 | 2018-03-15 | Toto株式会社 | トイレシステム |
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-
2004
- 2004-11-26 JP JP2004341827A patent/JP2006050521A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008011279A (ja) * | 2006-06-29 | 2008-01-17 | Inax Corp | 無線リモートスイッチ、この無線リモートスイッチを備えた住宅設備操作システム及びシステムリモコンユニット |
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US8760512B2 (en) | 2009-11-02 | 2014-06-24 | Hitachi Consumer Electronics Co., Ltd. | Wireless video transmission device and wireless video reception device |
JP2018040222A (ja) * | 2016-09-09 | 2018-03-15 | Toto株式会社 | トイレシステム |
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